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JP2015035557A - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

化合物半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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JP2015035557A JP2013166902A JP2013166902A JP2015035557A JP 2015035557 A JP2015035557 A JP 2015035557A JP 2013166902 A JP2013166902 A JP 2013166902A JP 2013166902 A JP2013166902 A JP 2013166902A JP 2015035557 A JP2015035557 A JP 2015035557A
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Abstract

【課題】デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を実現する信頼性の高い化合物半導体装置を得る。【解決手段】AlGaN/GaN・HEMTは、化合物半導体積層構造2と、化合物半導体積層構造2の上方のゲート電極7と、化合物半導体積層構造2の上方において、一側面から上面に架けてゲート電極7に覆われたp型半導体6とを備えており、ゲート電極7は、当該ゲート電極の下部により電極長Lgが規定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、化合物半導体装置及びその製造方法に関する。
化合物半導体装置、特に窒化物半導体装置は、高い飽和電子速度及びワイドバンドギャップ等の特徴を利用し、高耐圧及び高出力の半導体デバイスとしての開発が活発に行われている。窒化物半導体デバイスとしては、電界効果トランジスタ、特に高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)についての報告が数多くなされている。特に、GaNを電子走行層として、AlGaNを電子供給層として用いたAlGaN/GaN・HEMTが注目されている。AlGaN/GaN・HEMTでは、GaNとAlGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じる。これにより発生したピエゾ分極及びAlGaNの自発分極により、高濃度の2次元電子ガス(2DEG)が得られる。そのため、高耐圧及び高出力が実現できる。
特開2003−59943号公報 特開2008−98434号公報
AlGaN/GaN・HEMTに代表される窒化物半導体装置は、高耐圧及び高出力のパワーデバイスとして応用が期待されているが、その性能は理論限界には未だ達しておらず、更なる性能向上が望まれている。
窒化物半導体装置における耐圧低下の原因の一つとして、通常の半導体構造ではピンチオフ状態でドレイン電極に高電圧が印可された際に、ドレイン電極側のゲート電極端に電界が集中し、デバイスが破壊されることが報告されている。この解決策として、ゲート電極とドレイン電極との離間距離を伸張して電界密度を減らす試みや、ゲート電極を一部ドレイン電極側へ延在させたフィールドプレート構造として電界を緩和させる技術がある。
しかしながら、ゲート電極とドレイン電極との離間距離を増大させ、デバイス耐圧を向上させる技術では、高周波用途技術となるデバイスの小型化とは真逆の関係となるという問題がある。フィールドプレート構造を用いた技術では、フィールドプレートによりゲート・ドレイン間容量が増大し、遮断周波数(fT)及び最大発振周波数(fMAX)の低下等の高周波特性の悪化が懸念される。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を実現する信頼性の高い化合物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
化合物半導体装置の一態様は、化合物半導体層と、前記化合物半導体層の上方の電極と、前記化合物半導体層の上方において、一側面から上面に架けて前記電極に覆われたp型半導体とを含み、前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定されている。
化合物半導体装置の製造方法の一態様は、化合物半導体層を形成する工程と、前記化合物半導体層の上方にp型半導体を形成する工程と、前記p型半導体をその一側面から上面に架けて覆う電極を形成する工程とを含み、前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定される。
上記の諸態様によれば、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を実現する信頼性の高い化合物半導体装置が得られる。
