JP2015004345A - 運搬車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転手が運転不可能な状態になっても、外部から安全に非常停止させることができる運搬車両を提供する。【解決手段】運搬車両の外側面には、非常停止スイッチ6が取り付けられている。非常停止スイッチ6は、運搬車両を非常停止させるためのアイドルダウン信号を、外部から入力するスイッチである。アイドルダウン信号が入力されると、エンジンの回転数がアイドリングに低減され、エンジンブレーキがかかり、更に、アイドルダウン信号が入力されてから、所定時間(例えば、5秒)経過後に、パーキングブレーキが作動し、運搬車両を非常停止させる。【選択図】図2
Description
本発明は、運搬車両に関し、特に、運転手が運転不可能な状態になっても、外部から安全に非常停止させることができる運搬車両に関する。
従来より、運転手が運転中に運転不可能な状態となることが懸念されている。運転不可能な状態とは、健康上の理由から運転手が運転中に意識不明となる状態が例示される。そのため、次の特許文献1には、乗合バスの車内に緊急停止スイッチ23を設け、運転手が突然意識をなくした場合には、助手または近くの乗客が、緊急停止スイッチ23を押すことで、サービスブレーキ11,12を作動させ、乗合バスを緊急停止させる技術が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術では、そもそも、乗合バスの車内に助手または乗客がいない場合には、緊急停止スイッチ23を押すことができず、乗合バスを緊急停止させることができないという問題点があった。
また、仮に、助手または乗客が緊急停止スイッチ23を押すことができても、サービスブレーキ11,12によって乗合バスを緊急停止させると、そのときの乗合バスの速度によっては急停止することになり、乗客にとって危険であり、安全に緊急停止させることができないという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、運転手が運転不能な状態になっても、外部から安全に非常停止させることができる運搬車両を提供することを目的とする。
請求項1記載の運搬車両によれば、次の効果を奏する。非常停止指令を入力する入力手段が車体の外面に取り付けられているので、外部から入力手段を介して非常停止指令を入力できる。よって、仮に、運転手以外の乗員が搭乗していなくても、非常停止指令を外部から入力できる。例えば、人が歩く程度の速度で運搬車両を走行させる場合には、運搬車両に付いて歩く人に入力手段を操作させることができる。
また、非常停止指令が入力されると、エンジンブレーキ作動手段によりエンジンの回転数を低減し、その後で、非常パーキングブレーキ作動手段によりパーキングブレーキを作動させる。即ち、非常停止指令が入力された場合に、直ちにパーキングブレーキを作動させると急停止する可能性がある。そのため、パーキングブレーキを作動させる前に、エンジンの回転数を低減して、エンジンブレーキを作動させることで、急停止するのを抑制できる。よって、運搬車両が急停止して、例えば、積荷が落下する等の危険を抑制できる上に、パーキングブレーキによって完全に停止させることができる。従って、運転手が運転不能な状態になっても、外部から安全に非常停止させることができるという効果がある。
請求項2記載の車両によれば、請求項1記載の車両の奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力手段は、車体の長手方向の両側面に、各々1個以上取り付けられているので、運搬車両に付き添う人を、両側面のどちらに配置しても、外部から入力手段を迅速に操作できるという効果がある。
請求項3記載の車両によれば、請求項1又は2に記載の車両の奏する効果に加え、次の効果を奏する。乗員定数が運転手の1名なので、運転手が運転中に運転不可能な状態になると、車内から運転手とは別の人が非常停止させることができない。しかし、非常停止指令を入力する入力手段が車体の外面に取り付けられているので、外部から入力手段を介して非常停止指令を入力できるという効果がある。
