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JP2015192195A - 無線通信装置、cw最大値取得装置、cw最大値取得方法、及びプログラム - Google Patents

無線通信装置、cw最大値取得装置、cw最大値取得方法、及びプログラム Download PDF

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JP2015192195A JP2014066213A JP2014066213A JP2015192195A JP 2015192195 A JP2015192195 A JP 2015192195A JP 2014066213 A JP2014066213 A JP 2014066213A JP 2014066213 A JP2014066213 A JP 2014066213A JP 2015192195 A JP2015192195 A JP 2015192195A
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Abstract

【課題】無線信号の衝突の増大を抑制しながら、所望の通信品質を充足できるCW(コンテンションウィンドウ)最大値を取得することができるCW最大値取得装置を提供する。
【解決手段】CW最大値取得装置2は、無線リソースの空き時間の割合を示す未利用率を取得する未利用率取得部21と、ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信において、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間を取得する要求期間取得部22と、未利用率を用い、要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにコンテンションウィンドウの最大値であるCW最大値を取得する最大値取得部23と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンテンションウィンドウの最大値を取得するCW最大値取得装置、及びそのコンテンションウィンドウの最大値を用いて無線通信を行う無線通信装置等に関する。
従来、IEEE802.11 DCFでは、0からコンテンションウィンドウサイズ(CW)の範囲の乱数であるバックオフカウンタを決め、そのバックオフカウンタにスロットタイムを乗算した期間を、送信を行うまでの待機期間(バックオフ期間)として設定するランダムなバックオフ期間を用いた無線通信が行われていた。なお、そのスロットタイムは固定値である。
そのようなランダムバックオフ期間を用いた無線通信では、スロットタイムの間、無線信号が検知されなければバックオフカウンタが1だけデクリメントされる。一方、スロットタイムの間に無線信号が検知されれば、バックオフカウンタは保持される。そして、そのバックオフカウンタが0になると、無線信号の送信が開始される。
そのコンテンションウィンドウサイズの最小値であるCW最小値、及びコンテンションウィンドウサイズの最大値であるCW最大値は固定値であり、無線信号の初回送信時には、CW=CW[0]=CW最小値に設定され、再送が行われるたびに、CW=CW[i]=MIN(CW[i−1]×2+1,CW最大値)となる。なお、iは、送信対象の無線信号の再送回数である。
このようなIEEE802.11 DCFによる通信方法では、混雑時に許容遅延が短いアプリケーションの要求品質(QoE)を満たすことができなくなる、という問題があった。そのような問題を解決する方法として、標準規格であるIEEE802.11e EDCAが提案されている。IEEE802.11e EDCAでは、アクセスカテゴリ(AC)ごとに送信キューが用意されており、優先度の高いACの送信キューには、小さいCW最小値、及び小さいCW最大値が設定されている。したがって、遅延要求の厳しいアプリケーションについては、高優先度のACに対応した送信キューで送信を行うことにより、許容遅延を満たすことが期待される。
しかしながら、IEEE802.11e EDCAでは、高優先度のACに応じたCW最小値及びCW最大値のデフォルト値が非常に小さいため、高優先度トラフィックを送信する端末数が増加すると、バックオフカウンタが同時に0になる確率が高くなり、衝突が急激に増加することになる。その結果、衝突による無線リソースの消費が増加することになり、結果として、ネットワークの収容可能トラフィック量が減少してしまうという問題があった。
なお、CWの制御に関する先行研究として、例えば、アイドルセンス(Idle Sense)を用いたものが知られている(非特許文献1参照)。そのアイドルセンスを用いた先行研究では、CWを長くするとアイドル期間が長くなり、利用効率の悪化につながる一方、CWを短くすると衝突が増加し、かえって利用効率の悪化につながるため、連続アイドル期間に注目して、フィードバック制御によって適切なCWに調整することが提案されている。すなわち、平均スループットを最大化する連続アイドル期間を算出し、観測した連続アイドル期間がその計算値に近づくようにCWを調整している。なお、そのCWの調整については、非特許文献2に記載されている。
また、CWの制御に関する他の先行研究として、例えば、スローCW減少(Slow CW Decrease)が知られている(非特許文献3)。通常のCW制御では、送信に失敗するとCWを2倍にし、送信に成功するとCWをCW最小値にリセットするが、その先行研究では、リセットをせずに、前回のCWを元にしたCWを利用する方法が提案されている。
Martin Heusse,Franck Rousseau,Romaric Guillier,Andrzej Duda,「Idle sense: an optimal access method for high throughput and fairness in rate diverse wireless LANs」,Proceedings of the 2005 conference on Applications, technologies, architectures, and protocols for computer communications,2005年 Q. Xia,M. Hamdi,「Contention window adjustment for IEEE 802.11 WLANs: a control-theoretic approach」,in Proc. of the IEEE International Conference on Communications,2006年 Qiang Ni,Imad Aad,Chadi Barakat,Thierry Turletti,「Modeling and analysis of slow CW decrease IEEE 802.11 WLAN」,In Proc. of PIMRC,2003年
しかしながら、非特許文献1の方法は、目的が平均スループットを最大化することであるため、無線通信が混雑している状況において、アプリケーションの通信品質を満足させることは難しいという問題があった。また、非特許文献1の方法では、異なる品質の要求される複数のアプリケーションについて、それぞれの品質を満たすことが難しいという問題もあった。また、非特許文献1の方法では、すべてのステーション(STA)のCWを同じとしているため、干渉がある場合にはその前提と違う状況となり、精度が落ちると考えられる。
また、非特許文献3の方法では、混雑している状況においてCWをCW最小値にリセットしないことにより、衝突の可能性を低減させることはできるが、アプリケーションの通信品質を満足させることについては考慮されていなかった。
