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JP2015142452A - モータ駆動装置 - Google Patents

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JP2015142452A JP2014014465A JP2014014465A JP2015142452A JP 2015142452 A JP2015142452 A JP 2015142452A JP 2014014465 A JP2014014465 A JP 2014014465A JP 2014014465 A JP2014014465 A JP 2014014465A JP 2015142452 A JP2015142452 A JP 2015142452A
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悦申 伊藤
Yoshinobu Ito
悦申 伊藤
南谷 佳彦
Yoshihiko Minamitani
佳彦 南谷
勇 嘉藤
Isamu Kato
勇 嘉藤
雄太良 河津
Yutaro KAWATSU
雄太良 河津
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Abstract

【課題】パワーデバイスを利用した電気機器の駆動装置を、パワーデバイスのシャットダウン機能を備えると共に、より小型化する。
【解決手段】インバータ回路10が構成されたスイッチング素子モジュール2と、スイッチング制御信号を出力する制御装置3とを備え、スイッチング素子モジュール2は、さらに、異常検出回路8の検出結果Cinが入力される検出結果入力端子Tcと、検出結果入力端子Tcへの入力信号に基づいてシャットダウン制御を行う保護回路6とを備え、制御装置3は、異常検出回路8の検出結果Cinに拘わらず、スイッチング素子モジュール2の動作を停止させるためのシャットダウン指令SDを出力可能に構成されており、検出結果入力端子Tcは、異常検出回路8の検出結果Cinに加えて、シャットダウン指令SDが入力される。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ回路を備えて交流モータを駆動するモータ駆動装置に関する。
一般的にモータ等の電気機器の駆動には、パワーデバイスと称される耐用電力の大きい半導体スイッチング素子が利用される。そのようなパワーデバイス、及びパワーデバイスを用いた回路において過電流や過電圧などの異常が生じた場合には、いわゆるシャットダウン制御が実施される。シャットダウン制御とは、パワーデバイスへの通電を遮断したり、パワーデバイスのスイッチング制御信号を非アクティブ状態に変化させてパワーデバイスをオフ状態にしたりする制御である。例えば、特開2003−134797号公報(特許文献1)には、複数個のパワーモジュールが一体化されてインバータ回路が構成されたIPM(intelligent power module)において、異常検出回路や過電流検出回路の検出結果に基づいてシャットダウン制御が行われる例が開示されている(図1等)。
特許文献1のように、異常検出回路や過電流検出回路を内蔵していなくても、外部の検出回路による検出結果に基づいて、保護動作を行うことができるように構成されたIPMも実用化されている。例えば、図6に示す駆動装置100では、IPM200の外部に接続されたシャント抵抗800に流れる電流によって発生する電圧をフィードバックさせている。フィードバック入力によりIPM200の内部の保護回路600を動作させて、スイッチング素子の制御端子への入力を制御し、スイッチング素子がオフ状態に制御される。一方、スイッチング制御信号生成回路300よりも上位の制御装置より、インバータ回路をシャットダウンする指令(シャットダウン制御信号)が与えられる場合がある。この指令に応答して、スイッチング素子の制御端子への入力を制御するために、図6に示すように、しばしばバスバッファなどのゲートIC900が利用される。ところで、IPMを用いて制御する対象の電気機器が小型の場合、当然ながらIPMを含む駆動装置も小型化が求められる。小型化のためには、駆動装置を構成する電子部品の部品点数も少ない方が好ましい。そこで、シャットダウン機能を維持しつつ、低コストで駆動装置を小型化する技術が望まれる。
特開2003−134797号公報
上記背景に鑑みて、パワーデバイスを利用した電気機器の駆動装置を、パワーデバイスのシャットダウン機能を備えると共に、より小型化する技術の提供が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係るモータ駆動装置の特徴構成は、