請求項4記載の車両によれば、請求項1から3のいずれかに記載の車両の奏する効果に加え、次の効果を奏する。入力手段は、車体の外面に着脱可能に取り付けられている。例えば、一般公道を走行する場合に、入力手段がいたずらされると、運転手の意図に拘わらず、非常停止するので、一般公道の交通に支障をきたす恐れがある。よって、例えば、一般公道を走行する場合には、入力手段を取り外して走行することで、入力手段がいだずらされるのを防止できるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態における運搬車両1の側面図であり、図1(b)は、図1(a)の矢印Ib方向から視た運搬車両1の平面図である。
運搬車両1は、数十トン〜数百トン級の重量物を積載して運搬する車両であって、運転手が運転中に運転不可能な状態になっても、外部から安全に非常停止させることができる車両である。運搬車両1には、運転室2と、運転室2の左隣にエンジンルーム3と、運転室2(エンジンルール3)の後方に荷台4と、荷台2の下方に走行装置5とが設けられている。
運転室2は、運転手が搭乗する空間であり、図示しないハンドルや運転シートが設けられている。また、運搬車両1には、運転手以外の乗員が搭乗できるスペースが設けられていない。即ち、運搬車両1の乗員定数は、運転手の1人に制限されている。そのため、運搬車両1は、運転手が運転中に運転不可能な状態になっても、車内から他の乗員によって運搬車両1を停止させることができない。
エンジンルーム3には、エンジン3aの他、図示しないラジエター、エアタンク、トランスファ等が搭載されている。荷台4は、平坦に構成されており、荷台4の上に数十トン〜数百トン級の重量物が積載され、固定される。
走行装置5は、車両の前後方向に6個、車両の左右方向に2個設けられている。走行装置5は、主に、車輪5aと、荷台4を支持する油圧シリンダ5bと、荷台4の下部に旋回可能に設けられたサスペンションブラケット5cと、サスペンションブラケット5cに対し、上下に揺動可能なスイングアーム5dとを有している。油圧シリンダ5bの伸縮に伴い、スイングアーム5dが揺動し、車輪5aが車体に対して上下動する。
走行装置5は、車両の前後方向に6個、車両の左右方向に2個設けられている。走行装置5は、主に、車輪5aと、荷台4を支持する油圧シリンダ5bと、荷台4の下部に旋回可能に設けられたサスペンションブラケット5cと、サスペンションブラケット5cに対し、上下に揺動可能なスイングアーム5dとを有している。油圧シリンダ5bの伸縮に伴い、スイングアーム5dが揺動し、車輪5aが車体に対して上下動する。
図2(a)は、図1(a)に示す矢印IIaから視た車両前方の側面図、図2(b)は、図1(a)に示す矢印IIbから視た車両後方の側面図、図2(c)は、図2(a)、(b)に示すIIc部分に取り付けられている非常停止スイッチの正面図、図2(d)は、車体側面に取り付けられている状態の非常停止スイッチの側面図である。
図2(a)、(b)に示す通り、運搬車両1の外側面には、非常停止スイッチ6が取り付けられている。非常停止スイッチ6は、運搬車両1を非常停止させるためのアイドルダウン信号を、外部から入力するスイッチである。アイドルダウン信号が入力されると、エンジン3aの回転数がアイドリングに低減され、エンジンブレーキがかかり、更に、アイドルダウン信号が入力されてから、所定時間(例えば、5秒)経過後に、パーキングブレーキが作動し、運搬車両1を非常停止させることができる。よって、運転手が運転中に運転不可能な状態になっても、外部から非常停止スイッチ6を操作することで、外部からアイドルダウン信号を入力できる。
非常停止スイッチ6は、図2(c)、(d)に示す通り、中空箱型であって金属製の本体ケース6bと、本体ケース6bの正面から突出する押しボタン6aと、本体ケース6bの下面から延出するケーブル6cと、ケーブル6cの一端に連結されているコネクタ6dとによって構成されている。
