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JP2006098066A - プローブ針及びその使用方法並びにプローブ針の製造方法 - Google Patents

プローブ針及びその使用方法並びにプローブ針の製造方法 Download PDF

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JP2006098066A JP2004280883A JP2004280883A JP2006098066A JP 2006098066 A JP2006098066 A JP 2006098066A JP 2004280883 A JP2004280883 A JP 2004280883A JP 2004280883 A JP2004280883 A JP 2004280883A JP 2006098066 A JP2006098066 A JP 2006098066A
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Yoichi Okada
洋一 岡田
Hidenori Harada
秀則 原田
Hirokazu Ishimura
宏和 石村
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Totoku Electric Co Ltd
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Totoku Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】 小さな電極を備えた被測定体であっても、4端子抵抗測定法により被測定体の電気的特性を正確に測定できるプローブ針を提供すること。
【解決手段】 先端部6を被測定体の電極に接触させて、当該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針1であって、金属導体2と当該金属導体に設けられた絶縁被膜3とを有し、前記金属導体の断面形状が平角形状であるプローブ針を用い、このプローブ針を2本一対としてプローブユニット100のガイド板21における一つのガイド穴27に挿入し、これら一対のプローブ針の先端部6を被測定体の一つの電極に同時に接触させる4端子抵抗測定法で前記被測定体の電気的特性を測定するものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、先端部を被測定体の電極に接触させてその被測定体の電気的特性を測定するためのプローブ針及びその使用方法、並びにプローブ針の製造方法に関する。
近年では、携帯電話等に使用される高密度実装基板、又は、パソコン等に組み込まれるBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のICパッケージ基板等、様々な回路基板が用いられている。このような回路基板は、実装の前後の工程において、回路基板の直流抵抗値の測定が行われ、その良否が検査されている。直流抵抗値の良否の検査は、直流抵抗値を測定する検査装置に接続された検査装置用治具(以下、「プローブユニット」という。)を用いて行われ、例えば、プローブ針をプローブユニットのガイド板の穴に挿入して装着し、このプローブ針の先端部を、上記回路基板(以下、「被測定体」という。)の電極に接触させることにより行われる。この場合、特許文献1に記載のように、プローブユニットは、電極に対応した数のプローブ針を備え、1本のプローブ針が一つの電極に接触するように構成されている。
ところで、被測定体の電極にはその表面に酸化膜等の絶縁膜が形成され易く、1本のプローブ針を一つの電極に単に接触させただけでは両者間の抵抗値(以下、「接触抵抗値」という。)が高過ぎて直流抵抗値を正確に検査できない場合がある。しかし、プローブ針を2本同じ電極に接触させ、1本をソース側、もう1本をセンス側とすることにより、4端子抵抗測定法を用いて、上記直流抵抗値を正確に測定することが可能となる。
特開平11―344509号公報
しかしながら、プローブユニットのガイド板における一つの穴に断面円形状のプローブ針を2本セットして4端子抵抗測定法を行う場合には、プローブ針1本の外径を細くする必要があるため、プローブ針の弾性力が十分に得られず、プローブ針が被測定体の電極表面に形成された酸化被膜等を突き破ることができないので、被測定体の電気的特性(回路基板の直流抵抗値等)を正確に検査できない恐れがある。