インバータ回路を備えて交流モータを駆動するモータ駆動装置であって、
相補的にスイッチング制御される上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子とを有して構成されたアームが複数相の交流に対応して備えられて前記インバータ回路が構成されたスイッチング素子モジュールと、
前記インバータ回路を構成するスイッチング素子をそれぞれスイッチング制御するスイッチング制御信号を出力する制御装置と、を備え、
前記スイッチング素子モジュールは、さらに、前記インバータ回路の異常を検出する異常検出回路の検出結果が入力される検出結果入力端子と、前記検出結果入力端子への入力信号に基づいて前記インバータ回路の異常を判定した際に、複数相の前記アームの全てを遮断するように、前記スイッチング素子を制御するシャットダウン制御を行う保護回路と、を備え、
前記制御装置は、前記異常検出回路の検出結果に拘わらず、前記スイッチング素子モジュールの動作を停止させるためのシャットダウン指令を出力可能に構成されており、
前記検出結果入力端子は、前記異常検出回路の前記検出結果に加えて、前記シャットダウン指令が入力される点にある。
この構成によれば、スイッチング素子モジュールの動作を停止させるためのシャットダウン指令によってスイッチング制御信号を遮断可能な中継回路(例えば図6に例示したバスバッファなど)を必要とすることなく、シャットダウン指令によってスイッチング素子モジュールにシャットダウン制御を実行させることができる。従って、バスバッファなどを設置するためのゲートICなどを省くことができ、部品点数を減じてモータ駆動装置をより小型化することができる。即ち、本構成によれば、パワーデバイスを利用した電気機器の駆動装置を、パワーデバイスのシャットダウン機能を備えると共に、より小型化することが可能となる。
ここで、本発明に係るモータ制御装置は、1つの態様として、前記スイッチング素子モジュールが、前記検出結果入力端子への入力に基づく判定結果を異常状態信号として出力する異常状態信号出力端子を備え、前記制御装置が、前記異常状態信号と前記異常検出回路の前記検出結果とを受け取り可能に構成されていると好適である。例えば図6に例示した駆動装置のように、シャットダウン指令によってスイッチング制御信号を遮断可能な中継回路がある場合、スイッチング素子モジュールは正常動作(シャットダウン制御ではない動作)を行った状態でシャットダウンを実現することができる。しかし、本発明に係るモータ制御装置のような構成では、検出結果入力端子にシャットダウン指令が入力されると、スイッチング素子モジュールはシャットダウン制御を実行する。そして、この際、スイッチング素子モジュールは異常状態信号出力端子から、シャットダウン制御を実行するような異常が生じていることを示す異常状態信号を出力する。制御装置が、この異常状態信号を受け取った場合、異常検出回路の検出結果とシャットダウン指令との何れに基づいて異常状態信号出力端子から異常状態信号が出力されているかは判らない。しかし、制御装置が、異常状態信号と異常検出回路の検出結果とを受け取り可能に構成されていれば、スイッチング素子モジュールの状態を正しく判定することができる。例えば、モータ制御装置は、異常検出回路の検出結果が異常を示し、異常状態信号がアクティブである場合には、異常検出回路により異常が検出されてシャットダウン制御が実行されていると判定し、異常検出回路の検出結果が異常を示さず、異常状態信号がアクティブである場合には、シャットダウン指令によってシャットダウン制御が実行されていると判定することができる。
モータ制御装置の構成例を模式的に示すブロック図 図1のモータ制御装置の比較例を模式的に示すブロック図 制御装置によりIPMの状態を判定する手順の一例を示すフローチャート 制御装置によりIPMの状態を判定する手順の一例を示すフローチャート モータ制御装置の他の構成例を模式的に示すブロック図 スイッチング制御信号を遮断可能な中継回路(バスバッファ)を備えたモータ制御装置の基本的な構成例を模式的に示すブロック図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、モータ制御装置1の構成例を模式的に示している。モータMは、例えば自動車の電動オイルポンプ(EOP)の駆動源である。モータ制御装置1は、スイッチング素子モジュール(IPM:intelligent power module)2と、制御装置3と、周辺回路(8,11,12,19,91等)とを有して構成されている。図1において左右両端に四角で示す端子は、モータ制御装置1の端子、例えばモータ制御装置1を構成する基板に設けられたコネクタの端子である。スイッチング素子モジュールとしてのIPM2には、図1に示すように相補的にスイッチング制御される上段側スイッチング素子9a(9)と下段側スイッチング素子9b(9)とを有して構成されたアームが複数相の交流に対応して備えられてインバータ回路10が構成されている。本実施形態において、制御装置3は、マイクロコンピュータなどの論理演算プロセッサである。制御装置3は、インバータ回路10を構成するスイッチング素子9をそれぞれスイッチング制御するスイッチング制御信号を生成して出力する。