本発明は、上記問題に応じてなされたものであり、より多くの無線通信の品質を満たすためのCW最大値を取得することができるCW最大値取得装置等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によるCW最大値取得装置は、無線リソースの空き時間の割合を示す未利用率を取得する未利用率取得部と、ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信において、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間を取得する要求期間取得部と、未利用率を用い、要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにコンテンションウィンドウの最大値であるCW最大値を取得する最大値取得部と、を備えたものである。
このような構成によって取得されたCW最大値を用いることによって、要求期間内に無線送信が成功するようにできるため、所望の通信品質を満たすことができるようになる。また、その要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにCW最大値が取得されるため、不必要に小さいCWが選択されることを低減することができ、無線信号の衝突の増大を抑制しながら通信品質を満たすことができるようになる。
また、本発明によるCW最大値取得装置では、最大値取得部が算出したCW最大値を用いて、CW最大値以下のコンテンションウィンドウの最小値であるCW最小値を取得する最小値取得部をさらに備えてもよい。
このような構成により、CW最大値に応じたCW最小値を取得することにより、あらかじめ決められたCW最小値を用いる場合よりも、より適切なCW最小値を設定することができうるようになる。
また、本発明によるCW最大値取得装置では、要求期間取得部は、遅延品質の要求される無線信号に対応する許容遅延に応じた要求期間を取得してもよい。
このような構成により、許容遅延の範囲内での遅延となるようにCW最大値を取得することが可能となる。
また、本発明によるCW最大値取得装置では、許容遅延は、許容最大遅延であり、最大値取得部は、許容最大遅延に応じた要求期間における未利用期間内に、最大送信回数に応じた送信を行うことができるように、遅延品質に応じたCW最大値を取得してもよい。
このような構成により、許容最大遅延の期間内に無線信号を送信できるようになりうる。
また、本発明によるCW最大値取得装置では、許容遅延は、許容平均遅延であり、最大値取得部は、許容平均遅延に応じた要求期間における未利用期間が、平均バックオフ期間の最大値となるように、遅延品質に応じたCW最大値を取得してもよい。
このような構成により、無線信号の平均遅延が、許容平均遅延内となるようにすることができうる。
また、本発明によるCW最大値取得装置では、要求期間取得部は、転送レート品質の要求される無線信号に対応する平均データ転送レートに応じた要求期間である平均送信間隔を、データ転送レートと無線信号のサイズとを用いて取得し、最大値取得部は、要求期間における未利用期間が、平均バックオフ期間の最大値となるように、平均データ転送レートに応じたCW最大値を取得してもよい。
このような構成により、平均データ転送レートに応じた平均送信間隔ごとに無線信号を送信することができるようになると考えられる。
また、本発明によるCW最大値取得装置では、要求期間取得部は、転送レート品質の要求される無線信号に対応する平均データ転送レートに応じた要求期間である平均送信間隔を、データ転送レートと無線信号のサイズとを用いて取得し、最大値取得部は、要求期間における未利用期間が、平均バックオフ期間の最大値となるように、平均データ転送レートに応じたCW最大値を取得し、遅延品質及び転送レート品質の両方が要求される無線信号に対応するCW最大値として、遅延品質に応じたCW最大値と、平均データ転送レートに応じたCW最大値とのうち、小さい方の値を取得してもよい。
このような構成により、より厳しい方のCW最大値を採用することによって、遅延品質と転送レート品質との両方を満たすことができるようになると考えられる。
また、本発明によるCW最大値取得装置では、要求期間取得部は、複数の送信キューのそれぞれについて、各送信キューでキューイングされる無線信号に応じた要求期間を取得し、最大値取得部は、複数の送信キューのそれぞれについて、各送信キューでキューイングされる無線信号に応じたCW最大値を、各送信キューに対応する要求期間を用いて取得してもよい。
このような構成により、例えば、各送信キューでキューイングされる無線信号に対応する所望の品質に応じたCW最大値を送信キューごとに設定できるようになる。
また、本発明による無線通信装置は、上記CW最大値取得装置と、ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信を行う通信部と、CW最大値取得装置で取得されたCW最大値を用いてバックオフ期間を決定し、決定したバックオフ期間を用いて通信部による無線送信を制御する通信制御部と、を備えたものである。
このような構成により、例えば、無線通信が混雑している状況であっても、所望の通信品質を満たした無線通信を実現することができうるようになる。
本発明によるCW最大値取得装置等によれば、無線信号の衝突の増大を抑制しながら、所望の通信品質を満たすことができるCW最大値を取得することができるようになる。
本発明の実施の形態1による無線通信装置の構成を示すブロック図 同実施の形態によるCW最大値取得装置の動作を示すフローチャート 同実施の形態における平均データ転送レートに応じた要求期間について説明するための図 同実施の形態における許容最大遅延に応じた要求期間について説明するための図 同実施の形態におけるシミュレーション結果のグラフを示す図 同実施の形態におけるシミュレーション結果のグラフを示す図 同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図 同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
以下、本発明による無線通信装置、及びCW最大値取得装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による無線通信装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による無線通信装置は、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにCW最大値を取得するCW最大値取得装置を備え、そのCW最大値を用いて決定されたランダムなバックオフ期間を用いた無線通信を行うものである。
図1は、本実施の形態による無線通信装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による無線通信装置1は、通信部11と、送信キュー12と、処理部13と、通信制御部14と、CW最大値取得装置2とを備える。この無線通信装置1は、例えば、ステーションやモバイルノード等の端末装置であってもよく、1以上の端末装置と無線通信を行うアクセスポイント等の無線基地局であってもよく、または、無線通信を行うその他の装置であってもよい。また、無線通信装置1は、通常、無線LAN等の自律分散型無線ネットワークにおいて無線通信を行う装置である。また、その無線ネットワークは、他の無線システムと混在する環境であってもよい。すなわち、多数の無線通信機器が、同一周波数帯を共用していてもよい。また、無線通信装置1は、通常、センシング機能を有している。
