JP2015221654A - 電子制御ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】コンデンサの容量を低減しつつ、エンジン始動時のバッテリ電圧低下に際してもマイコンの電源電圧を低下させない、安定した電源回路を備えた電子制御ユニットを提供すること。
【解決手段】マイコン20と、昇降圧DCDC回路110を有し、マイコンの電源電圧をバッテリ30を元に生成する電源回路10とを備え、マイコン20は、エンジン始動時にバッテリ電圧が低下したと判断した時には、マイコンの動作モードを通常動作モードから当該通常動作モードよりも消費電力が相対的に低い低消費電力モードに遷移する。
【選択図】図1
【解決手段】マイコン20と、昇降圧DCDC回路110を有し、マイコンの電源電圧をバッテリ30を元に生成する電源回路10とを備え、マイコン20は、エンジン始動時にバッテリ電圧が低下したと判断した時には、マイコンの動作モードを通常動作モードから当該通常動作モードよりも消費電力が相対的に低い低消費電力モードに遷移する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車載バッテリに接続された電子制御ユニットに係り、特に車載バッテリの電圧が急峻に低下してもマイコンの電源を安定にするために好適な電子制御ユニットに関する。
例えば、自動車等の車両においては、環境問題、排気ガス排出規制への対応はもとより、省エネルギー意識の高まりや資源枯渇の懸念から内燃機関の燃費(燃料消費量)を改善することが要請されている。そして、このためには内燃機関の燃焼効率を高めることによって少ない燃料で燃焼を行い、更に排気有害成分を低減するようにしている。
また、自動車等での無用な燃焼を可能な限り停止させる例として、停車時に無用なアイドリングを行わないためにエンジン(内燃機関)を停止するようにしたアイドルストップがある。アイドルストップは、駐停車時や交差点での信号待ちなどの際にエンジンを停止させることで燃料の節約や排気ガスの削減が行える。
一方で、自動車等のエンジン始動時(アイドルストップ後のエンジン始動も含む)は、スタータモータにラッシュ電流(瞬間的に数百A程度)が流れるためにバッテリの内部抵抗による電圧降下が発生して、バッテリ電圧が急峻に低下してしまう。そのため、バッテリ電圧を電源電圧とする車載の電子制御ユニットや装備品の電子機器は、その電圧低下への耐性が求められている。
例えば、エンジン始動時の電圧低下を抑制して車載機器への不具合を未然に防止する発明としては、特開2002−38984号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1には、エンジン始動時の電圧低下を補う目的で電圧補償手段を設けてバッテリ電圧を補償する方法が記載されている。
また、ISO16750−2「始動プロフィール」には、エンジン始動中のバッテリ電圧変動に対する機器の耐性試験の規格が示されている。
ところで、従来の電子制御ユニットの電源回路では、バッテリ電圧を降圧DCDC回路で降圧することによってマイコンの電源電圧を生成していたため、エンジン始動時にバッテリ電圧がマイコンの動作電圧より下回るとマイコンにリセットがかかり、さらには停止してしまうという現象があった。
この現象に対処するために、従来の技術においては、大容量のコンデンサを配置することで電圧リプルを吸収する手法が一般的であった。しかしながら、近年、電子制御ユニットの小型化等の要請を理由に、コンデンサの小容量化と共にバッテリ電圧低下への耐性が強く要請されてきている。
本発明の目的は、このような要請に応えるため、コンデンサの容量を低減しつつ、エンジン始動時のバッテリ電圧低下に際してもマイコンの電源電圧を低下させない、安定した電源回路を備えた電子制御ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、マイコン部と、昇降圧DCDC回路を有し、前記マイコン部の電源電圧を外部電源を元に生成する電源部とを備え、前記マイコン部は、エンジン始動時に前記外部電源の電圧が低下したと判断した時には、前記マイコンの動作モードを通常動作モードから当該通常動作モードよりも消費電力の低い低消費電力モードに遷移することを特徴とする。
本発明によれば、外部電源の電圧が低下した場合にマイコン部の動作モードが通常動作モードから低消費電力モードに遷移するので、外部電源電圧の低下中にもマイコン部を安定動作しながら消費電力を抑制でき、コンデンサ容量の削減又はコンデンサレスが実現できる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内での種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。例えば、本発明は、以下の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。
