以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、図面において同一機能を有する構成要素には同一符号が付されており、重複する説明は適宜省略されている。また、図面において適宜示される矢印X方向は、図1に示される放射線Rの照射方向(以下、「放射線照射方向」という。)に対して直交する水平方向である。矢印Y方向は放射線照射方向と一致する水平方向である。また、矢印Z方向は上方向である。矢印X方向、矢印Y方向及び矢印Z方向は、XYZ座標におけるX軸方向、Y軸方向、Z軸方向と一致する方向である。なお、本発明に係る放射線画像撮影装置の適用方向が限定されるものではない。
[第1実施の形態]
図1〜図19を用いて、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置を説明する。
(放射線画像撮影装置の全体の外観構成)
図1に示されるように、放射線画像撮影装置10は、上下方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とする厚さが薄い矩形平板状のパネルケース20を備えている。パネルケース20の内部には後述する3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50(図4等を参照)が収納される構成とされている。放射線Rは、図2に示される放射線照射部70から被検者Hへ向けて照射される。この放射線Rの照射側(以下、「放射線照射部70側」という)に配置されたパネルケース20の放射線照射面22には、パネルケース20に対して一回り小さい相似形となる矩形平面形状の撮影面を有する天板24が設けられている。本実施の形態では、天板24の放射線照射部70側の面が撮影面となる。本実施の形態において、天板24は、放射線Rを透過し、かつ軽量な例えば矩形平板状の炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)により構成されている。天板24は例えばねじ等の固定手段によりパネルケース20のフレーム本体202(図4参照)に固定されている。
パネルケース20は、放射線照射部70と反対側において、上下方向を長手方向とする角柱形状の支持柱14に支持されている。支持柱14の下端部には支持柱14の外側へ広がる底板12が設けられ、底板12により支持柱14を介してパネルケース20が安定に支持される。パネルケース20は、支持柱14への取付け、支持柱14からの取外しを可能とされている。図1に示される放射線画像撮影装置10では、例えば立位状態にある被検者H、或いは椅子や車椅子に着座した座位状態にある被検者Hに対する放射線画像の撮影が可能とされている。また、放射線Rの照射方向(矢印Y方向)を回転軸方向として、パネルケース20が回転自在に支持柱14に支持されてもよい。更に、パネルケース20では、支持柱14から取外して床置きとし、又は臥位撮影台として使用され、臥位状態の被検者Hに対する放射線画像の撮影が可能とされている。
パネルケース20の長手方向中央部の側面には外部接続ケーブル26のコネクタ26Aが接続可能とされている。外部接続ケーブル26は、電源線及び信号線を少なくとも含み、第1放射線検出パネル30等に対して、電源の供給、信号の送受信等を行う。
(放射線画像撮影装置のシステム構成)
図2に示されるように、放射線画像撮影装置10では、放射線照射部70と、パネルケース20の内部に収納された3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50と、コンソール80とを備えている。これらの構成により、放射線画像撮影システムが構築されている。
1.放射線照射部の回路構成
図2に示されるように、放射線照射部70は、放射線源72、線源制御部74、通信部76、表示部78A及び操作部78Bを備えている。通信部76では、コンソール80との間において、曝射条件等の各種情報が送受信される。線源制御部74では、通信部76を介して受信された曝射条件に基づいて、放射線源72の動作が制御される。線源制御部74にはマイクロコンピュータが設けられており、マイクロコンピュータのメモリには通信部76を介して受信された曝射条件等の情報が格納される。曝射条件としては、例えば管電圧、管電流、及び曝射時間等を含む情報が少なくとも含まれている。このような曝射条件に基づいて、線源制御部74からの制御により放射線源72からの放射線Rの照射が制御される。表示部78Aでは、曝射条件等の情報が表示される。操作部78Bでは、放射線照射部70の起動操作、停止操作や、放射線Rの照射開始の操作が行える。
2.放射線検出パネルの回路構成
パネルケース20の内部には全部で3枚の放射線検出パネル(第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50)が収納されている。
図2に示されるように、第1放射線検出パネル30は、放射線Rを検出するセンサユニット300と、センサユニット300に接続された第1回路ユニット320及び第2回路ユニット322とを備えている。センサユニット300は、図6〜図8に示される放射線Rを光に変換する蛍光体層(シンチレータ)304と、蛍光体層304により変換された光を電気信号に変化する光電変換パネル302とを備えている。更に、第1放射線検出パネル30は電源回路ユニット326を備えている。
光電変換パネル302は、図2に示されるように、出力線延在方向例えば横方向に延在し、かつ走査線延在方向例えば縦方向に複数配列された出力線302Aと、走査線延在方向に延在し、かつ出力線延在方向に複数配列された走査線302Bとを備えている。出力線302Aと走査線302Bとの交差箇所には、放射線Rが入射された蛍光体層304により変換された光が入射されると、入射された放射線Rから電荷信号を生成する検出素子302Cが設けられている。検出素子302Cは出力線延在方向、走査線延在方向のそれぞれに沿って複数配列されており、検出素子302Cの配置レイアウトは二次元マトリックス状(二次元マトリックス構成)とされている。検出素子302Cは、光を電荷信号に変換する光電変換素子302Dと、走査線302Bにより出力線302Aと光電変換素子302Dとの間の導通、非導通を制御するスイッチング素子302Eとを備えている。光電変換素子302Dとスイッチング素子302Eとは直列接続されている。光電変換素子302Dは例えばガドリニウムオキサイドサルファ(GOS)により構成されている。スイッチング素子302Eは例えば薄膜トランジスタ(TFT)により構成されている。
第1回路ユニット320では、検出素子302Cから読出された放射線画像情報の信号処理が行われる。詳しく説明すると、第1回路ユニット320は、第1放射線検出パネル30の出力線302Aに接続され、検出素子302Cの光電変換素子302Dにより変換された電荷信号を電圧信号に変換する回路部320Aを備えている。図3に示されるように、回路部320Aは、サンプルホールドとしても機能するチャージアンプ回路320F、マルチプレクサ320G、アナログデジタル(A/D)変換器320Hを備えている。
チャージアンプ回路320Fは、出力線302A毎に配設されており、オペアンプ320I、コンデンサ320J及びスイッチ320Kを備えている。コンデンサ320J、スイッチ320Kはいずれもオペアンプ320Iの入出力間に電気的に並列に接続されている。検出素子302Cから出力線302Aを通して伝送された電荷信号はチャージアンプ回路320Fに保持される。チャージアンプ回路320Fはオペアンプ320I及びコンデンサ320Jによって電荷信号をアナログ信号(電圧信号)に変換する。チャージアンプ回路320Fのスイッチ320Kはコンデンサ320Jに蓄積された電荷信号の放電を行うリセット回路として使用される。チャージアンプ回路320Fにおいて変換されたアナログ信号はマルチプレクサ320Gに入力される。マルチプレクサ320Gはアナログデジタル変換器320Hにアナログ信号を出力する。アナログデジタル変換器320Hでは、アナログ信号がデジタル信号に変換される。
図2に示されるように、本実施の形態において、第1回路ユニット320は、更に信号処理部320Bと、検出器制御部320Cと、画像メモリ320Dと、通信部320Eとを備えている。信号処理部320Bでは、回路部320Aを経て変換されたデジタル信号に画像処理がなされ、放射線画像情報が生成される。信号処理部320Bは画像メモリ320Dに接続されており、信号処理部320Bにおいて生成された放射線画像情報が画像メモリ320Dにシリアルに記憶される。画像メモリ320Dは所定枚数分の放射線画像情報を記憶可能な記憶容量を備えており、放射線画像の撮影が行われる毎に撮影によって得られた放射線画像情報が画像メモリ320Dに順次記憶される。
検出器制御部320Cは、第2回路ユニット322、信号処理部320B、画像メモリ320D、通信部320E、及び電源回路ユニット326のそれぞれに接続されており、これらの制御を司る。検出器制御部320Cはマイクロコンピュータを備えており、マイクロコンピュータはCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Member)等のメモリ、及びハードディスク等の記憶部を備えて構築されている。
通信部320Eは、検出器制御部320Cからの制御に基づいて、外部機器との間において各種情報の送受信を行う。この形式に限定されるものではないが、本実施の形態における通信部320Eは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応した有線通信部又は無線通信部である。詳しく説明すると、通信部320Eでは、検出器制御部320Cとコンソール80との間において放射線画像の撮影に関する制御を行う各種情報の送受信が行われる。また、通信部320Eでは、検出器制御部320Cからコンソール80への放射線画像情報の送信等が行われる。
電源回路ユニット326は第1回路ユニット320等の各種回路、及び第2回路ユニット322に電源を供給する。なお、第1回路ユニット320は回路部320Aにより構成され、信号処理部320B等の回路は別の回路ユニットとして構築されてもよい。
第2回路ユニット322はゲート駆動部であり、第2回路ユニット322では検出素子302Cから放射線画像情報の読出しが行われる。詳しく説明すると、第2回路ユニット322は光電変換パネル302の走査線302Bに接続されている。第2回路ユニット322は走査線302Bを介して検出素子302Cのスイッチング素子302Eの導通、非導通を制御する。
第2放射線検出パネル40、第3放射線検出パネル50は、いずれも第1放射線検出パネル30の構成と同一の構成とされている。第2放射線検出パネル40は、図7及び図8に示されるように、センサユニット300と同一のセンサユニット400と、第1回路ユニット320と同一の第1回路ユニット420及び第2回路ユニット322と同一の第2回路ユニット422とを備えている。センサユニット400は、蛍光体層304と同一の蛍光体層404及び光電変換パネル302と同一の光電変換パネル402を備えている。第3放射線検出パネル50は、図7に示されるように、センサユニット300と同一のセンサユニット500と、第1回路ユニット320と同一の第1回路ユニット520及び第2回路ユニット322と同一の第2回路ユニット522とを備えている。センサユニット500は、蛍光体層304と同一の蛍光体層504及び光電変換パネル302と同一の光電変換パネル502を備えている。
3.コンソールの回路構成