通信部11は、アンテナを介して無線通信を行う。通信部11が行う無線通信は、ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信であれば、どのようなものであってもよい。その無線通信は、例えば、無線LANによる通信(例えば、IEEE 802.11の規格による通信等)であってもよく、ZigBeeによる通信(IEEE 802.15.4の規格による通信)であってもよく、その他のランダムなバックオフ期間を用いた無線通信であってもよい。なお、その無線LANによる通信は、IEEE802.11をベースにしたCSMA/CA方式の通信であってもよい。本実施の形態では、その無線通信が無線LANによる通信である場合について主に説明する。通信部11は、送信キュー12で送信対象の情報がキューイングされている場合に、その情報を送信してもよい。なお、通信部11は、無線通信を行うための無線の通信デバイス(例えば、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、通信部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは通信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
送信キュー12には、送信前の信号が一時的に記憶される。その送信キュー12は、1個であってもよく、または、2個以上存在してもよい。後者の場合には、送信キュー12における信号のキューイングは、例えば、アプリケーションごとに行われてもよく、IEEE802.11e EDCAのように、アクセスカテゴリ(AC)ごとに行われてもよく、または、その他の分類ごとに行われてもよい。ACごとの送信キュー12が存在する場合には、例えば、ボイス通信(VO)の信号がキューイングされる送信キュー12と、動画通信(VI)の信号がキューイングされる送信キュー12とが存在してもよい。送信キュー12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスクなど)によって実現されうる。
処理部13は、受信された情報、送信される情報に関する処理を行う。処理部13は、その処理をアプリケーションごとに行ってもよい。例えば、ボイス通信が行われている場合には、処理部13は、アプリケーションから受け取った音声信号に応じた情報を送信キュー12に蓄積したり、通信部11が受信したボイス通信に応じた信号を受け取り、アプリケーションに渡したりするなどの処理を行ってもよい。なお、送信キュー12において、アプリケーションごとやACごとにキューイングを行うことができる場合には、処理部13は、アプリケーションごとやACごとに情報を送信キュー12に蓄積してもよい。
通信制御部14は、CW最大値取得装置2で取得されたCW最大値及びCW最小値を用いてバックオフ期間を決定し、その決定したバックオフ期間を用いて通信部11による無線送信を制御する。すなわち、通信制御部14は、そのようにして決定したバックオフ期間を用いた無線送信が実現されるように、通信部11を制御する。その制御方法は、例えば、従来のCWの決定方法と同様であってもよい。その通信制御部14は、例えば、通信部11のドライバ等であってもよい。
CW最大値取得装置2は、ランダムなバックオフ期間の決定で用いられるコンテンションウィンドウの最大値であるCW最大値と、コンテンションウィンドウの最小値であるCW最小値とを取得するものであり、未利用率取得部21と、要求期間取得部22と、最大値取得部23と、最小値取得部24とを備える。
未利用率取得部21は、無線リソースの空き時間の割合を示す未利用率Rを取得する。その未利用率Rは、例えば、通信部11が通信を行うチャネルの未利用率であってもよい。この未利用率Rは、1から無線リソースの時間方向の利用率CORを引いた値、すなわち1−CORである。その無線リソース利用率CORは、自セル及び干渉セルによる利用率の合計である。ここで、自セルとは、無線通信装置1が属するセルのことである。無線通信装置1が無線基地局である場合には、無線基地局である無線通信装置1と無線通信を行う無線端末装置の範囲が自セルとなる。また、無線通信装置1が無線端末装置である場合には、無線通信装置1が無線通信を行う無線基地局と無線通信を行う無線端末装置の範囲が自セルとなる。その範囲に、無線通信装置1も含まれていることは当然である。干渉セルは、自セルに対する干渉セルであり、例えば、自セルと隣接する他のセルである。干渉セルは、1個のセルであってもよく、2個以上のセルであってもよい。無線リソースの利用率は、例えば、通信部11が通信を行うチャネルにおいて、無線通信の行われた時間を、その無線通信の観測時間で割った値である。すなわち、未利用率は、アイドル期間の割合である。なお、無線通信の行われている時間に、無線信号に含まれる無線信号の予定使用期間(NAV期間:Network Allocation Vector期間)を含めてもよく、または、含めなくてもよい。また、未利用率Rは、例えば、未利用率の代表値であってもよい。代表値は、例えば、平均値であってもよく、中間値であってもよい。また、未利用率取得部21は、キャリアセンスに応じて未利用率Rを取得してもよく、または、他の装置から未利用率Rを受け取ってもよい。後者の場合であっても、無線通信装置1の位置における未利用率Rを受け取ることが好適である。また、他の装置から未利用率Rを受け取る場合には、例えば、無線端末装置である無線通信装置1が、無線基地局から未利用率Rを受信してもよい。また、未利用率取得部21は、例えば、他の装置から未利用率の算出に用いられる情報、例えば、無線リソース利用率CORを受け取り、それを用いて未利用率R(=1−COR)を算出してもよい。取得された未利用率Rは、図示しない記録媒体で一時的に記憶されてもよい。
要求期間取得部22は、ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信において、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間を取得する。要求期間取得部22は、遅延品質の要求される無線信号に対応する許容遅延に応じた要求期間を取得してもよく、転送レート品質の要求される無線信号に対応する平均データ転送レートに応じた要求期間である平均送信間隔を取得してもよい。遅延品質の要求される無線信号とは、所定の値以上の遅延品質であることが要求される無線信号のことであり、例えば、許容遅延の設定されている無線信号であってもよい。具体的には、ボイス通信に対して許容遅延「10(ms)」が設定されている場合に、ボイス通信の無線信号が遅延品質の要求される無線信号となってもよい。その許容遅延は、例えば、許容最大遅延であってもよく、許容平均遅延であってもよい。また、転送レート品質の要求される無線信号とは、所定の値以上の転送レート品質であることが要求される無線信号のことであり、例えば、転送レートの設定されている無線信号であってもよい。具体的には、動画通信に対して1.8Mb/sのデータ転送レートが設定されている場合には、動画通信の無線信号が転送レート品質の要求される無線通信となってもよい。要求期間取得部22は、例えば、転送レート品質の要求される無線信号に応じた要求期間である平均送信間隔を、データ転送レートと無線信号のサイズとを用いて取得してもよい。そのデータ転送レートは、例えば、オファードロード(Offered Load)であってもよく、ユーザが設定する要求スループットであってもよく、または、その他の転送レートであってもよい。オファードロードとは、無線通信装置1が実際に伝送しようとするトラフィック量のことである。オファードロードは、アプリケーション層の要求データレートであると考えてもよい。例えば、あるアプリケーションが10Mb/sの無線通信を要求する場合には、オファードロードは、「10Mb/s」である。また、無線信号のサイズは、例えば、フレームサイズであってもよい。また、その無線信号のサイズは、無線信号の平均サイズであってもよい。また、無線通信装置1が複数の送信キュー12を有する場合には、要求期間取得部22は、その複数の送信キュー12のそれぞれについて、各送信キュー12でキューイングされる無線信号に応じた要求期間を取得してもよい。取得された要求期間は、図示しない記録媒体で一時的に記憶されてもよい。なお、要求期間を取得する処理の詳細については後述する。
