JP2015025820A - Optical waveguide type measurement system and measurement method for glycosylated hemoglobin - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態は、光導波路型測定システムおよび糖化ヘモグロビンの測定方法に関する。 Embodiments described herein relate generally to an optical waveguide measurement system and a method for measuring glycated hemoglobin.
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、血液中の糖が赤血球に入った後に、ヘモグロビンと不可逆的に結合して生成したものであり、過去1〜2ヶ月間の血液中の平均的な血糖値を反映する。このため、HbA1cは、糖尿病のスクリーニング検査や糖尿病患者の血糖管理状態を把握する等の糖尿病診断の指標として広く利用されている。 HbA1c (hemoglobin A1C) is produced by irreversibly binding to hemoglobin after sugar in the blood enters the erythrocytes, and reflects the average blood sugar level in the blood for the past 1-2 months To do. For this reason, HbA1c is widely used as an indicator for diabetes diagnosis, such as a screening test for diabetes and grasping the blood glucose control state of a diabetic patient.
HbA1cの測定方法としては、ラテックス凝集法やプロテアーゼを利用する方法がある。ラテックス凝集法は操作が簡便であるものの、バルクの濁度を測定するため、装置が大型になり、かつ感度面で他の方法に劣る場合がある。また、プロテアーゼを利用する方法では、HbA1cの糖化部分のみをプロテアーゼにより切り出して測定する。このため、煩雑な前処理が伴う。最近では、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法が標準になりつつあるが、この方法はコストが高く、装置も大型で、さらに煩雑な処理が伴う。 As a method for measuring HbA1c, there are a latex agglutination method and a method using a protease. Although the latex agglomeration method is simple in operation, it measures bulk turbidity, so that the apparatus becomes large and the sensitivity may be inferior to other methods. In the method using protease, only the glycated part of HbA1c is cut out with protease and measured. For this reason, complicated preprocessing is involved. Recently, the high performance liquid chromatography (HPLC) method is becoming the standard, but this method is expensive, has a large apparatus, and is complicated.
本発明が解決しようとする課題は、HbA1cを簡便かつ精度よく測定できる光導波路型測定システムおよび糖化ヘモグロビンの測定方法を提供することである。 The problem to be solved by the present invention is to provide an optical waveguide measurement system and a method for measuring glycated hemoglobin capable of measuring HbA1c simply and accurately.
実施形態の光導波路型測定システムは、糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な第1物質が固定化された第1センシングエリアを有する第1光導波路と、前記第1物質が前記糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な箇所とは別の箇所で前記糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な第2物質が固定化された超常磁性を有する複数の第1磁性微粒子と、前記第1光導波路の上方に設けられ、前記複数の第1磁性微粒子の少なくとも1つを前記第1センシングエリアから磁力によって移動させることが可能な第1磁場印加部と、前記第1光導波路に光を入射させ前記第1センシングエリアに近接場光を発生させることが可能な第1光源と、前記第1光導波路から出射される光を受光することが可能な第1受光素子と、を有する。 The optical waveguide measurement system of the embodiment includes a first optical waveguide having a first sensing area on which a first substance capable of specifically binding to glycated hemoglobin is immobilized, and the first substance is the glycated hemoglobin. A plurality of first magnetic fine particles having superparamagnetism, in which a second substance capable of specifically binding to the glycated hemoglobin is immobilized at a location different from a location capable of specifically binding to glycated hemoglobin, A first magnetic field application unit provided above the first optical waveguide and capable of moving at least one of the plurality of first magnetic fine particles from the first sensing area by a magnetic force; A first light source capable of receiving light and generating near-field light in the first sensing area; and a first light receiving element capable of receiving light emitted from the first optical waveguide; Having.
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。 Hereinafter, embodiments will be described with reference to the drawings. In the following description, the same members are denoted by the same reference numerals, and the description of the members once described is omitted as appropriate.
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光導波路型測定システムの断面模式図であり、図1(a)は光導波路型測定システムの全体を表す断面模式図、図1(b)は光導波路型測定システムの光導波路上に固定化された第1物質付近を拡大した断面模式図である。
(First embodiment)
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of the optical waveguide type measurement system according to the first embodiment. FIG. 1A is a schematic cross-sectional view showing the entire optical waveguide type measurement system, and FIG. It is the cross-sectional schematic diagram which expanded the 1st substance vicinity fixed on the optical waveguide of a measurement system.
第1実施形態に係る光導波路型測定システム30は、光導波路3(第1光導波路)と、光導波路3上の所定の領域(後述するセンシングエリア101)に固定化され、糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な第1物質6と、第2物質13と、複数の磁性微粒子9(第1磁性微粒子)と、液体(水、有機溶剤)等の分散媒体25(第1分散媒体)と、を備える。複数の磁性微粒子9のそれぞれには、第2物質13が固定化されている。第2物質13は、第1物質6が糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な箇所とは別の箇所で糖化ヘモグロビンと特異的に結合することできる。分散媒体25には、複数の磁性微粒子9が分散され、分散媒体25は、第1物質6に接している。
The optical waveguide
また、光導波路型測定システム30は、光導波路3の上方に設けられ、複数の磁性微粒子9の少なくとも1つを磁力によって分散媒体25中で移動させることが可能な磁場印加部10(第1磁場印加部)と、上記所定の領域外から光導波路3に光を入射させることが可能な光源7(第1光源)と、上記所定の領域外の光導波路3から出射される光を受光することが可能な受光素子8(第1受光素子)と、を備える。光源7から発せられる光は、上記所定の領域に作用する。磁場印加部10は、複数の磁性微粒子9の少なくとも1つを光導波路3から離れる方向に移動させる磁場を印加することができる。
Further, the optical
このほか、光導波路型測定システム30は、光導波路3を支持する基板1と、光導波路3内に設けられたグレーティング2a、2b(入射側グレーティング2aおよび出射側グレーティング2b)と、光導波路3の表面を保護する保護膜4と、光導波路3上に設けられた枠5と、を備える。グレーティング2a、2bは、基板1よりも高い屈折率を有する材料で形成される。平面を有する光導波路3は、グレーティング2a、2bを含む基板1主面に形成されている。保護膜4は、光導波路3上に被覆されている。保護膜4は、例えば、低屈折率を有する樹脂膜である。保護膜4には、グレーティング2a、2b間に位置する光導波路3の表面の一部が露出する開口部が設けられている。開口部は、例えば、矩形状とすることができ、この開口部に露出する光導波路3の表面がセンシングエリア101となる。光導波路3と枠5とによって囲まれた空間に分散媒体25が充填されている。分散媒体25が充填された部分を反応空間102と称してもよい。
In addition, the optical
センシングエリア101では、第1物質6が光導波路3上に固定化されている。センシングエリア101は、保護膜4から表出されている。枠5は、センシングエリア101を囲むように保護膜4上に形成されている。また、光導波路型測定システム30のうち、光導波路3と、第1物質6と、第2物質13が固定化された複数の磁性微粒子9と、を含む構成を光導波路型センサチップ100とする。光導波路型センサチップ100は、光導波路型測定システム30から取りはずされ、持ち運びが自由である。さらに、光導波路型測定システム30は、光源7、受光素子8、および磁場印加部10のそれぞれを制御する制御部20を備える。
In the
光導波路3としては、例えば、平面光導波路を用いることができる。光導波路3の材料は、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、および無アルカリガラスのいずれかである。熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂とは、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、およびアクリル樹脂のいずれか1つである。詳細には、光導波路3の材料は、所定の光に対する透過性を有する材料であって、例えば、基板1より高い屈折率を有する材料であることが好ましい。
As the
また、検出面であるセンシングエリア101において、第1物質6の固定化は、例えば、センシングエリア101における光導波路3の表面との疎水性相互作用もしくは共有結合により行う。例えば、第1物質6は、センシングエリア101に、シランカップリング剤による疎水化処理により固定化されている。あるいは、センシングエリア101に官能基を形成し、適当なリンカー分子を作用させて化学結合によって固定化してもよい。第1物質6としては、例えば、検体溶液中の糖化ヘモグロビンが抗原の場合、その抗体(一次抗体)を用いることができる。