図2に戻って、コンソール80は、コンピュータとして構築され、表示部80A及び操作部80Cを備えている。表示部80Aは放射線画像撮影装置10の操作メニュー、撮影された放射線画像等を表示するモニタである。操作部80Cは、複数の操作キー、スイッチ等を備えており、各種情報や操作指示の入力を行える。コンソール80は、CPU80Eと、ROM80Fと、RAM80Gと、ハードディスクドライブ(HDD)80Hと、表示駆動部80Bと、操作入力検出部80Dと、通信部82とを備えている。
(放射線画像撮影装置の細部構成)
1.パネルケースの構成
図4〜図6に示されるように、パネルケース20は、放射線照射部70側及び放射線照射部70と反対側が開口された矩形枠状のフレーム本体202により構成されている。フレーム本体202は、一対の第1フレーム204及び第2フレーム206と一対の第3フレーム208及び第4フレーム210とを組付けて構成されている。一対の第1フレーム204及び第2フレーム206は、矢印Z方向を長手方向として平行に設けられている。第1フレーム204及び第2フレーム206は、3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50を並べて収納可能な長さに設定されている。一対の第3フレーム208及び第4フレーム210は、矢印X方向を長手方向として平行に設けられ、かつ第1フレーム204及び第2フレーム206よりも短い長さに設定されている。第3フレーム208及び第4フレーム210は、1枚の例えば第1放射線検出パネル30を収納可能な長さに設定されている。第1フレーム204と第3フレーム208との連結部位は外側に突設された円弧状とされている。同様に、第3フレーム208と第2フレーム206との連結部位、第2フレーム206と第4フレーム210との連結部位、第4フレーム210と第1フレーム204との連結部位は各々円弧状とされている。
フレーム本体202は、加工性に優れかつ軽量な、例えば軽金属材料、軽合金材料又は炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。軽金属材料としては例えばアルミニウムが好適である。また、軽合金材料としては例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金が好適である。
なお、図示を省略したが、パネルケース20の放射線照射部70と反対側の裏面には内部を塞ぐ矩形平板状の背面板が設けられている。背面板は、例えばフレーム本体202と同一材料や炭素繊維強化プラスチックにより形成されている。
図4に示されるように、放射線照射部70と反対側において、フレーム本体202の長手方向中間部に長尺板状の第1フレーム補強部材212及び第2フレーム補強部材214が設けられている。また、特に符号は付けないが、第1フレーム補強部材212、第2フレーム補強部材214には幅方向両端部を放射線照射部70側へ折曲げたフランジが設けられている。フランジにより第1フレーム補強部材212、第2フレーム補強部材214の剛性が高められている。
第1フレーム補強部材212の一端側は第1フレーム204に連結され、他端側は矢印X方向に沿って設けられて第2フレーム206に連結されている。第1フレーム補強部材212は、第3フレーム208の位置を基準として、第1フレーム204及び第2フレーム206の長さの約3分の1の位置に設けられている。この位置は第1放射線検出パネル30と第2放射線検出パネル40との連結部位に相当する。第2フレーム補強部材214は、第3フレーム208の位置を基準として、第1フレーム204及び第2フレーム206の長さの約3分の2の位置に設けられている。この位置は第2放射線検出パネル40と第3放射線検出パネル50との連結部位に相当する。第1フレーム補強部材212及び第2フレーム補強部材214は連結部位を覆うと共にフレーム本体202よりも機械的強度の高い材料により形成されている。これにより、フレーム本体202の剛性が高められている。第1フレーム補強部材212及び第2フレーム補強部材214は例えば安価な鋼鉄材料により形成されている。
図12に示されるように、第1フレーム補強部材212の一端側には、第1フレーム補強部材212の長手方向を長軸方向とし、第1フレーム補強部材212を貫通する取付長孔212Aが設けられている。取付長孔212Aを通して図示を省略したねじ等の締結部材により第1フレーム補強部材212が第1フレーム204に固定されている。同様に、第1フレーム補強部材212の他端側、第2フレーム補強部材214の一端側及び他端側にも取付長孔が設けられている。取付長孔を利用して、第1フレーム補強部材212の他端側が第2フレーム206に固定され、第2フレーム補強部材214の一端側が第1フレーム204に固定され、更に第2フレーム補強部材214の他端が第2フレーム206に固定されている。取付長孔は、フレーム本体202と第1フレーム補強部材212及び第2フレーム補強部材214との間に線膨張係数差により生じる応力を吸収可能な構成とされている。
2.放射線検出パネルの構成
パネルケース20の内部に収納される3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50の構成は、図6〜図11に示されている。まず、第1放射線検出パネル30は、特に図6〜図8に示されるように、放射線照射部70と反対側から放射線照射部70側へ向かって、シャーシ312、遮蔽板310、補強部材308、スペーサ306、及びセンサユニット300を順次積層して構成されている。本実施の形態において、センサユニット300では、放射線照射部70側に光電変換パネル302が配設されると共に、放射線照射部70と反対側に蛍光体層304が配設されている。つまり、センサユニット300に、蛍光体層304の放射線照射部70側から光電変換パネル302へ放射線画像を表す撮影情報となる光を集めるISS方式(表面読取方式)が採用されている。
センサユニット300の光電変換パネル302は、図9に示されるように、矩形平板状とされている。ここで、矩形とは、長方形及び正方形を少なくとも含む意味で使用されている。上記図2に示されるように、光電変換パネル302では、出力線302Aと走査線302Bとの交差箇所に検出素子302Cの光電変換素子302D及びスイッチング素子302Eが配置される構成とされている。光電変換パネル302は例えば石英ガラス基板をベースとして形成されている。蛍光体層304は、光電変換パネル302と同様に矩形平板状とされており、光電変換パネル302の平面サイズに対して若干小さい平面サイズにより形成されている。
ここで、本実施の形態における第1放射線検出パネル30において、図4、図5、図9〜図11に示されるように、センサユニット300の矢印Z方向上端に位置する辺が第1辺30Aとされ、第1辺30Aに隣合う1つの辺が第2辺30Bとされている。第1放射線検出パネル30では、第1辺30Aに沿って第1回路ユニット320が配設されると共に、第2辺30Bに沿って第2回路ユニット322が配設されている(図2参照)。また、センサユニット300の第1辺30Aと対向する辺が第3辺30Cとされ、第2辺30Bと対向する辺が第4辺30Dとされている。第1回路ユニット320及び第2回路ユニット322は第3辺30C及び第4辺30Dに沿って配設されていない。
補強部材308は、図6に示されるように、センサユニット300の放射線照射部70と反対側にスペーサ306を介在して設けられている。詳しく説明すると、補強部材308は、センサユニット300と第1回路ユニット320(及び第2回路ユニット322)との間に配設される構成とされている。補強部材308は、矩形平板状とされており、特に図9に示されるように、センサユニット300よりも矢印X方向へ突出されている。表現を代えれば、補強部材308は、センサユニット300の第2辺30B及び第2辺30Bと対向する第4辺30Dよりも外側へ突出されている。突出された部位は、補強部材308をフレーム本体202に固定する部位として使用されている。図5に示されるように、突出された部位において、パネルケース20の長手方向(矢印Z方向)中央部側には円形貫通孔により形成された位置決め孔308Aが設けられている。位置決め孔308Aには例えばねじ等の固定手段が設けられている。固定手段により、フレーム本体202に対して第1放射線検出パネル30の位置決めがなされると共にフレーム本体202に第1放射線検出パネル30が固定される。また、突出された部位において、パネルケース20の長手方向端部側には長手方向を長軸方向とする貫通孔により形成された取付長孔308Bが設けられている。取付長孔308Bには例えばねじ等の固定手段が設けられている。固定手段により、フレーム本体202に第1放射線検出パネル30が固定される。取付長孔308Bはフレーム本体202と第1放射線検出パネル30との線膨張係数差により生じる応力を吸収可能な構成とされている。
補強部材308は、上記の通り、第1放射線検出パネル30をフレーム本体202へ取付ける取付部材として使用されると共に、第1放射線検出パネル30の全体剛性を高める機能を備えている。補強部材308は、剛性が高く、かつ軽量性に優れた例えば炭素繊維強化プラスチック材料により形成されている。補強部材308は、センサユニット300の光電変換パネル302、蛍光体層304、スペーサ306のそれぞれよりもよりも厚く形成されている。
一方、図6に示されるスペーサ306は、センサユニット300と第1回路ユニット320又は第2回路ユニット322との接続部位(センサユニット300とフレキシブル基板320P、322Pとの接続部位)を除いた矩形平板状とされている。スペーサ306は、センサユニット300に対して補強部材308を離間させる機能を備えている。スペーサ306は、例えば炭素繊維強化プラスチック材料により形成されている。なお、補強部材308と同様な剛性がスペーサ306に必要とされないので、スペーサ306は補強部材308よりも薄く又は安価な材料により形成されてもよい。
シャーシ312は、図6、図10及び図11に示されるように、補強部材308の形状に近い矩形平板状とされており、第1放射線検出パネル30のベース基材としての機能を備えている。シャーシ312は例えばアルミニウム等の軽金属材料、アルミニウム合金等の軽合金材料により形成されている。第1放射線検出パネル30では、センサユニット300とシャーシ312との間に補強部材308が設けられ、全体の剛性が高められている。このため、シャーシ312にすべての剛性を持たせる必要がないので、シャーシ312は例えば補強部材308よりも薄く設定可能とされる。シャーシ312及び上記補強部材308はフレーム本体202に固定されている。
図6及び図8に示されるように、遮蔽板310は、矩形平板状とされており、センサユニット300と第1回路ユニット320及び第2回路ユニット322との間、詳しく説明すると、補強部材308とシャーシ312との間に設けられている。遮蔽板310は、センサユニット300を透過した放射線Rの散乱による特に第1回路ユニット320の誤動作を抑制又は防止する機能を備えている。遮蔽板310は例えば放射線Rが透過し難い金属材料、特に熱伝導性に優れた銅材料により形成されている。
図4〜図11に示されるように、第1回路ユニット320は、センサユニット300の隣合う第1辺30A及び第2辺30Bに沿って、シャーシ312の放射線照射部70と反対側に配設されている。すなわち、第1回路ユニット320は、第1放射線検出パネル30の背面側に第1放射線検出パネル30と重複させて配設されている。本実施の形態において、第1回路ユニット320の第1辺30Aに沿った部位には、図2及び図3に示される回路部320A及び信号処理部320Bが設けられている。また、第1回路ユニット320の第2辺30Bに沿った部位には、図2に示される検出器制御部320C、画像メモリ320D及び通信部320Eが設けられている。詳細な説明を省略するが、回路部320A等はいずれもIC(Integrated Circuits)、LSI(Large Scale Integration)等の電子部品として構成されている。これらの電子部品はPCB(Printed Circuit Board)等の回路基板に実装され、回路基板がシャーシ312に取付けられている。