最大値取得部23は、未利用率取得部21が取得した未利用率Rを用い、要求期間取得部22が取得した要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにCW最大値を取得する。なお、最大値取得部23は、要求期間取得部22によって許容遅延に応じた要求期間が取得された場合には、その許容遅延に応じたCW最大値を取得してもよく、要求期間取得部22によって平均データ転送レートに応じた要求期間が取得された場合には、その平均データ転送レートに応じたCW最大値を取得してもよい。なお、CW最大値を取得するとは、CW最大値を算出することであってもよく、またはあらかじめ決められている複数のコンテンションウィンドウサイズ(CW)から、CW最大値を特定することであってもよい。後者の場合には、例えば、CWの集合{1,3,7,15,31,63,127,255,511,1023}からCW最大値を選択してもよい。なお、最大値取得部23が、要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにCW最大値を取得することにより、必要以上に小さいCW最大値が採用されることによる無線信号の衝突の増加を抑制することができるようになる。具体的には、最大値取得部23は、要求期間内に無線送信が成功する範囲の値のうち、最も大きい整数をCW最大値としてもよく、または、最も大きい(2のべき乗−1)をCW最大値としてもよい。無線LANの場合には、CWは「2のべき乗−1」であるため、後者のようにすることが好適である。また、無線通信装置1が複数の送信キュー12を有する場合には、最大値取得部23は、その複数の送信キュー12のそれぞれについて、各送信キュー12でキューイングされる無線信号に応じたCW最大値を、各送信キュー12に対応する要求期間を用いて取得してもよい。取得されたCW最大値は、図示しない記録媒体で一時的に記憶されてもよい。なお、CW最大値を取得する処理の詳細については後述する。
最小値取得部24は、最大値取得部23が算出したCW最大値を用いて、CW最大値以下であるCW最小値を取得する。CW最大値の取得と同様に、CW最小値の取得も、CW最小値を算出することであってもよく、またはあらかじめ決められている複数のコンテンションウィンドウサイズ(CW)から、CW最小値を特定することであってもよい。なお、このCW最小値は、CW最大値に近い値であることが好適である。CWをCW最大値に近い値とすることによって、無線信号の衝突の増加を抑制するためである。したがって、最小値取得部24は、例えば、CW最大値と等しいCW最小値を取得してもよい。また、最小値取得部24は、例えば、CW最大値よりも一段階小さいCWを、CW最小値としてもよい。具体的には、無線LANによる無線通信が行われる場合には、最小値取得部24は、次式のようにCW最小値を算出してもよい。
CW最小値=(CW最大値−1)/2
あるいは、最小値取得部24は、CWの集合{1,3,7,15,31,63,127,255,511,1023}から、CW最大値よりも小さいCWのうち、最も大きいCWをCW最小値として選択してもよい。また、無線通信装置1が複数の送信キュー12を有する場合には、最小値取得部24は、その複数の送信キュー12のそれぞれについて、各送信キュー12でキューイングされる無線信号に応じたCW最小値を、各送信キュー12に対応するCW最大値を用いて取得してもよい。取得されたCW最小値は、図示しない記録媒体で一時的に記憶されてもよい。
なお、通信制御部14が、最大値取得部23によって取得されたCW最大値、及び最小値取得部24によって取得されたCW最小値を用いて、コンテンションウィンドウサイズ(CW)を決定し、そのCWを用いてバックオフカウンタ(バックオフ期間)を決定し、その決定したバックオフカウンタに応じた通信を行うように通信部11を制御することは上述の通りである。なお、ある送信キュー12について取得されたCW最大値等は、その送信キュー12を介して送信される無線信号に関するCWの決定に用いられることになる。
ここで、要求期間の取得と、その要求期間に応じたCW最大値の取得との処理について説明する。要求期間は、前述のように、無線信号の送信を一度以上成功する必要のある期間である。例えば、UNICASTデータフレームを送信する場合には、ACKを受信することのできるデータフレームの送信を、その要求期間内に行う必要がある。要求期間のアイドル期間をバックオフ期間に使用することができると考えると、最大のバックオフカウンタであるCW最大値にスロットタイムを掛けたものが、要求期間に未利用率Rを掛けたものよりも小さくなればよいことになる。したがって、CW最大値は、
要求期間×R/スロットタイム
を超えない最大の整数であってもよい。なお、無線通信が無線LANの通信である場合には、上述のように、CW最大値は、離散的な整数であるため、次のように求めてもよい。
CW最大値=(要求期間×R/スロットタイム)を超えない(2のべき乗−1)の最大値
なお、要求期間におけるアイドル期間をバックオフ期間に使用できると考えたが、厳密には、要求期間におけるアイドル期間のうち、バックオフ期間に使用できるのは、SIFSやDIFSなどのIFS(Inter-Frame Space)に用いた期間を除いた期間である。したがって、「要求期間×未利用率R/スロットタイム」から、そのIFSに応じた期間を減算してもよい。また、そのIFSに応じた期間は厳密には分からないことが多いため、あらかじめ決められた正の値を「要求期間×未利用率R/スロットタイム」から減算することによって、または、あらかじめ決められた1より小さい値(例えば、0.95等)を「要求期間×未利用率R/スロットタイム」に掛けることによって、IFSに応じた期間を減算したとみなしてもよい。このように、所定のマージンを設けて、最大値取得部23が算出したCW最大値よりも低い値を、最終的なCW最大値としてもよい。IFSに相当するマージンを設けることによって、無線通信が混雑する方向に状況が変化した場合にも、要求品質を満たす通信が行われるようにするためである。
また、無線信号の1回目の送信で確実に送信できる場合には、CW最大値=CW最小値としてもよいが、1回目の送信に失敗し、再送することも考えられるため、CW最小値は、CW最大値よりも小さい値であってもよい。
次に、転送レート品質が要求される場合、すなわち平均データ転送レートが保障される場合の要求期間の取得とCW最大値の取得、及び、遅延品質が要求される場合、すなわち許容遅延が保障される場合の要求期間の取得とCW最大値の取得について説明する。
[平均データ転送レート保障]
平均データ転送レートを保障するためには、図3Aで示されるように、その平均データ転送レートに応じた平均送信間隔Tごとに無線信号を送信できればよいことになる。なお、その平均送信間隔Tは、送信キュー12における平均無線信号発生間隔、すなわち、無線信号を送信したい平均時間間隔であり、実際にその時間間隔で物理層における送信が行われるかどうかは、状況に依存することになる。具体的には、その平均送信間隔Tは、平均MAC層におけるデータフレームの発生間隔であってもよい。通常、その平均送信間隔Tは、アプリケーションのパケット発生間隔とは異なるものである。この場合には、要求期間=平均送信間隔Tとしてもよい。その平均送信間隔Tにおいて、無線信号(例えば、MAC層データフレーム等)の送信を一度以上成功する必要があるからである。
ここで、平均送信間隔Tの算出方法について簡単に説明する。アプリケーションnが単位時間に送信する無線信号(データフレーム)の数をNとし、アプリケーションnのオファードロードをO[b/s]とし、アプリケーションnの平均パケットサイズをLavg,n[byte]とすると、次式のようになる。なお、TCP/UDPアプリケーションにおいてパケット分割(TCPセグメント/IPフラグメント)が起こる場合には、Lavg,nは、平均IPパケットサイズ−IPヘッダサイズ−TCP/UDPヘッダサイズとする。
