JP2015065756A - 受電装置および送電装置 - Google Patents
受電装置および送電装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015065756A JP2015065756A JP2013198357A JP2013198357A JP2015065756A JP 2015065756 A JP2015065756 A JP 2015065756A JP 2013198357 A JP2013198357 A JP 2013198357A JP 2013198357 A JP2013198357 A JP 2013198357A JP 2015065756 A JP2015065756 A JP 2015065756A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power
- capacitor
- unit
- filter circuit
- power transmission
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)
Abstract
【課題】送電装置から非接触で受電する受電装置において、フィルタ回路の部品の共用化を図り、かつ、フィルタ回路を設けることによるシステム特性の変化を抑制する。
【解決手段】フィルタ回路150は、受電部100と整流部200との間に設けられ、インダクタ154,158とキャパシタ152,156とを含む4次LCフィルタによって構成される。インダクタ154,158のインダクタンスは互いに等しく、キャパシタ152,156のキャパシタンスは互いに等しい。キャパシタ152,156のキャパシタンスは、インダクタ154,158のインダクタンスをLとし、かつ、伝送電力の周波数をfとした場合に、C≒2/(L×(2πf)2)に設定される。
【選択図】図4
【解決手段】フィルタ回路150は、受電部100と整流部200との間に設けられ、インダクタ154,158とキャパシタ152,156とを含む4次LCフィルタによって構成される。インダクタ154,158のインダクタンスは互いに等しく、キャパシタ152,156のキャパシタンスは互いに等しい。キャパシタ152,156のキャパシタンスは、インダクタ154,158のインダクタンスをLとし、かつ、伝送電力の周波数をfとした場合に、C≒2/(L×(2πf)2)に設定される。
【選択図】図4
Description
この発明は、受電装置および送電装置に関し、特に、送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送する電力伝送システムに用いられる受電装置および送電装置に関する。
近年、非接触で電力を伝送する非接触電力伝送が注目されている。特開2002−49428号公報(特許文献1)は、そのような非接触電力伝送を実現する非接触給電装置に用いられるイミタンス変換器を開示する。このイミタンス変換器は、第1および第2リアクトルと、第1および第2キャパシタとから成る4次フィルタによって構成される。第1および第2リアクトルは、それぞれ第1のインダクタンスpL(0<p<1)および第2のインダクタンスLを有する。第1および第2キャパシタは、それぞれ第1のキャパシタンスCおよび第2のキャパシタンス(1−p)Cを有する。
このイミタンス変換器によれば、共振周波数frの高調波を抑制することができ、さらに、共振周波数frが変化しても出力電流および出力電圧の変化を抑制することができるとされる(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のイミタンス変換器(フィルタ回路)では、第1リアクトルのインダクタンスと第2リアクトルのインダクタンスとが異なり、また、第1キャパシタのキャパシタンスと第2キャパシタのキャパシタンスとが異なるので、部品の共用化ができない。
また、上記のイミタンス変換器(フィルタ回路)は、L,Cの変更や負荷状態の変化に対して変換器の電流・電圧利得が変化するので、イミタンス変換器を設けることによって非接触給電装置のシステム特性が変化し、システム設計を変更する必要性が生じ得る。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、送電装置から非接触で受電する受電装置において、フィルタ回路の部品の共用化を図り、かつ、フィルタ回路を設けることによるシステム特性の変化を抑制することである。
また、この発明の別の目的は、受電装置へ非接触で送電する送電装置において、フィルタ回路の部品の共用化を図り、かつ、フィルタ回路を設けることによるシステム特性の変化を抑制することである。
この発明によれば、受電装置は、受電部と、整流部と、フィルタ回路とを備える。受電部は、送電装置から出力される電力を非接触で受電する。整流部は、受電部により受電された電力を整流する。フィルタ回路は、受電部と整流部との間に設けられる。フィルタ回路は、第1および第2のインダクタと、第1および第2のキャパシタとを含む。第1および第2のインダクタは、受電部と整流部との間に接続される電力線対の少なくとも一方に設けられる。第1および第2のキャパシタは、各々が電力線対間に接続され、受電部と整流部との間において第1および第2のインダクタと交互に設けられる。第1のインダクタのインダクタンスは、第2のインダクタのインダクタンスと等しい。第1のキャパシタのキャパシタンスは、第2のキャパシタのキャパシタンスと等しい。そして、キャパシタンスは、インダクタンスをLとし、かつ、電力の周波数をfとした場合に、C≒2/(L×(2πf)2)に設定される。
この受電装置においては、第1のインダクタのインダクタンスは、第2のインダクタのインダクタンスと等しく、第1のキャパシタのキャパシタンスは、第2のキャパシタのキャパシタンスと等しいので、第1および第2のインダクタを共用することができ、第1および第2のキャパシタを共用することができる。また、第1および第2のキャパシタのキャパシタンスCを上記のように設定することにより、フィルタ回路は、基本波(周波数f)に対しては、電流・電圧利得が1となり、基本波よりも高い周波数の波(高調波など)に対しては、通常のLCフィルタとして機能する。したがって、この受電装置によれば、フィルタ回路の部品の共用化を図り、かつ、フィルタ回路を設けることによるシステム特性の変化を抑制することができる。
好ましくは、C0=2/(L×(2πf)2)とした場合に、キャパシタンスは、0.9×C0<C<1.1×C0の範囲に設定される。
実際のシステムにおいては、周波数fやフィルタ回路を構成する部品のばらつきが存在する。この受電装置によれば、第1および第2のキャパシタのキャパシタンスCを上記の範囲に設定することによって、電流・電圧利得は1から乖離するものの、フィルタ回路の効率の大幅な低下を回避することができる。
好ましくは、受電部は、受電コイルと、受電コイルに直列に接続される直列キャパシタとを含む。第1および第2のインダクタならびに第1および第2のキャパシタは、受電部側から、第1のキャパシタ、第1のインダクタ、第2のキャパシタ、第2のインダクタの順に設けられる。
受電部が直列キャパシタを含む構成においては、フィルタ回路の初段(受電部に最も近い位置)にインダクタを設けると、そのインダクタのインダクタンスにより受電部の共振状態が影響を受ける。この受電装置によれば、フィルタ回路の初段には第1のキャパシタが設けられるので、フィルタ回路による受電部の共振状態への影響を回避することができる。
