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JP2015004572A - 変圧器内部の温度検出装置及び温度検出方法 - Google Patents

変圧器内部の温度検出装置及び温度検出方法 Download PDF

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JP2015004572A
JP2015004572A JP2013129641A JP2013129641A JP2015004572A JP 2015004572 A JP2015004572 A JP 2015004572A JP 2013129641 A JP2013129641 A JP 2013129641A JP 2013129641 A JP2013129641 A JP 2013129641A JP 2015004572 A JP2015004572 A JP 2015004572A
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Aya Mizusawa
綾 水澤
小林 恒夫
Tsuneo Kobayashi
恒夫 小林
幸生 紺谷
Yukio Konya
幸生 紺谷
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Abstract

【課題】変圧器の内部温度を光ファイバ温度センサで測定する際に、当該温度センサ設置によって生じる絶縁媒体の漏洩を防止する。【解決手段】実施形態の変圧器内部の温度検出装置は、一端側に感温部を有し、他端側から光を入射させて感温部で反射させることにより、変圧器内部の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を一端側から他端側にまで伝送し、反射光に基づく光信号を得るための、変圧器タンク内に配設された光ファイバ温度検知手段と、前記光信号を電気信号に変換させるための、変圧器タンク内に配設された信号処理手段とを具える。また、電気信号を電磁波に変換して、当該電磁波を変圧器タンクの外部に送信するための、変圧器タンク内に配設された送信手段と、送信手段から送信された電磁波を受信するための、変圧器タンク外に配設された受信手段と、信号処理手段及び送信手段を駆動させるための、変圧器タンク内に配設された電源とを具える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、変圧器内部の温度検出装置及び温度検出方法に関する。
変圧器の寿命は絶縁物の経年劣化によって決まる。特に、巻線最高温度は絶縁物の経年劣化に大きな影響を与えるため、正確に局所的な巻線温度を把握することが求められている。
変圧器の巻線温度測定を行う技術としてサーマルイメージ法がある。この方法では、変圧器内部の巻線と接続されたブッシングに取り付けられた変流器によって、負荷電流に比例した電流を検出し、この検出電流を変圧器内部に配設したヒータに移送し、当該ヒータの温度上昇を計測する。次いで、この温度上昇と変圧器上部に配設された感温部で測定した絶縁性の油又はガスの温度とを合算し、この合算値を巻線の最高点温度として模擬するというものである。なお、ヒータに流れる電流は変圧器の温度上昇試験結果をもとに、巻線の最高点温度が得られるよう予め抵抗調整を行っておく。しかしながら、この方法は巻線温度を間接的に求めるものであるため、測定値の信頼性に欠けるといった問題点がある。
一方、巻線温度を直接測定することが出来る手法として光ファイバ温度センサを用いる手法がある。光ファイバ温度センサは先端に感温部が取り付けられており、この感温部を測定したい箇所に設置して用いる。この方法では、光ファイバの感温部が付いていない側からパルス光を入射し、感温部からの反射光を検出し、反射光の波長変化から温度測定を行う。
また、巻線温度を直接測定することが出来る手法として、ラマン散乱光を利用した分布型温度センサを用いる手法がある。この方法では、光ファイバにパルス光を入射させることにより、当該光ファイバの各所から散乱光を生成し、この際に生じる後方散乱光の遅延時間から当該後方散乱光の発生位置を知るとともに、後方散乱光の強度から発生位置における温度を求めるものである(特許文献1)。この方法によれば、一本の光ファイバで変圧器の巻線における複数箇所の温度測定を行うことができる。