=O/(Lavg,n×8)
したがって、制御対象の送信キュー12を介して無線信号を送信している全アプリケーションの単位時間あたりの送信信号の数は、
Σ=Σ{O/(Lavg,n×8)}
となる。なお、総和Σは、制御対象の送信キュー12で無線信号を送信しているすべてのアプリケーションnについての和である。単位時間あたりの無線信号の数の逆数が、各無線信号の送信間隔(発生間隔)となるため、
T=1/[Σ{O/(Lavg,n×8)}]
となる。したがって、要求期間取得部22は、上式のようにして、オファードロード(データ転送レート)と、平均フレームサイズ(無線信号の平均サイズ)とを用いて要求期間を算出することができる。その要求期間は、制御対象の送信キュー12を介して送信される無線信号に応じた要求期間である。また、複数の送信キュー12が存在する場合には、要求期間取得部22は、送信キュー12ごとに、要求期間(=T)を算出してもよい。なお、各アプリケーションのオファードロードは、処理部13の各アプリケーションから取得することができる。また、平均パケットサイズは、処理部13の各アプリケーションから取得したり、送信キュー12を監視することによって取得したりすることができる。また、要求期間取得部22は、トラフィックパターンやパケット情報(TCP/UDPポート番号)からアプリケーションを予測することによって、平均パケットサイズを推測してもよい。
図3Aで示されるように、平均送信間隔Tに未利用率Rを掛けた値が、平均送信間隔T(=要求期間)における平均アイドル期間となる。そのため、最大値取得部23は、要求期間における未利用期間である平均アイドル期間(=T×R)が、平均バックオフ期間の最大値となるように、平均データ転送レートに応じたCW最大値を取得すればよいことになる。したがって、バックオフカウンタの初期値の平均が、その平均アイドル期間(=T×R)以下になればよいため、
CW/2≦T×R/スロットタイム
となる。なお、バックオフカウンタは、0〜CWの一様乱数であるため、その初期値の平均はCW/2となる。また、CW≦CW最大値であるため、上記式を満たすようにするためには、
CW最大値≦2×T×R/スロットタイム
となればよいことになる。したがって、最大値取得部23は、2×T×R/スロットタイムを超えない最大の整数であるCW最大値を取得してもよい。また、無線通信が無線LANの通信である場合には、上述のように、最大値取得部23は、2×T×R/スロットタイムを超えない(2のべき乗−1)の最大値であるCW最大値を取得してもよい。
なお、オファードロードよりも要求平均スループットが低い場合には、上述したTの計算において、オファードロードに代えて要求平均スループットを用いてもよい。その要求平均スループットは、ユーザによって要求される平均スループットである。また、要求スループットが、オファードロードの8割であるアプリケーションと、オファードロードの9割であるアプリケーションとが同じ送信キュー12を介して送信を行っている場合には、その割合の大きい方である9割に合わせて、次式のように要求期間を算出してもよい。
T=1/[0.9×Σ{O/(Lavg,n×8)}]
また、上記説明では、1回目の無線信号の送信が成功すると想定しているが、そうでない場合もある。したがって、1回目の無線信号の送信が成功しない場合のことも考慮してCW最大値を算出してもよい。具体的には、無線信号のエラーレート(フレームエラーレート)をγとすると、無線信号の送信が成功するための平均送信回数Nは、次式のようになる。
N=1+γ+γ+…+γ
ここで、Kは、最大再送回数である。通常、最大再送回数Kは、無線通信装置1に設定されている。なお、γは、例えば、実測値であってもよく、予測値であってもよく、または、設計値であってもよい。最大値取得部23は、平均送信回数Nを上述のようにして算出し、その算出した平均送信回数Nを用いて、2×T×R/(スロットタイム×N)以下となる最大の整数であるCW最大値を取得してもよい。また、無線通信が無線LANの通信である場合には、CW最大値は、2×T×R/(スロットタイム×N)を超えない(2のべき乗−1)の最大値であってもよい。
[許容遅延保障]
許容遅延保障の場合としては、許容遅延が許容最大遅延である許容最大遅延保障の場合と、許容遅延が許容平均遅延である許容平均遅延保障の場合とに分けて説明する。
(1)許容最大遅延保障
まず、許容遅延が許容最大遅延Dである場合について説明する。なお、ここでは、説明を簡単にするため、制御対象の送信キュー12を介して1個のアプリケーションが通信を行っているものとする。制御対象の送信キュー12を介して複数のアプリケーションが通信を行う場合については後述する。制御対象の送信キュー12を介して1個のアプリケーションが通信を行っている場合には、その許容最大遅延Dの期間内に無線信号の送信が成功する必要があるため、要求期間=許容最大遅延Dとなる。したがって、要求期間取得部22は、例えば、制御対象の送信キュー12を介して通信を行っているアプリケーションに設定されている許容最大遅延Dを読み出すことによって、要求期間を取得してもよい。
また、図3Bで示されるように、許容最大遅延Dに未利用率Rを掛けた値が、許容最大遅延D(=要求期間)におけるアイドル期間となる。したがって、その期間内に最大送信回数Mに応じた送信を行うことができればよいことになる。そのため、最大値取得部23は、許容最大遅延Dに応じた要求期間における未利用期間(D×R)内に、最大送信回数Mに応じた送信を行うことができるように、遅延品質に応じたCW最大値を取得することになる。なお、最大送信回数M=1+最大再送回数Kである。したがって、最大値取得部23は、あらかじめ設定されている最大再送回数Kに1を加算することによって、最大送信回数Mを取得することができる。また、バックオフカウンタの最大値はCW最大値であるため、
CW最大値×M≦D×R/スロットタイム
であれば、アイドル期間(未利用期間)にM回以上の送信を行うことができることになる。したがって、最大値取得部23は、D×R/(スロットタイム×M)を超えない最大の整数であるCW最大値を取得してもよい。また、無線通信が無線LANの通信である場合には、上述のように、最大値取得部23は、D×R/(スロットタイム×M)を超えない(2のべき乗−1)の最大値であるCW最大値を取得してもよい。
また、制御対象の送信キュー12を介して複数のアプリケーションによる無線通信が行われている場合、すなわち、制御対象の送信キュー12を利用するトラフィック数が複数である場合には、要求期間取得部22は、要求期間=許容最大遅延D/トラフィック数としてもよい。なお、各トラフィックの送信間隔が十分に疎である場合には、要求期間=許容最大遅延Dとしてもよい。また、トラフィックごとに異なる許容最大遅延が設定されている場合には、要求期間=許容最大遅延Dの最小値/トラフィック数としてもよく、または、相対的にオファードロードが大きいトラフィックに、許容最大遅延Dが相対的に小さいものが存在するときには、その相対的に小さい許容最大遅延Dをトラフィック数で割ることによって要求期間を取得してもよい。したがって、要求期間取得部22が取得する許容最大遅延Dに応じた要求期間は、例えば、許容最大遅延Dそのものであってもよく、または、許容最大遅延Dをトラフィック数で割ったものであってもよい。後者の場合に、その許容最大遅延Dは、例えば、複数のトラフィックに対応する最小値であってもよい。
また、CW最大値を算出する際に、上記Mに代えて、所定の割合の無線信号の送信が成功する送信回数(例えば、95%のフレームの送信が成功する送信回数)を用いてもよい。その場合には、そのような送信回数を計測し、その計測した値を用いてCW最大値を取得してもよい。
