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JP2016079449A - 鋼管の製造方法及び鋼管 - Google Patents

鋼管の製造方法及び鋼管 Download PDF

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JP2016079449A JP2014211032A JP2014211032A JP2016079449A JP 2016079449 A JP2016079449 A JP 2016079449A JP 2014211032 A JP2014211032 A JP 2014211032A JP 2014211032 A JP2014211032 A JP 2014211032A JP 2016079449 A JP2016079449 A JP 2016079449A
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Abstract

【課題】建築、土木等の分野において有用であって、高強度であって、しかも降伏比が低くかつ低温靱性が確保された鋼管の製造方法を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.05〜0.5%、及びMn:0.5〜2.0%を含有し、Al:0.10%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、及びN:0.007%以下に制限し、残部がFe及び不可避的不純物である鋼片を加熱し、再結晶温度域での圧下比を2以上として熱間圧延し、得られた鋼板を850℃超に加熱して焼入れし、更に、700〜850℃の温度範囲に加熱して焼入れし、更に、350℃以上500℃未満の温度範囲で焼戻し処理を施し、該鋼板を管状に冷間成形して鋼管とする。【選択図】図2

Description

本発明は、建築、土木等の分野において有用であり、高強度であって、しかも降伏比が低くかつ低温靱性が確保された鋼管の製造方法、及びこのような特性を有する鋼管に関する。
近年、建築構造物の大型化に伴い、当該構造物に用いられる鋼管には、より一層高い強度や座屈強度が要求される。例えば、鋼管の座屈強度を高める手法としては、既存の鋼管に対して外径を変化させずに厚肉化すること、即ち、鋼管の肉厚tと外径Dとの比(t/D)を大きくすることが考えられる。しかしながら、このように厚肉化を図った圧延鋼板から鋼管を成形する造管工程においては、加工硬化によって降伏強度及び引張強度が高くなるが、これらのうち特に降伏強度の向上が顕著なため、降伏比が上昇する傾向にある。
ここで、降伏比とは、降伏強度YSと引張強度TSとの比(YS/TS)で表される値である。降伏比は、降伏強度よりも大きな応力が材料に付加され、当該材料が降伏した後、座屈や破断に至るまでの耐久性の指標である。
鋼管の降伏比が高いということは、鋼管に応力が過度に負荷された場合に、弾性変形後の塑性変化量が少ないことを意味する。このため、このような鋼管は破壊するおそれが高く、耐震性が要求される建築構造物に用いる部材としては好ましくない。そこで、降伏比を低下させるべく、鋼材の組織を軟質相と硬質相とで構成した複相組織とする技術が提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2007−270304号公報 特開平05−117746号公報
ところで、建築構造物に用いる鋼管には、地震発生時に、曲げ応力及び曲げ戻し応力が加えられることがある。特に、弾性変形後の塑性変形時に鋼管に急激に曲げ応力等が加わると、鋼管が破壊するおそれがある。このため、構造物が倒壊等しないように、鋼管には優れた靱性も要求される。
しかしながら、特許文献1、2に開示された技術を用いて製造された、肉厚tと外径Dとの比(t/D)が6%を超える鋼管は、85%以下の良好な降伏比を示すものの、低温靱性(シャルピー吸収エネルギーvE−30)については、良好な結果が得られるか不明である。従って、上記鋼管については、低降伏比と低温靱性とが、必ずしも両立されているとはいえない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、建築、土木等の分野において有用であって、高強度であり、しかも降伏比が低く(YR≦85%)かつ低温靱性(νE−30≧50J)が確保された鋼管の製造方法、及びこのような特性を有する鋼管を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋼板の圧延条件として温度条件以外に圧下比を2以上とすることで組織が微細化され、また、鋼板の焼き戻し温度を350℃以上とすることで焼き戻し脆化による脆化相の生成に起因した鋼板の靱性低下が抑制され、その結果、これらの作用が相まって、低温靱性が確保される(鋼管のシャルピー吸収エネルギーvE−30が50J以上となる)、との知見を得た。