また、小さな電極へ2本のプローブ針を正確に接触させるには、対にした2本のプローブ針の先端部が最短距離にあることが好ましく、例えば片側が傾斜した楔形の先端部が、互いに隣り合うプローブ針において最短距離となるよう設定する必要がある。しかし、断面円形状のプローブ針では、そのプローブ針が不必要に自転してしまうため、プローブ針の先端部を正確に設定することが困難である。
更に、プローブ針を小さな電極に2本接触させるためには、プローブ針の外径を細くし、プローブユニットにおけるガイド板の穴を小径とし、その穴ピッチを極力接近させる必要がある。このため、プローブ針及びプローブユニットの製造が困難となり、それらの製造コストが上昇してしまう。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、小さな電極を備えた被測定体であっても、4端子抵抗測定法により前記被測定体の電気的特性を正確に測定できるプローブ針を提供することにある。
本発明の他の目的は、小さな電極を備えた被測定体であっても、4端子抵抗測定法により前記被測定体の電気的特性を正確に測定できるプローブ針の使用方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、小さな電極を備えた被測定体であっても、4端子抵抗測定法により前記被測定体の電気的特性を正確に測定できるプローブ針を容易に製造できるプローブ針の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明に係るプローブ針は、先端部を被測定体の電極に接触させて、当該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針であって、金属導体と当該金属導体に設けられた絶縁被膜とを有し、前記金属導体の断面形状が平角形状であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明に係るプローブ針は、請求項1に記載の発明において、前記被測定体の電極に接触する先端部は、絶縁皮膜から露出した金属導体で形成され、この先端部側の前記絶縁皮膜の一部又は全部が除去されて絶縁皮膜除去部が形成され、この絶縁皮膜除去部と前記絶縁皮膜との間に段部が設けられたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明に係るプローブ針の使用方法は、請求項1又は2に記載のプローブ針を2本一対として検査装置用治具の一つの穴に挿入し、これら一対のプローブ針の先端部を被測定体の一つの電極に同時に接触させる4端子抵抗測定法で前記被測定体の電気的特性を測定することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明に係るプローブ針の使用方法は、請求項3に記載の発明において、検査装置用治具の一つの穴に挿入した2本を一対とするプローブ針は、先端部を備えた端部に対して反対の端部側を屈曲させ、この屈曲部分を前記穴の周縁に係止させることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係るプローブ針の製造方法は、先端部を被測定体の電極に接触させて当該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針の製造方法であって、長尺の導体を圧延して断面平角形状に加工する導体加工工程と、前記断面平角形状の導体に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記絶縁被膜が形成された長尺の断面平角形状の導体を所定長さに切断する切断工程と、前記所定長さに切断された絶縁被膜付き断面平角形状の導体の端部を所定形状に加工する端部加工工程と、を有することを特徴とするものである。
請求項1又は3に記載の発明によれば、金属導体の断面形状、すなわちプローブ針の断面形状が平角形状に形成されたことから、プローブ針2本を一対として検査装置用治具の一つの穴に挿入して装着したときにも、各プローブ針の断面積を断面円形状のプローブ針に比べて増大させることができるので、各プローブ針の弾性力を十分に確保できる。このため、被測定体の電極表面に形成された酸化膜等の絶縁膜をプローブ針が容易に突き破ることができるので、プローブ針と電極との接触抵抗値が低下し、小さな電極を備えた被測定体であっても、当該被測定体の一つの電極に一対のプローブ針を同時に接触させる4端子抵抗測定法によって、前記被測定体の電気的特性(例えば、被測定体である回路基板の直流抵抗値等)を正確に測定することができる。このため、本発明のプローブ針は低抵抗の被測定体の検査に好適に用いられる。