図1は、本発明の実施形態に係る電子制御ユニット(ECU)1の電源回路の構成図である。この図に示した電子制御ユニット1は、原動機としてエンジンを備える自動車に搭載されたものであり、その内部に電源回路10とマイコン(マイコン部)20を備えている。電源回路10は、外部電源であるバッテリ30からの入力電圧を昇圧/降圧して出力する昇降圧DCDC回路110と、バッテリ30の電圧を検出する電圧検出部150と、所定の値の電圧を出力するレギュレータ120と、マイコン20にリセット信号を出力するためのリセット回路130と、電源回路10の制御に係る各種処理を実行する制御部140を備えている。
電源回路10では、前段の昇降圧DCDC回路110によってバッテリ30の電圧から例えば6Vを生成し、後段のシリーズ電源であるところのレギュレータ120で例えば5Vを生成して、これをマイコン20の電源電圧としてラインL3を介してマイコン20に供給する。つまり、本実施の形態に係る電源回路10は、変換効率のよいDCDC回路110を前段に配し、出力電圧リプルの少ないシリーズ電源(レギュレータ)120を後段に配したものである。コンデンサ3はラインL3における電圧リプルを抑制するために備えたものである。
リセット回路130にはラインL3の電圧値が入力されており、リセット回路130はラインL4を介してマイコン20と接続されている。リセット回路130は、電源投入時にマイコン20に対してリセット信号を発行し、また、ラインL3の電圧がマイコン20の動作電圧未満の値まで低下した際(例えば、マイコン20の動作電圧が5VのときにL3の電圧が4.5Vまで低下したとき)にもマイコン20を再始動するためにリセット信号を発行する。
外部のバッテリ30の正極は、ラインL1を介して、昇降圧DCDC回路110の端子Viと電圧検出部150に、さらにはマイコン20の端子A/Dに接続される。
マイコン20は、ラインL1及び端子A/Dを介してアナログ信号として入力されるバッテリ電圧(当該アナログ信号はマイコン20内部のAD変換器(図示せず)でデジタル信号に変換される)をエンジン始動時に監視し、バッテリ電圧が設定値Vm(例えば、マイコン20の動作電圧値(5V))未満に達したことを当該監視電圧に基づいて検出することで「バッテリ30の電圧が低下した」と判断し、マイコン20は自身の動作モードを通常動作モードから低消費電力モードに遷移する。詳細は後述するが、低消費電力モードは、通常動作モードよりも相対的に消費電力が低い動作モードである。
図1では省略しているが、マイコン20によるバッテリ電圧の検出に関連して、バッテリ30の正極とマイコン20の端子A/Dを接続するラインL1には、マイコン20の動作電圧を超える電圧がバッテリ30から入力されることを回避するために分圧回路が設けられている(当該分圧回路はマイコン20の端子A/Dの近傍に設けることが好ましい)。当該分圧回路の例としては、バッテリ30の正極に30kΩと10kΩの抵抗を直列接続し、当該10kΩの抵抗をバッテリ30の端子GNDに接続し、当該2つの抵抗の接続点をマイコン20の端子A/Dに入力するものがある。この場合、バッテリ電圧は1/4に分圧されてマイコン20の端子A/Dに入力されるため、バッテリ電圧が12Vのときには3Vがマイコン20に入力される。したがって、バッテリ電圧が所定の値(例えば、上記設定値Vm(5V))未満まで低下したか否かは、マイコン20の端子A/Dに入力される電圧が当該所定の値に1/4を乗じた値(当該所定の値が5Vのときは1.25V)未満に達したか否かで判定することができる。
なお、マイコン20で現在いずれの動作モードが選択されているかについては、例えば、本実施の形態のようにマイコン20の動作電圧が一定の場合には、ラインL3の電流値を電流センサ等で測定すれば判断可能である。
また、マイコン20にバッテリ電圧を入力する構成については図示及び上記で説明したものに限定せず、公知の構成が利用可能である。例えば、本実施の形態のマイコン20は、ラインL1を介して直接的にバッテリ電圧の値を検出しているが、電圧検出部150のようなマイコン20と独立した電圧検出手段(電圧検出部)を別途設置して、そこからの出力(バッテリ電圧)を端子A/Dに入力するように構成しても良い。また、本実施の形態にように端子A/Dを介してバッテリ電圧を入力することに代えて、アナログの電圧コンパレータをマイコンに内蔵し、当該電圧コンパレータを介して入力したバッテリ電圧に基づいて電圧の判定を行っても良い。
昇降圧DCDC回路110の端子Voは、ラインL2を介してレギュレータ120の端子Viと制御部140に接続される。レギュレータ120の端子Voは、ラインL3を介してマイコン20の端子VCCとリセット回路130に接続される。リセット信号は、ラインL4を介してマイコン20の端子RESに接続される。ラインL5はマイコン20の端子DIO(デジタル入出力端子)に接続される。ラインL5の他端には、エンジン及び車両の状態量を検出するための各種センサ並びにエンジン及び車両内の各種アクチュエータ等が接続されており、例えば、エンジンのクランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサ90(図10参照)、およびエンジン冷却水温度を検出する水温センサ(図示せず)等を含むエンジンの状態量を検出する各種センサの出力が端子DIOを介してマイコン20に入力される。
