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JP2015104876A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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謙児 藤井
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弘司 笹木
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Abstract

【課題】 穴が形成された基板に対して支持体で支持されたドライフィルムを転写し、ドライフィルムから支持体を剥離する際に、ドライフィルムが変形することを抑制し、良好な形状の液体吐出ヘッドを製造すること。【解決手段】 液体吐出ヘッドの製造方法であって、穴が形成された基板に対して、支持体で支持されたドライフィルムを転写するドライフィルムの転写工程と、前記基板に転写したドライフィルムから前記支持体を剥離する支持体の剥離工程と、を有し、前記支持体の剥離工程において、前記ドライフィルムを前記基板の穴を形成する壁面に接触させることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。【選択図】 図2

Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
液体吐出ヘッドはインクジェット記録装置等の液体吐出装置に用いられ、流路形成部材と基板とを有する。流路形成部材は基板の上に設けられており、液体の流路や、場合によっては吐出口を形成している。基板には液体供給口が形成されており、液体供給口から流路に供給された液体は、吐出口から吐出されて紙等の記録媒体に着弾する。
このような液体吐出ヘッドの製造方法として、特許文献1には、基板に対してドライフィルムを転写し、転写したドライフィルムから流路形成部材を形成する方法が記載されている。基板に転写する前のドライフィルムは支持体で支持されており、基板に転写した後、支持体はドライフィルムから剥離される。このようにして基板の上にドライフィルムを残し、さらにドライフィルムをフォトリソグラフィー等によってパターニングすることにより、流路形成部材を形成する。
特開2006−137065号公報
基板には液体供給口を形成するが、基板の上に流路形成部材を形成した後で液体供給口を形成する場合には、液体供給口を形成する工程で流路形成部材を保護する必要がある。その為、基板に液体供給口となる穴を先に形成し、その後で基板の上に流路形成部材を形成する方法がある。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、ドライフィルムから支持体を剥離する工程において、ドライフィルムが支持体側に引っ張られて変形(破損)することがあった。特に、穴の上部、即ち基板表面における穴の開口の上部において、ドライフィルムが変形する傾向が見受けられた。流路形成部材をドライフィルムで形成した場合、ドライフィルムが変形すると流路形成部材が変形し、良好な形状の液体吐出ヘッドを製造することが困難となる。また、ドライフィルムは液体の流路の型材として用いることも考えられるが、この場合にはドライフィルムが変形することで液体の流路の形状が変形してしまい、やはり良好な形状の液体吐出ヘッドを製造することが困難となる。
従って、本発明は、穴が形成された基板に対して支持体で支持されたドライフィルムを転写し、ドライフィルムから支持体を剥離する際に、ドライフィルムが変形することを抑制し、良好な形状の液体吐出ヘッドを製造することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法であって、穴が形成された基板に対して、支持体で支持されたドライフィルムを転写するドライフィルムの転写工程と、前記基板に転写したドライフィルムから前記支持体を剥離する支持体の剥離工程と、を有し、前記支持体の剥離工程において、前記ドライフィルムを前記基板の穴を形成する壁面に接触させることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、穴が形成された基板に対して支持体で支持されたドライフィルムを転写し、ドライフィルムから支持体を剥離する際に、ドライフィルムが変形することを抑制し、良好な形状の液体吐出ヘッドを製造することができる。