Further, in the
また、検体溶液中の糖化ヘモグロビンと特異的に反応する第2物質13は、磁性微粒子9の表面に、例えば、物理吸着、あるいはカルボキシル基やアミノ基等を介した化学結合により固定化されている。第2物質13が固定化された磁性微粒子9は、第1物質6が固定化されたセンシングエリア101に分散、保持されている。磁性微粒子9の分散、保持は、例えば、磁性微粒子9および水溶性物質を含むスラリをセンシングエリア101、または、センシングエリア101に対向する面(図示せず)に塗布、乾燥することにより形成される。あるいは、磁性微粒子9は液体に分散させて反応空間102とは別の空間あるいは容器等(図示せず)に保持してもよい。
The
光源7は、前述の光導波路型センサチップ100に光を照射する。光源7は、例えば、赤色レーザダイオードである。光源7から入射された光は、入射側グレーティング2aにより回折され、光導波路3内を伝播する。その後、出射側グレーティング2bにより回折されて出射される。出射側グレーティング2bから出射された光は、受光素子8により受光され、光強度が測定される。受光素子8は、例えば、フォトダイオードである。入射した光と出射された光との強度を比較し、光の吸収率を測定することで、磁性微粒子9の量を測定する。そして、測定された磁性微粒子9の量に基づいて検体溶液中の抗原濃度を求める。測定された磁性微粒子9の量に基づいて検体溶液中の抗原濃度を求めることに関する詳細は後述する。
The
磁場印加部10は、光導波路型センサチップ100に対して磁場を印加する。磁場印加部10は、磁場を生成し、生成した磁場を光導波路型センサチップ100に印加することで、磁場に応じて磁性微粒子9を移動させる。磁場印加部10は、磁性微粒子9からみて光導波路3が存在する方向とは反対の方向に配置される。第1実施形態においては、磁場印加部10は、図1における上方向に設置される。磁場印加部10は、例えば、磁石あるいは電磁石を有する。磁場強度を動的に調整するため、電磁石を用いて電流で調整する方法が望ましいが、フェライト磁石などを用いて、磁石そのものの強さや光導波路型センサチップ100からの距離によって磁場強度を調整してもよい。
The magnetic
例えば、フェライト磁石を光導波路型センサチップ100の上方に配置し、磁石と光導波路型センサチップ100との間にスペーサを介してその厚さを変えることによって磁場強度を調整することができる。また、リニアモータなどのアクチュエータを用いて、フェライト磁石と光導波路型センサチップ100との相対的な位置を変化させて磁場強度を調整することもできる。
For example, the magnetic field strength can be adjusted by disposing a ferrite magnet above the optical
電磁石を用いる場合には、コイルを磁性微粒子9からみて沈降方向(光導波路3の方向)とは反対側に配置し、そのコイルに電流を印加すればよく、電流値を変えることによって磁場強度を調整することができる。
In the case of using an electromagnet, the coil is disposed on the side opposite to the settling direction (the direction of the optical waveguide 3) when viewed from the magnetic
第1実施形態では、磁場印加部10により、磁性微粒子9に対して磁場を印加することで、抗原抗体反応に因らないでセンシングエリア101に吸着した磁性微粒子9を、センシングエリア101から引き剥がすことができる。これにより、抗原抗体反応により糖化ヘモグロビンを介してセンシングエリア101に結合した磁性微粒子9のみに起因する吸光度を測定することができ、測定誤差を低減することができる。
In the first embodiment, by applying a magnetic field to the magnetic
このとき、磁性微粒子9としては、磁場の印加を停止すると速やかに磁化を失う超常磁性を有するものを用いることが好ましい。これにより、磁場を印加した際に磁性微粒子9同士が磁化により凝集しても、磁場の印加を停止することで磁性微粒子9を再分散させることができる。例えば、検体溶液中に糖化ヘモグロビンが存在しない場合に磁場を印加しても、磁性微粒子9の凝集物が生成されてセンシングエリア101から剥がれにくくなる場合がある。この様な磁性微粒子9の凝集物は、測定誤差の要因となる。この場合、磁性微粒子9が超常磁性を有するようにすれば、磁性微粒子9の凝集を抑制することができるので、測定誤差の発生を抑制することができる。
At this time, it is preferable to use the magnetic
また、磁場の印加を停止した際の再分散性をさらに向上させるため、磁性微粒子9の表面に正または負の電荷を持たせてもよい。あるいは、磁性微粒子9の分散媒体に界面活性剤などの分散剤を添加してもよい。
Further, in order to further improve the redispersibility when the application of the magnetic field is stopped, the surface of the magnetic
さらに、第1実施形態では、自然沈降した磁性微粒子9を磁場印加部10により上方向に引き戻すことができる。磁性微粒子9の自然沈降と磁場印加部10による上方向への引き戻しを繰り返すことで、検体溶液と磁性微粒子9を攪拌することができる。これにより、検体溶液に含まれる抗原(糖化ヘモグロビン)を介した磁性微粒子9とセンシングエリア101との抗原抗体反応による結合が促進され、より短時間で高い検出感度を得ることができる。そのため、糖化ヘモグロビンが低濃度である場合に、検出感度を高めることができる。
Furthermore, in the first embodiment, the naturally settled magnetic
磁性微粒子9の表面に正または負の電荷を持たせたり、界面活性剤などの分散剤を添加したりすれば、磁場の印加を停止した際に磁性微粒子9が再分散し易くなり、攪拌がさらに促進する。これにより、検出感度がさらに向上する。
If the surface of the magnetic
また、糖化ヘモグロビン中のヘモグロビン(Hb)は、赤血球の中にあり、例えば、肺の中で酸素と結合することが知られている。このうち、成人へモグロビンで知られるHbA(ヘモグロビンエー)は、2個のαサブユニットと、2個のβサブユニットと、から構成される四量体構造を有する。βサブユニットは、HbA特有のものである。αサブユニットは、141個のアミノ酸からなり、βサブユニットは146個のアミノ酸からなる。HbA(α2β2)の分子量は約64500である。 Further, hemoglobin (Hb) in glycated hemoglobin is present in erythrocytes and is known to bind to oxygen in the lung, for example. Among these, HbA (hemoglobin A) known as hemoglobin for adults has a tetrameric structure composed of two α subunits and two β subunits. The β subunit is unique to HbA. The α subunit is composed of 141 amino acids, and the β subunit is composed of 146 amino acids. The molecular weight of HbA (α2β2) is about 64500.
糖化ヘモグロビンとは、ヘモグロビンにGlc(グルコース)、Fru(フルクトース)、Suc(スクロース)、Mal(マルトース)等の糖が結合したものである。 Glycated hemoglobin is obtained by binding sugars such as Glc (glucose), Fru (fructose), Suc (sucrose), Mal (maltose) to hemoglobin.
また、HbA1(ヘモグロビンエーワン)は、HbAのβ鎖にGlc(グルコース)、リン酸化糖等が結合したものである。そして、HbA1のβ鎖N末端(Val(バリン))に、Glc(グルコース)が結合したものがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)である。 Moreover, HbA1 (hemoglobin A1) is obtained by binding Glc (glucose), phosphorylated sugar, etc. to the β chain of HbA. HbA1c (hemoglobin A1C) is obtained by binding Glc (glucose) to the β-chain N-terminus (Val (valine)) of HbA1.
図2は、HbA1cのイメージ図である。
図2に表されるように、HbA1cは、2個のαサブユニットと、2個のβサブユニットを有する。HbA1cにおいては、HbA1のβ鎖N末端に、Glc(グルコース)が結合している。
FIG. 2 is an image diagram of HbA1c.
As shown in FIG. 2, HbA1c has two α subunits and two β subunits. In HbA1c, Glc (glucose) is bound to the β chain N-terminus of HbA1.
HbA1cは血糖に相応して糖化され、赤血球の寿命まで蓄積される。そのため、HbA1cの値は、赤血球が作られた時から現在までの血糖値に比例し、過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する。 HbA1c is glycated according to blood glucose and accumulated until the life of red blood cells. Therefore, the value of HbA1c is proportional to the blood glucose level from the time when red blood cells are made to the present, and reflects the average blood glucose level in the past 1 to 2 months.
なお、第1物質6としては、HbA1cのβ鎖N末端の糖化ペプチドが抗原となるモノクローナル抗体が選択される。第2物質13としては、HbA1cのβ鎖N末端の糖化ペプチド以外のHbA1cが抗原となるモノクローナル抗体、もしくは、HbA1cのβ鎖N末端の糖化ペプチド以外のHbA1cのβサブユニットが抗原となるモノクローナル抗体が選択される。第1物質6と第2物質13との役割については後述する。
As the
糖化ペプチドは、フルクトシルペプチドであり、より具体的には、Fru(フルクトース)−Val(バリン)−His(ヒスチジン)−Leu(ロイシン)−Thr(スレオニン)−Pro(プロリン)−Glu(グルタミン酸)である。 The glycated peptide is a fructosyl peptide. More specifically, Fru (fructose) -Val (valine) -His (histidine) -Leu (leucine) -Thr (threonine) -Pro (proline) -Glu (glutamic acid) It is.
図3は、磁性微粒子の模式図であり、図3(a)は磁性微粒子の外観を例示するための模式図、図3(b)、(c)は磁性微粒子の断面を例示するための断面模式図である。 3A and 3B are schematic views of the magnetic fine particles. FIG. 3A is a schematic view for illustrating the appearance of the magnetic fine particles, and FIGS. 3B and 3C are cross sections for illustrating the cross section of the magnetic fine particles. It is a schematic diagram.
磁性微粒子9の具体的な構造を説明する前に、その概要について説明する。
磁性微粒子9は、センシングエリア101上に分散状態で保持されているか、別の空間または容器等(図示せず)に保持されている。ここで「センシングエリア上に磁性微粒子が分散状態で保持される」とは、磁性微粒子9がセンシングエリア101の上方に直接的または間接的に分散状態で保持されることを意味する。「磁性微粒子がセンシングエリア101上方に間接的に分散する」形態は、例えば、磁性微粒子9がセンシングエリア101の表面にブロッキング層を介して分散される形態が挙げられる。
Before describing the specific structure of the magnetic
The magnetic
ブロッキング層は、例えば、ポリビニルアルコール、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリエチレングリコール、リン脂質ポリマー、ゼラチン、カゼイン、糖類(例えば、スクロース、トレハロース)、合成ポリマーのような水溶性物質を含む。 The blocking layer includes a water-soluble substance such as polyvinyl alcohol, bovine serum albumin (BSA), polyethylene glycol, phospholipid polymer, gelatin, casein, saccharide (eg, sucrose, trehalose), and synthetic polymer.
