JP2015212622A - プローブカードピン及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】LSIチップ等の検査に用いられるプローブカードピンの製造方法の提供。【解決手段】プローブカードピン用の金属材料を、一定の幅W2を有するとともに幅方向に沿って湾曲した湾曲部12を含む湾曲板11を形成する湾曲板形成工程と、上記湾曲板11を、その長手方向に等間隔をおいて、長手方向に対して垂直又は垂直から傾斜した方向に切断することによって複数本のピン部材14を得るマルチ切断工程とを含んでおり、上記湾曲板11の湾曲部12が、湾曲板11の幅方向に沿って湾曲し、その長手方向に沿って均一の形状を呈している。【選択図】図2
Description
本発明はプローブカードピン及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、プローブカードに装備されるピン及びその製造方法に関する。
プローブカードは、半導体集積回路(LSI)の電気的検査(ウェハテスト)に用いられる。プローブカードは、検査対象であるLSIチップと、検査装置(LSIテスタ)とを接続する役割を受け持つ。プローブカードは、基板と、この基板に配列された多数のプローブカードピン(プローブピン、探針、ともいう)とを有している。プローブピンは微細なピンから構成されている。このプローブピンは、タングステン、パラジウム等から形成される。
LSIのウェハテストは、LSIチップの電極(パッド)に、プローブカードのプローブピンを押圧させて行われる。このテストにより、LSIチップの良否が判定される。近年、LSIの高集積化、微細化に伴い、LSIチップ内のパッドピッチが小さくされている。これに伴い、LSIチップの検査機器に対する微細化の要求も増してきている。特に、プローブカードの小型化が必要となり、プローブピンの配列も小ピッチ化されている。
プローブピンの一種として、プローブカードから片持ち梁状に横向きに突設されたカンチレバータイプのピンが知られている。このカンチレバータイプのピンは、検査対象の電極に対して水平方向に配設される。このため、面内の電極数が多い場合、多数本のピンの配置が複雑になり、ピン同士が接触するおそれが生じる。従って、配列ピッチの狭小化は困難である。このため、カンチレバータイプから垂直型のピンにシフトしてきているのが現状である。垂直型では、多数のピンがプローブカードの下面から下方へ略垂直に突設されている。このプローブピンの外径は0.1mm程度にされ、配置ピッチが0.2mm程度以下にされる場合がある。
垂直型のプローブカードとしては、特開平11−142433号公報に開示されたプローブカードが知られている。このプローブカードに配設されたプローブ針は、湾曲した形状の曲部を有している。この曲部は、プローブピンがLSIチップの電極に押圧したときに、撓むことによってLSIチップからの反力を緩和する 。
図4が参照されつつ、従来の垂直型プローブピン51、及び、このプローブピン51の製造工程の一例が説明される。図4のプローブピン51は、LSIチップに接触させられる円錐状の先端部52、この先端部52の基端に連続した第一円柱部53、この第一円柱部53の基端に連続した平板部54、この平板部54の基端に連続した第二円柱部55、及び、この第二円柱部55の基端に連続した平板状の取付部56を一体的に有している。プローブピン51は、その取付部56が、プローブカードの案内板又はプローブ基板と呼ばれる部品に固定される。上記平板部54に、湾曲した曲部57が形成されている。上記平板部54を形成する目的は、ピンが一定方向に湾曲しうるようにするためである。平板部54の厚さ(曲率半径方向の寸法)T3は、幅W3より小さくされている。
このプローブピン51の製造に際しては、タングステン、パラジウム等の線材に、時効硬化処理が施され、真直矯正される。この線材が、プローブピン51としての必要長さの多数本の線材に切断される。この所定長さの各線材に対してバリ取りがなされる。各線材にプレス処理が施されて、ほぼ図4に示される形状のピンができあがる。このピンの先端が、研磨処理によって円錐状の先端部52に形成される。
