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JP2015030695A - 混合溶剤 - Google Patents

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JP2015030695A JP2013160744A JP2013160744A JP2015030695A JP 2015030695 A JP2015030695 A JP 2015030695A JP 2013160744 A JP2013160744 A JP 2013160744A JP 2013160744 A JP2013160744 A JP 2013160744A JP 2015030695 A JP2015030695 A JP 2015030695A
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邦男 馬屋原
Kunio Mayahara
邦男 馬屋原
耕司 田村
Koji Tamura
耕司 田村
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Abstract

【課題】NMPまたはDMSOと同等以上の溶解力を有する溶剤を提供する。【解決手段】式(1−1)および式(1−2)から選択される少なくとも1種、(II)を含有する混合溶剤。(式中、R1およびR2、およびR3は、炭素数1〜5のアルキル基等を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、混合溶剤に関する。詳しくは、3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノールおよび3−アルコキシ−3−メチルブチルアセテートから選択される少なくとも1種とアルキレンカーボネートとを含有する混合溶剤に関する。さらには、該混合溶剤を含有する洗浄剤、並びに、該混合溶剤を含有する、塗料、コーティング剤、農薬(殺虫剤、除草剤、殺菌剤、植物成長調整剤、忌避剤など)および溶媒(抽出溶媒、反応溶媒など)に関する。本発明の混合溶剤は、N−メチルピロリドンの代替溶剤およびジメチルスルホキシドの代替溶剤として有用である。
N−メチルピロリドン(以下、NMPと称する。)は、各種樹脂を溶解し易く、且つ水と任意の割合で混合することができ、フロン系溶剤と同等以上の有機物および無機物に対する溶解力を有している。そのため、溶媒および洗浄剤として有用であり、オゾン層破壊の原因の1つと言われている1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン系溶剤の代替品として注目されている。さらに、NMPは、比較的引火点が高く、且つ適度な揮発速度を有していることなどから、工業的に非常に利用し易く、最も有用な溶剤の1つであり、幅広い分野に利用されてきた。
しかし、2011年に、欧州にて、NMPが発がん性を有しているおそれがあるということで高懸念物質(SVHC)に指定され、その使用が制限された。そのため、近年はNMPの代替品の開発の要望が強まってきている。このような状況下、γ−ブチロラクトンとシクロペンタノンとを含有する溶剤(特許文献1参照)や、β−アルコキシプロピオンアミド類(特許文献2参照)等がNMPの代替品として検討されている。
一方、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと称する。)は、多くの有機化合物および無機化合物を溶解する非プロトン性極性溶剤であり、その高い溶解力や浸透性を生かして、電子部品洗浄剤・プラント洗浄剤・剥離剤・自動車部品成型用離型剤などの洗浄剤または剥離剤用途、また有機合成における溶剤として幅広い分野に使用されている。
しかし、DMSOは、例えば人体への局所使用により紅斑などの一時刺激や接触蕁麻疹が起きることが古くから知られており(例えば特許文献3参照)、人体に対する安全性の観点からは決して好ましい溶剤であるとは言い切れず、代替品が望まれている。
特開2012−062355号公報 特開2009−102653号公報 特開昭63−93708号公報
特許文献1に記載の溶剤、つまりγ−ブチロラクトンとシクロペンタノンとを含有する溶剤は、ポリアミドイミド樹脂を溶解するための溶媒として開発されたものであり、ポリアミドイミド樹脂に対する溶解力は優れている。しかし、γ−ブチロラクトンには、中枢神経系の障害や意識喪失等の有害性が認められており、より有害性に乏しい溶剤の開発が求められる。
特許文献2に記載のβ−アルコキシプロピオンアミド類は、水、グリセリン、p−アミノフェノール等との溶解性に優れており、確かにNMPの代替品として優れているが、比較的高価であるため、廉価な溶剤の開発が求められる。
そこで、本発明の課題は、NMPまたはDMSOと同等以上の溶解力を有し、且つ有害性に乏しく、さらに廉価な溶剤を開発することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノールおよび3−アルコキシ−3−メチルブチルアセテートから選択される少なくとも1種と、アルキレンカーボネートとを含有する混合溶剤であれば、前記課題を解決し得ることが判明した。
本発明は、下記[1]〜[10]に関する。
[1](I)下記一般式(1−1)で示される3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノールおよび下記一般式(1−2)で示される3−アルコキシ−3−メチルブチルアセテートから選択される少なくとも1種、および
(II)下記一般式(2)で示されるアルキレンカーボネート
を含有する混合溶剤。
Figure 2015030695

