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JP2015049216A - 絶縁抵抗測定装置、絶縁抵抗測定方法、及び絶縁監視装置 - Google Patents

絶縁抵抗測定装置、絶縁抵抗測定方法、及び絶縁監視装置 Download PDF

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JP2015049216A
JP2015049216A JP2013182995A JP2013182995A JP2015049216A JP 2015049216 A JP2015049216 A JP 2015049216A JP 2013182995 A JP2013182995 A JP 2013182995A JP 2013182995 A JP2013182995 A JP 2013182995A JP 2015049216 A JP2015049216 A JP 2015049216A
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Masanori Yoshitomi
政宣 吉富
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Takafumi Ishii
隆文 石井
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Abstract

【課題】絶縁抵抗を過大評価せずにその低下を見逃すことなく把握可能な絶縁抵抗測定装置、絶縁抵抗測定方法及び絶縁監視装置を提供する。【解決手段】絶縁抵抗測定装置100は、太陽電池モジュール17を複数有する太陽電池ストリング18により構成された発電部11における絶縁抵抗を測定する。この絶縁抵抗測定装置100では、発電部11の正極を大地Gに接続させた状態で、該正極及び大地間の第1負荷抵抗における電圧値を測定する。また、発電部11の負極を大地Gに接地させた状態で、該負極及び大地間の第2負荷抵抗における電圧値を測定する。また、発電部11の正極及び負極を互いに接続させた状態で、該正極及び該負極間の第3負荷抵抗における電圧値を測定する。ここで、第1、第2及び第3負荷抵抗は、抵抗12aが兼用されて互いに同じ所定抵抗値とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁抵抗測定装置、絶縁抵抗測定方法、及び絶縁監視装置に関する。
太陽光発電システムでは、例えば太陽電池を含む太陽電池モジュールを複数有する太陽電池ストリング、又は、この太陽電池ストリングを複数有する太陽電池アレイにより発電部が構成され、この発電部によって太陽光が利用されて発電が行われる。このような発電部において絶縁不良があると、例えば人や物が絶縁不良箇所に触れたときや、絶縁不良箇所と金属架台等とが接触したとき、電気回路が外部と意図しない形で接触する地絡が生じる場合がある。そこで、当該地絡に係る絶縁抵抗を測定するものとして、例えば特許文献1に記載された絶縁抵抗測定装置が知られている。
特許文献1に記載された絶縁抵抗測定装置では、発電部(太陽電池モジュール回路)の正極を接地させてなる接地線上の抵抗(既知抵抗)の電圧値、発電部の負極を接地させてなる接地線上の抵抗の電圧値、及び、発電部の極間の電圧値(直流母線電圧)を測定し、そして、これら測定結果に基づき絶縁抵抗を判定することが図られている。
特開平7−177646号公報
ここで、上述の絶縁抵抗測定装置では、例えば次式(a1)に示すように、絶縁抵抗Rについて、発電部における地絡点から正極までの電圧値Vと、発電部における地絡点から負極までの電圧値Vと、発電部の正極を接地させてなる接地線を流れる電流値Iと、発電部の負極を接地させてなる接地線を流れる電流値Iと、既知抵抗値Rと、を用いて算出される場合がある。
=(V+V)/(I+I)−R…(a1)
このとき、電圧値(V+V)としては、発電部の極間の開放電圧が用いられるのが一般的である。しかし、次式(b1)に示すように、開放電発VOCは電圧値(V+V)以上であることから、このことに起因して絶縁抵抗Rを過大評価してしまい、絶縁抵抗Rの低下を見逃す虞がある。特に、かかる虞は、発電部の劣化等のために当該発電部の直列抵抗が増大していると、電圧値(V+V)が開放電圧VOCよりも著しく低下する場合があるために好ましくない。
(V+V) ≦ VOC …(b1)
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、絶縁抵抗を過大評価せずにその低下を見逃すことなく把握可能な絶縁抵抗測定装置、絶縁抵抗測定方法及び絶縁監視装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る絶縁抵抗測定装置は、少なくとも一つの太陽電池モジュールにより構成された発電部における絶縁抵抗を測定するための絶縁抵抗測定装置であって、発電部の正極を大地に接続させた状態で、該正極及び大地間の第1負荷抵抗における電圧値又は電流値を測定する第1測定部と、発電部の負極を大地に接地させた状態で、該負極及び大地間の第2負荷抵抗における電圧値又は電流値を測定する第2測定部と、発電部の正極及び負極を互いに接続させた状態で、該正極及び該負極間の第3負荷抵抗における電圧値又は電流値を測定する第3測定部と、を備えた測定部を具備し、第3負荷抵抗の抵抗値は、第1及び第2負荷抵抗が同じ抵抗値を有する場合、当該抵抗値以下とされ、第1及び第2負荷抵抗が互いに異なる抵抗値を有する場合、第1及び第2負荷抵抗の各抵抗値のうち小さい一方の抵抗値以下とされていること、を特徴とする。