第1の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図1に引き続き、第1の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を順に示す概略断面図である。 第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTにおいて、電源オフ時における電界強度について、比較例との比較に基づいて示す特性図である。 第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTにおいて、ピンチオフ時におけるドレイン電流Idのドレイン電圧Vdとの関係を示す特性図である。 第3の実施形態による電源装置の概略構成を示す結線図である。 第4の実施形態による高周波増幅器の概略構成を示す結線図である。
(第1の実施形態)
本実施形態では、半導体装置として、化合物半導体である窒化物半導体のAlGaN/GaN・HEMTを開示する。
図1〜図2は、第1の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図1(a)に示すように、成長用基板として例えば半絶縁性のSiC基板1上に、複数の化合物半導体層の積層体として、化合物半導体積層構造2を形成する。成長用基板としては、SiC基板の代わりに、Si基板、サファイア基板、GaAs基板、GaN基板等を用いても良い。また、基板の導電性としては、半絶縁性、導電性を問わない。
化合物半導体積層構造2は、バッファ層2a、電子走行層2b、スペーサ層2c、電子供給層2d、及びキャップ層2eを有して構成される。
化合物半導体積層構造2では、電子走行層2bの電子供給層2dとの界面近傍(正確には、電子走行層2bのスペーサ層2cとの界面近傍)に、2次元電子ガス(2DEG)が発生する。この2DEGは、電子走行層2bの化合物半導体(ここではGaN)と電子供給層2dの化合物半導体(ここではAlGaN)との格子定数の相違に基づいて生成される。
詳細には、SiC基板1上に、例えば有機金属気相成長(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法により、以下の各化合物半導体を成長する。MOVPE法の代わりに、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等を用いても良い。
SiC基板1上に、AlNを200nm程度の厚みに、i(インテンショナリ・アンドープ)−GaNを1μm程度の厚みに、i−AlGaNを5nm程度の厚みに、n−AlGaNを30nm程度の厚みに、n−GaNを10nm程度の厚みに、順次成長する。これにより、バッファ層2a、電子走行層2b、スペーサ層2c、電子供給層2d、及びキャップ層2eが形成される。バッファ層2aとしては、AlNの代わりにAlGaNを用いたり、低温成長でGaNを成長するようにしても良い。
AlNの成長条件としては、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMAl)ガス及びアンモニア(NH3)ガスの混合ガスを用いる。GaNの成長条件としては、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMGa)ガス及びNH3ガスの混合ガスを用いる。AlGaNの成長条件としては、原料ガスとしてTMAlガス、TMGaガス、及びNH3ガスの混合ガスを用いる。成長する化合物半導体層に応じて、Al源であるTMAlガス、Ga源であるTMGaガスの供給の有無及び流量を適宜設定する。共通原料であるアンモニアガスの流量は、100ccm〜10LM程度とする。また、成長圧力は50Torr〜300Torr程度、成長温度は1000℃〜1200℃程度とする。
AlGaN、GaNをn型として成長する際、即ち電子供給層2d及びキャップ層2eを形成する際には、n型不純物として例えばSiを含む例えばSiH4ガスを所定の流量で原料ガスに添加し、GaN及びAlGaNにSiをドーピングする。Siのドーピング濃度は、1×1018/cm3程度〜1×1020/cm3程度、例えば5×1018/cm3程度とする。
続いて、図1(b)に示すように、素子分離領域3を形成する。
詳細には、化合物半導体積層構造2の不活性領域とする部位に、例えばアルゴン(Ar)をイオン注入する。これにより、化合物半導体積層構造2及びSiC基板1の表層部分に素子分離領域3が形成される。素子分離領域3により、化合物半導体積層構造2上でAlGaN/GaN・HEMTの素子領域(トランジスタ領域)が画定される。
なお、素子分離は、上記の注入法の代わりに、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて行っても良い。このとき、化合物半導体積層構造2のドライエッチングには、例えば塩素系のエッチングガスを用いる。
続いて、図1(c)に示すように、ソース電極4及びドレイン電極5を形成する。
詳細には、先ず、化合物半導体積層構造2のキャップ層2eにおけるソース電極及びドレイン電極の各形成予定部位をリソグラフィー及びドライエッチングにより除去する。これにより、化合物半導体積層構造2のキャップ層2eに電極用リセス2A,2Bが形成される。