(2)許容平均遅延保障
次に、許容遅延が許容平均遅延D'である場合について説明する。その場合にも、その許容平均遅延D'の期間内に無線信号の送信が成功する必要があるため、要求期間=許容平均遅延D'となる。したがって、要求期間取得部22は、例えば、送信キュー12に対して設定されている許容平均遅延D'を読み出すことによって、要求期間を取得してもよい。なお、許容最大遅延に応じた要求期間と同様に、制御対象の送信キュー12を介して複数のアプリケーションによる無線通信が行われている場合、すなわち、制御対象の送信キュー12を利用するトラフィック数が複数である場合には、要求期間取得部22は、要求期間=許容平均遅延D'/トラフィック数としてもよい。なお、各トラフィックの送信間隔が十分に疎である場合には、要求期間=許容平均遅延D'としてもよく、トラフィックごとに異なる許容平均遅延が設定されている場合には、要求期間=許容平均遅延D'の最小値/トラフィック数としてもよいことなども許容最大遅延に応じた要求期間と同様である。
また、取得された要求期間が許容平均遅延D'である場合には、最大値取得部23は、許容平均遅延D'に応じた要求期間における未利用期間(=D'×R)が、平均バックオフ期間の最大値となるように、遅延品質に応じたCW最大値を取得すればよい。そのため、最大値取得部23は、平均データ転送レート保障と同様にしてCW最大値を取得することができる。すなわち、上述の説明において、T=許容平均遅延D'とすることによって、CW最大値を取得することができるため、その詳細な説明を省略する。
なお、制御対象の送信キュー12において、平均データ転送レート保障と、許容遅延保障との両方を行う場合には、最大値取得部23は、遅延品質に応じたCW最大値と、平均データ転送レートに応じたCW最大値との両方を取得し、両者のうち小さい方の値を、遅延品質及び転送レート品質の両方が要求される無線信号に対応するCW最大値として取得してもよい。そのようなCW最大値を採用することによって、平均データ転送レート保障と、許容遅延保障との両方が満たされることになるからである。
次に、無線通信装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、図2のフローチャートは、例えば、制御対象の1個の送信キュー12に対するCW最大値等を算出するために実行される。したがって、2個以上の送信キュー12に対してCW最大値等を算出する場合には、図2のフローチャートで示される各処理を、その個数分だけ繰り返して実行してもよい。
(ステップS101)要求期間取得部22は、制御対象の送信キュー12について遅延品質が要求されているかどうか判断する。そして、遅延品質が要求されている場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS105に進む。なお、例えば、制御対象の送信キュー12を介して無線信号を送信するアプリケーションのいずれかに許容遅延が設定されている場合に、遅延品質が要求されていると判断されてもよい。
(ステップS102)要求期間取得部22は、許容遅延に応じた要求期間を取得する。その許容遅延は、例えば、許容最大遅延Dであってもよく、または、許容平均遅延D'であってもよい。
(ステップS103)最大値取得部23は、ステップS102で取得された要求期間を用いて、CW最大値を取得する。
(ステップS104)最小値取得部24は、ステップS103で取得されたCW最大値を用いて、CW最小値を取得する。
(ステップS105)要求期間取得部22は、制御対象の送信キュー12について転送レート品質が要求されているかどうか判断する。そして、転送レート品質が要求されている場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、CW最大値を取得する一連の処理は終了となる。なお、例えば、制御対象の送信キュー12を介して無線信号を送信するアプリケーションのいずれかにデータ転送レートが設定されている場合に、転送レート品質が要求されていると判断されてもよい。
(ステップS106)要求期間取得部22は、平均データ転送レートに応じた平均送信間隔Tである要求期間を取得する。
(ステップS107)最大値取得部23は、ステップS106で取得された要求期間を用いて、CW最大値を取得する。
(ステップS108)最小値取得部24は、ステップS107で取得されたCW最大値を用いて、CW最小値を取得する。
(ステップS109)最大値取得部23は、遅延品質及び転送レート品質の両方に応じたCW最大値の取得が行われたかどうか判断する。そして、両方の取得が行われた場合には、ステップS110に進み、そうでない場合には、CW最大値を取得する一連の処理は終了となる。
(ステップS110)最大値取得部23は、ステップS103,S107で取得されたCW最大値のうち、小さい方の値を選択する。なお、その選択に応じて、CW最小値も、その選択されたCW最大値を用いて取得されたものが選択される。そして、CW最大値を取得する一連の処理は終了となる。
なお、CW最大値等の選択が行われた場合には、通信制御部14は、その選択されたCW最大値等を用いて、制御対象の送信キュー12に対応するバックオフ期間に関する制御を行う。一方、遅延品質に応じたCW最大値等の取得と、転送レート品質に応じたCW最大値等の取得とのいずれか一方しか行われなかった場合には、通信制御部14は、そのいずれかの品質に応じて取得されたCW最大値等を用いて、制御対象の送信キュー12に対応するバックオフ期間に関する制御を行う。
また、図2のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。例えば、ステップS104,S108のCW最小値の取得に代えて、ステップS110の後に、選択されたCW最大値、またはステップS103もしくはステップS107で取得されたCW最大値を用いたCW最小値の取得を行ってもよい。
また、図2で示されるフローチャートの処理が実行されるタイミングは問わない。例えば、所定の期間ごとに図2のフローチャートの処理が実行されてもよく、または、所定のイベントの発生に応じて図2のフローチャートの処理が実行されてもよい。その所定のイベントは、例えば、あるアプリケーションによる制御対象の送信キュー12を介した無線信号の送信が開始されたことであってもよく、終了されたことであってもよい。
次に、本実施の形態による無線通信装置1による無線通信の方式(以下、「提案方式」と呼ぶ)と、従来のDCF方式及び既存EDCA方式とのシミュレーション結果について説明する。
提案方式、DCF方式、既存EDCA方式のすべてについて、無線LANモードはIEEE802.11gOFDMとし、伝送レートは48Mb/sに固定した。また、AC(アクセスカテゴリ)がVO(ボイス通信)であるアプリケーションの許容最大遅延を10msに設定した。また、そのボイス通信のトラフィックは92Kb/s,172byte/packetとし、アップリンクのみの固定ビットレート(CBR)とした。また、そのボイス通信は、自セルの30STA(ステーション)で行うようにした。また、ACがVI(動画通信)であるアプリケーションの要求スループットを1.77Mb/sに設定した。また、その動画通信のトラフィックは1.81Mb/s,34kbyte/packetとし、ダウンリンクのみの固定ビットレート(CBR)とした。また、その動画通信は、自セル、干渉セルのそれぞれ同数のSTA(1〜4STA)で行うようにした。また、MTUサイズは、1500byteとした。また、最大送信回数は7回とした(すなわち、最大再送回数は6回とした)。
また、提案方式のCW最大値は、上述のようにして算出した。すなわち、動画通信については、平均スループット保障に応じたCW最大値の算出を行い、ボイス通信(リアルタイム通信)については、許容最大遅延保障及び平均スループット保障のうち、CW最大値が小さい方であった許容最大遅延保障に応じたCW最大値の算出を行った。また、提案方式のCW最小値は、(CW最大値−1)/2となるように算出した。また、DCF方式、既存EDCA方式のCW最大値等は、次のようにした。
