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JP2015047518A - 触媒付パティキュレートフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

触媒付パティキュレートフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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JP2015047518A JP2013178474A JP2013178474A JP2015047518A JP 2015047518 A JP2015047518 A JP 2015047518A JP 2013178474 A JP2013178474 A JP 2013178474A JP 2013178474 A JP2013178474 A JP 2013178474A JP 2015047518 A JP2015047518 A JP 2015047518A
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Abstract

【課題】PMの燃焼効率を向上でき、背圧の上昇、フィルタの目詰まり及び燃費の悪化を防止できる触媒付パティキュレートフィルタを得る。【解決手段】触媒付パティキュレートフィルタは、排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタの排気ガス通路壁30に触媒層20が設けられており、触媒層20は、成分が異なる複数種のγ−アルミナ21,22と、活性酸素を放出する複合酸化物24,25と、複数種のγ−アルミナ及び複合酸化物に担持されたPt23とを含む。【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンから排出されるパティキュレートを捕集するとともに、捕集したパティキュレートを燃焼除去するのに用いられる触媒を備えた触媒付パティキュレートフィルタ及びその製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の希薄燃焼エンジンを搭載した自動車の排気ガス通路には、排気ガス中のパティキュレート(炭素質微粒子等のPM:Particulate matter)を捕集するフィルタが設けられている。このフィルタのPM堆積量が多くなると、フィルタの目詰まりを招く。そのため、フィルタの前後に設けられた圧力センサの圧力差等に基づいてPM堆積量を推定し、その堆積量が所定値になった時点で、エンジンの燃料噴射制御(燃料増量や後噴射等)によって、フィルタに到達する排気ガスの温度を高め、PMを燃焼除去するようにされている。また、このフィルタの排気ガス通路壁に触媒が担持されており、その触媒は、PMに対する着火性を高めたり(着火温度を下げたり)、燃焼の持続性を確保したりすることで、PMの大気中への放出を抑えるだけでなく、フィルタの再生時間を短くし、もってポスト噴射量を低減でき、すなわち燃費悪化を抑制することにも寄与する。
このような触媒付パティキュレートフィルタは、例えば特許文献1に提示されている。具体的に、特許文献1には、排気ガス中のPMを捕集するフィルタの排気ガス通路壁に、Ce含有複合酸化物、Ceを含まないZr含有複合酸化物、活性アルミナ及び触媒金属を含む触媒層が設けられ、これらそれぞれに同量の触媒金属としてのPtが担持されている触媒付パティキュレートフィルタが開示されている。
特開2009−039632号公報
上記特許文献1には、触媒成分として含まれるアルミナの詳細について記載されていないが、近年の排気ガス浄化用触媒は耐熱性が要求されるため、通常、Laを酸化物換算で3〜5質量%程度含む、耐熱性が高いLa含有アルミナが用いられている。また、アルミナに触媒金属としてのPtが担持されたPt担持アルミナは、酸化触媒やリーンNOトラップ触媒において、NOをNOに酸化する機能を有することが知られており、さらにNOはPMの燃焼に効果的であることも知られている。従って、Pt担持アルミナをパティキュレートフィルタに担持することは有用であるといえる。
