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JP2015526764A - 光学装置及び顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造的に簡単な手段によるフレキシブルな照明が可能な光学装置及び顕微鏡を提供する。【解決手段】照明側で延伸する照明光ビーム(1)を生成するための照明装置と、該照明光ビーム(1)を少なくとも2つの部分ビーム(3、4)に分割するための分割装置(2)と、試料(7)の面照明のために照明領域(6)へ該部分ビーム(3、4)を反射するためのミラー装置(5)とを有する、顕微鏡の光学装置は、前記照明領域(6)の前記照明側の反対側を指向する側に配される検出光学系(8)を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、照明側で延伸する照明光ビームを生成するための照明装置と、該照明光ビームを少なくとも2つの部分ビームに分割するための分割装置と、試料の面照明(Ebenenbeleuchtung)のために照明領域へ該部分ビームを反射するためのミラー装置とを有する、顕微鏡の光学装置に関する。更に、本発明は、相応の光学装置を有する顕微鏡に関する。
光学顕微鏡によって生体生物システムを観察するためには、撮像により引き起こされる試料の損傷を可及的に小さく維持することが重要である。このために、顕微鏡の検出面において光シート(Lichtblatt)で照明するというコンセプトが開発された。これによって、選択的面照明による顕微鏡法(Selective Plane Illumination Microscopy(選択的面結像顕微鏡法)、SPIM)が可能になる。この場合、照明光の伝播(進行)方向は検出方向に対し直角であり、試料体内への入射は、検出対物レンズに対して直角に配向された照明光学系‐例えば第2の照明対物レンズ‐を介して実行することができる。その際、試料によるシャドウ効果(Abschattungseffekten)が生じ得る。従って、複数の異なる方向からの試料の照明は、この問題を回避するために都合がよい。これは、従来は、時間的に連続的に(順次的に)及び/又は機械的に大がかりな構成で行われていた。顕微鏡の試料調整は、これによって強く影響され、また、伝統的光学顕微鏡と適合しないことが多い。
DE 10 2004 034 957 A1 DE 102 57 423 A1
DE 10 2004 034 957 A1から、照明側で延伸する照明光ビームを照明装置によって生成する、顕微鏡の光学装置が知られている。分割装置Tによって、照明光ビームは2つの部分ビームLs1及びLs2に分割される。ミラー装置R1、R2によって、これらの部分ビームは、試料の面照明のために、照明領域へ反射される。
具体的には、2つの部分ビームLs1及びLs2は、筺体内に形成された光案内要素(複数)LFによって、対物レンズLzの横際を通り過ぎるよう導かれ、次いで、ミラー装置によって、試料に向かって照明領域へ反射される。対物レンズLzは筺体Hの内部に配されているが、そのため、対物レンズの寸法は筺体の寸法に適合していなければならず、また、その反対も同様である。このため、結局、筺体H内に形成される光案内要素LFとその中に嵌め込まれた対物レンズを伴う複雑な構造が形成される。筺体により寸法が予め定められるため、対物レンズの自由な選択はしばしば不可能である。光信号の検出は、筺体に嵌め込まれた対物レンズを介して、照明側から行われる。
更に、DE 102 57 423 A1から、同様に試料の面照明が実現されている顕微鏡の光学装置が知られている。具体的には、この既知の装置は、互いに対し直角に配向された2つの対物レンズを有し、そのうちの一方は照明用であり、他方は検出用である。そのような装置は、極めて特別に適合された試料の収容(位置決め)を必要とするが、実現するのが幾何学上及び構造上極めて困難であることが多い。
従って、DE 10 2004 034 957 A1に応じた既知の技術水準から出発し、本発明は、フレキシブルな使用が構造上簡単な手段によって達成されるよう、冒頭に記載した種類の光学装置及び顕微鏡を構成し、発展させることを課題とする。
本発明に応じ、上記の課題は、請求項1の特徴を有する光学装置によって及び請求項13の特徴を有する顕微鏡によって解決される。これに応じ、光学装置は、照明領域の照明側の反対側を指向する側に配される検出光学系を有することを特徴とする。