また、本発明者らは、鋼板の焼き戻し時の加熱温度を500℃未満とすることで、マルテンサイト等の硬質相が過度に軟化しないことから、鋼板の降伏比の上昇が抑制される(鋼管の降伏比が0.85以下となる)、との知見を得た。
以上の知見に基づき、本発明者らは本発明を完成した。その要旨は以下のとおりである。
[1]肉厚tと外径Dとの比t/Dが6%超である鋼管の製造方法であって、
質量%で、
C:0.02〜0.20%、
Si:0.05〜0.5%、及び
Mn:0.5〜2.0%
を含有し、
Al:0.10%以下、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、及び
N:0.007%以下
に制限し、残部がFe及び不可避的不純物である鋼片を加熱し、再結晶温度域での圧下比を2以上として熱間圧延し、得られた鋼板を850℃超に加熱して焼入れし、更に、700〜850℃の温度範囲に加熱して焼入れし、更に、350℃以上500℃未満の温度範囲で焼戻し処理を施し、該鋼板を管状に冷間成形して鋼管とし、
降伏強度が440MPa以上、引張強度が590MPa超740MPa以下、降伏比が0.85以下、シャルピー吸収エネルギーvE−30が50J以上の鋼管とすることを特徴とする、鋼管の製造方法。
[2]上記鋼管を、Ac点未満の温度に加熱し、空冷することを特徴とする、上記[1] に記載の鋼管の製造方法。
[3]上記鋼片が、質量%で、更に
Ni:1.0%以下、
Cu:1.0%以下、
Cr:1.0%以下、
Mo:1.0%以下、
Nb:0.1%以下、
V:0.1%以下、
Ti:0.025%以下、及び
Ca:0.006%以下
の少なくとも1種を含有することを特徴とする、上記[1] 又は[2]に記載の鋼管の製造方法。
[4]肉厚tと外径Dとの比t/Dが6%超である鋼管において、
質量%で、
C:0.02〜0.20%、
Si:0.05〜0.5%、及び
Mn:0.5〜2.0%
を含有し、
Al:0.10%以下、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、及び
N:0.007%以下
に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
組織が、硬質組織と軟質組織とを含み、
上記硬質組織の有効結晶粒径が1〜15μmであり、かつ、上記軟質組織の有効結晶粒径が1〜15μmであり
降伏応力が440MPa以上、引張強度が590MPa超740MPa以下、降伏比が0.85以下、シャルピー吸収エネルギーvE−30が50J以上であることを特徴とする、鋼管。
[5]質量%で、更に、
Ni:1.0%以下、
Cu:1.0%以下、
Cr:1.0%以下、
Mo:1.0%以下、
Nb:0.1%以下、
V:0.1%以下、
Ti:0.025%以下、及び
Ca:0.006%以下
の少なくとも1種を含有することを特徴とする、上記[4]に記載の鋼管。
本発明に係る鋼管の製造方法では、肉厚tと外径Dとの比(t/D)を6%超とすることを前提に、特に、鋼板の圧延条件(圧下比)と、鋼板の焼き戻し条件(加熱温度)について改良を行っている。その結果、本発明に係る鋼管の製造方法によれば、建築、土木等の分野において有用であって、高強度であり、しかも降伏比が低くかつ低温靱性が確保された鋼管を得ることができる。
また、本発明に係る鋼管は、所定の成分組成と組織とを有することを前提に、特に、組織の円相当径について改良を行っている。その結果、本発明に係る鋼管によれば、建築、土木等の分野において有用な程度の、強度と低降伏比と低温靱性を確保することができる。
鋼板の降伏比と焼き戻し工程での加熱温度との関係を示すグラフである。 鋼管の熱影響部におけるシャルピー吸収エネルギーvE−30と焼き戻し工程での加熱温度との関係を示すグラフである。
<鋼管の製造方法>
以下、本発明に係る鋼管の製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を限定するものではない。また、当該実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、下記の実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
[母材の成分]
以下に、本発明に係る鋼管の製造方法において用いる母材(圧延鋼板)の成分について、説明する。なお、以下に示す「%」は、特に断りのない限り「質量%」を示すものとする。
