JP2015226966A - 溶接部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1のワークを第2のワークに溶接して形成される溶接部品において、溶接の際に固定治具を使用せずに第1のワークの第2のワークに対するずれを抑制する溶接部品の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る溶接部品およびその製造方法において、あらかじめ教示されたデータに基づいてロボット210を動作させて、オーディオブラケット10b等の第1のワークをステアリングメンバ本体20(第2のワーク)に溶接して形成されるステアリングメンバ100(溶接部品)の製造方法であって、ハンドロボットは把持した第1のワークを第2のワークに溶接する位置に接近させながら第1のワークに設けられ第2のワークに向って延びる延在部12を第2のワークの外表面に当接させ、延在部を第2のワークの外表面に当接させた際に延在部はステアリングメンバ本体を挟持することによって第2のワークに対する第1のワークの位置ずれを抑制しながら第1のワークを前記第2のワークに溶接する。【選択図】図3
Description
本発明は、溶接部品の製造方法に関する。
第1のワークを第2のワークに溶接して形成される溶接部品として、例えば自動車等に用いる溶接部品を例示することができる。自動車は何万点にもおよぶ部品をボルト締結、接着、または溶接等によって接合し、組み立てることで製造される。例えば、車室前部に配置されるステアリングメンバについても特許文献1に記載されているようにステアリングコラムやサイドブラケット等の数種類の部品が接合されている。また、溶接される部品は特許文献2のようにロボットハンドによって把持される場合がある。
ステアリングメンバ(溶接部品)は、パイプ形状のステアリングメンバ本体(第2のワーク)の長手方向の左右両端部にそれぞれサイドブラケットを取り付け、その後に、ステアリングメンバ本体の長手方向中央付近に左右のオーディオブラケット、その他にもステアリングコラム、インストステイ等、数多くの部品(第1のワーク)が取り付けられて形成される。
部品をステアリングメンバ本体に溶接する際には、一般的に部品の溶接位置を保持するために固定治具を使用する。しかし、固定治具は溶接される部品の形状や取り付け位置ごとに形状や構造が異なる。そのため、部品ごとに専用の治具を設ける必要があるのでコストが高くなる。また、固定治具の設備のために大掛かりな設備が必要となる、といった問題がある。そこで、特許文献2のようにロボットハンドを移動させて、固定冶具の廃止を狙った技術があるが、ロボットハンドの移動位置に高精度が要求されるため、ばらつき管理が大変であった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、第1のワークを第2のワークに溶接して形成される溶接部品において、溶接の際に固定治具を使用せずに第1のワークの第2のワークに対するずれを抑制する溶接部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、あらかじめ教示されたデータに基づいてロボットを動作させて、第1のワークを第2のワークに溶接して形成される溶接部品の製造方法であって、ロボットは、把持した第1のワークを第2のワークの溶接する位置に接近させながら第1のワークに設けられ第2のワークに向って延びる延在部を第2のワークの外表面に当接させ、延在部を第2のワークの外表面に当接させた際に、延在部は第2のワークを挟持することによって第2のワークに対する第1のワークの位置ずれを抑制しながら前記第1のワークを前記第2のワークに溶接することを特徴とする。
本発明に係る溶接部品の製造方法によれば、あらかじめ教示されたデータに基づいてロボットを動作させて第1のワークに設けられた延在部を第2のワークの外表面に当接させて第2のワークに対する第1のワークの位置ズレを、延在部が第2のワークを挟持することによって抑制しながら溶接を行っている。そのため、固定治具が無くても第1のワークの第2のワークに対する相対的な位置のずれを抑制した溶接部品を製造することができる。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る溶接部品を示す斜視図である。図2(A)は、溶接される部品付近を示す拡大した斜視図であり、図2(B)は平面図、図3は図2(B)の3−3線に沿う断面図である。図4(A)、図4(B)は同実施形態に係る溶接部品の製造装置を示す斜視図、正面図である。図5(A)、(B)は同製造装置を構成する固定式のポジショナーを示す斜視図及び正面図、図6(A)、(B)は同製造装置を構成する可動式のポジショナーを示す斜視図及び正面図である。図7(A)〜図7(D)は同製造装置を構成するハンドロボットを示す斜視図、正面図、平面図、及び先端のハンドを示す拡大図、図8(A)〜図8(C)は同製造装置を構成する溶接ロボットを示す斜視図、正面図、及び平面図である。