本発明の形態において、まず初めに、面照明を有する光学装置の場合、照明光学系と検出光学系を照明領域ないし試料に関し同じ側に設けることは不可欠ではないことが見出された。かくして、照明光学系と検出光学系を互いに独立に構成することができ、これによって、構成における大きなフレキシビリティ(柔軟性)と異なる使用領域に対する適合化が保証される。とりわけ、検出に使用される対物レンズの寸法及び構造は、最早、光案内要素を有する筺体の何らかの寸法に制限されない。本発明の更なる形態において、検出光学系は、照明領域の照明側の反対側を指向する側に全て具体的に配される。このため、照明光学系と検出光学系の間に可能な限り最大限の空間的分離が実現されているので、照明光学系についても検出光学系についても特別に多面的な構成可能性が提供される。
従って、本発明の光学装置及び本発明の顕微鏡によって、構造的に簡単な手段によるフレキシブルな使用が達成される。
具体的には、照明側に配される照明光学系は、検出光学系に対しコアキシャルに(koaxial)構成可能である。何れにせよ、照明光学系は検出光学系から離隔(分離)されており、そのため、検出対物レンズの選択は、照明光学系とは独立に(依存しないで)、どのような実験的状況にも適合することができる。照明光学系と検出光学系のコアキシャル構造は、光学装置の特に簡単な構造を提供する。
適用状況に応じ及び構造的に簡単な構成の観点において、ミラー装置は、1又は複数の群のミラー若しくは平面ミラー又はリングミラー又は複数のリングミラーセグメントを有する。ミラー装置の具体的構成については、種々異なる適用状況を考慮することができる。
照明光ビームの少なくとも2つの部分ビームへの簡単かつ確実な分割に関し、分割装置は、偏光光学系又は瞳分割要素、好ましくは反射性又は透過性要素を有することができる。これらの代わりに、分割装置は、少なくとも1つのプリズム又は絞りを有することができる。何れの場合でも、分割装置は、光学装置ないし顕微鏡の内部における簡単な組込み及び配置を可能にするために、モジュールとして構成可能である。
有利な一形態では、分割装置は、単独で又は照明光学系の他の要素とのコンビネーションで、部分ビーム(複数)からの光シート(複数)の生成を可能にすることができる。その代わりに、部分ビーム(複数)から光シートを夫々生成するための手段を、分割装置に後置する(分割装置の下流に配置する)ことも可能である。光シートを夫々生成するためのこの種の手段は、更に有利な形態では、光学装置又は顕微鏡内に容易に組み込むことができるように、モジュールとして構成することができる。
具体的には、光シートを夫々生成するための手段は、シリンダ光学系又はスキャナを有することができる。この2つの形態は、光シートの確実な生成を可能にする。有利な形態では、その都度の使用状況に依存して、これらの生成技術の何れか一方を選択することができる。
更に有利な形態では、部分ビーム(複数)又は光シート(複数)は、予め設定可能に光軸から離隔され、及び、該光軸に対し平行に又は該光軸の近くでかつ該光軸に対し0°ではない角度をなして案内されることができる。部分ビーム(複数)又は光シート(複数)の光軸から離隔して又は光軸の近くにおいて実行される案内によって、光軸には、試料を配置するための比較的大きな使用可能領域が残される。これにより、相当大きな空間的要求を伴うことが多い多数の異なる試料の検査が可能になる。
光学装置ないし顕微鏡の更に有利な一形態の観点において、光学装置は、照明光ビームのコヒーレンスの制御及び/又は影響のための手段を有することができる。この種の手段は、更に有利な形態では、モジュールとして構成されることができるが、このモジュールは、例えば‐照明方向に見て‐光学装置の内部において分割装置に前置(上流に配置)することさえ可能である。この種の手段によって、試料の照明領域における部分ビームの干渉能又は干渉挙動は、有利な形態で、影響及び/又は構成されることができる。
更に他の形態では、光学装置は、照明領域における部分ビーム(複数)又は光シート(複数)の干渉能の制御及び/又は影響のための手段を有することができる。これに関し、光学装置は、代替的に又は追加的に、少なくとも1つの部分ビーム又は光シートの偏光状態及び/又はコヒーレンス長に選択的に影響を及ぼすための手段を有することができる。更に、光学装置は、少なくとも1つの部分ビーム又は光シートの位相変化をするための手段を有することができる。
シャドウ効果の低減に関し及び方向非依存的な解像度(分解能)向上を伴う構造化された照明の場合、部分ビーム(複数)又は光シート(複数)の入射方向の極角(Polarwinkel)は、照明領域に対し相対的に又は試料に対し相対的に調整可能又は変化可能にすることができる。かくして、試料の所望の側からの照明を実行することができる。このために、具体的には及びとりわけ簡単な形態では、分割装置、更に好ましくは分割装置及びミラー装置は、光軸の周りで回動可能に構成されることができる。
本発明の光学装置によって、簡単に実行可能でありかつ伝統的な‐倒立型の‐光学顕微鏡に適合可能な面照明システムが提供される。この場合、照明面ないし照明領域を複数の方向から同時に照明することができる。