次に、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのレジストマスクを形成する。レジストを化合物半導体積層構造2上に塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工する。これにより、電極用リセス2A,2Bを露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばTi/Al(Tiが下層でAlが上層)を、例えば蒸着法により、ソース電極及びドレイン電極の各形成予定部位を露出させる開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Tiの厚みは20nm程度、Alの厚みは200nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したTi/Alを除去する。その後、SiC基板1を、例えば窒素雰囲気中において400℃〜1000℃程度の温度、例えば600℃程度で熱処理し、残存したTi/Alを電子供給層2cとオーミックコンタクトさせる。Ti/Alの電子供給層2dとのオーミックコンタクトが得られるのであれば、熱処理が不要な場合もある。以上により、電極用リセス2A,2Bを埋め込み電子供給層2dとオーミックコンタクトしたソース電極4及びドレイン電極5が形成される。
続いて、図2(a)に示すように、化合物半導体積層構造2上に不活性p型半導体層10を形成する。
詳細には、先ず、化合物半導体積層構造2上の全面に、MOVPE法によりp型GaNを5nm程度以下、例えば3nm程度の厚みに堆積する。p型GaNを成長する際には、p型不純物、例えばMg,Cから選ばれたものをGaNの原料ガスに添加する。本実施形態では、p型不純物としてMgを用いる。Mgを所定の流量で原料ガスに添加し、GaNにMgをドーピングする。Mgのドーピング濃度は、例えば1×1019/cm3程度〜1×1021/cm3程度、例えば1×1019/cm3程度とする。ドーピング濃度が1×1019/cm3程度よりも低いと、十分なp型とならず、ノーマリオンとなる。1×1021/cm3程度よりも高いと、結晶性が崩れ、十分な特性が得られなくなる。
次に、堆積したp型GaNをリソグラフィー及びドライエッチングにより加工し、化合物半導体積層構造2上でソース電極4とドレイン電極との間の所定部位のみにp型GaNを残す。以上により、化合物半導体積層構造2上に不活性p型半導体層10が形成される。
続いて、図2(b)に示すように、活性p型半導体層6を形成する。
詳細には、窒素雰囲気中で700℃程度〜1000℃程度、ここでは900℃で不活性p型半導体層10をアニール処理する。これにより、不活性p型半導体層10が活性化され、活性p型半導体層6が形成される。
続いて、図2(c)に示すように、ゲート電極7を形成する。
詳細には、ゲート電極を形成するためレジストマスクを形成する。全面にレジストを塗布する。ここでは、蒸着法及びリフトオフ法に適した例えば庇構造2層レジストを用いる。塗布されたレジストをリソグラフィーにより加工する。以上により、ゲート電極の形成予定部位を露出する開口を有するレジストマスクが形成される。
次に、上記のレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばNi/Au(Niが下層、Auが上層)を、例えば蒸着法により、各開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Niの厚みは30nm程度、Auの厚みは400nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したNi/Auを除去する。以上により、活性p型半導体層6を覆うゲート電極7が形成される。ゲート電極7は、活性p型半導体層6をそのソース電極4側の側面から上面に架けて覆うように形成される。ゲート電極7は、その下部の側面で活性p型半導体層6と並列して接触し、当該下部の底面で化合物半導体積層構造2の表面と接触しており、当該下部においてゲート長Lgが規定される。
しかる後、ソース電極4、ドレイン電極5、ゲート電極7の電気的接続等の諸工程を経て、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTでは、化合物半導体積層構造2上において、ゲート電極7のドレイン電極5側でゲート電極7と並ぶように活性p型半導体層6が設けられる。この構成により、活性p型半導体層6の存在により、ゲート電極7のドレイン電極側端における電界集中が緩和され、デバイスのオフ状態の耐圧が向上する。本実施形態によれば、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を可能とし、ノーマリオフ動作が得られる信頼性の高いAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、半導体装置としてAlGaN/GaN・HEMTを開示するが、p型半導体層の構成が異なる点で相違する。
図3は、第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
本実施形態では、先ず第1の実施形態と同様に、図1(a)〜図2(a)の各工程を順次行う。このとき、化合物半導体積層構造2上に不活性p型半導体層10が形成される。
続いて、図3(a)に示すように、保護膜21を形成する。
詳細には、不活性p型半導体層10を覆うように全面に絶縁膜、ここではSiN膜をCVD法等により堆積する。SiN膜をリソグラフィー及びドライエッチングにより加工し、開口21aを形成する。開口21aから、不活性p型半導体層10のソース電極4側における不活性p型半導体層10の半分に相当する表面部位が露出する。以上により、開口21aを有する保護膜21が形成される。