また、図2(d)に示す通り、運搬車両1の外側面には、マグネット製の支持プレート7がビスB1で取り付けられ、その支持プレート7に金属製の本体ケース6bが磁力で取り付けられている。そのため、本体ケース6bを支持プレート7から引き剥がすことで、非常停止スイッチ6を運搬車両1の外側面から取り外すことができる。尚、取り外した非常停止スイッチ6を、再度、運搬車両1の外側面に取り付け可能であることは言うまでもない。即ち、非常停止スイッチ6は、運搬車両1の外側面に着脱自在に取り付けられている。
例えば、一般公道を走行する場合には、いたずらで非常停止スイッチ6が操作される恐れがある。いたずらで非常停止スイッチ6が操作されると、運転手の意図に拘わらず、運搬車両1が非常停止し、一般公道の交通に支障をきたす恐れがある。よって、一般公道を走行する場合には、非常停止スイッチ6を運搬車両1から取り外して走行することで、非常停止スイッチ6がいだずらされるのを防止できる。
非常停止スイッチ6は、押しボタン6aを押すと、本体ケース6b内に格納されている電気的スイッチ(図示せず)がオンになり、アイドルダウン信号がケーブル6c、コネクタ6dを介して、後述する制御コントローラ11に入力される。尚、コネクタ6dは、運搬車両1の外側面に設けられている接続口に差し込まれ、制御コントローラ11と電気的に接続されている。また、押しボタン6aは、一回押されると、押し込まれたままの状態を維持し、押しこまれた状態で押しボタン6aを、右回りに回転させると、元の状態(本体ケース6bから突出した状態)に復帰する。
更に、図2(a)、(b)に示す通り、非常停止スイッチ6は、運搬車両1の長手方向に延びる2つの外側面に1つずつ、合計2つ設けられている。一つは、図2(a)に示す通り、荷台4の前端側に取り付けられている。もう一つは、図2(b)に示す通り、荷台4の後端側に取り付けられている。即ち、2つの非常停止スイッチ6は、車体の長手方向の両側面に各々取り付けられている。そのため、運搬車両1に付き添う人を、両側面のどちらに配置しても、外部から非常停止スイッチ6を迅速に操作できる。
図3は、運搬車両1に搭載されている走行制御装置10の電気回路および空気圧回路を示す図である。走行制御装置10は、非常停止スイッチ6からアイドルダウン信号が入力されると、エンジンのスロットルを初期位置へ戻すことで、エンジンの回転数をアイドリングに低減させ、エンジンブレーキを作動させる。また、アイドルダウン信号が入力されてから所定時間(例えば、5秒)経過後に、パーキングブレーキを作動させる装置である。走行制御装置10は、主に、制御コントローラ11と、エンジン制御系10aと、パーキングブレーキ系10bとを有している。
制御コントローラ11は、走行制御装置10を制御するコントローラであり、第1の信号入力端子(以後、「IN1端子」と称す)が、アクセルペダル8と電気的に接続され、第2の信号入力端子(以後、「IN2端子」と称す)が、非常停止スイッチ6と電気的に接続されている。また、IN1端子と、IN2端子との各々は、信号出力端子(以後、「OUT1端子」と称す)に接続され、OUT1端子は、エンジン制御系10aに含まれるエンジンコントロールユニット9(以後、「ECU9」と称す)に電気的に接続されている。
制御コントローラ11は、アクセルペダル8の踏み込み量に応じたアクセルペダル信号をIN1端子からOUT1端子を介してECU9に出力する。ECU9は、アクセルペダル信号に応じてエンジン3aを制御する。また、制御コントローラ11は、非常停止スイッチ6が押されると、アイドルダウン信号をIN2端子からOUT1端子を介してECU9に出力する。ECU9は、アイドルダウン信号が入力されると、エンジン3aを制御して、エンジンブレーキを作動させる。