以下に、本発明の実施形態の重要な側面を更に説明する。
光シート(複数)の偏光状態の選択的影響可能性によって、その干渉能‐十分なコヒーレンス長を有する光源を使用する場合‐に影響を及ぼす可能性が得られる。とりわけ、本発明は、逆進する(gegenlaufend)(複数)対の光シートの生成と2πの極角スペクトルの全部を使用する光シート照明の生成を可能にする。
伝統的な倒立型光学顕微鏡に面照明のコンセプトを簡単に適用するために、(伝統的なコンデンサのように)照明光学系を検出光学系に対しコアキシャルに構成すること及び照明光学系の外部で照明光の偏向を実行することは好都合である。このため、本発明の枠内において、照明光学系の視野にあるミラー装置が照明光学系に前置される(上流に配置される)。このミラー装置は、適切な傾斜角を有する1又は複数の群の対向配置される平面ミラーとして構成可能であり、又は、リングミラーとしても構成可能である。このミラー装置によって横から試料を照明するために、照明光学系は光軸の外部で使用されるが、そのため、照明光学系と検出光学系の共通の光軸に、試料を配置するための使用可能領域が形成される。
照明光学系の課題(目的)は、試料の領域への照明光の定義された入射と‐実施形態に応じた‐光シートの生成である。これは、極めて単純な場合では、シリンダ光学系として構成可能であり、場合によっては包埋媒体をカバーするための前置のガラスプレートを有することもある。更に、より複雑な光学システム、例えば顕微鏡対物レンズ、を使用すること、及び、光シートを生成するために、照明光学系の瞳にフォーカシング(合焦)するためのシリンダ光学系‐視野の同時照明‐又は視野の順次的走査のためのスキャナを使用することも可能である。
本発明の枠内において、照明光学系は、複数の光ビームで同時に照明されるため、照明光は試料を少なくとも2つの方向において同時に横から照明する。この複数の部分ビームへの照明光の分割は、この場合、例えば偏光光学系のコンセプトによって又は瞳分割によって実行することができる。瞳分割の場合は、これは、反射性要素又は透過性要素によって実行することが可能であり、光の離散的(不連続ないしとびとびの)又は連続的な分割を提供することができる。
本発明の更なる一実施形態の枠内において、光ビームの干渉能は試料の領域において影響を及ぼされることができる。この場合、干渉能は、偏光光学的方法によって又は照明光のコヒーレンス長の変化によって、例えば散乱によって、影響を及ぼされることができる。これは、光を複数の離散的部分ビームに分割する場合、例えば空間的分割または偏光光学的方法によって、部分ビーム毎に目標を定めて実行することができる。照明光を2つの部分ビームに分割する場合、当該2つの部分ビームの偏光状態は、適切な措置によって、相互に直交する状態にされることができる。3以上の部分ビームに分割する場合は、干渉能は、コヒーレンス長の変化によって影響されることができる。
コヒーレンスがありかつ個々の部分ビームが相互に同じ偏光方向を有する場合、試料には、大きな解像度(分解能)で画像の再構成を可能にする視野に亘って構造化された照明が形成される。このために、照明光の個々の部分ビームの位相変化の可能性が必要であるが、これは、複数の部分ビームを空間的に分離する場合は簡単に実行可能であり、偏光光学系によって部分ビーム(複数)を分割する場合は複屈折要素によっても可能である。干渉能が‐コヒーレンス又は偏光の原因により‐ない場合、画像野(Bildfeld)の一様照明が可能である。これは、等距離の極角差を有する奇数個のコヒーレント部分ビームを使用する場合にも生じる。
瞳に対する相対的な部分ビーム(複数)の入射方向の極角の回転は‐構造化された照明の場合、構造化の方向も‐シャドウ効果の更なる低減を可能にし、更に、構造化された照明の場合は、方向非依存性の解像度(分解能)向上を可能にする。このために、その互いに対する相対的な伝播(進行)方向が180°ではない角度をなす部分ビーム(複数)によって形成される干渉パターンも試料に形成することができる。例えば、部分ビーム(複数)の互いに対する90°の角度は、45°だけ回転された構造化を形成する。
本発明の教示を有利な態様で構成及び展開する種々の可能性がある。このため、一方では、特許請求の範囲が、他方では、図面を用いた本発明の好ましい実施例の以下の説明が参照されるべきである。図面を用いた本発明の好ましい実施例の説明との関連において、本発明の教示の一般的に好ましい形態及び展開形態が説明される。