図9は同実施形態に係る溶接部品の製造方法を示すフローチャート、図10(A)、10(B)から図17(A)、17(B)は溶接部品の製造工程を示す斜視図、平面図である。
(ステアリングメンバ)
本実施形態では、溶接部品100が自動車等の車両用のステアリングメンバ100である場合を例に説明を行う。ステアリングメンバ100(溶接部品に相当)は、部品10(第1のワークに相当)と、サイドブラケット10f、10gと、ステアリングメンバ本体20(第2のワークに相当)と、を有する。ステアリングメンバ本体20には、部品10とサイドブラケット10f、10g(図1を参照)が接合される。部品10は、サイドブラケット10f、10g以外でステアリングメンバ本体20に接合される部品であり、本実施形態において、ブラケットエアバッグ10aと、一対のオーディオブラケット10b、10cと、インストステイ10dと、ブラケットインパクト10eと、を有する。図3に示すように、部品10の中でもオーディオブラケット10bは、ステアリングメンバ本体20に対して位置決めして溶接する際にステアリングメンバ本体20に向って延在する延在部12を有する。延在部12は、部品10をステアリングメンバ本体20に対して溶接する際に、部品10のステアリングメンバ本体20に対する相対的な位置のずれを抑制する。
本実施形態では、溶接部品100が自動車等の車両用のステアリングメンバ100である場合を例に説明を行う。ステアリングメンバ100(溶接部品に相当)は、部品10(第1のワークに相当)と、サイドブラケット10f、10gと、ステアリングメンバ本体20(第2のワークに相当)と、を有する。ステアリングメンバ本体20には、部品10とサイドブラケット10f、10g(図1を参照)が接合される。部品10は、サイドブラケット10f、10g以外でステアリングメンバ本体20に接合される部品であり、本実施形態において、ブラケットエアバッグ10aと、一対のオーディオブラケット10b、10cと、インストステイ10dと、ブラケットインパクト10eと、を有する。図3に示すように、部品10の中でもオーディオブラケット10bは、ステアリングメンバ本体20に対して位置決めして溶接する際にステアリングメンバ本体20に向って延在する延在部12を有する。延在部12は、部品10をステアリングメンバ本体20に対して溶接する際に、部品10のステアリングメンバ本体20に対する相対的な位置のずれを抑制する。
ステアリングメンバ本体20は、長尺状のパイプ形状を有し、車体前方に車幅方向へ延在するように取り付けられている。図1に示すように、ステアリングメンバ本体20の中間部には、ブラケットエアバッグ10a、一対のオーディオブラケット10b、10c、インストステイ10d、およびブラケットインパクト10eが溶接により固定される。これらの部品10a〜10eは、直接またはステアリングメンバ本体20とは異なる部品を介して車体に固定される。ステアリングメンバ本体20の両端部には、車体側面のサイドパネル(不図示)に取り付けるためのサイドブラケット10f、10gが接合される。
ここではステアリングメンバ本体20に溶接される部品10の一例としてオーディオブラケット10bについて説明する。オーディオブラケット10bは、本体部11と延在部12とを有する。本体部11は、オーディオブラケット10bの中で体積の大部分を占め、本実施形態では端部が折り曲げられているが、もちろん折り曲げられていなくてもよい。
延在部12は、図3に示すように、オーディオブラケット10bをステアリングメンバ本体20に位置決めした際にステアリングメンバ本体20に向って延在する。延在部12は、ステアリングメンバ本体20に点接触または面接触し、ステアリングメンバ本体20に向って部品10を設置する設置方向D1およびステアリングメンバ本体20の長手方向D2に交差する交差方向D3、D4からステアリングメンバ本体20に当接する当接部13を有する。当接部13は、図3に示すように当接部13がステアリングメンバ本体20を挟むように一対に形成された挟持部14aと挟持部14bとから成る挟持部14をさらに有する。本実施形態において、設置方向D1とは、部品10をステアリングメンバ本体20に設置する方向であり、外方からステアリングメンバ本体20の中心に放射状に向かっている。交差方向D3、D4とは、当接部13によってステアリングメンバ本体20が押しつけられる方向である。交差方向D3と交差方向D4とはステアリングメンバ本体20を挟んで向かい合って構成され、このように構成されることによって挟持部14aと挟持部14bとがステアリングメンバ本体20を挟持する。挟持部14は、ステアリングメンバ本体20を方向D3、D4から挟持することで、部品10をステアリングメンバ本体20に溶接する際に位置を固定する固定治具の役割を果たしている。本実施形態では、交差する方向D3、D4は、ほぼ水平方向に向かい合っているが、後述するように仮にオーディオブラケット10bに外力が加えられたとしても外力に対する位置ずれを抑制できる力を生じさせることができればよく、これに限定されない。