図6〜図11に示されるように、第1回路ユニット320の第1辺30Aに沿った部位(ここでは、回路部320A及び信号処理部320B)は、センサユニット300の光電変換パネル302にフレキシブル基板320Pを介して接続されている。フレキシブル基板320Pは、例えばフレキシブル性を有するポリイミド系樹脂基板に銅配線が設けられた配線基板である。更に、本実施の形態では、COB(Chip On Board)構造が採用され、フレキシブル基板320Pの長手方向中間部に回路部320Aが実装されている。特に図6に示されるように、フレキシブル基板320Pの一端側は光電変換パネル302の図示を省略した出力線302Aに例えば異方性導電膜を介して接続されている。フレキシブル基板320Pの他端側は、第1放射線検出パネル30の側面及びシャーシ312の放射線照射部70と反対側の背面に沿って引回され、第1回路ユニット320の端子に例えば異方性導電膜を介して接続されている。なお、フレキシブル基板320Pは第1辺30Aに沿って複数本配列されている。また、本実施の形態において、フレキシブル基板320Pに実装された回路部320Aは、シャーシ312の放射線照射部70と反対側に配置されている。
図11に示されるように、第2回路ユニット322は、センサユニット300の第2辺30Bに沿って、シャーシ312の放射線照射部70と反対側に配設されている。第1回路ユニット320と同様に、第2回路ユニット322は、第1放射線検出パネル30の背面側に第1放射線検出パネル30と重複させて配設されている。第2回路ユニット322は電子部品として構成されている。電子部品は回路基板に実装され、回路基板がシャーシ312に取付けられている。
第1回路ユニット320と同様に、第2回路ユニット322は、センサユニット300の光電変換パネル302にフレキシブル基板322Pを介して接続されている。フレキシブル基板322Pの一端側は光電変換パネル302の図示を省略した走査線302Bに例えば異方性導電膜を介して接続されている。フレキシブル基板322Pの他端側は、第1放射線検出パネル30の側面及びシャーシ312の放射線照射部70と反対側の背面に沿って引回され、第2回路ユニット322の端子に例えば異方性導電膜を介して接続されている。フレキシブル基板322Pは第2辺30Bに沿って複数本配列されている。
図5、図10及び図11に示されるように、電源回路ユニット326は、センサユニット300の第4辺30Dに沿って、シャーシ312の放射線照射部70と反対側に配設されている。電源回路ユニット326は電子部品として構成されている。電子部品は回路基板に実装され、回路基板がシャーシ312に取り付けられている。
第2放射線検出パネル40は、第1放射線検出パネル30と同一の構成とされている。詳しく説明すると、特に図7〜図11に示されるように、第2放射線検出パネル40は、放射線照射部70と反対側から放射線照射部70側へ向かって、シャーシ412、遮蔽板410、補強板408、スペーサ406、及びセンサユニット400を順次積層して構成されている。センサユニット400は光電変換パネル402及び蛍光体層404により構成されている。センサユニット400等の構成は第1放射線検出パネル30のセンサユニット300等の構成と対応されている。
第2放射線検出パネル40において、センサユニット400の隣合う第1辺40A及び第2辺40Bに沿ってシャーシ412に第1回路ユニット420が配設されている。第1回路ユニット420と光電変換パネル402との間はフレキシブル基板420Pを介して接続されている。センサユニット400の第2辺40Bに沿ってシャーシ412に第2回路ユニット422が配設されている。第2回路ユニット422と光電変換パネル402との間はフレキシブル基板422Pを介して接続されている。センサユニット400の第3辺40C及び第4辺40Dに第1回路ユニット420及び第2回路ユニット422は配設されていない。また、シャーシ412に電源回路ユニット426が取付けられている。
第3放射線検出パネル50は、第1放射線検出パネル30と同一の構成とされている。詳しく説明すると、特に図7及び図9〜図11に示されるように、第3放射線検出パネル50は、放射線照射部70と反対側から放射線照射部70側へ向かって、シャーシ512、遮蔽板、補強板508、スペーサ、及びセンサユニット500を順次積層して構成されている。センサユニット500は光電変換パネル502及び蛍光体層504により構成されている。センサユニット500等の構成は第1放射線検出パネル30のセンサユニット300等の構成と対応されている。
第3放射線検出パネル50において、センサユニット500の隣合う第1辺50A及び第2辺50Bに沿ってシャーシ512に第1回路ユニット520が配設されている。第1回路ユニット520と光電変換パネル502との間はフレキシブル基板520Pを介して接続されている。センサユニット500の第2辺50Bに沿ってシャーシ512に第2回路ユニット522が配設されている。第2回路ユニット522と光電変換パネル502との間はフレキシブル基板522Pを介して接続されている。センサユニット500の第3辺50C及び第4辺50Dに第1回路ユニット520及び第2回路ユニット522は配設されていない。また、シャーシ512に電源回路ユニット526が取付けられている。
3.放射線検出パネルの連結方法
図4、図5、図7、図8及び図13(A)に示されるように、同一の構成を有する3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50は、以下の連結方法を採用してパネルケース20の内部に収納されている。詳しく説明すると、第1放射線検出パネル30及び第3放射線検出パネル50は、第1回路ユニット320及び第2回路ユニット322が配設されていないセンサユニット300の第3辺30Cと、第1回路ユニット520及び第2回路ユニット522が配設されていないセンサユニット500の第3辺50Cとを対向させかつ離間させて配設されている。すなわち、第1放射線検出パネル30に対して、第3放射線検出パネル50は、センサユニット500に垂直な回転軸を中心として180度回転させた向きに配置されている。
そして、第1放射線検出パネル30と第3放射線検出パネル50との間において、第1放射線検出パネル30及び第3放射線検出パネル50の放射線照射部70と反対側に第2放射線検出パネル40が、若干、矢印Y方向の厚み方向へ離間して配設されている。この離間量は、センサユニット300及びセンサユニット500とセンサユニット400との最小の離間距離を例えば2mmとした場合、この最小値2mm以上5.6mm以下に設定されることが好ましい。詳しく説明すると、離間量5.6mmの内訳は、上記2mmに加えて、スペーサ306の厚さを0.2mm〜0.3mm、補強部材308の厚さを1.4mm〜1.5mm、クリアランスを1.2mm〜1.3mmとして算出される。クリアランスは、放射線画像撮影装置10の設置、輸送等に生じる衝撃、天板24に生じた荷重等による第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50の撓みを配慮して設定されている。なお、これらの数値は、スペーサ306、補強部材308等の材質の変更等によって適宜変更可能である。
第2放射線検出パネル40は、特に図7、図8及び図13(A)に示されるように、センサユニット400の第1辺40Aの一部と、第1放射線検出パネル30のセンサユニット300の第3辺30Cの一部とを重複させている。ここで、一部を重複させるとは、放射線画像撮影が可能なセンサユニット300の撮影有効領域AR1の一部と、同様に放射線画像撮影が可能なセンサユニット400の撮影有効領域AR2の一部とを重複させるという意味で使用されている。本実施の形態では、撮影有効領域AR1の最端部(最端部に位置する検出素子302Cの終端位置)と撮影有効領域AR2の最端部(同様に最端部に位置する検出素子302Cの終端位置)とが一致される場合が含まれる。実用的には、第1放射線検出パネル30と第2放射線検出パネル40との重複による段差補正に例えば5mm〜30mmの重複が必要とされ、放射線Rの斜入補正に例えば1mm〜8mmの重複が必要とされる。従って、合計6mm〜38mmの重複が必要とされる。本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10においては、40mmの重複が可能な構成とされている。
また、第2放射線検出パネル40は、特に図7及び図13(A)に示されるように、センサユニット400の第3辺40Cの一部と、第3放射線検出パネル50のセンサユニット500の第3辺50Cの一部とを重複させている。重複の意味並びに実用的な重複量は上記撮影有効領域AR1と撮影有効領域AR2との重複の意味並びに実用的な重複量と同一である。従って、第1放射線検出パネル30に対して、第2放射線検出パネル40は同一の向きに配置されている。
このように連結して配置されると、図7、図8及び図13(A)に示されるように、第1放射線検出パネル30のセンサユニット300の第3辺30Cの一部と第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の第1辺40Aの一部とが、第1回路ユニット320及び第1回路ユニット420を介在させずに直接的に重合わされる。同様に、図7及び図13(A)に示されるように、第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の第3辺40Cの一部と第3放射線検出パネル50のセンサユニット500の第3辺50Cの一部とが、第1回路ユニット420及び第1回路ユニット520を介在させずに直接的に重合わされる。
図13(B)に比較例1に係る放射線検出パネルの連結状態が示されている。比較例1では、図13(A)に示される第1放射線検出パネル30等の配列順序は同一であるが、第2放射線検出パネル40が第1放射線検出パネル30及び第3放射線検出パネル50の放射線照射部70側に配設される。このため、第1放射線検出パネル30の第3辺30Cの一部と第2放射線検出パネル40の第1辺40Aの一部とが、第1回路ユニット420を介在させて重合わされる。
また、図13(C)に比較例2に係る放射線検出パネルの連結状態が示されている。比較例1では、図13(A)に示される第1放射線検出パネル30等の配列順序は同一である。ところが、比較例2では、第2放射線検出パネル40が第1放射線検出パネル30及び第3放射線検出パネル50の放射線照射部70側に配設されると共に、第3放射線検出パネル50が第1放射線検出パネル30及び第2放射線検出パネル40と同一方向の向きに配設される。比較例2においても、比較例1と同様に、第1放射線検出パネル30の第3辺30Cの一部と第2放射線検出パネル40の第1辺40Aの一部とが、第1回路ユニット420を介在させて重合わされる。
ここで、図13(D)に変形例1に係る放射線画像撮影装置10の連結状態が示されている。変形例1に係る放射線画像撮影装置10では、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50がすべて同一方向の向きに配設されている。そして、第1放射線検出パネル30の放射線照射部70と反対側に第2放射線検出パネル40が配設され、第2放射線検出パネル40の放射線照射部70と反対側に第3放射線検出パネル50が配設されている。
