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JP2015001025A - 羽毛抜け防止布帛 - Google Patents

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JP2015001025A
JP2015001025A JP2013124428A JP2013124428A JP2015001025A JP 2015001025 A JP2015001025 A JP 2015001025A JP 2013124428 A JP2013124428 A JP 2013124428A JP 2013124428 A JP2013124428 A JP 2013124428A JP 2015001025 A JP2015001025 A JP 2015001025A
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feather
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JP2013124428A
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雅史 奥田
Masafumi Okuda
雅史 奥田
広信 鷲崎
Hironobu Washisaki
広信 鷲崎
安藤 智子
Tomoko Ando
智子 安藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】充填物を内包する衣料用または寝具用などに用いられる布帛において、キルティング部分など縫目からの充填物吹出し抑制と風合いに優れた羽毛抜け防止布帛を提供する。
【解決手段】
総繊度が25〜50デシテックスの割繊型複合繊維から構成され、溶出または分割処理後に少なくとも一部の単繊維繊度が1.0デシテックス以下の細繊度とする事で、縫い目ずれが小さいため充填物吹出し抑制と風合いに優れた軽量な羽毛抜け防止布帛を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、充填物を内包した衣料または寝具などに用いられる布帛に関し、充填物の吹き出しを抑制し、かつ風合いにも優れた布帛に関するものである。
従来、冬季に、または寒冷地で使用されるダウンジャケットや寝袋・ふとんなどの縫製品は、防寒性を高めるために羽毛や中綿などの充填物を充填したものが市販されている。
これらの製品は、羽毛や中綿の抜け出しを防止するため低通気度の布帛が要求される。低通気度の布帛を得るためには生地の織り方を高密度化してカレンダー加工によって繊維を圧縮して糸糸間の隙間を小さくする方法(特許文献1)、樹脂コーティングにより通気度をコントロールして羽毛や中綿の抜け出しを防止する布帛が知られている(特許文献2)。
しかしながら、カレンダー加工や樹脂加工が施された布帛はソフトな風合いを得る事が難しく、婦人服に代表される高級衣料の表面感は得られない。
一方、ポリエステル繊維とポリアミド繊維とを混用し、極めて緻密な織物構造とすることで、良好なソフト風合いと通気度低減による防風機能を有し、ダウンジャケットにも使用可能な染色織物の製造方法が知られている(特許文献3)。しかしながら、これに記載の織物はカバーファクターが3000以上という極めて緻密な構造であるため目付けが重く、近年のダウンジャケットに求められる軽量性という特性を満足することは困難であった。
特開2005−48298 特開2011−21309 特開2004−60066
縫製品の充填物吹き出し防止に関しては、生地からの羽毛噴出を抑えるために通気度を低減する方法が種々検討されているが、実際には、生地自体からの充填物吹き出しは少なく、むしろキルティング部分などの縫目からの充填物噴出しが多い。本発明は、縫目からの充填物噴出し防止には縫目ずれを抑える方法が有効であることを見出し、縫目からの羽毛噴出しが極めて少なく、高級衣料に求められる良好な風合いとダウンジャケットに求められる軽量性を兼ね備えた羽毛抜け防止布帛を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の布帛は下記の構成から成る。
(1)総繊度が25〜50デシテックスの割繊型複合繊維に、一部溶出処理または分割処理して得られた、少なくとも一部の単繊維繊度が1.0〜0.05デシテックスであるマルチフィラメント糸を経糸または緯糸の少なくともどちらか一方に用いた布帛からなり、該布帛のカバーファクターが1500以上、3000未満、縫目ずれが1.0mm以下であることを特徴とする羽毛抜け防止布帛。
(2) 該布帛の目付けが100g/m2以下、かつ通気度が0.5cc/cm2・sec以下であることを特徴とする上記(1)に記載の羽毛抜け防止布帛。
(3)該布帛はカレンダー加工が施されていないことを特徴とする上記(1) または(2)に記載の羽毛抜け防止布帛。
(4)該布帛は樹脂コーティングが施されていないことを特徴とする上記(1) または(2)に記載の羽毛抜け防止布帛。
