JP2015066806A - 複式筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
この複式筆記具における筆記体の繰り出し方式の一つに、ノック式繰り出し方式と呼ばれるものがある。このノック式繰り出し方式は、軸筒の後端部に軸方向に沿って複数のガイドスリットが形成され、これらのガイドスリットに沿ってノック棒の操作部(指掛け部)がそれぞれ外側に突出してスライド可能に配置された構成が採用されている。
そして、軸筒内に配置される各ノック棒の前端部には、筆記体として機能する例えばボールペンリフィールやシャープペンシルリフィールの後端部が、それぞれ嵌合されて装着される。
また、いずれかの筆記体の先端筆記部が繰り出されている状態において、他の筆記体のノック棒を前方に向かってノック操作することで、先端筆記部が繰り出されている前記筆記体はリターンスプリングによって後退し、代わって他の筆記体の先端筆記部が軸筒の先端口から繰り出されるように作用する。
例えば、4本のリフィールを備えた複式筆記具によると、4本の操作部(指掛け部)が90度の等間隔で軸筒から径方向に突出すると共に、さらに90度間隔の2つの操作部の中間部にクリップが存在することになる。
このような課題を解消するために、クリップの幅寸法を狭くしてクリップの両外側から軸筒側に向かうクリップの背面部分を削ぐように加工することで、クリップとその両外側に位置する各操作部との間の隙間を大きく確保した例が、特許文献1に開示されている。 特許文献1に開示された前記構成によると、クリップに十分な幅寸法を持たせることは不可能となり、クリップの強度不足の問題を招来させると共に、デザイン上においても不満が残るものとなる。
この複式筆記具によると、クリップの両側における操作部を十分に離して配置することができるので、十分な幅寸法を持たせたクリップを採用することができる。
そして、いずれかのノック棒のノック操作に伴い、前記スリーブの円柱状部材を揺動させて、前進状態のノック棒の係止が解除されるように構成されている。
それ故、特許文献2に開示された複式筆記具によると、部品点数の増加と共に、スリーブの組み付け工程が必要となり、製造コストの高騰を招くことになる。また、前記スリーブは細径に形成された可撓性の支持体によって円柱状部材を揺動可能に支持する構成であるため、長期の繰り返しの使用によりスリーブが破損し易く、動作の信頼性に欠けるという問題も抱えている。
加えて、前記した構成の複式筆記具においては、前記軸筒内にはそれぞれ同一形状で同一寸法の4本のノック棒が搭載されていることが望ましく、前記各ノック棒はそれぞれリターンスプリングにより軸筒の後端部に向かって付勢された構成が採用される。
したがって、他の第2のノック棒を前進移動させた時には、第2のノック棒に形成された係止解除カムが、前進状態のノック棒の被押圧突起に確実に当接し、前進状態のノック棒の係止状態を解除することができる。これにより前進状態の筆記体を確実に後退させることが可能となる。
図1に全体構成で示しているとおり、この複式筆記具1の外郭を構成する軸筒は、前軸2および後軸3により構成されている。すなわち、前軸2の後端部外周面に形成された雄ネジに対して、後軸3の前端部内周面に形成された雌ネジが螺合して両者が分離可能に連結されている。
これにより、各ノック棒8およびこれに接続されたボールペンリフィール5は、前記リターンスプリングにより軸筒の後端部側に向かって付勢されている。
前記4本のガイドスリット9が形成された後軸3内には、図6〜図11に単体構成で示した内筒部材11が収容されており、この内筒部材11には前記ノック棒8を前進状態に係止する係止面、および前進状態におけるノック棒の軸回転(横振れ)を阻止する回転防止壁等が形成されている。なお前記ノック棒8と内筒部材11の構成については、後で詳細に説明する。
この場合、前記後軸3の内周面には縦長のリブが形成され、前記内筒部材11の一部には、縦長の溝が形成されており、前記リブに前記溝が嵌め合わされることで、前記内筒部材11は後軸3内に位置決めされて取り付けられている。
また、図3および図4は、図2における矢印a−a方向、および矢印b−b方向に見た状態を拡大して示した断面図であり、特に図3に示されているとおり、この実施の形態においては、各ノック棒に形成された操作部が、前記軸筒の周方向において不等間隔に配置されている。
そして、前記クリップ13の両外側以外のノック棒8の操作部8aにおいては、隣接する周方向の配置間隔がそれぞれ85度に設定されている。
加えて、前記操作部8aと被押圧突起8dとの境界部が、ノック棒8を前進状態に係止する後端係止部8fを構成している。
なお、この実施の形態においては、いずれもほぼ同一形状で構成された図5に示す構成の4本のノック棒8が用いられている。
また内筒部材11の前端部は円環部11bを構成し、この円環部11bと細径部11aを除いた中央部には、特に図11に明示されているとおり、軸方向に沿って4本のスリット11cが形成されている。
したがって、内筒部材11に形成された4本の前記スリット11cは、その後半部は前記柱状体11dの存在により実質的にスリット幅が狭い領域を形成し、その前半部は実質的にスリット幅が広い領域を形成している。