詳しく説明すると、第1放射線検出パネル30の第3辺30Cの一部と第2放射線検出パネル40の第1辺40Aの一部とが重複されている。また、第2放射線検出パネル40の第3辺40Cの一部と第3放射線検出パネル50の第1辺50Aの一部とが重複されている。変形例1に係る放射線画像撮影装置10では、第1放射線検出パネル30と第2放射線検出パネル40とが第1回路ユニット420を介在させずに重ね合わされ、第2放射線検出パネル40と第3放射線検出パネル50とが第1回路ユニット520が介在させずに重合わされる。
4.パネルケース内部の配線レイアウト
図5に簡略化して示されるように、パネルケース20の長手方向中央部の側面に接続された外部接続ケーブル26のコネクタ26Aの近傍において、パネルケース20の内部に電源中継部60及び信号中継部62が設けられている。外部接続ケーブル26の図示を省略した電源線からパネルケース20へ供給される電源は、一旦、電源中継部60に供給される。電源中継部60から第1放射線検出パネル30の電源回路ユニット326へ引回された電源線60Aを通して、電源中継部60から電源回路ユニット326へ電源が分配される。同様に、電源中継部60から第2放射線検出パネル40の電源回路ユニット426へ引回された電源線60Bを通して、電源中継部60から電源回路ユニット426へ電源が分配される。電源中継部60から電源回路ユニット526へ引回された電源線60Cを通して、電源中継部60から電源回路ユニット526へ電源が分配される。
一方、外部接続ケーブル26の図示を省略した信号線は、一旦、信号中継部62に接続される。信号中継部62と第1放射線検出パネル30の第1回路ユニット320との間は信号線62Aを通して接続されており、双方の間において信号伝送がなされる。同様に、信号中継部62と第2放射線検出パネル40の第1回路ユニット420との間は信号線62Bを通して接続されており、双方の間において信号伝送がなされる。信号中継部62と第3放射線検出パネル50の第1回路ユニット520との間は信号線62Cを通して接続されており、双方の間において信号伝送がなされる。
(第1実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図4、図5、図7、図8及び図13(A)に示されるように、3つの第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50を備える。第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50には、各々、センサユニット300、400、500及び第1回路ユニット320、420、520が設けられる。センサユニット300、400、500は、放射線照射部70側に配設され、放射線Rを検出する。センサユニット300、400、500は矩形平板状により形成される。第1回路ユニット320、420、520はセンサユニット300、400、500の隣合う第1辺30A、40A、50A及び第2辺30B、40B、50Bに沿って配設される。第1回路ユニット320、420、520はセンサユニット300、400、500の第3辺30C、40C、50C及び第4辺30D、40D、50Dに沿って配設されない。
ここで、第1放射線検出パネル30及び第3放射線検出パネル50は、第1回路ユニット320、520が配設されていない互いのセンサユニットの第3辺30C、50Cを対向させて配設される。また、第2放射線検出パネル40では、第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の第1辺40Aにおける撮影有効領域AR2の一部が第1放射線検出パネル30のセンサユニット300の第3辺30Cにおける撮影有効領域AR1の一部に放射線照射方向において重複されて配設される。更に、第2放射線検出パネル40では、第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の第3辺40Cにおける撮影有効領域AR2の一部が第3放射線検出パネル50のセンサユニット500の第3辺50Cにおける撮影有効領域の一部に放射線照射方向において重複されて配設される。そして、第2放射線検出パネル40は第1放射線検出パネル30及び第3放射線検出パネル50の放射線照射部70と反対側に配設される。このため、第1放射線検出パネル30のセンサユニット300の撮影有効領域AR1の一部に第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の撮影有効領域AR2の一部が重複されると共に、重複箇所に第1回路ユニット320、420が介在されない。同様に、第3放射線検出パネル50のセンサユニット500の撮影有効領域の一部に第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の撮影有効領域AR2の一部が重複されると共に、重複箇所に第1回路ユニット420、520が介在されない。従って、3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50が一方向(例えば図7中、矢印Z方向)に連結されると共に、連結箇所において第1回路ユニット320、420、520により放射線Rが遮れない。
このような本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10によれば、3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50を連結して放射線画像の長尺撮影を可能とし、連結箇所において放射線画像の画質を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、特に図6〜図11に示されるように、センサユニット300、400、500及び第1回路ユニット320、420、520がフレキシブル基板320P、420P、520Pを介して接続される。このため、第1回路ユニット320、420、520又は第1回路ユニット320、420、520の一部(例えば回路部320A)の配置レイアウトの自由度を向上させることができる。例えば、放射線Rの影響を受けない箇所に第1回路ユニット320、420、520が配置可能とされる。加えて、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、センサユニット300、400、500と第2回路ユニット322、422、522との間がフレキシブル基板322P、422P、522Pを介して接続されるので、同様の作用効果が得られる。
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、特に図7、図8、図10、図11及び図13(A)に示されるように、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40又は第3放射線検出パネル50の放射線照射部70と反対側に第1回路ユニット320、420、520が配設されている。このため、撮影有効領域AR1等において第1回路ユニット320、420、520により放射線Rが遮られない。また、第1回路ユニット320、420、520が放射線照射部70と反対側に配設されることにより、第1放射線検出パネル30等の撮影面方向の占有面積に第1回路ユニット320、420、520の占有面積を重合わせて、放射線画像撮影装置10の撮影面方向の小型化が実現可能とされる。加えて、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40又は第3放射線検出パネル50の放射線照射部70と反対側に第2回路ユニット322、422、522が配設されているので、同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図6及び図8に示されるように、センサユニット300、400と第1回路ユニット320、420との間に遮蔽板310、410が設けられている。図示を省略したが、同様に、センサユニット500と第1回路ユニット520との間にも遮蔽板が設けられている。このため、遮蔽板310、410等により第1回路ユニット320、420、520への放射線Rが遮蔽される。特に、遮蔽板310、410等では、放射線照射部70と反対側から入射される放射線の散乱線が遮蔽可能とされる。このため、第1回路ユニット320、420、520の放射線照射による誤動作を効果的に抑制又は防止することができる。加えて、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、センサユニット300、400、500と第2回路ユニット322、422、522との間に遮蔽板310、410等が設けられているので、同様の作用効果が得られる。
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、上記遮蔽板310、410等が金属材料により構成されている。金属材料は熱伝導性に優れているので、第1回路ユニット320、420、520、第2回路ユニット322、422、522の回路動作で発生する熱の放熱性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図1、図4及び図5に示されるように、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50が1つのパネルケース20の内部に収納されるので、個々にパネルケースに収納した場合に比べて、共用部位が最適化される。例えば、放射線検出パネル間の仕切部位が省略される。このため、放射線画像撮影装置10のコンパクト化が実現可能とされる。
加えて、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50がパネルケース20に収納され、矩形平板状の天板24で覆われる構成とされている。このため、天板24の表面は平坦化される。例えば、被検者Hが天板24に触れた際の違和感が解消される。
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、3枚の第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50が同一構成とされている。例えば1つの放射線検出パネルに不具合が生じたとしても、不具合が生じた放射線検出パネルが容易に交換可能とされる。このため、放射線画像撮影装置10は、全体の修復ではなく、一部の修復となるので、修復費用やメンテナンス費用を減少させることができる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図6、図8〜図11に示されるように、センサユニット300、400、500と第1回路ユニット320、420、520との間に補強部材308、408、508が設けられる。このため、センサユニット300、400、500が補強される。加えて、図9及び図10に示されるように、パネルケース20のフレーム本体202に固定する部位が補強部材308、408、508に設けられているので、センサユニット300、400、500及び第1回路ユニット320、420、520のパネルケース20への取付作業性を向上させることができる。なお、補強部材308、408、508はセンサユニット300、400、500と第2回路ユニット322、422、522との間にも設けられているので、同様の作用効果が得られる。
