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JP2015132309A - フォイル軸受 - Google Patents

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JP2015132309A
JP2015132309A JP2014003584A JP2014003584A JP2015132309A JP 2015132309 A JP2015132309 A JP 2015132309A JP 2014003584 A JP2014003584 A JP 2014003584A JP 2014003584 A JP2014003584 A JP 2014003584A JP 2015132309 A JP2015132309 A JP 2015132309A
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真人 吉野
藤原 宏樹
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Abstract

【課題】軸の回転時にフォイルを所望の形状に変形させて、流体圧を効率良く高める。
【解決手段】本発明のフォイル軸受1は、各フォイル20の前端21aを含む領域が、ラジアル軸受面S1を有するトップフォイル部Aを構成すると共に、各フォイル20の後端21bを含む領域が、隣接するフォイル20のトップフォイル部Aを背後から支持するバックフォイル部Bを構成する。各フォイル20の後端21bは、軸方向両端側から軸方向中央側へ向けて周方向一方側へ傾斜した一対の傾斜部21b1を有する。各フォイル20のバックフォイル部Bの軸方向中間部に、その軸方向両側の領域よりも圧縮応力に対する強度が低い脆弱部Pを設ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、フォイル軸受に関する。
ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械の主軸を支持する軸受には、高温・高速回転といった過酷な環境に耐え得ることが要求される。このような条件下での使用に適合する軸受として、フォイル軸受が着目されている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する薄膜(フォイル)で軸受面を構成し、軸受面のたわみを許容することで荷重を支持するものである。軸の回転時には、軸の外周面とフォイルの軸受面との間に流体膜(例えば空気膜)が形成され、軸が非接触支持される。
例えば、下記特許文献1には、図11に示すようなフォイル112を有するフォイル軸受(ラジアルフォイル軸受)が示されている。各フォイル112の周方向一方の端部(以下、前端112a)及び周方向他方の端部(以下、後端112b)は、軸方向両端から軸方向内側へ向けて周方向一方側(軸回転方向先行側)に傾斜した、いわゆるヘリングボーン形状を成している。図12に示すように、各フォイル112の前端112aは自由端とされ、各フォイル112の前端112aを含む領域は、軸受面を有するトップフォイル部A’として機能する。各フォイル112の後端112bを含む領域は、隣接するフォイル112のトップフォイル部A’を背後から支持するバックフォイル部B’として機能する。尚、特許文献1では、複数のフォイル112が連結部で連結されているが、図11では連結部を省略して示している。また、図11及び図12では、理解しやすいように、フォイル112を3枚のみ示し、各フォイル112を軸方向(図中上下方向)に少しずらして示している。
特開2013−79719号公報
上記のフォイル軸受に支持された軸102が回転すると、軸受隙間の流体の圧力が高まる。この流体圧で、各フォイル112のトップフォイル部A’が、その背後のバックフォイル部B’に押し付けられる。これにより、図13に示すように、各フォイル112のトップフォイル部A’が、バックフォイル部B’に設けられたヘリングボーン形状の後端112bに倣って湾曲し、各フォイル112が、バックフォイル部B’の軸方向中央部B1を底としてトップフォイル部A’の先端及び軸方向両端が反り上がった舟形に変形する。このように、各フォイル112を舟形に変形させることで、軸受隙間を流れる流体が軸受面に沿って軸方向中央部に集められ(鎖線矢印参照)、流体圧が効率良く高められる。
上記のように各フォイル112を舟形に湾曲させようとすると、バックフォイル部Bの軸方向中央部B1に軸方向両側から圧縮応力が加わる。このとき、軸方向中央部B1が突っ張ることで、バックフォイル部Bの変形が阻害され、特に、軸の低速回転時などの軸受隙間の流体圧が比較的低いときに、各フォイル112を舟形に変形させることができない恐れがある。