別の例として、磁性微粒子9がセンシングエリア101の上方に空間を空けて配置される形態が挙げられる。例えば、センシングエリア101に対向する支持板(図示せず)が配置され、その支持板がセンシングエリア101と対向する面に、磁性微粒子9が分散状態で保持されていてもよい。
As another example, there is a form in which the magnetic
この場合には、磁性微粒子9は乾燥または半乾燥状態で保持されていることが望ましい。なお、検体溶液などの分散媒体と接した際に容易に再分散することが望ましいが、乾燥または半乾燥状態で保持されている形態が必ずしも完全な分散状態である必要はない。別の空間または容器等に保持される場合には、乾燥または半乾燥状態の他に分散媒体中で分散した状態、分散媒体中で沈降した状態などでも差し支えない。
In this case, it is desirable that the magnetic
磁性微粒子9の具体的な構造について説明する。
図3(a)に表されるように、磁性微粒子9の表面には、第2物質13が固定化されている。第2物質13は、例えば、検体溶液中の糖化ヘモグロビンが抗原の場合、抗体(二次抗体)を用いることができる。
A specific structure of the magnetic
As shown in FIG. 3A, the
この場合、図3(b)のように、磁性ナノ微粒子9aを高分子材料9bで覆った磁性微粒子9、図3(c)のように、コア9cと、コア9cを覆うシェル9dと、を有する磁性微粒子9とすることができる。
In this case, as shown in FIG. 3B, the magnetic
コア9cは、高分子材料から形成されるものとすることができる。シェル9dは、高分子材料から形成され、磁性ナノ微粒子9aを含むものとすることができる。
The core 9c can be formed from a polymer material. The
あるいは、磁性体からなる微粒子そのものでもよく、この場合には微粒子表面に測定対象認識物質を結合させる官能基を有するものが望ましい。磁性微粒子9に用いられる磁性体材料としては、例えば、γ−Fe2O3等の各種フェライト類などが挙げられる。この場合、磁場の印加を停止すると速やかに磁性を失う超常磁性を有する材料を用いることが好ましい。
Alternatively, it may be a fine particle itself made of a magnetic material, and in this case, it is desirable to have a functional group that binds the substance to be measured to the surface of the fine particle. Examples of the magnetic material used for the magnetic
一般に超常磁性は、数10nm(ナノメートル)以下のナノ微粒子で起こる現象である。一方で、光散乱を生じさせる微粒子の大きさは数100nm以上である必要がある。そのため、第1実施形態における磁性微粒子9としては、図3(b)または図3(c)に示したような、磁性ナノ微粒子9aを高分子材料9bなどでくるんだものが適している。
In general, superparamagnetism is a phenomenon that occurs in nanoparticles of several tens of nanometers (nanometers) or less. On the other hand, the size of the fine particles that cause light scattering needs to be several hundred nm or more. Therefore, as the magnetic
また、一般的に屈折率は、高分子材料では1.5〜1.6のものが多く、フェライト類では3.0程度である。また、磁性微粒子9が光導波路3の表面近傍にあるとき、屈折率が高いものほど光を散乱しやすくなる。そのため、磁性微粒子9の表面近傍に、屈折率の高い磁性ナノ微粒子9aが分布している方が、より高感度に検出できると考えられる。
In general, the refractive index is mostly 1.5 to 1.6 for polymer materials, and about 3.0 for ferrites. Further, when the magnetic
図3(b)のように、単に磁性ナノ微粒子9aを高分子材料9bで覆った磁性微粒子9は、磁性ナノ微粒子9aが微粒子全体に分布してしまう。そのため、検出感度の観点からは、図3(c)のように、コア−シェル型の磁性微粒子9とし、シェル9dに磁性ナノ微粒子9aを高密度に含ませた構造が適している。
As shown in FIG. 3B, in the magnetic
磁性微粒子9の粒径は、0.05μm(マイクロメートル)以上、200μm以下であることが望ましい。粒径が0.05μmより小さくなると、光の散乱効率が下がってしまう。また、粒径が200μmより大きくなると、第2物質13と糖化ヘモグロビンとの反応効率が下がったり、磁力を印加しても磁性微粒子9自体の自重によって十分に磁性微粒子9が移動しなかったりする場合がある。さらに光の散乱効率と反応性とを高めるには、望ましくは、磁性微粒子9の粒径を0.2μm以上、20μm以下にする。この範囲の粒径を用いることによって光の散乱効率および反応性が高まるので、光を用いて糖化ヘモグロビンを検出する光導波路型測定システム30においては検出感度が向上する。
The particle size of the magnetic
図4は、検体溶液中の糖化ヘモグロビンを測定する方法を示す工程図である。
ここでは、前述した光導波路型測定システム30を用いて糖化ヘモグロビンの量を測定する方法を、図4(a)〜図4(d)を参照して説明する。糖化ヘモグロビンとしては、HbA1cが選択される。図4(a)〜図4(d)では、反応空間102における状態が例示されている。
FIG. 4 is a process diagram showing a method for measuring glycated hemoglobin in a sample solution.
Here, a method of measuring the amount of glycated hemoglobin using the optical waveguide
検体溶液中の糖化ヘモグロビンを測定する手順としては、まず、分散媒体25を準備する。この分散媒体25には、第2物質13が固定化された複数の磁性微粒子9が分散され、さらに、糖化ヘモグロビンを混在されている。次に、分散媒体25を光導波路3上の第1物質9に接触させる。次に、光導波路3から出射される光の光強度を第1光強度として測定する。次に、分散媒体25に磁場を印加する。次に、磁場の印加後に、光導波路3から出射される光の光強度を第2光強度として測定する。そして、第1光強度と第2光強度との差分に基づいて糖化ヘモグロビンを定量する。
As a procedure for measuring glycated hemoglobin in the sample solution, first, the
具体的には、まず、図4(a)に表されるように、磁性微粒子9が分散、保持されている光導波路3上に、検体溶液を導入し、磁性微粒子9を再分散させる。磁性微粒子9が光導波路3上以外の空間や別容器等に保持されている場合には、検体溶液と磁性微粒子9との混合分散液を導入する。あるいは、まず磁性微粒子9の分散液の導入と、検体溶液の導入と、を別に行い、磁性微粒子9の分散液と検体溶液を別々に導入してもよい。導入の方法は、例えば、滴下や流入が考えられる。
Specifically, first, as shown in FIG. 4A, the sample solution is introduced onto the
すなわち、HbA1c(14)と、HbA1c(14)と特異的に結合する第2物質13が固定化され磁性を有する磁性微粒子9と、を含む分散媒体25をセンシングエリア101に設けられた第1物質6に接触させる。
That is, the first substance provided in the
次に、図4(b)に表されるように、磁性微粒子9が自重によってセンシングエリア101に向けて沈降していく。この際、センシングエリア101に固定化された第1物質6は、HbA1c(14)のβ鎖N末端と結合し、磁性微粒子9の表面に固定化された第2物質13は、例えば、HbA1cのβ鎖N末端の糖化ペプチド以外のHbA1cのβサブユニットに結合する。この状態が図4(c)に表されている。これにより、磁性微粒子9がHbA1c(14)を介してセンシングエリア101に結合される。なお、この段階では、HbA1c(14)を介さずにセンシングエリア101に吸着している磁性微粒子9も存在している。
Next, as shown in FIG. 4B, the magnetic
次に、図4(d)に示すように、磁性微粒子9からみて沈降方向とは異なる方向(例えば上方向)から磁場を印加することによって、HbA1c(14)を介さずにセンシングエリア101に吸着している磁性微粒子9を沈降方向とは異なる方向(例えば上方向)に移動させ、センシングエリア101から除去する。すなわち、HbA1c(14)を介してセンシングエリア101に結合している磁性微粒子9をセンシングエリア101に残存させる。
Next, as shown in FIG. 4D, by applying a magnetic field from a direction different from the sedimentation direction (for example, upward) as seen from the magnetic
例えば、磁場強度を適切な値に調整することで、抗原抗体反応によりHbA1c(14)を介してセンシングエリア101に結合された磁性微粒子9は第1物質6から引き剥がさず、HbA1c(14)を介さずにセンシングエリア101に吸着した磁性微粒子9をセンシングエリア101から除去することができる。
For example, by adjusting the magnetic field strength to an appropriate value, the magnetic
第1実施形態において、適切な磁場強度を、以下のように求めることが考えられる。エバネッセント光などの近接場光により検出できる磁性微粒子9の状態は、センシングエリア101との相互作用の強さの違いによって次の状態A〜状態Cに分類することができる。
In the first embodiment, it is conceivable to obtain an appropriate magnetic field strength as follows. The states of the magnetic
相互作用が強い順番に記載すると、状態Aは抗原抗体結合など、HbA1c(14)と、それと特異的に結合する分子との結合によってセンシングエリア101と結合した磁性微粒子9の状態、状態Bは分子間力や疎水性相互作用などによって、非特異的にセンシングエリア101に吸着した磁性微粒子9の状態、状態Cはセンシングエリア101近傍で浮遊している磁性微粒子9の状態、である。状態Aの磁性微粒子9は、HbA1c(14)の濃度検出に寄与すべき磁性微粒子9であり、状態Bまたは状態Cの磁性微粒子9は、測定の誤差要因(ノイズ)となりうる磁性微粒子9である。なお、状態Aにある磁性微粒子9をセンシングエリア101に結合した磁性微粒子9と適宜称することにする。
また、状態Bにある磁性微粒子9をセンシングエリア101に吸着した磁性微粒子9と適宜称することにする。
Stated in the order of strong interaction, state A is a state of magnetic
Further, the magnetic
ここで、近接場光で検出されうる光導波路3の「表面近傍」とは、例えば全反射で光が伝播する際に伝播体表面に染み出すエバネッセント光の場合、染み出し距離dは下記の式(1)によって求められる。式(1)より染み出し距離dは、概ね測定に用いる光の波長の数分の1程度であることがわかる。
d=λ/{2π(n1×sin2θ−n2 2)1/2} ・・・(1)
ここで、dはエバネッセント光の染み出し距離、λは測定に用いる光の波長、n1は光導波路3の屈折率、n2は磁性微粒子9が分散される分散媒体25の屈折率、θは全反射角である。
Here, “the vicinity of the surface” of the
d = λ / {2π (n 1 × sin 2 θ−n 2 2 ) 1/2 } (1)
Here, d is the evanescent light penetration distance, λ is the wavelength of light used for measurement, n 1 is the refractive index of the
そのため、磁場印加部10は、磁性微粒子9がセンシングエリア101から以下の式(2)を満足する距離Lだけ離れるような磁場強度を有する磁場を印加する。
L>λ/{2π(n1×sin2θ−n2 2)1/2} ・・・(2)
ここで、Lは磁性微粒子9がセンシングエリア101から離れる距離、λは測定に用いる光の波長、n1は光導波路3の屈折率、n2は磁性微粒子9が分散される分散媒体25の屈折率、θは全反射角である。
Therefore, the magnetic
L> λ / {2π (n 1 × sin 2 θ−n 2 2 ) 1/2 } (2)
Here, L is the distance that the magnetic
例えば、λ=635nm、n1=1.58、n2=1.33(分散媒体25が水の場合)、θ=78°とすると、L>130nmとなる。従って、磁場を印加して状態Bや状態Cの磁性微粒子9を、センシングエリア101から僅かに数100nm程度遠ざけるだけで、測定誤差を充分に低減させることが可能となる。従って、検出感度の誤差とならない距離まで状態Bや状態Cの磁性微粒子9をセンシングエリア101から遠ざけるために要する時間はわずかな時間ですむ。
For example, when λ = 635 nm, n 1 = 1.58, n 2 = 1.33 (when the
また、時間が許容範囲内であれば、多少の時間を要しても、より弱い磁場強度で状態Bや状態Cの磁性微粒子9を測定誤差の要因とならない距離にまで移動させることが可能となる。これにより、状態Aの測定に必要とされる磁性微粒子9が余分に引き剥がされる可能性を低減できる。つまり、測定に寄与すべき状態Aの磁性微粒子9をセンシングエリア101から引き剥がすことなく、測定のノイズとなりうる状態Bや状態Cの磁性微粒子9をセンシングエリア101から測定に影響を与えない距離にまで引き剥がすことができるので、S/N比を改善することができる。
Further, if the time is within an allowable range, the magnetic
このように、適切な磁場強度とは、測定に寄与すべき状態Aの磁性微粒子9をセンシングエリア101から引き剥がすことなく、測定のノイズとなりうる状態Bや状態Cの磁性微粒子9をセンシングエリア101から測定に影響を与えない距離にまで引き剥がすのに適切な磁場強度である。
As described above, the appropriate magnetic field strength means that the magnetic
前述したように、電磁石を用いて電流で磁場強度を最適に調整する方法が望ましいが、フェライト磁石などを用いて、磁石そのものの強さや、光導波路型センサチップ100と磁石との相対的な位置を変化させて磁場強度を調整してもよい。電磁石を用いる場合には、コイルを磁性微粒子9からみて沈降方向(光導波路3の方向)とは反対側に配置し、そのコイルに電流を印加すればよく、電流値を変えることによって磁場強度を調整することができる。