しかしながら、上述のような光ファイバを用いた変圧器の巻線の温度測定おいては、感温部を変圧器タンク内、検出部を変圧器タンク外に配置していたため、変圧器タンク壁面に光ファイバの貫通穴を空ける必要があった。そのため、機器の長期使用等により貫通穴部から絶縁媒体が漏洩する危険性があった。特にガス絶縁変圧器においては、絶縁媒体として主に用いられているSFガスの地球温暖化係数がCOの約23,900倍であり大気中での寿命も長いため、大気中に排出しないよう管理しなければならない。そのため、ガス絶縁変圧器への光ファイバを用いた温度センサの適用は困難とされてきた。
特開平3−161911号
本発明は、変圧器の巻線等の内部温度を光ファイバ温度センサで測定する際に、当該温度センサ設置によって生じる絶縁媒体の漏洩を防止することである。
実施形態の変圧器内部の温度検出装置は、一端側に感温部を有し、他端側から光を入射させて前記感温部で反射させることにより、変圧器内部の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を前記一端側から前記他端側にまで伝送し、前記反射光に基づく光信号を得るための、変圧器タンク内に配設された光ファイバ温度検知手段と、前記光信号を電気信号に変換させるための、前記変圧器タンク内に配設された信号処理手段とを具える。また、前記電気信号を電磁波に変換して、当該電磁波を前記変圧器タンクの外部に送信するための、前記変圧器タンク内に配設された送信手段と、前記送信手段から送信された前記電磁波を受信するための、前記変圧器タンク外に配設された受信手段と、前記信号処理手段及び前記送信手段を駆動させるための、前記変圧器タンク内に配設された電源と、を具える。
実施形態における変圧器の概略構成図である。 第1の実施形態における変圧器内部の温度検出装置の概略構成図である。 第2の実施形態における変圧器内部の温度検出装置の概略構成図である。 第3の実施形態における変圧器内部の温度検出装置の概略構成図である。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の内部温度の検出に供する変圧器の概略構成を示す図であり、図2は、図1に示す変圧器内部の温度検出装置の概略構成を示す図である。なお、図2では、本実施形態の変圧器内部の温度検出装置の特徴を明確にすべく、図1に示す変圧器における変圧器本体のI−i線に沿って切った場合の右側部分を拡大して示している。
また、本実施形態では、変圧器本体の巻線の温度を検出する場合について詳述するが、本実施形態は巻線の温度検出のみではなく、変圧器内部の任意の場所の温度検出に対しても用いることができる。
図1に示すように、本実施形態で使用する変圧器10は、変圧器タンク11内に、鉄心121及び鉄心121の外周面に巻回された巻線122からなる変圧器本体12と、変圧器タンク11の上壁面に配設された、入出力端子としてのブッシング13とを有している。ブッシング13は、変圧器本体12の巻線122の端部122Aと接続されており、変圧器本体12、すなわち変圧器10に対して所定の電力を供給し、さらには変圧を受けた後の電力を外部に取り出せるようになっている。また、変圧器タンク11の内部は絶縁油又はSFなどの絶縁ガスが充填されている。
図2に示すように、本実施形態の変圧器内部の温度検出装置20は、一端21A側に感温部を有する光ファイバ温度センサ21と、この光ファイバ温度センサ21の他端21B側に配設された光源22とを有している。光ファイバ温度センサ21の一端21A側の感温部は変圧器本体12の巻線122に接触するようにして配設されており、他端21B側は光源22に近接して配置されている。なお、光ファイバ温度センサ21及び光源22は、本実施形態における光ファイバ温度検知手段を構成する。
感温部はガリウムヒ素などの蛍光物質から構成されており、当該蛍光物質は、感温部で検出した温度に依存して励起される波長が変化するようになっている。具体的には、感温部で検出する温度が上昇するにつれて、上記励起波長が長波長側にシフトするように構成されている。このような光ファイバ温度センサ21としては、例えばアステック株式会社製の光ファイバ温度計を用いることができる。
さらに、変圧器内部の温度検出装置20は、光ファイバ温度センサ21の他端21B側に近接して配置された、光ファイバ温度センサ21で得た温度データに関連した光信号としての反射光を受光し、当該光信号を電気信号に変換するための信号処理手段としてのフォトダイオードや光電子増倍管等の検出器23を有している。