本発明の光学装置の第1実施例の模式図。 2つの側面から見た、照明光学系の一実施例の模式図。 2つの側面から見た、照明光学系の更なる実施例の模式図。 照明光学系の更なる実施例と、ミラー装置の構成するための種々の可能性の模式図。 分割装置の2つの実施例の模式図。 分割装置の2つの更なる実施例の模式図。 分割装置の更なる実施例の模式図。 分割装置の更なる実施例の模式図。 分割装置の更なる実施例と、種々異なる絞りの形態例の模式図。 光シート生成の一実施例の模式図。 光シート生成の更なる実施例の模式図。
図1は、本発明に応じた顕微鏡の光学装置の第1実施例を模式的に示す。光学装置は、照明側で延伸する照明光ビーム1を生成するための照明装置を有する。更に、光学装置は、照明光ビーム1を少なくとも2つの部分ビーム3及び4に分割するための分割装置2と、試料7の面照明のために照明領域6に部分ビーム3及び4を反射するためのミラー装置5を有する。構造上簡単な手段によるフレキシブルな使用の観点において、光学装置は、更に、照明領域6の照明側の反対側を指向する側に配される検出光学系8を有する。換言すれば、照明側には、照明光ビーム1に加えて、例えば分割装置2及びミラー装置5のような、試料7の照明のために利用されるすべての更なる光学要素が配される。照明領域6の照明側の反対側を指向する側には、検出光学系8のみが配される。照明に利用される光学要素と検出光学系8をこのように空間的に離隔(分離)することによって、光学装置の簡単な構成が可能になる。
図示の実施例では、更に、照明側に配される照明光学系9は、検出光学系8に対しコアキシャルに構成される。ミラー装置5は、互いに対し向かい合って配置される2つの平面ミラーから構成されるが、そのため、互いに対し180°ずらされた方向からの試料7の照明が可能になる。
分割装置2には、部分ビーム3及び4から夫々(1つの)光シートを生成するための手段10が後置される。この手段10は、分割装置2と同様に、モジュールとして構成されている。
部分ビーム3及び4は光軸から離隔して案内される。光軸は、この場合、照明光ビーム1に対し平行に延在し、試料7を貫通する。光学系のこの領域では、即ち、分割装置2の下流側では、部分ビーム3及び4は、必ずしも光軸に対し(平行に)離隔されておらず、視野角(画角:Feldwinkel)の意味で、傾けられていることもある。照明光学系(例えば顕微鏡対物レンズ)のフーリエ変換特性は、次いで、この傾きを、試料7の領域において、距離ないし間隔(Beabstandung)に変換するであろう。
更に、光学装置は、照明光ビーム1のコヒーレンスを制御及び/又は影響するための手段11を有する。この手段11も同様にモジュールとして構成されている。
照明光学系9から出射する部分ビーム12及び13は、試料7の領域に光シートを生成するために適合している。このため、これらの部分ビームはミラー装置5によって試料7へ反射される。
試料7は、その中に配された包埋媒体15を含む試料容器14に配される。試料7はスペーサ16に配され、該スペーサ16は試料支持体17に配される。試料支持体17は、軸方向において、即ち光軸に沿って摺動可能ないし位置決め可能に構成されている。
アパーチャビーム18は、検出光学系8を介して光検出器19又はカメラに導かれる。これに関し代替的に又は補充的に、接眼レンズによる観察を行うことも可能である。
この実施例のコンセプトは、モジュール的性質のものであり、複数の部分に分解され得るが、これらの部分は、本発明の可能なすべての実施例において必ずしも存在しなければならないということはない。更に、複数の異なるモジュールないし部分システムの順序は、図1に示された順序と異なることも可能である。複数のモジュールないし複数の部分システム間のインターフェースは、夫々の入射瞳及び出射瞳である。この実施例の特徴は、個々のモジュールそれ自体にあるのではなく、簡単な多方向面照明のための全体システムに対する個々のモジュールの配置に存する。
照明光ビーム1の干渉能に影響を及ぼすために、照明光ビーム1のコヒーレンスの制御及び/又は影響のための手段11が役立つ。照明光ビーム1の複数の部分ビーム3及び4への分割が照明光ビーム1の干渉能を損なわない場合、干渉能はこの方法で影響されることができる。
この実施例の中心的構成要素は分割装置2であり、これによって、ミラー装置5を介して試料7の同じ面を同時に照明する部分ビーム3及び4が生成される。試料7の領域における部分ビーム3及び4の干渉能の制御のために、コヒーレンスの制御及び/又は影響のための手段11が役立つ。
図1の実施例では、部分ビーム3及び4から光シートを夫々生成するための手段10が設けられる。これは、例えば、細い光の筋(Lichtfaden)で照明面を走査するためのスキャンシステムであり得るが、シリンダ光学系の形態でのアナモルフィックな(anamorphotisch)フォーカシング(合焦)システムでもあり得る。分割装置2と照明光学系9のコンビネーションが更なる補助手段なしに試料7に光シートを生成する場合、光シート生成手段10は省くことができる。