続いて、図3(b)に示すように、p型半導体層22を形成する。
詳細には、窒素雰囲気中で700℃程度〜1000℃程度、ここでは900℃で不活性p型半導体層10をアニール処理する。アニール処理により、不活性p型半導体層10は、保護膜21の開口21aから露出した部位である、ソース電極4側における不活性p型半導体層10の半分に相当する部位のみにおいて活性化する。ドレイン電極5側における不活性p型半導体層10の半分に相当する部位については、保護膜21で表面が覆われているために活性化せず、不活性の当初状態が維持される。以上により、ソース電極4側の一方の半分が第1の部分である活性p型半導体層22a、ドレイン電極5側の他方の半分が第2の部分である不活性p型半導体層22bとして一体化されたp型半導体層22が形成される。
アニール処理の後、所定のウェット処理により、保護膜21が除去される。
続いて、図3(c)に示すように、ゲート電極23を形成する。
詳細には、ゲート電極を形成するためレジストマスクを形成する。全面にレジストを塗布する。ここでは、蒸着法及びリフトオフ法に適した例えば庇構造2層レジストを用いる。塗布されたレジストをリソグラフィーにより加工する。以上により、ゲート電極の形成予定部位を露出する開口を有するレジストマスクが形成される。
次に、上記のレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばNi/Au(Niが下層、Auが上層)を、例えば蒸着法により、各開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Niの厚みは30nm程度、Auの厚みは400nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したNi/Auを除去する。以上により、p型半導体層22を覆うゲート電極23が形成される。ゲート電極23は、p型半導体層22をその活性p型半導体層22aの側面(ソース電極4側の側面)から上面に架けて覆うように形成される。ゲート電極23は、その下部の側面で活性p型半導体層22aと並列して接触し、当該下部の底面で化合物半導体積層構造2の表面と接触しており、当該下部においてゲート長Lgが規定される。
しかる後、ソース電極4、ドレイン電極5、ゲート電極23の電気的接続等の諸工程を経て、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
以下、上記のように作製されたAlGaN/GaN・HEMTの奏する作用効果について、その比較例との比較に基づいて説明する。
図4は、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTにおいて、電源オフ時における電界強度について、比較例との比較に基づいて示す特性図である。電界強度は、ソース電極とドレイン電極との間における位置との関係で示されている。比較例としては、本実施形態におけるp型半導体層22を有しない構成のAlGaN/GaN・HEMTを例示している。
比較例のAlGaN/GaN・HEMTでは、ゲート電極のドレイン電極側端で大きな電界集中が発生している。これに対して、本実施形態のAlGaN/GaN・HEMTでは、p型半導体層22の活性p型半導体層22a及び不活性p型半導体層22bにより、2DEGに空間的な電子密度分布が形成される。不活性p型半導体層22bの存在により、p型半導体層22からソース電極4に架けて、p型半導体層22からドレイン電極5に架けて、それぞれ電界が緩やかに分布し、当該分布によりゲート電極23のドレイン電極側端における電界が比較例に比べて大幅に緩和されていることが確認できる。
図5は、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTにおいて、ピンチオフ時におけるドレイン電流Idのドレイン電圧Vdとの関係を示す特性図である。比較例としては、図4の場合と同様に、本実施形態におけるp型半導体層を有しない構成のAlGaN/GaN・HEMTを例示している。
本実施形態では、比較例に比べて、耐圧が大幅に向上していることが確認された。これより、本実施形態のAlGaN/GaN・HEMTでは、遮断周波数(fT)及び最大発振周波数(fMAX)等の高周波特性が大幅に向上することが判る。
以上説明したように、本実施形態によれば、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を可能とし、ノーマリオフ動作が得られる信頼性の高いAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
(第3の実施形態)
本実施形態では、第1又は第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTを適用した電源装置を開示する。
図6は、第3の実施形態による電源装置の概略構成を示す結線図である。
本実施形態による電源装置は、高圧の一次側回路31及び低圧の二次側回路32と、一次側回路31と二次側回路32との間に配設されるトランス33とを備えて構成される。
一次側回路31は、交流電源34と、いわゆるブリッジ整流回路35と、複数(ここでは4つ)のスイッチング素子36a,36b,36c,36dとを備えて構成される。また、ブリッジ整流回路35は、スイッチング素子36eを有している。
