本発明、および付随する特徴および利点のより完全な理解は、添付図と携帯して考慮するに、本発明の下記の詳細な記述を参照することにより得られるであろう。
発明の詳細な説明
本発明のデブリセンサを、自律型清浄装置の広い範囲(そして実際は、図7に例として示した非自律型清浄装置にも)に組み込むことができるが、まず、図1〜図3に示す典型的な自律型清浄装置の流れで記述する。そのような自律型清浄装置の構造、機能、および行動モードの更なる詳細は、上記のクロスリファレンスの節で引用した特許出願に記述されており、それぞれは、参照によりここに組み込まれたものとする。従って、下記の詳細記述は、下記の節により構成される。
I. 典型的な自律型清浄装置
II. 自律型清浄装置の行動モード
III.デブリセンサ構造
IV.信号処理
V. 結論
I.自律型清浄装置
いくつかの図を通して、類似の参照番号は、対応するまたは同様な素子を特定している図を参照され、図1は、典型的な自律型清浄ロボット装置100の概略平面図であり、装置内には、本発明によるデブリセンサが組み込まれている。図2は、図1のロボット装置100のハードウェアのブロック図である。
iRobot Corporation of Burlington、MAにより、ROOMBAの登録商標で商用化されているロボット装置100の、ハードウェアと行動モード(清浄動作のためのカバレッジ行動または移動パターン;一時的な移動パターンへの退避行動;および緊急事態に対する安全行動)の例を、本発明のデブリ感知システムがどのように採用されるかについてのより完全な理解のために、下記に説明する。しかし、本発明はまた、非自律型清浄装置にも採用でき、その例を、図7に関連付けて下記に記述する。
下記の記述において、「前方」および「前」という用語は、ロボット装置の運動の主要方向(前方)を示すために使用される(図1において参照文字「FM」で示される矢印を参照)。ロボット装置100の前/後軸FAxは、主要側と非主要側とそれぞれが定義される、ほぼ対称な右半分と左半分にロボット装置100を分割する、ロボット装置100の中央径と一致する。
そのようなロボット装置100の例は、概略ディスク形状の格納構造を有しており、シャーシ102と、シャーシ102に固定された外部シェル104が含まれ、最小高さの構造的包絡線を画定している(家具の下における移動を容易にするために)。ロボット装置100を備えるハードウェアは一般的に、それぞれ、パワーシステム、起動パワーシステム(ここでは、「駆動システム」とも称せられる)、センサシステム、制御モジュール、サイドブラシアセンブリ、または自己調整清浄ヘッドシステムの基本素子として分類でき、その全部は、格納構造と組み合わせて統合されている。そのように分類されたハードウェアに加えて、ロボット装置100は更に、概略弧状構成および前輪アセンブリ108を有する前方バンパー106を含む。
前方バンパー106(単一構成要素して示されているか;または2部分からなる構成要素)は、シャーシ102と移動可能に統合されており(変位可能支持部材対により)、そこから外側に延伸している。ロボット装置100が、その移動中に障害物(例えば、壁、家具)に衝突するといつでも、バンパー106はシャーシ102に向けて変位(圧縮)され、障害物との接触が終了すると、元の延伸した(動作する)姿勢に戻る。
前輪アセンブリ108は、シャーシ102に、偏って組み合わせられて搭載されていて、それにより、前輪アセンブリ108は、清浄動作中は、引っ込んだ姿勢にあり(ロボット装置100の重量のため)、清浄中の表面上を自由に回転する。前輪アセンブリ108が、動作中に急斜面(例えば、下降階段、中二階の床)に遭遇すると、前輪アセンブリ108は、延伸した姿勢に傾けられる。
ロボット装置100の電気で作動するハードウェアに動力を与えるエネルギーを供給するパワーシステムのハードウェアは、シャーシ102と組み合わせて統合された再充電可能バッテリーパック110(および関連する導線)を備える。
図1に示すように、起動パワーシステムは、ロボット装置100の移動中にロボット装置100を推進し、例えば、サイドブラシアセンブリおよび自己調整清浄ヘッドなどの清浄機構を作動する手段を提供する。起動パワーシステムは、左および右主要駆動輪アセンブリ112Lと112R、それらに関連する独立電動モーター114Lと114R、およびそれぞれがサイドブラシアセンブリと自己調整清浄ヘッドを作動するためである電動モーター116と118を備えている。
電動モーター114Lと114Rは、主要駆動輪アセンブリ112Lと112Rにそれぞれ機械的に結合されており、行動モードの実行に対する応答として、または、下記に詳細に記述されるように、図1に示す左および右デブリセンサ125Lと125Rにより生成されるデブリ信号に応答して、制御モジュールにより生成される制御信号により独立して作動される。
電動モーター114Lと114Rの独立した動作により、主要駆動輪アセンブリ112Lと112Rは、(1)ロボット装置100を、直線上を前方または後方へ推進するために、同じ方向に同じ速度で回転させられ、(2)ロボット装置100の、多様な右および/または左回転パターン(鋭い回転から、浅い回転までの範囲で)を実現するために、差分的に回転させられ(1つの車輪アセンブリが回転されない状態を含む)、および(3)ロボット装置100をその場所で回転する、つまり、「10セント銀貨上の回転」のために、反対方向に同じ速度で回転させられて、ロボット装置100の移動機能の幅広いレパートリを提供する。
図1に示すように、センサシステムは、ロボット装置100の行動モード動作を制御する信号を生成するように動作する多様な異なるセンサユニットを備える。上述のロボット装置100は、障害物検出ユニット120、絶壁検出ユニット122、車輪落下センサ124、障害物追尾ユニット126、仮想壁全方向性検出器128、失速センサユニット130、主車輪エンコーダユニット132、および本発明に従う、下記に詳細を記述する左および右デブリセンサ125Lおよび125Rを含む。