照明光学系9の課題(目的)は、包埋媒体15を含む試料空間に照明光を入射すること、及び、光シート生成手段10及びミラー装置5とのコンビネーションで、試料7に光シート(複数)を生成することである。照明光学系9とミラー装置5の間に固定的な(堅固な)機械的結合を形成すると好都合である。ミラー装置5と試料7との間の適切な相対位置(関係)を実現するためには、試料7の下方にスペーサ16を配し、該試料7を持ち上げることが必要になることもある。
画像生成のためのコントラスト法としては、とりわけルミネセンス‐蛍光又は燐光‐が好適であるが、暗視野コントラストも可能である。アパーチャビーム18の形態で試料7から放射される散乱光ないし冷光は、検出光学系8によって集光され、例えばカメラの(撮像)チップのような位置感受性の検出器に結像される。立体画像生成のために、試料7は試料支持体17によって軸方向に摺動されることができ、他方、照明光学系9は、ミラー装置5及び検出光学系8と共に位置固定的に維持される。
ミラー装置5は、照明光ビーム1の2つの部分ビーム3及び4への分割が実行される場合、対向配置されるミラー対から構成されることができる。また、N個の部分ビームへの分割が行われる場合は、N個のミラーを用いることも可能である。この場合、Nは必ずしも偶数である必要はない。また、ミラー装置5は、試料7の周囲に配置されるリングミラー又は複数のリングミラーセグメントから構成されることも可能である。平らでないミラー面によって引き起こされる、光シート12及び13の幾何学的形状の変化は、手段10によるビーム分割の際に相応の補正光学系によって補償することができる。
図2は、2つの側面から見た、照明光学系及び光シート生成手段の一実施例の模式図であり、両方のコンポーネントは単純なシリンダレンズ20によって形成されている。
図3は、2つの方向から見た、照明光学系及び光シート生成手段の更なる一実施例の模式図であり、この実施例でも、両方のコンポーネントは単純なシリンダレンズ20によって形成されている。更に、この実施例では、包埋媒体15のための定義された(規定された:definiert)移行表面(Uebergangsoberflaeche)を生成するために、平板(Planplatte)21も設けられている。
図4は、照明光学系9の更なる一実施例の模式図であるが、具体的には、顕微鏡対物レンズである。この場合、光シート(複数)の生成は、別個の(分離された)手段10ないしモジュールにおいて実行される。
更に、図4の右側の部分には、ミラー装置5を実現するための複数の異なる可能性が示されている。具体的には、2、3又は4個の個別ミラー又は1つのリングミラーである。
照明光ビーム1を複数の部分ビーム3及び4に分割するために、複数の異なる方法を使用することができる。1つの可能性は、図5に示したような偏光光学的方法である。λ/2遅延要素(半波長板)(複数)25を設けることによって、直線偏光の照明光の偏光方向はノマルスキープリズムの速軸に対し相対的に制御されることができ、かくして、部分ビームの強度比は調整されることができる。図5は、分割装置の2つの実施例の模式図である。この場合、相応に分割されたノマルスキープリズム22は、速軸に対し45°をなす直線偏光光又は円偏光光によって照射される。そして、出射する2つの部分ビームは、互いに対し直交するよう偏光され、光軸に対し±αの角度を有する。プリズム22の作用により、プリズム22の外部に出射瞳23の位置を提供することができる。そうでない場合は、2つのビーム束は、アナモルフィック光学系24によって共通の出射瞳23に結像(合焦)されることができる。
ここでは図示しない更なる一実施例では、最後に説明した技術の2つの構成ないし装置は相前後して配置されることができ、この場合、第2のシステムは光軸に沿って45°だけ回転されている。かくして、共通の出射瞳に結像(合焦)されることができる4つの部分ビームが生成される。
図6は、分割装置の更なる一実施例の模式図であり、この場合、特別なプリズム装置が、照明光の2つの部分ビームへの分割を保証する。この装置は、偏光分割層26とλ/2層27を有することができる。更なるλ/2層28によって、直交する偏光方向を形成することができる。この場合も、2つのシステムはカスケード状に配置することができる。
同じ偏光の複数の部分ビームの生成も、瞳分割によって達成できる。そのような構成では、個々の部分ビームの干渉能はコヒーレンス長の変化によって別々に影響されることができる。図7は、分割装置の更なる一実施例の模式図であり、この場合、反射プリズム29は、N個の部分ビームへの瞳分割のために使用されるが、例えば、2つの部分ビームのためのダハ稜線(Dachkant)、3つの部分ビームのための四面体(Tetraeder)、4つの部分ビームのためのピラミッド等として構成される。そして、個々の部分ビームは、適切なミラー装置5によって再び共通の出射瞳30に結像(合焦)される。