本発明で製造する液体吐出ヘッドの一例を示す図である。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す図である。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1に、本発明で製造する液体吐出ヘッドの一例を示す。液体吐出ヘッドは、基板4と、流路形成部材16とを有する。基板4はシリコン等で形成されている。基板4の表面(上面)を第一面とする。基板4の第一面側には、エネルギー発生素子5が形成されている。基板の第一面は結晶方位が(100)の面であることが好ましい。即ち、基板4はシリコンの(100)基板であることが好ましい。エネルギー発生素子5としては発熱抵抗体や圧電素子が挙げられ、基板の第一面と接するように形成されていても、基板の第一面に対して一部中空状に形成されていてもよい。また、基板の第一面側にはバンプ15が形成されており、バンプ15を介して基板外部から供給された電力によってエネルギー発生素子が駆動する。基板には第一面とその裏面である第二面とを貫通する液体供給口である穴14が形成されている。液体供給口から供給された液体は、駆動したエネルギー発生素子によってエネルギーを与えられ、流路形成部材16に形成された液体吐出口13から吐出される。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法を説明する。図2は、図1の液体吐出ヘッドのA−A´で示す部分に対応した断面図である。
まず、図2(A)に示すように、第一面側にエネルギー発生素子5を有する基板4を用意する。エネルギー発生素子5はSiNやSiO等で形成される保護膜3で覆われている。基板4には、穴14が形成されており、穴14は基板4の第一面に開口している。図2においては、穴14は液体供給口である。図2(A)では、穴14として基板の第一面から第二面まで貫通した貫通穴を示しているが、貫通穴でなくてもよい。但し、製造過程で密閉空間を形成しないことを考慮すると、貫通穴であることが好ましい。穴の形成方法としては、レーザー加工、反応性イオンエッチング、サンドブラスト、ウェットエッチング等が挙げられる。図2(A)では、基板4がシリコンの(100)基板であり、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を用いたウェットエッチングによって穴を形成した例を示している。シリコンの(100)基板をTMAHやKOH(水酸化カリウム)等のアルカリ溶液でエッチングすると、異方性エッチングによって図2(A)に示すようなテーパー形状の穴を形成することができる。このようなテーパー形状の穴であれば、支持体の剥離工程におけるドライフィルムの変形を良好に抑制することができる。特に、第一面と平行な断面が第一面側から第二面側に向かって幅が広がるテーパー形状であることがより好ましい。
次に、図2(B)に示すように、支持体1で支持されたドライフィルム2を用意する。支持体1としては、フィルム、ガラス、シリコン等が挙げられる。後で剥離することを考えると、フィルムであることが好ましい。フィルムとしてはPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムやポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアラミドフィルム等が挙げられる。また、支持体1をドライフィルム2から剥離しやすくするために、支持体1の表面に離型処理を施してもよい。
ドライフィルム2は、樹脂をフィルム状にしたものである。ドライフィルム2を形成する樹脂は、感光性樹脂であることが好ましい。また、樹脂の軟化点が40℃以上120℃以下であることが好ましい。さらに、有機溶媒に溶解しやすい樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型やクレゾールノボラック型や脂環式のエポキシ樹脂、アクリル樹脂としてはポリメチルメタクリレート、ウレタン樹脂としてはポリウレタン等が挙げられる。これら樹脂を溶解する溶媒としては、PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン等が挙げられる。樹脂を溶媒に溶解させた樹脂組成物の粘度は5cP以上150cP以下であることが好ましい。樹脂組成物を支持体上にスピンコートやスリットコート法で塗布し、これを例えば50℃以上で乾燥することで、支持体上にドライフィルム2を形成する。支持体上のドライフィルムの乾燥後の厚みは、5μm以上30μm以下とすることが好ましい。
支持体1で支持されたドライフィルム2を用意した後、図2(C)に示すように、穴14が形成された基板4に対して、ドライフィルム2を転写する。穴14は、転写されたドライフィルム2によって塞がれる。即ち、ドライフィルム2が穴14の蓋となる。ここで、ドライフィルム2は、基板4の穴14を形成する壁面14´に接触させる。ドライフィルム2を壁面14´に接触させる為には、例えばドライフィルム2を基板4に接触させながら、ドライフィルム2を加熱する方法がある。加熱温度は、ドライフィルム2の軟化点よりも高い温度であることが好ましい。他には、ドライフィルム2を基板4に接触させながら、ドライフィルム2を基板4の方向に変形させる圧力を加える方法がある。基板の方向への加圧は、気泡の排出性を考慮して、ロール方式の転写や真空下での転写で行うことが好ましい。加熱及び加圧は、同時に行うことが好ましい。このような方法により、ドライフィルム2を穴14に沈み込ませ、図2(C)に示すように、ドライフィルム2を壁面14´に接触させる。