例示された実施形態において、障害物(「衝突」)検出ユニット120は、前方バンパー106の変位可能支持部材対と組み合わせて搭載されるIRブレークビームセンサであってよい。これらの障害物検出ユニット120は、前方バンパー106が圧縮されるようにロボット装置100が障害物に衝突したときはいつでも、1つまたは2つ以上の支持部材対間の相対変位を示す1つまたは2つ以上の信号を生成するように動作する。これらの信号は、ロボット装置100の前−後軸FAXに関して、傷害物と接触する近似点(および実行すべき行動モード)を決定するために、制御モジュールにより処理される。
絶壁検出ユニット122は、前方バンパー106と組み合わせて搭載される。各絶壁検出ユニット122は、エミッタから下方に出射された放射が、検出器により横切られて検出されている表面から反射されるように焦点を確立するように構成され、動作するIRエミッタ/検出器対を備える。反射された放射が検出器により検出されない場合、つまり、急斜面に遭遇した場合は、絶壁検出ユニット122は制御モジュール(1つまたは2以上の行動モードを実行させる)に信号を送信する。
接触スイッチのような車輪落下センサ124は、主要駆動車輪アセンブリ112Lと112Rと、前輪アセンブリ108のそれぞれと組み合わせて統合され、車輪アセンブリの何れかが引き出された姿勢にあるときは、つまり、横切っている表面と接触していないときはいつでも、信号を生成するように動作する(このことにより、制御モジュールは、1つまたは2つ以上の行動モードを実行する)。
上述の実施形態での障害物追尾ユニット126は、ロボット装置100の「主要」側(図1の右側)に搭載されたIRエミッタ/検出器対である。エミッタ/検出器対は、構成において絶壁検出ユニット122と類似しているが、エミッタがロボット装置100の主要側から横方向に放射を出射できるように配置されている。ユニット126は、障害物から反射され、検出器により検出された放射の結果として、障害物が検出されたときはいつでも、制御モジュールへ信号を送信するように動作する。制御モジュールは、この信号に応答して、1つまたは2つ以上の行動モードを実行させる。
ロボット装置100の上述の実施形態と一緒に使用される仮想壁検出システムは、外部シェル104の頂上に搭載された全方向性検出器128と、軸方向に向けられた閉じ込めビームを送信するスタンドアロン型送信ユニット(図示せず)を備える。スタンドアロン型送信ユニットは、出射された閉じ込めビームが、画定された作業領域へのアクセス路を阻害し、それによりロボット装置100を、画定された作業領域(例えば、ロボット装置100を、清浄する特別な部屋内に閉じ込める入口)の動作に限定する。閉じ込めビームを検出すると、全方向性検出器128は、制御モジュールへ信号を送信する(これにより、1つまたは2つ以上の行動モードが実行されて、ロボット装置100を、スタンドアロン型送信ユニットにより生成された閉じ込めビームから離れるように移動させる)。
失速センサユニット130は、各電動モーター114L、114R、116、および118と組み合わせて統合され、関連する電動モーターにおいて電流の変化が検出されると(これは対応する被駆動ハードウェアにおける故障状態を示す)、制御モジュールへ信号を送信するように動作する。制御モジュールは、そのような信号に応答して、1つまたは2つ以上の行動モードを実行するように動作する。
主車輪エンコーダユニット132(図2参照)は、各主駆動車輪アセンブリ112Lと112Rと組み合わせて統合され、対応する車輪の回転を検出し、それに対応して制御モジュールに信号を送信するように動作する(車輪の回転は、ロボット装置100が走行した距離を推定するのに使用できる)。
制御モジュール ここで図2を参照して、制御モジュールは、ロボット装置100のセンサと、制御可能なハードウェアに接続されたI/Oポートを含むマイクロプロセッシングユニット135と、マイクロコントローラ(Motorola MC9512E128CPV16ビットコントローラのような)、およびROMとRAMメモリを備える。I/Oポートは、マイクロコントローラとセンサユニット(下記により詳細を記述する左および右デブリセンサ125を含む)と制御可能なハードウェアの間のインタフェースとして機能し、センサユニットにより生成された信号をマイクロコントローラに転送し、マイクロコントローラにより生成された制御(命令)信号を制御可能なハードウェアに転送して、特別な行動モードを実行させる。
マイクロコントローラは、センサ信号を処理し、そのような処理信号に基づいて特別な行動モードを実行し、ロボット装置100に対して実行された行動モードに基づいて、制御可能なハードウェアに対して制御(命令)信号を生成するための命令セットを実行するように動作する。ロボット装置100に対する清浄カバレッジおよび制御プログラムは、マイクロプロセッシングユニット135のROMに格納されており、そこには、行動モード、センサ処理アルゴリズム、制御信号生成アルゴリズム、およびロボット装置100の制御をどの行動モードまたは複数の行動モードに与えるかを決める優先化アルゴリズムが含まれている。マイクロプロセッシングユニット135のRAMは、ロボット装置100の活動状態を格納するために使用され、ロボット装置100が現在作動されている行動モード(複数の行動モード)のIDと、それに関連するハードウェアコマンドが含まれている。
再び図1を参照して、格納構造の周辺の外部の粒子を集めて、その粒子を自己調整清浄ヘッドシステムに向かわせるように構成され、動作するサイドブラシアセンブリ140が示されている。サイドブラシアセンブリ140により、ロボット装置100が「障害物追尾」行動モードで作動されているときに、底板に近接する表面を清浄する機能がロボット装置100に与えられる。図1に示すように、好ましくは、サイドブラシアセンブリ140はロボット装置100の主要側の前方四分円においてシャーシ102と組み合わせて搭載される。