充填物を内包する衣料用または寝具用などに用いられる布帛であって、キルティング部分など縫目からの充填物吹出し抑制と風合いに優れた羽毛抜け防止布帛を提供することを目的とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の布帛は、柔軟性に優れたソフトな風合いを得るために、経糸または緯糸の少なくともどちらか一方に総繊度が25〜50デシテックスの割繊型複合繊維を用いることが好ましく、特に25〜35デシテックスの割繊型複合繊維を用い、カバーファクター1500以上、3000未満の布帛に仕上げることがダウンジャケット用布帛に求められる羽毛抜け防止性能と軽量性を両立できる点から好ましい。該割繊型複合繊維を溶出または分割処理することで、少なくとも一部の単繊維繊度が1.0〜0.05デシテックスの極細マルチフィラメント糸となる割繊型複合繊維を用いることが好ましく、さらに好ましくは、少なくとも一部の単繊維繊度を0.5〜0.05デシテックスとすることで柔軟性に優れたソフトな風合いを得ることができる。
複合繊維の形態としては、ポリエステルとポリアミドとを製糸の段階で溶融紡糸して複合する複合繊維が均一に混合できるので好ましく、溶出または割繊処理後に直接紡糸では得られない異型断面極細糸が得られる点でも製糸の段階で溶融紡糸する複合繊維が好ましい。
原糸をヨコ断面で見た場合、芯部にポリアミドが星型に配置され、鞘部にポリエステルが配置される、もしくは芯部にポリエステルが星型に配置され、鞘部にポリアミドが配置される形態とすることで、溶出または割繊処理後に直接紡糸では得られない異型部の頂点を成す角度が鋭角な異型糸を得る事ができ、エッジ効果による縫目ずれ低減効果が得られるためより好ましい。
複合繊維を構成する樹脂成分としては、2種類以上の樹脂を選択することができ、例えばナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、あるいはそれらの共重合ポリエステルなどが挙げられ、特に限定することなく用いる事ができる。
本発明では、まず、ポリエステルとポリアミドからなる複合繊維を織物の経糸または/および緯糸に用いて生機を製織する。次いで生機を精練した後、溶出または分割処理を行う。処理方式としては均一な割繊および収縮が得られることから液流処理が好ましい。
次いで液流染色機で染色した後、ピンテンターで乾熱セットして仕上げて、カバーファクター1500以上3000未満の布帛として仕上げることが好ましく、該布帛の縫目ずれを1.0mm以下、通気度を0.5cc/cm2・sec以下および目付けを100g/m2以下に仕上げる事が好ましい。
カバーファクターが1500未満の布帛は、縫目ずれが起こりやすく、通気度低減の観点からも好ましくない。
またカバーファクターが3000以上の布帛は、縫目ずれ、通気度の点では問題ないが、極めて高密度の布帛であるため目付けが重く、ダウンジャケット用途など軽量性が求められる羽毛抜け防止布帛として好ましくない。
なお、本発明の布帛において、通気度の低減を目的としたカレンダー加工や樹脂コーティングは不要であるが、意匠を凝らす目的でエンボス加工やカレンダー加工を施しても良く、また撥水性の付与および耐水圧向上を目的に撥水加工や樹脂コーティングを行っても良い。
(評価方法、測定方法)
[充填物吹き出し]
タテ50cm、ヨコ40cmの生地に、充填物として羽毛を60g/mの目付量で充填した座布団を作成し、ミシン縫製によりタテ方向に3本縫目を入れてキルティング部とする。なおミシン糸は(株)フジックス製Plumeポリエステル100% #50を使用した。
これをタンブル乾燥機にゴム管(JISL1076 ICIピリング試験用に規定)10本と一緒に入れ、1時間運転後、座布団のキルティング部の表面に付着した羽毛の個数を計測した。
[ 滑脱抵抗力(縫目ずれ)]
JIS L 1096(2010年)に規定される縫目滑脱法B法に準拠し、 引っ張り荷重117.6Nで評価した。値が小さい程、目ズレが少なく良好なものである。
[ 通気度 ]
JIS L 1096(2010年)に規定される通気度(フラジール法)に準拠した方法にて評価した。値が小さい程、布帛の通気量が少なく良好なものである。
[カバーファクター]
JIS L 1096(2010年)に準じて織物の経糸密度および緯糸密度を2.54cmの区間にて測定した。
カバーファクターの値は、カバーファクター(CF)=経糸密度×(経糸繊度)1/2+緯糸密度×(緯糸繊度)1/2 の式より求めた。
[繊度測定]
布帛の断面を走査型電子顕微鏡で観察して、10箇所の糸の断面サイズからポリエステル繊維およびポリアミド繊維の単繊維繊度(平均値)を読み取った。
[実施例1]
(1)製糸
芯成分としてポリアミド、鞘成分としてポリエステルを用い、芯成分が8葉形の星型断面を有し、周囲の鞘成分が扇型となる、33デシテックス、18フィラメントの割繊型複合繊維を得た。
(2)製織
