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JP2015142925A - ステアリングステムコンポーネントの結合 - Google Patents

ステアリングステムコンポーネントの結合 Download PDF

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JP2015142925A
JP2015142925A JP2014016314A JP2014016314A JP2015142925A JP 2015142925 A JP2015142925 A JP 2015142925A JP 2014016314 A JP2014016314 A JP 2014016314A JP 2014016314 A JP2014016314 A JP 2014016314A JP 2015142925 A JP2015142925 A JP 2015142925A
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初男 長谷川
Hatsuo Hasegawa
初男 長谷川
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Yanagawa Machine Tech Co Ltd
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Abstract

【課題】低コスト化および生産性の向上による高性能化を容易に図ることのできるステアリングステムコンポーネントの結合およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
ボトムブリッジ2とステアリングステム3とをボトムブリッジの嵌合孔21にステアリングステムの結合用筒部31を圧入することにより、ステアリングステムの段部33をボトムブリッジの嵌合孔の他端が開口する端面24に当接させるとともに、結合用筒部の先端部を嵌合孔の一端から突出させた後、結合用筒部の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形させることにより、段部と塑性変形部34との間にボトムブリッジを挟持させるとともに、溝部23に塑性変形部の一部を食い込ませて、ステアリングステムの一端がボトムブリッジの嵌合孔に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、例えば自動二輪車などのステアリングシステムに好適なステアリングステムコンポーネントの結合およびその製造方法に関する。
従来、例えば自動二輪車などのステアリングシステムの構造として、ボトムブリッジとステアリングステムとを一体化したステアリングステムコンポーネントを用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなステアリングステムコンポーネントにおけるボトムブリッジとステアリングステムとの一体化は、ボトムブリッジおよびステアリングステムがともに同一金属材料、例えば鉄系材料により形成されている場合には溶接による結合構造や、ボルト結合および/またはピン打ちによる結合構造が用いられており、ボトムブリッジおよびステアリングステムが異なる金属材料、例えば一方が鉄系材料で他方がアルミニウム系材料などの場合には複数のボルトを用いたボルト結合構造および/または複数のピンを用いたピン結合構造が用いられている。
特開平06−023526号公報
しかしながら、従来のステアリングステムコンポーネントにおけるボトムブリッジにステアリングステムを一体化する構成では、近年の低コスト化および生産性の向上による高性能化の要求に応えることができないという問題点があった。
例えば、ボトムブリッジとステアリングステムとを溶接により一体化する場合、溶接時の溶接熱により製品に形状変化が発生するので、品質精度の向上を阻害する。また、溶接は、溶接設備、溶接ワイヤ、溶接電力、ロット管理用の刻印機などの設備備品を必要とし、操業費が高い。さらに、溶接は、溶接加工時間と、スパッター除去、溶接部ガラスビート除去、溶接確認用マーキング、溶接ロット確認刻印などの時間を必要とし、加工時間が長い。さらにまた、溶接は、溶接時のノイズがNC加工装置のNC制御に誤作動などの悪影響を及ぼすため、機械加工工程と別工程とする必要がある。すなわち、溶接工程を機械加工工程内にインライン化することができない。また、溶接においては、溶接部の表面に溶接による酸化被膜が発生するので、塗装による防錆効果が低減する。例えば、塩風により錆が発生し易くなる。さらに、溶接は、溶接時に炭酸ガスと溶接ワイヤの化学成分とが混合した有害ガスが発生して環境および人体に悪影響を及ぼすので、有害ガスを除去するための排煙装置の設置、塵肺の定期検診を実施するなどの健康管理を実施する必要がある。