既述のロボット装置100用の自己調整清浄ヘッドシステム145は、二段階ブラシアセンブリと真空アセンブリを備え、それぞれは、電動モーターにより独立してパワーが供給される(図1の参照番号118は、実際には、1つはブラシアセンブリ用の、もう1つは真空アセンブリ用の2つの独立電動モーターを特定している)。ロボット装置100の清浄機能は、清浄ヘッドシステム145の幅(図1における参照文字Wを参照)により共通して特徴付けられる。
ここで図3を参照して、ロボット装置100の1つの実施形態においては、清浄ブラシアセンブリは、非対称な、反回転フラッパおよび主ブラシ要素92と94をそれぞれ備え、それらは真空アセンブリ入口84の前方に配置され、粒子性デブリ127を、除去用埃カートリッジ86に向けるように動作する。図3に示すように、ロボット装置100はまた、下記に詳細に記述するように、圧電センサ素子であってよい、左および右デブリセンサ素子125PSを含むことができる。圧電デブリセンサ素子125PSは、ロボット装置100の清浄経路に位置することができ、例えば、清浄ヘッドの屋根に搭載され、それにより、ブラシ素子により掃き集められ、および/または真空により引き寄せられた粒子127が衝突したときは、デブリセンサ素子125PSは、デブリが衝突したこと、そしてこのようにして、自律型清浄装置が動作している領域にデブリが存在することを示す電気パルスを生成する。
より特別には、図3に示す配置において、センサ素子125PSは、主およびフラッパブラシ94と92がそれに沿って出会う軸AXに実質的に位置しており、それにより、粒子は最大力でデブリセンサ素子125PSに衝突する。
図1に示すように、そして、下記により詳細に記述するように、ロボット清浄装置は、左および右側圧電デブリセンサを取り付けることができ、ロボット装置が「汚れた」領域の方向を向くような信号を送るために処理できる、分離した左および右側デブリ信号を生成する。
信号処理と、圧電デブリセンサにより生成されたデブリ信号に基づく行動モードの選択と共に、圧電デブリセンサの動作は、清浄装置の行動モードの一般的な態様の簡単な既述に従って、下記で検討される。
II 行動モード
ロボット装置100は、画定された作業領域を効果的に清浄するために、種々の行動モードを採用することができ、ここにおいて行動モードは制御システムの層であり、平行に作動できる。マイクロプロセッシングユニット135は、優先化調停方式を実行して、センサシステムからの入力に基づいて、与えられたいかなるシナリオに対しても、1つまたは2つ以上の主要動作モードを特定して実行するように動作する。
既述したロボット装置100の行動モードは、(1)カバレッジ行動モード、(2)退避行動モード、および(3)安全行動モードにより特徴付けられる。カバレッジ行動モードは、主にロボット装置100がその清浄動作を、効率よくかつ効果的な方法で行うことを可能にするように設計され、退避および安全行動モードは、センサシステムからの信号が、ロボット装置100の通常動作が、例えば、障害物に遭遇して阻害されたり、または例えば急斜面が検出されて阻害されたりしそうであることを示すときに実行される優先行動モードである。
ロボット装置100の代表的かつ例としてのカバレッジ行動(清浄)モードには、(1)「スポットカバレッジ」パターン、(2)「障害物追尾(または、「エッジ清浄」)カバレッジ」パターン、および(3)「部屋カバレッジ」パターンが含まれる。「スポットカバレッジ」パターンは、ロボット装置100に、定義作業領域内の限られた領域、例えば、交通量の多い領域を清浄させる。好適な実施形態においては、「スポットカバレッジ」パターンは、らせん状アルゴリズムにより実行される(しかし、例えば、多角形のような、自己閉塞領域アルゴリズムの他のタイプも使用できる)。ロボット装置100に、外側に向いたらせん状(好適)の、または内側に向いたらせん状の移動をさせるらせん状アルゴリズムは、マイクロプロセッシングユニット135から、主車輪アセンブリ112Lと112Rへの制御信号により、その回転半径/複数の半径を、時間の関数として変化させて(それにより、ロボット装置100のらせん状移動パターンが増大/減少される)実行される。
ロボット装置100は、所定のまたはランダムな時間だけ、所定のまたはランダムな距離(例えば、最大らせん距離)、および/または特別な事象が起こるまで、例えば、障害物検出ユニット120の1つまたは2つ以上が起動されるまで(まとめて、過渡期状態)、「スポットカバレッジ」パターンで作動される。いったん、過渡期状態が起きると、ロボット装置100は、異なる動作モード、例えば、「直線」行動モード(ロボット装置100の好適な実施形態においては、「直線」行動モードは低い優先順位であり、ロボットを約0.306m/sの前もって設定された速度で、近似的な直線上を推進させるデフォルト行動)または、「直線」行動モードと組み合わせられた「バウンド」行動モードのような、異なる行動モードを実行、またはそのモードに遷移する。
過渡期状態が、ロボット装置100が障害物に遭遇した結果である場合は、ロボット装置100は、異なる行動モードに遷移する代わりに、別の行動を起こすことができる。ロボット装置100は、らせん状アルゴリズムの制御により、一時的にある行動モードを実行して障害物を回避またはそこから退避して、動作を再開することができる(つまり、同じ方向にらせん移動を継続する)。または、ロボット装置100は、らせん状アルゴリズムの制御により、一時的にある行動モードを実行して障害物を回避しまたはそこから退避して、動作を再開することができる(しかし反対方向、つまり、反射らせん移動)。