また、好ましくは、受電部は、受電コイルと、受電コイルに並列に接続される並列キャパシタとを含む。第1および第2のインダクタならびに第1および第2のキャパシタは、受電部側から、第1のインダクタ、第1のキャパシタ、第2のインダクタ、第2のキャパシタの順に設けられる。
受電部が並列キャパシタを含む構成においては、フィルタ回路の初段にキャパシタを設けると、そのキャパシタのキャパシタンスにより受電部の共振状態が影響を受ける。この受電装置によれば、フィルタ回路の初段には第1のインダクタが設けられるので、フィルタ回路による受電部の共振状態への影響を回避することができる。
好ましくは、受電部は、受電コイルと、受電コイルに直列に接続される直列キャパシタとを含む。整流部は、コンデンサインプット型整流回路を含む。
受電部が直列キャパシタを含む構成においては、受電部は整流部に対して電流源となる。このような場合に、電流変化を妨げるチョークコイルを整流回路の直後に設けると、入力電流が歪み、力率が低下する。この受電装置によれば、整流部は、整流回路の直後にチョークコイルを設けないコンデンサインプット型整流回路を含むので、力率低下を抑制することができる。
また、好ましくは、受電部は、受電コイルと、受電コイルに並列に接続される並列キャパシタとを含む。整流部は、チョークインプット型整流回路を含む。
受電部が並列キャパシタを含む構成においては、受電部は整流部に対して電圧源となる。このような場合に、電流変化を妨げるチョークコイルを整流回路の直後に設けないと、電流がパルス状となり、力率が低下する。この受電装置によれば、整流部は、整流回路の直後にチョークコイルが設けられるチョークインプット型整流回路を含むので、力率低下を抑制することができる。
また、この発明によれば、送電装置は、交流電源と、送電部と、フィルタ回路とを備える。送電部は、交流電源から電力の供給を受けて受電装置へ非接触で送電する。フィルタ回路は、交流電源と送電部との間に設けられる。フィルタ回路は、第1および第2のインダクタと、第1および第2のキャパシタとを含む。第1および第2のインダクタは、交流電源と送電部との間に接続される電力線対の少なくとも一方に設けられる。第1および第2のキャパシタは、各々が電力線対間に接続され、交流電源と送電部との間において第1および第2のインダクタと交互に設けられる。第1のインダクタのインダクタンスは、第2のインダクタのインダクタンスと等しい。第1のキャパシタのキャパシタンスは、第2のキャパシタのキャパシタンスと等しい。そして、キャパシタンスは、インダクタンスをLとし、かつ、交流電源の周波数をfとした場合に、C≒2/(L×(2πf)2)に設定される。
この送電装置においては、第1のインダクタのインダクタンスは、第2のインダクタのインダクタンスと等しく、第1のキャパシタのキャパシタンスは、第2のキャパシタのキャパシタンスと等しいので、第1および第2のインダクタを共用することができ、第1および第2のキャパシタを共用することができる。また、第1および第2のキャパシタのキャパシタンスCを上記のように設定することにより、フィルタ回路は、基本波(周波数f)に対しては、電流・電圧利得が1となり、基本波よりも高い周波数の波(高調波など)に対しては、通常のLCフィルタとして機能する。したがって、この送電装置によれば、フィルタ回路の部品の共用化を図り、かつ、フィルタ回路を設けることによるシステム特性の変化を抑制することができる。
好ましくは、C0=2/(L×(2πf)2)とした場合に、キャパシタンスは、0.9×C0<C<1.1×C0の範囲に設定される。
この送電装置によれば、第1および第2のキャパシタのキャパシタンスCを上記の範囲に設定することによって、電流・電圧利得は1から乖離するものの、フィルタ回路の効率の大幅な低下を回避することができる。
好ましくは、交流電源は、矩形波電圧を出力するインバータを含む。第1および第2のインダクタならびに第1および第2のキャパシタは、交流電源側から、第1のインダクタ、第1のキャパシタ、第2のインダクタ、第2のキャパシタの順に設けられる。
矩形波電圧を出力するインバータに対して、フィルタ回路の初段(受電部に最も近い位置)にキャパシタを設けると、キャパシタにパルス状の大電流が流れる。この送電装置によれば、フィルタ回路の初段には第1のインダクタが設けられるので、上記のような大電流が流れるのを抑制することができる。
好ましくは、送電部は、送電コイルと、送電コイルに並列に接続される並列キャパシタとを含む。第1および第2のインダクタならびに第1および第2のキャパシタは、交流電源側から、第1のキャパシタ、第1のインダクタ、第2のキャパシタ、第2のインダクタの順に設けられる。交流電源は、電流形インバータを含む。
送電部が並列キャパシタを含む構成においては、フィルタ回路の最終段(送電部に最も近い位置)にキャパシタを設けると、そのキャパシタのキャパシタンスにより送電部の共振状態が影響を受ける。この送電装置によれば、フィルタ回路の最終段には第2のインダクタが設けられるので、フィルタ回路による送電部の共振状態への影響を回避することができる。一方、フィルタ回路の初段には第1のキャパシタが設けられるところ、矩形波電圧を出力するインバータによって交流電源を構成すると、上述のように交流電源から第1のキャパシタへ大電流が流れる。この送電装置によれば、交流電源は電流形インバータを含むので、交流電源からフィルタ回路の第1のキャパシタへ大電流が流れるのを抑制することができる。
この発明によれば、フィルタ回路の部品の共用化を図り、かつ、フィルタ回路を設けることによるシステム特性の変化を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、実施の形態1による電力伝送システムは、車両10と、送電装置20とを備える。車両10は、受電部100と、フィルタ回路150と、整流部200と、蓄電装置300と、動力生成装置400と、車両ECU(Electronic Control Unit)500とを含む。
図1は、この発明の実施の形態1による電力伝送システムの全体構成図である。図1を参照して、実施の形態1による電力伝送システムは、車両10と、送電装置20とを備える。車両10は、受電部100と、フィルタ回路150と、整流部200と、蓄電装置300と、動力生成装置400と、車両ECU(Electronic Control Unit)500とを含む。
受電部100は、送電装置20の送電部700(後述)から出力される電力(交流)を非接触で受電するためのコイルを含む。受電部100は、受電した電力を整流部200へ出力する。この実施の形態1では、図2および図3に示されるように、送電装置20が地表または地中に設けられるものとし、受電部100は、車体前方寄りの車体下部に設けられるものとする。
なお、受電部100の配置箇所はこれに限定されるものではない。たとえば、車体後方寄りの車体下部に設けてもよいし、仮に送電装置20が車両上方に設けられる場合には、受電部100を車体上部に設けてもよい。受電部100の詳細な構成については、後ほど説明する。
整流部200は、受電部100によって受電された交流電力を整流して蓄電装置300へ出力する。フィルタ回路150は、受電部100と整流部200との間に設けられ、送電装置20からの受電時に発生する高調波ノイズを抑制する。フィルタ回路150は、2つのインダクタおよび2つのキャパシタを含む4次LCフィルタによって構成される。フィルタ回路150の詳細な構成については、後ほど説明する。