モータMは、マイクロコンピュータなどの電子回路よりも高い電圧の高電圧系の電源より電力の供給を受けて動作する。高電圧系の電源は、正極P、負極Nの直流高圧バッテリ(不図示)であり、その電源電圧は例えば数100[V]である。モータ制御装置1(インバータ回路10)は、直流高圧バッテリから供給される直流の電力を3相交流に変換してモータMに供給する。直流高圧バッテリとモータ制御装置1との間には、高電圧リレー(不図示)が備えられている。直流高圧バッテリからモータ制御装置1への電源供給は、制御装置3とは別の制御装置(例えば上位の制御装置)による高電圧リレーの指令によって遮断可能に構成されている。
スイッチング素子9は、例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor)やFET(field effect transistor)、パワートランジスタなどのパワー半導体素子である。IPM2の内部において、上段側スイッチング素子9aは高電圧系の正極Pに接続され、下段側スイッチング素子9bは高電圧系の負極Nに接続されている。図示は省略しているが、各スイッチング素子9は、並列にフリーホイールダイオードを備えて構成されている。スイッチング制御信号を生成して出力する制御装置3は、動作電圧が例えば3.3〜5[V]である。従って、スイッチング素子9を駆動するためには電圧が足りず、スイッチング制御信号は、駆動回路4を介してスイッチング素子9の制御端子(例えばゲート端子)に入力される。
本実施形態では、この駆動回路4はIPM2に内蔵されている。駆動回路4は、駆動用電源(ドライブ電源)によって動作する。ドライブ電源の電源電圧(Vcc)は例えば15〜20[V]である。駆動回路4は、下段側スイッチング素子9bに対しては、スイッチング制御信号のグラウンド側の基準となる負極Nが共通であるために、共通の駆動回路(下段側駆動回路42)が1つ設けられている。一方、上段側スイッチング素子9aは、モータMへの出力電圧が各相で個別に変動するため、スイッチング制御信号のグラウンド側の基準が定まらない。従って、上段側スイッチング素子9aに対する駆動回路(上段側駆動回路41)は、各相個別に設けられている。図1では、簡略化のため、それらを統合して駆動回路(上段側駆動回路41)として図示している。尚、制御装置3が生成し、IPM2に入力されるスイッチング制御信号はハイアクティブの信号であり、IPM2の内部(入力端子部)において各スイッチング素子9に対するスイッチング制御信号はそれぞれ抵抗器5を介してプルダウンされている。
IPM2は、IPM2に生じるいくつかの異常に応答する機能を有している。図1に示す保護回路6は、検出結果入力端子Tcへの入力信号に基づいてインバータ回路10の異常を判定した際に、複数相のアームの全てを遮断するように、スイッチング素子9を制御するシャットダウン制御を行う。本実施形態では、保護回路6は、下段側スイッチング素子9bのスイッチング制御信号を全て非有効状態(スイッチング素子9がオフとなるように制御する状態)に制御する。下段側スイッチング素子9bが全てオフ状態となることによって、インバータ回路10の全てのアームがオフ状態となり、モータMへの交流電力の供給が遮断される。尚、モータMが慣性力によって回転し続けることによって発電される電力は、各スイッチング素子9に並列接続されたフリーホイールダイオードによって還流される。
上述したように、保護回路6は、検出結果入力端子Tcへの入力信号に基づいて、インバータ回路10の異常を判定した際にシャットダウン制御を行う。検出結果入力端子Tcへは、インバータ回路10の異常を検出する異常検出回路の検出結果(Cin)が入力される。図1では、異常検出回路として過電流検出回路を例示している。ここでは、過電流検出回路としてシャント抵抗8を例示している。インバータ回路10に生じた過電流は、シャント抵抗8を流れる際に電流の大きさに応じた電圧を生じさせる。検出結果入力端子Tcを介して受け取ったこの電圧を、例えば保護回路6に備えられたコンパレータ(判定回路)によって判定することによって、保護回路6は上述したシャットダウン制御(保護動作)を行う。同時に保護回路6は、検出結果入力端子Tcへの入力に基づく判定結果を異常状態信号Foutとして、異常状態信号出力端子Tfを介して出力する。