As described above, a method of optimally adjusting the magnetic field intensity with an electric current using an electromagnet is desirable. However, using a ferrite magnet or the like, the strength of the magnet itself, or the relative position between the optical
また、磁場強度を最適に調整するために、第1実施形態の光導波路型測定システム30は、磁場印加部10にて印加される磁場の磁場強度を制御する制御部20をさらに備えていてもよい。この制御部20により、前述のような制御を行うことで、磁場強度が適切な強度となるように調整することができる。例えば、測定に寄与すべき状態Aの磁性微粒子9をセンシングエリア101から引き剥がすことなく、測定のノイズとなりうる状態Bや状態Cの磁性微粒子9をセンシングエリア101から測定に影響を与えない距離にまで引き剥がすことができる磁場強度となるように調整することができる。
Further, in order to optimally adjust the magnetic field strength, the optical waveguide
また、磁場強度を随時調整する場合には、制御部20で調整することにより、動的に制御することができる。例えば、磁場印加部10にて磁場を印加するタイミングおよび時間の長さの少なくともいずれかを制御する制御部20とすることもできる。
Further, when the magnetic field intensity is adjusted as needed, it can be dynamically controlled by adjusting the
そして、受光素子8における検出信号強度比の差分を計測することで、検体溶液中のHbA1c(14)の量(すなわち、抗原濃度)を測定できる。具体的には、図1において、光源7からレーザ光を入射側グレーティング2aから光導波路3に入射させ、その光導波路3を伝播させて表面(センシングエリア101での露出表面)付近にエバネッセント光などの近接場光を発生させる。この状態で検体溶液と磁性微粒子9との混合分散液をセンシングエリア101上に導入すると、磁性微粒子9は、その直後(図4(a))から沈降してセンシングエリア101近傍、例えば、エバネッセント光領域に達する(図4(b))。磁性微粒子9がエバネッセント光の吸収や散乱に関与するため、反射光の強度が減衰する。
Then, by measuring the difference in the detection signal intensity ratio in the
その結果、出射側グレーティング2bから出射されるレーザ光を受光素子8で受光すると、出射されるレーザ光の強度は、結合された磁性微粒子9の影響によって時間の経過に伴って低下する。その後、磁場印加部10により上部磁場を印加すると、状態Bや状態Cとなっている磁性微粒子9がエバネッセント光領域外に移動する(図4(d))ので、受光強度が所定の値まで回復する。この時の受光強度を図4(a)の状態、すなわち混合分散液導入直後における受光強度と比較し、例えば低下率として数値化することができる。
As a result, when the laser beam emitted from the emission side grating 2 b is received by the
また、検体溶液などを光導波路型センサチップ100に導入した後であって磁場の印加前に、光導波路型センサチップ100から出射される光の光強度(第1の光強度の一例に相当する)を測定する。また、磁場の印加後に、光導波路型センサチップ100から出射される光の光強度(第2の光強度の一例に相当する)を測定する。そして、これらの光強度の差分に基づいてHbA1c(14)を定量することができる。
In addition, the light intensity of light emitted from the optical waveguide sensor chip 100 (corresponding to an example of the first light intensity) after the sample solution or the like is introduced into the optical
受光素子8で受光したレーザ光の強度の低下率は、センシングエリア101に対して主に抗原抗体反応等によって結合した磁性微粒子9の量に依存する。つまり、該低下率は、抗原抗体反応に関与する検体溶液中の抗原濃度に比例する。したがって、抗原濃度が既知の検体溶液において時間の経過に伴うレーザ光の強度の変動曲線を求め、この変動曲線の上部磁場の印加後の所定の時間でのレーザ光の強度の低下率を求め、抗原濃度とレーザ光の強度の低下率との関係を示す検量線を予め作成する。次に、抗原濃度が未知の検体溶液において前記方法で測定した時間とレーザ光の強度の変動曲線から所定の時間でのレーザ光の強度の低下率を求め、このレーザ光の強度の低下率を前記検量線と照合させることにより、検体溶液中の抗原濃度を測定できる。
The rate of decrease in the intensity of the laser beam received by the
次に、実験により第1実施形態の測定を実施したより具体的な例を説明する。以下の具体的数値や材料は一例であり、これらの数値や材料に限定されるものではない。 Next, a more specific example in which the measurement of the first embodiment is performed by experiment will be described. The following specific numerical values and materials are examples, and are not limited to these numerical values and materials.
実験においては、ガラス等の透光性を有する基板1に、屈折率が2.2〜2.4である酸化チタン膜をスパッタリング法により50nmの厚さに成膜し、リソグラフィー法とドライエッチング法によりグレーティング2a、2bを形成した。グレーティング2a、2bが形成された基板1に、膜厚が約10μmの紫外線硬化性アクリル樹脂膜をスピンコート法と紫外線照射により形成し、光導波路3とした。硬化後の屈折率は1.58である。
In the experiment, a titanium oxide film having a refractive index of 2.2 to 2.4 is formed on a light-transmitting
低屈折率樹脂膜である保護膜4は、光導波路3の表面に、グレーティング2a、2bの上方に相当する領域を含み、センシングエリア101である抗体固定化領域を囲むように、スクリーン印刷法を用いて形成した。保護膜4の乾燥後の屈折率は1.34である。検体溶液等を保持するための液溜を形成するため、樹脂製の枠5を両面テープで固定化した。グレーティングの間の保護膜を形成しない領域の表面に、HbA1c(14)に対する第1物質6を共有結合法によって固定化した。
The
第1実施形態では、磁性微粒子9は、シェル9dに磁性ナノ微粒子9aを高密度に含むコア−シェル型とした。磁性微粒子9の平均粒径は、1.1μmとした。この様な磁性微粒子9を含む分散液を別途調製した。
In the first embodiment, the magnetic
次いで、入射側のグレーティング2aから、発光ダイオード7による中心波長635nmの光を入射し、出射側のグレーティング2bから出射された光の光強度をフォトダイオード8で測定しつつ、検体溶液と、磁性微粒子9の分散液とを混合後、センシングエリア101(枠5の内部)に導入した。その後、前述した測定手順に従って測定を実施した。
Next, light having a central wavelength of 635 nm from the
なお、第1実施形態では、フェライト磁石を光導波路型センサチップ100の上方に配置し、フェライト磁石と光導波路型センサチップ100との間にスペーサを設け、スペーサの厚みを変えることによって磁場強度を変化させた。
In the first embodiment, a ferrite magnet is disposed above the optical
この段階におけるフォトダイオード検出信号強度を混合溶液導入直後の強度(初期強度)と比較し、その差分を計測する。この差分に示される信号強度の減衰量がHbA1c(14)を介して光導波路3の表面に結合した磁性微粒子9の数に対応する。従って、測定対象であるHbA1c(14)の濃度を算出することができる。
The photodiode detection signal intensity at this stage is compared with the intensity immediately after the introduction of the mixed solution (initial intensity), and the difference is measured. The attenuation amount of the signal intensity indicated by this difference corresponds to the number of magnetic
このように、HbA1cと特異的に反応する第1物質6を固定化した光導波路3と、第2物質13が固定された磁性微粒子9を用い、非特異吸着した磁性微粒子9のノイズ粒子を磁場印加により除去する方法で、Binding−Free分離(B/F分離)が不要でありながら、極低濃度のHbA1cを高感度に測定できるようになる。
In this way, using the
ところで、測定対象物質に対する抗体を用いたり、測定対象物質が抗体である場合にはその抗体に対する抗原あるいは抗体を用いたりして測定対象物質の濃度を測定する方法として、各種のイムノアッセイ法がある。 There are various immunoassay methods for measuring the concentration of a substance to be measured by using an antibody against the substance to be measured, or when the substance to be measured is an antibody, using an antigen or an antibody against the antibody.
例えば、酵素免疫測定法(EIAまたはELISA)においては、測定対象とする検体中の測定対象物質に対応する一次抗体をウエル状の基材表面に固定化し、そのウエル内に所定量の検体溶液を加えて一次反応を行う。その後、色素の発色反応を触媒する酵素が標識された二次抗体の用液を加えて二次反応を行い、余剰の二次抗体を洗浄によって除去したうえで、発色試薬を加えて吸光度を測定している。しかし、これらの手順は複雑である。 For example, in enzyme immunoassay (EIA or ELISA), a primary antibody corresponding to a substance to be measured in a sample to be measured is immobilized on the surface of a well-shaped substrate, and a predetermined amount of sample solution is placed in the well. In addition, a primary reaction is performed. After that, add the secondary antibody solution labeled with the enzyme that catalyzes the color development reaction of the dye, perform the secondary reaction, remove the excess secondary antibody by washing, add the color reagent and measure the absorbance. doing. However, these procedures are complicated.
また、より高感度なイムノアッセイ法として、二次反応に化学発光反応を触媒する酵素で標識された二次抗体を用いて、化学発光による発光量を検出する方法、すなわちCLEIA法がある。さらに、検体液を滴下するだけで測定対象物質の有無を判定することが可能なイムノクロマト法がある。 As a more sensitive immunoassay method, there is a method of detecting the amount of luminescence by chemiluminescence using a secondary antibody labeled with an enzyme that catalyzes a chemiluminescent reaction in the secondary reaction, that is, the CLEIA method. Furthermore, there is an immunochromatography method that can determine the presence or absence of a substance to be measured simply by dropping a sample liquid.
しかし、これらのイムノアッセイ法では、被検物質と結合していない二次抗体がバックグラウンドやノイズ成分になる。このため、イムノアッセイ法では、共通して余剰の二次抗体を洗浄によって充分に除去する工程(Binding−Free分離(B/F分離)工程)が必要になる。その結果、作業時間が長くなってしまう。また、これらの工程を自動化すると、装置の高コスト化、大型化をもたらす。一方、簡便なイムノクロマト法では、一般的に定量性が低く、特に低濃度領域での判定が測定者によってばらつくことや、測定結果をデジタル数値として管理することができない等の問題がある。 However, in these immunoassay methods, a secondary antibody that is not bound to a test substance becomes a background or noise component. For this reason, the immunoassay method commonly requires a step (Binding-Free separation (B / F separation) step) of sufficiently removing excess secondary antibodies by washing. As a result, the work time becomes long. In addition, automating these processes will increase the cost and size of the apparatus. On the other hand, the simple immunochromatography method generally has low quantification, and there are problems that the determination in the low concentration region varies depending on the measurer and the measurement result cannot be managed as a digital numerical value.