上記のような問題は、軸をラジアル方向に支持するラジアルフォイル軸受に限らず、軸に設けられたスラストカラーをスラスト方向に支持するスラストフォイル軸受においても同様に生じる。
本発明が解決すべき技術的課題は、軸の回転時に、フォイル軸受のフォイルを所望の形状に変形させて、流体圧を効率良く高めることにある。
前記課題を解決するためになされた本発明のフォイル軸受(ラジアルフォイル軸受)は、内周に、周方向一方に回転する軸が挿入されたフォイルホルダと、前記フォイルホルダの内周面に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部が自由端とされ、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、ラジアル軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルの前記トップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部を構成し、各フォイルの周方向他方の端部が、軸方向両端側から軸方向中央側へ向けて周方向一方側に傾斜した一対の傾斜部を有し、各フォイルの前記バックフォイル部の軸方向中間部に、その軸方向両側の領域よりも圧縮応力に対する強度が低い脆弱部を設けたことを特徴とするものである。
また、前記課題を解決するためになされた本発明のフォイル軸受(スラストフォイル軸受)は、周方向一方に回転する軸に設けられたスラストカラーと軸方向で対向するフォイルホルダと、前記フォイルホルダの端面に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部が自由端とされ、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、スラスト軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルの前記トップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部を構成し、各フォイルの周方向他方の端部が、半径方向両端側から半径方向中央側へ向けて周方向一方側に傾斜した一対の傾斜部を有し、各フォイルの前記バックフォイル部の半径方向中間部に、その半径方向両側の領域よりも圧縮応力に対する強度が低い脆弱部を設けたことを特徴とするものである。
このように、本発明のフォイル軸受では、各フォイルのバックフォイル部の中間部(ラジアルフォイル軸受では軸方向中間部、スラストフォイル軸受では半径方向中間部)に脆弱部を設けた。すなわち、軸の回転に伴って軸受隙間に生じる流体圧により、各フォイルが、その背後のバックフォイル部に設けられたヘリングボーン形状の端部(傾斜部)に押し付けられた際、圧縮応力が加わる各フォイルのバックフォイル部の中間部に脆弱部を設けた。これにより、軸受隙間の流体圧が比較的低い場合でも、各フォイルの脆弱部を容易に圧縮変形させることができるため、各フォイルを所望の形状(舟形)に変形させることが可能となる。
例えば、バックフォイル部に周方向に延びるスリットを形成することにより、脆弱部を構成することができる。この場合、スリットの互いに対向する内壁を離隔させれば、脆弱部に圧縮応力が加わったときに、両内壁を互いに接近させることで、脆弱部を容易に変形させることができる。また、バックフォイル部の周方向他方の端部は、特に圧縮応力が加わりやすいため、上記のスリットは、各フォイルの周方向他方の端部まで達するように形成することが好ましい。
以上のように、本発明のフォイル軸受によれば、各フォイルのバックフォイル部に脆弱部を設けることで、軸の回転時に各フォイルを所望の形状に変形させて、流体圧を効率良く高めることができる。
本発明の一実施形態に係るフォイル軸受としてのラジアルフォイル軸受の断面図である。 上記ラジアルフォイル軸受に組み込まれるフォイルの平面図である。 上記ラジアルフォイル軸受の内周面の平面展開図である。 図3のIV−IV線における断面図であり、(A)図は軸停止時、(B)図は軸回転時の状態を示す。 上記フォイルが舟形に変形する様子を示す斜視図である。 (A)図は、舟形に変形した上記フォイルの平面図であり、(B)図は(A)図の拡大図である。 本発明の一実施形態に係るフォイル軸受としてのスラストフォイル軸受の断面図である。 上記スラストフォイル軸受の平面図である。 上記スラストフォイル軸受に組み込まれるフォイルの平面図である。 上記スラストフォイル軸受の断面図であり、(A)図は軸停止時、(B)図は軸回転時の状態を示す。 従来のフォイル軸受に組み込まれるフォイルの平面図である。 上記フォイル軸受の断面図である。 図11のフォイルが舟形に変形する様子を示す斜視図である。