「障害物追尾カバレッジ」パターンにより、ロボット装置100は、定義された作業領域の周囲、例えば、壁で仕切られた部屋、および/または、定義された作業領域内の障害物(例えば、家具)の周囲を清浄する。好適には、図1のロボット装置100は、障害物追尾ユニット126(図1参照)を利用して、障害物、例えば、壁、家具などに関してのその姿勢を連続して維持し、ロボット装置100の運動により、障害物の周囲近くまで移動し、同時にその周囲を清浄することができる。障害物追尾ユニット126の異なる実施形態を使用して、「障害物追尾」行動パターンを実行することができる。
第1実施形態において、障害物追尾ユニット126は、障害物の存在または存在しないことを検出するように作動される。別の実施形態においては、障害物追尾ユニット126は、障害物を検出して、その障害物とロボット装置100の間に所定の距離を維持するように作動される。第1実施形態においては、マイクロプロセッシングユニット135は、障害物追尾ユニット126からの信号に応答して、小さな時計回りまたは反時計回りの回転を実行して、障害物に対してのその姿勢を維持するように動作する。ロボット装置100は、ロボット装置100が障害物検出から、非検出に(反射から、非反射に)遷移するときは小さな時計回りを実行し、またはロボット装置100が、非検出から、検出に(非反射から反射に)遷移するときは、小さな反時計回りを実行する。同様な回転行動がロボット装置100により実行されて、障害物からの所定の距離が維持される。
ロボット装置100は、所定のまたはランダムな時間だけ、所定のまたはランダムな距離(例えば、最大または最小距離)、および/または特別な事象が起こるまで、例えば、障害物検出ユニット120の1つまたは2つ以上が所定の回数だけ起動されるまで(まとめて、過渡期状態)、「障害物追尾」行動モードで作動される。ある実施形態においては、マイクロプロセッシングユニット135は、ロボット装置100を障害物に対して整列させるために、最小角度の反時計回りの回転を実行する「障害物追尾」行動モードにおいて、障害物検出ユニット120が起動されると、ロボット装置に「整列」行動モードを実行させる。
「部屋カバレッジ」パターンは、壁、階段、障害物、または他の障壁(例えば、仮想壁ユニット)により仕切られる如何なる定義作業領域を清浄するために、ロボット装置100により使用することができる。「部屋カバレッジ」パターンの好適な実施形態は、「直線」行動モードと組み合わせた「ランダムバウンド」行動モードを含む。最初は、ロボット装置100は「直線」行動モード、つまり、直線アルゴリズム(同じ回転速度で、同じ方向で動作している主要駆動車輪アセンブリ112Lと112R)の制御のもとで、障害物に遭遇するまで走行する。1つまたは2つ以上の障害物検出ユニット120が起動されると、マイクロプロセッシングユニット135は、起動された障害物追尾ユニット(複数)126に基づいて、新しい方向の容認できる範囲を計算するように動作する。マイクロプロセッシングユニット135は、容認できる範囲内から新しい方向を選択し、時計回り、または反時計回りの回転を実行して、最小移動で新しい方向を達成する。ある実施形態においては、新しい回転方向は、前方移動が続き、ロボット装置100の清浄性能を増大する。新しい方向は、方向の容認できる方向範囲から、またはある統計的選択方式、例えば、ガウス分布に基づいてランダムに選択してもよい。「部屋カバレッジ」行動モードの他の実施形態においては、マイクロプロセッシングユニット135を、センサシステムからの入力なしに、ランダムにまたは所定の回数だけ方向を変更するようにプログラムすることができる。
ロボット装置100は、所定のまたはランダムな時間だけ、所定のまたはランダムな距離(例えば、最大または最小距離)、および/または特別な事象が起こるまで、例えば、障害物検出ユニット120が所定回数だけ起動されるまで(まとめて過渡期状態)、「部屋カバレッジ」モードで作動される。
例として、ロボット装置100は、4つの退避行動モード、つまり「回転」行動モード、「エッジ」行動モード、「車輪落下」行動モード、および「緩慢」行動モードを含むことができる。この技術に精通した者は、ロボット装置100により他の行動モードが利用できるということを認識されよう。これらの行動モードの1つまたは2つ以上が、例えば、サイドブラシアセンブリ140または二段階ブラシアセンブリの電動モーター116と118の1つにおいて、低または高失速閾値以上の電流の上昇、所定の時間だけの前方バンパー106の圧縮された姿勢、車輪落下の検出に応答して実行される。
「回転」行動モードにおいて、ロボット装置100は、ランダムな方向に、より高速(例えば、公称回転速度の2倍)で開始し、より低速(公称回転速度の半分)に減じるように、つまり、それぞれ小パニック回転および大パニック回転で、その場所で回転する。好ましくは、小パニック回転は45°から90°の範囲であり、大パニック回転は、好ましくは、90°から270°の範囲である。「回転」行動モードは、ロボット装置100が、部屋の障害物上で、例えば、カーペットの高所部分、傾斜のあるランプ台の上で動きが取れなくなることを、部屋の障害物の下で、例えば、ソファの下で動きが取れなくなること、または狭い領域に閉じ込められることを回避する。
「エッジ」行動モードにおいては、傷害物検出ユニット120の何れもが起動することなく、所定の角度、例えば60°だけ回転するまで、またはロボット装置が、「エッジ」行動モードの開始から、所定の角度、例えば、170°だけ回転するまで、障害物のエッジを追尾する。「エッジ」行動モードにより、ロボット装置100は、狭い領域から退避するために、可能な限り最小の穴を通過することが可能になる。
「車輪落下」行動モードにおいては、マイクロプロセッシングユニット135は、主車輪駆動アセンブリ112Lと112Rの方向を一時的に反転して、その後、それを停止する。起動された車輪落下センサ124が所定時間内に活動を停止すると、マイクロプロセッシングユニット135は、車輪落下センサ124の起動の前に、実行されていた行動モードを再実行する。
