JP2015130933A - 歩行器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2の歩行器は、全ての姿勢制御がセンサに基づく電動アクチュエータの制御によっているため、姿勢制御の遅延、コスト高等の懸念がある。
また、特許文献3の歩行器は、階段のように左車輪と右車輪との間で高低差がない場合には対応できるが、左車輪と右車輪の一方が凸部に乗り上げたり凹部に入り込んだりしたときに、左車輪と右車輪との間で高低差が生じ、歩行器が左右に傾いて不安定となる。
右車輪は、ベースフレームの右側に回動可能に軸着された前後方向に延びる右ロッカアームと、右ロッカアームに左右軸線回りに回転可能に設けられた複数の車輪とから構成された右車輪列である態様を例示できる。
右車輪は、ベースフレームの右側にアーム中間部がベース軸により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる右第1ロッカアームと、右第1ロッカアームの前端部にアーム中間部がアーム間軸により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる右第2ロッカアームと、右第2ロッカアームの前端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右前輪と、右第2ロッカアームの後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右中央輪と、右第1ロッカアームの後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右後輪とから構成された右車輪列である態様を例示できる。
左車輪列10は、ベースフレーム2の左側にアーム中間部がベース軸13により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる左第1ロッカアーム11と、左第1ロッカアーム11の前端部にアーム中間部がアーム間軸14により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる左第2ロッカアーム12と、左第2ロッカアーム12の前端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた左前輪15と、左第2ロッカアーム12の後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた左中央輪17と、左第1ロッカアーム11の後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた左後輪18とから構成され、
右車輪列20は、ベースフレーム2の右側にアーム中間部がベース軸13により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる右第1ロッカアーム21と、右第1ロッカアーム21の前端部にアーム中間部がアーム間軸14により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる右第2ロッカアーム22と、右第2ロッカアーム22の前端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右前輪25と、右第2ロッカアーム22の後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右中央輪27と、右第1ロッカアーム21の後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右後輪28とから構成され、
左中央輪17が左電動モータ16によって駆動される駆動輪であり、右中央輪27が右電動モータ26によって駆動される駆動輪であり、
反転連動機構30は、左右方向中央部が、ベースフレーム2に固定された支持軸31に対して前後軸線回りに回動可能に軸着され、左端部が左ロッカアームに連結され、右端部が右ロッカアームに連結されたバランスリンク32を用いたリンク式反転連動機構である。
ベースフレーム2は、図示例ではシャフト状のものであるが、これに限定されず、例えば板状、アングル状等のものでもよい。支柱3は、図示例ではベースフレーム2の左右各端部に固定されて上方へ延びる2本のポール4と、各ポール4の上端から後方へ延びるハンドル5と、両ポール4の高さ方向中間部を連結する連結バー6とからなるものである。連結バー6は、後述する椅子45の背当としても機能するものであり、クッション材7が装着されている。なお、支柱3はこれに限定されず、例えばベースフレーム2の左右方向中央部に固定されて上方へ延びる1本のポール4と、ポール4の上端から左右に延びるバーと、バーの左右各端部から後方へ延びるハンドル5とからなるものでもよい。
左車輪列10は、ベースフレーム2の左側にアーム中間部がベース軸13により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる左第1ロッカアーム11と、左第1ロッカアーム11の前端部にアーム中間部がアーム間軸14により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる左第2ロッカアーム12と、左第2ロッカアーム12の前端部にブラケットを介して左右軸線回りに回転可能に軸着された左前輪15と、左第2ロッカアーム12の後端部に左右軸線回りに回転する左電動モータ16を介して取り付けられた左中央輪17と、左第1ロッカアーム11の後端部にブラケットを介して左右軸線回りに回転可能に軸着された左後輪18とから構成されている。従って、左前輪15と左後輪18がフリーキャスターであり、左中央輪17が駆動輪であり、駆動輪によって左車輪列10が持ち上がるのを防止している。なお、左車輪列10はこれに限定されず、例えば左前輪15及び左中央輪17をフリーキャスターとし、左後輪18を駆動輪とすることもできる。