尚、IPM2には、ドライブ電源の電源電圧(Vcc)の電圧低下を検出する回路(ドライブ電源監視回路)も内蔵されている(不図示)。ドライブ電源監視回路は、ドライブ電源の電源電圧(Vcc)の低下を検出した場合には、ドライブ電源電圧低下保護制御を実行する。ドライブ電源電圧低下保護制御は、駆動回路4を介してスイッチング制御信号を遮断する制御である。尚、一時的な負荷の増加に応じて瞬間的に電圧が低下するような場合を考慮して、ドライブ電源監視回路には、数[μs]〜十数[μs]程度のフィルタが内蔵されていると好適である。
ドライブ電源監視回路は、各駆動回路4に対して設けられている。上述したように、上段側駆動回路41は各相に対して設けられている。従って、上段側駆動回路41に対応するドライブ電源監視回路は、各相個別に設けられている。下段側駆動回路42は、各相に共通して1つであるから、ドライブ電源監視回路も1つ設けられている。各ドライブ電源監視回路は、対応する駆動回路4に対してドライブ電源電圧低下保護制御を実行する。ところで、上述したように、下段側には過電流検出に際して、異常状態信号出力端子Tfから異常状態信号Foutを出力する機能が付加されている。下段側駆動回路42に対するドライブ電源監視回路が電圧低下を検出した場合には、同様に異常状態信号出力端子Tfから異常状態信号Foutが出力される。
異常状態信号Foutは、制御装置3に伝達される。制御装置3は、異常状態信号Foutが有効状態である場合に、IPM2において何らかの異常(この場合は、過電流(短絡)或いはドライブ電源の電圧低下)が生じていることが判るが、異常状態信号Foutのみで異常の種類までは判定することができない。従って、図1に示すように、シャント抵抗8の両端電圧から過電流の発生を判定する過電流判定回路12や、ドライブ電源の電源電圧(Vcc)をモニタする電圧モニタ19などが設けられ、それらの回路の判定結果(検出結果)が制御装置3に入力されると好適である。制御装置3は、異常状態信号Fout、過電流判定回路12の判定結果、電圧モニタ19の判定結果に基づいて、異常の種別や、IPM2の挙動(動作状態、具体的にはシャットダウン制御の有無)を知ることができる。
ところで、インバータ回路10のシャットダウン制御は、IPM2に異常が生じている場合に実行されるとは限らない。例えば、電動オイルポンプを停止させなければならないような事象が生じた際に、制御装置3よりも上位の制御装置によってシャットダウン指令(上位シャットダウン指令SDin)が発せられる場合もある。このような上位シャットダウン指令SDinは、図1に示すように、一般的には制御装置3に対して通知され、制御装置3がIPM2に対してシャットダウン指令SDを出力する。但し、緊急性を担保するために、図1に示すように、ORゲート(91)を用いて、上位シャットダウン指令SDinとシャットダウン指令SDとの論理和を取る場合もある。
このようなシャットダウン指令SDは、IPM2の異常には起因しないため、多くの場合、IPM2の外部においてシャットダウン制御が実施される。例えば、図2の比較例に示す構成では、ゲートIC90により構成された中継回路にシャットダウン指令SDが入力され、制御装置3から出力されたスイッチング制御信号が遮断される。具体的には、トライステートバッファの制御端子がシャットダウン指令SDによって非有効化され、トライステートバッファの出力がハイインピーダンスとなる。スイッチング制御信号は、IPM2の入力端子の内部においてプルダウンされているために、全てロー状態となり、全てのスイッチング素子9のスイッチング制御信号が非有効状態となる。これにより、インバータ回路10の全てのスイッチング素子9がオフ状態となり、インバータ回路10はシャットダウンされる。
しかし、このようなゲートIC90による中継回路を用いて上位シャットダウン指令SDinに伴うシャットダウン制御を行うと、モータ制御装置1の回路規模が大きくなる。そこで、本実施形態では、このような中継回路を用いることなく、異常検出回路(シャント抵抗8)の検出結果(Cin)に加えて、シャットダウン指令SDを検出結果入力端子Tcに入力することで同様の機能を実現している。即ち、IPM2の保護回路6を利用して、シャットダウン制御を実行させている。図1に示すように、検出結果(Cin)に加えて、シャットダウン指令SDを検出結果入力端子Tcに入力するため、ORゲート(11)により検出結果(Cin)とシャットダウン指令SDとの論理和が取られる。通常、ORゲートは、1つの半導体パッケージに2〜4つ含まれている。上述したように、上位シャットダウン指令SDinとシャットダウン指令SDとの論理和を取るために、ORゲート(91)が用いられる場合には、1〜3つのORゲートが余っているため、回路規模(実装規模・実装面積)に全く影響を与えることなく、ORゲート(11)を追加することができる。