制御部140はラインL6を介して昇降圧DCDC回路110に接続されており、制御部140はラインL6を介してPWMスイッチング動作と昇圧/降圧の切替えを行うための制御信号を昇降圧DCDC回路110に出力する。また、制御部140はラインL7を介して電圧検出部150に接続されており、電圧検出部150から出力されるバッテリ電圧の検知信号はラインL7を介して制御部140に送られる。
本実施の形態に係る制御部140は、電圧検出部150からラインL7を介して入力されるバッテリ電圧が設定値Vb未満のときは、バッテリ30の電圧が低下したと判断し、昇降圧DCDC回路110に昇圧動作を指示する制御信号をラインL6を介して出力し、一方、電圧検出部150から入力されるバッテリ電圧が設定値Vb以上のときは、バッテリ30の電圧が正常または回復したと判断し、昇降圧DCDC回路110に降圧動作を指示する制御信号を出力する。設定値Vbは、電源部10(制御部140)がバッテリ(外部電源)30の電圧が低下または回復したと判断する際に利用する値であり、例えば、昇降圧DCDC回路110の出力電圧値(6V)以上で、且つ、バッテリ30の通常動作時電圧(一般的には12〜14V程度であり、後述の図11Aの例では試験電圧UB=12Vが該当する)以下の範囲に含まれており、ここではVb=8Vとする。なお、後述の図11Aにおける試験期間t8のリプル電圧が5〜7Vになることから、Vb=8Vは好適であるが、Vbはこの値に限定されるものではない。
図2に昇降圧DCDC回路110の構成を示す。図2Aは、本発明の電子制御ユニット1の昇降圧DCDC回路110をスイッチング素子で構成した場合の構成図で、図2Bは、本発明の電子制御ユニット1の昇降圧DCDC回路110をスイッチング素子で構成した場合の動作を示す説明図である。
図2Aに示すように、昇降圧DCDC回路110は、典型的なトポロジーの降圧DCDC回路と昇圧DCDC回路を直列接続した構成にあって、スイッチング素子(MOSFET等)を使用した回路構成であり、インダクタ113とコンデンサ117を降圧DCDC回路と昇圧DCDC回路で共用する構成となっている。図2Aの例では、入力端子Vi側(図中、左側)に降圧DCDC回路、出力端子側Vo側(図中、右側)に昇圧DCDC回路を配したが逆であってもよい。
先ず、降圧動作を説明する。降圧DCDC回路は、スイッチング素子111とスイッチング素子112とインダクタ113から構成される。図2Bに示すように、降圧動作時は、制御信号CTRL3によりスイッチング素子115をOFF状態、制御信号CTRL4によりスイッチング素子116をON状態に設定する。そして、制御信号CTRL1と制御信号CTRL2により、スイッチング素子111とスイッチング素子112をPWM制御することにより、端子Viから入力された電圧より低い電圧を端子Voに出力することが可能である。
次に、昇圧動作を説明する。昇圧DCDC回路は、インダクタ113とスイッチング素子115とスイッチング素子116から構成される。図2Bに示すように、昇圧動作時は、制御信号CTRL2によりスイッチング素子112をOFF状態、制御信号CTRL1によりスイッチング素子111をON状態に設定する。そして、制御信号CTRL3と制御信号CTRL4により、スイッチング素子115とスイッチング素子116をPWM制御することにより、端子Viから入力された電圧より高い電圧を端子Voに出力することが可能である。
以上のように、昇降圧DCDC回路110は、制御信号CTRL1〜CTRL4によって、昇圧動作と降圧動作を切替えることが可能である。
図3は、本発明の実施形態に係る電子制御ユニット1の外部電源として試験電圧311を利用した場合における昇降圧DCDC回路110とレギュレータ120の出力電圧の時間変化の様子を示す説明図である。なお、図中の試験電圧311はISO16750−2で定められたものであり、試験電圧311の詳細については図11を用いて後述する。
図3に示すように、印加開始直後の試験電圧311(図3中の細線)は設定値Vb(8V)以上であるため、昇降圧DCDC回路110は降圧動作を行う。その後、電源回路10は、バッテリ電圧に対応する試験電圧311が設定値Vb未満に達したことを検知することで「外部電源の電圧(試験電圧311)が低下した」と判断し、これをきっかけにそれまでの降圧動作から昇圧動作に切替える(図3のタイミングt3)。これにより、試験電圧311がさらに低下して図示のように3Vまで達しても昇降圧DCDC回路110の出力電圧312(図3中の太線)が昇圧されて、昇降圧DCDC回路110は安定的に目標電圧である6Vの電圧を出力していることが見てとれる。本実施の形態では、目標電圧は、設定値Vb(8V)よりも小さい値であり、マイコン動作電圧(5V)より高い値に設定されている。
また、昇圧動作中の昇降圧DCDC回路110は、入力電圧が目標電圧(6V)未満の時は目標電圧(6V)を出力し、入力電圧が目標電圧(6V)を超えると入力電圧と同じ電圧(すなわち目標電圧を超える電圧)を出力する。さらに、昇降圧DCDC回路110は、試験電圧311が設定値Vb以上に回復した時(図3のタイミングt4)に、昇圧動作から降圧動作に切替えられ、DCDC回路出力電圧312は降圧されて6Vに戻る。