二次側回路32は、複数(ここでは3つ)のスイッチング素子37a,37b,37cを備えて構成される。
本実施形態では、一次側回路31のスイッチング素子36a,36b,36c,36d,36eが、第1又は第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTとされている。一方、二次側回路32のスイッチング素子37a,37b,37cは、シリコンを用いた通常のMIS・FETとされている。
本実施形態では、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を可能とし、ノーマリオフ動作が得られる信頼性の高いAlGaN/GaN・HEMTを、高圧回路に適用する。これにより、信頼性の高い大電力の電源回路が実現する。
(第4の実施形態)
本実施形態では、第1又は第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTを適用した高周波増幅器を開示する。
図7は、第4の実施形態による高周波増幅器の概略構成を示す結線図である。
本実施形態による高周波増幅器は、ディジタル・プレディストーション回路41と、ミキサー42a,42bと、パワーアンプ43とを備えて構成される。
ディジタル・プレディストーション回路41は、入力信号の非線形歪みを補償するものである。ミキサー42aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号をミキシングするものである。パワーアンプ43は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅するものであり、第1又は第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTを有している。なお図7では、例えばスイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー42bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路41に送出できる構成とされている。
本実施形態では、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を可能とし、ノーマリオフ動作が得られる信頼性の高いAlGaN/GaN・HEMTを、高周波増幅器に適用する。これにより、信頼性の高い高耐圧の高周波増幅器が実現する。
(他の実施形態)
第1〜第4の実施形態では、化合物半導体装置としてAlGaN/GaN・HEMTを例示した。化合物半導体装置としては、AlGaN/GaN・HEMT以外にも、以下のようなHEMTに適用できる。
・その他のHEMT例1
本例では、化合物半導体装置として、InAlN/GaN・HEMTを開示する。
InAlNとGaNは、組成によって格子定数を近づけることが可能な化合物半導体である。この場合、上記した第1の実施形態及び変形例では、電子走行層がi−GaN、スペーサ層がi−AlN、電子供給層がn−InAlN、キャップ層がn−GaNで形成される。また、この場合のピエゾ分極がほとんど発生しないため、2次元電子ガスは主にInAlNの自発分極により発生する。
本例によれば、上述したAlGaN/GaN・HEMTと同様に、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を可能とし、ノーマリオフ動作が得られる信頼性の高いInAlN/GaN・HEMTが実現する。
・その他のHEMT例2
本例では、化合物半導体装置として、InAlGaN/GaN・HEMTを開示する。
GaNとInAlGaNは、後者の方が前者よりも組成によって格子定数を小さくすることができる化合物半導体である。この場合、上記した第1の実施形態及び変形例では、電子走行層がi−GaN、スペーサ層がi−AlN、電子供給層がn−InAlGaN、キャップ層がn−GaNで形成される。
本例によれば、上述したAlGaN/GaN・HEMTと同様に、デバイスサイズの縮小化を図るも、優れた高周波特性で高耐圧及び高出力を可能とし、ノーマリオフ動作が得られる信頼性の高いInAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
以下、化合物半導体装置及びその製造方法、並びに電源装置及び高周波増幅器の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)化合物半導体層と、
前記化合物半導体層の上方の電極と、
前記化合物半導体層の上方において、一側面から上面に架けて前記電極に覆われたp型半導体と
を含み、
前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定されていることを特徴とする化合物半導体装置。
(付記2)前記p型半導体は、p型不純物が活性化された第1の部分と、p型不純物が不活性とされた第2の部分とを有することを特徴とする付記1に記載の化合物半導体装置。
(付記3)前記p型半導体は、前記第1の部分と前記第2の部分とが並列してなることを特徴とする付記2に記載の化合物半導体装置。
(付記4)前記p型半導体は、p型不純物の濃度が1×1019/cm3以上1×1021/cm3以下とされていることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記5)化合物半導体層を形成する工程と、