DCF方式:CW最大値=1023,CW最小値=15
既存EDCA方式:VOのCW最大値=7,VOのCW最小値=3,VIのCW最大値=15,VIのCW最小値=7
図4A,図4Bは、そのシミュレーション結果を示すグラフである。図4Aは、干渉セルの総オファードロードと、エンドツーエンド遅延(End-to-end delay)との関係を示すグラフである。なお、平均遅延が破線で示されており、最大遅延が実線で示されている。なお、最大遅延は、遅延のCDF(累積分布関数)の98%の値としている。すなわち、すべてのリアルタイムトラフィックアプリケーションのパケットの遅延を時間について昇順にソートし、全体のパケット数×0.98の位置にあるパケットの遅延を最大遅延としている。また、一点鎖線で許容遅延を示している。図4Aのグラフから分かるように、平均遅延、最大遅延は両方とも、既存EDCA方式が最も小さく、次に提案方式が小さく、DCF方式が最も大きくなっている。特に、DCF方式では、干渉セルの総オファードロードが増えた場合に、最大遅延が許容遅延を満たすことができなくなっている。なお、提案方式は、許容遅延の範囲内で最も大きいCW最大値を採用するようにしている。したがって、図4Aにおいて、干渉セルの総オファードロードが大きくなった場合に、提案方式の最大遅延が許容遅延内において最も大きくなっているのは、許容範囲内において収容可能性を高めるという観点から理想的であると言うことができる。
また、図4Bは、干渉セルの総オファードロードと、フレームエラーレート(フレーム誤り率)及び動画平均スループットとの関係を示すグラフである。なお、フレームエラーレート(左縦軸)が破線で示されており、動画平均スループット(右縦軸)が実線で示されている。また、一点鎖線で要求スループットを示している。図4Bのグラフから分かるように、フレームエラーレートは、提案方式が最も低く、次にDCF方式が低く、既存EDCAが最も高くなっている。また、動画平均スループットは、干渉セルの総オファードロードが小さい場合には3方式共に同様の値であるが、干渉セルの総オファードロードが増えた場合に、既存EDCAが要求スループットを満たせなくなっている。なお、提案方式は、要求スループットよりも高い範囲内で最も大きいCW最大値を採用するようにしている。したがって、図4Bにおいて、干渉セルの総オファードロードに関わりなく、提案方式の動画平均スループットが要求スループットを少し超える範囲で変化していることは、許容範囲内において収容可能性を高めるという観点から理想的であると言うことができる。
また、最大遅延については、DCF方式が許容最大遅延を満たすことができず、要求スループットについては、既存EDCA方式が要求を満たすことができていないが、提案方式は、衝突を回避することによって、両方の条件を満たしていることになる。したがって、無線通信が混雑してきた場合に、遅延品質及び転送レート品質の両方を満たす無線送信を行う観点からは、本実施の形態による無線通信装置1による無線通信が効果的であることが分かる。
以上のように、本実施の形態による無線通信装置1によれば、遅延品質や転送レート品質などの要求される品質が満たされる範囲内において、最も大きな値となるCW最大値を採用することによって、品質を満たすことができると共に、無線信号の衝突を減らすことができ、より多くの無線信号を収容することができるようになる。したがって、無線通信が混雑している状況であっても、より多くの品質を維持することができるようになる。特に、トラフィックに応じた品質を満たすようにすることができるため、要求品質の異なる2以上のトラフィックが、2個以上の送信キュー12を介して送信されたり、2個以上のSTAから送信されたりする場合に、本実施の形態による送信方式を採用することによって、品質を満たしながら、より多くのトラフィックを収容することができるようになると考えられる。
なお、本実施の形態では、遅延品質及び転送レート品質のそれぞれに応じたCW最大値等を取得する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。いずれか一方の品質に応じたCW最大値等を取得するようにしてもよい。
また、最大値取得部23や最小値取得部24が取得するCW最大値やCW最小値に制限が設けられてもよい。例えば、CW最大値やCW最小値に、最大値及び最小値の少なくとも一方が設けられており、その制限の範囲内となるようにCW最大値等が取得されてもよい。
また、上記説明では、最大値取得部23や最小値取得部24が、2のべき乗−1などの制限に応じたCW最大値等を取得する場合について説明したが、その他の制限がある場合にも、最大値取得部23等は、その制限に応じたCW最大値等を取得することが好適である。
また、上記説明では、複数の送信キュー12について、送信キュー12ごとにCW最大値等を算出する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。例えば、1個の送信キュー12を用いて無線信号の送信が行われる場合であっても、本実施の形態による方式を用いることができる。その場合であっても、CW最大値等の取得方法は、上述の説明と同様である。また、そのような場合であっても、例えば、高品質が要求されない無線信号を送信する場合には、大きなCW最大値等が採用され、高品質が要求される無線信号を送信する場合には、品質を満たす範囲内で大きなCW最大値等が採用されることによって、無線信号の衝突を低減しながら、要求された通信品質を満たすようにすることができる。
また、最大値取得部23が取得したCW最大値等は、図1で示される無線通信装置1のように、その装置において用いるだけであってもよく、または、他の装置においても用いられてもよい。後者の場合には、例えば、あるセルにおけるCW最大値やCW最小値を、そのセルに属する無線基地局や端末装置、または、その他の装置において算出し、その算出したCW最大値等を、そのセルに属する無線基地局や各端末装置で用いるようにしてもよい。そのCW最大値等を、各端末装置等に知らせるため、無線基地局が送信するビーコンに、そのCW最大値等を含めるようにしてもよい。また、あるセルに属する各無線通信装置のCW最大値等を算出する場合には、例えば、その算出を行うCW最大値取得装置2に対して、各無線通信装置の送信キューでキューイングされている無線信号に応じた許容遅延や平均データ転送レート、無線信号のサイズ等が送信されてもよい。
また、本実施の形態では、無線通信装置1がCW最大値取得装置2を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。上述のように、セル全体で用いるCW最大値等を取得する場合には、CW最大値取得装置2は、無線基地局や無線端末装置から許容遅延等を受け付け、それらを用いてCW最大値等の取得を行い、その取得結果を、無線基地局や無線端末装置に渡す装置であってもよい。その場合に、CW最大値取得装置2と、無線基地局や無線端末装置との間の情報のやりとりは、例えば、有線や無線の通信によって行われてもよく、ケーブルやその他のインターフェース等を介して行われてもよい。