(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
Figure 2015030695

(式中、R3は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
[2]前記成分(I)と前記成分(II)との混合比率[(I):(II)](質量比)が、10:90〜90:10である、上記[1]の混合溶剤。
[3]前記成分(I)と前記成分(II)との混合比率[(I):(II)](質量比)が、20:80〜50:50である、上記[1]の混合溶剤。
[4]R1およびR2がメチル基であり、R3が水素原子またはメチル基である、上記[1]〜[3]のいずれかの混合溶剤。
[5]前記成分(I)と前記成分(II)との合計含有量が80質量%以上である、上記[1]〜[4]のいずれかの混合溶剤。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの混合溶剤を含有する洗浄剤。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかの混合溶剤を含有する塗料またはコーティング剤。
[8]上記[1]〜[5]のいずれかの混合溶剤を含有する農薬。
[9]殺虫剤、除草剤、殺菌剤、植物成長調整剤、忌避剤からなる群より選択される、[8]の農薬。
[10]上記[1]〜[5]のいずれかの混合溶剤を含有する溶媒。
本発明の混合溶剤は、NMPまたはDMSOと同等以上の溶解力を有し、且つ有害性に乏しく、さらに廉価である。高分子化合物に対する溶解力という観点では、特に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂に対する溶解力に優れている。
本明細書において、好ましいとする規定は任意に採用することができ、好ましいとする規定同士の組み合わせは、より好ましいと言える。
[混合溶剤]
本発明の混合溶剤は、下記成分(I)および(II)を含有するものである。成分(I)および成分(II)のいずれも、発がん性や、中枢神経系の障害および意識喪失等の有害性は認められず、且つ廉価であるため、本発明の混合溶剤は、NMPまたはDMSOの代替品としての期待値が高い。
(成分(I))
成分(I)は、下記一般式(1−1)で示される3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノール[以下、成分(1−1)と称することがある。]および下記一般式(1−2)で示される3−アルコキシ−3−メチルブチルアセテート[以下、成分(1−2)と称することがある。]から選択される少なくとも1種である。
Figure 2015030695

(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
1およびR2がそれぞれ独立して表す炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。中でも、溶解力の観点から、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
成分(I)としては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(MMB)が好ましく、成分(II)としては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの酢酸エステル(MMB−AC)が好ましい。
成分(I)としては、成分(1−1)を単独で用いてもよいし、成分(1−2)を単独で用いてもよいし、成分(1−1)と成分(1−2)を併用してもよい。
また、成分(1−1)は、1種を単独で用いてもよいし、前記一般式(1−1)で表されるものの中の2種以上を併用してもよい。また、成分(1−2)は、1種を単独で用いてもよいし、前記一般式(1−2)で表されるものの中の2種以上を併用してもよい。
成分(1−1)と成分(1−2)を併用する場合、その混合比率に特に制限はない。
成分(1−1)と成分(1−2)のいずれを用いた場合でも、ポリメチルメタクリレート(PMMA)[好ましくは数平均分子量1,000〜10万程度;例えば株式会社クラレ製「パラペット」シリーズなど]やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)[好ましくは数平均分子量1,000〜10万程度;例えば東レ株式会社製「トヨラック」シリーズなど]等に対する溶解力に優れた混合溶剤となる。なお、成分(1−2)を用いると、特にポリカーボネート樹脂[好ましくは数平均分子量1,000〜10万程度;例えば住化スタイロンポリカーボネート株式会社製「カリバー」シリーズなど]に対する溶解力がより一層高くなる。
成分(1−1)は、例えば特開昭50−59309号公報等を参照して容易に製造することができるし、「ソルフィット(登録商標)」「MMB」(商品名)(いずれも株式会社クラレ製)等の市販品を用いることもできる。
成分(1−2)は、成分(1−1)をアセテート化することで容易に製造することができるし、「ソルフィット(登録商標)AC」「MMB−AC」(商品名)(いずれも株式会社クラレ製)等の市販品を用いることもできる。
(成分(II))
成分(II)は、下記一般式(2)で示されるアルキレンカーボネートである。
Figure 2015030695