前記化合物半導体層の上方にp型半導体を形成する工程と、
前記p型半導体をその一側面から上面に架けて覆う電極を形成する工程と
を含み、
前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定されることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
(付記6)前記p型半導体は、p型不純物が活性化された第1の部分と、p型不純物が不活性とされた第2の部分とを有することを特徴とする付記5に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記7)前記p型半導体は、前記第1の部分と前記第2の部分とが並列してなることを特徴とする付記6に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記8)前記p型半導体は、p型不純物の濃度が1×1019/cm3以上1×1021/cm3以下とされることを特徴とする付記5〜7のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記9)変圧器と、前記変圧器を挟んで高圧回路及び低圧回路とを備えた電源回路であって、
前記高圧回路はトランジスタを有しており、
前記トランジスタは、
化合物半導体層と、
前記化合物半導体層の上方の電極と、
前記化合物半導体層の上方において、一側面から上面に架けて前記電極に覆われたp型半導体と
を含み、
前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定されていることを特徴とする電源回路。
(付記10)入力した高周波電圧を増幅して出力する高周波増幅器であって、
トランジスタを有しており、
前記トランジスタは、
化合物半導体層と、
前記化合物半導体層の上方の電極と、
前記化合物半導体層の上方において、一側面から上面に架けて前記電極に覆われたp型半導体と
を含み、
前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定されていることを特徴とする高周波増幅器。
1 SiC基板
2 化合物半導体積層構造
2a バッファ層
2b 電子走行層
2c スペーサ層
2d 電子供給層
2e キャップ層
3 素子分離領域
4 ソース電極
2A,2B 電極用リセス
5 ドレイン電極
6 活性p型半導体層
10 不活性p型半導体層
7,23 ゲート電極
21 保護膜
21a 開口
22 p型半導体層
22a 活性p型半導体層
22b 不活性p型半導体層
31 一次側回路
32 二次側回路
33 トランス
34 交流電源
35 ブリッジ整流回路
36a,36b,36c,36d,36e,37a,37b,37c スイッチング素子
41 ディジタル・プレディストーション回路
42a,42b ミキサー
43 パワーアンプ

Claims (8)

  1. 化合物半導体層と、
    前記化合物半導体層の上方の電極と、
    前記化合物半導体層の上方において、一側面から上面に架けて前記電極に覆われたp型半導体と
    を含み、
    前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定されていることを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 前記p型半導体は、p型不純物が活性化された第1の部分と、p型不純物が不活性とされた第2の部分とを有することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 前記p型半導体は、前記第1の部分と前記第2の部分とが並列してなることを特徴とする請求項2に記載の化合物半導体装置。
  4. 前記p型半導体は、p型不純物の濃度が1×1019/cm3以上1×1021/cm3以下とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
  5. 化合物半導体層を形成する工程と、
    前記化合物半導体層の上方にp型半導体を形成する工程と、
    前記p型半導体をその一側面から上面に架けて覆う電極を形成する工程と
    を含み、
    前記電極は、当該電極の下部により電極長が規定されることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
  6. 前記p型半導体は、p型不純物が活性化された第1の部分と、p型不純物が不活性とされた第2の部分とを有することを特徴とする請求項5に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  7. 前記p型半導体は、前記第1の部分と前記第2の部分とが並列してなることを特徴とする請求項6に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  8. 前記p型半導体は、p型不純物の濃度が1×1019/cm3以上1×1021/cm3以下とされることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
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