また、本実施の形態では、CW最大値取得装置2において、CW最小値の取得をも行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。CW最小値は、あらかじめ決められている値を用いるようにしてもよい。その場合には、CW最大値取得装置2は、最小値取得部24を備えていなくてもよい。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、無線通信装置1またはCW最大値取得装置2に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。なお、上記実施の形態におけるCW最大値取得装置2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、無線リソースの空き時間の割合を示す未利用率を取得する未利用率取得部、ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信において、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間を取得する要求期間取得部、未利用率を用い、要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにコンテンションウィンドウの最大値であるCW最大値を取得する最大値取得部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図5は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態によるCW最大値取得装置2を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図5において、コンピュータシステム900は、CD−ROMドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図6は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図6において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態によるCW最大値取得装置2の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD−ROM921に代えて他の記録媒体(例えば、DVD等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態によるCW最大値取得装置2の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上より、本発明によるCW最大値取得装置等によれば、所望の通信品質に応じた無線通信を実現するためのCW最大値を取得できるという効果が得られ、例えば、無線通信装置等においてCW最大値を決定する装置等として有用である。
1 無線通信装置
2 CW最大値取得装置
11 通信部
12 送信キュー
13 処理部
14 通信制御部
21 未利用率取得部
22 要求期間取得部
23 最大値取得部
24 最小値取得部

Claims (11)

  1. 無線リソースの空き時間の割合を示す未利用率を取得する未利用率取得部と、
    ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信において、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間を取得する要求期間取得部と、
    前記未利用率を用い、前記要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにコンテンションウィンドウの最大値であるCW最大値を取得する最大値取得部と、を備えたCW最大値取得装置。
  2. 前記最大値取得部が算出したCW最大値を用いて、当該CW最大値以下のコンテンションウィンドウの最小値であるCW最小値を取得する最小値取得部をさらに備えた、請求項1記載のCW最大値取得装置。
  3. 前記要求期間取得部は、遅延品質の要求される無線信号に対応する許容遅延に応じた要求期間を取得する、請求項1または請求項2記載のCW最大値取得装置。
  4. 前記許容遅延は、許容最大遅延であり、
    前記最大値取得部は、当該許容最大遅延に応じた要求期間における未利用期間内に、最大送信回数に応じた送信を行うことができるように、遅延品質に応じたCW最大値を取得する、請求項3記載のCW最大値取得装置。
  5. 前記許容遅延は、許容平均遅延であり、
    前記最大値取得部は、当該許容平均遅延に応じた要求期間における未利用期間が、平均バックオフ期間の最大値となるように、遅延品質に応じたCW最大値を取得する、請求項3記載のCW最大値取得装置。
  6. 前記要求期間取得部は、転送レート品質の要求される無線信号に対応する平均データ転送レートに応じた要求期間である平均送信間隔を、データ転送レートと無線信号のサイズとを用いて取得し、
    前記最大値取得部は、当該要求期間における未利用期間が、平均バックオフ期間の最大値となるように、平均データ転送レートに応じたCW最大値を取得する、請求項1から請求項5のいずれか記載のCW最大値取得装置。
  7. 前記要求期間取得部は、転送レート品質の要求される無線信号に対応する平均データ転送レートに応じた要求期間である平均送信間隔を、データ転送レートと無線信号のサイズとを用いて取得し、
    前記最大値取得部は、当該要求期間における未利用期間が、平均バックオフ期間の最大値となるように、平均データ転送レートに応じたCW最大値を取得し、遅延品質及び転送レート品質の両方が要求される無線信号に対応するCW最大値として、前記遅延品質に応じたCW最大値と、前記平均データ転送レートに応じたCW最大値とのうち、小さい方の値を取得する、請求項3から請求項5のいずれか記載のCW最大値取得装置。
  8. 前記要求期間取得部は、複数の送信キューのそれぞれについて、各送信キューでキューイングされる無線信号に応じた要求期間を取得し、
    前記最大値取得部は、前記複数の送信キューのそれぞれについて、各送信キューでキューイングされる無線信号に応じたCW最大値を、各送信キューに対応する要求期間を用いて取得する、請求項1から請求項7のいずれか記載のCW最大値取得装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか記載のCW最大値取得装置と、
    ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信を行う通信部と、
    前記CW最大値取得装置で取得されたCW最大値を用いてバックオフ期間を決定し、当該決定したバックオフ期間を用いて前記通信部による無線送信を制御する通信制御部と、を備えた無線通信装置。
  10. 未利用率取得部と、要求期間取得部と、最大値取得部とを用いて処理を行うCW最大値取得方法であって、
    前記未利用率取得部が、無線リソースの空き時間の割合を示す未利用率を取得する未利用率取得ステップと、
    前記要求期間取得部が、ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信において、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間を取得する要求期間取得ステップと、
    前記最大値取得部が、前記未利用率を用い、前記要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにコンテンションウィンドウの最大値であるCW最大値を取得する最大値取得ステップと、を備えたCW最大値取得方法。
  11. コンピュータを、
    無線リソースの空き時間の割合を示す未利用率を取得する未利用率取得部、
    ランダムなバックオフ期間を用いた無線通信において、無線送信を一度以上成功する必要のある期間である要求期間を取得する要求期間取得部、
    前記未利用率を用い、前記要求期間内に無線送信が成功する範囲内において最大の値となるようにコンテンションウィンドウの最大値であるCW最大値を取得する最大値取得部として機能させるためのプログラム。
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