ところで、上記La含有アルミナは、その結晶構造から、比表面積が大きくて触媒金属を担持するのに有利であり、触媒材に用いるのに適したγ−アルミナに分類される。但し、上記La含有アルミナは、嵩高いという特徴を有する。このため、上記PM燃焼性を大きく改善するために、触媒におけるLa含有アルミナの含有量を増やし、且つ該アルミナにPtを多く担持しようとする場合、排気ガス流路であるフィルタ細孔が狭くなり、背圧上昇や目詰まりが生じやすくなる。その結果、フィルタ再生頻度が高くなるため、燃費の悪化を招くこととなる。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、PMの燃焼効率を向上でき、背圧の上昇、フィルタの目詰まり及び燃費の悪化を防止できる触媒付パティキュレートフィルタを得ることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、触媒付パティキュレートフィルタに設けられる触媒層に含まれる触媒材として、Ptがそれぞれ担持された複数種のγ−アルミナを用いた。
具体的に、本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタは、排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタの排気ガス通路壁に触媒層が設けられた触媒付パティキュレートフィルタであって、触媒層は、成分が異なる複数種のγ−アルミナと、活性酸素を放出する複合酸化物と、複数種のγ−アルミナ及び複合酸化物に担持されたPtとを含むことを特徴とする。
本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタによると、上記のように触媒材に用いるのに適したγ−アルミナにPtが担持されたものを触媒層の材料として用いているため、NOをNOに酸化する性能を向上することができる。さらに、例えばLa含有アルミナのような嵩高いアルミナだけを用いるのでなく、他のアルミナを用いる、すなわち複数種のアルミナを用いることにより、アルミナの総量を多くしても、その嵩高さを抑えることが可能となる。これによりフィルタの目詰まり、背圧上昇を防止でき、その結果、フィルタ再生頻度を低減できて、燃費の悪化を防止できる。また、触媒層は活性酸素を放出する複合酸化物を含むため、フィルタに堆積したPMが触媒と接触している際に、該触媒によりPMが酸化燃焼され、触媒とPMとが非接触状態となっても、複合酸化物からPMに活性酸素が供給されるため、PM燃焼の持続性が良好となる。
本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタにおいて、複数種のγ−アルミナは、添加物を含まない第1アルミナと、Laを含有する第2アルミナとを含むことが好ましい。
上記の通り、Laを含有する第2アルミナは耐熱性が高く、嵩高いという特徴を有している。このような第2アルミナのみでなく、添加物を含まない第1アルミナを共に用いることで、触媒材の耐熱性を大きく犠牲にすることなく、トータルの嵩高さを抑えることができる。このため、フィルタの細孔の狭小化を防ぐことができて、フィルタの目詰まり及び背圧上昇を防止できる。その結果、フィルタ再生頻度を低減できて、燃費の悪化を防ぐことができる。
本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタにおいて、複合酸化物は、Ceを含有せず且つZrを含有するZr系複合酸化物と、Ce及びZrを含有するCeZr系複合酸化物とを含むことが好ましい。
Zr系複合酸化物は、酸素交換能を有し、イオン伝導性が高く、PM燃焼に有効に働く活性酸素を多く放出できると考えられている。このため、Zr含有複合酸化物にPtを担持させるとPtが活性の高い酸化状態に保たれ、優れたPM燃焼性能を有することとなる。また、CeZr含有複合酸化物は、高い酸素吸蔵放出能を有し、反応活性が高い酸素を放出できると考えられている。このため、PMの燃焼に伴ってその燃焼部位の酸素が局部的に消費されても、ZrCe系複合酸化物によって酸素が速やかに補われてPM燃焼が維持される。
この場合、Zr系複合酸化物は、平均細孔径が20nm以上60nm以下であるZrNdPr含有複合酸化物であることが好ましい。
このようにすると、Zr系複合酸化物の細孔径が比較的に大きいため、排気ガスとの接触性を向上でき、活性酸素の発生量を向上できる。
本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタの製造方法は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタの排気ガス通路壁に触媒層が設けられた触媒付パティキュレートフィルタの製造方法であって、成分が異なる複数種のγ−アルミナを混合し、得られた混合物にPtを担持する工程と、活性酸素を放出する複合酸化物にPtを担持する工程と、Ptが担持された複数種のγ−アルミナと、Ptが担持された複合酸化物とを混合し、得られた混合物をフィルタの排気ガス通路壁上にコーティングする工程とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタの製造方法によると、上記Ptが担持された複数種のγ−アルミナによって上記のようなNOからNOへの酸化性能を向上することができるとともに複合酸化物から放出される活性酸素によって、PM燃焼の持続性を良好にでき、さらに、フィルタの目詰まりやこれに伴う背圧上昇を防止できて燃費の悪化を防ぐことができる触媒付パティキュレートフィルタを得ることができる。