この問題を解決するため、光導波路のエバネッセント波によって表面に結合した微粒子を検出する方法が着手されている。この方法では、B/F分離工程を必要としない。しかし、従前の方法では、抗原抗体反応等によって微粒子が光導波路表面に結合する過程で、微粒子の沈降やブラウン運動による拡散によって、いわば成行きに任せて結合を進めているのが実情である。 In order to solve this problem, a method for detecting fine particles bonded to the surface by an evanescent wave of an optical waveguide has been started. This method does not require a B / F separation step. However, in the conventional method, in the process in which the fine particles are bound to the surface of the optical waveguide by an antigen-antibody reaction or the like, the actual state is that the binding is advanced by the so-called “deposition” or diffusion due to Brownian motion.
このため、所定の測定時間内に微粒子の表面への結合に寄与する抗原は、システム内の全抗原のうち、ごく一部と推定される。加えて、検体の液性が変動するとそれによって拡散速度や分散状態等が変動し、また、それによって測定誤差が生ずる。さらに、微粒子が非特異的に光導波路表面に物理吸着する現象を完全に抑制することは困難であり、これがノイズ成分となり得る。 For this reason, the antigen that contributes to the binding of the microparticles to the surface within a predetermined measurement time is estimated to be a very small part of the total antigen in the system. In addition, when the liquid property of the specimen fluctuates, the diffusion rate, dispersion state, and the like fluctuate accordingly, and measurement errors are caused thereby. Furthermore, it is difficult to completely suppress the phenomenon in which fine particles are physically adsorbed nonspecifically on the surface of the optical waveguide, and this can be a noise component.
また、エバネッセント波を利用する別の方法では、測定対象物質と、測定対象物質と特異的に結合する反応部と局在化誘導部とを併せ持つ第1反応体と、測定対象物質と特異的に結合する反応部と光作用成分とを併せ持つ第2反応体と、を反応させる。そして、この反応で得られる第1反応体−測定対象物質−第2反応体結合物を局在化手段によって近接場光領域に局在化させ、その前後で得られるシグナルの差異によって測定対象物質を定量する。 In another method using an evanescent wave, a measurement target substance, a first reactant having both a reaction part and a localization induction part that specifically bind to the measurement target substance, and a measurement target substance are specifically specified. A second reactant having both a reaction part to be bonded and a photoactive component is reacted. Then, the first reactant-measurement target substance-second reactant combination obtained by this reaction is localized in the near-field light region by the localization means, and the measurement target substance is determined by the difference in signal obtained before and after that. Quantify.
しかし、第1反応体が磁性体微粒子の場合には、抗原や第2反応体と結合していないフリーの第1反応体も同時に近接場光領域に局在化する。また、フリーの第2反応体は検出工程の全てにわたって近接場光領域に存在する。これらのフリーの各反応体の近接場光領域における分布が生体試料の液性等によって変動すると、この変動がノイズ成分となり得る。それに加え、各反応体および結合物が近接場光を発生する検出手段の表面に非特異的に物理吸着することによるノイズ成分に対しては積極的な対策が施されていない。 However, when the first reactant is a magnetic fine particle, the free first reactant not bound to the antigen or the second reactant is also localized in the near-field light region at the same time. In addition, the free second reactant is present in the near-field light region throughout the detection process. When the distribution of these free reactants in the near-field light region varies depending on the liquidity of the biological sample, this variation can be a noise component. In addition, no positive countermeasure is taken against noise components caused by non-specific physical adsorption of each reactant and bound substance on the surface of the detection means that generates near-field light.
また、ラム波モード音響デバイスを利用する免疫センサ法がある。このセンサ法では、検出のための標識物質であるラテックスなどを反応系に導入すると、それによって粘性が変化して位相差変化を引き起こしたり、センサ部に吸着せずに浮遊しているラテックスがノイズ原因になったりする。 There is also an immunosensor method using a Lamb wave mode acoustic device. In this sensor method, when latex or the like, which is a labeling substance for detection, is introduced into the reaction system, the viscosity changes thereby causing a phase difference change, or the latex floating without adsorbing to the sensor section is noisy. It can be a cause.
これを解決するために、標識物質として磁性微小粒子を用いて、反応後に磁場をかけてセンサ部近傍に浮遊する標識物質を遠ざけて、音響デバイス周辺の環境を標識物質投入前と同じになるようにする。 To solve this problem, use magnetic microparticles as a labeling substance, apply a magnetic field after the reaction to keep the labeling substance floating near the sensor unit away, and make the environment around the acoustic device the same as before the labeling substance was charged. To.
しかしながら、液体と接触した音響デバイスにおいて、センサ表面の振動と連動する液体中の深さは、次式(3)から求められるように数μm〜数10μmであると考えられる。すなわち、センサ表面と水動力学的に連動する層の厚みdは、
d=(2η/ωρ)1/2 ・・・(3)
(η:液体の粘度、ω:角周波数、ρ:液体の密度)
で表される。ここで、周波数をFとしたとき、ω=2πFである。Fを5MHzとすると、水の粘度がおよそ1cpで、その密度が1g/cm3(=103kg/m3)であるので、dはおよそ8μmになる。
However, in the acoustic device in contact with the liquid, the depth in the liquid that is interlocked with the vibration of the sensor surface is considered to be several μm to several tens of μm as determined from the following equation (3). That is, the thickness d of the layer hydrodynamically interlocking with the sensor surface is
d = (2η / ωρ) 1/2 (3)
(Η: viscosity of liquid, ω: angular frequency, ρ: density of liquid)
It is represented by Here, when the frequency is F, ω = 2πF. If F is 5 MHz, the viscosity of water is about 1 cp and the density is 1 g / cm 3 (= 103 kg / m 3 ), so d is about 8 μm.
従って、反応後に磁場をかけて音響デバイス周辺の環境を標識物質投入前と同じになるようにするためには、センサ部近傍に浮遊する標識物質を約10μm以上遠ざける必要がある。測定時間を短くするためには、より強い磁力を印加する必要があるが、強すぎると抗原抗体結合までも切り離されてしまうため、感度が低下してしまう。 Therefore, in order to apply a magnetic field after the reaction so that the environment around the acoustic device becomes the same as before the labeling substance is charged, it is necessary to keep the labeling substance floating in the vicinity of the sensor unit about 10 μm or more away. In order to shorten the measurement time, it is necessary to apply a stronger magnetic force. However, if it is too strong, the antigen-antibody binding is also separated, and the sensitivity is lowered.
これに対し、第1実施形態では、磁性微粒子9に対して沈降方向とは異なる方向に磁場を印加することで、抗原抗体反応などによらずにセンシングエリア101に吸着し、ノイズとなりうる磁性微粒子9を、センシングエリア101から引き剥がしている。これにより、抗原抗体反応などにより、例えば、HbA1c等の糖化ヘモグロビンを介してセンシングエリア101に結合した磁性微粒子9に起因する吸光度を測定することができるので、測定誤差を低減することができる。
On the other hand, in the first embodiment, by applying a magnetic field to the magnetic
また、磁場印加によりノイズとなりうる磁性微粒子9を除去することが可能なので、このような磁性微粒子9を洗浄により除去する作業が不要となる。
In addition, since the magnetic
第1実施形態によれば、光導波路型センサチップ100を用い、エバネッセント光などの近接場光によって測定するので、センシングエリア101から測定に影響を与えない範囲にまで磁性微粒子9を引き剥がす距離が短くてすむ。これにより、上部磁場の印加によりセンシングエリア101から磁性微粒子9を引き剥がすための所要時間が短くてすむ。あるいは、より弱い磁場により、センシングエリア101から測定に影響を与えない範囲にまで磁性微粒子9を引き剥がすことが可能となる。
According to the first embodiment, since the optical
また、第1実施形態によれば、磁場強度を制御することが可能なので、測定に寄与すべき磁性微粒子9をセンシングエリア101から引き剥がすことなく、測定のノイズとなりうる磁性微粒子9をセンシングエリア101から測定に影響を与えない距離にまで引き剥がすことができる。これにより、S/N比を改善することが可能となる。
In addition, according to the first embodiment, since the magnetic field strength can be controlled, the magnetic
また、第1実施形態によれば、制御部20により動的に磁場強度を制御することで、測定精度を高く保つことができる。
In addition, according to the first embodiment, the control accuracy can be kept high by dynamically controlling the magnetic field intensity by the
また、磁性微粒子9として、磁場の印加を停止すると速やかに磁化を失う超常磁性を有するものを用いるようにすれば、磁場の印加を停止した際に磁性微粒子9が容易に再分散する。そのため、検体溶液中に糖化ヘモグロビンが存在しない場合においても磁性微粒子9の凝集体が生成されることが抑制されるので、測定誤差の発生を抑制することができる。
In addition, if the magnetic
さらに、磁性微粒子9として、シェル9dに磁性ナノ微粒子9aを含むコア−シェル型を用いることで、エバネッセント光の散乱強度を高くすることができる。その結果、高感度な検出を行うことができる。
Furthermore, the scattering intensity of the evanescent light can be increased by using a core-shell type in which the
さらに、磁性微粒子9の表面に正または負の電荷を持たせたり、界面活性剤などの分散剤を添加したりすることにより、磁場の印加を停止した際に磁性微粒子9が再分散され易くし、測定誤差を低減させることも可能である。
Furthermore, by adding a positive or negative charge to the surface of the magnetic
また、第1実施形態によれば、自然沈降した磁性微粒子9を、沈降方向とは異なる方向において磁場を印加することにより引き戻すことができる。磁性微粒子9の自然沈降と磁場印加部10による上方向への引き戻しを繰り返すことで、検体溶液と磁性微粒子9とが攪拌されるため、検体溶液に含まれる糖化ヘモグロビン(例えば、抗原)と磁性微粒子9との抗原抗体反応が促進され、より短時間で高い検出感度を得ることができる。そのため、糖化ヘモグロビンが低濃度である場合に、検出感度を高めることができる。
Further, according to the first embodiment, the naturally settled magnetic
このときさらに、磁性微粒子9の表面に正または負の電荷を持たせたり、界面活性剤などの分散剤を添加したりすることにより、磁場の印加を停止した際に磁性微粒子9が再分散され易くし、攪拌を促進し、検出感度を向上させることができる。
At this time, by adding a positive or negative charge to the surface of the magnetic
また、第1実施形態によれば、光導波路型センサチップ100を用い、エバネッセント光などの近接場光によって糖化ヘモグロビンの量や濃度などを測定する。この場合、0.05μm以上、200μm以下、好ましくは0.2μm以上、20μm以下の粒径の磁性微粒子9を用いるようにすれば、光の散乱効率を高めることができるので、糖化ヘモグロビンの検出感度を向上させることができる。
In addition, according to the first embodiment, the optical
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る光導波路型測定システムの断面模式図である。
(Second Embodiment)
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view of an optical waveguide measurement system according to the second embodiment.