また、ボトムブリッジとステアリングステムとが異なる金属材料の場合、ボトムブリッジにステアリングステムを一体化するのに溶接を用いることができないため、ボルトおよび/またはピンによる結合構造が用いられている。このように、ボトムブリッジとステアリングステムとをボルトおよび/またはピンにより一体化する場合、部品点数が多くなるし、加工工程が多くなるので高コストになる。さらに、ボルト結合は、締付けトルクの管理を必要とする。
したがって、ボトムブリッジおよびステアリングステムに用いる金属材料の種類に応じて、結合構造を溶接、ボルトおよび/またはピンによる結合構造から選定する必要がある。そこで、結合構造の種類に対応するための複数種の生産設備と、これらを設置するための設置スペースを必要とする。
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、低コスト化および生産性の向上による高性能化を容易に図ることのできるステアリングステムコンポーネントの結合およびその製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため本発明のステアリングステムコンポーネントの結合は、金属により形成されたボトムブリッジに、金属によりパイプ状に形成されたステアリングステムの一端を結合してなるステアリングステムコンポーネントであって、前記ボトムブリッジは、中央に形成された嵌合孔と、この嵌合孔の一端に軸線方向に沿って形成され、前記嵌合孔の開口端側が開口する溝部とを有しており、前記ステアリングステムは、その一端に形成された前記嵌合孔に圧入される結合用筒部を有しており、前記結合用筒部は、前記ステアリングステムの胴部と段部を介して接続され、前記胴部より小径かつ前記嵌合孔の長さより長く形成されており、前記ボトムブリッジと前記ステアリングステムとは、前記嵌合孔に前記結合用筒部を圧入することにより、前記段部を前記ボトムブリッジの嵌合孔の他端が開口する端面に当接させるとともに、前記結合用筒部の先端部を前記嵌合孔の一端から突出させた後、前記結合用筒部の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形させることにより、前記段部と塑性変形部との間に前記ボトムブリッジを挟持させるとともに、前記溝部に前記塑性変形部の一部を食い込ませて、前記ステアリングステムの一端が前記ボトムブリッジの嵌合孔に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合されていることを特徴としている。
そして、このような構成を採用したことにより、段部と塑性変形部との間にボトムブリッジを挟持させるとともに、溝部に塑性変形部の一部を食い込ませて、ステアリングステムの一端がボトムブリッジの嵌合孔に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合するようにしたので、ステアリングステムの軸線方向に沿った押し荷重および抜き荷重ならびにねじりトルクに対しての必要十分な強度を得ることができる。また、結合用筒部の嵌合孔から突出した部位を径方向外側に向かって拡径するように塑性変形することにより、ボトムブリッジにステアリングステムの一端を結合して一体化するようにしたので、溶接、ボルト、ピンを用いることなく一体化することができるし、ボトムブリッジおよびステアリングステムの材料が同一金属であっても異種金属であっても一体化を行うことができる。したがって、低コスト化および生産性の向上による高性能化を容易に図ることができる。
また、本発明において、前記溝部の底面が前記嵌合孔の開口端で深く、前記嵌合孔の軸線方向に沿って内側に向かって次第に深さが浅くなって前記嵌合孔に接続するテーパをなすように形成されている構成とすることができる。そして、このような構成を採用したことにより、溝部に塑性変形部の一部を容易かつ確実に食い込ませることができる。