上記プレス処理では、均一外径の線材の所定範囲が、プレスによって平板状に成形されるとともに、所定の曲率半径に湾曲した形状にされる。この平板状の部分が図4中の平板部54であり、湾曲した部分が図4中の曲部57である。この平板部54の先端側及び後端側には、均一外径の円柱状部分が残存している。この両側の円柱状部分は、上記曲部57を挟んで、互いに略平行となるように形成されている。これら円柱状部分は、上記第一円柱部53及び第二円柱部55である。
このようにプレス加工された線材が絶縁処理される。絶縁処理は、非電導性材料による皮膜の形成等によってなされる。第一円柱部53の先端部分が円錐状に研磨されて先端部52とされ、第二円柱部55の後端部分が、プレス又は研削加工によって平板状の取付部56とされる。先端部52は検査対象であるチップの電極との通電性のため、取付部56はリード線との通電性のため、絶縁皮膜が除去される。このように成形されたピン51は、洗浄され、各種の検査がなされる。
以上のとおり、従来のプローブピン51は、一本ごとにプレス及び研磨が繰り返されるため、膨大な工数を必要とし、高コストとなる。しかも、平板部54の形成により、プローブピン51の幅寸法が円柱部53、55の外径よりも大きくなり、ピンの配列ピッチの狭小化に逆行する状況となっている。また、プレスされた平板部54とプレスされていない円柱部53、55との境界部は、断面形状が大きく変化している。この部分には、プローブピン51が撓まされたときに負荷が集中しやすいので、耐疲労性能の低下が懸念される。
本発明は、以上の現状に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減、及び、ピンの配列ピッチの狭小化が実現されうるプローブカードピンの製造方法、及び、この製造方法によって製造されたプローブカードピンを提供することを目的としている。
本発明に係るプローブカードピンの製造方法は、
プローブカードピン用の金属材料を、一定の幅を有するとともに湾曲した湾曲部を含む湾曲板を形成する湾曲板形成工程と、
上記湾曲板を、その長手方向に等間隔をおいて、長手方向に対して垂直又は垂直から傾斜した方向に切断することにより、複数本のピン部材を得るマルチ切断工程と
を含んでおり、
上記湾曲板の湾曲部が、湾曲板の幅方向に沿って湾曲し、その長手方向に沿って均一の形状を呈している。
プローブカードピン用の金属材料を、一定の幅を有するとともに湾曲した湾曲部を含む湾曲板を形成する湾曲板形成工程と、
上記湾曲板を、その長手方向に等間隔をおいて、長手方向に対して垂直又は垂直から傾斜した方向に切断することにより、複数本のピン部材を得るマルチ切断工程と
を含んでおり、
上記湾曲板の湾曲部が、湾曲板の幅方向に沿って湾曲し、その長手方向に沿って均一の形状を呈している。
好ましくは、上記湾曲板形成工程において、プローブカードピン用の金属材料が圧延されることによって上記湾曲板が形成される。さらに好ましくは、圧延前の上記金属材料が、伸線加工によって得られた線材である。
好ましくは、上記マルチ切断工程における切断の方向が、湾曲板の長手方向に対して45°以上90°以下の角度を成す方向である。
好ましくは、上記湾曲板形成工程において、湾曲板の肉厚が一定であり、
上記マルチ切断工程において、上記肉厚に対する切断間隔の寸法比が、1.0以上1.5以下である。
上記マルチ切断工程において、上記肉厚に対する切断間隔の寸法比が、1.0以上1.5以下である。
好ましくは、上記湾曲板形成工程において、幅方向の一端側であって、プローブカードピンの先端部に対応する端縁部が、先端に向けて肉厚が漸減する形状に形成される。
本発明に係るプローブカードピンは、
その基端部から少なくとも先端部の近傍まで均一な長方形横断面を有しており、
上記基端部と先端部との間に、長手方向に沿って湾曲した湾曲部を有しており、
前述したうちのいずれかに記載の製造方法によって製造されたものである。
その基端部から少なくとも先端部の近傍まで均一な長方形横断面を有しており、
上記基端部と先端部との間に、長手方向に沿って湾曲した湾曲部を有しており、
前述したうちのいずれかに記載の製造方法によって製造されたものである。
好ましくは、上記湾曲板の表面及び裏面が、このプローブカードピンの前面及び後面に対応しており、
上記金属材料の結晶粒の(1、1、1)面が上記前面及び後面に垂直な方向に揃った集合組織を有している。
上記金属材料の結晶粒の(1、1、1)面が上記前面及び後面に垂直な方向に揃った集合組織を有している。