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、センサユニット300が蛍光体層304と光電変換パネル302とを備えている。センサユニット400、500も同様である。補強部材308に蛍光体層304及び光電変換パネル302が積層されるので、補強部材308により蛍光体層304及び光電変換パネル302が補強される。このため、例えば放射線画像撮影装置10の組立作業において、割れ等の損傷を生じることなく、蛍光体層304や光電変換パネル302が取扱えるので、ハンドリング性を向上させることができる。加えて、放射線画像撮影装置10では、補強部材308を備えているので、パネルケース20の剛性も向上させることができる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、例えば炭素繊維強化プラスチック等の軽量かつ強度が高い材料により補強部材308、408、508が形成されているので、より一層ハンドリング性を向上させることができる。
更に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図6〜図8に示されるように、放射線照射部70側に光電変換パネル302を配置し、放射線照射部70と反対側に蛍光体層304を配置して蛍光体層304の放射線照射部70側から光を集めるISS方式(表面読取方式)がセンサユニット300に採用される。センサユニット400、500も同様のISS方式(表面読取方式)が採用される。このため、放射線Rから変換された光が光電変換素子302D(図2参照)へ到達するまでの距離が短縮されるので、光電変換効率が向上され、放射線画像の画質を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図1及び図5に示されるように、第1放射線検出パネル30等の配列方向中間部においてパネルケース20の側面に外部接続ケーブル26のコネクタ26Aが接続可能とされる。このため、外部接続ケーブル26から第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40、第3放射線検出パネル50への信号の伝送経路長(信号線62A〜62C)及び電源の供給経路長(電源線60A〜60C)が均一化され、伝送経路長及び供給経路長が短くなる。従って、信号の伝送経路及び電源の供給経路においてノイズの影響を減少させることができる。
なお、上記実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、例えば図7に示される矢印Z方向上方から下方へ向かって、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40、及び第3放射線検出パネル50が順次連結されている。本実施の形態では、この連結順序を反転させてもよい。詳しく説明すると、放射線画像撮影装置10では、矢印Z方向下方から上方へ向かって、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40、及び第3放射線検出パネル50が順次連結されてもよい。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、例えば図4、図5及び図7を参照して、第1放射線検出パネル30のセンサユニット300の第4辺30Dと第3放射線検出パネル50のセンサユニット500の第4辺50Dとを対向させかつ離間させて配設してもよい。第4辺30Dに沿って第1回路ユニット320及び第2回路ユニット322が配設されていない。同様に、第4辺50Dに沿って第1回路ユニット520及び第2回路ユニット522が配設されていない。第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の第2辺40Bの一部は第1放射線検出パネル30のセンサユニット300の第4辺30Dの一部と重複されると共に、第1放射線検出パネル30の放射線照射部70と反対側に第2放射線検出パネル40が配設される。第2放射線検出パネル40のセンサユニット400の第4辺40Dの一部は第3放射線検出パネル50のセンサユニット500の第4辺50Dの一部と重複されると共に、第3放射線検出パネル50の放射線照射部70と反対側に第2放射線検出パネル40が配設される。これにより、第1放射線検出パネル30と第2放射線検出パネル40とが第2回路ユニット322及び第2回路ユニット422を介在させずに直接的に重合わされる。同様に、第2放射線検出パネル40と第3放射線検出パネル50とが第2回路ユニット422及び第2回路ユニット522を介在させずに重合わされる。
(変形例2)
変形例2〜変形例5は、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10において、第1回路ユニット320又はその一部の回路部320Aの配設位置を変えた例を説明するものである。なお、変形例2〜変形例5は第1放射線検出パネル30について説明するが、第2放射線検出パネル40、第3放射線検出パネル50は第1放射線検出パネル30と同一の構成とされるので、ここでの説明は省略する。また、変形例2〜変形例5は、第1回路ユニット320に限定されず、第2回路ユニット322に適用してもよい。
図14及び図15に示される変形例2に係る放射線画像撮影装置10では、第1放射線検出パネル30の第1回路ユニット320の一部となる回路部320Aが、検出器制御部320C等(図2に参照)が実装された回路基板に実装されている。つまり、フレキシブル基板320Pに回路部320Aは実装されていない。
変形例2に係る放射線画像撮影装置10によれば、上記第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10により得られる作用効果と同様の作用効果が得られる。
(変形例3)
変形例3に係る放射線画像撮影装置10では、図16に示されるようにフレキシブル基板320Pに回路部320Aが実装されているが、図17に示されるように第1放射線検出パネル30の側面に沿って回路部320Aが配設されている。詳しく説明すると、フレキシブル基板320Pは、センサユニット300から第1回路ユニット320へ第1放射線検出パネル30の側面に沿って引回されており、側面に沿った部位に回路部320Aが実装されている。
変形例3に係る放射線画像撮影装置10によれば、第1放射線検出パネル30の側面に沿って第1回路ユニット320の回路部320Aが配設されるので、回路部320Aが放射線照射方向に沿って配設される。回路部320Aの実際に回路が設けられた面(図示せず)は天板24に対して矢印Y方向へ90度回転されるので、回路部320Aの放射線照射による回路動作への影響を減少させることができる。
(変形例4)
変形例4に係る放射線画像撮影装置10では、図18に示されるように、第1放射線検出パネル30第1回路ユニット320の回路部320Aがセンサユニット300の周辺部に配設されている。詳しく説明すると、センサユニット300の光電変換パネル302の周辺部に回路部320Aが配設されている。
変形例4に係る放射線画像撮影装置10によれば、センサユニット300の出力線302Aと回路部320Aとの間の信号伝送路の長さが短くなるので、放射線画像を表す撮影情報のノイズの影響を減少させることができる。
(変形例5)
変形例5に係る放射線画像撮影装置10では、図19に示されるように、第1放射線検出パネル30の側面に沿って放射線照射方向へ第1回路ユニット320全体が配設されている。
変形例5に係る放射線画像撮影装置10によれば、第1放射線検出パネル30の側面に沿って第1回路ユニット320が配設されるので、第1回路ユニット320が放射線照射方向に沿って配設される。第1回路ユニット320の実際に回路が設けられた面(図示せず)は天板24に対して矢印Y方向へ90度回転されるので、第1回路ユニット320の放射線照射による誤動作を効果的に抑制又は防止することができる。
[第2実施の形態]
図20を用いて、本発明の第2実施の形態に係る放射線画像撮影装置10を説明する。
(放射線検出パネルの構成)
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10は、図20に示されるように、基本的には第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10と同一の構成であるが、第2放射線検出パネル40の第1回路ユニット420が第1放射線検出パネル30の放射線照射部70と反対側(図1参照)に配設されている。詳しく説明すると、第1放射線検出パネル30ではセンサユニット300の放射線照射部70と反対側に重複させて第1回路ユニット320が配設され、第3放射線検出パネル50ではセンサユニット500の放射線照射部70と反対側に重複させて第1回路ユニット520が配設されている。これに対して、第2放射線検出パネル40では、フレキシブル基板420Pを折返さずに第1放射線検出パネル30の放射線照射部70と反対側へ引回し、第1放射線検出パネル30の背面側に第1回路ユニット420が移動されている。
(第2実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、第2放射線検出パネル40の第1回路ユニット420が第1放射線検出パネル30の放射線照射部70と反対側に配設されるので、放射線照射方向において第1回路ユニット420の厚みが第2放射線検出パネル40の厚みの中に取込まれる。このため、放射線画像撮影装置10の薄型化が実現可能とされる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の上記作用効果以外の作用効果は、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の作用効果と同様である。
[第3実施の形態]
図21を用いて、本発明の第3実施の形態に係る放射線画像撮影装置10を説明する。本実施の形態並びに後述する第4実施の形態は、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10に対して、外部接続ケーブル26のパネルケース20への接続箇所を代えた例を説明するものである。
(放射線画像撮影装置の構成)
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図21に示されるように、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50の配列方向一端部においてパネルケース20の側面にコネクタ26Aを介在して外部接続ケーブル26が設けられている。詳しく説明すると、図21中、矢印Z方向下端部に外部接続ケーブル26が接続可能に設けられている。図示を省略したが、図5に示される電源中継部60及び信号中継部62はコネクタ26Aの近傍においてパネルケース20の内部に設けられている。
(第3実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10によれば、第1放射線検出パネル30等の配列方向一端部においてパネルケース20の側面に外部接続ケーブル26が接続可能とされる。配列方向一端部では、外部接続ケーブル26の取付け、取外しが邪魔にならないので、操作性を向上させることができる。操作性の向上には、例えば第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10において説明した、パネルケース20の回転操作や取外し操作等の操作性が向上される意味が含まれる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の上記作用効果以外の作用効果は、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の作用効果と同様である。