さらに、本発明において、前記溝部が周方向に沿って複数設けられている構成とすることができる。そして、このような構成を採用したことにより、ステアリングステムのねじりトルクに対する強度を容易に高めることができる。
さらにまた、本発明において、前記溝部が周方向に沿って6つ設けられている構成とすることができる。そして、このような構成を採用したことにより、ステアリングステムのねじりトルクに対する強度を最適化することができる。
本発明のステアリングステムコンポーネントの製造方法は、金属により形成されたボトムブリッジに、金属によりパイプ状に形成されたステアリングステムの一端を結合してなるステアリングステムコンポーネントの製造方法であって、前記ボトムブリッジの中央に嵌合孔を形成するとともに、この嵌合孔の一端に前記嵌合孔の開口端側が開口する溝部を軸線方向に沿って形成し、前記ステアリングステムの一端に、前記嵌合孔に圧入するための前記ステアリングステムの胴部と段部を介して接続され、前記胴部より小径かつ前記嵌合孔の長さより長い結合用筒部を形成し、前記段部を前記ボトムブリッジの嵌合孔の他端が開口する端面に当接させるとともに、前記結合用筒部の先端部を前記嵌合孔の一端から突出するように、前記嵌合孔に前記結合用筒部を圧入した後、前記結合用筒部の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形させることにより、前記段部と塑性変形部との間に前記ボトムブリッジを挟持させるとともに、前記溝部に前記塑性変形部の一部を食い込ませて、前記ステアリングステムの一端が前記ボトムブリッジの嵌合孔に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合することを特徴としている。
そして、このような構成を採用したことにより、本発明のステアリングステムコンポーネントを容易に得ることができる。
また、本発明において前記溝部の底面が前記嵌合孔の開口端で深く、前記嵌合孔の軸線方向に沿って内側に向かって次第に深さが浅くなって前記嵌合孔に接続するテーパをなすように形成されている構成とすることができる。そして、このような構成を採用したことにより、溝部に塑性変形部の一部を容易かつ確実に食い込ませることができる。
さらに、本発明において、前記溝部が周方向に沿って複数設けられている構成とすることができる。そして、このような構成を採用したことにより、ねじりトルクに対する強度の高い本発明のステアリングステムコンポーネントを容易に得ることができる。
さらにまた、本発明において、前記溝部が周方向に沿って6つ設けられている構成とすることができる。そして、このような構成を採用したことにより、ステアリングステムのねじりトルクに対する強度を最適化することができる。
本発明に係るステアリングステムコンポーネントによれば、段部と結合用筒部の塑性変形部との間にボトムブリッジを挟持させるとともに、凹部に塑性変形部の一部を食い込ませて、ステアリングステムの一端がボトムブリッジの嵌合孔に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合するようにしたので、低コスト化および生産性の向上による高性能化を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。また、本発明に係るステアリングステムコンポーネントの製造方法によれば、本発明のステアリングステムコンポーネントを確実かつ容易に得ることができるなどの優れた効果を奏する。
本発明に係るステアリングステムコンポーネントの実施形態の要部を示す構成図 図1の塑性変形部の近傍を誇張して示す説明図 図1のボトムブリッジの要部を示す一部切断正面図 図2の平面図 図2の下面図 図3のa−a線に沿った拡大断面図 図5のb−b線に沿った拡大断面図 図1のステアリングステムのボトムブリッジに一体化する前の部品状態の要部を示す半断面図 図8の部品状態のステアリングステムの結合用筒部をボトムブリッジの嵌合孔に圧入した圧入状態の要部を誇張して示す説明図 図1の塑性変形部を形成するために用いるかしめ治具の一例を示す構成図
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
本実施形態のステアリングステムコンポーネントは、自動二輪車のステアリングシステムに用いるものを例示している。