本発明に係るプローブカードピンの製造方法によれば、湾曲板を互いに平行に複数切断することによって得られるピン部材が、完成品としてのプローブカードピン、又は、これにに極めて近い状態となっているため、製造コストの低減、及び、ピンの配列ピッチの狭小化が実現されうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたプローブピン1は、長方形の横断面を有している。このプローブピン1は、その基端部2から先端部3の近傍まで、略同一断面形状を有している。このように、プローブピン1は、その長手方向Aに沿って実質的に形状変化が無い。このプローブピン1は、従来技術に見られるような負荷の集中に伴う耐疲労性能の面での問題は生じにくい。プローブピン1の基端部2は、ガイド板等へ嵌合するための取付部2を構成している。取付部2には、テストヘッド(図示せず)との電気的接続のためのリード線6が接続されている。プローブピン1の先端部3は、検査対象である例えばLSIチップの電極への接触部3を構成している。取付部2と接触部3との間の中間部(本体部)4には、長手方向Aに向けて湾曲した湾曲部5が形成されている。
プローブカード31には、図示しない多数本のプローブピンが配列されている。図1のプローブピン1も、プローブカード31に装着された多数本のプローブピンのうちの一本である。このプローブカード31は、多数本のプローブピンの移動を案内するための上ガイド板32及び下ガイド板34を有している。プローブピン1は、その取付部2が上ガイド板32の取付孔33に嵌合状態で固定されたうえで、下ガイド板34の案内孔35に挿通されている。この案内孔35は、プローブピン1の断面形状よりやや大きい長方形を呈している。下ガイド板34は、プローブピン1の先端部3のやや上方に位置している。
前述のとおり、このプローブピン1は、その略全長にわたって均一な長方形横断面を有している。このプローブピン1に対しては、円形の案内孔35及び長方形の案内孔35ともに好適である。円形案内孔の場合、プローブピン1とは線接触となるため、案内孔の内面からの摩擦抵抗が小さくなる。その結果、プローブピン1の上下動がスムーズになる。長方形案内孔の場合、隣接案内孔との間隔が同一という条件下では、長方形断面のプローブピンのほうが円形断面のプローブピンより断面積を大きくすることができる。
上下の両ガイド板32、34は、プローブピン1が装着された状態で上下動させられる。この上下動により、プローブピン1の接触部3が検査対象の電極Pに押圧される。図1において、下降した状態のガイド板32、34及びプローブピン1が二点鎖線で示されている。下降した状態のプローブピン1は、電極Pに押圧され、その反力によって湾曲させられている。
図1において、プローブピン1の長方形断面の幅が符号W1で示され、厚さが符号T1で示されている。プローブピン1は、その長手方向Aに沿って、その幅W1が一定であり、その厚さT1が接触部3除いて一定である。図1(b)に示されるように、本実施形態のプローブピン1の接触部3は、その肉厚T1が、先端に向けて漸減したV字状断面又はU字状断面のナイフエッジ形状にされている。本発明では、かかる形状には限定されず、接触部3においても厚さT1が変化しないように形成されてもよい。しかし、このナイフエッジ形状とすることにより、接触部3は、検査対象の電極Pに対するスクラッビング(引っ掻き)機能が向上する。
図1(a)に示されるように、本実施形態のプローブピン1では、接触部3の端縁が、プローブピン1の長手方向Aに対し、垂直ではなく鋭角を成した方向に延びている。本発明は、かかる形状には限定されず、接触部3の端縁が、プローブピン1の長手方向Aに対して垂直な方向に延びていてもよい。しかし、図1(a)のごとく、プローブピン1の長手方向Aに対して鋭角の接触端3aであるほうが、検査対象の電極Pに対するスクラッビング(引っ掻き)機能が向上する。このように、接触部3の端縁がプローブピン1の長手方向Aに対して鋭角を成すように形成する方法は後述される。
プローブピン1の厚さT1に対する幅W1の比(W1/T1)は、1.0以上1.5以下にされるのが好ましい。1.0未満であると、目的とした前後方向(厚さT1方向)ではなく、横方向(幅W1方向)、すなわち、隣接するプローブピン(図示せず)の方へ曲がりやすくなってしまう。この場合、隣接するプローブピン同士が接触するおそれがある。比(W1/T1)が1.5を超えると、前後方向へ過度に曲がりやすくなり、電極Pに対する好ましい押圧力が得られにくくなるおそれがある。これを避けるために厚さT1を大きくすると、幅W1も大きくなり、ピン配列ピッチの狭小化が困難になる。