また、金属導体の断面形状、すなわちプローブ針の断面形状が平角形状に形成されたことから、このプローブ針が不必要に自転することがないため、例えば片側に斜面を有する楔形のプローブ針先端部を、互いに隣り合う一対のプローブ針において最短距離に容易に設定でき、4端子抵抗測定法を好適に実施できる。
更に、金属導体の断面形状、すなわちプローブ針の断面形状が平角形状に形成されたことから、これらのプローブ針2本を一対として検査装置用治具の一つの穴に挿入し、一対のプローブ針の先端部を被測定体の一つの小さな電極に同時に接触させることができるので、断面円形状のプローブ針の外形を細くし、且つこの一本のプローブ針を挿通する検査装置用治具の一つの穴の径を小さくし、更にこの穴のピッチを極力接近させて、1本のプローブ針を被測定体の一つの小さな電極に接触させる場合に比べ、プローブ針及び検査装置用治具の製造が容易となり、それらの製造コストを低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、プローブ針の先端部側には、絶縁皮膜の一部又は全部が除去されて絶縁皮膜除去部が形成され、この絶縁皮膜除去部と絶縁皮膜との間に段部が設けられたことから、プローブ針の2本を一対として検査装置用治具の一つの穴に挿入する際に、前記段部が前記穴周縁に係止してストッパとして機能することにより、プローブ針が検査装置用治具から脱落することを防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、検査装置用治具の一つの穴に挿入した2本を一対とするプローブ針は、先端部を備えた端部に対して反対の端部側を屈曲させ、この屈曲部分を前記穴の周縁に係止させることから、この屈曲部分がストッパとして機能し、プローブ針が検査装置用治具から脱落することを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、長尺の導体を圧延して断面平角形状に加工する導体加工工程と、前記断面平角形状の導体に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記絶縁被膜が形成された長尺の断面平角形状の導体を所定長さに切断する切断工程と、前記所定長さに切断された絶縁被膜付き断面平角形状の導体の端部を所定形状に加工する端部加工工程とを有することから、断面平角形状のプローブ針を容易に製造できる。この結果、プローブ針の製造歩留まりを向上させることができるので、プローブ針の製造コストを低減できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
〔A〕一実施形態(図1〜図3)
図1は、本発明のプローブ針の一実施形態を示す模式図である。図2は、図1のプローブ針を2本一対とした状態を示す模式図である。図3は、図1及び図2のプローブ針の使用方法の一実施形態、つまりこのプローブ針を備えたプローブユニットを用いて被測定体の電気的特性を検査する方法を示す模式的な断面図である。
(プローブ針)
本実施形態のプローブ針1は、図1に示すように、金属導体2とその金属導体2に設けられた絶縁被膜3とを有して構成される。このプローブ針1は、図2及び図3に示すように2本が一対となって、プローブユニット100のガイド板21、22のそれぞれのガイド穴27、28に挿入されて装着され、これら2本一対のプローブ針1の先端部6を被測定体25の一つの電極26に同時に接触させて、被測定体25の電気的特性を測定する検査に用いられるものである。
金属導体2としては、高い導電性と高い弾性率を有する金属線(「金属ばね線」ともいう。)が用いられる。金属導体2に用いられる金属としては、広い弾性域を持つ金属を挙げることができ、例えばベリリウム銅等の銅合金、タングステン、レニウムタングステン、鋼等を好ましく用いることができる。
金属導体2は、通常、上記金属が所定の断面平角形状の線状導体となるまで冷間又は熱間伸線等の塑性加工後、冷間又は熱間圧延等の塑性加工が施される。金属導体2の寸法は、プローブユニット100において隣り合う各プローブ針11の間隔に応じて縦寸法N及び横寸法Mが25〜500μmの範囲内から任意に選択される(図1(B))。このプローブ針1は、金属導体2が平角形状であることに特徴があり、2本を対としてガイド板21のガイド穴27に挿入し安定して保持させる観点から、上述の金属導体2の断面形状における縦寸法N対横寸法Mの比が1対1.1以上であることが好ましい。
また、プローブ針1をプローブユニット100に装着し易くし、且つ、プローブユニット100の使用時においてプローブ針1がガイド板21のガイド穴27に引っ掛かることによりプローブ針1の動きが妨げられることを防止する観点から、金属導体2の真直度は高い方が好ましく、具体的には真直度は曲率半径Rで1000mm以上であることが好ましい。真直度の高い金属導体2は、絶縁被膜3が設けられる前に予め直線矯正処理しておくことにより得られる。