蓄電装置300は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオンやニッケル水素などの二次電池によって構成される。蓄電装置300の電圧は、たとえば200V程度である。蓄電装置300は、整流部200から出力される電力を蓄えるほか、動力生成装置400によって発電される電力も蓄える。そして、蓄電装置300は、その蓄えられた電力を動力生成装置400へ供給する。なお、蓄電装置300として大容量のキャパシタも採用可能である。特に図示しないが、整流部200と蓄電装置300との間に、整流部200の出力電圧を調整するDC−DCコンバータを設けてもよい。
動力生成装置400は、蓄電装置300に蓄えられる電力を用いて車両10の走行駆動力を発生する。特に図示しないが、動力生成装置400は、たとえば、蓄電装置300から電力を受けるインバータ、インバータによって駆動されるモータ、モータによって駆動される駆動輪等を含む。なお、動力生成装置400は、蓄電装置300を充電するための発電機と、その発電機を駆動可能なエンジンとを含んでもよい。
車両ECU500は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各種センサからの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両10における各機器の制御を行なう。一例として、車両ECU500は、車両10の走行制御や、蓄電装置300の充電制御を実行する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
なお、整流部200と蓄電装置300との間には、リレー210が設けられる。リレー210は、送電装置20による蓄電装置300の充電時に車両ECU500によってオンされる。また、蓄電装置300と動力生成装置400との間には、システムメインリレー(SMR)310が設けられる。SMR310は、動力生成装置400の起動が要求されると、車両ECU500によってオンされる。
なお、車両ECU500は、送電装置20による蓄電装置300の充電時には、通信装置510を用いて送電装置20と通信を行ない、充電の開始/停止や車両10の受電状況等の情報を送電装置20とやり取りする。
送電装置20は、電源部600と、フィルタ回路610と、送電部700と、電源ECU800とを含む。電源部600は、商用系統電源等の外部電源900から電力を受け、所定の伝送周波数を有する交流電力を発生する。
送電部700は、車両10の受電部100へ非接触で送電するためのコイルを含む。送電部700は、伝送周波数を有する交流電力を電源部600から受け、送電部700の周囲に生成される電磁界を介して、車両10の受電部100へ非接触で送電する。送電部700の詳細な構成については、後ほど説明する。
フィルタ回路610は、電源部600と送電部700との間に設けられ、電源部600から発生する高調波ノイズを抑制する。フィルタ回路610は、2つのインダクタおよび2つのキャパシタを含む4次LCフィルタによって構成される。フィルタ回路610の詳細な構成については、後ほど説明する。
電源ECU800は、CPU、記憶装置、入出力バッファ等を含み(いずれも図示せず)、各種センサからの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、送電装置20における各機器の制御を行なう。一例として、電源ECU800は、伝送周波数を有する交流電力を電源部600が生成するように、電源部600のスイッチング制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
なお、電源ECU800は、車両10への送電時には、通信装置810を用いて車両10と通信を行ない、充電の開始/停止や車両10の受電状況等の情報を車両10とやり取りする。
送電装置20において、電源部600からフィルタ回路610を介して送電部700へ、所定の伝送周波数を有する交流電力が供給される。送電部700および車両10の受電部100の各々は、コイルとキャパシタとを含み(後述)、伝送周波数において共振するように設計されている。送電部700および受電部100の共振強度を示すQ値は、100以上であることが好ましい。
電源部600からフィルタ回路610を介して送電部700へ交流電力が供給されると、送電部700のコイルと、受電部100のコイルとの間に形成される電磁界を通じて、送電部700から受電部100へエネルギ(電力)が移動する。そして、受電部100へ移動したエネルギ(電力)は、フィルタ回路150および整流部200を介して蓄電装置300へ供給される。
なお、特に図示しないが、送電装置20において、送電部700と電源部600との間(たとえば送電部700とフィルタ回路610との間)に絶縁トランスを設けてもよい。また、車両10においても、受電部100と整流部200との間(たとえば受電部100とフィルタ回路150との間)に絶縁トランスを設けてもよい。
図4は、図1に示した電力伝送システムの構成をより詳細に示す回路図である。図4を参照して、車両10における受電部100は、コイル110と、キャパシタ120とを含む。キャパシタ120は、コイル110に直列に接続されてコイル110と共振回路を形成する。キャパシタ120は、受電部100の共振周波数を調整するために設けられる。
フィルタ回路150は、キャパシタ152,156と、インダクタ154,158とを含む。インダクタ154,158は、受電部100と整流部200との間の電力線対の一方に設けられ、この実施の形態1では、インダクタ154,158は、端子T1,T3間において直列に接続される。キャパシタ152は、インダクタ154よりも受電部100側において電力線対間に接続される。キャパシタ156は、インダクタ154,158間において電力線対間に接続される。すなわち、キャパシタ152,156およびインダクタ154,158は、受電部100側から、キャパシタ152、インダクタ154、キャパシタ156、インダクタ158の順に設けられる。
このフィルタ回路150においては、インダクタ154のインダクタンスは、インダクタ158のインダクタンスと等しい。また、キャパシタ152のキャパシタンスは、キャパシタ156のキャパシタンスと等しい。そして、キャパシタ152,156のキャパシタンスCf2は、以下の式(1)で示される値に設定される。
ここで、Lf2はインダクタ154,158のインダクタンスであり、f0は送電装置20から車両10へ伝送される電力の周波数(送電装置20の電源部600により生成される電力の周波数に相当する。)である。なお、角周波数ω0=2πf0である。
式(1)に基づいてキャパシタ152,156のキャパシタンスCf2を設定することで、フィルタ回路150は、周波数f0の基本波に対しては、電圧・電流利得が1となり、周波数f0よりも高い周波数(高調波など)に対しては、通常の4次LCフィルタとして機能する。以下、この点について説明する。
フィルタ回路150の入力電圧(端子T1,T2間の電圧)をVfin2とし、その周波数をf(角周波数ω=2πf)とし、フィルタ回路150の出力電圧(端子T3,T4間の電圧)をVfout2とすると、入力電圧Vfin2と出力電圧Vfout2との関係は、以下の式(2)によって示される。
式(1)を式(2)に代入すると、以下の式(3)が得られる。
式(3)においてω=ω0とすると、以下の式(4)が得られる。
式(4)から、フィルタ回路150は、周波数f0の基本波に対しては、図5に示されるように巻数比が1の理想トランスと等価になり、電圧および電流ともに利得は1となる。一方、周波数f0よりも高い周波数に対しては、フィルタ回路150は、通常の4次LCフィルタとして機能し、周波数f0の伝送電力の高調波成分を減衰させることができる。