(式中、R3は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
3が表す炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。中でも、溶解力の観点から、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
3としては、溶解力の観点から、水素原子またはメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
成分(II)としては、「エチレンカーボネート」(新日本理化株式会社製)、「ARCONATE(登録商標)」(プロピレンカーボネート、Lyondell Asia Pacific, Ltd.製)、「ブチレンカーボネート」(宇部興産株式会社製)等の市販品を用いることができる。
成分(II)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましく、プロピレンカーボネートがより好ましい。
(成分(I)と成分(II)の混合比率)
前記成分(I)と前記成分(II)との混合比率[(I):(II)](質量比)に特に制限はないが、両成分がいずれも一定量以上含まれていることが望ましく、具体的には、好ましくは10:90〜90:10である。この範囲であれば、混合溶剤が有する溶解力が高くなる。同様の観点から、より好ましくは20:80〜50:50であり、さらに好ましくは30:70〜45:55、特に好ましくは35:65〜45:55である。
(混合溶剤中の成分(I)および成分(II)の合計含有量)
溶解力の観点から、本発明の混合溶剤中の前記成分(I)と前記成分(II)との合計含有量は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは実質的に100質量%である。
本発明の混合溶剤は、本発明の効果を大きく損なわない範囲、好ましくは上記条件を満たす範囲で、必要に応じて、その他の溶剤を含んでいてもよい。その他の溶剤としては、前記成分(I)および成分(II)の少なくとも一方との相溶性に優れている溶剤であるのが好ましく、より好ましくは成分(I)および成分(II)の両方に対する相溶性に優れている溶剤である。そのようなその他の溶剤としては、例えば、水;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルシクロペンチルエーテル、テトラヒドロピラン、3−メチルテトラヒドロピラン、1,3−ジオキサン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン、ジメチルホルマール、ジエチルホルマール、ジプロピルホルマール、ジブチルホルマールなどのエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル等の(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテル;メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、イソアミルアルコール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール等のモノアルコール;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等のポリオール;
アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン;酢酸、プロピオン酸等の1塩基酸のC1〜10アルキルエステル;フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の2塩基酸のジ(C1〜10アルキル)エステル;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(「TEXANOL」(商品名、イーストマンケミカル社製))、「ローディアソルブRPDE」(商品名、ローディア日華社製;グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル及びコハク酸ジメチルを混合したもの)等の工業的に入手可能なエステル;γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、3−メチルバレロラクトンなどのラクトン;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート;
エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等の(ポリ)アルキレングリコールジアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N−メチルカプロラクタムなどのアミド;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;アニソール;ニトロベンゼン;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、シクロオクタン、リモネン、「アイソパー」(登録商標)シリーズ(商品名、エクソンモービル社製、−C,−E,−G,−H,−L,−Mなど)、「エクソール」シリーズ(商品名、エクソンモービル社製)などの炭化水素;等が挙げられる。
なお、上記例示溶剤において、「(ポリ)」は、「モノまたはポリ」を表す。
[用途]
本発明の混合溶剤は、NMPの代替品およびDMSOの代替品として広く利用することができる。具体的には、洗浄剤、塗料、コーティング剤、農薬(殺虫剤、除草剤、殺菌剤、植物成長調整剤、忌避剤など)および溶媒(抽出溶媒、反応溶媒など)等として有用である。