当接部13は、仮溶接部31(仮止め溶接箇所に相当)と、本溶接部32(本溶接箇所に相当)と、を有する。本実施形態においてステアリングメンバの製造方法は、後述するように仮溶接工程と、本溶接工程と、を有し、仮溶接部31は仮溶接工程の際に形成され、本溶接部32は本溶接工程の際に形成される。
仮溶接部31は、本溶接に先立って、部品10をステアリングメンバ本体20に仮付けしてステアリングメンバ本体20に対する位置を保持するために形成される。本実施形態では、溶接箇所は断続的に形成しているが、これに限定されるものではなく連続的に形成してもよい。また、溶接箇所は部品10がステアリングメンバ本体20に固定されるように例えば2箇所、3箇所程度形成されるが、これに限定されない。
本溶接部32は、仮溶接部31以外の当接部13に形成される。本溶接部32は、本実施形態において、溶接箇所を連続的に形成しているが、これに限定されず断続的に形成してもよい。また、オーディオブラケット10b以外にもオーディオブラケット10c、インストステイ10dはオーディオブラケット10bと同様に延在部12、当接部13、挟持部14、仮溶接部31、及び本溶接部32を有する。
(ステアリングメンバの製造装置)
次に本実施形態に係る接合部品の製造装置について説明する。接合部品の製造装置200は、図4(A)、図4(B)に示すように、ハンドロボット210(ロボットに相当)と、溶接ロボット220と、ロケーター230と、ポジショナー240a、240bと、制御部260と、カメラ265と、部品収集部270と、を有する。
次に本実施形態に係る接合部品の製造装置について説明する。接合部品の製造装置200は、図4(A)、図4(B)に示すように、ハンドロボット210(ロボットに相当)と、溶接ロボット220と、ロケーター230と、ポジショナー240a、240bと、制御部260と、カメラ265と、部品収集部270と、を有する。
ハンドロボット210は、胴体部211と、アーム212、213、214と、ハンド215と、を有する。胴体部211は、装置の地面に載置される箇所で、回転部211aを有する。胴体部211は、回転部211aによって地面に対して鉛直方向を回転軸として回転できるように構成されている。アーム212は、回転部212aを有し、回転部212aによって胴体部211に回転可能に取り付けられている。アーム213は、回転部213aを有し、回転部213aによってアーム212に対して回転可能に取り付けられている。アーム214は回転部214aを有し、回転部214aによってアーム213に対して回転可能に取り付けられている。
ハンド215は、固定部215aと、可動部215bと、レール215cと、回転部215dと、カメラ216と、を有する。固定部215aは、レール215cに固定した状態で取り付けられている。可動部215bは、レール215cにおいてレール215cの伸びる方向(図7(D)の横方向)に移動可能に取り付けられている。回転部215dは、固定部215aと、可動部215bと、レール215cと、を固定部215aや可動部215bの伸びる方向を回転軸として回転可能にしている。このように、ハンドロボット210は、回転軸が多数設けられた多関節のロボットであり、上記のように構成することによって、ワークとなる部品を様々な状態で把持する等、様々な軌跡から接合される他の部品にアプローチすることができる。
カメラ216は、レール215cに内蔵されており、ハンド215が部品を把持する際に当該部品を撮影して把持した部品の向きや大きさを把握するために使用される。
カメラ216と異なり、カメラ265は、この製造装置の作業範囲内を広角に撮影できるように設置されている。カメラ265は、ハンド215によって把持された部品がどのような向きで把持されているのかを確認したり、ハンドロボット215によって位置決めされ、接合された部品を撮影して所定の位置に位置決めされているか等を確認したりするために用いられる。そのため、カメラ265は、ハンドロボット210、溶接ロボット220、ポジショナー240a、240bまで含めて広範囲に撮影することもできる。