本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタの製造方法では、複数種のγ−アルミナ及び複合酸化物に担持するPtの原料として、エタノールアミンPtを用いることが好ましい。
エタノールアミンPtは、エタノールアミンとPtとの錯体であり、ニトロ基とアミン基がPtを中心として配位する平面四角形分子構造のPt原料(Pt−Pソルト)と比較して、ヒドロキシル基がPtを中心として配位する八面体形分子構造をとる。加えて、エタノールアミン(NHOH)が上記Pt−ヒドロキシル基錯体の周囲に存在するため、錯体が大きい。従って、エタノールアミンPtを用いるとその錯体の多くが上記γ−アルミナ及び複合酸化物の細孔内に入り込むことなく、それらの表面上に担持され、すなわち、多くのPtを触媒材の表面に配置することができる。その結果、PMとPtとの接触率を大きくでき、PMの燃焼性を向上できる。
本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタ及びその製造方法によると、NOをNOに高効率で酸化できてPM燃焼性を向上でき、さらに、フィルタの目詰まりやこれに伴う背圧上昇を防止して燃費の悪化を防ぐことができる触媒付パティキュレートフィルタを得ることができる。
パティキュレートフィルタをエンジンの排気ガス通路に配置した状態を示す図である。 同フィルタを模式的に示す正面図である。 同フィルタを模式的に示す縦断面図である。 同フィルタの排気ガス通路壁を模式的に示す拡大断面図である。 同フィルタの排気ガス通路壁(担体)上に形成された触媒層の構成を模式的に示す断面図である。 Pt−Pソルト及びエタノールアミンPtをそれぞれ用いてPtが担持されたLa含有アルミナを示す透過型電子顕微鏡(TEM)により撮影した写真である。 La含有アルミナと純アルミナとのX線回折のスペクトルを示す図である。 La含有アルミナと純アルミナとの細孔分布を示す図である。 実施例1〜6及び比較例1,2の触媒付パティキュレートフィルタのカーボン燃焼性能を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでない。
<パティキュレートフィルタの構造>
以下、PMを捕集するためのパティキュレートフィルタの構造について説明する。
図1はディーゼルエンジンの排気ガス通路11に配置されたパティキュレートフィルタ(以下、単に「フィルタ」という。)10を示す。フィルタ10よりも排気ガス流の上流側の排気ガス通路11には、酸化物等からなるサポート材にPt等の触媒金属を担持した酸化触媒(図示省略)を配置することができる。
図2及び図3に模式的に示すように、フィルタ10は、ハニカム構造をなしており、互いに平行に延びる多数の排気ガス通路12、13を備えている。すなわち、フィルタ10は、下流端が栓14により閉塞された排気ガス流入路12と、上流端が栓14により閉塞された排気ガス流出路13とが交互に設けられ、排気ガス流入路12と排気ガス流出路13とは薄肉の隔壁15を介して隔てられている。なお、図2においてハッチングを付した部分は排気ガス流出路13の上流端の栓14を示している。
フィルタ10は、前記隔壁15を含むフィルタ本体がコージェライト、SiC、Si、サイアロン、AlTiOのような無機多孔質材料から形成されている。排気ガス流入路12内に流入した排気ガスは図3において矢印で示したように周囲の隔壁15を通って隣接する排気ガス流出路13内に流出する。すなわち、図4に示すように、隔壁15は排気ガス流入路12と排気ガス流出路13とを連通する微小な細孔(排気ガス通路)16を有し、この細孔16を排気ガスが通る。PMは主に排気ガス流入路12及び細孔16の壁部に捕捉され堆積する。
上記フィルタ本体の排気ガス通路(排気ガス流入路12、排気ガス流出路13及び細孔16)を形成する壁面には触媒層20が形成されている。なお、排気ガス流出路13側の壁面に触媒層を形成することは必ずしも要しない。
<触媒層について>
