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JP2015214510A - 農園芸用薬剤、植物病害防除方法および植物病害防除用製品 - Google Patents

農園芸用薬剤、植物病害防除方法および植物病害防除用製品 Download PDF

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JP2015214510A
JP2015214510A JP2014098067A JP2014098067A JP2015214510A JP 2015214510 A JP2015214510 A JP 2015214510A JP 2014098067 A JP2014098067 A JP 2014098067A JP 2014098067 A JP2014098067 A JP 2014098067A JP 2015214510 A JP2015214510 A JP 2015214510A
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horticultural
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秀明 竪石
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Abstract

【課題】有効成分の含量を低減できる植物病害防除剤を提供する。
【解決手段】本発明に係る農園芸用薬剤は、有効成分を複数含む農園芸用薬剤であって、該有効成分の1つとして、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体を含み、他の該有効成分として、メトラフェノン、シプロジニル、メパニピリムおよびピリメタニルからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【化1】
Figure 2015214510

(式中、Xは、塩素原子またはフッ素原子を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、農園芸用薬剤、植物病害防除方法および植物病害防除用製品に関する。より詳細には、有効成分として少なくとも1種類のアゾール系化合物を含有する農園芸用薬剤、およびこれを用いた植物病害防除方法、ならびに当該アゾール系化合物を含む植物病害防除用製品に関する。
ある種の2−置換−5−ベンジル−1−アゾリルメチルシクロペンタノール誘導体には、殺菌活性を示すものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平01−93574号公報(1989年4月12日公開) 特開平01−186871号公報(1989年7月26日公開) 国際公開WO2012/169516号公報(2012年12月13日公開)
従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用薬剤が求められている。
また、農園芸用薬剤による病害防除では、標的外生物への影響や環境への影響、薬剤抵抗性菌の出現などが問題となっている。標的外生物への毒性や環境への負荷を軽減すると共に、薬剤抵抗性の出現を抑制するために、低薬量で高い防除効果を発揮し得る農園芸用薬剤が希求されている。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた防除効果を示し、従来の薬剤に比して同程度の効果を得るために必要とされる散布量を低減した農園芸用薬剤を提供することにある。
本発明に係る農園芸用薬剤は、上記課題を解決するために、有効成分を複数含む農園芸用薬剤であって、該有効成分の1つとして、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体を含み、他の該有効成分として、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む構成である。
Figure 2015214510
上記一般式(I)中、Xは、塩素原子またはフッ素原子を表す。
また、本発明に係る農園芸用薬剤は、殺菌剤として用いられることが好ましい。
本発明に係る植物病害防除用製品は、上記課題を解決するために、複数の有効成分を混合して使用するための組み合わせ調製物として、上記一般式(I)で示されるアゾール誘導体と、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物とを別々に含む構成である。
本発明に係る植物病害防除方法は、上記課題を解決するために、上述の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う工程を含む構成である。
本発明に係る農園芸用薬剤は、有効成分として複数の化合物を含むことにより協力的効果を奏し、高い防除効果を発揮することができる。
本発明に係る農園芸用薬剤、植物病害防除用製品および植物病害防除方法の一実施形態について説明する。
〔農園芸用薬剤〕
本発明に係る農園芸用薬剤は、いわゆる混合剤であり、複数の有効成分を含有している。有効成分の1つは、下記にて一般式(I)で示されるアゾール誘導体である。すなわち、本発明に係る農園芸用薬剤は、一般式(I)で示されるアゾール誘導体に加えて、少なくとも1つの化合物を有効成分として含んでいる。本発明に係る農園芸用薬剤は、有効成分の1つとして、一般式(I)で示されるアゾール誘導体の他に、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含んでいる。
(1)有効成分
(1−1)アゾール誘導体
本発明に係る農園芸用薬剤は、有効成分の1つとして下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体(以下、「アゾール誘導体(I)」と称する)を含有している。
Figure 2015214510