ハンドロボット210は、部品を部品収集部270から取り出した後、カメラ265に向かって部品をかざすように動作する。これによってハンド215に把持された部品をカメラ265が撮影し、画像処理によって部品がハンド215にどのような向きや位置で把持されているのかをカメラ216以外の手段で確認する。また、ハンドロボット210は、カメラ216やカメラ265によって得られた情報から把持する部品の向きを補正することができる。なお、把持した部品の向き等を補正する動作は一般的なハンドロボットの動作と同様であるため、説明を省略する。
溶接ロボット220は、胴体部221と、アーム222、223、224と、溶接トーチ225と、カメラ226と、ワイヤ227と、ワイヤ送給部228と、を有する。胴体部221は、装置の地面に載置される箇所で、回転部221aを有する。胴体部221aは、回転部221aによって地面に対して鉛直方向を回転軸として回転できるように構成されている。アーム222は、回転部222aを有し、回転部222aによって胴体部221に回転可能に取り付けられている。アーム223は、回転部223aを有し、回転部223aによってアーム222に対して回転可能に取り付けられている。アーム224は回転部224aを有し、回転部224aによってアーム223に対して回転可能に取り付けられている。
溶接トーチ225は、アーム224の先端に取り付けられている。溶接トーチ225の先端は、ステアリングメンバ本体20上に位置決めされた部品の位置を基準にして、その部品が溶接できる位置に位置決めされる。このため溶接トーチ225先端の位置は、ハンドロボット210に教示された部品位置を基準として教示されている。ハンドロボット210による部品位置が補正された場合はそれに合わせて溶接トーチ225先端の位置も補正される。
溶接トーチ225は、回転部225aを有する。回転部225aは、アーム224の伸びる方向を回転軸として回転できるように構成されている。このように溶接ロボット220についてもハンドロボット210と同様に多関節に構成され、ステアリングメンバ100に対して様々な向きや方向から溶接トーチ225をアプローチさせて溶接を行うことができる。ワイヤ227は、ワイヤ送給部228から溶接トーチ225の内部まで伸びている。ワイヤ送給部228は、溶接トーチ225に向けてワイヤ227を供給する。
また、回転部225aにはカメラ226が内蔵されている。カメラ226は、ハンド215によって位置決め保持されている部品を撮影する。そして、撮影された画像から部品の位置(及び/又は傾き)を計測する。そのため、カメラ226は、撮影された画像内における物体の大きさや物体間の距離を計測する機能(画像内距離測定機能という)を有する。画像内距離測定機能としては、例えば予め画像内で距離を割り出すための基準となる物(基準スケール)を撮影して、その基準スケールの実物の大きさと画像内での大きさとの対応関係を求めておく。そして、記憶した基準スケールにおける実物と画像との対応関係を用いて、計測するために撮影した物体の画像内での大きさや物体間の距離及び傾きを求める。このような画像内距離測定機能は周知のものを用いればよく、特に限定されない。
また、カメラ226は、カメラ226の現在位置から撮影物までの距離を測る測距機能を備えていてもよい。測距機能としては、カメラ226の焦点合わせに用いるパッシブ型測距、レーザー光や超音波を用いるアクティブ型測距機能等を用いることが出来る。当該測距機能も周知のものを用いればよく、特に限定されない。このような測距機能と画像内距離測定機能を用いれば、カメラ226によって測定された部品位置が溶接ロボット220の動作座標系内の位置として算出することが出来る。
なお、上記の画像内距離測定機能及び測距機能はカメラ265も有していてもよい。また、画像内距離測定、必要により行われる測距等における画像処理およびそれらの算出処理は制御部260によって行われる。
ロケーター230は、ロケーター231とロケーター232と、から構成されるが、台数はこれに限定されない。ロケーター231は、ステアリングメンバ本体20を把持するか、又は把持を解除した状態にする。ロケーター232は、ステアリングメンバ本体20の長手方向において異なる位置でロケーター231と同様にステアリングメンバ本体20を把持するか、又は把持を解除した状態にする。