なお、キャパシタ152,156のキャパシタンスCf2は、式(1)で示される設計値に対して実際にはばらつきを有するところ、設計値に対して±20%の範囲内であればよく、±10%の範囲内であれば好ましい。式(1)で示される設計値に対してキャパシタンスCf2の実際の値がずれると、フィルタ回路150の特性は、巻数比が1の理想トランス特性から乖離し、電圧および電流の利得が1から乖離するとともにそれらの位相差が大きくなる(力率が悪化する)。キャパシタンスCf2が設計値に対して±20%の範囲内であれば、フィルタ回路150の効率は低下するけれども使用可能な範囲に含まれ、設計値に対して±10%の範囲内であれば、フィルタ回路150の特性は、周波数f0の基本波に対しては巻数比1の理想トランス特性に近い特性となり、効率の大幅な低下は生じない。
一方、送電装置20については、送電部700は、コイル710と、キャパシタ720とを含む。キャパシタ720は、コイル710に直列に接続されてコイル710と共振回路を形成する。キャパシタ720は、送電部700の共振周波数を調整するために設けられる。
フィルタ回路610は、インダクタ612,616と、キャパシタ614,618とを含む。インダクタ612,616は、電源部600と送電部700との間の電力線対の一方に設けられ、この実施の形態1では、インダクタ612,616は、端子T5,T7間において直列に接続される。キャパシタ614は、インダクタ612,616間において電力線対間に接続される。キャパシタ618は、インダクタ616よりも送電部700側において電力線対間に接続される。すなわち、インダクタ612,616およびキャパシタ614,618は、電源部600側から、インダクタ612、キャパシタ614、インダクタ616、キャパシタ618の順に設けられる。
フィルタ回路610においても、インダクタ612のインダクタンスは、インダクタ616のインダクタンスと等しい。また、キャパシタ614のキャパシタンスは、キャパシタ618のキャパシタンスと等しい。そして、キャパシタ614,618のキャパシタンスCf1は、以下の式(5)で示される値に設定される。
ここで、Lf1はインダクタ612,616のインダクタンスである。式(5)に基づいてキャパシタ614,618のキャパシタンスCf1を設定することで、フィルタ回路610は、周波数f0の基本波に対しては、電圧・電流利得が1となり、周波数f0よりも高い周波数(高調波など)に対しては、通常の4次LCフィルタとして機能する。以下、この点について説明する。
フィルタ回路610の入力電圧(端子T5,T6間の電圧)をVfin1とし、その周波数をf(角周波数ω=2πf)とし、フィルタ回路610の出力電圧(端子T7,T8間の電圧)をVfout1とすると、入力電圧Vfin1と出力電圧Vfout1との関係は、以下の式(6)によって示される。
式(5)を式(6)に代入すると、以下の式(7)が得られる。
式(7)においてω=ω0とすると、以下の式(8)が得られる。
式(8)から、フィルタ回路610も、周波数f0の基本波に対しては巻数比が1の理想トランスと等価になり、電圧および電流ともに利得は1となる。一方、周波数f0よりも高い周波数に対しては、フィルタ回路610は、通常の4次LCフィルタとして機能し、周波数f0の伝送電力の高調波成分を減衰させることができる。
なお、キャパシタ614,618のキャパシタンスCf1についても、車両10側のフィルタ回路150と同様に、設計値に対して±20%の範囲内であればよく、±10%の範囲内であれば好ましい。キャパシタンスCf1が設計値に対して±20%の範囲内であれば、フィルタ回路610の効率は低下するけれども使用可能な範囲に含まれ、設計値に対して±10%の範囲内であれば、フィルタ回路610の特性は、周波数f0の基本波に対しては巻数比1の理想トランス特性に近い特性となり、効率の大幅な低下は生じない。
次に、送電装置20および車両10にそれぞれフィルタ回路610,150を挿入した場合の電力伝送システムのシステム特性について説明する。
図4を参照して、送電部700と受電部100とによって構成される電力伝送部30の、基本波成分(周波数f0)に対する入出力関係は、コイル710,110の巻線抵抗を0と近似すると、以下の式(9)によって示される。
ここで、aはコイル710とコイル110との巻数比であり、kは結合係数である。また、L1,L2はそれぞれコイル710,110のインダクタンスであり、Cs1,Cs2はそれぞれキャパシタ720,120のキャパシタンスである。
したがって、電源部600出力側の端子T5,T6から、整流部200手前の端子T3,T4までの関係は、以下の式(10)によって示される。
なお、巻数比a=1とした。式(9)においても巻数比a=1とすると、式(10)は式(9)と同じである。式(10)は、電力伝送システムにフィルタ回路610,150を挿入しても、電力伝送システム全体の入出力特性が維持されることを示している。したがって、電力伝送システムにフィルタ回路610,150を追加しても、電源部600や整流部200に流れる電流値は不変であり、フィルタ回路610,150の追加により電源部600や整流部200の素子容量や耐圧を変更する必要はない。
図6は、図4に示した整流部200の回路図である。図6を参照して、整流部200は、4つのダイオードを含む単相ブリッジ整流回路と、出力側に設けられたキャパシタ202とを含む。整流回路の後段に電流変化を妨げるチョークコイルを設けることなくキャパシタを設けるこのような回路は、コンデンサインプット型整流回路とも称される。
図7は、図4に示した電源部600の回路図である。図7を参照して、電源部600は、PFC(Power Factor Correction)回路602と、インバータ604とを含む。PFC回路602は、高調波電流の発生を抑制して力率を改善するための回路であり、公知の種々のPFC回路を採用し得る。
インバータ604は、電圧形インバータであり、たとえば、直流側に設けられた平滑用キャパシタと、4つの半導体デバイスとを含む単相フルブリッジ回路によって構成される。このような電圧形インバータ604によって構成される電源部600の出力波形は、図8に示すように、電圧形インバータ604のスイッチング周波数f0(周期T0=1/f0)を有する矩形波電圧となる。なお、スイッチング周波数f0は、送電部700から受電部100へ伝送される電力の周波数(伝送周波数)となる。
再び図4を参照して、この実施の形態1においては、送電部700においてキャパシタ720はコイル710に直列に接続され、受電部100においてキャパシタ120はコイル110に直列に接続される。このような回路構成は、SS方式(一次直列二次直列方式)とも称される。そして、SS方式が用いられるこの実施の形態1では、車両10に設けられるフィルタ回路150は、入力側が容量性であって出力側が誘導性であるC−L−C−L型の4次LCフィルタによって構成される。一方、送電装置20に設けられるフィルタ回路610は、入力側が誘導性であって出力側が容量性であるL−C−L−C型の4次LCフィルタによって構成される。フィルタ回路150,610の各々をこのような構成としたのは、以下の理由による。
すなわち、車両10に設けられるフィルタ回路150について、入力側(受電部100側)が誘導性であるL−C−L−C型を採用すると、初段のインダクタのインダクタンスによって受電部100の共振周波数が設定値f0からずれてしまう。そこで、車両10側のフィルタ回路150については、入力側が容量性であるC−L−C−L型の4次LCフィルタによって構成し、フィルタ回路150によって受電部100の共振状態に影響を与えないようにしたものである。