次に、本発明の実施形態に係るパティキュレートフィルタに設けられる触媒層の構成について図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、フィルタの排気ガス通路壁(担体)30上には、触媒層20が形成されており、この触媒層20は、複数種の活性アルミナと活性酸素を放出する複合酸化物を含む。
本実施形態において、複数種の活性アルミナとして2種類の活性アルミナを有し、それらは共にγ−アルミナを主成分とし、それらのうちの一方は添加物を含まない純アルミナ(第1アルミナ)21であり、他方はLaを約4質量%含有するLa含有アルミナ(第2アルミナ)22である。純アルミナ21及びLa含有アルミナ22には、それぞれPt23が担持されている。本実施形態において、触媒層20は、Ptを担持したアルミナを含むため、NOを高効率でNOに酸化できる。これにより、PMの燃焼性を良好にすることができる。また、本実施形態では、活性アルミナとして、純アルミナと、これよりも嵩高いLa含有アルミナとを用いているため、トータルの嵩高さを抑えることができ、フィルタの目詰まり等の発生を低減できる。
本実施形態において、複合酸化物として、Ceを含まず且つZrを含むZr系複合酸化物24と、Ce及びZrを含むCeZr系複合酸化物25とが用いられている。本実施形態では、Zr系複合酸化物24はZrNdPr複合酸化物(ZrNdPrO)であり、CeZr系複合酸化物25はCeZrNd複合酸化物にRhが固溶されて含まれたRhドープCeZrNd複合酸化物(RhドープCeZrNdO)である。Zr系複合酸化物24及びCeZr系複合酸化物25にもPt23が担持されている。なお、Zr系複合酸化物24は、平均細孔径が20nm以上60nm以下のものを用いることが好ましい。通常、触媒重量当たりのガス空間速度が非常に大きくなるパティキュレートフィルタにおいては、排気ガス流速が速いため酸化物表層付近を排気ガスが流れるが、このような細孔径が比較的に大きいZr系複合酸化物24を用いると、この酸化物表層付近だけでなく細孔部と排気ガスとの接触性を向上でき、活性酸素を効率良く発生できる。その結果、PMの燃焼を促進できる。
<触媒材の調製方法>
次に、本発明の実施形態に係るパティキュレートフィルタに設けられる上記触媒材の調製方法について説明する。
La含有アルミナ及び純アルミナ等の活性アルミナ、並びにZrCeNd複合酸化物は、それぞれ市販されている粉末を用いることができる。また、CeZr系複合酸化物であるRhドープCeZrNd複合酸化物は、以下の調製方法により得ることができる。
まず、硝酸セリウム6水和物とオキシ硝酸ジルコニル溶液と硝酸ネオジム6水和物と硝酸ロジウム溶液とをイオン交換水に溶かす。この硝酸塩溶液に28質量%アンモニア水の8倍希釈液を混合して中和させることにより、共沈物を得る。この共沈物を含む溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する脱水操作と、イオン交換水を加えて撹拌する水洗操作とを交互に必要回数繰り返す。最終的に脱水を行った後の共沈物を、大気中において150℃で一昼夜乾燥させた後、ボールミルにより平均粒子径100nm程度まで粉砕した。その後、大気中において500℃で2時間焼成することによりRhドープCeZrNd複合酸化物粒子材を得ることができる。
次に、ZrNdPr複合酸化物粒子材及びRhドープCeZrNd複合酸化物粒子材に、Ptを担持する方法について説明する。
まず、ZrNdPr複合酸化物粒子材及びRhドープCeZrNd複合酸化物粒子材にイオン交換水を加えてスラリー状にし、それをスターラー等により十分に撹拌する。続いて、撹拌しながらそのスラリーに所定量のエタノールアミンPt硝酸溶液を滴下し、十分に撹拌する。その後、加熱しながらさらに撹拌を続けて、水分を完全に蒸発させる。蒸発後、大気中において500℃で2時間焼成することにより、Ptがそれぞれの複合酸化物粒子材に担持される。
次に、活性アルミナにPtを担持する方法について説明する。
活性アルミナは、市販されている純アルミナ粒子及びLaを4質量%含有するLa含有アルミナ粒子を用いることができる。これらを混合し、イオン交換水を加えてスラリー状にし、それをスターラー等により十分に撹拌する。続いて、撹拌しながらそのスラリーに所定量のエタノールアミンPt硝酸溶液を滴下し、十分に撹拌する。その後、加熱しながらさらに撹拌を続けて、水分を完全に蒸発させる。蒸発後、大気中において500℃で2時間焼成することにより、Ptがそれぞれのアルミナ粒子に担持される。
上記のようにして得られたPtをそれぞれ担持した複合酸化物粒子及びアルミナ粒子を混合し、イオン交換水及びバインダを加え、混合してスラリー状にする。このスラリーをフィルタにコーティングし、乾燥させた後、500℃で2時間焼成することにより、触媒付パティキュレートフィルタが得られる。