また、変圧器内部の温度検出装置20は、光電変換素子及び光源22の後段側において、A/D変換器24を有するともに、このA/D変換器24の後段側において、トランジスタ等のスイッチング素子25を介して送信手段としての赤外線LED26を有している。なお、本実施形態における“赤外線”とは、約0.7μm〜1mmの波長の電磁波を意味し、“赤外線LED”とは、上記“赤外線”を生成及び放射する性質を有するLEDを意味し、現在市販されている任意のものを採用することができる。
さらに、変圧器タンク11の壁面に設けられた赤外線透過窓11Aを介した変圧器タンク11の外方には、赤外線LED26から発せられた赤外線を受光するための赤外線フォトダイオード27が配設されている。
なお、A/D変換器24及びスイッチング素子25は変圧器内部の温度検出装置20の必須の構成要素ではなく、適宜省略することもできる。しかしながら、A/D変換器24及びスイッチング素子25を配設することにより、以下に説明するような作用効果を得ることができる。
例えば、A/D変換器24を配設することにより、検出器23から伝送されてきた電気信号をデジタル信号に変換することができるので、送信手段である赤外線LED26にノイズ成分の少ない電気信号、すなわち温度データを伝送することができ、赤外線LED26を介して、より正確な温度データを変圧器タンク11の外方に配設した赤外線フォトダイオード27に送信することができる。
また、スイッチング素子25を配設しているので、赤外線LED26に流れる電流を増幅させることができ、赤外線LED26より温度データに関連した赤外線を高強度の状態で赤外線フォトダイオード27に向けて送信することができる。したがって、赤外線フォトダイオード27において、温度データをより正確に検出することができるようになる。
さらに、本実施形態の変圧器内部の温度検出装置20は、変圧器タンク11内において、A/D変換器24及び赤外線LED26を駆動させるための電源28を有している。図2に示すように、電源28は、変圧器10、具体的には変圧器本体12からの漏れ磁束によよって電力を発生させるための巻線281及び巻線281で発生した電力を蓄電するための蓄電池282を含む電気回路を有している。
したがって、電源28は、変圧器10内部で自立発電が可能となるので、変圧器10の外部から充電や電力供給を行う必要がない。したがって、以下に説明するように、変圧器10に充電や電力供給のための貫通孔を設ける必要がないので、以下に説明する本実施形態の作用効果を何ら阻害することなく、A/D変換器24及び赤外線LED26の駆動を行うことができる。
なお、図2では示していないが、蓄電池282における過充電及び過放電等を防止するための保護用IC等が内蔵された保護回路を巻線281及び蓄電池282間に配設することもできる。
図2から明らかなように、電源28は蓄電池282に対して充電を行う際は、上記電気回路のスイッチ283をオンとし、スイッチ284をオフとする。また、A/D変換器24及び赤外線LED26の駆動を行う際には、スイッチ283をオフとし、スイッチ284をオンとする。
なお、必要に応じて、巻線281の中心部において鉄心などの軟磁性材料から心材等を配設することもできる。
次に、図2に示す変圧器内部の温度検出装置20を用いた温度検出方法について説明する。
最初に、光ファイバ温度センサ21の一端21A側に配設した感温部を変圧器本体12に接触させた状態で、光ファイバ温度センサ21の他端21B側に近接して配設した光源22より、所定の波長及び振動数の光を入射させ、光ファイバ温度センサ21内を伝送させた後、感温部で反射させることにより、変圧器本体12の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を一端21A側から他端21B側にまで伝送し、反射光に基づく光信号を得る。なお、反射光の波長は変圧器本体12の温度が高くなるにつれて大きくなる。
次いで、光ファイバ温度センサ21で得た光信号としての反射光を、光ファイバ温度センサ21の他端21B側に近接して配設した信号処理手段である検出器23によって電気信号に変換した後、この電気信号をA/D変換器24に向けて伝送する。このとき、A/D変換器24には、電源28の電気回路におけるスイッチ283をオフとし、スイッチ284をオンとすることにより、電源28より所定の電力が供給されており、当該電力供給を受けて伝送されてきた電気信号に対してA/D変換し、デジタル信号を得る。