ある事象、例えば、車輪落下センサ124または絶壁検出ユニット122の起動に応答して、「緩慢」行動モードが、所定の距離だけ実行されてロボット装置100を減速し、その後、元の動作速度に徐々に戻す。
センササブシステムにより安全状態が検出されると、例えば、対応する電動モーターを一時的にオフにするようなブラシまたは車輪の失速が連続して起きたり、車輪落下センサ124または絶壁検出ユニット122が、所定の時間だけ増大して起動されたりすると、ロボット装置100は、一般的にはオフ状態になる。更に、可聴アラームが生成される。
ロボット装置100に対する行動モードの上記の記述は、単にロボット装置100により実行され得る動作モードのタイプを表現したものにすぎない。この技術に精通した者は、上述の行動モードが、他の組合せおよび/または状況でも実行でき、他の行動モードおよび移動パターンもまた可能であることを認識できよう。
III デブリセンサの構造と動作
図1から図3に示すように、本発明によれば、自律型清浄装置(および、同様に、図7に例として示した非自律型清浄装置)は、デブリセンサを組み込むことにより改善できる。図1から図3に例示された実施形態において、デブリセンササブシステムは、清浄装置の清浄経路に近接して、またはその内部に位置する左および右圧電デブリセンサ素子125Lと125Rと、センサからのデブリ信号を処理し、マイクロプロセッシングユニット135または他のコントローラへ転送するための電子機器素子を備える。
自律型ロボット清浄装置に採用されると、デブリセンサからのデブリ信号は、行動モードを選択し(スポット清浄モードになるように)、動作状態(速度、パワー、またはその他のような)を変更し、デブリの方向に操縦し(特に、等間隔に離された左および右デブリセンサが使用されて差分信号が生成される)、または他の行動を起こすように使用することができる。
本発明に係るデブリセンサはまた、非自律型清浄装置に組み込むことができる。例えば、図7に示すような相対的に従来技術に属する真空掃除機700などの非自律型清浄装置に採用されると、装置の清浄または真空経路内に位置する圧電デブリセンサ704PSにより生成されたデブリ信号706を、制御マイクロプロセッサ708により真空掃除機702の本体に採用して、ユーザーが認識できる信号(表示灯710を点灯するなどして)を生成し、パワーシステム703からのパワーを増大し、または行動のある組合せ(「高パワー」電灯の点灯および同時にパワーを増大するような)を取ることができる。
デブリセンササブシステムの動作のアルゴリズムの態様は、図8にまとめてある。そこに示されるように、本発明に係る方法は、デブリとの衝突を、そして、デブリの存在、量または体積、および方向を示す左および右デブリ信号を検出すること(802)、デブリ信号値に基づいて、動作モードまたは移動パターン(「スポットカバレッジ」のような)を選択すること(804)、差分左/右デブリ信号に基づいて移動方向を選択すること(例えば、よりデブリが多い側へ向けて操縦すること)(806)、デブリの存在または他の特徴を示すユーザーが認識できる信号を生成すること(例えば、ユーザーが認識可能なLEDを点灯すること)(808)、または動作状態、例えばパワーを変更または制御すること(810)を含むことができる。
本発明の更なる実践は、自律型清浄装置の、床または他の表面上の運動を利用して、清浄装置の移動についての情報と結び付けてデブリ信号を処理してデブリ勾配を計算する(図8における812)。デブリ勾配は、自律型清浄装置がある表面に沿って移動するときの、デブリとの衝突計数における変化を示している。勾配の符号(増大または減少するデブリに関連して正または負)を調べることにより、自律型清浄装置コントローラは装置経路または移動パターンを連続的に調整して、デブリのある場所を最も効果的に清浄するようにできる(812)。
圧電センサ 上記のように、圧電トランスデューサ素子は、本発明のデブリセンササブシステムにおいて使用できる。圧電センサは、デブリの衝突に瞬間的に応答し、従来の技術に典型的な光学デブリセンサの性能を劣化させる付着に対して、相対的に高い免疫性を有する。
圧電デブリセンサ素子125PSの例が、図4に示されている。図4を参照して、圧電デブリセンサ素子125PSは、1つまたは2つ以上の、厚さが0.20mm、直径が20mmの、圧電材料からなる真ちゅうディスク402を、その頂上側に接続された電極(合計の厚さが0.51mm)を含むことができ、それらは順に、エラストマパッド404、プラスチック埃センサキャップ406、関連する電子機器素子408を含むデブリセンサPCボード、接地された金属シールド410に搭載され、搭載ネジ(またはボルト、または類似物)412とエラストマグロメット414により支持されている。エラストマグロメット414により、震動がある程度減衰され、圧電デブリセンサ素子125PSと清浄装置の間の絶縁が提供される。
図4に示す例においては、安価な音響器に典型的に使用されるタイプの剛体圧電ディスクを使用できる。しかし、柔軟圧電フィルムも、有利に採用することができる。フィルムは任意の形状に製造できるので、その使用により、例えばディスクが位置する選択された場所における感度ではなく、清浄装置の全清浄幅に渡るデブリに対する感度の可能性が提供される。しかし、逆に、現在において、フィルムはより高価であり、時間の経過において劣化し易い。逆に、真ちゅうディスクは非常に強固であることが実証されている。