絶縁被膜3は金属導体2に設けられて、被測定体25の電気的特性を検査する際に、隣接するプローブ針1同士が接触することにより生じる短絡を防止するように作用する。この絶縁被膜3は、金属導体2上、すなわち金属導体2の外周上に長手方向に亘って設けられていればよく、金属導体2との間に他の層を介して設けられてもよい。
また、絶縁被膜3は、絶縁性を有する被膜であれば特に限定されないが、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂で形成されることが好ましい。通常、絶縁被膜3は一種類の樹脂により形成される。これらの樹脂からなる絶縁被膜3は耐熱性が異なるので、検査の際に発生する熱を考慮して任意に選択することができる。例えば、より耐熱性が要求される場合には、絶縁被膜3はポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はフッ素樹脂等で形成されることが好ましい。
更に、絶縁被膜3の平均膜厚は、絶縁被膜3の電気絶縁性を確保できる程度の厚さであればよく、1μm以上50μm以下の範囲内で適宜設定される。絶縁被膜3は、例えば、金属導体2の断面積が大きいときは厚めに設定され、金属導体2の断面積が小さいときは薄めに設定される。ここで、この絶縁被膜3が設けられたプローブ針1の縦寸法をH、横寸法をWと表記する。
また、プローブ針1がプローブユニット100に装着された際において、後述のように絶縁被膜3と絶縁被膜除去部7との間の段部5がストッパーとして機能する場合には、絶縁被膜3の平均膜厚は、プローブユニット100が備えるガイド板21のガイド穴27の径を考慮して設定される(後述)ことが好ましい(図2(B)を参照)。
ところで、プローブ針1には端部4a及び端部4bが設けられる。この端部4aは、検査時に被測定体25の電極26と接触する側の端部であり、金属導体2と電極26との電気的な接触を確実なものとする観点から、その先端部6は、露出した金属導体2が所定の形状に加工されていることが好ましい。この端部4aの先端部6の形状としては、楔形状、断面半円形状、コーン形状又はフラット形状等が挙げられる。
プローブ針1の端部4aにおいては、プローブ針1と被測定体25の電極26(図3)等との接触抵抗値の上昇を抑制するために、金属導体2が露出する先端部6上にめっき層が設けられていることが好ましい。このめっき層を形成する金属としては、ニッケル、金、ロジウム等の金属や金合金等の合金を挙げることができる。めっき層は、単層であってもよいし複層であってもよい。複層のめっき層としては、ニッケルめっき層上に金めっき層が形成されたものを好ましく挙げることができる。
プローブ針1のもう一方の端部4bも、金属導体2とリード線24(図3)との電気的な接触を確実なものとする観点から、上記端部4aの場合と同様に、露出した金属導体2が上述の形状(楔形状、断面半円形状、コーン形状又はフラット形状等)に加工されていることが好ましい。
プローブ針1の端部4aには、図1に示すように、金属導体2が露出する先端部6を除く寸法Lの領域に、絶縁被膜3の全部又は一部を除去した絶縁皮膜除去部7が形成される。本実施の形態では、金属導体2が露出する先端部6を除く寸法Lの領域に、絶縁被膜3の一部(即ち図1(B)の上側及び両横側)を除去した絶縁皮膜除去部7が形成される。この絶縁皮膜除去部7と絶縁被膜3との間に段部5が設けられ、この段部5がガイド板21に引っ掛かってストッパーとして機能する。これにより、プローブ針1がプローブユニット100のガイド板21及び22から脱落することが防止される。こうした脱落防止を確実なものにするためには、図2(B)に示すように、プローブ針1を2本一対にした状態で、段部5を形成する絶縁被膜3が設けられた一対のプローブ針1の縦寸法2H(プローブ針1を2本一対としたときの各プローブ針1の縦寸法Hの和)と横寸法Wとの少なくとも一方が、ガイド板21のガイド穴27の径よりも大きいことが好ましい。
このプローブ針1の端部4aにおいて、先端部6を除いて絶縁被膜3が除去される絶縁皮膜除去部7の長さLは、図3に示すように、プローブユニット100を被測定体25の方向へ移動(下降)させ、装着されたプローブ針1が被測定体25の電極26に接触して弾性変形により湾曲した場合であっても、端部4aの先端部6がガイド板21の位置に至らない程度の長さであれば、その長さLは特に限定されない。そうした長さLは、通常、ガイド板21の厚さとプローブユニット100を下降させる際のストローク長との和よりも長く設定される。なお、絶縁被膜3の除去は、各種のレーザー光を用いた剥離手段等により行うことができる。