なお、電源28よりA/D変換器24に対して電力供給を行うに際しては、予め電源28内の電気回路の巻線において、変圧器本体12からの漏れ磁束を利用して電力生成を行い、得られた電力を蓄電地282内に蓄電しておく必要がある。
次いで、上述のようにして得たデジタル信号をスイッチング素子25に供給し、例えばスイッチング素子25を構成するトランジスタのベースに対して電圧負荷を行うことにより、スイッチング素子25をオンとした状態で、上記デジタル信号を、スイッチング素子25を介して赤外線LED26に伝送する。一方、赤外線LED26の他端側には電源28から所定の電力が供給されている(電圧負荷がなされている)。したがって、赤外線LED26は、デジタル信号に関連した電圧と電源28からの負荷電圧との差分に基づいた電圧で駆動されることにより、当該差分電圧に基づいた駆動電圧による強度の赤外線を発生するようになる。
上述のようにして発生した赤外線は、変圧器タンク11の壁面にモールド等によって予め配設されていた赤外線透過性の材料からなる赤外線透過窓11Aを介して、変圧器10の外部に送信され、変圧器10の外部に配設された赤外線フォトダイオード27で受信される。
このように、本実施形態では、変圧器10の内部に光ファイバ温度センサ21等を含む光ファイバ温度検知手段を配設するとともに、この光ファイバ温度検知手段で検知した温度データに関連した信号を変圧器10の外部に送信するための送信手段を内蔵しているので、変圧器10の外部に上記信号を受信するための受信手段を配設することにより、変圧器10の壁面、具体的には変圧器タンク11の壁面に貫通孔等を形成することなく、変圧器本体12の温度を検出することができる。したがって、上記貫通孔等を形成したことによる変圧器10内部の絶縁油又はSFなどの絶縁性ガスが変圧器10から外部に漏れるのを抑制することができる。
換言すれば、変圧器10の内部に光ファイバ温度検出手段を配設した場合においても、変圧器10内の絶縁油等を外部に漏洩させることなく、変圧器本体12の温度を検出することができる。
また、本実施形態では、赤外線LED26等を駆動させるための電源28は、変圧器本体12からの漏れ磁束を利用して自立発電可能となるように構成しているので、変圧器10の外部から充電や電力供給を行う必要がない。したがって、変圧器10、具体的には変圧器タンク11に充電や電力供給のための貫通孔を設ける必要がないので、上述のように、変圧器10の内部に光ファイバ温度検知手段及び送信手段を配設し、変圧器10の壁面に貫通孔を設けないことによる絶縁油又はSFなどの絶縁性ガス等の外部漏洩の問題を担保することができる。
さらに、上述したように、本実施形態では、A/D変換器24によって光ファイバ温度検知手段によって得た温度データに関連した電気信号をデジタル信号に変換しているので、送信手段である赤外線LED26にノイズ成分の少ない電気信号、すなわち温度データを伝送することができ、赤外線LED26を介して、より正確な温度データを変圧器タンク11の外方に配設した赤外線フォトダイオード27に送信することができる。
また、スイッチング素子25を配設しているので、赤外線LED26に流れる電流を増幅させることができ、赤外線LED26より温度データに関連した赤外線を高強度の状態で赤外線フォトダイオード27に向けて送信することができる。したがって、赤外線フォトダイオード27において、温度データをより正確に検出することができるようになる。
なお、本実施形態では、送信手段として赤外線LED26を用いており、光ファイバ温度検知手段で得た温度データに関連した信号を赤外線として変圧器10の外部に送信するようにしている。赤外線は比較的波長が長く、障害物等の影響を受けにくいので、変圧器10内に配設した上記光ファイバ温度検出手段で得た温度データを変圧器10外に配設した受信手段でより確実に受信することができる。但し、このような作用効果を奏することができれば、送信手段として用いるLED等は任意の波長の電磁波を生成し、発することが可能なLED等から構成することができる。
また、上述のように、本実施形態では、変圧器本体12の温度を検出する場合について説明したが、例えば変圧器10内の絶縁油等の温度を検出する場合は、光ファイバ温度センサ21の一端21A側に配設した感温部を変圧器タンク11の壁面と変圧器本体12とのほぼ中心に配設し、その後上述のような操作を行うことにより、上記同様に、変圧器10、具体的には変圧器タンク11の壁面に貫通孔を形成することなく、上記絶縁油等の温度検出を行うことができる。
(第2の実施形態)