なお、SS方式では、基本波成分については、式(9)からVfout1=−jx0 '×Ifin2(巻数比a=1の場合)が導かれる。したがって、電圧形インバータ604によって送電側が電圧駆動されるこの実施の形態1では、電力伝送部30の出力は等価的に電流源となる。すなわち、車両10の整流部200の入力が等価的に電流源となる。この場合に、整流回路の後段に電流変化を妨げるチョークコイルが設けられると、整流部200の入力電流が歪むとともに入力電圧がパルス状となり、力率が悪化する。そこで、この実施の形態1では、図6に示したように、整流部200は、整流回路の出力側にチョークコイルを設けないコンデンサインプット型整流回路によって構成される。これにより、整流部200の入力電圧は、出力電圧(DC)を波高値とする矩形波となり、チョークインプット型整流回路によって構成する場合に比べて力率を高めることができる。
一方、送電装置20に設けられるフィルタ回路610については、入力側(電源部600側)が容量性であるC−L−C−L型を採用すると、電圧源の電圧形インバータ604(図7)から初段のキャパシタにパルス状の大電流が流れる。そこで、送電装置20側のフィルタ回路610については、入力側が誘導性であるL−C−L−C型の4次LCフィルタによって構成し、電源部600からフィルタ回路610にパルス状の大電流が流れるのを抑制するようにしたものである。
以上のように、この実施の形態1によれば、フィルタ回路150において、インダクタ154,158を共用することができ、キャパシタ152,156も共用することができる。フィルタ回路610においても、インダクタ612,616を共用することができ、キャパシタ614,618を共用することができる。そして、キャパシタ152,156のキャパシタンスCf2を式(1)に基づいて設定し、キャパシタ614,618のキャパシタンスCf1を式(5)に基づき設定することによって、フィルタ回路150,610は、基本波(周波数f0)に対しては、電流・電圧利得が1となり、基本波よりも高い周波数の波(高調波など)に対しては、通常のLCフィルタとして機能する。したがって、この実施の形態1によれば、フィルタ回路150,610の部品の共用化を図り、かつ、フィルタ回路150,610を設けることによるシステム特性の変化を抑制することができる。
また、フィルタ回路150のインダクタ154,158のインダクタンスと、フィルタ回路610のインダクタ612,616のインダクタンスとを等しくし、フィルタ回路150のキャパシタ152,156のキャパシタンスと、フィルタ回路610のキャパシタ614,618のキャパシタンスとを等しくすれば、フィルタ回路150,610間においても部品を共用することができる。
また、この実施の形態1によれば、入力側が容量性であるC−L−C−L型の4次LCフィルタによってフィルタ回路150を構成したので、フィルタ回路150による受電部100の共振状態への影響を回避することができる。
また、この実施の形態1によれば、整流回路の直後にチョークコイルを設けないコンデンサインプット型整流回路によって整流部200を構成したので、入力電流の歪みによる力率低下を抑制することができる。
また、この実施の形態1によれば、入力側が誘導性であるL−C−L−C型の4次LCフィルタによってフィルタ回路610を構成したので、電源部600の電圧形インバータ604からフィルタ回路610へパルス状の大電流が流れるのを抑制することができる。
[実施の形態1の変形例]
上記においては、フィルタ回路150,610の各インダクタは、電源ラインの一方に設けられるものとしたが、各インダクタを電源ラインの双方に分割して設けてもよい。
上記においては、フィルタ回路150,610の各インダクタは、電源ラインの一方に設けられるものとしたが、各インダクタを電源ラインの双方に分割して設けてもよい。
図9は、車両10に設けられるフィルタ回路150の変形例を示した図である。図9を参照して、このフィルタ回路150は、キャパシタ152,156と、インダクタ154A,154B,158A,158Bとを含む。インダクタ154A,154Bは、図4に示したインダクタ154を分割したものであり、インダクタ154A,154Bのインダクタンスの和は、図4に示したインダクタ154のインダクタンスと同じである。同様に、インダクタ158A,158Bは、図4に示したインダクタ158を分割したものであり、インダクタ158A,158Bのインダクタンスの和は、図4に示したインダクタ158のインダクタンスと同じである。
インダクタ154A,154Bのインダクタンスは、必ずしも互いに同じである必要はないが、インダクタ154A,154Bのインダクタンスを互いに同じにすることによって、電流の往路と復路とでのラインインピーダンスが等しくなるので、コモンモードノイズの抑制効果がある。インダクタ158A,158Bのインダクタンスについても同様である。
図10は、送電装置20に設けられるフィルタ回路610の変形例を示した図である。図10を参照して、このフィルタ回路610は、インダクタ612A,612B,616A,616Bと、キャパシタ614,618とを含む。このフィルタ回路610についても、図9に示したフィルタ回路150と同様の説明が可能であるので、詳細な説明は省略する。
[実施の形態2]
この実施の形態2では、送電部と受電部とから成る電力伝送部がいわゆるSP方式(一次直列二次並列方式)によって構成される。
この実施の形態2では、送電部と受電部とから成る電力伝送部がいわゆるSP方式(一次直列二次並列方式)によって構成される。
図11は、実施の形態2における電力伝送システムの回路図である。図11を参照して、実施の形態2における電力伝送システムは、図4に示した実施の形態1における電力伝送システムの構成において、受電部100、フィルタ回路150および整流部200に代えて、受電部100A、フィルタ回路150Aおよび整流部200Aをそれぞれ含む。
受電部100Aは、コイル110と、キャパシタ122とを含む。キャパシタ122は、コイル110に並列に接続されてコイル110と共振回路を形成する。キャパシタ122は、受電部100Aの共振周波数を調整するために設けられる。なお、受電部100Aの共振強度を示すQ値は、100以上であることが好ましい。
フィルタ回路150Aは、インダクタ154,158と、キャパシタ156,160とを含む。このフィルタ回路150Aにおいては、インダクタ154,158およびキャパシタ156,160が、受電部100A側から、インダクタ154、キャパシタ156、インダクタ158、キャパシタ160の順に設けられる。すなわち、フィルタ回路150Aは、入力側が誘導性であって出力側が容量性であるL−C−L−C型の4次LCフィルタによって構成される。
キャパシタ160のキャパシタンスは、キャパシタ156のキャパシタンスと等しい(なお、上述のように、インダクタ154のインダクタンスは、インダクタ158のインダクタンスと等しい。)。キャパシタ156,160のキャパシタンスCf2は、上述の式(1)で示される値に設定される。これにより、上述のように、フィルタ回路150Aは、周波数f0(=ω0/2π)の基本波に対しては、電圧・電流利得が1となり、周波数f0よりも高い周波数(高調波など)に対しては、通常の4次LCフィルタとして機能する。
なお、SP方式が用いられる電力伝送部30Aの、基本波成分(周波数f0)に対する入出力関係は、コイル710,110の巻線抵抗を0と近似すると、次式のように表わすことができる。
