JP2006030992A - 顕微鏡観察および/または顕微鏡検出のための装置およびそれの使用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試料の照明LSが対物レンズLzの外側で少なくとも一方の側から対物レンズの光軸に対し角度をつけて行われ、照明光が観察用対物レンズよりも低アパーチャで試料にフォーカシングされ、照明光を試料方向に透過または反射させるための連結用拡張領域をその周囲に持つ、ただしそれ以外の残りの面は実質上試料光を反射または透過させるように形成されている、ビームスプリッタを通じて特に対物レンズひとみ内に照明光の結合がなされる装置。
【選択図】 図1
Description
この場合では、生成されたラインまたは面に沿って極めて均一なZ方向の分解が達成されるように、公知のTheta構造の場合とは違って、好ましくも、例えば機構的には対物レンズの一部である開口数の小さな結像ミラーを通じ、本来の観察用対物レンズの外縁においてビームの取り込みが行われる。
平行なレーザ照明ビームへと複数サイドから光が分岐(スプリッタ経由)された後、好ましくも平行ビームは、その開示内容が本発明でも取り入れられているDE 10257237の記載どおりに構成することのできるメインカラースプリッタおよび走査光学系を通って試料に到達する。
試料には、少なくとも1サイドから小さな開口数により点状にフォーカシングがなされ、それによって非常に平坦な光の円錐が発生するが、それは試料内で殆ど均一に分布している(絞り一定)。
この光の円錐に沿っての照明点の観察(検出)は、ライン型または面型検出器により対物レンズを通して上から行われる。
深度分解はサイドからのビーム取り込み装置の焦点距離/開口数によって予備設定される。ラインスキャナの場合では、それに加え、ライン検出器の前に設置された共焦点スリット絞りにより追加調整することもできる。
ビームスプリッタは、好ましくも、(観察用対物レンズの)ひとみ内に配置されているが、これは準平行光線束を対物レンズの方向へ反射させるため縁に2つの点または2本の線を有している。
これは、その他の部分では試料光を透過させるように構成されている。
その逆(小さな透過領域の通過による照明)および試料からの反射光の観察も同様に本発明の対象である。
試料内にラインが形成され、蛍光がこのラインに沿ってライン検出器上に結像する。両サイドからの照明によりシャドーは回避される。原則的には一方からだけの照明も可能であろう。このラインの生成のため、側方からの照明を点に集束させる。したがって、対物レンズのひとみ内にあるミラーには横断面の小さな円形分布が構成される。
対象物に生成されたラインは、ひとみ(共役平面)内に設置されたスキャナにより対象物上を移動させられる。
試料からの戻り光は部分ミラーを通過してライン検出器の方向へ進行する。
7563に基づく反射性ストライプの縁領域も、2点照明下で直接使用することができる。
ただし、SPIM適用の場合では透過性ストライプ領域により効率が幾分か損われよう。さらに、ライン検出においては対物レンズを上記のものに取り換えねばならないだろう。
その場合、y方向のひとみにフォーカシングがなされ、それによってライン照明が生成される。
そのサイズは、広域視野において光線帯が伝送できるように設定されている。なお、この構成体は側方からの点状ビームによる場合でも使用できる(ミラーの様々な領域における様々な時点での画像)。
内側レンズは観察(検出)に用いられる。外側領域では光学系は必要ない。試料方向へのビーム転向のために平坦ミラーが設置されている場合のみ、外側リングの光学作用が前もって必要であるが、これは低アパーチャの然るべき光学系によってもたらされる。
光学スライスの厚み(内側対物レンズの光軸に沿う方向)は外側焦点距離の選択によって調整される(ビーム直径の影響)。
ビーム取り込み光学系はリング状にすることができる。それは、すべての方向から試料を回転対称に照らし出すためである。当装置は特に広域視野の検出では有利である。ラインスキャナ使用の場合試料の照明は、好ましくはリング素子により、それも予備設定した固定方向から行う。この照明は、光軸に垂直な方向に形成された軸に沿って、1方向からまたは向い合う2方向から行うことができる。2つの照明光は、好ましくは、試料内に共通の焦点を形成するものとする。
光源にはより高い要求は課せられないが、しかし完全な平行化を利用することはできる。
ラインスキャナと同じSNR(信号対雑音比)を達成するのにエネルギー投入量を引き上げる必要はなく、したがって試料負荷が軽減される。
例えばラマン効果など、弱い試料相互作用の研究可能性を提供する。
特別な試料調製の必要はない。
本発明に基づく対物レンズを適当なひとみ内に設置することは可能であり有利である。
図1は中央部のレンズユニットLzから成る対物レンズ装置を描いたものであるが、これは顕微鏡の常用観察用対物レンズでも可能である。