図3は、本実施形態における変圧器内部の温度検出装置の概略構成を示す図である。なお、図3は、第1の実施形態における図2に相当するものであり、図1に示す変圧器における変圧器本体のI−I線に沿って切った場合の右側部分を拡大して示している。図1及び図2に示す構成要素と同一あるいは類似の構成要素については、同一の参照数字を用いている。
また、本実施形態では、変圧器本体の巻線の温度を検出する場合について詳述するが、本実施形態は巻線の温度検出のみではなく、変圧器内部の任意の場所の温度検出に対しても用いることができる。
図3に示す本実施形態の変圧器内部の温度検出装置30は、図2に示す第1の実施形態の変圧器内部の温度検出装置20と比較して、送信手段として赤外線LED26の代わりに電波発生機36が配設され、受信手段として赤外線フォトダイオード27の代わりにアンテナ37が配設されている点で相違する。したがって、以下では、これらの相違点を中心に説明する。
なお、電波発生機36は、コンデンサ361及びコイル362が並列に接続されており、コンデンサ361に蓄えられた電気エネルギーがコイル362に供給されて磁気エネルギーに変換された後、この磁気エネルギーが再度コンデンサ361に供給されることにより、電波発生機36内には交流電流が生じるようになる。したがって、このようにして生成した交流電流をアンテナ363に供給することにより、アンテナ363からは電波が発せられるようになる。
本実施形態における“電波”とは、波長1km〜10kmの長波、波長100m〜1kmの中波、波長10m〜100mの短波、波長1m〜10mの超短波、波長10cm〜1mの極超短波、波長1cm〜10cmのセンチ波、波長1mm〜1cmのミリ波、波長0.1mm〜1mmのサブミリ波を含む一般的な電波と同義である。したがって、本実施形態の電波発生機36は、必要に応じて上記波長域の電波を生成できるように、コンデンサ361のキャパシタンス及びコイル362のインダクタンスを決定する必要がある。
次に、図3に示す変圧器内部の温度検出装置30を用いた温度検出方法について説明する。
最初に、光ファイバ温度センサ21の一端21A側に配設した感温部を変圧器本体12に接触させた状態で、光ファイバ温度センサ21の他端21B側に近接して配設した光源22より、所定の波長及び振動数の光を入射させ、光ファイバ温度センサ21内を伝送させた後、感温部で反射させることにより、変圧器本体12の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を一端21A側から他端21B側にまで伝送し、反射光に基づく光信号を得る。なお、反射光の波長は変圧器本体12の温度が高くなるにつれて大きくなる。
次いで、光ファイバ温度センサ21で得た光信号としての反射光を、光ファイバ温度センサ21の他端21B側に近接して配設した信号処理手段である検出器23によって電気信号に変換した後、この電気信号をA/D変換器24に向けて伝送する。このとき、A/D変換器24には、電源28の電気回路におけるスイッチ283をオフとし、スイッチ284をオンとすることにより、電源28より所定の電力が供給されており、当該電力供給を受けて伝送されてきた電気信号に対してA/D変換し、デジタル信号を得る。
なお、電源28よりA/D変換器24に対して電力供給を行うに際しては、予め電源28内の電気回路の巻線において、変圧器本体12からの漏れ磁束を利用して電力生成を行い、得られた電力を蓄電地282内に蓄電しておく必要がある。
次いで、上述のようにして得たデジタル信号をスイッチング素子25に供給し、例えばスイッチング素子25を構成するトランジスタのベースに対して電圧負荷を行うことにより、スイッチング素子25をオンとした状態で、上記デジタル信号を、スイッチング素子25を介して電波発生機36に伝送する。一方、電波発生機36には電源28から所定の電力が供給されている。したがって、電波発生機36からは、上述したようにして電波が生成されるようになり、当該電波には上記デジタル信号が重畳されるようになる。
上記電波は、変圧器タンク11の壁面にモールド等によって予め配設されていた電波透過性の材料からなる電波透過窓11Bを介して、変圧器10の外部に送信され、変圧器10の外部に配設されたアンテナ37で受信される。