図3に示したように、本発明の昇降圧DCDC回路110は、試験電圧311の時間変化に応じて降圧動作と昇圧動作を適宜切替えるのでDCDC回路出力電圧312が6V以上確保される。これによりレギュレータ出力電圧313(図中、太い点線)は5Vで継続的に安定している。したがって、バッテリ電圧が急峻に低下して、マイコン20の動作電圧(5V)より下がった場合にも(図3のタイミングt1〜タイミングt2の間)、マイコン20の電源電圧を動作電圧に維持出来るため、電子制御ユニットは何ら障害を受けないのである。
なお、降圧動作から昇圧動作の切替えと昇圧動作から降圧動作への切替えの判断は、バッテリ電圧が8V(設定値Vb)未満か否かで行うと説明したが、当該判断に利用する電圧値は8Vに限定されるものではない。DCDC回路出力電圧312の6Vが低下しないように、バッテリ電圧が8V未満に低下する手前(例えば9V)で早めに昇圧動作に切替えてもよく、且つ、レギュレータ120の損失を抑えるために、昇降圧DCDC回路110の入力Viと出力Voの間の電位差が大きくならない電圧値が望ましいのは言うまでもない。
ところで、マイコン20は、試験電圧311が設定値Vm(マイコン20の動作電圧である5V)未満に達したことを検知した場合(図3のタイミングt1〜タイミングt2の間)、自身の動作モードを通常動作モードから低消費電力モードに切り替える。設定値Vmは、設定値Vbより小さい値に設定されているので、試験電圧311では、昇降圧DCDC回路110の昇圧動作が開始した後にマイコン20の動作モードが低消費電力モードに切り換えられ、マイコン20の動作モードが通常モードに復帰した後に昇降圧DCDC回路110は再び降圧動作を行うことになる。
上記のように構成した電子制御ユニット1によれば、電源回路10に昇降圧DCDC回路110を備えているので、バッテリ電圧が設定値Vb未満に低下した場合に昇降圧DCDC回路110を降圧動作から昇圧動作に切替えることによってマイコン20の電源電圧の低下を防止できる。これによりエンジン始動時の一時的な急峻なバッテリ電圧低下に備えてコンデンサを大容量化する必要がなくなり、電子制御ユニットの小型化が実現できる。さらに、本実施の形態では、昇降圧DCDC回路110の昇圧動作中にバッテリ電圧が設定値Vm未満に低下したとマイコン20が判断した場合には、マイコン20自身の動作モードが通常動作モードから低消費電力モードに遷移されるので、昇降圧DCDC回路110が昇圧動作中の負荷電流を低減することができる。したがって、本実施の形態に係る電子制御ユニット1によれば、バッテリ電圧の低下中にもマイコン20を安定動作させながら消費電力の抑制が可能となり、電圧リプルを吸収するために電源部10に設置するコンデンサの容量削減又は電源部10のコンデンサレス化が実現できる。
そして、昇降圧DCDC回路110の昇圧動作中にバッテリ電圧が設定値Vm以上に回復したとマイコン20が判断した場合には、通常モードに速やかに遷移するので、マイコン20のCPU停止時間を最小化できる。
ところで、マイコン20の動作モードが低消費電力モードの場合には、一時的に通常モードに移り、各種車載センサ出力の入力や所定の処理等を行った後に、再び低消費電力モードに戻る間欠動作を行うことが好ましい。
図4Aおよび図4Bは本発明の実施形態に係る電子制御ユニット1においてエンジン始動時にマイコン20が行う動作フローの説明図である。図4Aは電子制御ユニット1への電源投入をトリガーに実行されるメインの処理フローを示し、図4Bはマイコン20に割り込みを許可する設定(以下では「割り込み設定」と称することがある)がされているときに所定の割り込み(ここではクランク角センサ90の出力に基づくハード的な割り込み要求(IRQ))をトリガーに実行される割り込み処理フローを示している。なお、以下の説明で参照するスタータモータ70およびスタートスイッチ60を含むエンジン始動のための構成の詳細については図10を用いて後述する。
先ず、図4Aのメインの処理フローについて説明する。電子制御ユニット1に電源が入れられると図4Aの処理フローが開始され、リセット回路130からリセット信号がマイコン20に発行され、当該リセット信号によりマイコン20が初期化され通常モードで立ち上がる(処理S1)。
処理S2では、スタートスイッチ60(図10参照)がオン状態か否かを判断し、スタートスイッチ60がオン状態にあると検出したら処理S3に進む。処理S2でスタートスイッチ60がオフ状態にあると検出したら再度処理S2を実行する。つまり、この場合、スタートスイッチ60がオン状態になるまで次の処理の実行は中断される。
スタートスイッチ60がオン状態になるとスタータモータ70が回転を開始し、これによりエンジン始動時のバッテリ30の電圧が急峻に低下する。処理S3ではマイコン20は端子A/Dを介してエンジン始動時のバッテリ30の電圧を読み込む。
処理S4では、マイコン20は、バッテリ電圧が設定値Vm未満まで低下したか否かを判定し、バッテリ電圧が設定値Vm未満まで低下したと判断したら処理S5に進む。一方、処理S4でバッテリ電圧が設定値Vm以上であると判断したら、処理S2に戻る。