一般式(I)中、Xは、塩素原子またはフッ素原子を表している。
アゾール誘導体(I)は、植物病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を示す。また、アゾール誘導体(I)を有効成分として含む薬剤は、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示すことができる。
アゾール誘導体(I)の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の製造方法により製造することができる。
(1−2)シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノン
本発明に係る農園芸用薬剤は、有効成分の1つとして、アゾール誘導体(I)の他に、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物(以下、「第2の有効成分」と称する場合がある)を含有している。
各化合物の構造は以下のとおりである(A:シプロジニル、B:メパニピリム、C:ピリメタニル、D:メトラフェノン)。
Figure 2015214510
本発明に係る農園芸用薬剤は、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンのうちのいずれか1つのみを第2の有効成分として含んでいてもよいし、これらのうちのいずれか2つ以上を第2の有効成分として含んでいてもよい。シプロジニルおよびアゾール誘導体(I)を有効成分として含む農園芸用薬剤では、シプロジニルを単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な薬剤の散布量を低減することができる。メパニピリムおよびアゾール誘導体(I)を有効成分として含む農園芸用薬剤では、メパニピリムを単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な薬剤の散布量を低減することができる。ピリメタニルおよびアゾール誘導体(I)を有効成分として含む農園芸用薬剤では、ピリメタニルを単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な薬剤の散布量を低減することができる。メトラフェノンおよびアゾール誘導体(I)を有効成分として含む農園芸用薬剤では、メトラフェノンを単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な薬剤の散布量を低減することができる。また、いずれか2つ以上の化合物およびアゾール誘導体(I)を有効成分として含む農園芸用薬剤では、いずれか2つ以上の化合物のみで用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な薬剤の散布量を低減することができる。
シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンは、市販の製剤から得るか、公知の製造方法を用いて製造することができる。
(2)製剤
本発明に係る農園芸用薬剤の一実施形態において、アゾール誘導体(I)と、第2の有効成分(複数の化合物である場合にはそれらの合算)との混合比は、重量比で好ましくは1000:1〜1:1000、より好ましくは750:1〜1:750、さらに好ましくは500:1〜1:500である。なお、第2の有効成分として、複数の化合物を含む場合、該複数の化合物の混合比は、薬剤の使用用途に応じて適宜設定すればよい。
農園芸用薬剤は、上述の有効成分の他に、固体担体、液体担体(希釈剤)、界面活性剤、またはその他の製剤補助剤を含み得る。よって、農園芸用薬剤の剤型としては、粉剤、水和剤、粒剤および乳剤などの種々の形態をとることができる。
農園芸用薬剤中、アゾール誘導体(I)と、第2の有効成分との合算は、農園芸用薬剤全量に対して0.1〜95重量%含まれていることが好ましく、0.5〜90重量%含まれていることがより好ましく、2〜80重量%含まれていることがさらに好ましい。
製剤補助剤として使用する固体坦体、液体担体および界面活性剤を例示すれば、まず、固体坦体としては、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボンおよびクレーなどを挙げることができる。液体担体としては、水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびアルコールなどを挙げることができる。界面活性剤は、その効果により使い分ければよい。例えば、乳化剤の場合には、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルおよびポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどを用いればよく、分散剤の場合には、リグニンスルホン酸塩およびジブチルナフタリンスルホン酸塩などを用いればよく、湿潤剤の場合には、アルキルスルホン酸塩およびアルキルフェニルスルホン酸塩などを用いればよい。
農園芸用薬剤は、そのまま使用してもよいし、水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用してもよい。希釈して使用する場合、有効成分の合算の濃度は、希釈後の薬剤全量に対して0.001〜10%の範囲とすることが望ましい。
本発明に係る農園芸用薬剤は、植物病害に対する防除効果において相乗作用を発揮するため、アゾール誘導体(I)または第2の有効成分を単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な化合物の使用量を低減することができる。そのため、標的外生物への毒性および環境への負荷を軽減することができる。また、それぞれの化合物の使用量を低減できることから、薬剤抵抗性の出現を抑制できることが期待される。さらに、本発明に係る農園芸用薬剤は、植物病害防除効果の有効成分として分子構造が大きく異なる2つの成分が含まれているため、幅広い病害防除スペクトルを有している。