このように、本実施形態でも、変圧器10の内部に光ファイバ温度センサ21等を含む光ファイバ温度検知手段を配設するとともに、この光ファイバ温度検知手段で検知した温度データに関連した信号を変圧器10の外部に送信するための送信手段を内蔵しているので、変圧器10の外部に上記信号を受信するための受信手段を配設することにより、変圧器10の壁面、具体的には変圧器タンク11の壁面に貫通孔等を形成することなく、変圧器本体12の温度を検出することができる。したがって、上記貫通孔等を形成したことによる変圧器10内部の絶縁油又はSFなどの絶縁性ガスが変圧器10から外部に漏れるのを抑制することができる。
換言すれば、変圧器10の内部に光ファイバ温度検出手段を配設した場合においても、変圧器10内の絶縁油等を外部に漏洩させることなく、変圧器本体12の温度を検出することができる。
また、本実施形態では、電波発生機36から電波を発生させるための電力供給を、変圧器本体12からの漏れ磁束を利用して自立発電可能とした変圧器10内部に配設した電源28から行っているので、変圧器10の外部から充電や電力供給を行う必要がない。したがって、変圧器10、具体的には変圧器タンク11に充電や電力供給のための貫通孔を設ける必要がないので、上述のように、変圧器10の内部に光ファイバ温度検知手段及び送信手段を配設し、変圧器10の壁面に貫通孔を設けないことによる絶縁油又はSFなどの絶縁性ガス等の外部漏洩の問題を担保することができる。
さらに、本実施形態では、送信手段として電波発生機36を用いており、光ファイバ温度検知手段で得た温度データに関連した信号を電波に重畳させて変圧器10の外部に送信するようにしている。電波は波長が長く、障害物等の影響を受けにくいので、変圧器10内に配設した上記光ファイバ温度検出手段で得た温度データを変圧器10外の、特に遠方に配設した受信手段においてもより確実に受信することができる。
なお、A/D変換器24等を用いたことによる作用効果は第1の実施形態と同様であるので、本実施形態では説明を省略する。
また、上述のように、本実施形態では、変圧器本体12の温度を検出する場合について説明したが、第1の実施形態の場合と同様に、例えば変圧器10内の絶縁油等の温度を検出することもできる。この場合の検出方法は、第1の実施形態の場合と同等であるので説明を省略する。
(第3の実施形態)
図4は、本実施形態における変圧器内部の温度検出装置の概略構成を示す図である。なお、図4は、第1の実施形態における図2に相当するものであり、図1に示す変圧器における変圧器本体のI−I線に沿って切った場合の右側部分を拡大して示している。図1及び図2に示す構成要素と同一あるいは類似の構成要素については、同一の参照数字を用いている。
また、本実施形態では、変圧器本体の巻線の温度を検出する場合について詳述するが、本実施形態は巻線の温度検出のみではなく、変圧器内部の任意の場所の温度検出に対しても用いることができる。
図4に示す本実施形態の変圧器内部の温度検出装置40は、図2に示す第1の実施形態の変圧器内部の温度検出装置20と比較して、送信手段として赤外線LED26の代わりに超音波発振回路461及び超音波発振素子462を含む超音波発生装置46が配設され、受信手段として赤外線フォトダイオード27の代わりに超音波受信素子47が配設されている点で相違する。したがって、以下では、これらの相違点を中心に説明する。
なお、超音波発振回路461及び超音波発振素子462の種類等は特に限定されず、例えば超音波発振回路461として汎用の発振回路を用い、超音波発振素子462として汎用の超音波振動素子(圧電素子)等を用いることができる。また、超音波受信素子47の種類も特に限定されず、例えば超音波センサや超音波マイク等を用いることができる。
本実施形態における“超音波”とは、狭義には現在汎用されている2MHz〜20MHzの弾性波を意味するが、広義には20kHz以上の可視聴域の周波数レンジにおける弾性波を意味するものである。
次に、図4に示す変圧器内部の温度検出装置30を用いた温度検出方法について説明する。
最初に、光ファイバ温度センサ21の一端21A側に配設した感温部を変圧器本体12に接触させた状態で、光ファイバ温度センサ21の他端21B側に近接して配設した光源22より、所定の波長及び振動数の光を入射させ、光ファイバ温度センサ21内を伝送させた後、感温部で反射させることにより、変圧器本体12の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を一端21A側から他端21B側にまで伝送し、反射光に基づく光信号を得る。なお、反射光の波長は変圧器本体12の温度が高くなるにつれて大きくなる。