ドライフィルム2を壁面14´に接触させた後、ドライフィルム2から支持体1を剥離する支持体の剥離工程を行う。この際、ドライフィルム2の一部が穴14に沈み込み、ドライフィルム2が壁面14´に接触していることで、支持体を剥離した際に、ドライフィルム2が基板4の穴14に引っかかって保持されるような構成となり、ドライフィルム2が変形しにくくなる。
ドライフィルム2が壁面14´に接触すると、ドライフィルム2の穴14に沈み込んだ部分を含む領域(B)、即ちドライフィルム2の穴の上の厚みは、それ以外の領域、例えば基板4の上の領域(C)に対して厚みが厚くなる。ドライフィルム2のうち、穴14の上の領域(B)の厚みは、5μm以上30μm以下とすることが好ましい。5μm以上とすることで、ドライフィルム2を壁面14´に良好に接触させることができ、支持体1の剥離時のドライフィルム2の変形をより抑制することができる。より好ましくは、10μm以上である。ドライフィルム2のうち、基板4の上の領域(C)の厚みは、流路の高さとなる。従って、この部分の厚みは3μm以上25μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、20μm以下である。ドライフィルム2は、基板4の表面から穴14の方向に2μm以上入っていることが好ましい。より好ましくは5μm以上である。また、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。尚、厚みや長さに関しては、基板4の表面と垂直方向に関する厚みや長さである。
次に、ドライフィルム2に流路パターンを形成する。流路パターンの形成は、図2(D)に示すように、液体吐出口とエネルギー発生素子との位置関係を精度よく形成するために、フォトリソグラフィーによって形成することが好ましい。ここでは、マスク6を用いてドライフィルム2に光を照射し、流路パターンを形成している。ドライフィルム2には、露光領域8と非露光領域7とが形成される。ドライフィルム2がネガ型感光性樹脂の場合、露光領域8が流路形成部材の一部となり、非露光領域7が液体流路10の一部となる。
次に、図2(E)に示すように、流路パターンを形成したドライフィルム2の上に、部材9を形成する。ここでは、部材9としてドライフィルム2(以下、第1のドライフィルムとする)と異なる第2のドライフィルムを用いた例を示す。第2のドライフィルムは支持体1に支持されており、第2のドライフィルムを第1のドライフィルム上に転写した後、支持体1を剥離する。部材9は、例えば液状の樹脂組成物を第1のドライフィルム上に塗布し、これを乾燥させることで形成することができる。部材9の第1のドライフィルム上への形成は、スピンコート法やスリットコート法等による塗布、或いはラミネート法やプレス法等による転写によって形成する。
次に、図2(F)に示すように、部材9に液体吐出口を形成する領域を形成する。部材9をネガ型感光性樹脂で形成した場合、図2(F)に示すようにマスク6を用いた露光を行う。他にも、レーザーや反応性イオンエッチングによって部材9に液体吐出口を形成してもよい。
次に、図2(G)のように、ドライフィルム2と部材9とを現像液に浸すことで、現像を行う。これにより、液体流路10や液体吐出口13が形成される。現像液としては、PGMEA、テトラハイドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン等が挙げられる。液体流路10は、ドライフィルム2で形成された部材11によって形成されている。液体吐出口13は、部材9で形成された部材19で形成されている。部材11と部材19とで、図1に示す流路形成部材16となる。部材19から液体流路10側に、壁12が延在している。壁12は、ドライフィルム2で形成されている。
最後に、電気的接続等を行い、液体吐出ヘッドが製造される。本発明で製造される液体吐出ヘッドは、流路形成部材16を形成するドライフィルムが変形しにくいので、得られる液体吐出ヘッドも、変形の少ない良好なものとなる。また、図2(G)に示すように、壁12を液体流路にせり出すように配置することもできる。具体的には、ドライフィルム2を穴14に沈み込ませた分だけ、壁12を基板4の表面から液体流路側に延在させることができる。
以下、本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
まず、図2(A)に示すように、第一面側にTaSiNからなるエネルギー発生素子5を有する基板4を用意した。基板4としてはシリコンの(100)基板を用い、基板4はSiNで形成された保護膜3を有する。また、基板4には、22質量%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)によって、液体供給口となる穴14を形成しておいた。穴14は貫通穴であり、テーパー形状である。