そのため、ロケーター230によるステアリングメンバ本体20の保持には、ロケーター231、232による保持か、ロケーター231、232のいずれかによる保持が挙げられる。ロケーター231、232は、ステアリングメンバ本体20を把持しない際には、ロケーター232の上部がスライドベース243から長手方向に交差する方向(図4(B)の紙面奥行き方向)に離間する。これによって、溶接ロボット220やハンドロボット210が動作する際のエリアに侵入しないようにしている。ロケーター231、232は、後述するポジショナー240a、240bのスライド部242と同様の構成を有する。これによって、スライドベース243の長手方向に対して接近離間することができる。
ポジショナー240a、240bは、ステアリングメンバ本体20の両端を把持して保持する。ポジショナー240a、240bは、図5、図6に示すように、ポジショナー240a、240bの支柱となる支持台241と、ステアリングメンバ本体20を把持する把持部244と、を有する。把持部244は、クランパ245,246と、クランパ245、246を動作させるための動力機構を有する動力部247と、ステアリングメンバ本体20の両端に取付けられる部材を位置決めする位置決めピン248、249と、を有する。また、ポジショナー240bは、図6(A)に示すように、上記構成に加えてポジショナー240aをステアリングメンバ本体20の長手方向にスライド自在に移動可能とするスライド部242、をも有する。スライド部242は、スライドベース243と連携している。
支持台241は、ステアリングメンバ本体20を支持する支柱に当たり、ステアリングメンバ本体20を把持する側の側面において把持部244と接続する。また、ポジショナー240aにおいて、支持台241の下方は装置200に固定されており、ポジショナー240bにおいて支持台241の下方はスライド部242と接続している。支持台241は本実施形態において一部材から構成され、所定の高さで構成しているが、これ以外にも例えば2以上の部材から構成し、高さ調整機構を備えるように構成してもよい。また、支持台241は、図5(A)に示すように把持部244と回転軸253を介して接続され、支持台241はモーターとギヤ対等を有する回転機構を備える。支持台241に上記回転機構が設けられることによって、把持部244はステアリングメンバ本体20を把持した状態で回転軸253の軸周りに回転することができる。
スライド部242は、スライドベース243と連携し、ポジショナー240bをステアリングメンバ本体20の長手方向に移動可能にする。スライド部242とスライドベース243には、ギヤ対を設けることによって、スライド部242を移動可能に構成しているが、これに限定されない。
クランパー245、246は、ステアリングメンバ本体20を両端部において把持するための構成であり、本実施形態では動力部247の一部に回転軸251、252が設けられ、回転軸251、252にクランパー245、246が回転可能に取り付けられている。
動力部247は、クランパー245、246を動作させるためのモーターとギヤ対等のクランパー245,246のための回転機構を内蔵している。クランパー245,246を回転軸251、252の軸周りに回転させ、クランパー245、246がなす開き角を調整することによってステアリングメンバ100の把持及び把持の解除が実現される。
位置決めピン248、249は、動力部247の外側面に設けられている。上記のように、ステアリングメンバ100の中でも長手方向両端に配置されるサイドブラケット10f,10gには位置決めピン248,249を挿通させるための位置決め穴が設けられている。サイドブラケット10f,10gの位置決め穴を位置決めピン248,249に挿通させることによってサイドブラケット10f、10gがポジショナー240a、240bに取り付けられ、位置決めされる。サイドブラケット10f、10gがポジショナー240a、240bの位置決めピン248,249に挿通した状態でステアリングメンバ本体20に接合された後は、サイドブラケット10f、10gをクランパー245,246によって把持することでステアリングメンバ本体20もサイドブラケット10f、10gと共に支持される。
制御部260は、CPU、RAM、ROM、LAN等から構成され、ハンドロボット210や溶接ロボット220、ロケーター230、ポジショナー240a、240b等の構成の動作を制御する。制御部260には、ハンドロボット210が部品10、サイドブラケット10f、10g、およびステアリングメンバ本体20を把持する際の把持方向および把持位置、搬送して位置決めする際の部品10のステアリングメンバ本体20に対する位置および姿勢等の教示データが予め記憶されている。
部品収集部270は、ステアリングメンバ本体20にブラケット10a〜10gを接合する前の段階においてハンドロボット210が搬送し易いようにステアリングメンバ本体20とブラケット10a〜10gを収集させておくスペースである。部品収集部270は、2枚のプレート271と、272とによって構成しているが、あくまで例示であって、その他にも複数段からなる棚等で構成してもよい。