処理S5でマイコン20は割り込み設定を行い、処理S6で「sleep命令」を発行してプログラム実行状態(通常モード)から低消費電力モード(スリープモード)に遷移する。なお、マイコン20のCPUは「sleep命令」の実行後に停止するが、CPUのレジスタ内容は保持される。
次に、図4Bの割込み処理フローについて説明する。以下の説明では、クランク角センサ90(図10参照)からマイコン20に対する入力(割り込み要求)が図4Bの処理開始のトリガーであるものとして説明する。
マイコン20は、割り込み設定中に割り込み要求が入力されたら、当該割り込み要求がクランク角センサ90からの入力であるか否かを確認し、当該割り込み要求がクランク角センサ90からの入力(センサデータ)であることが確認できたら、動作モードを通常モードに戻して図4Bの処理を開始し、当該センサデータを読み込む(処理S11)。
処理S12では、マイコン20は、バッテリ電圧や水温センサ等のセンサデータが更新されているか否かを判定して、更新されていると判定したら処理S13に進み、更新されていないと判定したら処理14に進む。なお、処理S12におけるセンサデータの更新の有無は、例えば、電子制御ユニット1のメモリ内に格納された各センサデータを参照することで確認できる。
処理S13では処理S12で更新されたと判定されたセンサデータ(例えば、バッテリ電圧や水温センサデータ)を読み込む。処理S14では、処理S11および処理S13で読み込んだクランク角センサや他のセンサ(例えば、水温センサなど)のデータを元にして、エンジン始動に必要な気筒判別処理やその他の所定の処理を行う。
処理S15では、マイコン20は、端子A/Dからの入力に基づいてバッテリ電圧が設定値Vm以上に回復したか否かを判断し、回復したと判断したら処理S18に進み、割込み設定を解除し(処理S18)、動作モードを通常モードに戻す(処理S19)。
一方、処理S15でマイコン電圧が回復したと判断されなかった場合には、処理S11と同様に割込み設定を行い(処理S16)、処理S17で「sleep命令」を発行して、低消費電力モード(スリープモード)を継続する。
なお、上記の説明では、間欠動作を行うトリガーとしてクランク角センサからの入力を利用したが、これは一例に過ぎず、他の割り込みをトリガーとしても良い。また、上記で説明した処理S11,S13で読み込むセンサデータの種類やS14で行う所定の処理は一例に過ぎず、エンジン始動を含む車両稼働に必要なデータ及び処理であって、通常モードへの一時的な復帰時に取得または実行可能なものであれば上記のものに限られない。さらに、上記では、バッテリ電圧が設定値Vm未満に低下したか否か(処理S4)、設定値Vm以上に回復したか否か(処理S15)の判断主体はマイコン20であったが、当該判断主体をマイコン20以外の他の部分とし、その判断に基づいてマイコン20の動作モードを切り替えても良い。
図5は、図4A及び図4Bの処理フローの結果、電子制御ユニット1によって行われる間欠動作のタイミング図である。以下、動作を説明する。
図5の第1行に示すようにスタートスイッチ(図5中のSTARTスイッチ)60がオンになるとスタータモータ70が回転を開始し、これによりバッテリ電圧の低下(設定値Vm(5V)未満)が検出される(図5の第2行参照)。
バッテリ電圧が設定値Vm(5V)未満に低下すると、図5の第5行に示すようにマイコン20は通常モードから低消費電力モード(スリープモード)に遷移する(タイミングt1)。
低消費電力モードへの遷移後(タイミングt1以後)にスタータモータ70が回転すると、所定の間隔(例えば、5ミリ秒間隔)でクランク角センサ90からセンサ信号がマイコン20に出力され(図5の第4行の(1)〜(n+2)参照)、これがマイコン20で割込み要求として受け付けられ、マイコン20はその都度一時的に通常モードに復帰する。
その一方で、クランク角センサ90以外のバッテリ電圧や水温センサ等のセンサデータも所定の間隔(例えば、10ミリ秒間隔)で更新されている(図5の第3行の(d1)〜(dm+1)参照)。
マイコン20は、一時的に通常モードに復帰した際に、クランク角センサのデータを読み込むとともに、他のセンサデータ(バッテリ電圧データや水温センサデータ)が更新されている場合にのみ当該更新されたセンサデータを読み込み、読み込んだセンサデータを元に予め定められた所定の処理を実行した後で、再び低消費電力モードに遷移する。
そして、タイミングt2でバッテリ電圧が設定値Vm(5V)を超えたら、マイコン20は低消費電力モードから通常モードに復帰する。
図5から見てとれるように、間欠動作時は、消費電流の大きな通常モードと消費電流の小さな低消費電力モードを繰り返すために、歯抜けの矩形状の電流波形となるのが特徴的である。
以上、上記の一連の動作フローによれば、マイコン20は、バッテリ電圧低下時にあっては低消費電力モードに遷移することで電源回路10の負荷を軽減し、さらに間欠動作をすることでセンシングと低消費電力動作を可能としている。
次に、間欠動作による消費電流削減の効果の一例を示す(なお、マイコン20のDC特性およびAC特性の一例については、後述の図9の説明を参照のこと)。例えば、各動作モードの電流、動作時間および動作周期を下記条件A〜Eのように仮定する。