図1に、本発明の一実施形態にかかるフォイル軸受としてのラジアルフォイル軸受1を示す。このラジアルフォイル軸受1は、例えばターボ機械の一種であるガスタービンに組み込まれ、周方向一方に回転する軸2をラジアル方向に支持するものである。ラジアルフォイル軸受1は、内周に軸2が挿入された筒状(図示例では円筒状)のフォイルホルダ10と、フォイルホルダ10の内周面11に周方向に並べて取り付けられた複数(図示例では8枚)のフォイル20とを備える。
フォイル20は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度の金属フォイルで形成される。金属フォイルとしては、ステンレス鋼もしくは青銅製のものを使用するのが好ましい。
各フォイル20は、図2に示すように、本体部21と、本体部21の軸方向一方側(図中上側)に設けられた固定部22とを一体に有する。各フォイル20の固定部22は、フォイルホルダ10の内周面11に溶接等の適宜の手段で固定される。本体部21の周方向一方の端部(以下、前端21a)及び周方向他方の端部(以下、後端21b)は、何れもヘリングボーン形状を成している。具体的に、前端21aは、軸方向両端から軸方向中央側へ向けて周方向一方側へ傾斜した一対の傾斜部21a1を有する。一対の傾斜部21a1の間には、これらを滑らかに連続する略円弧状の頂部21a2が設けられる。後端21bは、軸方向両端から軸方向中央側へ向けて周方向一方側へ傾斜した一対の傾斜部21b1を有する。一対の傾斜部21b1の間には、これらを滑らかに連続する略円弧状の頂部21b2が設けられる。図示例では、後端21bの頂部21b2が、後述するスリット21cにより分断されている。尚、前端21a及び後端21bの形状は上記に限らず、例えば、一対の傾斜部21a1や一対の傾斜部21b1を、軸方向の直線状の頂部で連結してもよい。あるいは、一対の傾斜部21a1や一対の傾斜部21b1を直接連結してもよい。
図3及び図4(A)に示すように、各フォイル20の本体部21の前端21aは、隣接するフォイル20の本体部21の上(内径側)に配される。各フォイル20の前端21aを含む領域は、ラジアル軸受面S1を有するトップフォイル部Aを構成する。複数のフォイル20のラジアル軸受面S1は、周方向全周に連続して設けられる。一方、各フォイル20の後端21bを含む領域は、隣接するフォイル20のトップフォイル部Aを背後(外径側)から支持するバックフォイル部Bを構成する。各フォイル20のバックフォイル部Bは、隣接するフォイル20のトップフォイル部Aとフォイルホルダ10との間に配される。
図2に示すように、各フォイル20のバックフォイル部Bの軸方向中間部には、脆弱部Pが設けられる。脆弱部Pは、その軸方向両側の領域よりも圧縮応力に対する強度(以下、圧縮強度)が低く、特に軸方向の圧縮強度が低い。本実施形態では、バックフォイル部Bの軸方向中央部に、周方向に延びるスリット21cを形成することで、脆弱部Pの圧縮強度を低下させている。スリット21cの互いに対向する内壁21c1は、軸方向に離隔している。スリット21cは、本体部21の後端21bまで達している。図示例のスリット21cは、本体部21の後端21bの頂部21b2から周方向一方側に延びている。スリット21cは、トップフォイル部Aには達しておらず、バックフォイル部Bの領域内に形成される(図3参照)。
軸2が回転すると、図4(B)に示すように、各フォイル20のラジアル軸受面S1と軸2の外周面2aとの間に形成されるラジアル軸受隙間Rの流体(例えば空気)の圧力が高められ、この流体圧により軸2がラジアル方向に非接触支持される。このとき、フォイル20が有する可撓性により、各フォイル20のラジアル軸受面S1が、荷重や軸2の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて任意に変形するため、ラジアル軸受隙間Rは運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、ラジアル軸受隙間Rを最適幅に管理することができ、軸2を安定して支持することが可能となる。
このとき、ラジアル軸受隙間Rの流体圧により、各フォイル20が外径側に押し付けられる。これにより、図5に示すように、各フォイル20が、その背後(外径側)に配されたバックフォイル部Bのヘリングボーン形状の後端21b(傾斜部21b1)に沿って舟形に変形する。具体的には、各フォイル20のトップフォイル部Aの前端21a及び軸方向両端が内径側に反り上がる。これにより、軸2の回転に伴ってラジアル軸受隙間Rを流れる流体が、トップフォイル部Aに沿って軸方向中央側に集められ(図6の鎖線矢印参照)、軸方向中央部における流体圧が効率的に高められる。