(ステアリングメンバの製造方法)
次に、本実施形態に係るステアリングメンバ100の製造方法について説明する。本実施形態に係るステアリングメンバ100の製造方法は、図9に示すように、概説すればサイドブラケット10f、10g及びステアリングメンバ本体20のセット、溶接(ステップST1)と、部品10の把持(ステップST2)と、位置決め(ステップST4a、S4b)と、仮溶接(ステップST5)と、本溶接(ステップST6)と、次工程への搬送(ステップST8)と、を有する。また、本実施形態では、ステアリングメンバ本体20にサイドブラケット10f、10gが接合された状態からブラケットエアバッグ10a、オーディオブラケット10c、10b、ブラケットインパクト10e、インストステイ10dの順番で溶接が行われるが、例示であってこれに限定されない。
次に、本実施形態に係るステアリングメンバ100の製造方法について説明する。本実施形態に係るステアリングメンバ100の製造方法は、図9に示すように、概説すればサイドブラケット10f、10g及びステアリングメンバ本体20のセット、溶接(ステップST1)と、部品10の把持(ステップST2)と、位置決め(ステップST4a、S4b)と、仮溶接(ステップST5)と、本溶接(ステップST6)と、次工程への搬送(ステップST8)と、を有する。また、本実施形態では、ステアリングメンバ本体20にサイドブラケット10f、10gが接合された状態からブラケットエアバッグ10a、オーディオブラケット10c、10b、ブラケットインパクト10e、インストステイ10dの順番で溶接が行われるが、例示であってこれに限定されない。
まず、図10に示すように、ハンドロボット210によりサイドブラケット10fを把持してポジショナー240aに向けて搬送し、セットする。そして、次に図11に示すように、ステアリングメンバ本体20をサイドブラケット10fに位置決めするようにセットし、その状態で溶接ロボット220によって溶接する。次に図12に示すように、サイドブラケット10gを把持してポジショナー240bまで搬送してセットし、溶接ロボット220によってステアリングメンバ本体20に溶接する(ステップST1)。
次に、あらかじめ教示されたデータに基づいてハンドロボット210を動作させて、部品収集部270からブラケットエアバッグ10aを把持して(ステップST2)位置決めする。ブラケットエアバッグ10aは本実施形態において延在部を有さない(ステップST3:NO)。そのため、ハンドロボット210は、教示された位置に位置決めして溶接まで保持する(ステップST4b)。
次に溶接ロボット220は、教示された溶接箇所まで接近し、仮溶接を行い(ステップST5)、本溶接を行う(ステップST6)。ステアリングメンバ本体20にはまだ溶接されていない部品があるため(ステップST7:NO)、ハンドロボット210は新たに別の部品を部品収集部270から取得する(ステップST2)。
本実施形態において残りの部品であるオーディオブラケット10b、10cとインストステイ10dは延在部12を有し、ブラケットインパクト10eは延在部12を有さない。延在部12を有さない場合(ステップST3:NO)については、ブラケットエアバッグ10aと同様に予め教示された位置に位置決め(ステップST4b)した上で仮溶接(ステップST5)、本溶接(ステップST6)を行う。
これとは対照的にステアリングメンバ本体20に溶接される部品が延在部12を有する場合(ステップST3:YES)には、図3に示すように、あらかじめ教示されたデータに基づいて、延在部12をステアリングメンバ本体20に当接するように位置決めして保持する(ステップST4a)。その後、延在部12によってステアリングメンバ本体20に対する位置ズレを抑制しながら仮溶接(ステップST5)を行い、本溶接(ステップST6)を行う。このようにして、図14から図17に示すように、オーディオブラケット10c、10b、ブラケットインパクト10e、インストステイ10dがステアリングメンバ本体20に溶接される。
インストステイ10dの溶接が終われば本実施形態では全ての部品がステアリングメンバ本体20に溶接されたことになる(ステップST7:YES)。そして、ハンドロボット210は、ステアリングメンバ100を把持して次工程へと搬送する(ステップST8)。
次に本実施形態のステアリングメンバ100の製造方法による作用効果について説明する。ステアリングメンバのような溶接部品を製造する際には部品の固定に治具が用いられることがある。しかし、治具は、取り付けられる部品の形状に応じて形状や構造が異なる。そのため、ステアリングメンバのようにステアリングメンバ本体に複数の部品を溶接するためには個々の部品に応じた治具を用意しなければならず、コストアップにつながってしまうといった問題がある。