次いで、光ファイバ温度センサ21で得た光信号としての反射光を、光ファイバ温度センサ21の他端21B側に近接して配設した信号処理手段である検出器23によって電気信号に変換した後、この電気信号をA/D変換器24に向けて伝送する。このとき、A/D変換器24には、電源28の電気回路におけるスイッチ283をオフとし、スイッチ284をオンとすることにより、電源28より所定の電力が供給されており、当該電力供給を受けて伝送されてきた電気信号に対してA/D変換し、デジタル信号を得る。
次いで、上述のようにして得たデジタル信号をスイッチング素子25に供給し、例えばスイッチング素子25を構成するトランジスタのベースに対して電圧負荷を行うことにより、スイッチング素子25をオンとした状態で、上記デジタル信号を、スイッチング素子25を介して超音波発生装置46に伝送する。超音波発生装置46において、超音波発振回路461には電源28から所定の電力が供給されている。したがって、例えば超音波発振回路461から発振された信号を超音波発振素子462に供給し、当該超音波発振素子462から超音波を発生させる。
なお、超音波発生装置46には上記デジタル信号も入力されるので、当該デジタル信号は上記超音波に重畳するようになる。超音波発振素子462から発振された超音波は、変圧器10の外部に配設された超音波受信素子47で受信する。
このように、本実施形態でも、変圧器10の内部に光ファイバ温度センサ21等を含む光ファイバ温度検知手段を配設するとともに、この光ファイバ温度検知手段で検知した温度データに関連した信号を変圧器10の外部に送信するための送信手段を内蔵しているので、変圧器10の外部に上記信号を受信するための受信手段を配設することにより、変圧器10の壁面、具体的には変圧器タンク11の壁面に貫通孔等を形成することなく、変圧器本体12の温度を検出することができる。したがって、上記貫通孔等を形成したことによる変圧器10内部の絶縁油又はSFなどの絶縁性ガスが変圧器10から外部に漏れるのを抑制することができる。
換言すれば、変圧器10の内部に光ファイバ温度検出手段を配設した場合においても、変圧器10内の絶縁油等を外部に漏洩させることなく、変圧器本体12の温度を検出することができる。
また、本実施形態では、超音波発生装置46から超音波を発生させるための電力供給を、変圧器本体12からの漏れ磁束を利用して自立発電可能とした変圧器10内部に配設した電源28から行っているので、変圧器10の外部から充電や電力供給を行う必要がない。したがって、変圧器10、具体的には変圧器タンク11に充電や電力供給のための貫通孔を設ける必要がないので、上述のように、変圧器10の内部に光ファイバ温度検知手段及び送信手段を配設し、変圧器10の壁面に貫通孔を設けないことによる絶縁油又はSFなどの絶縁性ガス等の外部漏洩の問題を担保することができる。
なお、本実施形態では、送信手段として超音波発生装置46を用いており、超音波を用いて光ファイバ温度検知手段で検知した温度データを変圧器10の外部に送信するようにしているので、特に変圧器10内に充填した絶縁物が絶縁油等の場合において特に高い作用効果を奏するようになる。
A/D変換器24等を用いたことによる作用効果は第1の実施形態と同様であるので、本実施形態では説明を省略する。
また、上述のように、本実施形態では、変圧器本体12の温度を検出する場合について説明したが、第1の実施形態の場合と同様に、例えば変圧器10内の絶縁油等の温度を検出することもできる。この場合の検出方法は、第1の実施形態の場合と同等であるので説明を省略する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 変圧器
11 変圧器タンク
12 変圧器本体
121 鉄心
122 巻線
13 ブッシング
20,30,40 変圧器内部の温度検出装置
21 光ファイバ温度センサ
22 光源
23 検出器
24 A/D変換器
25 スイッチング素子
26 赤外線LED
27 赤外線フォトダイオード
28 電源
281 巻線
282 蓄電池
36 電波発生機
37 アンテナ
46 超音波発生装置
461 超音波発生回路
462 超音波発振素子
47 超音波受信素子

Claims (8)

  1. 一端側に感温部を有し、他端側から光を入射させて前記感温部で反射させることにより、変圧器内部の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を前記一端側から前記他端側にまで伝送し、前記反射光に基づく光信号を得るための、変圧器タンク内に配設された光ファイバ温度検知手段と、