このように各フォイル20が舟形に変形する際、バックフォイル部Bの軸方向中央部には、図6(A)に矢印で示すように軸方向両側から圧縮応力が加わる。本実施形態では、バックフォイル部Bの軸方向中央部に脆弱部Pを設けているため、この脆弱部Pが上記の圧縮応力により容易に変形する。具体的には、図6(B)に示すように、スリット21cの軸方向両側の内壁21c1が互いに接近することで、脆弱部Pが軸方向に圧縮変形する。図示例では、スリット21cが、圧縮応力が加わりやすい本体部21の後端21bまで達しているため、脆弱部Pの圧縮変形がより一層促される。以上により、軸2が低速で回転するときでも、各フォイル20を舟形に変形させ、ラジアル軸受隙間Rの流体圧を効率良く高めて軸2を非接触支持することが可能となる。
尚、各フォイル20のラジアル軸受面S1及び軸2の外周面2aの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、フォイル20の外径面及びフォイルホルダ10の内周面11の何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
次に、本発明を適用したスラストフォイル軸受について説明する。
図7及び図8に、本発明の一実施形態に係るフォイル軸受としてのスラストフォイル軸受3を示す。このスラストフォイル軸受3は、例えばターボ機械の一種であるガスタービンに組み込まれ、周方向一方に回転する軸2に取り付けられたスラストカラー4をスラスト方向に支持するものである。スラストフォイル軸受3は、フォイルホルダ30と、フォイルホルダ30に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイル40とを備える。
フォイルホルダ30の端面31は、スラストカラー4の端面4aと軸方向に対向している。フォイルホルダ30は、軸心に穴を有する円盤状を成している。尚、以下では、説明の便宜上、各フォイル40に対して、軸方向でスラストカラー4側を上方、フォイルホルダ30側を下方と言うが、これはスラストフォイル軸受3の使用態様を限定する趣旨ではない。本実施形態では、図7に示すように、軸2が水平方向に配される。
フォイル40の材質や厚さは、上記のラジアルフォイル軸受1のフォイル20と同様である。各フォイル40は、図9に示すように、本体部41と、本体部41の外径側に設けられた固定部42とを一体に有する。各フォイル40の固定部42は、フォイルホルダ30の端面31に溶接等の適宜の手段で固定される。本体部41の周方向一方の端部(以下、前端41a)及び周方向他方の端部(以下、後端41b)は、何れもヘリングボーン形状を成している。具体的に、前端41aは、軸方向両端から軸方向中央側へ向けて周方向一方側へ傾斜した一対の傾斜部41a1を有する。一対の傾斜部41a1の間には、これらを滑らかに連続する略円弧状の頂部41a2が設けられる。後端41bは、軸方向両端から軸方向中央側へ向けて周方向一方側へ傾斜した一対の傾斜部41b1を有する。一対の傾斜部41b1の間には、これらを滑らかに連続する略円弧状の頂部41b2が設けられる。
図10(A)に示すように、各フォイル40の本体部41の前端41aは、隣接するフォイル40の本体部41の上(スラストカラー4側)に配される。各フォイル40の前端41aを含む領域は、スラスト軸受面S2を有するトップフォイル部Aを構成する。複数のフォイル40のスラスト軸受面S2は、周方向全周に連続して設けられる。一方、各フォイル40の後端41bを含む領域は、隣接するフォイル40のトップフォイル部Aを背後(下方)から支持するバックフォイル部Bを構成する。各フォイル40のバックフォイル部Bは、隣接するフォイル40のトップフォイル部Aとフォイルホルダ30との間に配される。
図9に示すように、各フォイル40のバックフォイル部Bの半径方向中間部には、脆弱部Pが設けられる。脆弱部Pは、その半径方向両側の領域よりも半径方向の圧縮強度が低い。本実施形態では、バックフォイル部Bの半径方向中間部に、周方向に延びるスリット41cを形成することで、脆弱部Pの圧縮強度を低下させている。スリット41cの互いに対向する内壁は、半径方向に離隔している。スリット41cは、本体部41の後端41bまで達している。図示例では、スリット41cが、本体部41の後端41bの頂部41b2から周方向一方側に延びている。スリット41cは、トップフォイル部Aには達しておらず、バックフォイル部Bの領域内に形成される。
軸2が回転すると、図10(B)に示すように、各フォイル40のスラスト軸受面S2とスラストカラー4の端面4aとの間に形成されるスラスト軸受隙間Tの流体(例えば空気)の圧力が高められ、この流体圧によりスラストカラー4及び軸2がスラスト方向一方に非接触支持される。このとき、スラスト軸受隙間Tの流体圧により、各フォイル40が下方(フォイルホルダ30側)に押し付けられる。これにより、各フォイル40が、その背後(下方)に配されたバックフォイル部Bのヘリングボーン形状の後端41b(傾斜部41b1)に沿って舟形に変形する(図示省略)。具体的には、各フォイル40のトップフォイル部Aが、前端41a及び軸方向両端が内径側に反り上がる。これにより、軸2の回転に伴ってスラスト軸受隙間Tを流れる流体が、トップフォイル部Aに沿って半径方向中央側に集められ、半径方向中央部における流体圧が効率的に高められる。