農園芸用薬剤は、有効成分のそれぞれを別々に製剤化し、それらを混合することにより製剤形態の農園芸用薬剤として調製することもできる。したがって、植物病害防除において混合して使用するための組み合わせ調製物として、アゾール誘導体(I)と第2の有効成分とを別々に含む、植物病害防除用製品もまた本発明の範疇に含まれる。第2の有効成分として2以上の化合物を含む場合には、当該2以上の化合物も別々となっていてもよい。
(3)植物病害防除効果
本発明に係る農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対して防除効果を呈する。そのため、本発明に係る農園芸用薬剤は、殺菌剤として好適に使用することができる。適用病害の例として以下が挙げられる。なお、各病害の後ろの括弧内は、当該病害を引き起こす主な病原菌を示している。
ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、ダイズの褐紋病(Septoria glycines)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、イネいもち病(Pyricularia oryzae)、イネごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、イネ白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、イネ小黒菌核病(Helminthosporium sigmoideun)、イネばか苗病(Gibberella fujikuroi)、イネ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、オオムギうどんこ病(Erysiphe graminis f. sp hordei)、オオムギ黒さび病(Puccinia graminis)、オオムギ黄さび病(Puccinia striiformis)、オオムギ斑葉病(Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病(Rhynchosporium secalis)、オオムギ裸黒穂病(Ustilago nuda)、オオムギ網斑病(Pyrenophora teres)、オオムギ赤かび病(Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis f. sp tritici)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、コムギ黄さび病(Puccinia striiformis)、コムギ眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ赤かび病(Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギふ枯病(Phaeosphaeria nodorum)、コムギ葉枯病(Septoria tritici)、コムギ紅色雪腐病(Microdochium nivale)、コムギ立枯れ病(Gaeumannomyces graminis)、コムギ黒点病(Epicoccum spp)、コムギ黄斑病(Pyrenophora tritici-repentis)、トウモロコシ黒穂病(Ustilago maydis)、トウモロコシ炭疽病(Colletotrichum graminicola)、トウモロコシ褐斑病(Kabatiella zeae)、トウモロコシ灰色斑点病(Cercospora zeae‐maydis)、トウモロコシすす紋病(Setosphaeria turcica)、トウモロコシ北方斑点病(Cochliobolus carbonum)、トウモロコシ斑点病(Physoderma maydis)、トウモロコシさび病(Puccinia spp)、トウモロコシごま葉枯病(Bipolaris maydis)、トウモロコシ黄色ごま葉枯病(Phyllosticta maydis)、トウモロコシ赤かび病(Gibberella zeae)、サトウキビさび病(Puccinia spp)、ウリ類うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、炭疸病(Colletotrichum lagenarium,Glomerella cingulata)、キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、キュウリ灰色疫病(Phytophthora capsici)、キュウリのつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.cucumerinum)、スイカのつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.niveum)、リンゴうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、リンゴモリニア病(Monilinia mali)、リンゴ斑点落葉病(Alternaria alternata)、リンゴ腐乱病(Valsa mali)、ナシ黒斑病(Alternaria kikuchiana)、ナシうどんこ病(Phyllactinia pyri)、ナシ赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、ナシ黒星病(Venturia nashicola)、イチゴうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、核果類果樹の灰星病(Monilinia fructicola)、カンキツ青かび(Penicillium italicum)、ブドウうどんこ病(Uncinula necator)、ブドウべと病(Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病(Glomerella