第2実施形態に係る光導波路型測定システム31は、第1実施形態の光導波路型測定システム30に、磁場印加部11(第2磁場印加部)をさらに加えたものである。磁場印加部11は、光導波路3の下方に設けられている。これ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
An optical
磁場印加部11は、光導波路型センサチップ100に対して、磁性微粒子9からみて光導波路3の方向において磁場を印加する。磁場印加部11は、複数の磁性微粒子9の少なくとも1つを光導波路3に近づける方向に移動させる磁場を印加することができる。
The magnetic
磁場印加部11は、磁性微粒子9からみて光導波路3が存在する方向に設けられる。第2実施形態においては、磁場印加部11は、センサチップ100の下方に設けられる。
The magnetic
磁場印加部11は、磁場印加部10と同様に、磁石あるいは電磁石を有する。磁場強度を動的に調整するため、電磁石を用いて電流で調整する方法が望ましいが、フェライト磁石などを用いて、磁石そのものの強さや光導波路センサチップ100と磁石との相対的な位置を変化させて磁場強度を調整してもよい。例えば、フェライト磁石を光導波路センサチップ100の下方に配置し、磁石と光導波路センサチップ100との間にスペーサを介してその厚さを変えることによって磁場強度を調整することができる。電磁石を用いる場合には、コイルを磁性微粒子からみて光導波路3の方向に配置し、そのコイルに電流を印加すればよく、電流値を変えることによって磁場強度を調整することができる。
Similar to the magnetic
ここで、第2実施形態の光導波路型測定システム31は、制御部20を備える。制御部20は、磁場印加部10および磁場印加部11の少なくともいずれかよりセンシングエリア101に印加する磁場の強度を制御する。この場合、例えば、図5に示すように、磁場印加部10および磁場印加部11に対して共通の制御部20と、切り替えスイッチ20sとを設けるようにすることができる。また、磁場印加部10および磁場印加部11に対してそれぞれ独立の制御部を設けるようにすることもできる。また、磁場印加部10および磁場印加部11に対して同時に磁場強度の制御を行う制御部を設けるようにすることもできる。また、制御部20は、磁場強度を随時制御することで、動的に適切な磁場強度となるようにしてもよい。
Here, the optical
また、制御部20は、磁場印加部10と磁場印加部11のそれぞれにおいて磁場を印加するタイミングを制御しても良い。これにより、磁場印加部10と磁場印加部11が所定の条件(例えば、所定の時刻あるいは所定の磁場を印加し続ける時間など)に従って、交互に磁場を印加することができる。
Further, the
図6は、第2実施形態に係る検体溶液中の糖化ヘモグロビンを測定する方法を示す工程図である。
図6(a)〜(c)では、センシングエリア101における状態が例示されている。図6(a)、(c)は、図4(a)、(d)に表される状態と同様なので説明を省略する。
FIG. 6 is a process diagram showing a method for measuring glycated hemoglobin in a sample solution according to the second embodiment.
6A to 6C illustrate states in the
また、受光素子8における検出信号強度比の差分を計測することで、検体溶液中の抗原濃度を測定することも第1実施形態の場合と同様のため説明を省略する。
Further, the measurement of the antigen concentration in the sample solution by measuring the difference in the detection signal intensity ratio in the
図6(b)の状態について説明する。
図6(b)において、磁場印加部11により磁性微粒子9からみて沈降方向(光導波路3の方向、例えば、図6における下方)において下部磁場印加を行う。これにより、磁性微粒子9がセンシングエリア101に引き寄せられる。この際、センシングエリア101に固定化された第1物質6(例えば、一次抗体)と、磁性微粒子9に固定化された第2物質13(例えば、二次抗体)とがHbA1c(14)を介して抗原抗体反応により結合する。これにより、磁性微粒子9がセンシングエリア101に結合される。
The state in FIG. 6B will be described.
6B, the magnetic
第2実施形態においては、図6(b)に示す下方向への磁場印加と、図6(c)に示す上方向への磁場印加を交互に繰り返しても良い。 In the second embodiment, the downward magnetic field application shown in FIG. 6B and the upward magnetic field application shown in FIG. 6C may be alternately repeated.
図6(b)に示す下方向への磁場印加により磁性微粒子9を光導波路3に引き寄せた際には、検体溶液中にはHbA1c(14)が第1物質6および第2物質13のいずれとも結合しない状態、あるいは磁性微粒子9の表面に固定化された第2物質13と結合しているがセンシングエリア101に固定化された第1物質6とは結合していない状態で残存している。また、センシングエリア101には非特異的に吸着した磁性微粒子9が存在する。
When the magnetic
そこで、図6(c)において、抗原抗体反応等によって結合した磁性微粒子9が剥がれない強度の磁場を印加し、抗原抗体反応等によって結合していない磁性微粒子9を光導波路3とは異なる方向に移動させる。
Therefore, in FIG. 6C, a magnetic field having a strength that does not peel off the magnetic
その後、再び、図6(b)に示すように、光導波路3の方向に磁場を印加して抗原抗体反応等によって結合していない磁性微粒子9を引き寄せる。すると、HbA1c(14)や、磁性微粒子9の表面に固定化された第2物質13に結合したHbA1c(14)がセンシングエリア101に固定化された第1物質6に新たに結合する。
Thereafter, again, as shown in FIG. 6B, a magnetic field is applied in the direction of the
これを繰返すことで、抗原抗体反応などによりセンシングエリア101に結合していない磁性微粒子9の数を減らし、抗原抗体反応などによりセンシングエリア101に結合する磁性微粒子9の数が増大する。その結果、S/N比がさらに向上する。
By repeating this, the number of magnetic
第2実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得る。さらに、第2実施形態では、初期沈降時に下部磁場印加と上部磁場印加を繰り返すことによって、磁性微粒子9への結合速度、反応効率、および再現性がより向上する。
Also in the second embodiment, the same effect as in the first embodiment is obtained. Furthermore, in the second embodiment, by repeating the lower magnetic field application and the upper magnetic field application during the initial sedimentation, the binding speed to the magnetic
例えば、第2実施形態によれば、磁場印加部11により、磁性微粒子9に対して磁場を印加することで、磁性微粒子9をセンシングエリア101に引き寄せることができる。これにより、磁性微粒子9がセンシングエリア101により結合し易くなるので、HbA1c(14)の検出感度がさらに向上する。
For example, according to the second embodiment, the magnetic
また、磁性微粒子9と検体溶液とを反応空間102に導入後、速やかにセンシングエリア101の方向に磁性微粒子9を引き寄せることによって、磁性微粒子9の自然沈降を待つ時間を短縮することができるので、短時間で測定をすることができる。また、磁性微粒子9同士の反応や凝集が進む前に磁性微粒子9とセンシングエリア101との結合を促進することができる。これにより、磁性微粒子9とセンシングエリア101との結合に対するHbA1c(14)の利用率をより高めることができるので、より高い検出感度が得られる。
In addition, since the magnetic
さらに、磁場印加部10および磁場印加部11の双方、あるいはいずれか片方により磁性微粒子9を移動させることで、検体溶液と磁性微粒子9を攪拌することができる。これにより、検体溶液に含まれるHbA1c(14)と磁性微粒子9との抗原抗体反応などが促進され、より短時間で高い検出感度の測定を行うことができる。また、磁場印加部10による上部磁場印加と、磁場印加部11による下部磁場印加を繰り返し磁性微粒子9を往復運動させることで、より攪拌することができる。
Furthermore, the specimen solution and the magnetic
これによって磁性微粒子9がHbA1c(14)を介してセンシングエリア101に結合する機会が増加するので、より短時間でHbA1c(14)を検出することができる。また、磁性微粒子9がセンシングエリア101に結合する確率を向上させ、HbA1c(14)の検出感度および測定精度を向上させることが可能となる。例えば、HbA1c(14)が低濃度である場合に有効である。
This increases the chance that the magnetic
第2実施形態においては、磁場を用いて磁性微粒子9を攪拌するので、人手による攪拌操作やポンプなどを有する攪拌機構が不要となり、操作が簡便で小型の測定システムを実現することができる。例えば、制御部20による磁場印加を自動化すれば、測定者が検体溶液をセンサチップ100に導入するという1操作のみで測定を行うことができる。
In the second embodiment, since the magnetic
さらに、磁性微粒子9として、磁場の印加を停止すると速やかに磁化を失う超常磁性を有するものを用いるようにすれば、磁場を印加した際に磁性微粒子9同士が磁化により凝集しても、磁場の印加を停止することで磁性微粒子9を再分散させることができる。仮に磁場の印加時に磁性微粒子9同士が凝集しても、センシングエリア101近傍に磁性微粒子9同士の凝集物が到達する前に磁場の印加を停止することにより、磁性微粒子9同士の凝集物を再分散させることができる。そのため、磁性微粒子9は分散状態でセンシングエリア101に到達することができる。従って、磁性微粒子9同士の凝集による測定ノイズの増大を防ぐことが可能となる。
Furthermore, if the magnetic
また、磁場の印加を停止した際の再分散性をさらに向上させるため、磁性微粒子9の表面に正または負の電荷を持たせてもよい。あるいは、磁性微粒子9の表面に分散媒として界面活性剤などの分散剤を添加してもよい。
Further, in order to further improve the redispersibility when the application of the magnetic field is stopped, the surface of the magnetic
また、第2実施形態によれば、制御部20により磁場印加部10と磁場印加部11の磁場強度を適切に制御することで、HbA1c(14)の検出感度および測定精度が向上する。
Moreover, according to 2nd Embodiment, the detection sensitivity and measurement precision of HbA1c (14) improve by controlling the magnetic field intensity of the magnetic
(第3実施形態)
第1および第2実施形態では、磁性微粒子からみて自然沈降方向に光導波路が配置された場合を説明したが、第3実施形態では、磁性微粒子からみて自然沈降方向とは反対方向に光導波路が存在する構成の場合を説明する。
(Third embodiment)
In the first and second embodiments, the case where the optical waveguide is disposed in the natural sedimentation direction as viewed from the magnetic fine particles has been described, but in the third embodiment, the optical waveguide is disposed in a direction opposite to the natural sedimentation direction as viewed from the magnetic fine particles. The case of an existing configuration will be described.