この地絡検出測定装置では、発電部の極間の負荷抵抗である第3負荷抵抗が、第1及び第2負荷抵抗が同じ抵抗値を有する場合にはその抵抗値以下とされ、第1及び第2負荷抵抗が互いに異なる抵抗値を有する場合には第1及び第2負荷抵抗の各抵抗値のうち小さい一方の抵抗値以下とされていることから、第3測定部で測定した極間電圧値である電圧値Vについて次式(c1)が成立する。よって、例えば当該電圧値Vを上式(a1)の電圧値(V+V)として用いることにより、絶縁抵抗を過大評価するおそれなく監視することが可能となり、その結果、絶縁抵抗の低下を見逃すことなく把握することが可能となる。
≦ V ≦ (V+V …(c1)
:第3負荷抵抗が絶縁抵抗及び所定抵抗値のときにおける極間電圧値。
また、上記作用効果を好適に奏する構成として、具体的には、下式(1−1)に基づいて絶縁抵抗を演算する演算部を備えたこと、が好ましい。
≧(RD3×I−RD2×I−RD1×I)/(I+I)…(1−1)
但し、I:発電部の正極を大地に接続させた状態での第1負荷抵抗における電流値、I:発電部の負極を大地に接続させた状態での第2負荷抵抗における電流値、I:発電部の正極及び負極を互いに接続させた状態での第3負荷抵抗における電流値、RD1:前記第1負荷抵抗、RD2:前記第2負荷抵抗、RD3:前記第3負荷抵抗、R:絶縁抵抗。
また、下式(1−2)に基づいて地絡点の位置を演算する演算部を備えたこと、が好ましい。この場合、地絡点の位置についても把握可能となる。
:V=I×(RD3×I+I×(RD1−RD2)):
×(RD3×I+I×(RD2−RD1))…(1−2)
但し、V:地絡点から発電部の正極までの電圧値、V:地絡点から発電部の負極までの電圧値、I:発電部の正極を大地に接続させた状態での第1負荷抵抗における電流値、I:発電部の負極を大地に接続させた状態での第2負荷抵抗における電流値、RD1:第1負荷抵抗、RD2:第2負荷抵抗、RD3:第3負荷抵抗。
また、上記作用効果を好適に奏する構成として、具体的には、第1、第2及び第3負荷抵抗は、互いに同じ所定抵抗値を有すること、が好ましい。
また、測定部は、正極及び負極を有し、該正極及び該負極間の抵抗の電圧値を測定する電圧計と、電圧計の正極を、発電部の正極と大地との間で切替可能に接続する第1切替接続部と、電圧計の負極を、発電部の負極と大地との間で切替可能に接続する第2切替接続部と、を含んで構成され、第1、第2及び第3負荷抵抗は、電圧計の正極及び負極間の抵抗により構成されており、第1測定部は、第1切替接続部によって電圧計の正極を発電部の正極に接続させつつ、第2切替接続部によって電圧計の負極を大地に接続させた状態で、抵抗における電圧値又は電流値を測定し、第2測定部は、第1切替接続部によって電圧計の正極を大地に接続させつつ、第2切替接続部によって電圧計の負極を発電部の負極に接続させた状態で、抵抗における電圧値又は電流値を測定し、第3測定部は、第1切替接続部によって電圧計の正極を発電部の正極に接続させつつ、第2切替接続部によって電圧計の負極を発電部の負極に接続させた状態で、抵抗における電圧値又は電流値を測定することが好ましい。この場合、一つの電圧計のみによって絶縁抵抗を測定することが可能となる。
また、本発明に係る絶縁抵抗測定方法は、上記絶縁抵抗測定装置を用いて発電部における絶縁抵抗を測定すること、特徴とする。この絶縁抵抗測定方法においても、絶縁抵抗を過大評価せずにその低下を見逃すことなく把握することが可能となるという上記効果が奏される。また、本発明に係る絶縁監視装置は、上記絶縁抵抗測定装置を用いて発電部における絶縁抵抗を測定し、測定した絶縁抵抗が所定値を下回っている場合に、警報を発することを特徴とする。この絶縁監視装置においても、絶縁抵抗を過大評価せずにその低下を見逃すことなく把握することができると共に、当該絶縁抵抗の低下を警報により報知することができる。
本発明によれば、絶縁抵抗を過大評価せずにその低下を見逃すことなく把握することが可能となる。
第1実施形態に係る絶縁抵抗測定装置を示す構成図である。 図1の絶縁抵抗測定装置を用いた絶縁抵抗測定方法を説明するための図である。 図1の絶縁抵抗測定装置を説明するためのIVカーブを示すグラフである。 図1の絶縁抵抗測定装置の変形例を示す構成図である。 第2実施形態に係る絶縁抵抗測定装置を示す構成図である。 第3実施形態に係る絶縁抵抗測定装置を示す構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る絶縁抵抗測定装置を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態の絶縁抵抗測定装置100は、太陽光発電システムにおいて発電部11の絶縁抵抗を測定するためのであり、電圧計12、第1切替接続部13及び第2切替接続部14を、測定部10として備えている。また、この絶縁抵抗測定装置100は、制御ユニット(制御部)15及び演算ユニット(演算部)16を備えている。
発電部11は、太陽光を利用して発電を行うためのものであり、複数(図中では、6つ)の太陽電池モジュール17が直列接続されてなる太陽電池ストリング18により構成されている。太陽電池モジュール17は、例えばパネル状に構成されており、互いに直列接続された複数の太陽電池ユニットを備えている。なお、発電部11は、複数の太陽電池ストリング18が並列接続されてなる太陽電池アレイにより構成されていてもよい。
この発電部11は、例えば、不図示のパワーコンディショナに接続され、当該パワーコンディショナへ直流出力を供給する。パワーコンディショナは、供給された直流出力を交流出力に変換し、後段の電力系統(例えば商用電力系統)へ供給するものであり、絶縁トランスを有するトランス絶縁型であってもよいし、トランスレス(非絶縁)型であってもよい。ただし、絶縁抵抗を測定している間、発電部11は、交流系統から絶縁されていることが好ましい。例えば、発電部11が交流系統から絶縁されていない場合、交流系統の接地を絶縁不良と見分けることが困難で、正確な絶縁測定を実施できないおそれがあるためである。従って、トランスレス型のパワーコンディショナを用いる場合には、スイッチ装置等により発電部11とパワーコンディショナとの電気的接続を切り離してから絶縁抵抗測定を行うことが好ましい。