(プローブ針を用いた電気的特性の検査方法)
次に、プローブ針1の使用方法、つまり、プローブ針1を用いた被測定体25の電気的特性の検査方法について説明する。
本実施形態のプローブ針1はプローブユニット100に装着されて、回路基板等の被測定体25の電気的特性の良否の検査に利用される。プローブユニット100は、図3に示すように、複数本から数千本のプローブ針1と、これらのプローブ針1を被測定体25の電極26にガイドするガイド板21、22とを備えて構成される。ガイド板21は、2本が一対となったプローブ針1、1の前記縦寸法2Hと横寸法W(ともに図2(B)参照)の少なくとの一方よりも若干小さく、且つ2本が一対となったプローブ針1、1の絶縁被膜除去部7よりも若干大きなガイド穴27を有する。また、ガイド板22は、プローブ針1の縦寸法2H及び横寸法Wよりも若干大きなガイド穴28を有する。これらのガイド穴27、28は、2本が一対となったプローブ針1の両者を被測定体25の電極26にガイドする。
プローブユニット100は、図3に示すように、被測定体25の電気的特性を検査する際、2本一対のプローブ針1、1と一つの電極26とが対応するように位置制御される。電気的特性の検査は、プローブユニット100を、被測定体25の電極26へ接近する方向又は電極26から離反する方向へ移動(上下動)させ、プローブ針1の弾性力を利用して、被測定体25の電極26にプローブ針1の端部4aの先端部6を所定の圧力で押し当てることにより行われる。このとき、プローブ針1の他の端部4bはリード線24に接触し、被測定体25からの電気信号がそのリード線24を通って検査装置(図示しない。)へ送られる。なお、図3中、符号23はリード線用の保持板を示している。
このようにして、被測定体25の一つの電極26に2本が一対のプローブ針1の先端部6を接触させ、4端子抵抗測定法を用いて、被測定体25の電気的特性としての直流抵抗値を測定して、被測定体25を検査する。なお、この被測定体25の検査に際し、プローブ針1の先端部6側に、絶縁被膜3の一部を除去することで形成された段部5が上述のようにストッパーとして機能するので、プローブ針1はプローブユニット100のガイド板21及び22から脱落しない。
(プローブ針の製造方法)
次に、本発明のプローブ針の製造方法について説明する。
本実施形態のプローブ針1の製造方法は、断面円形状の長尺の金属導体2を所定の縦寸法N及び横寸法Mの断面平角形状に圧延加工する導体加工工程としての圧延工程と、この断面平角形状の長尺の金属導体2を直線矯正する直線矯正工程と、この直線矯正された断面平角形状の長尺の金属導体2に絶縁被膜3を形成する絶縁被膜形成工程と、この断面平角形状の絶縁被膜3付き金属導体2を所定長さに切断する切断工程と、この所定長さに切断された断面平角形状の絶縁被膜3付き金属導体2の端部4a、4bを所定形状に加工する端部加工工程とを少なくとも有している。
圧延工程は、断面円形状の長尺の金属導体2を、所定の縦寸法N及び横寸法Mの断面平角形状に圧延加工する工程である。この圧延工程においては、例えば圧延ロールを使用した連続圧延装置を用いて、所定の縦横寸法の断面平角形状の金属導体2を圧延加工して形成する。
直線矯正工程は、圧延工程にて加工された断面平角形状の長尺の金属導体2を直線状に直線矯正する工程である。この直線矯正工程においては、例えばローラーレベラーを使用した連続直線矯正装置を用いて、金属導体2を直線状に直線矯正加工する。
絶縁被膜形成工程は、直線矯正工程にて直線矯正された断面平角形状の長尺の金属導体2に、絶縁被膜3を形成する絶縁被膜形成工程である。この絶縁被膜形成工程においては、例えばエナメル線製造装置を用いて、絶縁被膜3を形成する。この絶縁被膜形成工程においては、通常、絶縁被膜3が所望の平均膜厚になるまで、エナメル塗料の塗布と焼付けが繰り返し行われる。エナメル塗料は、プローブ針1の説明箇所で既に説明した樹脂と有機溶媒とを混合して調製される。
切断工程は、絶縁被膜形成工程にて絶縁被膜3が形成された直線矯正済みの断面平角形状の長尺の金属導体2を、所定の長さに切断する工程である。この切断工程においては、例えば定尺切断装置等を用いて、焼付けエナメル被膜(絶縁被膜3)が形成された長尺の金属導体2を、その端部4a、4bが加工されることを考慮して所定の長さに切断する。
端部加工工程は、所定の長さに切断された絶縁被膜3付きの断面平角形状の金属導体2の端部4a、4bを所定の形状に加工する工程である。端部4aの先端部6及び端部4bは、通常その両方が研削等の加工手段により楔形状、断面半円形状、コーン形状又はフラット形状等に加工される。この端部加工工程には、研削加工等した後の端部(すなわち金属導体2が露出した端部4aの先端部6と端部4b)をめっき処理するめっき工程がサブ工程として含まれていてもよい。このめっき工程により、接触抵抗を低下させるためのめっき層を端部4aの先端部6及び端部4bに形成することができる。