図7は第3実施形態に係る光導波路型測定システムの断面模式図である。
第3実施形態に係る光導波路型測定システム32は、第2実施形態の光導波路型測定システム31における枠5に替えて、液体が落下しない囲い状の形状を有するキャップ15を用い、第2実施形態の光導波路型測定システム31の全体を上下に反転させている。すなわち、第3実施形態においては、磁場印加部10が光導波路型センサチップ100の下方、磁場印加部11が光導波路型センサチップ100の上方に配置される。そのため、第3実施形態においては、磁場印加部10が下部磁場を印加し、磁場印加部11が上部磁場を印加することになる。磁場印加部10は必ずしも必要ではない。それ以外の構成は、第2実施形態と同様である。
FIG. 7 is a schematic cross-sectional view of an optical waveguide measurement system according to the third embodiment.
The optical waveguide
光導波路型測定システム32は、検体溶液と磁性微粒子9との混合分散液を保持するために、枠5の替わりに断面が例えば凹形状であるようなキャップ15を備える。キャップ15とセンシングエリア101とによって、液導入用の開口部や空気抜き穴(いずれも図示せず)を除いて半閉鎖空間となる反応空間102を形成している。
The optical
ここで、第3実施形態の光導波路型測定システム32は、制御部20を備える。制御部20は、磁場印加部10および磁場印加部11の少なくともいずれかによりセンシングエリア101に印加される磁場の強度を制御する。この場合、磁場印加部10および磁場印加部11に対してそれぞれ独立の制御部を設けてもよい。また、磁場印加部10および磁場印加部11に対して共通の制御部と、図示しない切り替えスイッチとを設けるようにすることもできる。また、磁場印加部10および磁場印加部11に対して同時に磁場強度の制御を行う制御部を設けるようにすることもできる。また、磁場強度を随時制御することで、動的に適切な磁場強度となるように制御してもよい。
Here, the optical
また、制御部20は、磁場印加部10と磁場印加部11のそれぞれにおける磁場を印加するタイミングを制御しても良い。これにより、磁場印加部10と磁場印加部11とが所定の条件(例えば、所定の時刻あるいは所定の磁場を印加し続ける時間など)に従って、交互に磁場を分散媒体25に印加することができる。
Further, the
図8は、第3実施形態に係る検体溶液中の糖化ヘモグロビンを測定する方法を示す工程図である。
図8(a)〜(c)では、反応空間102における状態が例示されている。
FIG. 8 is a process diagram showing a method for measuring glycated hemoglobin in a sample solution according to the third embodiment.
8A to 8C illustrate the state in the
受光素子8における検出信号強度比の差分を計測することで、検体溶液中のHbA1c(14)の量や濃度(例えば、抗原濃度など)を求めることは、第1実施形態の場合と同様のためその説明は省略する。
The amount and concentration (for example, antigen concentration) of HbA1c (14) in the sample solution by measuring the difference in the detection signal intensity ratio in the
まず、図8(a)に示すように、枠5とセンシングエリア101とで形成された反応空間102内に、検体溶液と磁性微粒子9との混合分散液を満たした状態を形成する。そのための方法は第1実施形態で説明した方法と同様である。また、検体溶液などの導入は液導入用の開口部(図示せず)を通じた流入による方法が望ましい。ここで、検体溶液中には、自重で沈降する夾雑物質17が含まれている場合がある。夾雑物質17としては、例えば血液における血球成分などが挙げられる。このような夾雑物質17がセンシングエリア101近傍に存在すると、それ自体が散乱体となって測定ノイズの要因となったり、磁性微粒子9がセンシングエリア101に結合する反応が妨げられたりすることによって、測定精度が低下するおそれがある。
First, as shown in FIG. 8A, the
次に、図8(b)に示すように、磁場印加部11により磁性微粒子9からみてセンシングエリア101の方向に磁場を印加する。これにより、磁性微粒子9がセンシングエリア101に引き寄せられる。この際、センシングエリア101に固定化された第1物質6(例えば、一次抗体)と、磁性微粒子9の表面に固定化された第2物質13(例えば、二次抗体)とがHbA1c(14)を介して抗原抗体反応により結合する。これにより、磁性微粒子9がセンシングエリア101に結合される。これと同時に、沈降性の夾雑物質17は、自重によって図8(b)の下方向(センシングエリア101とは反対方向)に移動する。
Next, as shown in FIG. 8B, the magnetic
次いで、図8(c)に示すように、磁場印加部10により図8(c)に示す下方向への磁場を印加する。すると、抗原抗体反応によらずHbA1c(14)を介さずにセンシングエリア101に吸着していた磁性微粒子9が沈降方向に移動し、センシングエリア101から除去される。ここで、磁場印加部10を持たない測定システムを用いて、単に図8(b)に示す上方向における磁場の印加を停止するだけでも、抗原抗体反応などによらずHbA1c(14)を介さずにセンシングエリア101に吸着した磁性微粒子9を自重によって下方向へ移動させることができる。
Next, as shown in FIG. 8C, the magnetic
しかしながら、この方法では、磁性微粒子9のセンシングエリア101への吸着力が自重に相当する下方向への力に勝る場合には、センシングエリア101に吸着している磁性微粒子9を除去することが困難となる。なお、図8(c)に示す工程においても、沈降性の夾雑物質17は、自重によって図8(c)の下方向(光導波路3とは反対方向)に移動を続ける。
However, with this method, it is difficult to remove the magnetic
第3実施形態においても、図8(b)に示す上方向における磁場印加と、図8(c)に示す下方向における磁場印加または磁性微粒子9の自重による沈降と、を交互に繰り返してもよい。
Also in the third embodiment, the magnetic field application in the upward direction shown in FIG. 8B and the magnetic field application in the downward direction shown in FIG. 8C or sedimentation by the weight of the magnetic
第3実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第3実施形態によれば、磁性微粒子9からみて上方にセンシングエリア101が位置し、磁場印加部11により、磁性微粒子9に対して磁場を印加している。そのため、磁性微粒子9をセンシングエリア101に引き寄せると同時に、沈降性の夾雑物質17を下方向へ沈降させることができる。これにより、夾雑物質17をセンシングエリア101近傍のエバネッセント光領域外に自然に移動させることができる。その結果、夾雑物質17を予め濾過等によって除去することなく、測定精度をより高めることができる。
Also in the third embodiment, the same effect as in the first and second embodiments can be obtained. Furthermore, according to the third embodiment, the
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態に係る光導波路型測定システムの模式図であり、図9(a)は平面模式図、図9(b)は図9(a)のA−B線に沿った位置での断面模式図である。
(Fourth embodiment)
FIG. 9 is a schematic diagram of an optical waveguide measurement system according to the fourth embodiment. FIG. 9A is a schematic plan view, and FIG. 9B is along the line AB in FIG. 9A. It is a cross-sectional schematic diagram in a position.
図9(a)でのC−D線に沿った位置での断面での断面は、上述した光導波路型測定システム30の断面に対応している。また、図9(a)では、上述した制御部20、磁場印加部10、光源7、および受光素子8が表示されていない。図9(a)では、光導波路型センサチップの平面が表されている。
The cross section at the position along the line CD in FIG. 9A corresponds to the cross section of the optical
第4実施形態に係る光導波路型測定システム300においては、上述した光導波路型測定システム30と、光導波路型測定システム30とは別の光導波路型測定システム35と、が平設されている。光導波路型測定システム35においては、総ヘモグロビンの濃度を測定することができる。すなわち、光導波路型測定システム300においては、1ラインにヘモグロビン抗体、もう1つのラインにはHbA1c抗体を配設することにより、1回の測定で総ヘモグロビンに対するHbA1cの割合を算出することができる。これは、HbA1cの濃度を総ヘモグロビン量に対する濃度(%)で表すことが必要なため、2つのチップのうち1個をヘモグロビン濃度の測定用とし、もう1個をHbA1c濃度の測定用としている。
In the optical waveguide
第4実施形態に係る光導波路型測定システム35は、光導波路3(第4実施形態では、第2光導波路)と、光導波路3上に固定化され、ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な第3物質60と、第4物質130と、複数の磁性微粒子9(第4実施形態では、第2磁性微粒子)と、液体(水、有機溶剤)等の分散媒体25(第4実施形態では、第2分散媒体)と、を備える。複数の磁性微粒子9のそれぞれには、第4物質130が固定化されている。第4物質130は、第3物質60がヘモグロビンと特異的に結合することが可能な箇所とは別の箇所でヘモグロビンと特異的に結合することができる。分散媒体25には、複数の磁性微粒子9が分散され、分散媒体25は、第3物質60に接している。
The optical waveguide
また、光導波路型測定システム30は、光導波路3の上方に設けられ、複数の磁性微粒子9の少なくとも1つを磁力によって分散媒体25中で移動させることが可能な磁場印加部10(第4実施形態では、第2磁場印加部)と、光導波路3に光を入射させることが可能な光源7(第4実施形態では、第2光源)と、光導波路3から出射される光を受光することが可能な受光素子8(第4実施形態では、第2受光素子)と、を備える。
Further, the optical waveguide
このほか、光導波路型測定システム35は、光導波路3を支持する基板1と、光導波路3内に設けられたグレーティング2a、2b(入射側グレーティング2aおよび出射側グレーティング2b)と、光導波路3の表面を保護する保護膜4と、光導波路3上に設けられた枠5と、を備える。グレーティング2a、2bは、基板1よりも高い屈折率を有する材料で形成される。平面を有する光導波路3は、グレーティング2a、2bを含む基板1主面に形成されている。保護膜4は、光導波路3上に被覆されている。保護膜4は、例えば、低屈折率を有する樹脂膜である。保護膜4には、グレーティング2a、2b間に位置する光導波路3の表面の一部が露出する開口部が設けられている。開口部は、例えば、矩形状とすることができ、この開口部に露出する光導波路3の表面がセンシングエリア201となる。光導波路3と枠5とによって囲まれた空間に分散媒体25が充填されている。分散媒体25が充填された部分を反応空間202と称してもよい。
In addition, the optical
また、センシングエリア201では、第3物質60が光導波路3上に固定化されている。センシングエリア201は、保護膜4から表出されている。枠5は、センシングエリア201を囲むように保護膜4上に形成されている。また、光導波路型測定システム35のうち、光導波路3と、第3物質60と、第4物質130が固定化された複数の磁性微粒子9と、を含む構成を光導波路型センサチップ200とする。光導波路型センサチップ100と光導波路型センサチップ200とをあわせた光導波路型センサチップは、持ち運びが自由である。さらに、光導波路型測定システム35においては、光源7、受光素子8、および磁場印加部10のそれぞれが制御部20によって制御されている。
In the
また、検出面であるセンシングエリア201において、第3物質60の固定化は、例えば、センシングエリア201における光導波路3の表面との疎水性相互作用もしくは共有結合により行う。例えば、第3物質60は、センシングエリア201に、シランカップリング剤による疎水化処理により固定化されている。あるいは、センシングエリア201に官能基を形成し、適当なリンカー分子を作用させて化学結合によって固定化してもよい。第3物質60としては、例えば、検体溶液中のヘモグロビンが抗原の場合、その抗体(一次抗体)を用いることができる。
Further, in the
また、検体溶液中のヘモグロビンと特異的に反応する第4物質130は、磁性微粒子9の表面に、例えば、物理吸着、あるいはカルボキシル基やアミノ基等を介した化学結合により固定化されている。第4物質130が固定化された磁性微粒子9は、第3物質60が固定化されたセンシングエリア201に分散、保持されている。磁性微粒子9の分散、保持は、例えば、磁性微粒子9および水溶性物質を含むスラリをセンシングエリア201、または、センシングエリア201に対向する面等(図示せず)に塗布、乾燥することにより形成される。あるいは、磁性微粒子9は液体に分散させて反応空間202とは別の空間あるいは容器等(図示せず)に保持してもよい。
The
第3物質60および第4物質130としては、総ヘモグロビンが共通してαサブユニットを有することから、第3物質60および第4物質130のそれぞれがヘモグロビンのαサブユニットが抗原となるモノクローナル抗体であることが望ましい。例えば、第3物質60としては、ヘモグロビンのαサブユニットが抗原となるモノクローナル抗体である。例えば、第4物質130としては、第3物質60が特異的に反応するヘモグロビンのαサブユニット以外のαサブユニットが抗原となるモノクローナル抗体である。すなわち第3物質60と第4物質130は、それぞれ異なるヘモグロビンのαサブユニットが抗原となる。
As the
なお、光導波路型測定システム35においては、磁場印加部10のほかに、上述した磁場印加部11を備えてもよい。さらに、光導波路型測定システム35においては、図7のごとく上下を反転させたシステムでもよい。また、光導波路型測定システム30に代えて、光導波路型測定システム31、32のいずれかを用いてもよい。
The optical
このような光導波路型測定システム300によれば、第1〜3実施形態と同様の効果が得られるほか、1回の測定で総ヘモグロビンに対するHbA1cの割合を迅速に算出することができる。
According to such an optical waveguide
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明した。しかし、実施形態はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、実施形態の特徴を備えている限り、実施形態の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。 The embodiment has been described above with reference to specific examples. However, the embodiments are not limited to these specific examples. In other words, those specific examples that have been appropriately modified by those skilled in the art are also included in the scope of the embodiments as long as they include the features of the embodiments. Each element included in each of the specific examples described above and their arrangement, material, condition, shape, size, and the like are not limited to those illustrated, and can be appropriately changed.