これに対し本実施形態に係るステアリングメンバ100およびその製造方法において、ステアリングメンバ100を構成するオーディオブラケット10b等の部品10は、ステアリングメンバ本体20に向って延在する延在部12を有する。部品10をステアリングメンバ本体20に溶接する際には、あらかじめ教示されたデータに基づいてハンドロボット210を動作させて部品10を把持させる。そして、把持した部品10をステアリングメンバ本体20に溶接する位置に接近させながら延在部12をステアリングメンバ本体20の外表面に当接させ、延在部12にステアリングメンバ本体20を挟持させることによって部品10のステアリングメンバ本体20に対する位置ズレを抑制しながら溶接を行っている。
そのため、延在部12をステアリングメンバ本体20に当接させることによって固定治具が無くても部品10のステアリングメンバ本体20に対する相対的な位置のずれを抑制したステアリングメンバ100を製造することができる。また、部品10を固定するための固定治具が不要になるので、固定治具にかかる費用を無くすことができ、コスト削減が可能となる。さらに、固定治具が不要にできるので製造装置の小型化や製造ラインの省スペース化が可能になり、固定治具の取り付けおよび解除作業が不要になるので生産タクトを短縮することができる。また、ステアリングメンバ100の製造の際に溶接ロボット100の溶接ワイヤ27が当たる等して部品10に外力が加えられたとしても、延在部12がステアリングメンバ本体20と当接していることによって、上記外力に対抗し、位置ズレを防止又は抑制することができる。
また、延在部12は、部品10とステアリングメンバ本体20との当接部13において、部品10がステアリングメンバ本体20に対して溶接されている。そのため、当接部13を溶接することにより、溶接中に生じうる位置ずれをさらに防止することができる。
また、当接部13において部品10はステアリングメンバ本体20に仮溶接を行って形成された仮溶接部31と、仮溶接部31以外の当接部13において本溶接を行って形成された本溶接部32とをさらに有する。仮溶接後に仮溶接部31は固定治具としての役割を果たすことができるため、部品10をハンドロボット210により把持しなくても位置ずれを防止できる。よって、ハンドロボット210に別の作業を行わせることができ、ステアリングメンバ100を製造する作業を迅速に行うことができる。
また、本実施形態に係る溶接部品のワークは、具体的にパイプ状のステアリングメンバ本体20とステアリングメンバ本体20に接合されるブラケット10a〜10eによって構成することができる。
その他、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。上記では、部品10をステアリングメンバ本体20に溶接する際に、本溶接に加えて仮溶接を行うとしたが、仮溶接を行わなくてもよい。また、当接部13は、仮溶接部31と本溶接部32を有する、と記載したが、これに限定されない。当接部13は、仮溶接部31又は本溶接部32のいずれか一方のみを有する構成であってもよく、言い換えれば部品10においてステアリングメンバ本体20と接触していない状態で溶接される箇所があってもよい。更に、ステアリングメンバ本体20の断面形状は円形に限らず多角形であってもよい。
また、上記ではオーディオブラケット10b、10cやインストステイ10dに延在部が設けられ、ブラケットインパクト10eやブラケットエアバッグ10aには延在部が設けられない実施形態について説明したが、これに限定されず、ブラケットインパクト10eやブラケットエアバッグ10aについても延在部を設けるように構成してもよい。
また、ステアリングメンバ本体20にはオーディオブラケットやインストステイのような複数の部品10が溶接される実施形態について説明したが、例示的に列挙したものであり、これに限定されない。ステアリングメンバ本体20のような被溶接部材に一つの部材を溶接して溶接部品とするような場合にも、本発明に係る溶接部品100および溶接方法を適用できる。
また、本実施形態では、溶接部品としてステアリングメンバ100を例示したが、これに限ることなく、例えば他の車両部品であってもよく、車両部品でなくてもよい。また、上記実施形態においてステアリングメンバ本体20に当たる第2のワークは長尺でなくてもよい。
10 部品(第1のワーク)、
10a 部品(ブラケットエアバッグ)、
10b、10c 部品(一対のオーディオブラケット)、