更に、この端部加工工程は、プローブ針1の被測定体25側の端部4aにおいて、その先端部6を除く一定長さLの領域に、絶縁被膜3を除去して絶縁被膜除去部7を形成する絶縁被膜除去工程を有してもよい。この絶縁被膜除去部7と絶縁被膜3との間の段部5は、前述のようにストッパーとして機能する。絶縁被膜3の除去は、プローブ針1(又は絶縁被膜3付き金属導体2)の端部4aの絶縁被膜3をレーザー光の照射等により除去することで行うことができる。
この絶縁被膜3の除去は、プローブ針1の端部4aの先端部6を研削加工する前に行われてもよく、後に行われてもよい。この絶縁被膜3の除去は、端部4aの先端部6の研削加工後に行われる場合には、上記めっき工程の前に行われてもよく、後に行われてもよい。なお、この絶縁被膜3の除去は、プローブ針1を容易に製造する観点から、めっき工程後に行われることが好ましく、すなわち、絶縁被膜3付き金属導体2の端部4aの先端部6を研削加工し、金属導体2が露出した先端部6をめっき処理した後に行われることが好ましい。
次に、上述のプローブ針1の製造方法を具体的に説明する。
金属導体2として、長尺のベリリウム銅線(外径0.10mm)を用いる。また、絶縁被膜3用の塗料として、ポリウレタン樹脂系のエナメル塗料(東特塗料株式会社製、商品名;TPU5100)を用いる。
まず、ボビン等の線材供線装置から繰出されたベリリウム銅線からなる線材を、圧延装置にて、断面形状が縦寸法N=0.07mm、横寸法M=0.11mmの断面平角形状となるように圧延加工する。その後、エナメル線製造装置を使用して上記ポリウレタン系のエナメル塗料を塗布し焼付けして、絶縁皮膜3付きの線材を、仕上り寸法が縦寸法H=0.09mm、横寸法W=0.13mmの断面平角形状となるように加工する。
次に、絶縁被膜3が形成された長尺の断面平角形状の線材を切断して、長さ26mmの絶縁被膜3付き金属導体2を切り出し、その絶縁被膜3付き金属導体2の端部4aの先端部6及び端部4bを研削加工することにより、片側に斜面を有する楔形状に加工してプローブ針1を作製する。
次に、研削加工により露出した金属導体2の端部4aの先端部6及び端部4bにめっき処理を施して、ニッケルめっき層(膜厚1.7μm)及び金めっき層(膜厚0.3μm)からなる2層のめっき層(総膜厚2μm)を形成する。この2層のめっき層は、金属導体2の露出部分を脱脂処理及び酸洗い処理等の前処理を行った後、ニッケルめっき液(上村工業株式会社製、商品名;BEL−801)で無電解めっき処理を施し、次いで金めっき液(メルテックス株式会社製、商品名;Au−601)で無電解めっき処理を施して形成する。
最後に、レーザー光照射装置(キーエンス社製、型番;ML−9110)を用いて、プローブ針1の端部4aにおいて、先端部6を除く長さL=2mmの領域の一部(図1(B)の上側及び両横側)について絶縁被膜3を除去し、絶縁被膜除去部7を形成してプローブ針1(長さ25mm)を作製する。
(一実施形態の効果)
以上のように構成されたことから、上記の一実施形態によれば次の効果(1)〜(5)を奏する。
(1)金属導体2の断面形状、すなわちプローブ針1の断面形状が平角形状に形成されたことから、プローブ針1の2本を一対としてプローブユニット100のガイド板21における一つのガイド穴27に挿入して装着したときにも、各プローブ針1の断面積を断面円形状のプローブ針に比べて増大させることができるので、各プローブ針1の弾性力を十分に確保できる。このため、被測定体25の電極26の表面に形成された酸化膜等の絶縁膜をプローブ針1が容易に突き破ることができるので、プローブ針1と電極26との接触抵抗値が低下し、小さな電極25を備えた被測定体25であっても、この被測定体25の一つの電極26に一対のプローブ針1を同時に接触させる4端子抵抗測定法によって、被測定体25の電気的特性(例えば、被測定体25である回路基板の直流抵抗値等)を正確に測定することができる。このため、このプローブ針1は低抵抗の被測定体の検査に好適に用いられる。
(2)金属導体2の断面形状、すなわちプローブ針1の断面形状が平角形状に形成されたことから、このプローブ針1が不必要に自転することがないため、例えば片側に斜面を有する楔形のプローブ針1の先端部6を、互いに隣り合う一対のプローブ針1、1において最短距離に容易に設定でき、4端子抵抗測定法を好適に実施できる。