図4に示す典型的な実装構成は、図3に示すような自律型真空クリーナのように、機構的に非常に騒音を出すプラットフォームにおける使用に対して実質的に最適化されている。そのような装置においては、震動の減衰またはセンサの絶縁は非常に有効である。しかし、図7に示すような箱型真空クリーナのような、非自律型清浄装置を含む適用例においては、図4の実装システムの減衰態様は不要である。非自律型清浄装置においては、代替の実装システムは、圧電素子をその筐体に直接固定するための熱を含んでもよい。いずれにせよ、向上された性能を達成するための重要な考察は、クランプ、ボルト、またはその他の方法で圧電素子を定位置に維持するために必要な面積を減少することである。このクランプされた「デッドゾーン」の占めるスペースが小さいほど、圧電素子はより感度が高くなる。
動作中に、清浄ブラシアセンブリ(例えば、図3のブラシ94)により投げ上げられた、または、清浄装置内の清浄経路(例えば、図3の真空構成要素104)を流れるデブリは、圧電デブリセンサ素子125PSの底部、つまり全て真ちゅうの部分に衝突することがある。図3に示すように、ロボット装置100においては、圧電デブリセンサ素子125PSは、主ブラシ94とフラッパブラシ92がそれに沿って出会う軸AXにおいて実質的に位置しており、それにより、微粒子127は投げ上げられ、最大力で圧電デブリセンサ素子125PSに衝突する。
よく知られているように、圧電センサは機械的エネルギー(例えば、デブリの衝突による運動エネルギーおよび真ちゅうディスクの振動)を電気エネルギーに変換するが(この場合、デブリが衝突するたびに電気パルスを生成する)処理されてシステムコントローラ(例えば、図1と図2のマイクロプロセッシングユニット135または図8の708)に送信されて、本発明に従って、動作モードの変更を制御、または変更させるのは、この電気パルスである。圧電素子は、典型的にはオーディオトランスデューサとして使用されるように設計され、例えば、ビープトーンを生成する。AC電圧が加えられると、それらは、AC波形に歩調を合わせて機械的に振動して可聴出力を生成する。逆に、それらが機械的に振動すると、AC電圧出力を生成する。このようにして、それらは本発明に採用される。特に、対象物が最初にセンサの真ちゅう面に衝突すると、ディスクを内側に曲げ、それによって電圧パルスが生成される。
フィルタ処理 しかし、圧電デブリセンサ素子125PSは、清浄装置シャーシ、またはその実装システムを通して本体と直接または間接的に接触するので(図3と図4を参照)、清浄装置が機能しているときには、モーター、ブラシ、ファン、および他の移動部分により通常は生成される機械的振動の影響を受けやすい。この機械的振動により、センサに衝突する小さな低質量のデブリ(つぶされた黒胡椒のような)により生成される信号よりも振幅が大きい不要なノイズ信号を、センサに出力させることになる。その最終結果として、センサは、低周波数のノイズ成分(最大約16kHzまで)とより高周波の、できれば振幅のより小さな、デブリ衝突成分(30kHzより大きく、最大数百kHz)から構成される合成信号を出力する。このように、重要でない信号をフィルタ処理する手段を提供することは有効である。
従って、下記に記述するように、電子フィルタは、低周波信号成分を大幅に減衰して、信号対ノイズ性能を向上するために使用される。そのようなフィルタ処理および信号処理素子のアーキテクチャと回路の例は、図5と図6と関連して記述される。
IV 信号処理
図5は、本発明の1つの実践におけるデブリセンササブシステムの信号処理素子の模式図である。
上述したように、デブリセンサの1の目的は、自律型清浄装置が、デブリを拾い上げたとき、またはデブリのある場所に遭遇したときにそれを感知できるようにすることである。この情報は、清浄行動における変更をするために、または例えば、デブリに遭遇したときの上述したスポット清浄モードのような、選択された動作または行動モードに装置が入るようにするための入力として使用できる。図7に示す非自律型清浄装置においては、デブリセンサ704PSからのデブリ信号706は、ユーザーが認識できる表示灯710を点灯したり(例えば、デブリに遭遇していることをユーザーに信号で伝える)、パワーユニット703から清浄システムへのパワー出力を上げたり、または他の動作の変更または変更の組合せ(例えば、ユーザーが認識できる「高パワー」電灯を点灯して、同時にパワーを上げる)を引き起こすために使用できる。
更に、上述したように、2つのデブリセンサ回路モジュール(つまり、図1の125Lと125Rのような左および右チャネル)は、自律型清浄装置が、清浄ヘッドアセンブリの右側および左側で拾い上げたデブリ量の間の差を感知できるようにするために使用できる。例えば、自律型清浄装置がその左側の先にあるゴミの場所に遭遇すると、左側デブリセンサはデブリの衝突を示し、右側センサは、デブリの衝突を示さない(または示しても少量)。この差分出力は、自律型清浄装置のマイクロプロセッサコントローラ(図1と図2のマイクロプロセッシングユニット135のような)により、装置をデブリの方向へ操縦する(例えば、左側デブリセンサが、右側デブリセンサより高い信号値を生成しているときは、左へ操縦する)、またはデブリの方向のベクトルを選択する、またはスポットカバレッジまたはその他のような移動パターンまたは行動パターンを選択するように使用することができる。
このように、図5は、左側および右側の両チャネルを含むことができるデブリセンササブシステムの1つのチャネル(例えば、左側チャネル)を示している。右側チャネルは、実質的に同一であり、それゆえ、その構造と動作は下記の検討から理解されよう。
図5に示すように、左側チャネルは、センサ素子(圧電ディスク)402、音響振動フィルタ/RFIフィルタモジュール502、信号増幅器504、基準レベル生成器506、減衰器508、減衰器508と基準レベル生成器506の出力を比較する比較器510、およびパルスストレッチャ512から構成されている。パルスストレッチャ512からの出力は、図2に示されるマイクロプロセッシングユニット135、つまり、動作的行動を選択するときの使用に適しているコントローラのようなシステムコントローラへの論理レベル出力信号である。