次に、図2(B)に示すように、支持体1と、支持体1に支持されたドライフィルム2とを用意した。支持体1はPETを用いた。ドライフィルム2は、PET上に、エポキシ樹脂(大日本インキ製、商品名;N−695)及び光酸発生剤(サンアプロ製、商品名;CPI−210S)をPGMEAに溶解させた溶液を塗布し、乾燥させることで形成した。支持体1上のドライフィルム2の乾燥後の厚みは、6μmとした。
次に、図2(C)に示すように、穴14が形成された基板4に対し、ドライフィルム2を転写した。転写は、ロール式ラミネーター(タカトリ製、商品名;VTM−200)にて行い、ドライフィルム2の温度を120℃、基板の方向への加圧による圧力を0.4MPaとした。この結果、ドライフィルム2のうち、穴14に沈み込んだ部分を含む領域(B)の厚みは、6μmとなった。ドライフィルム2のうち、基板4の上の領域(C)の厚みは5μmとなった。ドライフィルム2は、壁面14´に接触していた。基板4の表面と垂直方向に関して、ドライフィルム2は、基板4の表面から穴14の方向に1μm入っていた。ドライフィルム2が壁面14´に接触した状態で、25℃の環境でドライフィルム2から支持体1を剥離した。
次に、図2(D)に示すように、ドライフィルム2が壁面14´に接触した状態で、露光装置(キヤノン製、商品名;FPA−3000i5+)を用い、マスク6を介して、露光波長365nmの光を5000J/mの露光量でドライフィルム2に露光を行った。その後、50℃5分のベークを行い、ドライフィルム2の露光領域8が流路形成部材の一部、非露光領域7が液体流路10となるように、ドライフィルム2に潜像させた。また、穴14の上のドライフィルムも露光し、一部を残すようにした。
次に、図2(E)に示すように、PETである支持体1上に形成された部材9を、ドライフィルム2上にロール式ラミネーターで形成した。部材9としては、ドライフィルム(第2のドライフィルム)を用いた。第2のドライフィルムは、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名;157S70)と光酸発生剤(サンアプロ製、商品名;LW−S1)と溶剤(PGMEA)とを有する塗工液をPET上に塗工し、乾燥させることで形成した。また、第2のドライフィルムはドライフィルム2(第1のドライフィルム)と感度を異ならせ、第1のドライフィルムの感度の3倍以上とした。
次に、図2(F)に示すように、露光装置(キヤノン製、商品名;FPA−3000i5+)にて、マスク6を介して、露光波長365nmの光を1000J/mの露光量で第2のドライフィルムに露光を行った。その後、90℃5分のベークを行い、第2のドライフィルムの露光領域8を吐出口形成部材、非露光領域7を液体吐出口となるように、第2のドライフィルムを潜像させた。
次に、図2(G)のように、ドライフィルム2と部材9とを現像液であるPGMEAに浸すことで、現像を行った。これにより、液体流路10及び液体吐出口13を形成した。液体流路10は、ドライフィルム2で形成された部材11によって形成されていた。液体吐出口13は、部材9で形成された部材19で形成されていた。部材19から穴14側に、壁12が延在していた。壁12は、液体流路10の壁であり、穴14の上に一部残したドライフィルム2で形成されたものである。また、部材11と部材19とで、流路形成部材を形成していた。
最後に、電気的接続等を行い、液体吐出ヘッドを形成した。形成した液体吐出ヘッドでは、壁12の先端は、基板4の表面よりも穴14の側に位置していた。また、液体流路の変形等は認められなかった。
<実施例2>
図3に示すようにして、液体吐出ヘッドを製造した。実施例1における図2(A)〜(C)までは、基本的に同様とした。但し、実施例1ではドライフィルム2を用いたが、実施例2では組成を変更し、ドライフィルム2のかわりに、樹脂をポジ型感光性樹脂(東京応化工業製、商品名;ODUR)としたドライフィルム17を用いた。ドライフィルム17のうち、穴14に沈み込んだ部分を含む領域の厚みは、6μmとなった。ドライフィルム17のうち、基板4の上の領域の厚みは5μmとなった。ドライフィルム17は、壁面14´に接触していた。基板4の表面と垂直方向に関して、ドライフィルム17は、基板4の表面から穴14の方向に1μm入っていた。ドライフィルム17が壁面14´に接触した状態で、25℃の環境でドライフィルム17から支持体1を剥離した。
次に、図3(A)に示すように、露光装置(キヤノン製、商品名;FPA−3000i5+)を用い、マスク6を介して、露光波長365nmの光を5000J/mの露光量でドライフィルム2に露光を行った。
次に、図3(B)に示すように、ドライフィルム17が壁面14´に接触した状態で、ドライフィルム17をメチルイソブチルケトンで現像した。ドライフィルム17はポジ型感光性樹脂で形成されているので、露光領域8が現像除去された。このようにパターニングを行い、残ったドライフィルム17を液体流路の型材とした。型材は穴14の上に形成される。型材は一部除去され、空間を形成している。