(C:0.02〜0.20%)
Cは、母材の強度を上昇させる元素である。母材の強度を確保するために、下限を0.02%とする。一方、C量が0.20%を超えると溶接性が低下するとともに、靭性が低下するので、上限を0.20%とする。なお、強度をさらに高める観点からは、C量を0.03%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることがさらに好ましい。また、靱性をさらに高める観点からは、C量を0.15%以下とすることが好ましく、0,12%以下とすることがさらに好ましい。
(Si:0.05以上0.50%以下)
Siは、脱酸剤として有効な元素であり、強度の上昇にも寄与するため、下限を0.05%とする。なお、強度をさらに高める観点から、Si量を0.10%以上とすることが好ましく、0.20以上とすることがさらに好ましい。一方、Siは、0.50%を超えて添加すると、母材や熱影響部(以下、「HAZ」と称する場合がある)の靱性、さらには溶接性を損なうので、上限を0.50%とする。なお、靱性をさらに確保する観点からは、Si量を0.40%以下とすることが好ましく、0.30%以下とすることがさらに好ましい。
(Mn:0.5〜2.0%)
Mnは、強度及び靱性を同時に向上させる元素であり、下限を0.5%とする。一方、Mnを過度に添加すると、母材やHAZの靱性が低下し、さらには溶接性を損なうので、上限を2.0%とする。なお、強度をさらに高める観点からは、Mn量を1.10%以上とすることが好ましく、1.20%以上とすることがさらに好ましい。一方、靱性の低下をさらに抑制する観点からは、Mn量を1.50%以下とすることが好ましく、1.40%以下とすることがさらに好ましい。
(Al:0.10%以下)
Alは、脱酸剤として有効な元素である。Siが添加されている場合には、Alの添加は必須ではない。Alは、0.10%を超えて添加すると、母材の清浄度が低下するとともに、母材及び溶接部の靱性が低下するので、上限を0.10%とする。靱性をさらに高める観点からは、Al量を0.05%以下とすることが好ましい。一方、本実施の形態では、脱酸のためにSiを添加するので、Al量の下限値は0%でもよい。Alを脱酸剤として使用した場合、除去するのにコストがかかるため、経済的理由からAlは0.001%以上含まれていてもよい、なお、脱酸効果をさらに高めるためには、0.005%以上の添加がより好ましい。
(P:0.03%以下)
Pは、不純物であるので、含有量の上限を0.03%とする。P量の低減により、粒界破壊が防止されることから、P量を0.010%以下とすることが好ましい。一方、P量はできる限り少ないことが好ましいので下限は設けないが、除去するのにコストがかかるため、経済的理由から0.001%以上含まれていてもよい。
(S:0.01%以下)
Sは、Pと同様に不純物であるので、含有量の上限を0.01%とする。S量の低減により、MnSの量を低減し、靭性を向上させることができることから、S量を0.005%以下とすることが好ましい。一方、S量はできる限り少ないことが好ましいので下限は設けないが、除去するのにコストがかかるため、経済的理由から0.0001%以上含まれていてもよい。
(N:0.007%以下)
Nも不純物であり、過度の含有は母材及びHAZの靱性の低下や表面性状の低下を招くため、含有量の上限を0.007%とする。一方、Ti、Nb、Vなどを添加する場合には、Tiはこれらと窒化物を形成し、強度の上昇やHAZ靭性の改善に寄与するため、下限を0.002%とすることが好ましい。なお、強度向上等の観点からは、N量を0.003%以上とすることがより好ましい。
(Ni:1.0%以下)
Niは、溶接性やHAZの靱性に悪影響を及ぼすことなく、母材の強度を向上させるとともに、母材の靭性向上にも寄与する元素であるが、高価であるため、経済的な観点から上限を1.0%とすることが好ましい。なお、経済的な観点からは、Ni量を0.5%以下とすることがさらに好ましい。一方、強度向上等の観点からは、Ni量を0.01%以上とすることが好ましい。
(Cu:1.0%以下)
Cuは、母材の強度、靱性を向上させる元素であり、さらにCu析出物による強度の増加や耐食性の向上にも寄与するが、Cuを過度に添加すると析出硬化によって降伏比が上昇するため、上限を1.0%とすることが好ましい。一方、母材の強度向上等の観点からは、Cu量を0.01%以上とすることが好ましい。
(Cr:1.0%以下)
Crは、母材の強度向上に有効であり、かつ、母材の耐食性を向上させる元素であるが、Crを過度に添加すると母材の溶接性やHAZの靱性が低下するため、上限を1.0%とすることが好ましい。一方、強度向上の観点からは、Cr量を0.01%以上とすることが好ましく、耐食性向上の観点からは、Cr量を0.1%以上とすることが好ましい。