cingulata)、ブドウのさび病(Phakopsora ampelopsidis)、トマトうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、トマト輪紋病(Alternaria solani)、ナスうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、ジャカイモの夏疫病(Alternaria solani)、タバコうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、タバコの赤星病(Alternaria longipes)、テンサイ褐斑病(Cercospora beticola)、ダイコンの萎黄病(Fusarium oxysporum f.sp.raphani)、種々の作物をおかす灰色かび病(Botrytis cinerea)および菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)等。
また、適用植物の例としては、野生植物、植物栽培品種、異種交配もしくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られる植物および植物栽培品種、遺伝子操作によって得られる遺伝子組み換え植物および植物栽培品種を挙げることができる。遺伝子組み換え植物および植物栽培品種としては、例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、収量向上作物、保存性向上作物、および収量向上作物等を挙げることができる。遺伝子組み換え植物栽培品種としては、具体的に、ROUNDUP READY、LIBERTY LINK、CLEARFIELD、YIELDGARD、HERCULEX、およびBOLLGARD等の登録商標を含むものを挙げることができる。
また、本発明に係る農園芸用薬剤の一実施形態では、広汎な作物や園芸植物に対して、その成長を調節して収量を増加させる効果やその品質を高める効果を示す。かかる作物の例としては、コムギ、大麦および燕麦などの麦類、稲、ナタネ、サトウキビ、トウモロコシ、メイズ、大豆、エンドウ、落花生、およびシュガービートなどの食用作物、キュウリ、キャベツ、ニンニク、ダイコン、およびニンジンなどの野菜類、リンゴ、ナシ、みかん、オレンジ、モモ、桜桃、アボガド、マンゴー、パパイヤ、およびレモンなどの果樹類、およびトウガラシ、メロン、イチゴ、タバコ、トマト、ナス、芝、菊、ツツジ、ならびにその他の観賞用植物が挙げられる。
さらに、アゾール誘導体(I)は工業材料を侵す広汎な有害微生物から材料を保護する優れた効果を示し、工業用材料保護剤の有効成分としても用いられ得る。そのため、本発明に係る農園芸用薬剤の一実施形態では、工業用材料保護剤としても使用し得る。
(4)他の有効成分
本発明に係る農園芸用薬剤は、上述した有効成分以外にも既知の他の有効成分(殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤および植物生長調節剤に含まれる有効成分)と組み合わせ、農園芸用薬剤としての性能を高めて使用することもできる。
〔植物病害防除方法〕
本発明に係る農園芸用薬剤は、茎葉散布といった茎葉処理に加えて、種子処理、潅注処理、および水面処理などの非茎葉処理によっても施用できる。したがって、本発明に係る植物病害防除方法は、上述の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う手順を含む方法である。なお、非茎葉処理を行う場合には、茎葉処理を行う場合に比べて、労力を低減させることができる。
種子処理による施用では、水和剤および粉剤などを種子と混合し攪拌することにより、あるいは希釈した水和剤などに種子を浸漬することにより、薬剤を種子に付着させる。種子処理の場合の有効成分の合算の使用量は、種子100kgに対して例えば0.01〜10000gであり、好ましくは0.1〜1000gである。農園芸用薬剤で処理した種子については、通常の種子と同様に利用すればよい。
潅注処理による施用は、苗の移植時などに植穴またはその周辺に粒剤などを処理したり、種子または植物体の周囲の土壌に粒剤および水和剤などを処理したりすることによって行う。潅注処理の場合の有効成分の合算の使用量は、農園芸地1mあたり例えば0.01〜10000gであり、好ましくは0.1〜1000gである。
水面処理による施用は、水田の田面水に粒剤などを処理することによって行う。水面処理の場合の有効成分の合算の使用量は、水田10aあたり例えば0.1〜10000gであり、好ましくは1〜1000gである。
茎葉散布に用いる場合の有効成分の合算の使用量は、畑、田、果樹園および温室などの農園芸地1haあたり例えば20〜5000g、より好ましくは50〜2000gである。
なお、使用濃度および使用量は剤形、使用時期、使用方法、使用場所および対象作物等によっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
下記式(Ia)で示されるアゾール誘導体(以下、「アゾール誘導体(Ia)」と称する)と他の化合物とを用いて、各種試験を行った。
Figure 2015214510
<試験例1:アゾール誘導体(Ia)およびシプロジニルを用いたコムギうどんこ病に対する防除効果試験>
本試験例では、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis f. sp tritici)に対する、アゾール誘導体(Ia)とシプロジニルとの混合剤の防除効果を試験した。