上記湾曲部5は、プローブピン1が検査対象のLSIチップの電極に押圧したときに、一定に撓む(図1に二点鎖線で示された状態)ことによってLSIチップからの反力を緩和するために形成されている。図1から明らかなように、湾曲部5は、プローブピン1の厚さT1方向(前後方向)に湾曲された部分である。従って、プローブピン1は、この湾曲部5によっても、横方向よりも前後方向に曲がりやすくなっている。
このプローブピン1は、その幅W1が0.03mm以上0.15mm以下とされ、その厚さT1が0.03mm以上0.10mm以下とされ、全長L1は1mm以上10mm以下とされている。ここで、全長L1は、直線への展開長さを言う。この全長L1は必要に応じて増減される。プローブピン1は金属から形成されている。プローブピン1は、好ましくは、ベリリウム銅合金、銅銀合金、タングステン、パラジウム、パラジウム合金、金合金、鉛合金等から形成されている。
プローブカード31に装着されたこのプローブピン1が、検査対象に所定の荷重で押圧された状態で、検査対象の電気的特性が検査される。
以下に、図2が参照されつつ、上記プローブピン1の製造方法が説明される。この製造方法における主たる工程は、前述したピン用金属材料を、湾曲部12を有する板状の部材(湾曲板という)11に形成する湾曲板形成工程、この湾曲板11の表面に絶縁処理を施す絶縁処理工程、及び、湾曲板11を等間隔Dをおいて切断することにより、多数本のピン部材13を得るマルチ切断工程である。
湾曲板形成工程においては、前述のピン用金属材料から、湾曲部12を含んだ湾曲板11が形成される。この湾曲板11は、一定の長さL2、一定の幅W2、及び、幅方向の一方の端縁部13を除いて一定の厚さT2を有する。この湾曲板11は、金属材料を圧延することによって形成することができる。圧延によれば、得られる湾曲板11の耐疲労性能が向上する。この圧延方法の一例は、圧延ロールが組み込まれた連続圧延装置を用いて湾曲板11を形成することである。この装置により、前述の金属材料を、所定厚さT2及び所定幅W2に圧延することができる。この場合、湾曲板11には、この連続圧延装置から押し出されるときに、所定の曲率の湾曲部12が形成される。この圧延は、成形圧延である。また、圧延を用いることなく、鍛造等によって得られた所定厚さT2の板材を、所定幅W2に切断することによって湾曲板11を製作することも可能である。この場合、得られた板材を、プレス、研削、エッチング等を用いて湾曲形状とすることにより、湾曲部12を形成することが可能である。
湾曲板11の上記一方の端縁部13は、プローブピン1の接触部3に対応する部分である。他方の端縁部18は、プローブピン1の取付部2に対応する部分である。湾曲部12は、湾曲板11の幅方向に沿って所定の曲率又は複数の曲率の組み合わせで湾曲し、その長手方向Bに沿って均一の形状を呈している。湾曲板11は、プローブピン1の縦断面形状と同一の横断面形状を有する。湾曲板11の肉厚T2は、プローブピン1の厚さT1と同一である。湾曲板11の幅W2は、プローブピン1の長さL1と同一である。
この湾曲板11の幅方向の一方の端縁部13は、プローブピン1の効果的なスクラッビング機能の観点から、図2に示されるように、ややナイフエッジ状に形成されるのが好ましい。すなわち、この端縁部13は、先端(縁)に向けて肉厚が漸減する形状に形成されるのが好ましい。もちろん、ナイフエッジ状には限定されない。このナイフエッジ状の端縁部13は、前述したプローブピン1のナイフエッジ状の先端部3に対応する部分である。この端縁部13は、圧延時に同時に形成されうる。また、湾曲板11が、圧延ではなく板材を湾曲させて形成する場合には、このナイフエッジは、プレス、研削、エッチング等によって形成されうる。