(Mo:1.0%以下)
Moは、母材の高強度化及び高靱性化に寄与する元素であるが、Moを過度に添加すると溶接部の靱性低下や溶接性の低下を招くため、上限を1.0%とすることが好ましい。一方、高強度化及び高靱性化の観点からは、Mo量を0.01%以上とすることが好ましい。
(Nb:0.1%以下)
Nbは、微細な炭窒化物を形成して、母材の強度を向上させるとともに、HAZの靱性を向上させる元素であるが、Nbを過度に添加すると母材の靱性が低下することがあるため、上限を0.1%とすることが好ましい。一方、母材の強度向上やHAZの靱性向上の観点からは、Nb量を0.003%以上とすることが好ましい。
(V:0.1%以下)
Vは、炭化物、窒化物を生成して、母材の強度を向上させるとともに、HAZの靱性を向上させる元素であるが、Vを過度に添加すると、析出硬化によって降伏比が上昇することがあるので、上限を0.1%とすることが好ましい。一方、母材の強度向上やHAZの靱性向上の観点からは、V量を0.003%以上とすることが好ましい。
(Ti:0.025%以下)
Tiは、炭化物、窒化物を形成し、HAZの靱性向上に寄与する元素であるが、Tiを過度に添加すると、HAZの靭性が低下することがあるので、上限を0.025%とすることが好ましい。なお、HAZの靱性の低下をさらに抑制する観点からは、Ti量を0.020%以下とすることがさらに好ましい。一方、HAZの靱性向上の観点からは、Ti量を0.003%以上とすることが好ましく、Ti量を0.008%以上とすることがさらに好ましい。
(Ca:0.006%以下)
Caは、硫化物系介在物(MnS)の形態を制御し、シャルピー吸収エネルギーを増加させて低温靭性を向上させる元素である。しかしながら、Caを過度に添加すると、酸化物(CaO)や硫化物(CaS)が多量に生成して大型介在物が存在することなり、母材の靭性や清浄度が低下して、溶接性や耐ラメラテア性が低下するため、上限を0.006%とすることが好ましい。ここで、ラメラテアとは、熱影響部やその隣接部に母材表面と平行にはく離状に発生する溶接割れをいう。一方、低温靱性向上の観点からは、Ca量を0.001%以上とすることが好ましい。
残部は、鉄及び不可避的不純物である。不可避的不純物とは、原材料に含まれる成分、或いは製造の過程で混入される成分であって、母材に意図的に含有させた成分ではない成分をいう。
具体的には、P、S、O、Sb、Sn、W、Co、As、Mg、Pb、Bi、B及びHが不可避的不純物として挙げられる。このうち、P及びSは、上述のとおり、それぞれ、0.03%以下、0.01%以下となるように制御する必要がある。Oは0.006%以下となるように制御することが好ましい。
その他の元素については、通常、Sb、Sn、W、Co、及びAsは0.1%以下、Mg、Pb及びBiは0.005%以下、B及びHは0.0005%以下の不可避的不純物としての混入があり得るが、通常の範囲であれば、特に制御する必要はない。
また、本発明に係る鋼管の製造方法において用いる母材(圧延鋼板)の成分である、Si、Al、Ni、Cu、Cr、Mo、V、Caも、含有を意図しなくても不可避的不純物として混入することがあり得る。しかしながら、これらの成分は、上述した意図的に含有させる場合の含有量の上限以下であれば本発明において所望とする鋼管に悪影響を与えるものではない。さらに、Nは、一般に、母材において不可避的不純物として扱われることがあるが、本発明において所望の鋼管では、上述したとおり、一定の範囲に制御することが好ましい。
[製造工程]
次に、本発明に係る鋼管の製造方法についての各製造工程、即ち、(A)熱延鋼板の製造工程、(B)組織の微細化によって低温靱性の改善に寄与する第1の焼入れ工程、(C)複相組織とするための第2の焼入れ工程(二相域焼入れ工程)、(D)脆化相の生成を抑制して低温靱性の改善に寄与するとともに硬質相の軟化を抑制して降伏比を改善するための焼き戻し工程及び(E)鋼板を冷間加工して鋼管にする造管工程、並びに(F)鋼管の加工歪を除去し低温靭性をさらに改善するための造管後の焼鈍工程を、順に説明する。
(A)熱延鋼板の製造工程
上述した成分を有する鋼を溶製後、鋳造して鋼片とし、鋼片を加熱して熱間圧延後、制御冷却を行い、空冷し、熱延鋼板を製造する。なお、鋼の溶製及び鋳造は常法で行う。
鋼片の加熱温度は、再結晶温度域で圧延を行なう観点からは、加熱温度をオーステナイト単相域温度以上(Ac点以上)とする必要があり、できれば900℃以上とすることが好ましく、1000℃以上とすることがさらに好ましい。一方、鋼片の加熱温度は、結晶粒の粗大化を防止すべく、1250℃以下とすることが好ましい。また、