角型プラスチックポット(6cm×6cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ幼苗(品種:農林61号、1処理区3ポット)に、アゾール誘導体(Ia)のみ含む薬液、シプロジニルのみ含む薬液、またはアゾール誘導体(Ia)とシプロジニルとを含む薬液を、水で所定濃度に希釈懸濁し、1,000L/haの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギうどんこ病に罹病したコムギ葉から、コムギうどんこ病菌をふりかけ接種した。また、対照区として、薬液を散布せずに、コムギうどんこ病菌をふりかけ接種した区を設けた。接種後、11日目にコムギうどんこ病の罹病度を表1に示す調査基準により調査して、防除価を下記式により算出した。
防除価(%)=(1−(散布区の平均罹病度/無散布区の平均罹病度))×100
Figure 2015214510
次いで、コルビーの式(下記式)
混合散布時の防除価(理論値)=α+((100−α)×β)/100
を用いた方法により、2種の化合物の協力効果の判定を行った。なお、上記式中、αおよびβは、それぞれの化合物の単独散布時の防除価を示している。
結果を表2に示す。表2に示すとおり、アゾール誘導体(Ia)とシプロジニルとを混合散布した際の防除価は、それぞれを単独散布した場合の防除価から算出される理論値よりも大きく、アゾール誘導体(Ia)およびシプロジニルとが相乗的な効果を示すことが明らかとなった。
Figure 2015214510
<試験例2:アゾール誘導体(Ia)およびメパニピリムを用いたコムギうどんこ病に対する防除効果試験>
本試験例では、コムギうどんこ病菌に対する、アゾール誘導体(Ia)とメパニピリムとの混合剤の防除効果を試験した。
シプロジニルの代わりにメパニピリムを用いた以外は、試験例1と同様に試験および判定を行った。
結果を表3に示す。表3に示すとおり、アゾール誘導体(Ia)とメパニピリムとを混合散布した際の防除価は、それぞれを単独散布した場合の防除価から算出される理論値よりも大きく、アゾール誘導体(Ia)およびメパニピリムとが相乗的な効果を示すことが明らかとなった。
Figure 2015214510
<試験例3:アゾール誘導体(Ia)およびピリメタニルを用いたコムギうどんこ病に対する防除効果試験>
本試験例では、コムギうどんこ病菌に対する、アゾール誘導体(Ia)とピリメタニルとの混合剤の防除効果を試験した。
シプロジニルの代わりにピリメタニルを用いた以外は、試験例1と同様に試験および判定を行った。
結果を表4に示す。表4に示すとおり、アゾール誘導体(Ia)とピリメタニルとを混合散布した際の防除価は、それぞれを単独散布した場合の防除価から算出される理論値よりも大きく、アゾール誘導体(Ia)およびピリメタニルとが相乗的な効果を示すことが明らかとなった。
Figure 2015214510
<試験例4:アゾール誘導体(Ia)およびメトラフェノンを用いたin vitro抗菌活性試験>
本試験例では、コムギふ枯病菌(Phaeosphaeria nodorum)に対する、アゾール誘導体(Ia)とメトラフェノンとの混合剤の抗菌性を試験した。
アゾール誘導体(Ia)のみ、メトラフェノンのみ、または化合物(Ia)とメトラフェノンとを所定濃度となるようにPDA培地(ポテト−デキストロース−アガー培地)中に混和し、薬剤を含む平板培地を作製した。一方、薬剤を含まない平板培地上で予め培養したコムギふ枯病菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き、薬剤を混和したPDA平板培地上に植菌した。20℃、7日間培養した後、生育したコロニーの直径を計り、薬剤を含まない培地上のコロニー直径と比較して下記式
R=100(dc−dt)/dc
により菌糸伸長抑制率を求めた。なお、上記式中、Rは菌糸伸長抑制率(%)、dcは薬剤を含まない平板上のコロニー直径、dtは薬剤を含む平板上のコロニー直径を示している。次いで、コルビーの式(下記式)
混合使用時の抑制率(理論値)=α+((100−α)×β)/100
を用いた方法により、2種の化合物の協力効果の判定を行った。なお、上記式中、αおよびβは、それぞれの化合物の単独使用時の抑制率を示している。
結果を表5に示す。表5に示すとおり、化合物(Ia)とメトラフェノンとを混合した際の菌糸伸長抑制率は、それぞれを単独で使用した場合の抑制率から算出される理論値よりも大きく、アゾール誘導体(Ia)とメトラフェノンとが相乗的な効果を示すことが明らかとなった。
Figure 2015214510
本発明は、植物に対する薬害が最小限に抑えられ、植物病害を防除できる防除剤の有効成分として好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 有効成分を複数含む農園芸用薬剤であって、該有効成分の1つとして、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体を含み、他の該有効成分として、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする農園芸用薬剤。
    Figure 2015214510
    (式中、Xは、塩素原子またはフッ素原子を表す)
  2. 殺菌剤として用いられることを特徴とする請求項1に記載の農園芸用薬剤。
  3. 複数の有効成分を混合して使用するための組み合わせ調製物として、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体と、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルおよびメトラフェノンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物とを別々に含むことを特徴とする植物病害防除用製品。
    Figure 2015214510
    (式中、Xは、塩素原子またはフッ素原子を表す)
  4. 請求項1または2に記載の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う工程を含むことを特徴とする植物病害防除方法。
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