図8は、分割装置の更なる一実施例の模式図である。この場合、透過によって複数の部分ビームを生成するために、透過プリズム31が使用される。これらの部分ビームは、適切な光学系によって、共通の出射瞳32に結像(合焦)される。
ここでは図示しない更なる一実施例においては、更に、アキシコン(Axicon)を用いることにより、照明部分ビームに関し連続的な極角スペクトル(Polarwinkelspektrum)‐リング‐を生成することができる。適切な光学系を用いることによって、このリングは共通の出射瞳に結像されることができる。
照明光ビーム1の連続的分割を可能にする更なる一実施例は、透過光学系の代わりに反射光学系を使用することを基調とする。これについては、図7に応じた実施例を参照することも可能であるが、この場合は、反射プリズム29の代わりに、ミラー化された円錐体を使用することができ、生成する光はリングミラー5によって出射瞳30に結像される。
図9は、分割装置の更なる一実施例の模式図である。この場合、固定されたアジマス角で連続的な極角スペクトルが生成される。このために、結像光学系34によって結像されるリング状絞り33が使用されるが、リング状絞りは結像光学系34の物体面に配置される。離散的(不連続ないしとびとびの)極角スペクトルを生成するために、絞りは、点状の貫通孔(複数)又は円セグメント状(円弧状)の貫通孔を有することができる。これに関し、図9の右側の部分には、リング状絞り33の例と離散的な(不連続ないしとびとびの)点状貫通孔を有する2つの絞り33の例が示されている。
ここでは図示しない更なる一実施例では、ビーム分割と光シート生成は、回折性光学要素で実現される。回折性、屈折性及び反射性要素のコンビネーションも、光ビーム分割のために、場合によっては光シート生成と組み合わされて、使用することができる。
連続的瞳分割の場合、例えば図8及び図9に応じた実施例の場合、すべての極角からの部分ビーム(複数)によって(1つの)光シートが生成されるよう、(1つの)光リングが照明光学系(有利には顕微鏡対物レンズ)とミラー装置5(有利にはリングミラー)とによって試料に結像される。特別な(gesondert)光シート生成は、ここでは必要ではない。更に、照明光学系によって光シートを生成する場合‐図2及び図3に応じた実施例‐特別な(gesondert)光シート生成は必要ではない。
その他のすべての場合において、光シート生成(手段)の図10に模式的に示した実施例に応じた光シートの生成は、設定(適用)された視野角に対する直交方向におけるスキャンシステム35による走査運動と、照明光学系の瞳36のコリメートされた照明とによって生成することができる。
図11は、光シート生成の他の一実施例の模式図であるが、この場合、光シートは、照明光学系(有利には顕微鏡対物レンズ)の入射瞳38への部分ビームのアナモルフィックなフォーカシング37によって生成される。この場合、フォーカシング方向のアジマスは部分ビームの視野角に対し直角をなす。
部分ビームの干渉能の制御のために、2つの異なるコンセプトを使用することができる。2つの部分ビームを使用する場合、当該2つの部分ビームの偏光状態は制御可能である。これは、図5及び図6に応じた実施例では、これらの部分ビームが空間的に互いに分離されている場合は、一方の部分ビームへのλ/2プレートの挿入によって実行することができる。2つの部分ビームが空間的に分離されていない場合は、当該2つの部分ビームは、45°だけ回転された直線偏光子によって偏光方向に投射されることができる。
N>2の(3以上の)部分ビームを使用する場合、‐回転する‐散乱ディスクの導入によって、照明光のコヒーレンスは崩壊されることができ、その結果、干渉は起きることができない。
照明が実行される方向の極角(Polarwinkel)をシャドウ効果の分だけ更に減じることは有益である。
更なる一実施例では、完全な照明システム又は少なくとも分割装置とミラー装置は、光軸の周りで機械的に回動可能に構成可能である。
更なる一実施例では、ミラー装置は、複数の極方向からの(1つの)光シート照明が可能にされるよう、例えば複数のミラー対又は(1つの)リングミラーによって、構成可能である。この場合は、分割装置と光シート生成(手段)を光軸の周りで機械的に回動させることで十分である。
更なる一実施例では、ミラー装置は、複数の極方向からの光シート照明が可能にされるよう、存在することができる。この場合、光学的回転要素‐回転プリズム又はKミラー‐は、照明の極角を回転するために、光シート生成手段と照明光学系の間に使用することができる。