ここで、Ac点は、母材鋼板の成分(質量%)から、下記(式1)によって求めることができる。なお、下記の各成分を意図的に添加しない場合は、同式では0として計算する。
Ac(℃)=937.2−436.5C−19.7Mn−16.3Cu
−26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V
+136.3Ti−19.1Nb+198.4Al+3315B
… (式1)
また、鋼片の結晶粒を微細化してさらに低温靱性を高めるために、再結晶温度域での圧下比を2以上とする。ここで、圧下比とは、圧延において、加工の程度を表す量であって、圧延前後の材料の厚さをそれぞれh1、h2とした場合に(h1/h2)で定義される値をいう。なお、鋼片の結晶粒を微細化する観点からは、圧下比を3以上とすることが好ましい。
(B)第1の焼入れ工程
熱間圧延後、組織の微細化を目的として低温変態組織(マルテンサイト、ベイナイト等)を生成させるために、焼入れを施す。
この焼入れ処理では、鋼板の組織を一旦オーステナイトに変態させ、次いで低温変態組織とする。加熱温度の下限は、鋼板の組織をオーステナイト化する観点から850℃超とする。850℃以下であると、焼入れ処理後の強度が低下する。一方、加熱温度の上限は、鋼板の結晶粒の粗大化を抑制して低温靱性の低下を抑制すべく、1000℃以下とすることが好ましい。
本工程における板厚中心部のオーステナイト/フェライト変態前の冷却速度は1〜90℃/sとすることができ、靭性の観点からは、10〜90℃/sとすること好ましい。また、焼入れ停止温度は、室温〜400℃とすることができ、靭性の観点からは、室温〜300℃とすること好ましい。
(C)第2の焼入れ工程(二相域焼入れ工程)
続いて、鋼板の組織を複相組織とするため、二相域焼入れを施す。この二相域焼入れ処理では、鋼板の組織をフェライトとオーステナイトとの2相とすべく、加熱温度を700〜850℃とする。本工程では、Cが濃化したオーステナイトとCが減少したフェライトにより構成される組織により、極めて微細な炭化物を含む相と粗大な炭化物を含む相とにより構成される複相組織が生成し、特に、降伏比を低減することができる。
加熱温度が850℃を超えると、上述した第1の焼入れ工程での処理と同等の処理を繰り返し行うことになり、強度が過度に高まって降伏比が上昇する。一方、加熱温度が700℃未満である場合には、焼入れを行っても強度の上昇が不十分である。
本工程における板厚中心部のオーステナイト/フェライト変態前の冷却速度は1〜90℃/sとすることができ、靭性の観点からは、10〜90℃/sとすること好ましい。また、焼入れ停止温度は、室温〜400℃とすることができ、靭性の観点からは、室温〜300℃とすること好ましい。
(D)焼き戻し工程
さらに、鋼板の靱性を改善するために、350℃以上500℃未満の温度範囲で焼き戻しを施す。
図1は、鋼板の降伏比と焼き戻し工程での加熱温度との関係を示すグラフである。同図に示す例では、焼き戻し工程前の二相域焼入れ工程における加熱温度を750℃、770℃及び800℃のいずれかとすることを前提に、焼き戻し工程での加熱温度を470℃、500℃及び550℃のいずれかとしている。なお、図1に示す例における母材の成分は、0.07%C、0.3%Si、1.7%Mn、0.03%Al、0.004%Nを含む。
後述する造管後の鋼管における降伏比を目標値の0.85以下とするには、通常、造管前の鋼板における降伏比を0.80以下としておくことが必要である。図1に示す結果から、二相域焼入れ工程における加熱温度が上記の3つのいかなる温度(二相域焼入れ工程)であっても、焼き戻し工程における加熱温度が500℃未満であれば、低降伏比(鋼板状態で0.80以下)を実現することができることが判る。
図2は、鋼管の熱影響部におけるシャルピー吸収エネルギーvE−30と焼き戻し工程での加熱温度との関係を示すグラフである。同図には、焼き戻し工程での加熱温度が50℃付近から500℃までの試料の結果が示されている。なお、図2に示す例における母材の成分は、丸印については図1に示す母材の成分と同じであり、□印については図1に示す母材の成分に加えて0.01%Nbを含む。
図2に示す結果から、Nbの添加の有無に関わらず、焼き戻し工程における加熱温度が350℃以上であれば、鋼管の熱影響部における低温靱性(シャルピー吸収エネルギーvE−30が50J以上)が確保されていることが判る。
以上の結果から、焼き戻し工程においては、加熱温度を350℃以上とすることで、焼き戻し脆化による脆化相の生成に起因した鋼板の靱性低下を抑制することができる。一方、加熱温度を500℃未満とすることで、マルテンサイト等の硬質相を過度に軟化させず、鋼板の降伏比の上昇を抑制することができる。