(3)プローブ針1の先端部6側には、絶縁皮膜3の一部が除去されて絶縁皮膜除去部7が形成され、この絶縁皮膜除去部7と絶縁皮膜3との間に段部5が設けられたことから、プローブ針1の2本を一対としてプローブユニット100のガイド板21における一つのガイド穴27に挿入する際に、段部5がガイド穴27の周縁に係止してストッパとして機能することにより、プローブ針1がプローブユニット100から脱落することを防止できる。
(4)金属導体2の断面形状、すなわちプローブ針1の断面形状が平角形状に形成されたことから、これらのプローブ針1の2本を一対としてプローブユニット100のガイド板21における一つのガイド穴27に挿入し、一対のプローブ針1、1の先端部6を被測定体25の一つの小さな電極26に同時に接触させることができるので、断面円形状のプローブ針の外形を細くし、且つこの1本のプローブ針を挿通するプローブユニットの一つの穴の径を小さくし、更にこの穴のピッチを極力接近させて、1本のプローブ針を被測定体25の一つの小さな電極26に接触させる場合に比べ、プローブ針1及びプローブユニット100の製造が容易となり、それらの製造コストを低減できる。
(5)長尺の金属導体2を圧延して断面平角形状に加工する圧延工程と、断面平角形状の金属導体2に絶縁被膜3を形成する絶縁被膜形成工程と、絶縁被膜3が形成された長尺の断面平角形状の金属導体2を所定長さに切断する切断工程と、所定長さに切断された絶縁被膜3付き断面平角形状の金属導体2の端部4a、4bを所定形状に加工する端部加工工程とを有することから、断面平角形状のプローブ針1を容易に製造できる。この結果、プローブ針1の製造歩留まりを向上させることができるので、プローブ針1の製造コストを低減できる。
〔B〕他の実施形態(図4)
図4は、本発明に係るプローブ針の使用方法の他の実施の形態、つまりこのプローブ針を備えたプローブユニットを用いて被測定体の電気的特性を検査する方法を示す模式的な断面図である。この他の実施の形態において、前記一実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この他の実施の形態のプローブ針11では、被測定体25の電極26に接触する側の端部4aには絶縁皮膜除去部7が形成されず、金属導体2が露出して所定形状に研削加工された先端部6のみが形成されている。
従って、このプローブ針11を製造する製造工程における端部加工工程においても、レーザー光の照射等により端部4a側の絶縁被膜3を除去して絶縁皮膜除去部7を形成する絶縁皮膜除去工程が含まれず、この端部加工工程では、端部4aの先端部6及び端部4bの研削加工と、これらの端部4aの先端部6及び端部4bへのめっき工程を実施する。
プローブ針11を用いて被測定体25の電気的特性を検査する際には、このプローブ針11の2本を一対として、これらの端部4a側をプローブユニット100のガイド板21における一つのガイド穴12に挿入し、端部4b側をプローブユニット100のガイド板22における一つのガイド穴28に挿入して、一対のプローブ針11をプローブユニット100に装着する。ここで、ガイド穴12は、ガイド穴28と同様に、2本が一対となったプローブ針11の縦寸法2H及び横寸法W(図2(B)参照)よりも若干大きな径に設定されている。
そして、一対のそれぞれのプローブ針11における端部4b側部分で、ガイド板22のガイド穴28からリード線24側へ延出した部分を外側に屈曲させ、この屈曲部分13をガイド穴28の周縁に係止させてストッパとして機能させる。この2本一対のプローブ針11における屈曲部分13のストッパ機能により、プローブ針11がプローブユニット100のガイド板21及び22から脱落することが防止される。この状態で、プローブユニット100を被測定体25の方向に移動させ、2本一対のプローブ針11の先端部6を被測定体25の一つの電極26に同時に接触させて、4端子抵抗測定法により、被測定体25の電気的特性である直流抵抗値を測定する。
上述のように構成されたことから、上記の他の実施形態によっても、前記一実施の形態の効果(1)、(2)、(4)及び(5)と同様な効果を奏する他、次の効果(6)〜(8)を奏する。
(6)プローブユニット100のガイド板21における一つのガイド穴12とガイド板22における一つのガイド穴28に挿入した2本を一対とするプローブ針11は、先端部6を備えた端部4aに対して反対の端部4b(リード線24側の端部)側の部分で、ガイド板22のガイド穴28からリード線24側へ延出した部分を屈曲させ、この屈曲部分13をガイド板22のガイド穴28の周縁に係止させることから、この屈曲部分13がストッパとして機能し、一対のプローブ針11がプローブユニット100のガイド板21及び22から脱落することを防止できる。