コイル710とコイル110との巻数比aを1とすると、Vfout1=b×Vfin2となり、SP方式の電力伝送部30Aは、巻数比bの理想トランスと等価になる。電源部600は、電圧形インバータ604(図7)によって構成されるので、SP方式が用いられるこの実施の形態2では、電力伝送部30Aの出力は等価的に電圧源となる。
この実施の形態2では、車両10に設けられるフィルタ回路150Aは、入力側(受電部100A側)が誘導性であって出力側(整流部200A側)が容量性であるL−C−L−C型の4次LCフィルタによって構成される。入力側が容量性であるC−L−C−L型をフィルタ回路150Aに採用すると、初段のキャパシタのキャパシタンスによって受電部100Aの共振周波数が設定値f0からずれてしまう。そこで、入力側が誘導性であるL−C−L−C型の4次LCフィルタによってフィルタ回路150Aを構成し、フィルタ回路150Aによって受電部100Aの共振状態に影響を与えないようにしたものである。
図12は、図11に示した整流部200Aの回路図である。図12を参照して、整流部200Aは、図6に示した実施の形態1における整流部200の構成において、チョークコイル204をさらに含む。チョークコイル204は、整流回路とキャパシタ202との間に設けられる。整流回路の後段に電流変化を妨げるチョークコイルを設けるこのような回路は、チョークインプット型整流回路とも称される。
上述のように、SP方式が用いられるこの実施の形態2では、電力伝送部30Aの出力は等価的に電圧源となる。すなわち、整流部200Aの入力が等価的に電圧源となる。この場合に、整流回路の後段に電流変化を妨げるチョークコイルが設けられていないと、整流部200Aの入力電流がパルス状となり、力率が悪化する。そこで、この実施の形態2では、図12に示したように、整流部200Aは、整流回路の出力側にチョークコイルを設けたチョークインプット型整流回路によって構成される。これにより、整流部200Aの入力電流は、出力電流(DC)を波高値とする矩形波となり、コンデンサインプット型整流回路によって構成する場合に比べて力率を高めることができる。
以上のように、この実施の形態2によれば、入力側が誘導性であるL−C−L−C型の4次LCフィルタによってフィルタ回路150Aを構成したので、フィルタ回路150Aによる受電部100Aの共振状態への影響を回避することができる。
また、この実施の形態2によれば、整流回路の直後にチョークコイルを設けたチョークインプット型整流回路によって整流部200Aを構成したので、力率の低下を抑制することができる。
[実施の形態2の変形例]
再び図11を参照して、SP方式が用いられる実施の形態2において、送電部700のキャパシタ720のキャパシタンスCs1を以下の式(12)で示される値に設定し、車両10のフィルタ回路150Aにおける初段のインダクタ154のインダクタンスをLf2+L2(L2は受電部100Aのコイル110の自己インダクタンス)に設定すると、送電部700と受電部100Aとの相対的な位置変化に伴なう結合係数kの変化に拘わらず、理想トランス特性を維持することができる。
再び図11を参照して、SP方式が用いられる実施の形態2において、送電部700のキャパシタ720のキャパシタンスCs1を以下の式(12)で示される値に設定し、車両10のフィルタ回路150Aにおける初段のインダクタ154のインダクタンスをLf2+L2(L2は受電部100Aのコイル110の自己インダクタンス)に設定すると、送電部700と受電部100Aとの相対的な位置変化に伴なう結合係数kの変化に拘わらず、理想トランス特性を維持することができる。
キャパシタ720のキャパシタンスCs1を式(12)に基づいて設定すると、電力伝送部30Aの、基本波成分(周波数f0)に対する入出力関係は、次式のように表わされる。
なお、コイル710とコイル110との巻数比aは1とした。車両10のフィルタ回路150Aにおける初段のインダクタ154のインダクタンスをLf2+L2とすると、電力伝送部30Aの入力側の端子T7,T8から、整流部200A手前の端子T3,T4までの関係は、以下の式(14)によって示される。
上記の式(14)は、電力伝送部30Aおよびフィルタ回路150Aから成る回路は、巻数比bの理想トランスと等価になることを示す。したがって、この実施の形態2の変形例によれば、送電部700と受電部100Aとの相対的な位置変化に伴なう結合係数kの変化に拘わらず、理想トランス特性を維持することができ、かつ、高調波電流を抑制することができる。
[実施の形態3]
この実施の形態3では、送電部と受電部とから成る電力伝送部がいわゆるPP方式(一次並列二次並列方式)によって構成される。
この実施の形態3では、送電部と受電部とから成る電力伝送部がいわゆるPP方式(一次並列二次並列方式)によって構成される。
図13は、実施の形態3における電力伝送システムの回路図である。図13を参照して、実施の形態3における電力伝送システムは、図11に示した実施の形態2における電力伝送システムの構成において、送電部700、フィルタ回路610および電源部600に代えて、送電部700A、フィルタ回路610Aおよび電源部600Aをそれぞれ含む。
送電部700Aは、コイル710と、キャパシタ722とを含む。キャパシタ722は、コイル710に並列に接続されてコイル710と共振回路を形成する。キャパシタ722は、送電部700Aの共振周波数を調整するために設けられる。なお、送電部700Aの共振強度を示すQ値は、100以上であることが好ましい。
フィルタ回路610Aは、キャパシタ614,620と、インダクタ612,616とを含む。このフィルタ回路610Aにおいては、キャパシタ614,620およびインダクタ612,616が、電源部600A側から、キャパシタ620、インダクタ612、キャパシタ614、インダクタ616の順に設けられる。すなわち、フィルタ回路610Aは、入力側が容量性であって出力側が誘導性であるC−L−C−L型の4次LCフィルタによって構成される。
キャパシタ620のキャパシタンスは、キャパシタ614のキャパシタンスと等しい(なお、上述のように、インダクタ612のインダクタンスは、インダクタ616のインダクタンスと等しい。)。キャパシタ614,620のキャパシタンスCf1は、上述の式(5)で示される値に設定される。これにより、上述のように、フィルタ回路610Aは、周波数f0(=ω0/2π)の基本波に対しては、電圧・電流利得が1となり、周波数f0よりも高い周波数(高調波など)に対しては、通常の4次LCフィルタとして機能する。
フィルタ回路610AをC−L−C−L型の4次LCフィルタによって構成したのは、出力側(送電部700A側)が容量性となるL−C−L−C型の構成にすると、最終段のキャパシタのキャパシタンスによって送電部700Aの共振周波数が設定値f0からずれてしまうからである。
図14は、図13に示した電源部600Aの回路図である。図14を参照して、電源部600Aは、PFC回路602と、電流形インバータ606とを含む。電流形インバータ606の出力波形は、周波数f0の矩形波電流である。電流形インバータ606には、種々の公知の電流形インバータを採用可能である。
再び図13を参照して、この実施の形態3では、フィルタ回路610Aは、C−L−C−L型の4次LCフィルタによって構成されるので、電源部を電圧形インバータによって構成すると、フィルタ回路610Aの初段のキャパシタ620にパルス状の大電流が流れる。そこで、この実施の形態3では、電源部600Aに電流形インバータ606を採用し、電源部600Aからフィルタ回路610Aにパルス状の大電流が流れるのを抑制するようにしたものである。