なお、温度分布のバラツキを考慮して、焼戻し工程での加熱温度の下限は、好ましくは370℃にするとよく、さらに好ましくは390℃にするとよい。一方、加熱温度の上限は、好ましくは470℃にするとよく、さらに好ましくは450℃にするとよい。また、 加熱後の冷却は、通常の焼戻し処理と同様に空冷(大気放冷)でよい。即ち、平均冷却速度は1〜50℃/分でよい。
(E)造管工程
次に、プレスベンド冷間成形法によって鋼管とする。通常、圧延鋼板から鋼管を成形すると、加工硬化によって降伏強度及び引張強度が高くなるが、特に降伏強度の向上が顕著なため、降伏比が上昇する傾向にある。
このため、上述した焼き戻し工程によって降伏比の上昇を抑制する本製造方法は、特に、造管工程において発生する加工歪が大きな場合、換言すれば板厚(t)と鋼管外径(D)の比(t/D)が大きな鋼管を製造する場合に適している。なお、本発明に係る製造方法においては、比(t/D)が大きな場合とは、比(t/D)が6%を超える場合をいうものとする。
(F)造管後の焼鈍工程
本発明に係る鋼管の製造方法において、上述した(A)工程から(E)工程の各工程は必須であるが、以下に、任意選択的な造管後の焼鈍工程について詳述する。
即ち、上記の(E)工程での冷間成形における歪みを十分に取り除き、これにより降伏比をさらに低下させるとともに、靱性を向上させるべく、鋼管に熱処理(焼鈍)を施すことができる。焼鈍の温度は、鋼管の軟化による強度の低下を抑制すべく、Ac点未満とすることが好ましい。
ここで、Ac点は、母材鋼板の成分(質量%)から、下記(式2)によって求めることができる。なお、下記の各成分を意図的に添加しない場合は、同式では0として計算する。
Ac(℃)=750.8−26.6C−17.6Si−11.6Mn−22.9Cu
−23Ni+24.1Cr+22.5Mo−39.7V−5.7Ti
+232.4Nb−169.4Al−894.7B … (式2)
以上に示す(A)工程から(F)工程のうち、少なくとも(A)工程から(E)工程を経て得られた鋼管は、肉厚tと外径Dとの比(t/D)を6%超として強度を高めたにもかかわらず、降伏比の低減と低温靱性の確保とを実現し、ひいては優れた耐震性を発揮することができる。具体的には、当該鋼管は、降伏強度:440MPa以上、引張強度:590MPa超740MPa以下、降伏比:0.85以下、シャルピー吸収エネルギーvE−30:50J以上を有する。従って、本発明に係る製造方法によれば、高強度であって、しかも降伏比が低くかつ低温靱性が確保された、建築、土木等の分野において有用な鋼管(例えば、肉厚:50〜100mm)を得ることができる。
<鋼管>
次に、本発明に係る鋼管の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態についても、上述した本発明に係る鋼管の製造方法の実施形態と同様、本発明を限定するものではなく、その構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
[鋼管の母材の成分]
本発明に係る鋼管の成分については、本発明に係る鋼管の製造方法において詳述したとおりである。
[鋼管の組織]
本発明に係る鋼管の組織は、複数の軟質組織(フェライト)と硬質組織(マルテンサイト、ベイナイト等)とにより構成される、複相組織である。硬質組織の有効結晶粒径は1〜15μmであり、かつ、軟質組織の有効結晶粒径は1〜15μmである。ここで、有効結晶粒径とは、EBSP(Electron Backscatter Diffraction Pattern:電子線後方散乱パターン)法により測定される、方位差15°以下の組織の境界で囲まれる部分の円相当径での結晶粒径のことを意味する。
また、鋼管の組織を複相組織とすることで、鋼管の低降伏比を実現することができる。
このような前提の下、硬質組織の有効結晶粒径を1μm以上とすることで、この複相組織が鋼管の降伏比の低減に十分に寄与することができる。一方、硬質組織の有効結晶粒径を15μm以下とすることで、鋼管が優れた低温靭性を発揮することができる。なお、硬質組織の有効結晶粒径が2〜10μmである場合には、これらの効果がさらに高いレベルで奏されるため、好ましい。
軟質組織の有効結晶粒径を1μm以上とすることで、この複相組織が鋼管の降伏比の低減に十分に寄与することができる。一方、軟質組織の有効結晶粒径を15μm以下とすることで、鋼管が優れた低温靭性を発揮することができる。なお、軟質組織の有効結晶粒径が2〜10μmである場合には、これらの効果がさらに高いレベルで奏されるため、好ましい。