圧延の前工程として、通常は上記金属材料の伸線加工がなされる。上記金属材料からなる線材を、より小さい径の孔を持つダイスを通して引抜き、湾曲板11の素材として相応しい線径の細線を得る。この伸線加工によって得られた線材から、圧延加工によって湾曲板11が形成される場合、湾曲板11の前述の耐疲労性能は一層向上する。これは、伸線加工によって樹木の年輪のごとく同心円状に配向された線材の組織が、次の圧延加工によって押しつぶされて層状に揃うからである。すなわち、図2(a)中に矢印Bで示される圧延の長手方向Bに対して直角に交わる方向に、湾曲板11の金属材料の結晶の集合組織が揃う。湾曲板11の表裏両面それぞれに垂直な方向に、結晶粒の(1、1,1)面が揃う。これにより、湾曲板11の表裏両面の耐疲労性能が向上しうる。上記集合組織は、主に、湾曲板11の表裏両面における、幅W2方向の中間部分に生じる。後述するマルチ切断工程において、この湾曲板11が、その表裏両面上を等間隔Dでマルチ切断されることにより、プローブピン1が得られる。湾曲板11の表面及び裏面がプローブピン1の前面FF及び後面BFとなる。従って、得られた各プローブピン1の湾曲しうる前面FF及び後面BF(図1(b)参照)の向き、すなわち、曲げが加えられる方向に、上記集合組織の向きが揃うので、プローブピン1の耐疲労性能は高いものとなる。湾曲板11の上記結晶方位は、電子顕微鏡に設置される検出器によって計測されうる。
上記湾曲板11に採用された材料に応じて、十分な剛性及び耐疲労性能を与える観点から、時効硬化処理が施される。例えば、ベリリウム銅合金、金合金等からなる湾曲板11に対しては、時効硬化処理を行うことによって所定の強度を得るのが望ましい。
絶縁処理工程においては、上記のごとく形成された湾曲板11の表面に、絶縁処理が施される。一般的な絶縁処理では、湾曲板11の表面に、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等の絶縁性材料の皮膜が形成される。プローブピン1の取付部2及び接触部3には通電性が必要である。従って、湾曲板11の一方の端縁部13及び他方の端縁部18には予めマスキングが施された上で絶縁処理がなされる。
この絶縁処理の目的は、プローブピン1が、プローブカード31に装着されて実際に使用されている最中に、隣接するプローブピン1等の導電性物質と接触して電気的障害が発生することを防止するためである。なお、プローブピンの配設間隔が大きい等により、接触のおそれが無い使用であれば、この絶縁処理工程は省略されうる。
マルチ切断工程では、湾曲板11が、その長手方向Bに等間隔Dをおいて切断される。切断線同士は互いに平行となる。このマルチ切断により、図2(b)に示される多数本のピン部材14が得られる。この多数本のピン部材14は、その厚さT1、幅W1、長さL1、湾曲部5の曲率を含め、同一形状及び同一寸法となる。このピン部材14が、そのままプローブピン1を構成しうる。切断手段としては、遊離砥粒式ソーワイヤ、固定砥粒式ソーワイヤ、マルチ放電加工等が採用されうる。いずれの手段が採用されても、等間隔Dをおいた多数の切断が同時に実行される。従って、短時間に多数本のピン部材14が得られる。
湾曲板11の切断方向は、長手方向Bに対して垂直又は鋭角を成す方向である。切断方向は、長手方向Bに対して、絶対値が45°以上90°以下の角度を成す方向であるのが好ましい。長手方向Bに対して切断方向のなす角度が小さすぎると、得られたプローブピン1の接触端3aが尖りすぎ、その強度が低下するおそれがあるからである。その結果、使用に伴い、プローブピン1の長さL1にバラツキが生じるおそれがある。また、長手方向Bに対する切断方向のなす角度が小さすぎると、一枚の湾曲板11から得られるプローブピン1の本数が減少する等して、コストアップにつながる。図2の湾曲板11は、長手方向Bに対して77°の角度を成す方向に切断されている。
上記のとおり、図2の湾曲板11は、長手方向Bに垂直な方向(幅方向)から傾斜した方向に切断されている。この切断によって得られたピン部材14は、その基端部15及び先端部16の各端縁の方向が、ピン部材14の長手方向Aに対して、垂直ではなく、垂直から傾斜している。このピン部材14の先端部16には、その端縁がピン部材14の側面17に対して鋭角を成す部位16aが存在する。この鋭角の接触端16aは、前述したように、検査対象の電極Pに対するスクラッビング機能が向上する。このピン部材14から、図1に示されるスクラッビング機能に優れたプローブピン1が容易に得られる。
前述した湾曲板11の表面には絶縁被膜が形成されている。湾曲板11を切断することによって得られたピン部材14の切断面である側面17には、この絶縁被膜が存在しない。しかし、前述したごとく、プローブピン1は、その前後方向(厚さ方向)に曲がり易くされ、横方向(幅方向)には曲がりにくい。プローブカードの通常の使用状況においては、プローブピン1はその横方向に曲がることはない。プローブピン1同士が接触するおそれはない。従って、ピン部材14の側面17には絶縁被膜が存在しなくてもよい。