すなわち、前記係止面11dよりも軸方向の前方位置にノック棒の回転防止壁11fが形成されている。
この状態で、例えばクリップ13を挟むいずれか一方のノック棒8を、前記操作部8aを利用して前進移動させた場合、このノック棒8の前記操作部8aは内筒部材11に形成された実質的にスリット幅が広い領域に移動して軸芯方向に落ち込む。これにより、ノック棒8の後端係止部8fが、前記内筒部材11に形成された係止面11dに係止される。
この結果、第1のノック棒8は前記したリターンスプリングの作用により後退し、第2のノック棒8の後端係止部8fが、内筒部材11に形成された係止面11cに係止され、これにより先端口4から繰り出される先端筆記部5aの交換がなされる。
しかし前記係止面11d、回転防止壁11fなどは、後軸3と一体に形成した構成も採用することができ、これによればより部品点数を削減することに寄与できる。
2 前軸(軸筒)
3 後軸(軸筒)
4 先端口
5 筆記体(ボールペンリフィール)
5a 先端筆記部(ボールペンチップ)
6 グリップ部材
7 スペーサ
8 ノック棒
8a 操作部
8b 連結部
8c スプリング受け部
8d 被押圧突起
8e 係止解除カム
8f 後端係止部
9 ガイドスリット
11 内筒部材
11a 細径部
11b 円環部
11c スリット
11d 係止面
11e 柱状体
11f 回転防止壁
12 キャップ部材
13 クリップ
Claims (5)
- 軸筒の後端側に軸方向に沿って形成された複数のガイドスリットから、それぞれ操作部が前記軸筒の外側に突出して摺動可能に配置されたノック棒と、当該ノック棒の前端部に各筆記体がそれぞれ接続され、前記ノック棒の前進移動により当該ノック棒に接続された前記筆記体の先端筆記部が、軸筒の先端口から繰り出されて係止されるように構成されると共に、前記各ノック棒の操作部が、前記軸筒の周方向において不等間隔に配置された複式筆記具であって、
前記各ノック棒のそれぞれの操作部の配置間隔が最も大きな2つのノック棒の間には、当該ノック棒の前進移動状態におけるノック棒の軸回転を阻止する回転防止壁が、前記2つのノック棒の移動方向に沿って配置されていることを特徴とする複式筆記具。 - 前記各ノック棒のそれぞれの操作部の配置間隔が最も大きな前記2つのノック棒の間における前記軸筒の外側に、軸筒の長手方向に沿ってクリップが配置されていることを特徴とする請求項1に記載された複式筆記具。
- 前記軸筒内には、それぞれほぼ同一形状の4本のノック棒が搭載され、前記各ノック棒はそれぞれリターンスプリングにより軸筒の後端部に向かって付勢されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された複式筆記具。
- 前記各ノック棒には、軸方向の後端部側に被押圧突起が形成されると共に、被押圧突起よりも軸方向の前方に係止解除カムがそれぞれ形成され、第1のノック棒が前進移動して係止状態にある時に、第2のノック棒を前進移動させることで、第2のノック棒に形成された係止解除カムが第1のノック棒に形成された被押圧突起を押圧して、第1のノック棒の前記係止状態を解除するように構成され、
操作部の配置間隔が最も大きな前記2つのノック棒のいずれかの前進移動時において、当該ノック棒に形成された前記被押圧突起が、前記ノック棒の回転防止壁に接することで、ノック棒の軸回転が阻止されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載された複式筆記具。 - 前記軸筒内の後端部には内筒部材が収容され、前記内筒部材には、前記各ノック棒に形成された後端係止部を係止してノック棒に接続された筆記体を前進移動状態に保持する係止面が形成され、前記係止面よりも軸方向の前方位置に前記ノック棒の回転防止壁が、前記内筒部材に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載された複式筆記具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017030246A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 三菱鉛筆株式会社 | 複式筆記具 |
JP2017030247A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 三菱鉛筆株式会社 | 複式筆記具 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012240409A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Pilot Corporation | スライド式の多芯筆記具 |
JP6057051B2 (ja) * | 2012-04-10 | 2017-01-11 | ぺんてる株式会社 | 多芯筆記具 |
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