A:通常モード電流=60mA
B:低消費電力モード電流=44mA
C:通常モード動作時間=0.5ms
D:低消費電力モード動作時間=4.5ms
E:動作周期=5ms
この仮定の下、「間欠動作なし」の場合の動作電流は次式のように通常モード電流に一致するので、60mAとなる。一方、「間欠動作あり」の場合は、平均電流を次式のように設定すると、45.6mAとなる。
A:通常モード電流=60mA
B:低消費電力モード電流=44mA
C:通常モード動作時間=0.5ms
D:低消費電力モード動作時間=4.5ms
E:動作周期=5ms
この仮定の下、「間欠動作なし」の場合の動作電流は次式のように通常モード電流に一致するので、60mAとなる。一方、「間欠動作あり」の場合は、平均電流を次式のように設定すると、45.6mAとなる。
したがって、この2つの結果からも明らかなように、低消費電力モード中に一時的に通常モードに戻る間欠動作を行うと、低消費電力モード中のセンシング及びエンジン制御に必要な各種演算処理だけでなく、消費電流の更なる削減も可能となる。
以下、一連の説明をした本実施の形態を比較例と比較する。図6に電源回路に降圧DCDC回路210を備えた比較例の電子制御ユニット201の構成を、図7に図6に示した電子制御ユニット201における降圧DCDC回路210の構成を、図8に図6に示した電子制御ユニット201における電源回路の出力波形を示している。
図6と図1を比較することから分かるように、図6に示した電子制御ユニット201が本実施の形態と異なるのは、降圧DCDC回路210とマイコン220である(それ以外の構成要素の詳細な説明は省略する)。マイコン220は、図1に示したマイコン20のような通常モードから低消費電力モードへの遷移機能および低消費電力モードにおける間欠動作機能を備えていない。
図7は降圧DCDC回路210を示しており、降圧DCDC回路210は、MOSFET211と、ダイオード212と、インダクタ213と、コンデンサ214を備えている(この回路はよく知られた典型的なトポロジーなので詳細な説明は省略する)。MOSFET211をPWM制御することにより、Vi端子から入力された電圧より低い電圧をVo端子から出力することが可能な回路である。Vo端子の電圧をモニタしてMOSFET211のDutyを可変制御することによって出力電圧を目的の電圧(6V)に保つことが可能となる。降圧DCDC回路210は、昇圧機能は備えていないので、入力電圧を超えた電圧を出力することはできない。また、入力電圧が目的の電圧(6V)より低下した場合、出力電圧も同時に低下する。
図8に、始動プロフィール試験波形の場合での図6の電子制御ユニット201の降圧DCDC回路210およびレギュレータ120の出力電圧を示している。試験電圧301(図中、細線)がUB(12V)の時は、降圧DCDC回路出力電圧302(図中、太線)は6V(目的電圧)で、レギュレータ303(図中、太い点線)の出力電圧は5Vである。試験電圧301が降圧DCDC回路210の目的電圧(6V)を下回ると、降圧DCDC回路210の出力も同時低下し、降圧DCDC回路210の出力が5Vを下回るとマイコン220の電源電圧も同じ期間(図8のタイミングt1〜t2の間)に低下する。その後、試験電圧301が5V以上に回復するとレギュレータ120の出力電圧303は5Vに回復する。以上のように、降圧DCDC回路210を備える電子制御ユニット201では、試験電圧301が5V以下となるタイミングt1からt2の間でマイコン220の電源電圧も5V以下になってしまうのである。
このように、図6に示した比較例に係る電子制御ユニット201は、降圧DCDC回路210を備えた構成であり、エンジン始動時に発生するバッテリ30の電圧の急峻な低下によって、マイコン220の電源電圧が確保できないという課題があった。
これに対して、上述した本実施の形態によれば、昇降圧DCDC回路110を備えた構成にすることでマイコン20の電源電圧を安定確保できるようになる。また、バッテリ電圧低下時にマイコン20を低消費電力モードに遷移させることで、昇降圧DCDC回路110の負荷を軽減することが可能となるためコンデンサ容量を削減することができ、電子制御ユニット1を小型化できる。
これより以下では、上記で参照された内容について説明する。まず、図9を用いてマイコンの低消費電力モードについて説明する。本実施の形態に係る電子制御ユニットへの適用が可能な低消費電力モードを有するマイコンの一例としては、「ルネサス32ビット RISCマイクロコンピュータ SH72531 ユーザーズマニュアル ハードウェア編」(以下、参考文献と称する)に記載のものがある。ここでは、当該参考文献に記載のマイコンを例に挙げて低消費電力モードを説明する。
図9Aは参考文献におけるマイコンのDC特性の一例を示した説明図であり、図9Bは参考文献におけるマイコンのAC特性の一例を示した説明図である。図9Aによれば、マイコンの通常動作時(通常モード時)の電流は、クロック周波数が120MHzの時に60mA(Typ値)である。低消費電力モードは、クロック周波数が通常動作時と同じでソフトウェア命令(マイコンのCPUからのSleep命令)で遷移するスリープモードと、クロック供給を停止しハード信号で遷移するスタンバイモードの2つのモードがある。スリープモードではCPU以外の内蔵周辺モジュールは動作するが、スタンバイモードではCPUだけでなく内蔵周辺モジュールも停止する。