図1および図2に示すように、本実施形態のステアリングステムコンポーネント1(以下、単に、「コンポーネント」と記す。)は、金属により形成されたボトムブリッジ2に、金属によりパイプ状に形成されたステアリングステム3(以下、単に「ステム」と記す。)を一体化して構成されている。
前記ボトムブリッジ2は、図3から図7に示すように、中央に形成された嵌合孔21と、図示しないフォークパイプを挿通固定するための左右1対のフォーク孔22とを有している。そして、嵌合孔21の下端には、図5に示すように、複数、本実施形態においては6つの溝部23が形成されている。これら6つの溝部23は、例えば嵌合孔21の軸心から円を6分割するように60度の角度を隔てて放射状に配置されている。また、各溝部23は、図5および図6に示すように、嵌合孔21の下端側が開口するようにして、嵌合孔21の軸線方向に沿って形成されている。さらに、溝部23の底面23aは、図6に示すように、嵌合孔21の下端側で深く、嵌合孔21の軸線方向に沿って内側(図6の上方)に向かって次第に深さが浅くなって嵌合孔21に接続するテーパをなすように形成されている。さらにまた、溝部23の軸線方向に対して直交する幅方向両側に形成された両側壁23bは、図7に示すように、例えば嵌合孔21の中心側に向かって相互間の間隔が拡大するように30度の角度をなす傾斜面とされている。また、溝部23の軸線方向に沿った内部空間の断面形状は、底面23aを斜辺とし、嵌合孔21を底辺とし、嵌合孔21の開口端側を垂線とする直角三角形をなすように形成されている。なお、溝部23の形状、数、位置などは、設計コンセプトなどの必要に応じて設定することができる。
前記ボトムブリッジ2の金属材料としては、鉄系材料、アルミニウム系材料などの各種の金属を用いることができる。また、ボトムブリッジ2の形成は、切削、研削、鍛造、鋳造などの各種の加工方法を単独もしくは組み合わせて用いることができる。本実施形態のボトムブリッジ2は、機械構造用炭素鋼材を機械加工することにより形成されている。
前記ステム3は、図示しないヘッドパイプ内に回動自在に挿通されるものであり。このステム3の図1の下方に示す下端には、嵌合孔21に圧入(しまりばめ)された結合用筒部31が設けられている。この結合用筒部31の嵌合孔21に圧入する前の外径は、嵌合孔21のサイズより若干大きく形成されている。また、結合用筒部31は、その上部に位置する最も大径とされた胴部32より小径、例えば直径で1mm程度小さく形成されている。すなわち、ステム3の下端部は、下端側に配置された小径の結合用筒部31と、この結合用筒部31の上方に配置された大径の胴部32とが段部33(図2参照)によって接続された段付きに形成されている。そして、ステム3の段部33は、ボトムブリッジ2の嵌合孔21の上端が開口する上端面24に当接されている。また、結合用筒部31の先端部(下端部)には、結合用筒部31の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形させるかしめ加工を施すことにより形成された塑性変形部34が設けられており、この塑性変形部34は、ボトムブリッジ2の嵌合孔21の下端が開口する下端面25に当接されている。ここで、塑性変形部34は、結合用筒部31の先端部を塑性変形させることにより形成されている。この塑性変形部34は、その一部が溝部23に食い込むように形成されている。すなわちステム3の塑性変形部34の一部によりボトムブリッジ2の溝部23が埋められている。なお、図1、図2において、中心線の右側は、溝部23を含む位置を示してある。
図8は、ボトムブリッジ2に一体化する前の部品状態におけるステム3としての部品ステム40を示すものである。この部品ステム40の下端には、嵌合孔21に結合用筒部31を圧入した後、結合用筒部31の先端部を塑性変形して塑性変形部34を形成することができるように、結合用筒部31の長さが嵌合孔21の長さより長く、例えば5mm程度長い円筒状に形成されている。ここで、説明の便宜上、コンポーネント1のステム3における塑性変形部34を設けた結合用筒部31と、部品状態におけるステム3である部品ステム40における塑性変形部34を設ける前の結合用筒部31とを区別するために、部品ステム40における結合用筒部31を部品筒部41として以下に説明する。なお、図8において、図1のステム3と同一部分には、同一の符号を付してある。