更に、制御コントローラ11には、タイマ11aが実装されている。タイマ11aは、非常停止スイッチ6からアイドルダウン信号が入力された場合に、そのアイドルダウン信号が入力されてから所定時間(例えば、5秒)の期間を測定する。タイマ11aにより所定時間が測定されると、制御コントローラ11は、OUT2端子から電動式コントロールバルブ32に作動信号を出力し、パーキングブレーキ系10bを作動させ、パーキングブレーキをかける。
即ち、制御コントローラ11は、アイドルダウン信号が入力されると、まずは、エンジン制御系10aを制御してエンジンブレーキを作動させ、その後(所定時間経過後)、パーキングブレーキ系10bを作動させ、パーキングブレーキをかける。
エンジン制御系10aは、主に、ECU9と、エンジン3aと、油圧ポンプ22と、油圧モータ23と、車輪5aとを有している。ECU9は、制御コントローラ11のOUT1端子と電気的に接続されている。そして、制御コントローラ11のOUT1端子から出力されるアクセルペダル信号、アイドルダウン信号に応じて、エンジン制御系(エンジン3a)を制御するコンピュータである。
エンジン3aは、ECU9の指令に応じて(アクセルペダルの踏込量に応じて)、回転数を増減させることで、踏込量に応じた動力を発生し、その動力を油圧ポンプ22へ伝達する内燃機関である。
油圧ポンプ22は、エンジン3aの回転により発生した動力に応じて、その動力を油圧へ変換するポンプである。油圧モータ23は、油圧ポンプ22により変換された油圧に応じた駆動力を発生するモータである。油圧モータ23で発生した駆動力により、車輪5aを回転させることで、運搬車両1は、アクセルペダルの踏込量に応じた駆動力で走行できる。
このように、運搬車両1は、エンジン3aで発生した動力を、その動力に応じた油圧へ変換する油圧ポンプ22と、油圧ポンプ22により変換された油圧に応じた駆動力を発生させる油圧モータ23とを有し、この発生した駆動力で車輪5aを回転させて走行している。
油圧モータ23で発生した駆動力で車輪5aを回転させて走行する車両は、油圧モータ23への油圧の供給を停止すると、油圧回路(図示せず)にサージ圧が立ち上がると共に、制動力が発生する。そのため、積荷にも制動力がかかり、結果、積荷の重心が前方(後進の場合は後方)に移動してバランスが崩れ、積荷の落下、転倒などの事故が発生する可能性がある。
これに対し、本実施形態の運搬車両1は、油圧モータ23への油圧を急激に低減するのではなく、まず、非常停止スイッチ6から入力された信号が制御コントローラ11を介してECU9の指令によりエンジン3aの回転数を低減するので、その結果として、適切な制動力(エンジンブレーキ)で減速できる。従って、大きな制動力によって積荷の落下、転倒などの事故が発生するのを防止できる。
一方、パーキングブレーキ系10bは、エアコンプレッサ29と、エアタンク30と、手動式コントロールバルブ31と、電動式コントロールバルブ32と、クィックリリースバルブ33と、マキシチャンバ34とを有している。
エアコンプレッサ29は、エアタンク30とエア配管を介して接続され、エンジン3aにより回転駆動され、エアタンク30に圧縮空気を供給する。エアタンク30は、エアコンプレッサ29と、手動式コントロールバルブ31とにエア配管を介して接続され、エアコンプレッサ29から供給される圧縮空気が所定圧力で充填される。そのため、圧縮空気を手動式コントロールバルブ31に急速に供給できる。
手動式コントロールバルブ31は、運転手の操作により作動し、マキシチャンバ34への圧縮空気の作動状態を切り換えるものであり、エアタンク30と電動式コントロールバルブ32とにエア配管を介して接続されている。また、手動式コントロールバルブ31には、運転手によって操作されるハンドレバー31aと、ハンドレバー31aに連結されている弁体31bと、弁体31bを付勢するスプリング31cとを有している。
また、手動式コントロールバルブ31には、エアタンク30とエア配管を介して接続される供気ポートP1と、電動式のコントロールバルブ32とエア配管を介して接続される排気ポートP2と、サイレンサSを介して大気と連通する大気ポートP3とが設けられている。