以上に示す構成を備える、本発明に係る鋼管は、肉厚tと外径Dとの比(t/D)を6%超として強度を高めたにもかかわらず、降伏比の低減と低温靱性の確保とを実現し、ひいては優れた耐震性を発揮することができる。具体的には、当該鋼管(例えば、肉厚:50〜100mm)は、降伏強度:440MPa以上、引張強度:590MPa超740MPa以下、降伏比:0.85以下、シャルピー吸収エネルギーvE−30:50J以上を有する。従って、本発明に係る鋼管は、高強度であって、しかも降伏比が低くかつ低温靱性が確保されているため、建築、土木等の分野において有用である。
以下、本発明の効果を発明例により具体的に説明する。なお、本発明は、以下の発明例で用いた条件に限定されるものではない。また、表1中の空欄は、その元素を意図的に添加していないことを示す。発明例1〜20は本発明の範囲内の鋼管であり、従来例(特許文献1に開示された技術による例)及び比較例1〜16は本発明の範囲外の鋼管である。
表1に示す化学成分を有する鋼を鋳造し、鋼片とした。これらの鋼片を、表2に示す加熱温度1に加熱し、表2に示す再結晶温度域での圧下比で熱間圧延を施し、次いで表2に示す加熱温度2及び加熱温度3で第1の焼入れ及び第2の焼入れ(二相域焼入れ)を順次施し、さらに表2に示す加熱温度4で焼き戻しを施し、母材鋼板を得た。
なお、第1の焼入れにおける板厚中心部のオーステナイト/フェライト変態前の冷却速度は20℃/sとし、焼入れ停止温度は、150℃とした。また、第2の焼入れにおける冷却速度は20℃/sとし、焼入れ停止温度は、150℃とした。
続いて、得られた熱延鋼板を空冷した後、当該鋼板をプレスベンド冷間成形法によって鋼板を管状に成形し、端部同士を溶接して鋼管を成形した。その後、発明例4、7〜9、13、17、比較例3、7、16については、表2に示す加熱温度5で焼鈍熱処理を施した。
Figure 2016079449
Figure 2016079449
次に、得られた鋼管の母材部から、組織観察用の試料を採取し、鋼管長手方向と平行な断面にナイタールエッチングを施し、光学顕微鏡で組織観察し、さらに写真撮影を行った。観察位置は、外表面からt/4位置とした(tは厚さを示す)。これらの組織写真を用いて、マルテンサイト及びフェライト以外の組織が生成していないことを確認した。その後、画像解析によりマルテンサイト、フェライトの有効結晶粒径をそれぞれ測定した。各組織の有効結晶粒径については、100μm×200μmの視野5箇所を測定して、平均値を求めた。
本発明に係る鋼管(発明例1の鋼管)のフェライトとマルテンサイトとにより構成される二相組織が確認され、しかもこれらの有効結晶粒径が、それぞれ、10μm(フェライト)、10μm(マルテンサイト)であることが確認された。
これに対し、従来の鋼管(従来例の鋼管)のフェライトとマルテンサイトとにより構成される二相組織が確認されているものの、これらの有効結晶粒径が、それぞれ、16μm(フェライト)、17μm(マルテンサイト)であることが確認された。
さらに、鋼管の母材から、JIS Z 2241に準拠して、鋼管長手方向に弧状引張試験片を採取し、室温で引張試験を行い、降伏強度と引張強度を求めるとともに、降伏比を算出した。また、鋼管の母材から、JIS Z 2242に準拠してVノッチ試験片を採取し、−30℃でシャルピー試験を行い、シャルピー吸収エネルギーvE−30を求め、靭性を評価した。なお、Vノッチ試験片は、鋼管周方向を長手方向として採取した。厚さ10mmのフルサイズ試験片が採取出来ない場合は、サブサイズ試験片とし、厚さ10mmに換算した。これらの結果を、鋼管の肉厚、鋼管の肉厚tと外径Dとの比(t/D)とともに、表3に示す。
Figure 2016079449
表3に示すように、発明例1〜20の鋼管は、いずれも、本発明の範囲における適正な製造方法によって得られた鋼板である。これらの鋼管については、降伏強度が440MPa以上、引張強度が590MPa超740MPa以下、降伏比が0.85以下、シャルピー吸収エネルギーvE−30が50J以上となっている。このため、発明例1〜20の鋼管は、いずれも、高強度であって、しかも降伏比が低くかつ低温靱性が確保されており、換言すれば耐震性に優れ、建築、土木等の分野において有用であることが判る。なお、引張強度の好適値の上限を740MPaとしたのは、引張強度が過度に大きくなると、降伏強度が引張強度の向上にも増して向上するため、降伏比が過度に高まることから、このような場合を排除することを意図したことによる。
これに対し、従来例及び比較例1〜16の鋼管は、いずれも、本発明の範囲における適正な製造方法によって得られた鋼板ではない。これらの鋼管については、降伏強度、引張強度、降伏比及びシャルピー吸収エネルギーvE−30の少なくともいずれかが所望の範囲から外れていることが判る。
以下に、比較例1〜16について具体的に検討する。