スリープモード時の電流は44mA(Typ値)で、スタンバイモード時の電流は0.3mA(Max値)である。スリープモードは、スタンバイモードと比較して消費電流がやや大きいものの、通常動作時とクロック周波数が同じなので復帰時間が数μsと小さく、スタンバイモードは、スリープモードと比較して消費電流が小さいものの、クロックを停止しているので復帰に10msの時間が必要である(図9B)。
図9A及び図9Bに示した特性を有するマイコンを利用して、本実施の形態のように5ms間隔(図4参照)で低消費電力モードから通常モードに復帰する間欠動作を行う場合には、復帰時間が5msを超えるスタンバイモードではなく、復帰時間が5ms未満のスリープモードを低消費電力モードとして利用することが好ましい。そこで、本実施の形態では、低消費電力モードとして、スリープモードを利用している。ただし、これは本発明に利用する低消費電力モードを図9のスリープモードに限定するものではなく、間欠動作における通常モードへの復帰間隔よりも短い復帰時間の低消費電力モードであれば本発明に適用可能である。また、本発明に適用可能なマイコンの個体を限定するものではない。
図10にエンジン始動のために車両に搭載された構成要素を示す。バッテリ30の正極には、ラインL11を介してイグニッションスイッチ40の一端とリレー50における一方の接点が接続される。イグニッションスイッチ40の他端は、ラインL12を介して、電子制御ユニット1の電源回路10と、リレー50のコイル端子の一端に接続される。リレー50のコイル端子の他端は、ラインL13を介してスタートスイッチ60の一端に接続される。リレー50における他方の接点はラインL14を介してスタータモータ70に接続される。バッテリ30の負極には、ラインL15を介して、モータ70、スタートスイッチ60の他端および電子制御ユニット1(電源部10及びマイコン20)が接続される。
次に動作を説明する。イグニッションスイッチ40がオン状態にある時にスタートスイッチ60がオン状態になると、リレー50のコイルが励起されて、リレー50の接点が接触して閉回路になるために、スタータモータ70が回転を始める。これと同時に、スタータモータ70のピニオンギア71がエンジン(図示せず)のクランク軸80に取り付けられたリングギア81と噛み合うことで、エンジンが回転を始める。
リングギア81の回転はクランク角センサ90により検知され、他の情報(例えば水温センサなど)と合せてマイコン20で処理することによって回転数検知や気筒判別を行い、燃料噴射や点火タイミングを判断する。
クランク角センサ90からの信号は、例えば、リングギアが6°毎に出力し、スタータモータ70が200rpmで回転した場合、1秒あたりのパルス数は200であり(パルス数=(200rpm/60s)×(360°/6°)=200パルス)、間隔は5ms(1/200=5ms)となる。
次に図11を用いてISO16750−2「始動プロフィール」に記載の耐性試験の規格について説明する。図11AはISO16750−2に記載の試験電圧(上記実施の形態の説明における試験電圧301に相当)の時間変化(電圧波形)を示す説明図で、図11BはISO16750−2に記載の試験電圧と時間の関係を示す説明図である。図11BにおけるUs,Ua,fはそれぞれ図11Aに示した2箇所の電圧および周期に対応している。
以下、図11Aに示した試験電圧300について、図11Bの試験項目(III)の場合で説明する。
(1)試験電圧300は、先ず12V(UB)の定常状態から始まるが、その後時間tf(5ms)の間に3V(Us)まで急低下し、時間t6(15ms)の間3Vを保持して、時間t7(50ms)の経過後に6Vまで回復する。ここまでの電圧変化はスタータモータの始動時のラッシュ電流によるバッテリの電圧降下に相当する。
(2)続いて、試験電圧300は、時間t8(1s)の間は周期2Hz、振幅2Vで揺らぐ。これはエンジンが回転するクランキング動作に相当する。
(3)その後、試験電圧300は、時間tr(100ms)の経過後に12Vの定常状態に回復する。これはエンジンが始動してオルタネータが発電を始めたことによって、スタータモータの負荷が軽くなったことに相当する。
上記の本実施の形態の説明ではマイコン20は動作電圧が5Vの場合を例にしているが、図11Bの試験項目(III)での期間t6におけるバッテリ電圧は当該動作電圧未満の3Vであるために、その期間t6での電圧低下への耐性が必須となる。
ところで、車速低下が検知された場合にエンジンを自動的に停止するアイドルストップ機構を備える車両では、エンジン停止後のドライバーの発進操作(例えば、ドライバーがブレーキペダルから足を離したり、ハンドル操作したりする操作)を検知してエンジンを再始動するが、当該エンジン再始動には通常のエンジン始動時と同様にスタータモータを利用するため、上記と同様にバッテリ電圧の急峻な低下が発生する。そのため、本発明は、通常のエンジン始動時だけでなく、アイドルストップ後のエンジン再始動時にも適用可能である。そこで、本稿における「エンジン始動時」には、通常のものだけでなく、アイドルストップからのエンジン再始動時も含むものとする。ここで電子制御ユニット1においてアイドルストップからのエンジン再始動時(復帰時)にマイコン20が行う動作フローについて説明する。