以上のように、この実施の形態3によれば、入力側が容量性であって出力側が誘導性であるC−L−C−L型の4次LCフィルタによってフィルタ回路610Aを構成したので、フィルタ回路610Aによる送電部700Aの共振状態への影響を回避することができる。また、電源部600Aは電流形インバータ606を含むので、電源部600Aからフィルタ回路610Aへパルス状の大電流が流れるのを抑制することができる。
[その他の変形例]
上記の各実施の形態では、車両10に設けられる整流部200(200A)は、4つのダイオードを含む単相ブリッジ整流回路を含むものとしたが、図15に示すように、双方向に電力変換可能な単相インバータによって整流部を構成してもよい。これにより、車両10から車両外部へ(たとえば送電装置20)へ電力を供給することが可能になる。
上記の各実施の形態では、車両10に設けられる整流部200(200A)は、4つのダイオードを含む単相ブリッジ整流回路を含むものとしたが、図15に示すように、双方向に電力変換可能な単相インバータによって整流部を構成してもよい。これにより、車両10から車両外部へ(たとえば送電装置20)へ電力を供給することが可能になる。
また、上記においては、電力伝送部がSS方式、SP方式、PP方式の場合について説明したが、その他の方式によって電力伝送部を構成してもよい。たとえば、図16に示されるように、PS方式(一次並列二次直列方式)を採用してもよい。この場合、車両10においては、C−L−C−L型の4次LCフィルタから成るフィルタ回路150を搭載し、送電装置20においては、C−L−C−L型の4次LCフィルタから成るフィルタ回路610Aおよび電流形インバータを含む電源部600Aを採用すればよい。
また、受電部および/または送電部において、キャパシタを備えることなく所望の共振周波数を達成できる場合には、図17に示されるように、受電部においてキャパシタを備えない構成としてもよいし、図18に示されるように、送電部においてキャパシタを備えない構成としてもよい。
なお、上記の実施の形態1の変形例で示した構成は、その他の実施の形態にも適用可能である。
今回開示された各実施の形態は、適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、20 送電装置、30,30A,30B 電力伝送部、100,100A,100B 受電部、110,710 コイル、120,122,152,156,160,202,614,618,620,720,722 キャパシタ、150,150A,610,610A フィルタ回路、154,158,612,616 インダクタ、200,200A,200B 整流部、204 チョークコイル、300 蓄電装置、400 動力生成装置、500 車両ECU、600,600A 電源部、602 PFC回路、604 インバータ、606 電流形インバータ、700,700A,700B 送電部、800 電源ECU、900 外部電源。
Claims (10)
- 送電装置から出力される電力を非接触で受電するための受電部と、
前記受電部により受電された電力を整流する整流部と、
前記受電部と前記整流部との間に設けられるフィルタ回路とを備え、
前記フィルタ回路は、
前記受電部と前記整流部との間に接続される電力線対の少なくとも一方に設けられる第1および第2のインダクタと、
各々が前記電力線対間に接続され、前記受電部と前記整流部との間において前記第1および第2のインダクタと交互に設けられる第1および第2のキャパシタとを含み、
前記第1のインダクタのインダクタンスは、前記第2のインダクタのインダクタンスと等しく、
前記第1のキャパシタのキャパシタンスは、前記第2のキャパシタのキャパシタンスと等しく、
前記キャパシタンスは、前記インダクタンスをLとし、かつ、前記電力の周波数をfとした場合に、C≒2/(L×(2πf)2)に設定される、受電装置。 - C0=2/(L×(2πf)2)とした場合に、前記キャパシタンスは、0.9×C0<C<1.1×C0の範囲に設定される、請求項1に記載の受電装置。
- 前記受電部は、
受電コイルと、
前記受電コイルに直列に接続される直列キャパシタとを含み、
前記第1および第2のインダクタならびに前記第1および第2のキャパシタは、前記受電部側から、前記第1のキャパシタ、前記第1のインダクタ、前記第2のキャパシタ、前記第2のインダクタの順に設けられる、請求項1または2に記載の受電装置。 - 前記受電部は、
受電コイルと、
前記受電コイルに並列に接続される並列キャパシタとを含み、
前記第1および第2のインダクタならびに前記第1および第2のキャパシタは、前記受電部側から、前記第1のインダクタ、前記第1のキャパシタ、前記第2のインダクタ、前記第2のキャパシタの順に設けられる、請求項1または2に記載の受電装置。 - 前記受電部は、
受電コイルと、
前記受電コイルに直列に接続される直列キャパシタとを含み、
前記整流部は、コンデンサインプット型整流回路を含む、請求項1または2に記載の受電装置。 - 前記受電部は、
受電コイルと、
前記受電コイルに並列に接続される並列キャパシタとを含み、
前記整流部は、チョークインプット型整流回路を含む、請求項1または2に記載の受電装置。 - 交流電源と、
前記交流電源から電力の供給を受けて受電装置へ非接触で送電するための送電部と、
前記交流電源と前記送電部との間に設けられるフィルタ回路とを備え、
前記フィルタ回路は、
前記交流電源と前記送電部との間に接続される電力線対の少なくとも一方に設けられる第1および第2のインダクタと、
各々が前記電力線対間に接続され、前記交流電源と前記送電部との間において前記第1および第2のインダクタと交互に設けられる第1および第2のキャパシタとを含み、
前記第1のインダクタのインダクタンスは、前記第2のインダクタのインダクタンスと等しく、
前記第1のキャパシタのキャパシタンスは、前記第2のキャパシタのキャパシタンスと等しく、
前記キャパシタンスは、前記インダクタンスをLとし、かつ、前記交流電源の周波数をfとした場合に、C≒2/(L×(2πf)2)に設定される、送電装置。 - C0=2/(L×(2πf)2)とした場合に、前記キャパシタンスは、0.9×C0<C<1.1×C0の範囲に設定される、請求項7に記載の送電装置。
- 前記交流電源は、矩形波電圧を出力するインバータを含み、
前記第1および第2のインダクタならびに前記第1および第2のキャパシタは、前記交流電源側から、前記第1のインダクタ、前記第1のキャパシタ、前記第2のインダクタ、前記第2のキャパシタの順に設けられる、請求項7または8に記載の送電装置。 - 前記送電部は、
送電コイルと、
前記送電コイルに並列に接続される並列キャパシタとを含み、
前記第1および第2のインダクタならびに前記第1および第2のキャパシタは、前記交流電源側から、前記第1のキャパシタ、前記第1のインダクタ、前記第2のキャパシタ、前記第2のインダクタの順に設けられ、
前記交流電源は、電流形インバータを含む、請求項7または8に記載の送電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013198357A JP2015065756A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 受電装置および送電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013198357A JP2015065756A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 受電装置および送電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015065756A true JP2015065756A (ja) | 2015-04-09 |