音響振動フィルタ/RFIフィルタブロック502は、大きな減衰を提供し(1つの実施形態においては、−45dbボルトを超える)、低周波数の、低変化率の機械的信号のほとんどを阻止し、高周波数の、高い変化率のデブリ衝突信号を通過させるように設計することができる。しかし、これらの高周波数信号がフィルタを通過しても、減衰されるので、このように信号増幅器504による増幅が必要になる。
所望の高周波数デブリ衝突信号の増幅に加えて、フィルタを通過する、非常に小さな残留機械的ノイズ信号もまた、増幅器それ自身により生成された電気ノイズと、モーターにより生成され、大気中を放射されるか、またはセンサおよびその導線により拾われたいかなる無線周波数干渉(RFI)成分と共に増幅される。信号増幅器の高周波数応答は、非常に高い周波数RFIの増幅を最小にするように設計されている。この、所望のデブリ衝突信号よりもはるかに低い周波数成分を有する一定バックグラウンドノイズ信号は、基準レベル生成器506に供給される。基準レベル生成器506の目的は、ノイズ信号の瞬間ピーク値、または包絡線に続く基準信号を生成するためである。図5において関心対象の信号、つまり、デブリがセンサに衝突した結果の信号もまたこの基準レベル生成器506に供給される。このように、基準レベル生成器506は、高周波数で、高い変化率のデブリ衝突信号にそれほどすばやく応答しないで、これらの信号の瞬間ピーク値を追尾できるように設計される。結果としての基準信号は、下記に記述するように、比較のために使用される。
再び図5を参照して、信号増幅器504からの信号もまた減衰器508に供給されるということが分かる。これは基準レベル生成器506に供給される信号と同じであるので、関心対象の高周波数信号(つまり、デブリがセンサに衝突したときの)および低周波数ノイズの両者を含む復号信号である。減衰器508は、この信号の振幅を減少して、通常は、デブリがセンサ素子に衝突していないときの基準レベル生成器506からの信号の振幅より小さくなる。
比較器510は、減衰器508からの信号の瞬間電圧振幅値を、基準レベル生成器506からの信号と比較する。通常は、清浄装置が動作中で、デブリがセンサ素子に衝突していないときは、基準レベル生成器506から出てくる瞬間電圧は、減衰器508から出てくる電圧よりも高くなる。これにより、比較器510は、高論理レベル信号(論理1)を出力するようになり、その信号は、パルスストレッチャ512により反転されて、低論理レベル(論理0)が生成される。
しかし、デブリがセンサに衝突すると、減衰器508からの電圧は、基準レベル生成器506からの電圧を超え(この回路は、信号増幅器504からの高周波数で、高変化率の信号成分を追尾できないため)、デブリの衝突で生成された信号は、電圧振幅において、音響振動フィルタ502により、より厳しく減衰される一定バックグラウンド機械的ノイズ信号より高くなる。これにより、比較器510が、状態を一時的に論理レベル0に変更する。パルスストレッチャ512は、この非常に短い(典型的に10マイクロ秒未満)事象を、一定1ミリ秒(+0.3mS、−0mS)事象に拡張し、システムコントローラ(例えば、図2のマイクロプロセッシングユニット135)に信号のサンプリングに十分な時間を提供する。
システムコントローラがこの1ミリ秒の論理0パルスを「見る」と、その事象をデブリの衝突と解釈する。
ここで音響振動フィルタ/RFIフィルタ502のRFIフィルタ部を参照すると、このフィルタは、モーターおよびモーター駆動回路により生成される、非常に高い周波数で放射された電気ノイズ(RFI)を減衰するように機能する。
要約すると、センサ素子に接続された例示回路は、振幅と周波数の両者の情報を使用して、デブリの衝突(デブリを拾い上げている清浄装置を示す)を、これもまたセンサ素子により拾い上げられた通常のバックグランド機械的ノイズと、モーターおよびモーター駆動回路により生成された放射無線周波数電気ノイズから区別する。望ましくないが、通常の一定バックグラウンドノイズは、良好な信号対ノイズ比を維持しながら、偽デブリ衝突兆候を回避する動的基準を確立するために使用される。
実践において、センサ素子用の機械的搭載システム(図4参照)もまた、センサ素子に影響を与える機械的音響ノイズ振動結合を最小にするように設計される。
信号処理回路 (図6Aから図6Cで構成される)図6は、典型的なデブリセンサ回路の詳細模式図である。この技術に精通した者には、他の実施形態において、信号処理は、マイクロプロセッシングユニット135のソフトウェア内で部分的にまたは全体的に実行され得るということを理解されよう。図6を参照して、適切な信号処理回路の示された例は、下記の素子を含み、下記の記述に従って動作する。
圧電センサディスク(図4の圧電ディスク402を参照)からの、グランドを基準にした複合信号は容量C1に供給され、搭載システムを介してセンサに導かれる、低周波数の、音響機械的振動を減衰するように設計された、5極の、ハイパス受動R−Cフィルタに入力される。このフィルタは、21.5kHzの、−100dB/Decade(周波数10倍の変化に対しての減少率)でロールオフする、−3dB折点周波数を有する。このフィルタの出力は、非常に高い周波数RFIのいずれをも減衰するように設計された、単極の、ローパス受動R−Cフィルタに供給される。このフィルタは、1.06MHzの、−20dB/Decadeでロールオフする、−3dB折点周波数を有する。このフィルタの出力はD1とD2によりダイオードクランプされ、センサ素子が、増幅器の供給レールより大きな電圧パルスを生成する厳しい衝突を持続する事象において、U1高電圧遷移から保護する。増幅器チェーンおよび後続の比較器回路用の信号供給動作に要求されるDCバイアスは、R5とR6により生成される。これらの2個の抵抗値は、それらのテブナンインピダンスが、C5と共に作動して、フィルタの5番目の極周波数応答を正しく維持するように選択される。