また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて複合させることができ、これらを組み合わせたものも実施形態の特徴を含む限り実施形態の範囲に包含される。その他、実施形態の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても実施形態の範囲に属するものと了解される。 In addition, each element included in each of the above-described embodiments can be combined as long as technically possible, and combinations thereof are also included in the scope of the embodiment as long as they include the features of the embodiment. In addition, in the category of the idea of the embodiment, those skilled in the art can conceive various changes and modifications, and it is understood that these changes and modifications also belong to the scope of the embodiment. .
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。 Although several embodiments of the present invention have been described, these embodiments are presented by way of example and are not intended to limit the scope of the invention. These novel embodiments can be implemented in various other forms, and various omissions, replacements, and changes can be made without departing from the scope of the invention. These embodiments and modifications thereof are included in the scope and gist of the invention, and are included in the invention described in the claims and the equivalents thereof.
1 基板、 2a、2b グレーティング、 3 光導波路、 4 保護膜、 5 枠、 6 第1物質、 7 光源(発光ダイオード)、 8 受光素子(フォトダイオード)、 9 磁性微粒子、 9a 磁性ナノ微粒子、 9b 高分子材料、 9c コア、 9d シェル、 10 磁場印加部、 13 第2物質、 14 HbA1c、 15 キャップ、 17 夾雑物質、 20 制御部、 25、26 分散媒体、 30、31、32、35、300 光導波路型測定システム、 60 第3物質、 100、200 光導波路型センサチップ、 101、201 センシングエリア、 102、202 反応空間、 130 第4物質 1 substrate, 2a, 2b grating, 3 optical waveguide, 4 protective film, 5 frame, 6 first material, 7 light source (light emitting diode), 8 light receiving element (photodiode), 9 magnetic fine particle, 9a magnetic nano fine particle, 9b high Molecular material, 9c core, 9d shell, 10 magnetic field application unit, 13 second material, 14 HbA1c, 15 cap, 17 contaminated material, 20 control unit, 25, 26 dispersion medium, 30, 31, 32, 35, 300 Optical waveguide Type measurement system, 60 third substance, 100, 200 optical waveguide sensor chip, 101, 201 sensing area, 102, 202 reaction space, 130 fourth substance
Claims (19)
前記第1物質が前記糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な箇所とは別の箇所で前記糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な第2物質が固定化された超常磁性を有する複数の第1磁性微粒子と、
前記第1光導波路の上方に設けられ、前記複数の第1磁性微粒子の少なくとも1つを前記第1センシングエリアから磁力によって移動させることが可能な第1磁場印加部と、
前記第1光導波路に光を入射させ前記第1センシングエリアに近接場光を発生させることが可能な第1光源と、
前記第1光導波路から出射される光を受光することが可能な第1受光素子と、
を有する光導波路型測定システム。 A first optical waveguide having a first sensing area on which a first substance capable of specifically binding to glycated hemoglobin is immobilized;
Superparamagnetism in which the second substance capable of specifically binding to the glycated hemoglobin is immobilized at a location different from the location where the first substance can specifically bind to the glycated hemoglobin A plurality of first magnetic fine particles;
A first magnetic field application unit provided above the first optical waveguide and capable of moving at least one of the plurality of first magnetic fine particles from the first sensing area by a magnetic force;
A first light source capable of making light incident on the first optical waveguide and generating near-field light in the first sensing area;
A first light receiving element capable of receiving light emitted from the first optical waveguide;
An optical waveguide type measuring system.
前記シェルは、複数の超常磁性を有する微粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の光導波路型測定システム。 The first magnetic fine particles have a core and a shell covering the core,
2. The optical waveguide measurement system according to claim 1, wherein the shell includes a plurality of superparamagnetic fine particles.
前記第2磁場印加部は、前記複数の磁性微粒子の少なくとも1つを前記第1光導波路に近づける方向に移動させる磁場を印加することが可能な請求項1〜13のいずれか1つに記載の光導波路型測定システム。 A second magnetic field application unit below the first optical waveguide;
The said 2nd magnetic field application part can apply the magnetic field which moves at least 1 of these magnetic fine particles in the direction approached to the said 1st optical waveguide, It is any one of Claims 1-13 Optical waveguide measurement system.
ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な第3物質が固定化された第2センシングエリアを有する第2光導波路と、
前記第3物質が前記ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な箇所とは別の箇所で前記ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な第4物質が固定化された超常磁性を有する複数の第2磁性微粒子と、
前記複数の磁性微粒子の少なくとも1つを前記第2センシングエリアから磁力によって移動させることが可能な第2磁場印加部と、
前記第2光導波路に光を入射させ前記第2センシングエリアに近接場光を発生させることが可能な第2光源と、
前記第2光導波路から出射される光を受光することが可能な第2受光素子と、
を有する別の光導波路型測定システムと、
を備えた光導波路型測定システム。 An optical waveguide type measurement system according to any one of claims 1 to 15,
A second optical waveguide having a second sensing area on which a third substance capable of specifically binding to hemoglobin is immobilized;
A plurality of superparamagnets having immobilized thereon a fourth substance capable of specifically binding to the hemoglobin at a location different from a location where the third substance can specifically bind to the hemoglobin. Second magnetic fine particles;
A second magnetic field application unit capable of moving at least one of the plurality of magnetic fine particles from the second sensing area by a magnetic force;
A second light source capable of making light incident on the second optical waveguide and generating near-field light in the second sensing area;
A second light receiving element capable of receiving light emitted from the second optical waveguide;
Another optical waveguide type measurement system having
An optical waveguide type measurement system.
第2物質は、前記第1物質が前記糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能な箇所とは別の箇所で前記糖化ヘモグロビンと特異的に結合することが可能であり、超常磁性を有する複数の第1磁性微粒子に固定化され、
第1分散媒体には、前記第2物質が固定化された前記複数の第1磁性微粒子が分散されてなり、さらに、前記糖化ヘモグロビンが混在され、
前記第1分散媒体を前記第1物質に接触させる工程と、
前記第1分散媒体を前記第1物質に接触させた状態で、前記センシングエリアに近接場光を発生させ前記第1光導波路から出射される光の光強度を第1光強度として測定する工程と、
前記第1分散媒体に磁場を印加する工程と、
前記磁場の印加後に、前記センシングエリアに近接場光を発生させ前記第1光導波路から出射される光の光強度を第2光強度として測定する工程と、
前記第1光強度と前記第2光強度との差分に基づいて前記糖化ヘモグロビンを定量する工程と、
を備えた糖化ヘモグロビンの測定方法。 The first substance can specifically bind to glycated hemoglobin, is immobilized on the sensing area on the first optical waveguide,
The second substance can specifically bind to the glycated hemoglobin at a location different from the location where the first substance can specifically bind to the glycated hemoglobin, and has a plurality of superparamagnetic properties. Of the first magnetic fine particles,
In the first dispersion medium, the plurality of first magnetic fine particles on which the second substance is immobilized are dispersed, and further, the glycated hemoglobin is mixed,
Contacting the first dispersion medium with the first material;
A step of generating near-field light in the sensing area in a state where the first dispersion medium is in contact with the first substance, and measuring a light intensity of light emitted from the first optical waveguide as a first light intensity; ,
Applying a magnetic field to the first dispersion medium;
After applying the magnetic field, generating near-field light in the sensing area and measuring the light intensity of light emitted from the first optical waveguide as a second light intensity;
Quantifying the glycated hemoglobin based on a difference between the first light intensity and the second light intensity;
A method for measuring glycated hemoglobin, comprising:
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