Family
ID=52833193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013198357A Pending JP2015065756A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 受電装置および送電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015065756A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016025771A (ja) * | 2014-07-22 | 2016-02-08 | トヨタ自動車株式会社 | 送電装置並びに受電装置及びそれを搭載した車両 |
JP2016208596A (ja) * | 2015-04-17 | 2016-12-08 | トヨタ自動車株式会社 | 送電装置及び受電装置 |
JP2017005796A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 株式会社デンソー | 非接触給電装置 |
JP2017046559A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 株式会社Ihi | 非接触給電システム及び受電装置 |
JP2020174453A (ja) * | 2019-04-10 | 2020-10-22 | 株式会社デンソー | 非接触給電システム |
WO2021014932A1 (ja) * | 2019-07-25 | 2021-01-28 | 株式会社デンソー | 非接触給電装置 |
JP2021023094A (ja) * | 2019-07-25 | 2021-02-18 | 株式会社デンソー | 非接触給電装置 |
-
2013
- 2013-09-25 JP JP2013198357A patent/JP2015065756A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016025771A (ja) * | 2014-07-22 | 2016-02-08 | トヨタ自動車株式会社 | 送電装置並びに受電装置及びそれを搭載した車両 |
US9887592B2 (en) | 2015-04-17 | 2018-02-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Power transmission device and power reception device |
JP2016208596A (ja) * | 2015-04-17 | 2016-12-08 | トヨタ自動車株式会社 | 送電装置及び受電装置 |
JP2017005796A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 株式会社デンソー | 非接触給電装置 |
JP2017046559A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 株式会社Ihi | 非接触給電システム及び受電装置 |
CN107636930A (zh) * | 2015-08-28 | 2018-01-26 | 株式会社Ihi | 非接触供电系统以及受电装置 |
WO2017038303A1 (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-09 | 株式会社Ihi | 非接触給電システム及び受電装置 |
US10418858B2 (en) | 2015-08-28 | 2019-09-17 | Ihi Corporation | Wireless power supply system and power receiver |
JP2020174453A (ja) * | 2019-04-10 | 2020-10-22 | 株式会社デンソー | 非接触給電システム |
JP7234759B2 (ja) | 2019-04-10 | 2023-03-08 | 株式会社デンソー | 非接触給電システム |
WO2021014932A1 (ja) * | 2019-07-25 | 2021-01-28 | 株式会社デンソー | 非接触給電装置 |
JP2021023094A (ja) * | 2019-07-25 | 2021-02-18 | 株式会社デンソー | 非接触給電装置 |
JP7163940B2 (ja) | 2019-07-25 | 2022-11-01 | 株式会社デンソー | 非接触給電装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2015065756A (ja) | 受電装置および送電装置 | |
JP5510032B2 (ja) | 非接触給電装置 | |
JP5641053B2 (ja) | 非接触給電装置 | |
JP5867607B2 (ja) | 非接触給電装置 | |
US10381950B2 (en) | Resonant inverter topology, wireless charger, and control method | |
US9682631B2 (en) | Non-contact electricity supply device | |
JP6618006B2 (ja) | 無線電力伝送システムおよび送電装置 | |
JP5927826B2 (ja) | 非接触給電装置 | |
US9887553B2 (en) | Electric power transmission device, and electric power reception device and vehicle including the same | |
JP6028000B2 (ja) | 電力伝送システム | |
JP5716877B2 (ja) | 電力伝送システム | |
JP2018007462A (ja) | 非接触電力伝送システム | |
JP2016082707A (ja) | 受電装置及び送電装置 | |
JP5884698B2 (ja) | 非接触受電装置 | |
JP5589786B2 (ja) | 非接触給電装置 | |
JP5696674B2 (ja) | 電動車両 | |
JP7040492B2 (ja) | 非接触給電装置、非接触受電装置、及び非接触給電システム | |
JP6015491B2 (ja) | 受電装置およびそれを備える車両、送電装置、ならびに電力伝送システム | |
JP6040397B2 (ja) | 電力伝送システム | |
JP6085811B2 (ja) | 電力伝送システム | |
JP6085813B2 (ja) | 電力伝送システム | |
JP7021009B2 (ja) | 非接触電力伝送システム | |
JP6911594B2 (ja) | 非接触電力伝送システム | |
JP2020178459A (ja) | 非接触給電装置 | |
JP7444612B2 (ja) | 非接触充電装置及び非接触充電装置の適合方法 |