(7)プローブ針11において、端部4b側の部分でプローブユニット100におけるガイド板22のガイド穴28からリード線24側へ延出した部分を外側に屈曲して屈曲部分13を形成したことから、リード線24のピッチPを広く設定できるので、保持板23のリード線穴29の穴径を大きく形成できると共に、太いリード線24を使用することができる。この結果、リード線穴29の穴あけ加工や、リード線24をリード線穴29に挿入するアッセンブリ作業を容易化できるので、プローブユニット100の製造コストを低減できる。
(8)プローブ針11において、端部4b側の部分がプローブユニット100におけるガイド板22のガイド穴28からリード線24側へ延出した部分を外側に屈曲して屈曲部分13を形成したことから、一対のプローブ針11において、リード線24側の端部4bの間隔を広く設定できるので、一対のうちの一方のプローブ針11の端部4bが、他方のプローブ針11の端部4bに接触する事態を確実に回避できる。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記の他の実施形態においては、プローブ針11にもプローブ針1と同様に、端部4aに絶縁皮膜除去部7を設け、この絶縁皮膜除去部7と絶縁被膜3との間の段部5にストッパ機能を発揮させるとともに、プローブ針11においてガイド板22のガイド穴28からリード線24側に延出した部分の屈曲部分13にもストッパ機能を発揮させて、プローブ針11のプローブユニット100からの脱落を防止させてもよい。ただし、プローブ針11に絶縁皮膜除去部7を形成せず、屈曲部分13のみによってプローブ針11にストッパ機能を発揮させる場合の方が、プローブ針11の製造コストを低減できる。
本発明のプローブ針の一実施形態を示す模式図である。 図1のプローブ針を2本一対とした状態を示す模式図である。 図1及び図2のプローブ針の使用方法の一実施形態、つまりこのプローブ針を備えたプローブユニットを用いて被測定体の電気的特性を検査する方法を示す模式的な断面図である。 本発明に係るプローブ針の使用方法の他の実施の形態、つまりこのプローブ針を備えたプローブユニットを用いて被測定体の電気的特性を検査する方法を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1、11 プローブ針
2 金属導体
3 絶縁被膜
4a、4b 端部
5 段部
6 先端部
7 絶縁皮膜除去部
13 屈曲部分
21、22 ガイド板
23 リード線用の保持板
24 リード線
25 被測定体
26 電極
27、28 ガイド穴
100 プローブユニット(検査装置用治具)
H 縦寸法
W 横寸法
L 長さ

Claims (5)

  1. 先端部を被測定体の電極に接触させて当該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針であって、金属導体と当該金属導体に設けられた絶縁被膜とを有し、前記金属導体の断面形状が平角形状であることを特徴とするプローブ針。
  2. 前記被測定体の電極に接触する先端部は、絶縁皮膜から露出した金属導体で形成され、この先端部側の前記絶縁皮膜の一部又は全部が除去されて絶縁皮膜除去部が形成され、この絶縁皮膜除去部と前記絶縁皮膜との間に段部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のプローブ針。
  3. 請求項1又は2に記載のプローブ針を2本一対として検査装置用治具の一つの穴に挿入し、これら一対のプローブ針の先端部を被測定体の一つの電極に同時に接触させる4端子抵抗測定法で、前記被測定体の電気的特性を測定することを特徴とするプローブ針の使用方法。
  4. 検査装置用治具の一つの穴に挿入した2本を一対とするプローブ針は、先端部を備えた端部に対して反対の端部側を屈曲させ、この屈曲部分を前記穴の周縁に係止させることを特徴とする請求項3に記載のプローブ針の使用方法。
  5. 先端部を被測定体の電極に接触させて当該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針の製造方法であって、長尺の導体を圧延して断面平角形状に加工する導体加工工程と、前記断面平角形状の導体に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記絶縁被膜が形成された長尺の断面平角形状の導体を所定長さに切断する切断工程と、前記所定長さに切断された絶縁被膜付き断面平角形状の導体の端部を所定形状に加工する端部加工工程と、を有することを特徴とするプローブ針の製造方法。
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