電圧計12は、正極及び負極を有し、これら正極及び負極間に設けられた抵抗12aの電圧値を測定する。この電圧計12は、測定した電圧値を演算ユニット16へ出力する。電圧計12としては、種々のものを用いることができ、ここでは、単極型のものが用いられている。また、抵抗12aは、既知の所定抵抗値Rを有している。なお、ここでは、抵抗12aを電圧計12と区別して説明しているが、抵抗12aは電圧計12の内部抵抗(受信抵抗)であってもよい。また、電圧計12の受信抵抗をR1とし、電圧計12と並列に接続する抵抗をR2とする場合には、抵抗12aは、並列合成抵抗(1/(1/R1)+(1/R2))を表す。
第1切替接続部13は、電圧計12の正極を、発電部11の正極と大地Gとの間で切替可能に接続する。具体的には、第1切替接続部13は、切替えスイッチ19aを介して電圧計12の正極(抵抗12aの正極側)から発電部11の正極に接続された正極配線13xと、切替えスイッチ19bを介して電圧計12の正極から大地Gに接続された正極配線13yと、を含んでいる。
第2切替接続部14は、電圧計12の負極を、発電部11の負極と大地Gとの間で切替可能に接続する。具体的には、第2切替接続部14は、切替えスイッチ19cを介して電圧計12の負極(抵抗12aの負極側)から発電部11の負極に接続された負極配線14xと、切替えスイッチ19dを介して電圧計12の負極から大地Gに接続された負極配線14yと、を含んでいる。
切替えスイッチ19a〜19dとしては、電流を遮断するものであれば如何なる構成のものも用いることができ、例えば、FET(Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated GateBipolar Transistor)等の半導体スイッチ、機械式リレー等の電磁開閉器を用いることができる(以下のスイッチについて同様)。
制御ユニット15は、第1及び第2切替接続部13,14における切替えを制御するものである。具体的には、この制御ユニット15は、切替えスイッチ19aをON且つ切替えスイッチ19bをOFFにして電圧計12の正極を発電部11の正極に接続して、切替えスイッチ19cをOFF且つ切替えスイッチ19dをONにして電圧計12の負極を大地Gに接続させる。
また、制御ユニット15は、切替えスイッチ19aをOFF且つ切替えスイッチ19bをONにして電圧計12の正極を大地Gに接続させたとき、切替えスイッチ19cをON且つ切替えスイッチ19dをOFFにして電圧計12の負極を発電部11の負極に接続させる。さらにまた、制御ユニット15は、切替えスイッチ19aをON且つ切替えスイッチ19bをOFFにして電圧計12の正極を発電部11の正極に接続して、切替えスイッチ19cをON且つ切替えスイッチ19dをOFFにして電圧計12の負極を発電部11の負極に接続させる。
演算ユニット16は、電圧計12で測定した電圧値に基づいて、絶縁抵抗を演算し算出する。この演算ユニット16は、専用のECU[Electronic Control Unit]で構成されていてもよく、あるいは、パソコン等の汎用コンピュータにおけるアプリケーションとして構成されてもよい。演算ユニット16による演算の詳細については、後述する。
なお、このように構成された絶縁抵抗測定装置100では、発電部11の正極を大地Gに接続させた状態における発電部11の正極と大地Gとの間の負荷抵抗(以下、「第1負荷抵抗」)と、発電部11の負極を大地Gに接地させた状態における発電部11の負極と大地Gとの間の負荷抵抗(以下、「第2負荷抵抗」)と、発電部11の正極及び負極を互いに接続させた状態における発電部11の正極と負極との間の負荷抵抗(以下、「第3負荷抵抗」)と、は、全て電圧計12の正極及び負極間の抵抗12aにより構成され、互いに同じ所定抵抗値Rとなる。
次に、上記絶縁抵抗測定装置100による絶縁抵抗の測定について説明する。図2は、図1の絶縁抵抗測定装置を用いた絶縁抵抗測定方法を説明するための図である。ここでは、図2に示すように、ある太陽電池モジュール17x,17y間で地絡が発生し、太陽電池ストリング18の絶縁抵抗が絶縁抵抗Rまで低下した場合の地絡状態を例にして説明する。
絶縁抵抗測定装置100を用いた絶縁抵抗測定方法では、発電部11を開放した状態において、図2(a)に示すように、制御ユニット15により、切替えスイッチ19a,19dをONとすると共に切替えスイッチ19b,19cをOFFとし、電圧計12の正極を発電部11の正極に接続すると共に、電圧計12の負極を大地Gに接続する。これにより、発電部11の正極側を大地Gへ接地させる、すなわち、発電部11の正極から、切替えスイッチ19a、抵抗12a、切替えスイッチ19d及び大地Gへこの順に接続されてなる接地線を形成する。この状態で、電圧計12により、抵抗12aの電圧値を、第1負荷抵抗における電圧値である第1電圧値VD1として測定する。何れの箇所で地絡が発生していても、その箇所の電位は正極以下であるため、抵抗12aを流れる電流Iの向きは、図2(a)に示した通りとなり、正極負極が固定されたモノポーラの電圧計12でこの第1電圧値VD1を測定することが可能である。