U1A、U1B、およびその関連成分は、理論上、441のACゲインの、2段階、ac結合された、非反転増幅器を形成する。C9とC10は、低周波数においてゲインを最小にするように機能し、一方、C7とC8は、RFI周波数においてゲインをロールオフするように機能する。フィルタ入力から増幅器出力への、正味の理論上の周波数応答は、32.5kHz、−100dB/Decadeにおいて−3dBの単極ハイパス応答と、100kHz、−32dB/Decade、および5.4MHz、−100dB/Decadeにおいて、折点周波数を有する2極ローパス応答であり、共にバンドパスフィルタを形成している。
増幅器からの出力は分割され、1つの出力はR14に入力し、他は、U1Cの非反転入力に入力する。R14に入力する信号は、R14−R15電圧デバイダにより減衰され、比較器U2Aの反転入力に供給される。U1Bの出力からの他の信号分岐は、増幅器U1Cの非反転入力に供給される。U1Dと共にU1C、およびその間の成分(図2に示すように)は、半波長の、正ピーク検出器を形成する。アタックおよびデケイタイムは、それぞれR13とR12により設定される。この回路からの出力は、R16を介して、U2Aの非反転入力に供給される。R16は、R19と共に、スイッチング時間とノイズ免疫性を向上するためにヒステリシスを与える。U2Aは、ピーク検出器の出力と、R14−R15減衰器の間の瞬間値を比較するように機能する。
通常は、デブリがセンサに衝突していないときは、ピーク検出器の出力は、その振幅が減衰器ネットワークの出力よりも大きくなる。デブリがセンサに衝突すると、低周波数機械的ノイズ信号成分よりも大きく、フロントエンドハイパスフィルタから出て、U1Aに入る振幅を有する、高周波数パルスが生成される。この信号は、その振幅が、ピーク検出器から出る信号よりも、R14-R15減衰器ネットワークから出た後でさえ、より大きくなるが、これは、ピーク検出器が、R13、C11、およびR12のネットワークにおける成分値のために、高速パルスを追尾できないことによる。比較器は、デブリ衝突パルスの振幅が、ピーク検出器から出る、ダイナミックな、ノイズにより生成された、基準レベルの信号より大きい限りは、状態を高から低に変更する。この比較器出力パルスは、システムコントローラが見るためには短すぎるために、パルスストレッチャが使用される。
パルスストレッチャは、ロックアウト機構を有するワンショット単安定設計であり、それにより、タイムアウト期間の最後まで、再トリガを回避する。U2Aからの出力は、C13とQ1の接合点に供給される。C13は信号を、U2Cとその関連成分により形成された単安定に結合する。Q1は、単安定がタイムアウトになるまで、U2Aの出力を低く保つことによりロックアウトとして機能する。タイムアウト期間は、R22、C12,およびR18により形成される時定数と、R20−R21電圧デバイダにより設定される基準レベルにより設定される。この時間は、コントローラ/プロセッサにより使用されるソフトウェアの条件により規定されるように、1mS、+0.3mS、および−0.00mSに対して調整できる。
デブリセンサ回路のパワーは、U3と関連成分により提供される。U3は、5ボルト出力を提供する低パワー線形調整器である。ロボットに搭載されたバッテリからの非調整電圧は、パワー入力を提供する。
必要な場合は、R14とR12により回路調整が設定される。これらの調整により、回路応答を、短時間の間に同調できる。
この種の生成装置においては、デブリセンサ回路プリント回路基板(PCB)へのパワー、およびそこからの信号は、シールドケーブルを介して主基板に転送される。または、ノイズフィルタを、シールドケーブルの使用と置き換えることができ、配線コストが削減される。ケーブルシールドドレインワイヤは、センサ回路PCB側でのみ接地できる。このシールドは、接地電流をまったく搬送しない。ケーブル内の分離された導体が、パワーグランドを搬送する。ノイズ減少のために、生成センサPCBは、底部側に固体接地面を有する上面側にすべての成分を有するべきである。センサPCBは、ロボットモーターからの放射ノイズピックアップから成分をシールドするために、基板の上側をカバーする接地された金属シールドを有する搭載アセンブリに格納されるべきである。圧電センサディスクを、図4に示すような、適切な機械的搭載システム上のセンサ回路PCBの下に搭載することができ、そのことにより、接続リードを、ノイズ免疫性のために可能な限り短く維持することができる。
V.結論
本発明は、デブリの堆積により劣化されることがなく、デブリの衝突の瞬間的に感知して応答でき、従って、床または清浄対象の他の表面上のデブリに直接応答して、大気流の変動、瞬間的なパワー、または清浄装置の他の動作状態に対しては、低感度のデブリセンサを提供する。
ここで記述したように採用されると、本発明により、自律型清浄装置は、その動作を制御し、または例えば、デブリセンサにより生成された信号に基づいて、より「汚れた」場所へ装置を向かうように操縦するような、検出されたデブリに応答する複数の動作モード、移動パターン、または行動の中から選択することができる。
デブリセンサはまた、非自律型清浄装置にも採用でき、自律型または非自律型清浄装置の何れかの動作モードを制御し、選択し、または変更することができる。
更に、開示された信号処理アーキテクチャおよび回路は、特に、圧電デブリセンサと組み合わせると有効であり、高い信号対ノイズ比を提供する。
この技術に精通した者は、本発明の広い範囲での変更および変形が、本発明の範囲において可能であることを認識できよう。デブリセンサはまた、ここで記述した以外の目的および装置にも採用できる。従って、上述した内容は、単に例として提示されたにすぎず、本発明の範囲は、付随する請求項によってのみ制限される。