手動式コントロールバルブ31は、運転手によってハンドレバー31aが引かれていない状態(通常の走行状態)では、スプリング31cに付勢されている弁体31bよって、供気ポートP1と、排気ポートP2とが連通している。そのため、かかる状態では、エアタンク30からの圧縮空気は、供気ポートP1、排気ポートP2を介して、電動式コントロールバルブ32に供給される。
一方、運転手によってハンドレバー31bが引かれると、それに伴い弁体31bがスライドし、供気ポートP1を閉鎖し、排気ポートP2と大気ポートP3とを連通する。そのため、エアタンク30からの圧縮空気は、供気ポートP1で遮断され、反対に、電動式コントロールバルブ32側から供給される圧縮空気が、排気ポートP2、大気ポートP3を介して、大気に排気される。
電動式コントロールバルブ32は、制御コントローラ11から作動信号が入力されることにより電動で作動し、マキシチャンバ34への圧縮空気の作動状態を切り換えるものであり、手動式コントロールバルブ31とクィックリリースバルブ33とにエア配管を介して接続されている。
電動式コントロールバルブ32は、弁体32aと、その弁体32aを付勢するスプリング32bとを有している。また、電動式コントロールバルブ32には、手動式コントロールバルブ31とエア配管を介して接続される供気ポートP1と、クィックリリースバルブ33とエア配管を介して接続される排気ポートP2と、サイレンサSを介して大気と連通する大気ポートP3とが設けられている。
電動式コントロールバルブ32は、制御コントロール11から作動信号が入力されていない状態(通常の走行状態)では、スプリング32bに付勢されている弁体32aにより、供気ポートP1と、排気ポートP2とが連通している。そのため、かかる状態では、手動式コントロールバルブ31から電動式コントロールバルブ32に供給される圧縮空気は、供気ポートP1、排気ポートP2を介してクィックリリースバルブ33に供給される。
電動式コントロールバルブ32は、制御コントロール11から作動信号が入力されていない状態(通常の走行状態)では、スプリング32bに付勢されている弁体32aにより、供気ポートP1と、排気ポートP2とが連通している。そのため、かかる状態では、手動式コントロールバルブ31から電動式コントロールバルブ32に供給される圧縮空気は、供気ポートP1、排気ポートP2を介してクィックリリースバルブ33に供給される。
一方、制御コントロール11から作動信号が入力されると、弁体32aがスライドし、供気ポートP1を閉鎖し、排気ポートP2と大気ポートP3とを連通する。そのため、手動式コントロールバルブ31からの圧縮空気は、供気ポートP1で遮断され、反対に、クィックリリースバルブ33から供給される圧縮空気が、排気ポートP2、大気ポートP3を介して、大気に排気される。
クィックリリースバルブ33は、手動式コントロールバルブ31、または、電動式コントロールバルブ32から圧縮空気が大気に排気されると急速に作動し、マキシチャンバ34から圧縮空気を排気し、マキシチャンバ34を制動位置に駆動させる。即ち、これにより、パーキングブレーキがかかる。
マキシチャンバ34は、車輪5aのホイールに、空気圧によりスプリングを圧縮してブレーキシューを非制動位置に駆動し、空気圧が大気に排気されるとスプリングのばね力によりブレーキシューを制動位置に駆動させる。
そのため、パーキングブレーキ系10bによれば、手動式コントロールバルブ31のハンドレバー31bが引かれていない状態であって、且つ、電動式コントロールバルブ32に作動信号が入力されていない状態の場合には、圧縮空気がエアタンク30から手動式コントロールバルブ31、電動式コントロールバルブ32、クィックリリースバルブ33を介してマキシチャンバ34に供給され、ブレーキシューが非制動位置に駆動される。