また、図2(b)に示すように、発電部11を開放した状態において、制御ユニット15により、切替えスイッチ19b,19cをONとすると共に切替えスイッチ19a,19dをOFFとし、電圧計12の正極を大地Gに接続すると共に、電圧計12の負極を発電部11の負極に接続する。これにより、発電部11の負極側を大地Gへ接地させる、すなわち、発電部11の負極から、切替えスイッチ19c、抵抗12a、切替えスイッチ19b及び大地Gへこの順に接続されてなる接地線を形成する。この状態で、電圧計12により、抵抗12aの電圧値を、第2負荷抵抗における電圧値である第2電圧値VD2として測定する。何れの箇所で地絡が発生していても、その箇所の電位は負極以上であるため、抵抗12a流れる電流Iの向きは、図2(b)に示した通りとなり、正極負極が固定されたモノポーラの電圧計12でこの第2電圧値VD2を測定することが可能である。
さらにまた、図2(c)に示すように、制御ユニット15により、切替えスイッチ19a,19cをONとすると共に切替えスイッチ19b,19dをOFFとし、電圧計12の正極を発電部11の正極に接続すると共に、電圧計12の負極を発電部11の負極に接続する。これにより、発電部11の極間を互いに接続させる、すなわち、発電部11の正極から、切替えスイッチ19a、抵抗12a、切替えスイッチ19c及び発電部11の負極へこの順に接続されてなる閉回路を形成する。この状態で、電圧計12により、抵抗12aの電圧値を、第3負荷抵抗における電圧値である第3電圧値Vとして測定する。この場合にも、正極負極が固定されたモノポーラの電圧計12でこの第3電圧値Vを測定可能であることは言うまでもない。
このように発電部11の正極を電圧計12に接続するときには、必ず電圧計12の正極に接続し、発電部11の負極を電圧計12に接続するときには、必ず電圧計12の負極に接続する構成であるため、モノポーラの電圧計12を利用することができる。なぜならば、発電部11中のどの位置で地絡が発生しても、その電位は、太陽電池正極の電位以下であることから、発電部11の正極を電圧計12に接続した場合の抵抗12a中の電流の向きは、発電部11から大地Gに流れ込む向きとなり、また、発電部11中のどの位置で地絡が発生しても、その電位は、太陽電池負極の電位以上であることから、発電部11の負極を電圧計12に接続した場合の抵抗12a中の電流の向きは、大地Gから発電部11に流れ込む向きとなるためである。
続いて、演算ユニット16により、第1〜第3電圧値VD1,VD2,Vに基づき絶縁抵抗Rを測定する。まず、絶縁抵抗Rの測定の原理について、説明する。
発電部11の正極側を大地Gへ接地させた状態(図2(a)参照)では、流れる電流値Iは、下式(2)で表せる。また、発電部11の負極側を大地Gへ接地させた状態(図2(b)参照)では、流れる電流値Iは、下式(3)で表せる。
=V/(R+R) …(2)
=V/(R+R) …(3)
:地絡点から発電部11の正極までの太陽電池モジュール17による電圧値、
:地絡点から発電部11の負極までの太陽電池モジュール17による電圧値、
:所定抵抗値。
従って、下式(4)〜(6)に示すように、電圧値(V+V)及び電流値(I+I)より、絶縁抵抗Rを算出することができる。
+I=(V+V)/(R+R) …(4)
(V+V)/(I+I)=R+R …(5)
=(V+V)/(I+I)−R …(6)
また、地絡点の位置を、次式に基づき判定することが可能である。
:V2=I:I2
図3は、図1の絶縁抵抗測定装置を説明するためのIVカーブを示すグラフである。図3において、IVカーブC1は地絡点から発電部11の正極までの太陽電池モジュール17の4直列IVカーブを示し、IVカーブC2は地絡点から発電部11の負極までの太陽電池モジュール17の2直列IVカーブを示し、IVカーブC3は発電部11の極間における太陽電池モジュール17の6直列IVカーブを示している。同じ電流値では、IVカーブC3の電圧値は、IVカーブC1の電圧値とICカーブC2の電圧値との合計となっている。なお、図中では、説明のための便宜上、低電流部分を拡大・強調して示している。
発電部11の正極側を大地Gへ接地させた状態、及び、発電部11の負極側を大地Gへ接地させた状態では、負荷抵抗として、絶縁抵抗Rと所定抵抗値Rとが直列に接続されている。よって、図3に示すように、これらの状態の発電部11の動作電圧である電圧値V,Vは、IVカーブC1,C2と直線I=V(R+R)との交点における電圧値である。発電部11全体の開放電圧VOCは、VOC=VOC1+VOC2であるため、V+V≦VOCとなる。
OC1:地絡点から発電部11の正極までの太陽電池モジュール17の開放電圧、
OC2:地絡点から発電部11の負極までの太陽電池モジュール17の開放電圧。
よって、上式(6)の電圧値(V+V)の代用として開放電圧VOCを用いると、絶縁抵抗Rを過大評価し、絶縁抵抗Rを見落としてしまう場合がある。特に、発電部11の直列抵抗が増大していると、電圧値(V+V)が開放電圧VOCよりも著しく低下することがあるため、絶縁抵抗Rの過大評価が顕著となる。また、発電部11が劣化している場合は、絶縁抵抗の低下と同時に、直列抵抗も増大していることが懸念される。
これに対し、負荷抵抗(R+R)における発電部11全体の極間電圧Vは、V≦V+Vである。そのため、上式(6)の電圧値(V+V)の代用として極間電圧Vを用いると、絶縁抵抗Rを過大評価することは回避できるが、当該絶縁抵抗Rは未知であるため、極間電圧Vを正確に求めることは困難である。
この点、極間電圧Vの最低値は、次のようにして予測することができる。すなわち、絶縁抵抗Rが低下すれば、負荷抵抗(R+R)については所定抵抗値Rまで低下するため、極間電圧Vの最低値は、第3電圧値V(負荷抵抗が所定抵抗値Rのときにおける発電部11全体の極間電圧V)となる。従って、V≦V≦V+Vとなることから、上式(6)における電圧値(V+V)として、第3電圧値Vを用いれば、絶縁抵抗Rを過大評価のおそれを抑制して測定できることが見出される。