このように各フォイル40が舟形に変形する際、バックフォイル部Bの半径方向中間部には、半径方向両側から圧縮応力が加わる。本実施形態では、バックフォイル部Bの半径方向中間部に脆弱部Pが設けられているため、この脆弱部Pが上記の圧縮応力により容易に変形する。具体的には、スリット41cの半径方向両側の内壁が互いに接近することで、脆弱部Pが半径方向に圧縮変形する。これにより、軸2の回転速度が遅いときでも、各フォイル40を舟形に変形させ、スラスト軸受隙間Tの流体圧を効率良く高めて軸2を非接触支持することができる。
尚、各フォイル40のスラスト軸受面S2及びスラストカラー4の端面4aの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、フォイル40の下面及びフォイルホルダ30の端面31の何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、フォイル20,40のバックフォイル部Bにスリット21c,41cを設けることで、脆弱部Pを形成する場合を示したが、これに限られない。例えば、バックフォイル部を厚さ方向に貫通する複数の穴を形成したり、バックフォイル部を部分的に薄肉化したりすることで、脆弱部Pを形成することもできる。
本発明にかかるフォイル軸受は、ガスタービンや過給機等のターボ機械に限らず、自動車等の車両用軸受、さらには産業機器用の軸受として広く使用することが可能である。
また、以上に説明した各フォイル軸受は、圧力発生流体として空気を使用した空気動圧軸受であるが、これに限らず、圧力発生流体としてその他のガスを使用することもでき、あるいは水や油などの液体を使用することもできる。
1,3 フォイル軸受
2 軸
4 スラストカラー
10,30 フォイルホルダ
20,40 フォイル
21,41 本体部
21a,41a 前端
21b,41b 後端
21c,41c スリット
22,42 固定部
A トップフォイル部
B バックフォイル部
P 脆弱部
R ラジアル軸受隙間
T スラスト軸受隙間
S1 ラジアル軸受面
S2 スラスト軸受面

Claims (5)

  1. 内周に、周方向一方に回転する軸が挿入されたフォイルホルダと、前記フォイルホルダの内周面に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部が自由端とされ、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、ラジアル軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルの前記トップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部を構成するフォイル軸受であって、
    各フォイルの周方向他方の端部が、軸方向両端側から軸方向中央側へ向けて周方向一方側に傾斜した一対の傾斜部を有し、
    各フォイルの前記バックフォイル部の軸方向中間部に、その軸方向両側の領域よりも圧縮応力に対する強度が低い脆弱部を設けたことを特徴とするフォイル軸受。
  2. 周方向一方に回転する軸に設けられたスラストカラーと軸方向で対向するフォイルホルダと、前記フォイルホルダの端面に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部が自由端とされ、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、スラスト軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルの前記トップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部を構成するフォイル軸受であって、
    各フォイルの周方向他方の端部が、半径方向両端側から半径方向中央側へ向けて周方向一方側に傾斜した一対の傾斜部を有し、
    各フォイルの前記バックフォイル部の半径方向中間部に、その半径方向両側の領域よりも圧縮応力に対する強度が低い脆弱部を設けたことを特徴とするフォイル軸受。
  3. 前記バックフォイル部に周方向に延びるスリットを形成することにより、前記脆弱部を構成した請求項1又は2記載のフォイル軸受。
  4. 前記スリットの互いに対向する内壁を離隔させた請求項3記載のフォイル軸受。
  5. 前記スリットが、各フォイルの周方向他方の端部まで達している請求項3又は4記載のフォイル軸受。
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