一方、電動式コントロールバルブ32に作動信号が入力されていない状態で、手動式コントロールバルブ31のハンドレバー31aが引かれると、エアタンク30からの圧縮空気は、手動式コントロールバルブ31の供気ポートP1で遮断される。また、マキシチャンバ34内の圧縮空気がクィックリリースバルブ33、電動式コントロールバルブ32を介して、手動式コントロールバルブ31の大気ポートP3から大気に排気され、ブレーキシューが制動位置に駆動され、ホイールに制動力(パーキングブレーキ)を付与する。
また、手動式コントロールバルブ31のハンドレバー31aが引かれていない状態で、電動式コントロールバルブ32に作動信号が入力されると、エアタンク30からの圧縮空気は、電動式コントロールバルブ32の供気ポートP1で遮断される。また、マキシチャンバ34内の圧縮空気が、クィックリリースバルブ33を介して、電動式コントロールバルブ32の大気ポートP3から大気に排気されてブレーキシューが制動位置に駆動されてホイールに制動力(パーキングブレーキ)を付与する。
即ち、制御コントローラ11に非常停止スイッチ6からアイドルダウン信号が入力すると、まずは、エンジン制御係10aによってエンジンブレーキがかかり、制御コントローラ11にアイドルダウン信号が入力されてから所定時間経過後(例えば、5秒後)に、電動式コントロールバルブ32に作動信号が入力され、パーキングブレーキがかかることになる。
制御コントローラ11に非常停止スイッチ6からアイドルダウン信号が入力された場合に、エンジンブレーキをかけずに、直ちにパーキングブレーキを作動させることも可能である。しかし、この場合、運搬車両が急停止する可能性があり、急停止すると、積荷が落下、転倒する等の危険性がある。
これに対し、運搬車両1は、パーキングブレーキを作動させる前に、エンジンの回転数を低減して、エンジンブレーキを作動させることで、急停止するのを抑制できる。よって、運搬車両が急停止して、例えば、積荷が落下する等の危険を抑制できる上に、パーキングブレーキによって完全に非常停止させることができる。従って、運転手が運転不能な状態になっても、外部から安全に非常停止させることができる。
図4は、第2実施形態の走行制御装置100の電気回路および空気圧回路を示す図である。図3で説明した第1実施形態の走行制御装置10は、アイドルダウン信号が入力された後、タイマ11aで所定時間を計測し、所定時間経過後に電動式コントロールバルブ32に作動信号を出力する場合について説明した。
これに対し、第2実施形態は、アイドルダウン信号が入力された後、車輪5aが所定速度に到達した場合に、電動式コントロールバルブ32に作動信号を出力するものである。尚、図3と共通する構成には、共通する符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態の走行制御装置100は、車輪5aに速度センサ25が設けられている。また、制御コントローラ11に速度判定回路11bが実装されており、速度センサ25と速度判定回路11bとが電気的に接続されている。
そのため、速度センサ25からの信号がIN3端子を介して速度判定回路11bに入力されると、速度判定回路11bは、車輪5aが所定速度に到達したかを判定する。そして、到達したと判定した場合であって、非常停止スイッチ6からアイドルダウン信号がIN2端子を介して速度判定回路11bに入力されていることを条件に、電動式コントロールバルブ32に作動信号を出力する。
このように、第2実施形態の走行制御装置100によれば、非常停止スイッチ6からアイドルダウン信号が入力され、運搬車両1が所定速度になった後に、パーキングブレーキを作動させることができる。よって、アイドルダウン信号が入力された後、所定時間経過後にパーキングブレーキをかける場合よりも、より安全に運搬車両を非常停止させることができる。
以上、本実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、ECU9の指令によりエンジン3aの回転数を低減する場合について説明したが、非常停止スイッチ6からアイドルダウン信号が入力された場合には、直ちに、油圧ポンプを停止させるように構成しても良い。この場合でも、直ちに、パーキングブレーキをかける場合よりも、急停止するのを抑制できる。