比較例1、3、4は、それぞれ、C量、Si量及びMn量が多すぎたために、所望の低温靱性が確保できなかった例である。比較例2は、C量が少なすぎたために、所望の強度が確保できなかった例である。比較例5〜8は、それぞれ、P量、S量、Al量及びN量が多すぎたために、介在物の存在等に起因して所望の低温靱性が確保できなかった例である。
比較例9は、熱間圧延における加熱温度が低すぎたために、再結晶温度域での圧延ができなかったことから、所望の低温靱性が確保できなかった例である。比較例10は、再結晶温度域での圧下比が低すぎたために、所望の低温靱性が確保できなかった例である。比較例11は、第1の焼入れにおける加熱温度が低すぎたために、所望の強度が確保できなかった例である。比較例12は、第2の焼入れ(二相域焼入れ)における加熱温度が低すぎたために、組織がマルテンサイトのみの単相となり、所望の降伏比が確保できなかった例である。比較例13は、第2の焼入れ(二相域焼入れ)における加熱温度が高すぎたために、組織がマルテンサイトのみの単相となり、所望の降伏比が確保できなかった例である。比較例14は、焼き戻し温度が高すぎたために、所望の降伏比が確保できなかった例である。比較例15は、焼き戻し温度が低すぎたために、焼き戻し脆化による脆化相が生成し、所望の低温靱性が確保できなかった例である。
比較例16は、発明例20の造管工程後にさらに焼鈍を施した例であるが、造管後の焼鈍における加熱温度が高すぎたために、所望の降伏比が確保できなかった例である。
本発明によれば、大型建造物などに有用な肉厚tと外径Dとの比(t/D)が6%超の高強度な鋼管について、低降伏比と低温靱性を確保することができる。従って、本発明は、特に、建築、土木等の分野において有望である。

Claims (5)

  1. 肉厚tと外径Dとの比t/Dが6%超である鋼管の製造方法であって、
    質量%で、
    C:0.02〜0.20%、
    Si:0.05〜0.5%、及び
    Mn:0.5〜2.0%
    を含有し、
    Al:0.10%以下、
    P:0.03%以下、
    S:0.01%以下、及び
    N:0.007%以下
    に制限し、残部がFe及び不可避的不純物である鋼片を加熱し、再結晶温度域での圧下比を2以上として熱間圧延し、得られた鋼板を850℃超に加熱して焼入れし、更に、700〜850℃の温度範囲に加熱して焼入れし、更に、350℃以上500℃未満の温度範囲で焼戻し処理を施し、該鋼板を管状に冷間成形して鋼管とし、
    降伏応力が440MPa以上、引張強度が590MPa超740MPa以下、降伏比が0.85以下、シャルピー吸収エネルギーvE−30が50J以上の鋼管とすることを特徴とする、鋼管の製造方法。
  2. 前記鋼管を、Ac点未満の温度に加熱し、空冷することを特徴とする、請求項1に記載の鋼管の製造方法。
  3. 前記鋼片が、質量%で、更に、
    Ni:1.0%以下、
    Cu:1.0%以下、
    Cr:1.0%以下、
    Mo:1.0%以下、
    Nb:0.1%以下、
    V:0.1%以下、
    Ti:0.025%以下、及び
    Ca:0.006%以下
    の少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼管の製造方法。
  4. 肉厚tと外径Dとの比t/Dが6%超である鋼管において、
    質量%で、
    C:0.02〜0.20%、
    Si:0.05〜0.5%、及び
    Mn:0.5〜2.0%
    を含有し、
    Al:0.10%以下、
    P:0.03%以下、
    S:0.01%以下、及び
    N:0.007%以下
    に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    組織が、硬質組織と軟質組織とを含み、
    前記硬質組織の有効結晶粒径が1〜15μmであり、かつ、前記軟質組織の有効結晶粒径が1〜15μmであり
    降伏応力が440MPa以上、引張強度が590MPa超740MPa以下、降伏比が0.85以下、シャルピー吸収エネルギーvE−30が50J以上であることを特徴とする、鋼管。
  5. 質量%で、更に、
    Ni:1.0%以下、
    Cu:1.0%以下、
    Cr:1.0%以下、
    Mo:1.0%以下、
    Nb:0.1%以下、
    V:0.1%以下、
    Ti:0.025%以下、及び
    Ca:0.006%以下
    の少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項4に記載の鋼管。
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