[第4実施の形態]
図22を用いて、本発明の第4実施の形態に係る放射線画像撮影装置10を説明する。
(放射線画像撮影装置の構成)
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、図22に示されるように、第1放射線検出パネル30、第2放射線検出パネル40及び第3放射線検出パネル50の配列幅方向においてパネルケース20の上部側面(又は下部側面)にコネクタ26Aを介在して外部接続ケーブル26が設けられている。詳しく説明すると、図22中、矢印X方向中間部に外部接続ケーブル26が接続可能に設けられている。図示を省略したが、図5に示される電源中継部60及び信号中継部62はコネクタ26Aの近傍においてパネルケース20の内部に設けられている。
(第4実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10によれば、第1放射線検出パネル30等の配列幅方向においてパネルケース20の側面に外部接続ケーブル26が接続可能とされる。配列幅方向の側面では、外部接続ケーブル26の取付け、取外しが邪魔にならないので、操作性を向上させることができる。操作性の向上には、第3実施の形態に係る放射線画像撮影装置10において説明した意味が含まれる。
また、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の上記作用効果以外の作用効果は、第1実施の形態に係る放射線画像撮影装置10の作用効果と同様である。
[第5実施の形態]
本実施の形態では、パネルケース20が、上記第1実施の形態〜第4実施の形態のパネルケース20と異なるため、本実施の形態のパネルケース20について詳細に説明する。
上記各実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、画像情報の欠落を防ぎ、また、適切に段差補正及び放射線Rの斜入補正を行う観点から、センサユニット300、400、500を、各々の撮影有効領域の端部を重複させて配置している。具体的には、上記各実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、センサユニット300の撮影有効領域AR1と、センサユニット400の撮影有効領域AR2の一部とが重複されている。また同様に、放射線画像撮影装置10では、センサユニット400の撮影有効領域AR2の一部と、センサユニット500の撮影有効領域(図示省略)の一部とが重複されている。
センサユニット300、400、500の重複部では、蛍光体層(304、044、504)が二重に配置されていることによる吸収率の違いにより、撮影された放射線にアーチファクトが生じる場合がある。発生するアーチファクトとしては、例えば、濃度段差、放射線照射部70から遠い方に配置されたセンサユニットの重複部における線量低下によって発生する横スジ、及び散乱線の回り込みによる黒帯や白帯等のアーチファクトが挙げられる。
そのため、センサユニット300、400、500における重複部を避けて放射線画像の撮影を行うことが好ましい場合がある。例えば、被写体Hの関心部位(医師等のユーザが観察や診察を行いたい部位)は、重複部に対応する放射線画像に写り込まないことが好ましい。
そこで、本実施形態の放射線画像撮影装置10では、適切に被写体Hの放射線画像を撮影するための撮影を支援する目印の一例に対応する補助線を、天板24の撮影面25及びフレーム本体202の側面に設けた。
具体的に、本実施の形態の補助線の一例としては、重複部を避ける支援を行うものがある。また、一般的に、被写体Hをポジショニングする場合、撮影有効領域の中央を部分を目安にして行う場合がある。重複部を避けて撮影を行う場合、重複部を除いた撮影有効領域の中央部は、各センサユニット300、400、500自身の撮影有効領域(AR1、AR2等)との中央部と異なる位置になるため、重複部を除いた撮影有効領域の中央部に対応する位置を、被写体Hのポジショニングを支援するための補助線が一例として挙げられる。
以下、各実施例において、天板24の撮影面25及びフレーム本体202の側面に設けた補助線について詳細に説明する。なお、以下の実施例で示す放射線画像撮影装置10の図には、コネクタ26Aの記載を省略している。
(実施例1−1)
図23には、本実施例の放射線画像撮影装置10の天板24の撮影面25及びフレーム本体202の側面に設けた補助線の具体例を示す。
本実施例の放射線画像撮影装置10では、天板24の撮影面25の、センサユニット300の撮影有効領域AR1、センサユニット400の撮影有効領域AR2、及びセンサユニット400の撮影有効領域に対応する位置に、補助線を設けた。
天板24の撮影面25には、撮影面補助線350、450、550、及び撮影面補助線352、452、552が設けられている。
撮影面補助線350は、センサユニット300の撮影有効領域AR1に対応する位置に設けられている。また、撮影面補助線352は、センサユニット300の撮影有効領域AR1から、センサユニット400の撮影有効領域AR2との重複部を除いた領域の中央に対応する位置に設けられている。同様に、撮影面補助線450は、センサユニット400の撮影有効領域AR2に対応する位置に設けられている。また、撮影面補助線452は、センサユニット400の撮影有効領域AR1から、センサユニット300の撮影有効領域AR1との重複部及びセンサユニット500の撮影有効領域との重複部を除いた領域の中央に対応する位置に設けられている。また同様に、撮影面補助線550は、センサユニット500の撮影有効領域に対応する位置に設けられている。また、撮影面補助線552は、センサユニット500の撮影有効領域から、センサユニット400の撮影有効領域AR2との重複部を除いた領域の中央に対応する位置に設けられている。
本実施例の放射線画像撮影装置10によれは、天板24の撮影面25に、撮影面補助線350、450、550が設けられているため、重複部の位置を、パネルケース20の外部から認識することができる。そのため、本実施例の放射線画像撮影装置10によれば、重複部の位置を避けて被写体Hを撮影するための支援を行うことができる。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10によれば、重複部の位置を避けて被写体Hを撮影するための支援を行うことができる。
さらに、本実施例の放射線画像撮影装置10によれは、天板24の撮影面25に、中央の位置に対応する撮影面補助線352、452、552が設けられているため、被写体Hのポジショニングを支援することができる。
一方、フレーム本体202の側面には、側面補助線351、451、551、及び側面補助線353、453、553が設けられている。
側面補助線351は、撮影面補助線350に対応する位置に設けられている。また、側面補助線353は、撮影面補助線352に対応する位置に設けられている。同様に、側面補助線451は、撮影面補助線450に対応する位置に設けられている。また、側面補助線453は、撮影面補助線452に対応する位置に設けられている。また同様に、側面補助線551は、撮影面補助線550に対応する位置に設けられている。また、側面補助線553は、撮影面補助線552に対応する位置に設けられている。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10によれば、フレーム本体202の側面に、側面補助線351、451、551が設けられているため、重複部の位置を、パネルケース20の外部から認識することができる。特に、天板24の撮影面25上に、例えば、被写体Hが配置(ポジショニング)されていること等により、撮影面25に表示された撮影面補助線350、450、550が見辛い場合であっても、重複部の位置を、パネルケース20の外部から認識することができる。
さらに、本実施例の放射線画像撮影装置10によれは、フレーム本体202の側面に、中央の位置に対応する撮影面補助線353、453、553が設けられているため、被写体Hのポジショニングを支援することができる。
(実施例1−2)
図24には、本実施例の放射線画像撮影装置10の天板24の撮影面25及びフレーム本体202の側面に設けた補助線の具体例を示す。
放射線照射部70から照射される放射線Rは、パネルケース20の天板24(撮影面25)に対して斜入する場合があり、放射線Rの斜入角度(入射角度)が変化すると、パネル重複部に投影される天板24上の位置が変化する。本実施例の放射線画像撮影装置10では、放射線Rの斜入を考慮した補助線を天板24の撮影面25及びフレーム本体202の側面に設けた場合について詳細に説明する。
図24に示した放射線画像撮影装置10では、長手方向に対して、斜入角度が変化し、パネルケース20の長手方向においてパネル重複部に投影される天板24上の位置が変化する場合における、放射線Rの斜入を考慮して設けた補助線を示している。
放射線画像撮影装置10の天板24の撮影面25には、実施例1−1で示した、撮影面補助線350、352、450、452、550、552、に加えて、長手方向の斜入角度が最大の場合の重複部を表す撮影面補助線354、454、554が設けられている。また同様に、放射線画像撮影装置10のフレーム本体202の側面には、実施例1−1で示した、側面補助線351、353、451、453、551、553に加えて、斜入角度が最大の場合の重複部を表す側面補助線355、455、555が設けられている。
なお、図23で示した撮影面補助線350、450、550、及び側面補助線351、451、551は、放射線Rが、パネルケース20に対して垂直入射の場合に対応している。
最大となる斜入角度は、放射線画像撮影装置10が備えられた放射線画像撮影システム等に応じて異なるが、最大となる斜入角度の具体例としては、静止画を撮影する場合、40度が挙げられる。なお、放射線Rが垂直入射の場合と、斜入角度が最大の場合とで、重複部のずれは、センサユニット300、400、500の放射線照射部70側の面と、天板24の撮影面25との間の距離をDで表し、斜入角度をθで表すとすると、ずれ量=Dtanθで算出することができる。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10によれば、天板24の撮影面25に撮影面補助線354、454、554がさらに設けられており、フレーム本体202の側面には、側面補助線355、455、555がさらに設けられている。そのため、放射線Rの斜入角度に応じた重複部の位置を、パネルケース20の外部から認識することができる。
なお、本実施例の放射線画像撮影装置10では、放射線Rが垂直入射する場合の撮影面補助線350、450、550、及び側面補助線351、451、551と、斜入角度が最大の場合の撮影面補助線354、454、554、及び側面補助線355、455、555と、の両方を設けているがこれに限らない。例えば、斜入角度が最大の場合の撮影面補助線354、454、554、及び側面補助線355、455、555のみを放射線画像撮影装置10に設けてもよい。