そこで、本実施形態の演算ユニット16では、下式(7),(8)に基づいて絶縁抵抗Rを演算して測定する。なお、前述のように、下式(7),(8)において、VD1は発電部11の正極を大地Gに接続させた状態での第1負荷抵抗における電圧値(第1電圧値)、VD2は発電部11の負極を大地Gに接続させた状態での第2負荷抵抗における電圧値(第2電圧値)、Vは発電部11の正極及び負極を互いに接続させた状態での第3負荷抵抗における電圧値(第3電圧値)、Iは発電部11の正極を大地Gに接続させた状態での第1負荷抵抗における電流値、Iは発電部11の負極を大地Gに接続させた状態での第2負荷抵抗における電流値、Iは発電部11の正極及び負極を互いに接続させた状態での第3負荷抵抗における電流値、Rは所定抵抗値、Rは絶縁抵抗である。
≧(I/(I+I)−1)×R …(7)
=V/R,I=VD1/R、I=VD2/R …(8)
上式(7)は、V+V≧V=I×Rと上式(6)とにより得ることができる。すなわち、絶縁抵抗R
(I/(I+I)−1)×R
として評価すれば、絶縁抵抗Rの真値は当該評価値以上であることから、絶縁抵抗Rの低下を見逃すことなく把握することが可能となる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、第1負荷抵抗と、第2負荷抵抗と、第3負荷抵抗とを、全て、電圧計12の正極及び負極の間における抵抗12aにより構成する場合を説明した。このように、第1〜第3負荷抵抗を電圧計12の測定対象となる抵抗のみにより構成する場合には、電流値を算出せずに、下式(9)に示すように電圧計12によって測定された値を直接使用してよいことは言うまでもない。
≧(V/(VD1+VD2)−1)×R …(9)
この場合、地絡点の位置についても電流値を使用せずに電圧計によって測定された値を直接使用してよいことも言うまでもない(次式参照)。
:V2=VD1:VD2
ちなみに、所定抵抗値Rは、絶縁抵抗Rを精度よく測定するために、次の値とすることが好ましい。つまり、所定抵抗値Rが小さすぎると地絡していることになることから、地絡と判断する閾値と同程度又は閾値よりも高いことが好ましい。所定抵抗値Rが大きすぎると、電流値I1,I2の測定時に対地電位が安定するまで待つ時間が長くなって測定時間が長くなることから、短い測定時間での測定では、測定精度が低下する。所定抵抗値Rは、測定に許容される時間を対地静電容量で除し、さらに所定値(ここでは、3)で除した値と同程度又はそれ以下であることが好ましい。
以上、本実施形態では、発電部11の正極を大地Gに接続させた状態で第1電圧値VD1が測定され、発電部11の負極を大地Gに接地させた状態で第2電圧値VD2が測定され、発電部11の正極及び負極を互いに接続させた状態で第3電圧値Vが測定される。ここで、発電部11の正極及び大地間の第1負荷抵抗と、発電部11の負極及び大地間の第2負荷抵抗と、発電部11の正極及び該負極間の第3負荷抵抗と、は、抵抗12aが兼用されて互いに同じ所定抵抗値Rとされていることから、第3電圧値Vについて、V≦V≦V+Vが成立する。
よって、第3電圧値Vを上式(6)の電圧値(V+V)として用いた上式(7)の右辺でもって絶縁抵抗Rを算出することで、絶縁抵抗Rを過大評価するおそれなく監視でき、その結果、絶縁抵抗Rの低下を見逃すことなく把握することが可能となる。加えて、例えば装置構成及び絶縁抵抗Rの算出に係るソフトウェアが簡易なものとなり、動作が確実で安価な絶縁抵抗測定装置100を製造することも可能となる。
また、本実施形態においては、上述したように、地絡点の位置を演算して判定することができ、よって、地絡点の位置についても把握可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、一つの電圧計12のみによって絶縁抵抗Rを測定することが可能となり、簡易な構成で絶縁抵抗Rを測定することが可能となる。また、上述したように、電圧計12としては、電圧の向きを判定可能な電圧計である双極型(バイポーラ)のもの等が要されず、単極型(モノポーラ)のものを用いることができる。すなわち、本実施形態によれば、正電圧だけ計れる電圧計12を1台で、3つの測定(電圧値VD1,VD2,Vの測定)を実現することができる。その結果、低コスト化するだけでなく、メンテナンスを容易化することが可能となる。
上記において、第1及び第2切替接続部13,14と切替えスイッチ19a,19dと抵抗12aと電圧計12とは、発電部11の正極を大地Gに接続させて第1電圧値VD1を測定する第1測定部を構成する。また、第1及び第2切替接続部13,14と切替えスイッチ19b、19cと抵抗12aと電圧計12とは、発電部11の負極を大地Gに接地させて第2電圧値VD2を測定する第2測定部を構成する。また、第1及び第2切替接続部13,14と切替えスイッチ19a、19cと抵抗12aと電圧計12とは、発電部11の正極及び負極を互いに接続させて第3電圧値Vを測定する第3測定部を構成する。
図4は、図1の絶縁抵抗測定装置の変形例を示す構成図である。図4に示すように、絶縁抵抗測定装置100は、切替えスイッチ19a,19b(図1参照)に代えてC接点20aを備えていると共に、切替えスイッチ19c,19d(図1参照)に代えてC接点20bを備えていてもよい。これにより、配線を簡易化することができ、ひいては、一層簡易な構成で絶縁抵抗Rを測定することが可能となる。
なお、本実施形態において、第1負荷抵抗、第2負荷抵抗及び第3負荷抵抗を電圧計12に並列接続された抵抗12aだけで構成するのではなく、保護抵抗を含めて構成してもよい。すなわち、第1切替接続部13及び/又は第2切替接続部14に、第1〜第3負荷抵抗の各抵抗値が互いに等しくなるように、一つ又は複数の保護抵抗を配置してもよい。この場合、演算ユニット16では、下式(10),(11)に基づいて絶縁抵抗Rを演算して測定できる。なお、下式(10),(11)において、VD1は発電部11の正極を大地Gに接続させた状態での抵抗12aにおける電圧値、VD2は発電部11の負極を大地Gに接続させた状態での抵抗12aにおける電圧値、Vは発電部11の正極及び負極を互いに接続させた状態での抵抗12aにおける電圧値、Iは発電部11の正極を大地Gに接続させた状態での第1負荷抵抗における電流値、Iは発電部11の負極を大地Gに接続させた状態での第2負荷抵抗における電流値、Rは抵抗12aの抵抗値、Rは各第1〜第3負荷抵抗における保護抵抗値の和、Rは絶縁抵抗値である。ここでは、所定抵抗値は(R+R)である。