更なる一実施例では、図7、図8又は図9に応じた実施例‐図8ないし図7の実施例についてはアキシコンないしミラー化円錐体を使用する場合‐は、部分ビームの生成のために使用することが可能であり、対向する2つの極角領域に制限するためにスリット絞りを使用することも可能である。この実施例では、スリット絞りの回転によって、互いに反対方向に進行する(entgegenlaufend)複数の光シートの極角±βを規定することができる。
本発明の教示の更に有利な形態については、繰り返しを避けるために、明細書の概説部分及び添付の特許請求の範囲が参照される。
最後に、上述の実施例は、専ら、特許請求に係る教示の説明のためのものであり、当該教示は実施例に限定されないことを明確に指摘する。
1 照明光ビーム
2 分割装置
3 部分ビーム
4 部分ビーム
5 ミラー装置
6 照明領域
7 試料
8 検出光学系
9 照明光学系
10 光シート生成手段
11 コヒーレンスの制御及び/又は影響手段
12 光シートを生成するための部分ビーム
13 光シートを生成するための部分ビーム
14 試料容器
15 包埋媒体
16 スペーサ
17 試料支持体
18 アパーチャビーム(Aperturbuendel)
19 光検出器/カメラ
20 シリンダレンズ
21 平板(Planplatte)
22 ノマルスキープリズム
23 射出瞳
24 光学系
25 遅延要素
26 層
27 λ/2−層
28 λ/2−層
29 反射プリズム
30 射出瞳
31 透過プリズム
32 射出瞳
33 絞り
34 結像光学系
35 スキャンシステム
36 瞳
37 フォーカシング(合焦装置)
38 入射瞳
本発明に応じ、上記の課題は、請求項1の特徴を有する光学装置によって及び請求項13の特徴を有する顕微鏡によって解決される。これに応じ、光学装置は、照明領域の照明側の反対側を指向する側に配される検出光学系を有することを特徴とする。
(形態1)上記の課題を解決するために、本発明の第1の視点により、照明側で延伸する照明光ビームを生成するための照明装置と、該照明光ビームを少なくとも2つの部分ビームに分割するための分割装置と、試料の面照明のために照明領域へ該部分ビームを反射するためのミラー装置とを有する、顕微鏡の光学装置が提供される。この光学装置は、前記照明領域の前記照明側の反対側を指向する側に配される検出光学系を有することを特徴とする(第1基本構成)。
(形態2)上記形態1の光学装置において、前記照明側に配される照明光学系は、前記検出光学系に対しコアキシャルに(koaxial)構成されることが好ましい。
(形態3)上記形態1又は2の光学装置において、前記ミラー装置は、1又は複数の群のミラー若しくは平面ミラー、又はリングミラー又は複数のリングミラーセグメントを有することが好ましい。
(形態4)上記形態1〜3の何れかの光学装置において、前記分割装置は、偏光光学系又は瞳分割要素、好ましくは反射性又は透過性要素、又は少なくとも1つのプリズム又は絞りを有し、該分割装置は好ましくはモジュールとして構成されることが好ましい。
(形態5)上記形態1〜4の何れかの光学装置において、前記分割装置には、前記部分ビームから光シートを夫々生成するための手段が後置されること、該手段は好ましくはモジュールとして構成されることが好ましい。
(形態6)上記形態5の光学装置において、前記光シートを夫々生成するための手段は、シリンダ光学系又はスキャナを有することが好ましい。
(形態7)上記形態1〜6の何れかの光学装置において、前記部分ビーム又は光シートは、予め設定可能に光軸から離隔され、及び、該光軸に対し平行に又は該光軸の近くでかつ該光軸に対し0°ではない角度をなして案内されることが好ましい。
(形態8)上記形態1〜7の何れかの光学装置において、光学装置は、前記照明光ビームのコヒーレンスの制御及び/又は影響のための手段を有し、該手段は好ましくはモジュールとして構成されることが好ましい。
(形態9)上記形態1〜8の何れかの光学装置において、光学装置は、前記照明領域における前記部分ビーム又は光シートの干渉能の制御及び/又は影響のための手段を有することが好ましい。
(形態10)上記形態1〜9の何れかの光学装置において、光学装置は、少なくとも1つの部分ビーム又は光シートの偏光状態及び/又はコヒーレンス長に選択的に影響を及ぼすための手段を有することが好ましい。
(形態11)上記形態1〜10の何れかの光学装置において、光学装置は、少なくとも1つの部分ビーム又は光シートの位相変化をするための手段を有することが好ましい。
(形態12)上記形態1〜11の何れかの光学装置において、前記部分ビーム又は光シートの入射方向の極角は、前記照明領域に対し相対的に又は前記試料に対し相対的に調整可能若しくは変化可能であり、好ましくは前記分割装置、更に好ましくは前記分割装置及び前記ミラー装置は、光軸の周りで回動可能に構成されることが好ましい。