尚、このように、上位シャットダウン指令SDinに伴うシャットダウン制御もIPM2の保護回路6に任せた場合であっても、制御装置3は、異常の種別や、IPM2の挙動(動作状態、具体的にはシャットダウン制御の有無)を知ることができる。詳細については、図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。
図3のフローチャートは、シャットダウン指令SD(上位シャットダウン指令SDin)が無い場合の例($1)を示しており、図4のフローチャートは、シャットダウン指令SD(上位シャットダウン指令SDin)が有る場合の例($2)を示している。図3のステップ#1、ステップ#11に示すように、シャットダウン指令SDが無く、IPM2から異常出力(異常状態信号Foutの有効状態での出力)が無い場合は、制御装置3はシャットダウン制御が実施されておらず、IPM2において通常制御が実施されていると判定する。
IPM2から異常出力(異常状態信号Foutの有効状態での出力)が有る場合は、異常状態の種別が判定される(図3の破線部のステップ#12,#13)。過電流判定回路12の判定結果に基づき、過電流が発生していると判定された場合(#12)には、制御装置3は異常状態の種別が過電流の発生であると判定する(#14)。また、電圧モニタ19の判定結果に基づき、ドライブ電源の電源電圧(Vcc)が低下していると判定された場合(#13)には、制御装置3は異常状態の種別がドライブ電源の異常であると判定する(#15)。
一方、IPM2から異常出力(異常状態信号Foutの有効状態での出力)が有るにも拘わらず、過電流判定回路12及び電圧モニタ19の何れも異常の発生を判定していない場合には、IPM2が異常、例えば保護回路6や、異常状態信号Foutを出力する回路に少なくとも異常があると判定する(#16)。制御装置3は、IPM2に異常があると判定した際には、直流高圧バッテリからモータ制御装置1への電源供給を遮断するべく、直流高圧バッテリとモータ制御装置1との間に備えられた高電圧リレー(不図示)を開放する要求を上位の制御装置に出力する(#17)。
次に、シャットダウン指令SD(上位シャットダウン指令SDin)が有る場合の例($2)について説明する。図4のステップ#1、ステップ#21に示すように、シャットダウン指令SDが有り、IPM2から異常出力(異常状態信号Foutの有効状態での出力)が無い場合、制御装置3は、検出結果入力端子Tcにシャットダウン指令SDが入力されているにも拘わらずシャットダウン制御が実施されていないと判定して、IPM2が異常であると判定する(#28)。つまり、保護回路6や、異常状態信号Foutを出力する回路に少なくとも異常があると判定する。そして、IPM2の異常に伴い、直流高圧バッテリからモータ制御装置1への電源供給を遮断するべく、直流高圧バッテリとモータ制御装置1との間に備えられた高電圧リレー(不図示)を開放する要求を上位の制御装置に出力する(#29)。
検出結果入力端子Tcに有効状態のシャットダウン指令SDが入力されており、IPM2が規定の動作をしている場合には、保護回路6がシャットダウン制御を実行し、IPM2から異常出力(異常状態信号Foutの有効状態での出力)が有る。制御装置3は、異常状態の種別を判定する(図4の破線部のステップ#22,#23)。過電流判定回路12の判定結果に基づき、過電流が発生していると判定された場合(#22)には、制御装置3は異常状態の種別が過電流の発生であると判定する(#24)。また、電圧モニタ19の判定結果に基づき、ドライブ電源の電源電圧(Vcc)が低下していると判定された場合(#23)には、制御装置3は異常状態の種別がドライブ電源の異常であると判定する(#25)。このようなケースでは、過電流判定回路12の判定結果や電圧モニタ19の判定結果に基づき、制御装置3が重複してシャットダウン指令SDを出力している可能性がある。上述したように、“$2”の流れでは、既にシャットダウン指令SDが出力されているので重複するが、モータ制御装置1に異常があることが判定されているので、高電圧リレー(不図示)を開放する要求が上位の制御装置に出力される(#29)。