≧(I/(I+I)−1)×(R+R) …(10)
=V/R、I=VD1/R、I=VD2/R …(11)
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図5は、第2実施形態に係る絶縁抵抗測定装置を示す構成図である。図5に示すように、本実施形態の絶縁抵抗測定装置200が上記第1実施形態と異なる点は、測定部10(図1参照)に代えて、第1〜第3測定部211〜213を有する測定部210を備えている点である。
第1測定部211は、所定抵抗値Rを有する第1抵抗12a1と、この第1抵抗12a1の電圧値を測定する第1電圧計12と、切替えスイッチ219aを介して第1電圧計12の正極(第1抵抗12a1の正極側)を発電部11の正極に接続する第1配線21と、切替えスイッチ219bを介して第1電圧計12の負極(第1抵抗12a1の負極側)を大地Gに接続する第1配線22と、を含んでいる。
第2測定部212は、所定抵抗値Rを有する第2抵抗12a2と、この第2抵抗12a2の電圧値を測定する第2電圧計12と、切替えスイッチ219cを介して第2電圧計12の正極(第2抵抗12a2の正極側)を大地Gに接続する第2配線21と、切替えスイッチ219dを介して第2電圧計12の負極(第2抵抗12a2の負極側)を発電部11の負極に接続する第2配線22と、を含んでいる。
第3測定部213は、所定抵抗値Rを有する第3抵抗12a3と、この第3抵抗12a3の電圧値を測定する第3電圧計12と、切替えスイッチ219eを介して第3電圧計12の正極(第3抵抗12a3の正極側)を発電部11の正極に接続する第3配線21と、切替えスイッチ219fを介して第3電圧計12の負極(第3抵抗12a3の負極側)を発電部11の負極に接続する第3配線22と、を含んでいる。
この本実施形態の絶縁抵抗測定装置200を用いた絶縁抵抗測定方法では、制御ユニット15により、切替えスイッチ219a,219bをONとすると共に切替えスイッチ219c〜219fをOFFとし、発電部11の正極側を大地Gへ接地させる。この状態で、第1電圧計12により、第1抵抗12a1の電圧値を第1電圧値VD1として測定する。
また、制御ユニット15により、切替えスイッチ219c,219dをONとすると共に切替えスイッチ219a,219b,219e,219fをOFFとし、発電部11の負極側を大地Gへ接地させる。この状態で、第2電圧計12により、第2抵抗12a2の電圧値を第2電圧値VD2として測定する。
さらにまた、制御ユニット15により、切替えスイッチ219e,219fをONとすると共に切替えスイッチ219a〜219dをOFFとし、発電部11の極間を互いに接続させる。この状態で、第3電圧計12により、第4抵抗12a3の電圧値を第3電圧値Vとして測定する。
以上、本実施形態においても、第1負荷抵抗と第2負荷抵抗と第3負荷抵抗とが互いに同じ所定抵抗値Rとなっており、よって、絶縁抵抗Rを過大評価するおそれなく監視し、絶縁抵抗Rの低下を見逃すことなく把握することが可能となるという上記作用効果が奏される。
なお、本実施形態において、第1抵抗12a1と第2抵抗12a2と第3抵抗12a3とが全て等しい抵抗値Rを有することとして説明したが、第1負荷抵抗と第2負荷抵抗と第3負荷抵抗とが互いに同じ所定抵抗値であればよく、電圧計12〜12の測定対象となる抵抗12a1〜12a3を全て同じ値にする必要はない。例えば、図5において、第1配線21に第1保護抵抗Rを、第2配線22に第2保護抵抗Rを、第3配線21に第3保護抵抗Rをそれぞれ配置し、第1負荷抵抗(第1保護抵抗Rと第1抵抗12a1との和)と、第2負荷抵抗(第2保護抵抗Rと第2抵抗12a2との和)と、第3負荷抵抗(第3保護抵抗Rと第3抵抗12a3との和)が互いに同じ所定抵抗値になるように設計することができる。
さらにまた、本実施形態においては、第1、第2及び第3負荷抵抗は互いに同じ所定抵抗値を有しなくともよく、要は、第3負荷抵抗の抵抗値が、第1及び第2負荷抵抗が同じ抵抗値を有する場合には当該抵抗値以下とされ、第1及び第2負荷抵抗が互いに異なる抵抗値を有する場合には第1及び第2負荷抵抗の各抵抗値のうち小さい一方(大きくない一方)の抵抗値以下とされていてもよい。この場合、例えば以下に例示するように、絶縁抵抗Rの低下を見逃すことなく把握することができ、地絡点の位置(地絡位置)を把握することができる。
まず、発電部11の正極を、抵抗値RD1を有する第1負荷抵抗を介して接地した際に、この第1負荷抵抗に発生する電圧を第1電圧値VD1とし、このときの地絡点から当該正極までの発電部11の電圧を電圧値Vとする。発電部11の負極を、抵抗値RD2を有する第2負荷抵抗を介して接地した際に、この第2負荷抵抗に発生する電圧を第2電圧値VD2とし、このときの地絡点から負極までの発電部11の電圧を電圧値Vとする。発電部11の正極及び負極間を、抵抗値RD3を有する第3負荷抵抗を介して接続した際に、この第3負荷抵抗に発生する電圧を第3電圧値Vとする。
この場合、次式(A),(B)が成立する。また、RD3≦RD1、且つ、RD3≦RD2より、次式(C)が成立する。
D1=V×RD1/(R+RD1) …(A)
D2=V×RD2/(R+RD2) …(B)
+V≧V …(C)
そして、上式(A),(B),(C)より、下式を得ることができる。
≧RD1×RD2×(V−VD1−VD2