前記ステム3の金属材料としては、鉄系材料、アルミニウム系材料などの各種の金属を用いることができる。また、ステム3の形成は、切削、研削、圧延、押出し、せん孔、鍛造、鋳造などの各種の加工方法を単独もしくは組み合わせて用いることができる。本実施形態のステム3は、機械構造用炭素鋼鋼管を機械加工することにより形成されている。なお、ステム3の金属材料としては、ボトムブリッジ2の金属材料より剛性が低いものを用いることが、ボトムブリッジ2を変形させずに塑性変形部34を形成することができるという意味で好ましい。
ここで、本発明に係るステアリングステムコンポーネントの製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態のコンポーネントの製造方法(以下、単に、製造方法と記す。)は、ボトムブリッジ2の嵌合孔21に、図8に示す部品ステム40の部品筒部41を図示しない圧入用プレスを用いて圧入した(圧入工程)後、部品筒部41の先端部を塑性変形して塑性変形部34を形成する(かしめ工程)ことにより一体化している。
さらに詳しく説明すると、本実施形態の製造方法によれば、まず、ボトムブリッジ2の嵌合孔21に対して、部品ステム40の部品筒部41を差し込んで圧入し、段部33をボトムブリッジ2の嵌合孔21の上端が開口する上端面24に当接させるとともに、部品筒部41の先端を嵌合孔21の下端から突出させる。このボトムブリッジ2の嵌合孔21に部品ステム40の部品筒部41を圧入した圧入状態の要部を誇張して図9に示す。なお、図9において、中心線の右側は、溝部23を含む位置を示してある。
ついで、部品筒部41の先端部に対して、図示しないリベットマシンのマシンヘッドに取り付けた図10に示すかしめ治具50の変形用接触部51を当接させて軸線方向に沿って押圧することにより、部品筒部41の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形する。これにより、図2に誇張して示すように、結合用筒部31の先端部に塑性変形部34を形成し、この塑性変形部34をボトムブリッジ2の嵌合孔21の下端が開口する下端面25に当接させるとともに、溝部23に塑性変形部34の一部を食い込ませる。これにより、段部33と塑性変形部34との間にボトムブリッジ2を挟持させるとともに、溝部23に塑性変形部34の一部を食い込ませて、ステム3の下端がボトムブリッジ2の嵌合孔21に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合した完成品(図1に示すコンポーネント1)を得ることができる。
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
本実施形態のコンポーネント1によれば、ステム3における段部33と塑性変形部34との間にボトムブリッジ2を挟持させるとともに、溝部23に塑性変形部34の一部を食い込ませて、ステム3の一端がボトムブリッジ2の嵌合孔21に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合するようにしたので、ステム3の軸線方向に沿った押し荷重および抜き荷重ならびにねじりトルクに対しての必要十分な強度を得ることができる。勿論、ねじりトルクに対する強度は、溝部23に塑性変形部34の一部を食い込ませることによる機械的な結合力に加えて、嵌合孔21に結合用筒部31を圧入するしまりばめによるはめあい状態も寄与する。なお、本実施形態のコンポーネント1によれば、押し荷重50KN以上、抜き荷重50KN以上、ねじりトルクは500Nm以上に対応可能なことを性能試験により確認した。
また、本実施形態のコンポーネント1によれば、部品筒部41の嵌合孔21から突出した部位を径方向外側に向かって拡径するように塑性変形することにより、ボトムブリッジ2にステム3の一端を結合して一体化するようにしたので、溶接、ボルト、ピンを用いることなく一体化することができるし、ボトムブリッジ2およびステム3の材料が同一金属であっても異種金属であっても一体化を行うことができる。すなわち、ボトムブリッジ2およびステム3の金属材料の種類にかかわらず、結合構造を1種類とすることができる。これにより、ボトムブリッジ2およびステム3の金属材料の種類にかかわらず、生産設備の種類を1種類とすることができる。
したがって、本実施形態のコンポーネント1によれば、低コスト化および生産性の向上による高性能化を容易に図ることができる。
また、本実施形態のコンポーネント1によれば、溝部23の底面23aが嵌合孔21の開口端で深く、嵌合孔21の軸線方向に沿って内側に向かって次第に深さが浅くなって嵌合孔21に接続するテーパをなすように形成されているから、溝部23に塑性変形部34の一部を容易かつ確実に食い込ませることができる。