次に、図3(C)に示すように、被覆層18を、エポキシ樹脂(ダイセル化学製、商品名;EHPE−3150)及びキシレンを有するネガ型感光性樹脂で形成した。被覆層18は、ドライフィルム17を覆うようにスピンコートで塗布することで形成した。被覆層18は型材が一部除去された空間も充填した。
次に、図3(D)に示すように、被覆層18を、露光装置(キヤノン製、商品名;FPA−3000i5+)にて、マスク6を介して、露光波長365nmの光を4000J/mの露光量で露光した。その後、90℃5分のベークを行い、被覆層18の露光領域8を吐出口形成部材、非露光領域7を液体吐出口となるように、被覆層18を潜像させた。
次に、図3(E)に示すように、メチルイソブチルケトンとキシレンとの混合液による60秒のパドル現像により、液体吐出口13を形成した。続いて、乳酸メチルに60分間浸漬させ、液体流路10を形成した。このようにして、流路形成部材16を形成した。流路形成部材16から穴14側に、壁12が延在していた。壁12は、液体流路10の壁であり、穴14の上のドライフィルム17を除去し、被覆層で充填した部分で形成されたものである。
最後に、電気的接続等を行い、液体吐出ヘッドを形成した。形成した液体吐出ヘッドでは、壁12の先端は、基板4の表面よりも穴14の側に位置していた。また、液体流路の変形等は認められなかった。

Claims (13)

  1. 液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    穴が形成された基板に対して、支持体で支持されたドライフィルムを転写するドライフィルムの転写工程と、
    前記基板に転写したドライフィルムから前記支持体を剥離する支持体の剥離工程と、を有し、
    前記支持体の剥離工程において、前記ドライフィルムを前記基板の穴を形成する壁面に接触させることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記ドライフィルムを前記基板に接触させながら前記基板の方向に加圧することで、前記ドライフィルムを前記基板の穴を形成する壁面に接触させる請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記ドライフィルムを前記基板に接触させながら加熱する請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記加熱の温度は、前記ドライフィルムの軟化点よりも高い温度である請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記ドライフィルムが前記基板の穴を形成する壁面に接触した際、前記基板の表面と垂直方向に関して、前記ドライフィルムの前記穴の上の厚みは、前記ドライフィルムの基板の上の厚みよりも厚い請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記基板の表面と垂直方向に関して、前記ドライフィルムの前記穴の上の厚みは、5μm以上30μm以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記基板の表面と垂直方向に関して、前記ドライフィルムの前記基板の上の厚みは、3μm以上25μm以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記ドライフィルムは、感光性樹脂で形成されている請求項1乃至7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記ドライフィルムによって、液体流路を形成する流路形成部材を形成する請求項1乃至8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記ドライフィルムによって、液体流路の型材を形成する請求項1乃至8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記ドライフィルムが前記基板の穴を形成する壁面に接触した状態で、前記穴の上のドライフィルムを一部残し、残したドライフィルムで液体流路の壁を形成する請求項1乃至10のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記ドライフィルムが前記基板の穴を形成する壁面に接触した状態で、前記穴の上のドライフィルムを一部除去し、除去した空間を充填することで、充填した部分で液体流路の壁を形成する請求項1乃至10のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記基板の表面と垂直方向に関して、前記壁の先端は、前記基板の表面よりも前記穴の側に位置している請求項11または12に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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