反転連動機構30はリンク式反転連動機構であり、ベースフレーム2の左右方向中央部から支柱折畳用機構35を介して前方へ突出した支持軸31と、ベースフレーム2の前方に配され、左右方向に延び、左右方向中央部が支持軸31の前端部に前後軸線回りに回動可能に軸着されたバランスリンク32と、バランスリンク32の左端部を左第1ロッカアーム11又は左第2ロッカアーム12におけるベース軸13よりも前方の位置に連結する左連結具33と、バランスリンク32の右端部を右第1ロッカアーム21又は右第2ロッカアーム22におけるベース軸23よりも前方の位置に連結する右連結具34とから構成されている。図示例の左連結具33及び右連結具34は、それぞれバランスリンク32の左端部及び右端部を、アーム間軸14,24の箇所で左第2ロッカアーム12及び右第2ロッカアーム22に連結している。
支柱折畳用機構35は、前記支持軸31を備えると共にベースフレーム2に相対回動可能に外挿された支持部36と、ベースフレーム2に相対回動しないように固定された固定部37と、プランジャ本体38aが固定部37に挿入されてピン38bが支持部36のピン38b受け穴36aに進入可能なインデックスプランジャ38とからなる。
図7(a)のように、インデックスプランジャ38を押して、ピン38bを支持部36のピン38b受け穴36aに進入させると、支持部36と固定部37とが連結される。これにより、支持部36に対してベースフレーム2が相対回動しない状態になるので、ベースフレーム2から延びる支柱3が起立状態に維持される。
また、図7(b)のように、インデックスプランジャ38を引いて、ピン38bを支持部36のピン38b受け穴36aから退出させると、支持部36と固定部37とが切離される。これにより、支持部36に対してベースフレーム2が相対回動可能な状態になるので、図7(c)及び図8のように、ベースフレーム2から延びる支柱3を後方へ回動させて倒せば、折畳状態にできる。
支柱3には制御ボックス40が、支柱3と並んで起立した状態と、後方へ倒して略水平にした状態とに変更できるように、左右軸線回りに回動可能に取り付けられている。この制御ボックス40に、左電動モータ16及び右電動モータ26のモータ電源であるバッテリ(図示略)と、モータ制御部(図示略)とが納められている。また、ハンドル5にはブレーキレバー8が設けられ、ブレーキレバー8にはスイッチ、ポテンショメータ、ロータリーエンコーダ等の電気的センサ(図示略)が設けられている。制御ボックス40と各電動モータ及び電気的センサとは、支柱3及び各ロッカアームの内部を通した配線によって接続されている。
制御ボックス40の起立状態における正面側には、椅子45(座部)が平行に取り付けられている(このとき椅子45は折畳状態)。従って、制御ボックス40の水平状態では、椅子45は制御ボックス40の上方で略水平状態(使用状態)となり座部として機能する。またこのとき、前記支柱3の連結バー6及びクッション材7は、椅子45の背当として機能する。図示例の椅子45は、パイプフレーム46に座面シート47を張ったものである。座面シート47を、乾きやすいメッシュ地やキャンバス地としたり、撥水性にしたりすることで、降雨後の再使用を早くできる。
前記支柱3の連結バー6には、荷物かご48が着脱可能に取り付けられている。荷物かご48は制御ボックス40及び椅子45のさらに前方に位置する。
(1)基本的操作
使用者は、左右のハンドル5を握って歩行器1を前方へ軽く押すと、それをセンサ(図示略)が検知し、制御部はその押す力に応じた速度で電動モータ16,26を回転させる。左のハンドル5を押す力と右のハンドル5を押す力とが所定差未満のときには、左右の電動モータ16,26は等速度で回転し、歩行器1は直進する。左のハンドル5を押す力が右のハンドル5を押す力よりも所定差以上のときには、左電動モータ16の方が高速で回転し、歩行器1は右に曲がって進む。この差を左右で逆にすれば、歩行器は左に曲がって進む。歩行者は、こうして電動で進行する歩行器1にアシストされながら、所望の速度で楽に歩行することができる。特に、荷物かご48に重い荷物が入っていたり、登り坂を登ったりするときでも、歩行者は楽に歩行することができる。
図4から図5への変化で示すように、例えば、左前輪15が路面の凸部Pに乗り上げた場合、左第2ロッカアーム12が左中央輪17の軸線を中心に前側が上昇するように揺動し、これに伴い左第1ロッカアーム11が左後輪18の軸線を中心に前側が上昇するように揺動し、これに伴いベースフレーム2の左側が上昇する。このとき、左第2ロッカアーム12とともに上昇した左連結具33により、バランスリンク32が支持軸31の回りに小角度回動して、右連結具34を介して右車輪列20の第2ロッカアームを下降させ、これと相対的にベースフレーム2の右端部が上昇するため、ベースフレーム2が左右で傾かないで水平を保つ。これにより支柱3も左右に傾かないので、ハンドル5を握った歩行者は、左右にぐらつくことなく安定した歩行を続けることができる。
使用者が歩行の途中で一時休息したいとき、図6に示すように、椅子45(座部)を制御ボックス40と共に後方へ倒して水平状態にすれば、この椅子45に腰掛けて休息することができる。このとき、支柱3の連結バー6及びクッション材7は、背当として機能する。
歩行器1を収納したり自動車に積載したりするとき、前述した図7のように、支柱折畳用機構35のインデックスプランジャ38を引いて支持部36と固定部37とを切離し、図8のように、ベースフレーム2から延びる支柱3を後方へ回動させて倒せば、コンパクトな折畳状態にでき、特に高さ寸法は顕著に小さくなるので、収納や積載が容易となる。
2 ベースフレーム