さらに、本実施形態のコンポーネント1によれば、溝部23の幅方向両側に形成された両側壁23bが、嵌合孔21の中心側に向かって相互間の間隔が拡大する傾斜面とされているから、溝部23に塑性変形部34の一部をより容易かつ確実に食い込ませることができる。
さらにまた、本実施形態のコンポーネント1によれば、溝部23が周方向に沿って複数設けられているから、ステム3のねじりトルクに対する強度を容易に高めることができる。これにより、溝部23の数を増減するという簡便な方法で、多種多様なねじりトルクの要求値に対応することができる。
またさらに、本実施形態のコンポーネント1によれば、溝部23が周方向に沿って6つ設けられているから、ステアリングステムのねじりトルクに対する強度の最適化を図ることができる。
また、本実施形態のコンポーネント1によれば、嵌合孔21の下端に溝部23が形成され、この溝部23に塑性変形部34の一部を食い込ませているので、ボトムブリッジ2の下端面25と平行に延在する塑性変形部34の端面に凹凸ができないし、ステム3の結合用筒部31の内孔に凹凸ができないので、ステム3の剛性を損なうことがない。
またさらに、本実施形態のコンポーネント1によれば、ボトムブリッジ2とステム3との一体化が、従来の溶接を用いる結合構成と異なっているから、従来の溶接を用いた一体化による不具合が発生しない。
例えば、溶接時の溶接熱により製品に形状変化が発生しないので、従来の溶接による一体化に比較して品質精度の向上を図ることができるし、溶接設備、溶接ワイヤ、溶接電力、ロット管理用の刻印機などの設備備品を必要としないので、従来の溶接による一体化に比較して操業費を低減できるし、溶接加工時間、スパッター除去、溶接部ガラスビート除去、溶接確認用マーキング、溶接ロット確認刻印などの時間を必要とないので、従来の溶接による一体化に比較して加工時間を短くできるし、溶接時のノイズによるNC加工装置のNC制御に誤作動などの悪影響を及ぼすことがないので、機械加工工程にインライン化することができるし、溶接部の表面に溶接による酸化被膜が発生することがないので、従来の溶接による一体化に比較して塗装による防錆効果を向上できるし、溶接時に炭酸ガスと溶接ワイヤの化学成分とが混合した有害ガスが発生して環境および人体に悪影響を及ぼすことがないので、有害ガスを除去するための排煙装置の設置、塵肺の定期検診を実施するなどの健康管理を実施する必要がない。
さらに、本実施形態のコンポーネント1によれば、ボトムブリッジ2とステム3との一体化が、従来のボルトおよび/またはピンを用いる結合構成と異なっているから、従来のボルトおよび/またはピンを用いた一体化による不具合が発生しない。
例えば、ボルトおよび/またはピンという部品を必要としないので、従来のボルトおよび/またはピンによる一体化に比較して部品点数を削減することができるし、ボルトおよび/またはピンを取り付けるための加工工程を必要としないので、従来のボルトおよび/またはピンによる一体化に比較して加工時間を短くできるし、ボルトの取付時に必要な締付けトルクの管理を実施する必要がない。
また、本実施形態の製造方法によれば、ステム3の段部33をボトムブリッジ2の嵌合孔21の他端が開口する端面に当接させるとともに、部品筒部41の先端部を嵌合孔21の一端から突出するように、嵌合孔21に部品筒部41を圧入した後に、結合用筒部31の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形させることにより、段部33と塑性変形部34との間にボトムブリッジ2を挟持させるとともに、溝部23に塑性変形部34の一部を食い込ませて、ステム3の一端がボトムブリッジ2の嵌合孔21に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合するから、本実施形態のコンポーネント1を容易に得ることができる。
さらに、本実施形態の製造方法によれば、ボトムブリッジ2およびステム3の材料が同一金属であっても異種金属であっても一体化を容易かつ確実に行うことができるし、低コスト化および生産性の向上による高性能化を容易に図ることができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
1 (ステアリングステム)コンポーネント
2 ボトムブリッジ