10d 部品(インストステイ)、
10e 部品(ブラケットインパクト)、
10f、10g サイドブラケット、
11 本体部、
12 延在部、
13 当接部(当接箇所)、
14、14a、14b 挟持部
20 ステアリングメンバ本体(第2のワーク)、
31 仮溶接部、
32 本溶接部、
100 ステアリングメンバ(溶接部品)、
200 溶接装置、
210 ハンドロボット、
220 溶接ロボット、
230 ロケーター、
240a、240b ポジショナー、
260 制御部、
270 部品収集部。
10a 部品(ブラケットエアバッグ)、
10b、10c 部品(一対のオーディオブラケット)、
10d 部品(インストステイ)、
10e 部品(ブラケットインパクト)、
10f、10g サイドブラケット、
11 本体部、
12 延在部、
13 当接部(当接箇所)、
14、14a、14b 挟持部
20 ステアリングメンバ本体(第2のワーク)、
31 仮溶接部、
32 本溶接部、
100 ステアリングメンバ(溶接部品)、
200 溶接装置、
210 ハンドロボット、
220 溶接ロボット、
230 ロケーター、
240a、240b ポジショナー、
260 制御部、
270 部品収集部。
Claims (4)
- あらかじめ教示されたデータに基づいてロボットを動作させて、第1のワークを第2のワークに溶接して形成される溶接部品の製造方法であって、
前記ロボットは、把持した前記第1のワークを前記第2のワークの溶接する位置に接近させながら前記第1のワークに設けられ前記第2のワークに向って延びる延在部を前記第2のワークの外表面に当接させ、
前記延在部を前記第2のワークの外表面に当接させた際に、前記延在部は前記第2のワークを挟持することによって前記第2のワークに対する前記第1のワークの位置ずれを抑制しながら前記第1のワークを前記第2のワークに溶接する、溶接部品の製造方法。 - 前記第1のワークを前記第2のワークに溶接する際には、前記延在部が前記第2のワークに当接した当接箇所を溶接する、請求項1に記載の溶接部品の製造方法。
- 前記当接箇所を溶接する際には、前記第1のワークを前記第2のワークに仮止めする仮止め溶接を行い、前記仮止め溶接を行った箇所以外の箇所において本溶接を行い、前記当接箇所は少なくとも前記仮止め溶接の溶接箇所又は前記本溶接の溶接箇所を含む請求項2に記載の溶接部品の製造方法。
- 前記第2のワークは、パイプ状のステアリングメンバ本体であり、前記第1のワークは前記ステアリングメンバ本体に溶接されるブラケットである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接部品の製造方法。
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JP2014114353A JP2015226966A (ja) | 2014-06-02 | 2014-06-02 | 溶接部品の製造方法 |
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JP2014114353A JP2015226966A (ja) | 2014-06-02 | 2014-06-02 | 溶接部品の製造方法 |
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JP2014114353A Pending JP2015226966A (ja) | 2014-06-02 | 2014-06-02 | 溶接部品の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023175976A1 (ja) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | 日揮グローバル株式会社 | 溶接自動化装置および溶接自動化方法 |
-
2014
- 2014-06-02 JP JP2014114353A patent/JP2015226966A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023175976A1 (ja) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | 日揮グローバル株式会社 | 溶接自動化装置および溶接自動化方法 |
JP7559286B2 (ja) | 2022-03-18 | 2024-10-01 | 日揮グローバル株式会社 | 溶接自動化装置および溶接自動化方法 |
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