3 支柱
5 ハンドル
10 左車輪列
11 左第1ロッカアーム
12 左第2ロッカアーム
15 左前輪
16 左電動モータ
17 左中央輪
18 左後輪
20 右車輪列
21 右第1ロッカアーム
22 右第2ロッカアーム
25 右前輪
26 右電動モータ
27 右中央輪
28 右後輪
30 反転連動機構
31 支持軸
32 バランスリンク
33 左連結具
34 右連結具
35 支柱折畳用機構
36 支持部
37 固定部
38 インデックスプランジャ
45 椅子
48 荷物かご
P 凸部
Claims (13)
- 左右方向に延びるベースフレーム(2)と、ベースフレームに固定されて上方へ延びる支柱(3)と、ベースフレームの左側に設けられた左車輪(10)と、ベースフレームの右側に設けられた右車輪(20)と、路面の凹凸により生じる左車輪又は右車輪の一方の上下方向の動きを他方の上下逆方向の動きに反転して連動させる反転連動機構(30)とを備えた歩行器。
- 左車輪は、ベースフレームの左側に回動可能に軸着された前後方向に延びる左ロッカアーム(11,12)と、左ロッカアームに左右軸線回りに回転可能に設けられた複数の車輪(15,17,18)とから構成された左車輪列(10)であり、
右車輪は、ベースフレームの右側に回動可能に軸着された前後方向に延びる右ロッカアーム(21,22)と、右ロッカアームに左右軸線回りに回転可能に設けられた複数の車輪(25,27,28)とから構成された右車輪列(20)である請求項1記載の歩行器。 - 左車輪は、ベースフレームの左側にアーム中間部がベース軸により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる左第1ロッカアーム(11)と、左第1ロッカアームの前端部にアーム中間部がアーム間軸により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる左第2ロッカアーム(12)と、左第2ロッカアームの前端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた左前輪(15)と、左第2ロッカアームの後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた左中央輪(17)と、左第1ロッカアームの後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた左後輪(18)とから構成された左車輪列(10)であり、
右車輪は、ベースフレームの右側にアーム中間部がベース軸により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる右第1ロッカアーム(21)と、右第1ロッカアームの前端部にアーム中間部がアーム間軸により左右軸線回りに回動可能に軸着された前後方向に延びる右第2ロッカアーム(22)と、右第2ロッカアームの前端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右前輪(25)と、右第2ロッカアームの後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右中央輪(27)と、右第1ロッカアームの後端部に左右軸線回りに回転可能に設けられた右後輪(28)とから構成された右車輪列(20)である請求項1記載の歩行器。 - 左車輪列(10)におけるいずれか一つの車輪が電動モータ(16)によって駆動される駆動輪であり、右車輪列(20)におけるいずれか一つの車輪が電動モータ(26)によって駆動される駆動輪である請求項2記載の歩行器。
- 左中央輪(17)が電動モータ(16)によって駆動される駆動輪であり、右中央輪(27)が電動モータ(26)によって駆動される駆動輪である請求項3記載の歩行器。
- 反転連動機構(30)は、電気を用いない機械式である請求項1〜5のいずれか一項に記載の歩行器。
- 反転連動機構(30)は、左右方向中央部が、ベースフレームに固定された支持軸(31)に対して前後軸線回りに回動可能に軸着され、左端部が左ロッカアームに連結され、右端部が右ロッカアームに連結されたバランスリンク(32)を用いたリンク式反転連動機構である請求項2又は3記載の歩行器。
- リンク式反転連動機構(30)は、バランスリンクの回動時にバランスリンクの左端部と左車輪列との左右距離が増すのに対応しうるように、バランスリンクの左端部を左ロッカアームに連結する左連結具(33)と、バランスリンクの回動時にバランスリンクの右端部と右車輪列との左右距離が増すのに対応しうるように、バランスリンクの右端部を右ロッカアームに連結する右連結具(34)とを備えた請求項7記載の歩行器。
- 支持軸(31)は支柱折畳用機構(35)を介してベースフレームに固定可能であり、支柱折畳用機構によって支持軸がベースフレームに固定されていないときは、支柱をベースフレームとともに後方へ倒して折畳可能である請求項7又は8記載の歩行器。
- 支柱折畳用機構(35)は、前記支持軸(31)を備えると共にベースフレームに相対回動可能に外挿された支持部(36)と、ベースフレームに相対回動しないように固定された固定部(37)と、支持部と固定部とを連結したり切離したりする切替装置(38)とから構成された請求項9記載の歩行器。
- 切替装置(38)は、プランジャ本体(38a)が固定部に挿入されて、ピン(38b)が支持部のピン受け穴(36a)に進入可能なインデックスプランジャである請求項10記載の歩行器。
- 折り畳み可能な椅子(45)を備えた請求項1〜11のいずれか一項に記載の歩行器。
- 着脱可能な荷物かご(48)を備えた請求項1〜12のいずれか一項に記載の歩行器。
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