/(RD1×VD2+RD2×VD1
すなわち、V+V=Vとみなし、絶縁抵抗R
D1×RD2×(V−VD1−VD2)/(RD1×VD2+RD2×VD1
として評価すれば、絶縁抵抗Rの真値は当該評価値以上であることから、絶縁抵抗Rの低下を見逃すことなく把握することが可能となる。
さらにこの場合、下式により地絡位置を推定することが可能である。
:V=VD1×(RD2×V+VD2×(RD1−RD2)):
D2×(RD1×V+VD1×(RD2−RD1))
なお、負荷抵抗の抵抗値RD1,RD2,RD3の何れも、複数の抵抗の組み合わせで構成することができる。このとき、その一部の抵抗の電圧値から上記電圧値VD1,VD2,Vを求めることで、上記計算を行ってもよい。
或いは、第1、第2及び第3負荷抵抗に流れる電流に基づいて、絶縁抵抗R及び地絡位置を求めてもよい。例えば、上記の例において、発電部11の正極を第1負荷抵抗を介して接地した際に第1負荷抵抗に流れる電流を電流値Iとし、発電部11の負極を第2負荷抵抗を介して接地した際に第2負荷抵抗に流れる電流を電流値Iとし、発電部11の正極及び負極間を抵抗値RD3を有する第3負荷抵抗を介して互いに接続した際に第3負荷抵抗に流れる電流を電流値Iとする場合、次式(D),(E)が成立し、また、RD3≦RD1、且つ、RD3≦RD2より、次式(F)が成立する。
=V/(R+RD1) …(D)
=V/(R+RD2) …(E)
+V≧V …(F)
そして、上式(D),(E),(F)より、下式を得ることができる。
≧(V−RD2×I−RD1×I)/(I+I
すなわち、V+V=Vとみなし、また、V=RD3×Iであることから、絶縁抵抗R
(RD3×I−RD2×I−RD1×I)/(I+I
として評価すれば、絶縁抵抗Rの真値は当該評価値以上であることから、絶縁抵抗Rの低下を見逃すことなく把握することが可能となる。
さらにこの場合、下式により地絡位置を推定することが可能である。
:V=I×(RD3×I+I×(RD1−RD2)):
×(RD3×I+I×(RD2−RD1))
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図6は、第3実施形態に係る絶縁抵抗測定装置を示す構成図である。図6に示すように、本実施形態の絶縁抵抗測定装置300が上記第1実施形態と異なる点は、測定部10(図1参照)に代えて、対地測定部311及び極間測定部312を有する測定部310を備えている点である。
対地測定部311は、第1及び第2測定部を構成するものであり、抵抗31と、この抵抗31の電圧値を測定する双極型の電圧計32と、切替えスイッチ319aを介して電圧計32の一方側を発電部11の正極に接続する配線33xと、切替えスイッチ319bを介して電圧計32の一方側を発電部11の正極に接続する配線33yと、電圧計32の他方側を大地Gに接続する配線34と、を含んでいる。配線33xには、抵抗35xが設けられ、配線33yには、抵抗35yが設けられている。
極間測定部312は、第3測定部を構成するものであり、抵抗36と、この抵抗36の電圧値を測定する電圧計37と、切替えスイッチ319cを介して電圧計37の正極を発電部11の正極に接続する配線38と、切替えスイッチ319dを介して電圧計37の負極を発電部11の負極に接続する配線39と、を含んでいる。
ここで、本実施形態では、抵抗31の抵抗値と抵抗35xの抵抗値との合計、抵抗31の抵抗値と抵抗35yの抵抗値との合計、及び、抵抗36の抵抗値が、互いに同じとされており、ここでは、所定抵抗値Rとされている。これにより、本実施形態においても、第1負荷抵抗と第2負荷抵抗と第3負荷抵抗とが互いに同じ所定抵抗値Rとなっており、よって、絶縁抵抗Rを過大評価するおそれなく監視し、絶縁抵抗Rの低下を見逃すことなく把握することが可能となるという上記作用効果が奏される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、太陽電池モジュール17を構成する太陽電池ユニットの数、太陽電池ストリング18を構成する太陽電池モジュール17の数、太陽電池アレイを構成する太陽電池ストリング18の数、及び、太陽光発電システムを構成する太陽電池アレイの数については、限定されるものではなく、1つとしてもよいし複数としてもよい。
また、上記実施形態では、第1測定部により第1電圧値VD1を測定したが、電流値Iを測定してもよい。また、第2測定部により第2電圧値VD2を測定したが、電流値Iを測定してもよい。また、本発明においては、測定部の構成は限定されるものではなく、第1負荷抵抗と第2負荷抵抗と第3負荷抵抗とが互いに同じ所定抵抗値であれば、種々の構成を採用することができる。なお、上記実施形態は、絶縁抵抗測定装置を備えた太陽電池ストリング、太陽電池アレイ又は太陽光発電システムとして捉えることもできる。
また、上記第1〜3実施形態の何れかに係る絶縁抵抗測定装置は、警報部を更に備えた絶縁監視装置として捉えることもできる。つまり、本発明は、絶縁抵抗測定装置100,200,300の何れかを用いて発電部11における絶縁抵抗を測定し、その測定結果である絶縁抵抗が所定値を下回っている場合に警報を発する絶縁監視装置として捉えることもできる。
この場合、例えば、警報部は、演算ユニット16により演算された発電部11の絶縁抵抗Rを、記憶装置に予め記憶された所定値と比較し(比較判定処理)、絶縁抵抗Rが所定値を下回っている場合に警報を発する。警報部としては、ブザー等の音を発するものであってもよいし、モニタに地絡がある旨を表示するものであってもよいし、別途設けられた監視システムに無線又は有線により警報信号を発信するものであってもよいし、これらの少なくとも何れかを有するものであってもよい。警報部の比較判定処理は、演算ユニット16により実行する構成としてもよい。