3 (ステアリング)ステム
21 嵌合孔
22 フォーク孔
23 溝部
23a 底面
23b 側壁
24 上端面
25 下端面
31 結合用筒部
32 胴部
33 段部
34 塑性変形部
40 部品ステム(部品状態におけるステム)
41 部品筒部(部品ステムの結合用筒部)

Claims (8)

  1. 金属により形成されたボトムブリッジに、金属によりパイプ状に形成されたステアリングステムの一端を結合してなるステアリングステムコンポーネントの結合であって、
    前記ボトムブリッジは、中央に形成された嵌合孔と、この嵌合孔の一端に軸線方向に沿って形成され、前記嵌合孔の開口端側が開口する溝部とを有しており、
    前記ステアリングステムは、その一端に形成された前記嵌合孔に圧入される結合用筒部を有しており、
    前記結合用筒部は、前記ステアリングステムの胴部と段部を介して接続され、前記胴部より小径かつ前記嵌合孔の長さより長く形成されており、
    前記ボトムブリッジと前記ステアリングステムとは、前記嵌合孔に前記結合用筒部を圧入することにより、前記段部を前記ボトムブリッジの嵌合孔の他端が開口する端面に当接させるとともに、前記結合用筒部の先端部を前記嵌合孔の一端から突出させた後、前記結合用筒部の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形させることにより、前記段部と塑性変形部との間に前記ボトムブリッジを挟持させるとともに、前記溝部に前記塑性変形部の一部を食い込ませて、前記ステアリングステムの一端が前記ボトムブリッジの嵌合孔に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合されていることを特徴とするステアリングステムコンポーネントの結合。
  2. 前記溝部の底面が前記嵌合孔の開口端で深く、前記嵌合孔の軸線方向に沿って内側に向かって次第に深さが浅くなって前記嵌合孔に接続するテーパをなすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングステムコンポーネントの結合。
  3. 前記溝部が周方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステアリングステムコンポーネントの結合。
  4. 前記溝部が周方向に沿って6つ設けられていることを特徴とする請求項3に記載のステアリングステムコンポーネントの結合。
  5. 金属により形成されたボトムブリッジに、金属によりパイプ状に形成されたステアリングステムの一端を結合してなるステアリングステムコンポーネントの製造方法であって、
    前記ボトムブリッジの中央に嵌合孔を形成するとともに、この嵌合孔の一端に前記嵌合孔の開口端側が開口する溝部を軸線方向に沿って形成し、
    前記ステアリングステムの一端に、前記嵌合孔に圧入するための前記ステアリングステムの胴部と段部を介して接続され、前記胴部より小径かつ前記嵌合孔の長さより長い結合用筒部を形成し、
    前記段部を前記ボトムブリッジの嵌合孔の他端が開口する端面に当接させるとともに、前記結合用筒部の先端部を前記嵌合孔の一端から突出するように、前記嵌合孔に前記結合用筒部を圧入した後、前記結合用筒部の先端部を径方向外側に向かってフランジ状に拡径するように塑性変形させることにより、前記段部と塑性変形部との間に前記ボトムブリッジを挟持させるとともに、前記溝部に前記塑性変形部の一部を食い込ませて、前記ステアリングステムの一端が前記ボトムブリッジの嵌合孔に対して軸線方向および回転方向ともに移動不能に結合することを特徴とするステアリングステムコンポーネントの製造方法。
  6. 前記溝部の底面が前記嵌合孔の開口端で深く、前記嵌合孔の軸線方向に沿って内側に向かって次第に深さが浅くなって前記嵌合孔に接続するテーパをなすように形成されていることを特徴とする請求項5に記載のステアリングステムコンポーネントの製造方法。
  7. 前記溝部が周方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のステアリングステムコンポーネントの製造方法。
  8. 前記溝部が周方向に沿って6つ設けられていることを特徴とする請求項7に記載のステアリングステムコンポーネントの製造方法。
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