このピン部材14は、必要に応じて切断部の周囲のいわゆる「バリ取り」がなされ、洗浄され、必要な検査が実施される。
図3(a)に示される湾曲板11は、前述した図2(a)の湾曲板11と同一形状、同一寸法及び同一材質からなる。図3(a)の湾曲板11は、その長手方向Bに垂直な方向にマルチ切断されている。すなわち、図3(a)の湾曲板11は、図2(a)の湾曲板11とは切断される方向が異なるだけで、プローブピンの製造工程における湾曲板形成工程及び絶縁処理工程は同一である。従って、図3(a)の湾曲板11については、湾曲板形成工程及び絶縁処理工程の説明は省略される。この垂直方向の切断によっても、短時間で多数本のピン部材19(図3(b))が得られる。このピン部材19も、そのままプローブピンを構成しうる。
図3(a)の湾曲板11から得られたピン部材19では、その先端部20の端縁がピン部材19の側面21に対して直角を成している。従って、プローブピンのこの先端部20の端縁の全体が、検査対象の電極Pに接触しうる。しかし、この直角の端縁であっても、電極に押圧されたとき、絶縁被膜が除去されてしまうので問題はない。
本発明に係る製造方法は、高性能なプローブピンの低コストでの製造にとって有用である。
1・・・プローブピン
2・・・取付部(基端部)
3・・・接触部(先端部)
4・・・本体部(中間部)
5・・・湾曲部
11・・・湾曲板
12・・・湾曲部
13・・・一方の端縁部
14、19・・・ピン部材
15・・・基端部
16、20・・・先端部
17、21・・・側面
18・・・他方の端縁部
31・・・プローブカード
32・・・上ガイド板
33・・・取付孔
34・・・下ガイド板
35・・・案内孔
2・・・取付部(基端部)
3・・・接触部(先端部)
4・・・本体部(中間部)
5・・・湾曲部
11・・・湾曲板
12・・・湾曲部
13・・・一方の端縁部
14、19・・・ピン部材
15・・・基端部
16、20・・・先端部
17、21・・・側面
18・・・他方の端縁部
31・・・プローブカード
32・・・上ガイド板
33・・・取付孔
34・・・下ガイド板
35・・・案内孔
Claims (8)
- プローブカードピン用の金属材料を、一定の幅を有するとともに湾曲した湾曲部を含む湾曲板を形成する湾曲板形成工程と、
上記湾曲板を、その長手方向に等間隔をおいて、長手方向に対して垂直又は垂直から傾斜した方向に切断することにより、複数本のピン部材を得るマルチ切断工程とを含んでおり、
上記湾曲板の湾曲部が、湾曲板の幅方向に沿って湾曲し、その長手方向に沿って均一の形状を呈しているプローブカードピンの製造方法。 - 上記湾曲板形成工程において、プローブカードピン用の金属材料が圧延されることによって上記湾曲板が形成される請求項1に記載のプローブカードピンの製造方法。
- 上記金属材料が伸線加工によって得られた線材である請求項2に記載のプローブカードピンの製造方法。
- 上記マルチ切断工程における切断の方向が、湾曲板の長手方向に対して45°以上90°以下の角度を成す方向である請求項1から3のいずれかに記載のプローブカードピン。
- 上記湾曲板形成工程において、湾曲板の肉厚が一定であり、
上記マルチ切断工程において、上記肉厚に対する切断間隔の寸法比が、1.0以上1.5以下である請求項1から4のいずれかに記載のプローブカードピンの製造方法。 - 上記湾曲板形成工程において、幅方向の一端側であって、プローブカードピンの先端部側に対応する端縁部が、先端に向けて肉厚が漸減する形状に形成される請求項1から5のいずれかに記載のプローブカードピンの製造方法。
- その基端部から少なくとも先端部の近傍まで均一な長方形横断面を有しており、
上記基端部と先端部との間に、長手方向に沿って湾曲した湾曲部を有しているプローブカードピンであって、
請求項1から6のいずれかに記載の製造方法によって製造されたプローブカードピン。 - 上記湾曲板の表面及び裏面が、このプローブカードピンの前面及び後面に対応しており、
上記金属材料の結晶粒の(1、1、1)面が上記前面及び後面に垂直な方向に揃った集合組織を有している、請求項7に記載のプローブカードピン。
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