また、上記実施形態では、手動式コントロールバルブ31と、電動式コントロールバルブ32とを設ける場合について説明したが、必ずしも、手動式コントロールバルブ31を設ける必要はない。この場合は、運転室2に電動式コントロールバルブ32を作動させるスイッチを設け、運転手でも、電動式コントロールバルブ32を作動可能に構成すれば良い。尚、一般公道を走行する場合には、手動式コントロールバルブ31が設けられている必要がある。そのため、手動式コントロールバルブ31と、電動式コントロールバルブ32とを設けることで、工場等の私有地内だけでなく、一般公道を走行することができる。
また、上記実施形態では、非常停止スイッチ6を運搬車両1の両側面に1つずつ取り付ける場合について説明したが、非常停止スイッチ6を取り付ける位置や、数は、これに限定されず、外部から操作可能な位置に取り付けられていれば良い。例えば、数は、一つでも、3つ以上でも良く、一方の側面に2つ以上設けても良い。また、取り付け位置は、側面に限らず、運搬車両1の前面、後面に設けても良い。
また、上記実施形態では、非常停止スイッチ6を着脱可能に構成する場合について説明したが、これに限定されない。非常停止スイッチ6を、例えば、車体側面に溶接し、着脱不可能に構成しても良い。また、上記実施形態では、乗員定数が運転手の1人である場合について説明したが、乗員定数は1人に限らず、2人以上であっても良い。また、上記実施形態では、数十トン〜数百トン級の重量物を積載して運搬する運搬車両1について説明したが、乗用車やバス等の一般車両であっても良い。
また、上記実施形態では、マグネット製の支持プレート7を、運搬車両1の外側面にビスB1で取り付け、その支持プレート7に金属製の本体ケース6b(非常停止スイッチ6)を磁力で取り付ける場合について説明したが、これに限定されない。例えば、本体ケース6bをプラスチック製とし、その本体ケース6bに支持プレート7(磁石)を固定し、鉄製の運搬車両1の外側面に、支持プレート7の磁力で本体ケース6bを固定しても良い。また、非常停止スイッチ6を車体側面に取り付ける手段
は、磁力に限定されない。例えば、ビス、接着剤等で取り付けるようにしても良い。
は、磁力に限定されない。例えば、ビス、接着剤等で取り付けるようにしても良い。
1 運搬車両
6 非常停止スイッチ(入力手段の一例)
10a エンジン制御系(エンジンブレーキ作動手段の一例)
10b パーキングブレーキ系(非常パーキングブレーキ作動手段の一例)
11 制御コントローラ(エンジンブレーキ作動手段の一例、非常パーキングブレーキ作動手段の一例)
6 非常停止スイッチ(入力手段の一例)
10a エンジン制御系(エンジンブレーキ作動手段の一例)
10b パーキングブレーキ系(非常パーキングブレーキ作動手段の一例)
11 制御コントローラ(エンジンブレーキ作動手段の一例、非常パーキングブレーキ作動手段の一例)
Claims (4)
- パーキングブレーキを備えている運搬車両において、
車体の外面に取り付けられ、外部から操作されることで非常停止指令を入力する入力手段と、
その入力手段を介して前記非常停止指令が入力された場合にエンジンの回転を低減させるエンジンブレーキ作動手段と、
そのエンジンブレーキ作動手段によりエンジンの回転数を低減させた後で、前記パーキングブレーキを作動させる非常パーキングブレーキ作動手段とを備えていることを特徴とする運搬車両。 - 前記入力手段は、前記車体の長手方向の両側面に、各々1個以上取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の運搬車両。
- 乗員定数が運転手の1名であることを特徴とする請求項1又は2に記載の運搬車両。
- 前記入力手段は、前記車体の外面に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の運搬車両。
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