なお、「発電部11の正極と大地Gとの接続」、「発電部11の負極と大地Gとの接続」、「発電部11の正極と負極との接続」、「電圧計12の負極と大地Gとの接続」、「電圧計12の正極と発電部11の正極との接続」、「電圧計12の正極と大地Gとの接続」、「電圧計12の負極と発電部11の負極との接続」、及び、「電圧計12の負極と大地Gとの接続」のそれぞれでは、接続される両者の間に1又は複数の抵抗やスイッチ等の電子部品(素子)が介在されていてもよく、要は、両者が互いに電気的に接続されていればよい。
10,210,310…測定部、11…発電部、12…電圧計(第1測定部,第2測定部,第3測定部)、12a…抵抗(第1測定部,第2測定部,第3測定部)、13…第1切替接続部(第1測定部,第2測定部,第3測定部)、14…第2切替接続部(第1測定部,第2測定部,第3測定部)、16…演算ユニット(演算部)、17…太陽電池モジュール、18…太陽電池ストリング、19a…切替えスイッチ(第1測定部,第3測定部)19b…切替えスイッチ(第2測定部)、19c…切替えスイッチ(第2測定部,第3測定部)、19d…切替えスイッチ(第1測定部)、100,200,300…絶縁抵抗測定装置、211…第1測定部、212…第2測定部、213…第3測定部、311…対地測定部(第1測定部,第2測定部)、312…極間測定部(第3測定部)、G…大地。

Claims (7)

  1. 少なくとも一つの太陽電池モジュールにより構成された発電部における絶縁抵抗を測定するための絶縁抵抗測定装置であって、
    前記発電部の正極を大地に接続させた状態で、該正極及び大地間の第1負荷抵抗における電圧値又は電流値を測定する第1測定部と、
    前記発電部の負極を大地に接地させた状態で、該負極及び大地間の第2負荷抵抗における電圧値又は電流値を測定する第2測定部と、
    前記発電部の正極及び負極を互いに接続させた状態で、該正極及び該負極間の第3負荷抵抗における電圧値又は電流値を測定する第3測定部と、を備えた測定部を具備し、
    前記第3負荷抵抗の抵抗値は、
    前記第1及び第2負荷抵抗が同じ抵抗値を有する場合、当該抵抗値以下とされ、
    前記第1及び第2負荷抵抗が互いに異なる抵抗値を有する場合、前記第1及び第2負荷抵抗の各抵抗値のうち小さい一方の抵抗値以下とされていること、を特徴とする絶縁抵抗測定装置。
  2. 下式(1−1)に基づいて前記絶縁抵抗Rを演算する演算部を備えたこと、を特徴とする請求項1記載の絶縁抵抗測定装置。
    ≧(RD3×I−RD2×I−RD1×I)/(I+I)…(1−1)
    但し、I:前記発電部の正極を大地に接続させた状態での前記第1負荷抵抗における電流値、I:前記発電部の負極を大地に接続させた状態での前記第2負荷抵抗における電流値、I:前記発電部の正極及び負極を互いに接続させた状態での前記第3負荷抵抗における電流値、RD1:前記第1負荷抵抗、RD2:前記第2負荷抵抗、RD3:前記第3負荷抵抗、R:前記絶縁抵抗。
  3. 下式(1−2)に基づいて地絡点の位置を演算する演算部を備えたこと、を特徴とする請求項1又は2記載の絶縁抵抗測定装置。
    :V=I×(RD3×I+I×(RD1−RD2)):
    ×(RD3×I+I×(RD2−RD1))…(1−2)
    但し、V:地絡点から発電部の正極までの電圧値、V:地絡点から発電部の負極までの電圧値、I:前記発電部の正極を大地に接続させた状態での前記第1負荷抵抗における電流値、I:前記発電部の負極を大地に接続させた状態での前記第2負荷抵抗における電流値、RD1:前記第1負荷抵抗、RD2:前記第2負荷抵抗、RD3:前記第3負荷抵抗。
  4. 前記第1、第2及び第3負荷抵抗は、互いに同じ所定抵抗値を有すること、を特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の絶縁抵抗測定装置。
  5. 前記測定部は、
    正極及び負極を有し、該正極及び該負極間の抵抗の電圧値を測定する電圧計と、
    前記電圧計の正極を、前記発電部の正極と大地との間で切替可能に接続する第1切替接続部と、
    前記電圧計の負極を、前記発電部の負極と大地との間で切替可能に接続する第2切替接続部と、を含んで構成され、
    前記第1、第2及び第3負荷抵抗は、前記電圧計の正極及び負極間の前記抵抗により構成されており、
    前記第1測定部は、前記第1切替接続部によって前記電圧計の正極を前記発電部の正極に接続させつつ、前記第2切替接続部によって前記電圧計の負極を大地に接続させた状態で、前記抵抗における電圧値又は電流値を測定し、
    前記第2測定部は、前記第1切替接続部によって前記電圧計の正極を大地に接続させつつ、前記第2切替接続部によって前記電圧計の負極を前記発電部の負極に接続させた状態で、前記抵抗における電圧値又は電流値を測定し、
    前記第3測定部は、前記第1切替接続部によって前記電圧計の正極を前記発電部の正極に接続させつつ、前記第2切替接続部によって前記電圧計の負極を前記発電部の負極に接続させた状態で、前記抵抗における電圧値又は電流値を測定すること、を特徴とする請求項2〜4の何れか一項記載の絶縁抵抗測定装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項記載の絶縁抵抗測定装置を用いて前記発電部における前記絶縁抵抗を測定すること、特徴とする絶縁抵抗測定方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項記載の絶縁抵抗測定装置を用いて前記発電部における前記絶縁抵抗を測定し、測定した前記絶縁抵抗が所定値を下回っている場合に、警報を発することを特徴とする絶縁監視装置。
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