    前記光信号を電気信号に変換させるための、前記変圧器タンク内に配設された信号処理手段と、
    前記電気信号を電磁波に変換して、当該電磁波を前記変圧器タンクの外部に送信するための、前記変圧器タンク内に配設された送信手段と、
    前記送信手段から送信された前記電磁波を受信するための、前記変圧器タンク外に配設された受信手段と、
    少なくとも前記送信手段を駆動させるための、前記変圧器タンク内に配設された電源と、
    を具えることを特徴とする、変圧器内部の温度測定装置。
  2. 一端側に感温部を有し、他端側から光を入射させて前記感温部で反射させることにより、変圧器内部の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を前記一端側から前記他端側にまで伝送し、前記反射光に基づく光信号を得るための、変圧器タンク内に配設された光ファイバ温度検知手段と、
    前記光信号を電気信号に変換させるための、前記変圧器タンク内に配設された信号処理手段と、
    前記電気信号を超音波に変換して、当該超音波を前記変圧器タンクの外部に送信するための、前記変圧器タンク内に配設された送信手段と、
    前記送信手段から送信された前記超音波を受信するための、前記変圧器タンク外に配設された受信手段と、
    少なくとも前記送信手段を駆動させるための、前記変圧器タンク内に配設された電源と、
    を具えることを特徴とする、変圧器内部の温度測定装置。
  3. 前記電源は、前記変圧器の漏れ磁束を利用して電力を発生するための巻線及び前記電力を蓄電するための蓄電池を含む電気回路を有することを特徴とする、請求項1及び2に記載の変圧器内部の温度測定装置。
  4. 前記変圧器内部は、鉄心及びこの鉄心に巻回された巻線を含む変圧器本体であり、前記光ファイバ温度検知手段の前記感温部を前記変圧器本体に接触させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に気さの変圧器内部の温度測定装置。
  5. 変圧器タンク内に配設され、一端側に感温部を有する光ファイバ温度検知手段の他端側から光を入射させて前記感温部で反射させることにより、変圧器内部の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を前記一端側から前記他端側にまで伝送し、前記反射光に基づく光信号を得るステップと、
    前記変圧器タンク内に配設された信号処理手段により前記光信号を電気信号に変換させるステップと、
    前記変圧器タンク内に配設された電源により、前記変圧器タンク内に配設された送信手段を駆動させ、当該送信手段により前記電気信号を電磁波に変換して、当該電磁波を前記変圧器タンクの外部に送信するステップと、
    前記変圧器タンク外に配設された受信手段により、前記送信手段から送信された前記電磁波を受信するステップと、
    を具えることを特徴とする、変圧器内部の温度測定方法。
  6. 変圧器タンク内に配設され、一端側に感温部を有する光ファイバ温度検知手段の他端側から光を入射させて前記感温部で反射させることにより、変圧器内部の温度に依存した波長を有する反射光を得、当該反射光を前記一端側から前記他端側にまで伝送し、前記反射光に基づく光信号を得るステップと、
    前記変圧器タンク内に配設された信号処理手段により前記光信号を電気信号に変換させるステップと、
    前記変圧器タンク内に配設された電源により、前記変圧器タンク内に配設された送信手段を駆動させ、当該送信手段により前記電気信号を超音波に変換して、当該超音波を前記変圧器タンクの外部に送信するステップと、
    前記変圧器タンク外に配設された受信手段により、前記送信手段から送信された前記超音波を受信するステップと、
    を具えることを特徴とする、変圧器内部の温度測定方法。
  7. 前記電源は、前記変圧器の漏れ磁束を利用して起電力を発生するための巻線及び蓄電池を含む電気回路を有することを特徴とする、請求項5及び6に記載の変圧器内部の温度測定方法。
  8. 前記変圧器内部は、鉄心及びこの鉄心に巻回された巻線を含む変圧器本体であり、前記光ファイバ温度検知手段の前記感温部を前記変圧器本体に接触させることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一に記載の変圧器内部の温度測定装置。
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