また、複数の斜入角度に応じて撮影面補助線や側面補助線を設けてもよい。この場合の具体例を説明するための説明図を図25に示す。図25では、天板24の撮影面25における、センサユニット300の撮影有効領域AR1とセンサユニット400の撮影有効領域AR2との重複部の拡大図を模式的に示している。図25では、斜入角度がA、B、Cの3種類の場合の撮影面補助線356A、356B、356C、456A、456B、456Cが、天板24の撮影面25に設けられている場合を示している。
なお、本実施例の放射線画像撮影装置10のように、複数種類の補助線を設ける場合において、全ての補助線をフレーム本体202の側面に設けると煩雑になる場合がある。例えば、フレーム本体202の側面には、コネクタ26Aや各種スイッチ等が設けられているため、このような側面に対して複数種類の補助線を設けると煩雑になり、見辛くなる場合がある。そのため、フレーム本体202の側面には、複数種類の補助線の全てを設けなくてもよく、例えば、斜入角度が最大の場合の側面補助線355、455、555のみを放射線画像撮影装置10に設けてもよい。
また、本実施例では、パネルケース20の長手方向に放射線Rの斜入角度が変化する場合について説明したが、これに限らず、パネルケース20の短手方向に放射線Rの斜入角度が変化し、短手方向においてパネル重複部に投影される天板24上の位置が変化する場合の補助線を設けるようにしてもよい。短手方向に最大となる斜入角度の具体例としては、静止画を撮影する場合、30度が挙げられる。
(実施例1−3)
図26及び図27には、本実施例の放射線画像撮影装置10の天板24の撮影面25及びフレーム本体202の側面に設けた補助線の具体例を示す。なお、図26は、放射線画像撮影装置10上にグリッド部600を配置した状態を示しており、本実施例では、実施例1−1の放射線画像撮影装置10に設けられている補助線に加えて、グリッド部600の継ぎ目602に対応する位置に撮影面補助線602、及び側面補助線611が設けられている。
放射線画像の撮影を行う場合、被写体Hを透過した放射線Rに含まれる散乱線を除去するグリッドを、被写体Hと、センサユニットとの間に設ける場合がある、上記各実施の形態の放射線画像撮影装置10では、複数のセンサユニット(センサユニット300、400、500)を備えており、放射線画像撮影装置10全体の撮影有効領域が大きくなるため、グリッドの大きさ(面積)も、撮影面25の大きさ(面積)に応じて大きくなる。そのため、放射線画像撮影装置10による撮影では、複数のグリッドが継ぎ合わされた1つの大きなグリッド部を用いて撮影を行う場合がある。図26は、グリッド部600を配置した放射線画像撮影装置10の具体例を示している。図26に示すように、本実施例の放射線画像撮影装置10では、放射線画像撮影装置10の上、すなわち被写体Hと放射線画像撮影装置10との間にグリッド部600を配置している。また、本実施例のグリッド部600は、3つのグリッド(600A、600B、600C)を継ぎ目602により継ぎ合わせている。
このように、複数のグリッド(600A、600B、600C)を継ぎ合わせた場合、撮影された放射線画像には、継ぎ目を隔てて、グリッドの山谷の位相が変化する。そのため、放射線画像に対してグリッドムラを除去する除去処理を行った後も各グリッドの間隔に応じた縞模様が残る場合がある。グリッドの継ぎ目602に起因するこのような縞模様の具体例としては、グリッドの継ぎ目602に対応する位置付近にパネルケース20の長手方向に延びた縞模様が挙げられる。このように、縞模様が発生すると、発生箇所における放射線画像の画質が低下する懸念がある。そのため、グリッド部の継ぎ目602を避けた位置に被写体H、特に関心部位を撮影(ポジショニング)することが好ましい。
そこで、本実施例の放射線画像撮影装置10では、グリッド部600の継ぎ目602に対応する天板24の撮影面25の位置に撮影面補助線610が設けている。また、放射線画像撮影装置10では、グリッド部600の継ぎ目602に対応するフレーム本体202の側面の位置に側面補助線611が設けている。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10によれば、天板24の撮影面25に撮影面補助線610がさらに設けられており、フレーム本体202の側面には、側面補助線611が設けられている。そのため、グリッド部600の継ぎ目602の位置を、パネルケース20の外部から認識することができる。
なお、本実施例のグリッド部600の継ぎ目602の位置も、実施例1−2で説明した重複部の位置と同様に、放射線Rの斜入角度により変化する。そのため、放射線Rの斜入角度に応じた複数種類の補助線を設けるようにしてもよい。
また、グリッド部600の上、被写体Hとの間に、天板(図示省略)を設ける場合、設けた天板に、天板24の撮影面25と同様に、補助線を設けてもよい。この場合、グリッド部600上の天板には、上述した複数種類の補助線の全てを設けてもよいし、一部の補助線を設けるようにしてもよい。
(実施例1−4)
図28には、本実施例の放射線画像撮影装置10の天板24の撮影面25に設けた補助線の具体例を示す。本実施例では、実施例1−1の放射線画像撮影装置10に設けられている補助線に加えて、所望の放射線画像の大きさに応じた撮影面補助線370、372、470、472、570、572が設けられている。
例えば、1つのセンサユニット300、400、500よりも小さい領域(例えば、四つ切りサイズ等)に、放射線画像をトリミングしたい場合がある。そのような場合に備え、本実施の形態の放射線画像撮影装置10では、トリミングをしたい領域(センサユニット300、400、500の各撮影有効領域(AR1、AR2等)よりも小さい領域)を表す位置に、撮影面補助線370、372、470、472、570、572を設けている。例えば、撮影面補助線370、470、570は四つ切りサイズであり、撮影面補助線372、472、572は六つ切りサイズを表している。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10によれば、撮影面補助線370、372、470、472、570、572を設けているため、所望の大きさの放射線画像を所望の大きさに整形する場合において、被写体Hのポジショニングを行い易くすることができる。
以上説明したように、本実施形態の放射線画像撮影装置10では、天板24の撮影面25及びフレーム本体202の側面に放射線画像の撮影を支援するための補助線を設けている。特に、撮影面補助線350、450、452、及び側面補助線351、451、551を設けているため、センサユニット300の撮影有効領域AR1、センサユニット400の撮影有効領域AR2、及びセンサユニット500の撮影有効領域それぞれの重複部をパネルケース20の外側から認識することができるようになる。そのため、被写体Hのポジショニングを容易にすることができる。また、本実施形態の放射線画像撮影装置10では、放射線画像の画質を向上することができる。これにより、例えば、被写体Hの再撮影を抑制することができる。
また、本実施形態の放射線画像撮影装置10では、天板24の撮影面25に加え、フレーム本体202の側面に補助線を設けているため、天板24の撮影面25上に、被写体H、グリッド部600、及び他の天板等を配置料した場合であっても、パネルケース20の外側から、重複部を認識することができるようになる。
なお、上記各実施例を組み合わせてもよいことはいうまでもない。また、上記各実施例を組み合わせた場合等、複数種類の補助線を天板24の撮影面25やフレーム本体202の側面に表示する場合は、種類毎等に応じて、補助線の表示の仕方を異ならせてもよい。例えば、表示する線の種類(点線、実線等)、色の種類や濃度等を異ならせてもよいし、図25に示したように、表示されている補助線が何を表すものかに関する情報(文字等)を補助線と共に表示するようにしてもよい。
また、上記各実施例に示した各種の補助線は、ペイントにより表示する場合に限らず、LEDや線状のライト等を点灯させるようにしてもよい。このような場合は、例えば、放射線Rを照射する場合と、ポジショニングを行う等他の場合により、点灯及び消灯を制御するようにしてもよい。また例えば、放射線Rを撮影面25に対して斜入させて撮影を行う場合に、特に有用となる補助線に対して、選択的に点灯や点滅等を制御することにより、より一層、撮影における放射線画像撮影装置10の使い勝手が向上する。
また、上記各種の補助線は、切り込み等の凹凸により表してもよい。
なお、上記各実施例で示した各種の補助線は、放射線画像撮影装置10に設ける他、撮影台にも設けるようにしてもよい。図29には、臥位状態で撮影を行う場合に、放射線画像撮影装置10を載置して撮影を行う撮影台800に、実施例1−1に応じた補助線を設けた場合を示す。図29に示した撮影台800では、放射線画像撮影装置10が配置される側(上側)の面に補助線として撮影面補助線350、352、450、452、550、552が表示され、側面に側面補助線351、353、451、453、551、553が表示されている場合を示している。
また、上記各実施例では、重複部、センサユニット300の撮影有効領域AR1、センサユニット400の撮影有効領域AR2、及びセンサユニット500の撮影有効領域各々の位置としてこれらの境界部を各種の補助線により表していたが、これらの位置を天板24の撮影面25に表示する表示の仕方は、上記各実施例に限定されない。例えば、重複部に対応する天板24の撮影面25の領域を他の領域と区別するために、重複部に対応する領域全体に対応する天板24の領域の表面加工を異ならせてもよい。さらに、センサユニット300の撮影有効領域AR1、センサユニット400の撮影有効領域AR2、及びセンサユニット500の撮影有効領域につても、他の領域と区別するために、各領域に対応する天板24の領域の表面加工を異ならせてもよい。図30には、重複部、センサユニット300の撮影有効領域AR1、センサユニット400の撮影有効領域AR2、及びセンサユニット500の撮影有効領域各々の位置を表すために天板24の撮影面25の表面加工を異ならせた場合の具体例を示す。図30に示した放射線画像撮影装置10の天板24には、センサユニット300の撮影有効領域AR1に対応する領域360、センサユニット400の撮影有効領域AR2に対応領域460、及びセンサユニット500の撮影有効領域に対応する領域560が表示されている。また、図30に示した放射線画像撮影装置10の天板24には、センサユニット300とセンサユニット400との重複部に対応する領域362、及びセンサユニット400とセンサユニット500との重複部に対応する領域562が表示されている。領域360、460、560と、領域362、562とでは、天板24の表面加工が異なっている。表面加工を異ならせることについては、特に限定されるものではないが、例えば、模様(デザイン)を異ならせること、表面粗さを異なるせること、及び色を異ならせること等が挙げられる。
[第6実施の形態]
本実施の形態では、パネルケース20が、上記第1実施の形態〜第5実施の形態のパネルケース20と異なるため、本実施の形態のパネルケース20について詳細に説明する。
上記各実施の形態に係る放射線画像撮影装置10では、3枚のセンサユニット300、400、500を備えている。このように、複数枚のセンサユニットを備える放射線画像撮影装置10では、1枚のセンサユニットを備える放射線画像撮影装置に比べて、装置全体の寸法が大型化したり、重量が増加したりする。そこで、本実施の形態の放射線画像撮影装置10では、放射線画像撮影装置10をユーザが移送する場合に、移送を容易にするための車輪を放射線画像撮影装置10のフレーム本体202に設けた。移送方向に応じて車輪が回転することにより、移送を容易にすることができる。