経緯とも33デシテックス、18フィラメントの割繊型複合繊維を用い、織密度が経170本/2.54cm、緯150本/2.54cmとなるようウォータージェット織機で製織した。
(3)染色加工
得られた生機を連続拡布精練し、引き続き、液流染色機を用いて割繊処理を行ったのち、ピンテンターで乾熱セットした。次いで液流染色機を用い分散染料にて染色し、ピンテンターで乾熱セットして、経密度236本/2.54cm、緯密度197本/2.54cmに仕上げた。
なお割繊処理により、割繊後の単繊維繊度はポリアミドが0.6デシテックス、1フィラメント、ポリエステルが0.16デシテックス、8フィラメントのマルチフィラメントからなる布帛とした。
得られた布帛の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
(1)製糸
芯成分としてポリエステル、鞘成分としてポリアミドを用い、芯成分が8葉形の星型断面を有し、周囲の鞘成分が扇型となる、35デシテックス、18フィラメントの割繊型複合繊維を得た。
(2)製織
経緯とも35デシテックス、18フィラメントの割繊型複合繊維で、織密度が経175本/2.54cm、緯155本/2.54cmとなるようウォータージェット織機で製織した。
(3)染色加工
得られた生機を連続拡布精練し、引き続き、液流染色機を用いて割繊処理を行ったのち、ピンテンターで乾熱セットした。次いで液流染色機を用いポリエステル成分25%を苛性ソーダ溶液で溶出し、ポリアミド成分のみからなる布帛としたのち、酸性染料にて染色し、ピンテンターで乾熱セットして仕上げた。
仕上げ品は経糸密度236本/2.54cm、緯201本/2.54cmであった。
なお溶出処理によりポリエステル成分は全て溶出、総繊度26デシテックス、フィラメントの単繊維繊度は0.18デシテックス、8フィラメントのポリアミドマルチフィラメントからなる布帛とした。 得られた布帛の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
経緯とも、33デシテックス、26フィラメントのナイロン6を用い、織密度が経170本/2.54cm、緯150本/2.54cmとなるようウォータージェット織機で製織した。
得られた生機を連続拡布精練・乾燥し、次いで液流染色機を用い酸性染料にて染色・乾燥・セットしたのち、ウレタン樹脂をフローティングナイフでコーティング・乾燥したのち、ピンテンターで乾熱セットして仕上げた。
仕上げ品は経糸密度178本/2.54cm、緯156本/2.54cmであった。
得られた布帛の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
(1)製糸
芯成分としてポリアミド、鞘成分としてポリエステルを用い、芯成分が8葉形の星型断面を有し、周囲の鞘成分が扇型となる、56デシテックス、18フィラメントの割繊型複合繊維を得た。
(2)製織
経緯とも56デシテックス、18フィラメントの割繊型複合繊維で、織密度が経165本/2.54cm、緯145本/2.54cmとなるようウォータージェット織機で製織した。
(3)染色加工
得られた生機を連続拡布精練し、引き続き、液流染色機を用いて割繊処理を行ったのち、ピンテンターで乾熱セットした。次いで液流染色機を用い分散染料にて染色し、ピンテンターで乾熱セットして仕上げた。
仕上げ品は経糸密度217本/2.54cm、緯185本/2.54cmであった。
なお割繊処理により、割繊後の単繊維繊度はポリアミドが1.3デシテックス、1フィラメント、ポリエステルが0.24デシテックス、8フィラメントのマルチフィラメントからなる布帛とした。
得られた布帛の評価結果を表1に示す。
Figure 2015001025
表1の実施例1および2に示すように、本発明は縫目ずれが小さい布帛であり充填物噴出し試験において充填物の吹き出しが無く、目付け100g/m2以下の軽量な羽毛抜け防止布帛を得る事ができた。
本発明は、充填物を内包した衣料用または寝具用の布帛であり、ダウンジャケット、寝袋、布団等を構成する布帛に利用する事ができる。

Claims (4)

  1. 総繊度が25〜50デシテックスの割繊型複合繊維に、一部溶出処理または分割処理して得られた、少なくとも一部の単繊維繊度が1.0〜0.05デシテックスであるマルチフィラメント糸を経糸または緯糸の少なくともどちらか一方に用いた布帛からなり、該布帛のカバーファクターが1500以上、3000未満、縫目ずれが1.0mm以下であることを特徴とする羽毛抜け防止布帛。
  2. 該布帛の目付けが100g/m2以下、かつ通気度が0.5cc/cm2・sec以下であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛抜け防止布帛。
  3. 該布帛はカレンダー加工が施されていないことを特徴とする請求項1または2に記載の羽毛抜け防止布帛。
  4. 該布帛は樹脂コーティングが施されていないことを特徴とする請求項1または2に記載の羽毛抜け防止布帛。
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