洗浄剤としては、フォトレジスト剥離用洗浄剤、電子配線基板用洗浄剤、コーティング樹脂剥離用洗浄剤、金属部品用洗浄剤等の工業用洗浄剤(但し、一般的に剥離剤と称されるものを含む。);ペイントリムーバー等の業務用洗浄剤;接着剤用洗浄剤、ペイント除去用洗浄剤、木材汚れ落とし用洗浄剤、フロアワックス除去用洗浄剤等の家庭用洗浄剤等が挙げられる。
塗料またはコーティング剤としては、各種樹脂またはゴムを含有する皮膜形成用塗料またはコーティング剤が挙げられる。該樹脂またはゴムとしては、PMMA等のアクリル系樹脂;スチレン−アクリル系樹脂;アクリロニトリル−スチレン系樹脂(AS樹脂);ABS樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ウレタンゴム;フッ化ビニリデン系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系ゴム等のフッ素ゴム;シリコーンゴム;ロジン系樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられるが、特にこれらに制限されるものではない。
農薬は、殺虫効果、除草効果、殺菌効果、植物成長調整効果、忌避効果等を有する薬物等を本発明の混合溶剤に溶解させたものである。
溶媒としては、例えば、化石燃料から不飽和炭化水素を抽出処理する際の抽出溶媒や、各種有機合成反応における反応溶媒等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<実施例1〜2および比較例1〜5>
表1に記載の各溶剤およびテストピースを用いて、各溶剤が有するテストピースに対する溶解力を調査した。溶解力の調査方法は以下の通りである。
(溶解力の調査方法)
(1)ノギスを用いて、表1に記載の各材質から、50mm×20mm×厚さ2mmの寸法のテストピースを作製した。
(2)テストピースの体積を計算し、且つ、テストピースの質量(試験前の質量)を測定した。
(3)表1に記載の各溶剤50mlを500mlの容器に入れ、そこへテストピース1つを沈ませ、室温(20〜25℃)にて3日間静置した。
(4)静置後、目視によって、テストピースの少なくとも一部が溶解していると認められる場合には、残存したテストピースの質量を測定することにより、下記式から、溶解したテストピースの割合(質量%)を算出した。数値が大きいほど好ましい。
溶解したテストピースの割合=(試験前の質量−静置後の質量)/試験前の質量
(5)一方、静置後、目視にてテストピースが溶解したと認められない場合には、テストピースをピンセットで取り出した後、ノギスを用いて寸法を測定して体積を算出し、下記式から、静置前後のテストピースの体積増減率を求め、表1中には括弧内に数値を記載した。なお、マイナス(−)は体積減少率を表し、プラス(+)は体積増加率、つまりテストピースが膨潤した程度を表す。なお、「0」(ゼロ)は、テストピースが溶剤に溶解せず、且つテストピースが膨潤しなかったことを示す。
体積増減率(体積%)=(静置後の体積/試験前の体積)×100
Figure 2015030695
表1より、MMBとプロピレンカーボネートとの混合溶剤、およびMMB−ACとプロピレンカーボネートとの混合溶剤は、NMPまたはDMSOと同等以上の溶解力を有しており、NMPの代替溶剤およびDMSOの代替溶剤として有望であると言える。
なお、MMB、MMB−AC、プロピレンカーボネートそれぞれ単独では、NMPまたはDMSOの代替溶剤として用いるには溶解力が不十分であった(比較例3〜5参照)。
本発明の混合溶剤は、NMPまたはDMSOと同等以上の溶解力を有し、且つ有害性に乏しく、さらに廉価な溶剤であるため、NMPの代替品およびDMSOの代替品として有用であり、特に、洗浄剤(剥離剤を含む。)、塗料、コーティング剤、農薬などの溶剤や、各種溶媒として有用である。

Claims (10)

  1. (I)下記一般式(1−1)で示される3−アルコキシ−3−メチル−1−ブタノールおよび下記一般式(1−2)で示される3−アルコキシ−3−メチルブチルアセテートから選択される少なくとも1種、および
    (II)下記一般式(2)で示されるアルキレンカーボネート
    を含有する混合溶剤。
    Figure 2015030695
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
    Figure 2015030695
    (式中、R3は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  2. 前記成分(I)と前記成分(II)との混合比率[(I):(II)](質量比)が、10:90〜90:10である、請求項1に記載の混合溶剤。
  3. 前記成分(I)と前記成分(II)との混合比率[(I):(II)](質量比)が、20:80〜50:50である、請求項1に記載の混合溶剤。
  4. 1およびR2がメチル基であり、R3が水素原子またはメチル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の混合溶剤。
  5. 前記成分(I)と前記成分(II)との合計含有量が80質量%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の混合溶剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の混合溶剤を含有する洗浄剤。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の混合溶剤を含有する塗料またはコーティング剤。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の混合溶剤を含有する農薬。
  9. 殺虫剤、除草剤、殺菌剤、植物成長調整剤、忌避剤からなる群から選択される、請求項8に記載の農薬。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の混合溶剤を含有する溶媒。
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