図12は、電子制御ユニット1においてアイドルストップからのエンジン再始動時(復帰時)にマイコン20が行う動作フローのうち、当該エンジン再始動時に出力されるスタート信号(後述)をトリガーにマイコン20で実行されるメインの処理フローを示す。つまり、図12は既に説明した図4Aに対応し、処理S21を除く他の処理は図4Aと同じであり説明は省略する。また、マイコン20に割り込み設定がされているときに実行される割り込み処理フローは図4Bと同じなので説明は省略する。
車速低下が検知されアイドルストップ(エンジン停止)が実行されたら、マイコン20は図12に示す処理フローを開始し、スタート信号がオン状態か否か(スタート信号が出力されたか否か)を判断する(処理S21)。スタート信号とは、アイドルストップ状態にある車両においてドライバーの発進操作(例えば、ドライバーがブレーキペダルから足を離したり、ハンドル操作したりする操作)が検知された際に出力される信号であり、スタータモータ70の回転開始(つまりエンジン再始動)のトリガーとなる信号である。
マイコン20が処理S21でスタート信号がオン状態にあると検出したら処理S3に進む。スタート信号がオン状態になるとスタータモータ70が回転を開始し、これによりバッテリ30の電圧が急峻に低下する。処理S3でマイコン20は端子A/Dを介してエンジン始動時のバッテリ30の電圧を読み込む。処理S4でバッテリ電圧の低下を検知したときには、マイコン20は割り込み設定をしてSleep命令を発行してスリープモードに遷移する(処理S5,S6)。
このように本発明はアイドルストップからのエンジン再始動時にも適用することが可能である。
1,201…電子制御ユニット(ECU)、3…コンデンサ、10,11…電源回路(PS)、20,220…マイコン(MPU)、30…バッテリ、40…IGNスイッチ、50…リレー、60…スタートスイッチ、70…スタータモータ、71…ピニオンギア、80…クランク軸、81…リングギア、90…クランク角センサ、110…昇降圧DCDC回路、111,112,115,116…スイッチング素子、113…インダクタ、117…コンデンサ、120…レギュレータ、130…リセット回路、140…制御部、150…電圧検出部、210…降圧DCDC回路、211…MOSFET、212…ダイオード、213…インダクタ、214…コンデンサ、L1〜L7,L11〜L16…接続ライン、300,301,311…試験電圧、302,312…DCDC回路出力電圧、303,313…レギュレータ出力電圧
Claims (7)
- マイコン部と、
昇降圧DCDC回路を有し、前記マイコン部の電源電圧を外部電源を元に生成する電源部とを備え、
前記マイコン部は、エンジン始動時に前記外部電源の電圧が低下したと判断された時には、前記マイコンの動作モードを通常動作モードから当該通常動作モードよりも消費電力の低い低消費電力モードに遷移することを特徴とする電子制御ユニット。 - 請求項1記載の電子制御ユニットにあって、
前記マイコン部は、前記外部電源の電圧が低下したと判断された後に前記外部電源の電圧が回復したと判断された時には、前記マイコン部の動作モードを前記低消費電力モードから前記通常動作モードに復帰させることを特徴とする電子制御ユニット。 - 請求項1記載の電子制御ユニットにあって、
前記マイコン部は、前記低消費電力モード中に一時的に前記通常モードに移り、各種センサ出力の入力や所定の処理を行った後に、再び前記低消費電力モードにもどる間欠動作を行うことを特徴とする電子制御ユニット。 - 請求項1又は2記載の電子制御ユニットにあって、
前記外部電源の電圧が低下又は回復したと判断される電圧値は、前記マイコン部の動作電圧値であることを特徴とする電子制御ユニット。 - 請求項1記載の電子制御ユニットにあって、
前記電源部は、前記外部電源の電圧を検出する電圧検出部をさらに備え、
前記電源部は、前記電圧検出部の出力に基づいて前記外部電源の電圧が低下したと判断した時には、前記昇降圧DCDC回路を降圧動作から昇圧動作に切り替えることを特徴とする電子制御ユニット。 - 請求項5記載の電子制御ユニットにあって、
前記電源部は、前記外部電源の電圧が低下したと判断した後に前記電圧検出部の出力に基づいて前記外部電源の電圧が回復したと判断した時には、前記昇降圧DCDC回路を昇圧動作から降圧動作に切り替えることを特徴とする電子制御ユニット。 - 請求項5又は6記載の電子制御ユニットにあって、
前記電源部が前記外部電源の電圧が低下又は回復したと判断する電圧値は、前記昇降圧DCDC回路の出力電圧値以上で、且つ、前記外部電源の通常動作時電圧以下の範囲であることを特徴とする電子制御ユニット。
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