以下、各実施例にておいて、放射線画像撮影装置10に設けられた移送部について詳細に説明する。なお、以下の実施例で示す放射線画像撮影装置10の図には、コネクタ26Aの記載を省略している。
(実施例2−1)
図31には、本実施例の放射線画像撮影装置10の背面板に移送部が設けられた場合の具体例を示す。本実施例の放射線画像撮影装置10では、天板24に対向して設けられたパネルケース20の背面板29及びフレーム本体202に、4つの車輪906が設けられている場合を示している。
本実施例の移送部900は、パネルケース20に着脱可能な4つのキャスター904と、キャスター904を各々毎にパネルケース20に取り付けるための4つの取付部902と、を備える。
取付部902は、パネルケース20の第1フレーム204側、及び第2フレーム206側の各々に、2つずつ設けられている。図31に示したように、取付部902は、天板24側に、キャスター904の台座908を挿入する溝部903が設けられている。
キャスター904は、車輪906と台座908とを備えている。車輪906は、台座908に、放射線画像撮影装置10の移送方向に回転可能に取り付けられている。台座908の車輪906が取り付けられた側と反対側には、放射線画像撮影装置10の取付部902に挿入するために突起部909が設けられている。
なお、本実施例では、4つの取付部902を同一構造とし、また、4つのキャスター904を同一構造としている。
図32には、本実施例の放射線画像撮影装置10において、キャスター904が取付部902に取り付けられた状態を示す。
キャスター904の台座908の突起部909が、パネルケース20の取付部902の溝部903に挿入されることにより、キャスター904が、パネルケース20に取り付けられる。
なお、図31、32では、図示を省略したが、取付部902の内部には、取り付けられたキャスター904の台座908を固定するための固定部が設けられている。固定部は、放射線画像撮影装置10を移送する場合には、取付部902に取り付けられたキャスター904の台座908を固定し、移送後、ユーザの所望(例えば、解除スイッチ等をユーザが押す)に応じて、台座908の固定を解除する機構を有していれば特に限定されない。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10では、パネルケース20の背面板29及びフレーム本体202に、車輪906が設けられている。放射線画像撮影装置10を移送する場合は、パネルケース20の取付部902にキャスター904を取り付け、背面板29を下(例えば、床)側にし、車輪906を床面等に接触させて移送することにより、ユーザは、放射線画像撮影装置10の移送を容易に行うことができる。
なお、移送部900における、取付部及びキャスターの構造や、キャスターの取付方は、本実施例の取付部902及びキャスター904に限定されるものではない。例えば、背面板29に設けられた天板24側に向けて凹む凹み部分を取付部として、この取付部にキャスターを埋め込むことで取り付けを行ってもよい。
(実施例2−2)
図33には、本実施例の放射線画像撮影装置10の背面板に移送部が設けられた場合の具体例を示す。本実施例の放射線画像撮影装置10では、天板24に対向して設けられたパネルケース20の背面板29及びフレーム本体202に、4つの車輪914が設けられている場合を示している。
本実施例の移送部910は、4つの車輪914と、車輪914を各々毎に収容する4つの収容部912を備える。
収容部912は、パネルケース20の第1フレーム204側、及び第2フレーム206側の各々に、2つずつ設けられている。
車輪914は、撮影を行う場合等、放射線画像撮影装置10を移送しない場合は、収容部912内に収容されている。一方、車輪914は、放射線画像撮影装置10を移送する場合には、収容部912から取り出されて、放射線画像撮影装置10(背面板29及びフレーム本体202の少なくとも一方)の下に移送方向に回転可能にセットされる。
図34には、車輪914が放射線画像撮影装置10の下にセットされた状態における本実施例の放射線画像撮影装置10を第1フレーム204側から見た側面図を示す。さらに、図35には、図33に示される本実施例の放射線画像撮影装置10をB−B切断線で切った断面図を示す。図35(1)は、収容部912に車輪914が収容された状態を示しており、(2)は、車輪914が放射線画像撮影装置10の下にセットされた状態を示している。
図34、35に示したように、車輪914は、軸の一例である回転軸916により、収容部912の内部に接続されており、接続されている箇所を回転中心としてパネルケース20の内部または外部に向けて図35(2)の矢印W方向に回転可能とされている。
なお、本実施例では、4つの移送部910を同一構造としている。
図33〜35では、図示を省略したが、収容部910内には、収容されている車輪914を取り出して放射線画像撮影装置10の下にセットするための駆動部が設けられている。移動部は、回転軸916を固定し、また、フレーム本体202に設けられたスイッチ918がユーザ等により押された場合は、その固定を解除する。移動部は、撮影を行う場合等、放射線画像撮影装置10を移送しない場合は、回転軸916を収容部910内に固定して車輪914の矢印W方向への移動を抑制している。
なお、収容部910に車輪914を収容した状態において、背面板29よりもパネルケース20の外側に車輪914等がはみ出さないことが好ましい。このようにすることにより、例えば、放射線画像撮影装置10を撮影台や床に設置した場合に、車輪914が邪魔になるのを防止することができる。
一方、移動部は、放射線画像撮影装置10を移送する場合等にユーザによりスイッチ918が押されると、回転軸916の固定を解除し、車輪914を矢印W方向へ移動させ、回転軸916が矢印W方向に略90°移動した状態(図35(2)に示した状態)において、また、回転軸916を固定する。
移動部は、スイッチ918に応じて回転軸916を固定する機構を有していれば特に限定されない。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10では、パネルケース20の背面板29及びフレーム本体202に、車輪914が設けられている。放射線画像撮影装置10を移送しない場合は、パネルケース20の収容部910内に車輪914が収容されており、移送する場合は、回転軸916が矢印W方向に略90°移動して、車輪914が放射線画像撮影装置10の下部にセットされる。この状態で、背面板29を下(例えば、床)側にし、車輪914を床面等に接触させて移送することにより、ユーザは、放射線画像撮影装置10の移送を容易に行うことができるようになる。
なお、車輪914を回転軸916により回転させる場合について説明したがこれに限らず、例えば、その他の軸により折りたたみ式にパネルケース20の収容部に収容、及び取り出しさせるものであってもよい。
(実施例2−3)
図36には、本実施例の放射線画像撮影装置10のフレーム本体202の、対向する2辺に移送部が設けられた場合の具体例を示す。本実施例の放射線画像撮影装置10では、第3フレーム208と第3フレーム208に対向する第4フレーム210とに、車輪の一例に対応するローラ921が設けられている場合を示している。
本実施例の移送部920は、ローラ921と、把持部922と、を備える。
ローラ921は、第3フレーム208に図示を省略した回転軸により、移送方向(図36に示した矢印V方向)に回転可能に取り付けられている。なお、本実施例の放射線画像撮影装置10では、1つのローラ921を移送部920の一部として設けた場合を説明したが、2つ以上のローラを設けるようにしてもよい。例えば、第3フレーム208に、ローラ921よりも回転軸が短い複数のローラを設けるようにしてもよい。
把持部922は、いわゆる取っ手であり、第4フレーム210に取り付けられている。把持部922の形状や材質は、本実施例に限定されるものではなく、放射線画像撮影装置10を移送するユーザが、ローラ921を転がして移送するための放射線画像撮影装置10の支持(押したり、引いたりすることも含む)を行えるものであればよい。なお、把持部922は、フレーム本体202の第4フレーム210に着脱可能なものであってもよい。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置10では、フレーム本体202の、対向する第3フレーム208及び第4フレーム210にローラ921が設けられている。放射線画像撮影装置10を移送する場合は、ローラ921を床面等に接触させた状態で、ユーザが把持部922を把持して放射線画像撮影装置10を押すまたは、引くことにより放射線画像撮影装置10の移送を容易に行うことができる。
なお、図36では、本実施例における車輪の一例として、ローラ921を用いた場合について説明したが、ローラ921に限定されるものではない。上述のように、ローラ921と異なる形状のローラであってもよい。また例えば、図37に示したように、放射線画像撮影装置10の移送方向に回転可能な2つの車輪924であってもよい。
以上説明したように、本実施形態の放射線画像撮影装置10では、放射線画像撮影装置10のパネルケース20が、放射線画像撮影装置10をユーザが移送する場合に用いられる車輪を備える。移動方向に応じて車輪が回転することにより、放射線画像撮影装置10の移送を容易に行うことができるようになる。
また、上記各実施例の放射線画像撮影装置10では、車輪が、パネルケース20の天板24側、具体的には、センサユニット300、400、500の上側に設けられていないため、車輪が放射線画像に写り込むおそれがないため、放射線画像の画質が移送部により低下するおそれがない。
なお、本実施形態における上記各実施例は、組み合わせてもよい。例えば、実施例2−1、2−2における放射線画像撮影装置10に把持部922を設けても良い。この場合においても、把持部922は着脱可能であってもよい。
また、移送部900、910を設けるパネルケース20の位置は、上述した実施例2−1、2−2の位置に限らない。例えば、パネルケース20の側面(第2フレーム206等)であってもよい。
(その他の実施の形態)
以上、本発明を複数の実施の形態を用いて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本発明では、放射線として、X線に限定されるものではなく、例えば少なくとも医療に利用されるγ線、電子線、中性子線、陽子線、重粒子線等が使用可能である。また、本発明では、必ずしも医療用放射線画像撮影装置に限定されるものではなく、例えば非破壊検査用放射線画像撮影装置に適用可能である。
また、上記各実施の形態では、各放射線検出パネル(30、40、50)が、回路ユニット(320、420、520)に、信号処理部320B、検出器制御部320C、画像メモリ320D、及び通信部320Eを備えた場合について説明したがこれに限らない。回路ユニットが備えるこれらの機能部やメモリ等にうち、一部を各放射線検出パネル(30、40、50)の外部に設けるようにしてもよい。すなわち、放射線画像撮影装置10全体で、1つの回路ユニット(機能の一部)を設けるようにしてもよい。例えば、図38に示した放射線画像撮影装置10では、検出器制御部320C及び画像メモリ320Dの各々に対応する検出器制御部90C及び画像メモリ90Dと、通信部90Eと、を含む制御装置90を備える。また、各放射線検出パネル(30、40、50)の回路ユニット(320、420、520)には、信号処理部320Bと、通信部320Eと、が備えられている場合を示している。
また、被写体は、人でなくてもよく、人以外の動物や植物等の生物や、他の物体であってもよい。