一方、IPM2から異常出力(異常状態信号Foutの有効状態での出力)が有るにも拘わらず、過電流判定回路12及び電圧モニタ19の何れも異常の発生を判定していない場合には、シャットダウン指令SD又は上位シャットダウン指令SDinによって、保護回路6がシャットダウン制御を行っていると判定することができる。従って、IPM2は規定の動作をしていると判定される(#26)。ステップ#26の判定結果を受けた後は、モータ制御装置1に異常があるとは判定されていないので、高電圧リレー(不図示)を開放する要求は出力されない。尚、ステップ#24〜#26の何れの判定結果となった場合も、シャットダウン指令SD(或いは上位シャットダウン指令SDin)に応じた規定された動作状態である。
以上、説明したように、本実施形態に係るモータ制御装置1によれば、パワーデバイスを利用した電気機器の駆動装置を、パワーデバイスのシャットダウン機能を備えると共に、より小型化することが可能となる。図1に示すモータ制御装置1と、その比較例として図2に示したモータ制御装置とを比べれば、本実施形態に係るモータ制御装置1の方が小規模であることが明らかである。また、回路規模を小さくすることができている一方で、図3及び図4に示したように、制御装置3は、異常の種別や、IPM2の挙動(動作状態、具体的にはシャットダウン制御の有無)を知ることができる。
〔その他の実施形態〕
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の説明においては、インバータ回路10の異常を検出する異常検出回路として、過電流を検出する過電流検出回路(シャント抵抗8)を例示した。しかし、異常検出回路は過電流検出回路に限定されるものではなく、IPM2の温度を計測する温度センサを中核とした温度検出回路であってもよい。また、電圧モニタ19も異常検出回路とすることができる。
(2)図1には、シャント抵抗8の端子電圧を検出結果入力端子Tcに入力する態様を例示した。しかし、検出結果入力端子Tcには、図5に例示するように、過電流判定回路12の出力が入力されてもよい。例えば、ORゲート(11)の入力端子の電気的特性(例えば入力スレッショルドレベル)によっては、過電流によって生じたシャント抵抗8の電圧値では、有効な入力と認識されない可能性がある。OPアンプなどを備えた過電流判定回路12からのデジタル値の出力をORゲート(11)の入力端子に接続することによって、より安定した回路が構成できる可能性もある。当然ながら、シャント抵抗8の抵抗値を変更して、過電流によって生じる電圧値がORゲート(11)の入力端子の電気的特性を充分に満足するようにすることも好適である。
本発明は、インバータ回路を備えて交流モータを駆動するモータ駆動装置に利用することができる。
1 :モータ制御装置
3 :制御装置
6 :保護回路
8 :シャント抵抗(異常検出回路)
9 :スイッチング素子
9a :上段側スイッチング素子(スイッチング素子)
9b :下段側スイッチング素子(スイッチング素子)
10 :インバータ回路
12 :過電流判定回路
19 :電圧モニタ
Fout :異常状態信号
M :モータ
SD :シャットダウン指令
SDin :上位シャットダウン指令
Tc :検出結果入力端子
Tf :異常状態信号出力端子

Claims (2)

  1. インバータ回路を備えて交流モータを駆動するモータ駆動装置であって、
    相補的にスイッチング制御される上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子とを有して構成されたアームが複数相の交流に対応して備えられて前記インバータ回路が構成されたスイッチング素子モジュールと、
    前記インバータ回路を構成するスイッチング素子をそれぞれスイッチング制御するスイッチング制御信号を出力する制御装置と、を備え、
    前記スイッチング素子モジュールは、さらに、前記インバータ回路の異常を検出する異常検出回路の検出結果が入力される検出結果入力端子と、前記検出結果入力端子への入力信号に基づいて前記インバータ回路の異常を判定した際に、複数相の前記アームの全てを遮断するように、前記スイッチング素子を制御するシャットダウン制御を行う保護回路と、を備え、
    前記制御装置は、前記異常検出回路の検出結果に拘わらず、前記スイッチング素子モジュールの動作を停止させるためのシャットダウン指令を出力可能に構成されており、
    前記検出結果入力端子は、前記異常検出回路の前記検出結果に加えて、前記シャットダウン指令が入力されるモータ駆動装置。
  2. 前記スイッチング素子モジュールは、前記検出結果入力端子への入力に基づく判定結果を異常状態信号として出力する異常状態信号出力端子を備え、
    前記制御装置は、前記異常状態信号と前記異常検出回路の前記検出結果とを受け取り可能に構成されている請求項1に記載のモータ駆動装置。
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