(形態13)更に、上記の課題を解決するために、本発明の第2の視点により、上記形態1〜12の何れかの光学装置を有する顕微鏡も提供される(第2基本構成)。
最後に、上述の実施例は、専ら、特許請求に係る教示の説明のためのものであり、当該教示は実施例に限定されないことを明確に指摘する。また、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。


Claims (13)

  1. 照明側で延伸する照明光ビーム(1)を生成するための照明装置と、該照明光ビーム(1)を少なくとも2つの部分ビーム(3、4)に分割するための分割装置(2)と、試料(7)の面照明のために照明領域(6)へ該部分ビーム(3、4)を反射するためのミラー装置(5)とを有する、顕微鏡の光学装置であって、
    前記照明領域(6)の前記照明側の反対側を指向する側に配される検出光学系(8)を有すること
    を特徴とする光学装置。
  2. 前記照明側に配される照明光学系(9)は、前記検出光学系(8)に対しコアキシャルに(koaxial)構成されること
    を特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記ミラー装置(5)は、1又は複数の群のミラー若しくは平面ミラー、又はリングミラー又は複数のリングミラーセグメントを有すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
  4. 前記分割装置(2)は、偏光光学系又は瞳分割要素、好ましくは反射性又は透過性要素、又は少なくとも1つのプリズム又は絞り(33)を有し、該分割装置(2)は好ましくはモジュールとして構成されること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光学装置。
  5. 前記分割装置(2)には、前記部分ビーム(3、4)から光シートを夫々生成するための手段(10)が後置されること、該手段(10)は好ましくはモジュールとして構成されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光学装置。
  6. 前記光シートを夫々生成するための手段(10)は、シリンダ光学系又はスキャナ(35)を有すること
    を特徴とする請求項5に記載の光学装置。
  7. 前記部分ビーム(3、4)又は光シートは、予め設定可能に光軸から離隔され、及び、該光軸に対し平行に又は該光軸の近くでかつ該光軸に対し0°ではない角度をなして案内されること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光学装置。
  8. 光学装置は、前記照明光ビーム(1)のコヒーレンスの制御及び/又は影響のための手段(11)を有し、該手段(11)は好ましくはモジュールとして構成されること
    を特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光学装置。
  9. 光学装置は、前記照明領域(6)における前記部分ビーム(3、4)又は光シートの干渉能の制御及び/又は影響のための手段を有すること
    を特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光学装置。
  10. 光学装置は、少なくとも1つの部分ビーム(3、4)又は光シートの偏光状態及び/又はコヒーレンス長に選択的に影響を及ぼすための手段を有すること
    を特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の光学装置。
  11. 光学装置は、少なくとも1つの部分ビーム(3、4)又は光シートの位相変化をするための手段を有すること
    を特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の光学装置。
  12. 前記部分ビーム(3、4)又は光シートの入射方向の極角は、前記照明領域(6)に対し相対的に又は前記試料(7)に対し相対的に調整可能若しくは変化可能であり、好ましくは前記分割装置(2)、更に好ましくは前記分割装置(2)及び前記ミラー装置(5)は、光軸の周りで回動可能に構成されること
    を特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の光学装置。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の光学装置を有する顕微鏡。
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