ケーシングH内にはレンズユニットLzの外側に導光部LFがあって、その中に試料方向への平行照明ビームLS1、LS2が当初はLz内を観察光軸Aに平行に進行する。照明光LS1、LS2はケーシングHに設置された、低アパーチャの小さな結像ミラーで代用できる反射器R1、R2に当るが、これは照明光を、観察光軸に垂直な方向に、対物レンズLz光軸の点Pinに集束させる。
低アパーチャにより、試料領域での照明のくびれ部分はほぼ平行に進み、試料では細い照明ラインを形成して対物レンズのひとみP3に結像する。
対物レンズのひとみP3、対物レンズLzおよび試料フォーカスPは、この場合2fの中に配置されている。すなわち、位置間隔がそれぞれ焦点距離に相当する。
それにより、対物レンズは、例えば試料内の照明ラインをテレセントリックに走査するのに使用することができる。
本発明に基づく対物レンズを、DE10257237 A21に記載された然るべき構造を持つビームスプリッタを元々有している、且つその透過面または反射面が利用できるラインスキャナの光路へ設置する場合、ひとみP3を通じて行うのが有利である。
ここで記述した試料内を通る照明ラインは、ラインスキャナのスキャナ(ひとみP2の位置)を通じて移動させる。
破線は観察光路、実線は照明光路を表わしている。中間画像ZBの試料画像は鏡筒レンズ、走査光学系、スキャナを通してデスキャンされ、試料ビームに有効なビームスプリッタMDBの面(円形反射部分以外)を通過して、ピンホール光学系POの作用によりライン検出器の前に配置された(ここではオプションの)スリット絞りSBに結像する。
図4bには、広域視野照明の場合のビームスプリッタMDBにおける対物レンズひとみ平面が描かれている。
このMDBは、有利なことに、外縁部に向い合う2つの鎖線状透過領域B1、B2を有していて、それぞれ照明の線形領域(破線)を対物レンズの外側領域方向へ伝送する。この領域では反射器により低アパーチャで試料方向に結像して、試料を通る、僅かな厚さの準平行な平坦光領域が形成される。厚さの調整はやはり、図には描かれていないひとみ内の絞りで行う。これはひとみ位置で照明チャネルのひとみをx軸に沿って狭窄化させる。
本発明に基づく対物レンズは、この場合有利なことに、図2に描かれているようにひとみP3を通じてラインスキャナの光路に接続される。
例えば下記の文献が参考になる :
1B.Alberts他著(2002年):Molecular Biology of the Cell ; Garland Science刊
1,2 G. Karp著(2002年): Cell and Molecular Biology ; Concepts and Experiments ; Wiley Text Books刊
1,2 R. Yuste他著(2000年): Imaging neurons a laboratory Manual ; Cold Spring Harbor Laboratory Press刊
2 R.P. Haugland著(2003年): Handbook of fluorescent Probes and research Products第10版 ; Molecular Probes Inc. and Molecular Probes Europe BV刊
記述の本発明は、なかでも1/10秒から時間レベルまでのダイナミックな変遷を特徴とする生育過程の研究に適している。ここでは細胞結合面および有機体全体への適用例について記述する :
これに関しては特に次のことが重要なポイントである :
・例えばFRET実験などにおいて、3次元のレーザ照準照明下で退色するマーカーによる生細胞の3次元領域での分析
・例えば3次元FRAP、FLIP実験などにおいて、レーザ照準照明下で退色する、同時にROI外の観察も必要なマーカーによる生細胞の3次元領域での分析
・例えば3次元伝達物質の活性化など、レーザ照明下での操作原因により変化するマーカーおよび薬剤による生細胞の3次元領域での照準分析
・例えばpaGFP、Kaedeなど、レーザ照明下での操作原因により変色するマーカーによる生細胞の3次元領域での照準分析
・例えばコンフォーカル性と検出感度との最適バランスが要求される微弱マーカーによる生細胞の3次元領域での照準分析
・例えばCFP、GFP、YFP、DsRed、HcRedなど可変性多重マーキングのなされた3次元組織結合における生細胞
−機能に依存して変色する、例えばCa+マーカーなどでマーキングのなされた3次元組織結合における生細胞
・生育に起因して変色するマーキングのなされた3次元組織結合における生細胞、例えばGFPによる形質転換動物
・例えばpaGFP、Kaedeなど、レーザ照明下での操作原因により変色するマーキングのなされた3次元組織結合における生細胞
・検出感度に有利なようにコンフォーカル性の制限を要求する微弱マーキングのなされた3次元組織結合における生細胞
・最終項目とそれ以前の項目との組み合せ
LF 照明チャネル(導光部)
P3 対物レンズひとみ
LS 平行照明ビーム
R 反射器
T ビームスプリッタ
P 試料フォーカス
LQ 光源
ZB 中間像
PO ピンホール光学系
SB スリット絞り
BK 照明チャネル
Claims (19)
- 少なくとも部分的には透明である試料に対し顕微鏡対物レンズを通じて顕微鏡観察および/または顕微鏡検出するための装置であって、試料の照明が対物レンズの外側で少なくとも一方の側から対物レンズの光軸に対し角度をつけて行われ、照明光が観察用対物レンズよりも低アパーチャで試料にフォーカシングされる装置。
- 試料照明のための照明光学系のアパーチャが、少なくとも1つの試料領域で実質上平行な光分布が生じるほど低水準である、請求項1に記載の装置。
- 照明光学系が、対物レンズの光軸に沿って試料方向に平行な照明光を結像させる結像ミラーである、先行請求項の1つに記載の装置。
- 転向用の平坦なミラーが照明光学系の後方に配置されている、先行請求項の1つに記載の装置。
- 照明が共通の焦点を持つ2つの側から行なわれる、先行請求項の1つに記載の装置。
- 平行な光線束が、試料内に照明ラインを生成するために提供される、先行請求項の1つに記載の装置。
- 平坦なビームの広がりが、試料内に照明面の生成のために提供される、先行請求項の1つに記載の装置。
- 照明光を試料方向に透過または反射させるための連結用拡張領域をその周囲に持つ、ただしそれ以外の残りの面は実質上試料光を反射または透過させるように形成されている、ビームスプリッタを通じて特に対物レンズひとみ内に照明光の結合がなされる、先行請求項の1つに記載の装置。
- 広域視野での照明が、照明ライン生成用の光学系によって行なわれる、先行請求項の1つに記載の装置。
- 照明が平行な点状ビームによって行われる、先行請求項の1つに記載の装置。
- 少なくとも部分的には透明である試料の観察用顕微鏡対物レンズであって、対物レンズの領域内、観察光学系の外側で試料の照明が少なくとも一方の側から観察光学系の光軸に対して0°でない角度で行われ、照明光が観察用対物レンズよりも低アパーチャで試料にフォーカシングされる顕微鏡対物レンズ。
- 光軸に対する上記角度が直角である、請求項11に記載の顕微鏡対物レンズ。
- 照明光学系のアパーチャが、少なくとも1つの試料領域で実質上平行な光分布が生じるほど低水準である、請求項12に記載の顕微鏡対物レンズ。
- 照明光学系が、対物レンズの光軸に沿って試料方向に平行な照明光を結像させる結像ミラーである、先行請求項の1つに記載の顕微鏡対物レンズ。
- 照明光学系の後方に転向用の平坦なミラーが配置されている、先行請求項の1つに記載の顕微鏡対物レンズ。
- 照明が共通の焦点を持つ2つの側から行なわれる、先行請求項の1つに記載の顕微鏡対物レンズ。
- 照明光と試料間の相対的移動により少なくとも1つの試料領域を捕捉する、先行請求項の1つに記載の光走査型顕微鏡であって、
照明光が複数の点または領域で試料を平行に線形に照明し、複数の点または領域が同時に検出される、それも位置分解能のある検出器によって複数の点が同時に検出される光走査型顕微鏡。 - 先行請求項の1つに記載の装置、対物レンズまたは顕微鏡による、特にラマン効果のような弱い試料相互作用の検査のための方法。
- 特に細胞結合面および有機体全体における、なかでも1/10秒から時間単位までのダイナミックなプロセス等の生育過程、それも特に下記諸点、すなわち
・その隣接細胞がレーザ照明に敏感に反応するので3次元ROI照明から保護されねばならない3次元領域での生細胞の分析、
・例えばFRET実験などにおいて、3次元のレーザ照準照明下で退色するマーカーによる生細胞の3次元領域での分析、
・例えば3次元FRAP、FLIP実験などにおいて、レーザ照準照明下で退色する、同時にROI外の観察も必要なマーカーによる生細胞の3次元領域での分析、
・例えば3次元伝達物質の活性化など、レーザ照明下での操作原因により変化するマーカーおよび薬剤による生細胞の3次元領域での照準分析、
・例えばpaGFP、Kaedeなど、レーザ照明下での操作原因により変色するマーカーによる生細胞の3次元領域での照準分析、
・例えばコンフォーカル性と検出感度との最適バランスが要求される微弱マーカーによる生細胞の3次元領域での照準分析、
・例えばCFP、GFP、YFP、DsRed、HcRedなど可変性多重マーキングのなされた3次元組織結合における生細胞、
・機能に依存して変色する、例えばCa+マーカーなどでマーキングのなされた3次元組織結合における生細胞、
・生育に起因して変色するマーキングのなされた3次元組織結合における生細胞、例えばGFPによる形質転換動物、
・例えばpaGFP、Kaedeなど、レーザ照明下での操作原因により変色するマーキングのなされた3次元組織結合における生細胞、
・検出感度に有利なようにコンフォーカル性の制限を要求する微弱マーキングのなされた3次元組織結合における生細胞、
・最終項目とそれ以前の項目との組み合せ、
のうちの少なくとも1つの研究のための、先行請求項の少なくとも1つに記載の装置および/または方法の使用。
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