本実施形態ではアルミナ材にPtを担持しているが、Ptの原料としては上記の通りエタノールアミンPtを用いることが好ましい。ここで、Pt原料としてPt−Pソルト(ジニトロジアミノ白金)とエタノールアミンPtとをそれぞれ用いて、Ptが担持されたLa含有アルミナを透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した写真を図6に示す。図6に示すように、Pt−Pソルトを用いた場合、焼成後に得られるPt粒子は約1nmと小さく、アルミナ材の表層・細孔内に広く分散している(左図)。一方、エタノールアミンPtは、その錯体がPt−Pソルトと比較して大きいため、アルミナ材の細孔内に入り込む割合が減少し、表層に担持される割合が高まる。その結果、焼成後に得られるPt粒子は約4nmとPt−Pと比較して大きくその密度も高い(右図)。このため、PMとPtとの接触率を大きくでき、PMの燃焼性を向上できる。このような理由からPtの原料としてエタノールアミンPtを用いることが好ましい。
以下に、本発明に係る触媒付パティキュレートフィルタを詳細に説明するための実施例を示す。本実施例では、下記組成の触媒層を有するフィルタのそれぞれのカーボン燃焼速度を検討した。
本実施例では、Ptがそれぞれ担持された純アルミナ及びLa含有アルミナと、Ptがそれぞれ担持されたZrNdPrO及びRhドープCeZrNdOとを含む触媒材を上記の通りに調製して用いた。なお、純アルミナ、及びLaを4質量%含むLa含有アルミナは、ロディア社製のものであり、X線回折(X線源:CuKα線)により、それぞれ図7に示すスペクトルを示すものを用いた。図7に示すように、La含有アルミナはブロードなピークを示し、γ−アルミナであることがわかり、純アルミナもLa含有アルミナとピーク位置が類似しており、γ−アルミナを主成分としていることがわかる。また、これらの純アルミナ及びLa含有アルミナの細孔分布を測定した結果(SIMADZU,micrometrics TriStar3000を使用)を図8に示す。図8に示すように、純アルミナは、細孔径が10nm付近の位置にピークがある。一方、La含有アルミナは、10nm付近からそれ以上の大きさの領域に向かってブロードなピークを有しており、10nmを超える細孔径を有するものが多く含まれていることがわかる。また、純アルミナの平均細孔径は10.07nmであり、平均細孔容積は0.537cm/gであり、一方、La含有アルミナの平均細孔径は13.15nmであり、平均細孔容積は0.822cm/gであった。平均細孔容積は、純アルミナがと比較してLa含有アルミナの方が大きく、ここからもLa含有アルミナが嵩高いことがわかる。
また、ZrNdPrOは、第一稀元素化学工業製のものを用い、その比表面積が35m/gであり、平均細孔容積が0.23cm/gであり、平均細孔径が25.6nmであるものを用いた。実施例1〜6及び比較例1,2の触媒層に含まれる各酸化物の担持量を以下の表1に示す。なお、ZrNdPr複合酸化物の組成は、ZrO:Nd:Pr=70:12:18(重量比)であり、RhドープCeZrNd複合酸化物(Rh/CeZrNdO)の組成は、Rh:CeO:ZrO:Nd=0.1:28:62:10(重量比)である。なお、各触媒材の量は担体1L当たりの担持量(g/L)で示す。
実施例1〜6の触媒材には、複合酸化物としてZrCeNdO及びRhドープCeZrNdOが含まれており、活性アルミナとして純アルミナ(Pure−Al)及びLa含有アルミナ(La−Al)が含まれている。実施例1〜6は、表1に示すように、含有される純アルミナとLa含有アルミナとの比率のみが互いに異なり、他の構成は同一である。なお、実施例1〜6では、活性アルミナにトータルで0.33g/LのPtが担持されており、複合酸化物にトータルで0.17g/LのPtが担持されている。
一方、比較例1,2は、実施例1〜6と比較して、活性アルミナとして純アルミナを含まずにLa含有アルミナのみを含むことが異なる。また、比較例1では、複合酸化物にのみPt(0.5g/L)が担持されており、比較例2では、La含有アルミナに0.33g/LのPtが担持されており、複合酸化物にトータルで0.17g/LのPtが担持されている。なお、Pt原料として、比較例1,2においてはPt−Pソルトを、実施例1〜6においてはエタノールアミンPtをそれぞれ用いた。
各実施例及び比較例の触媒材を、上記の通りにスラリー状にし、SiCからなるパティキュレートフィルタ用担体(容量:25mL、セル壁厚:16mil、セル数:178cpsi)にコーティングすることにより触媒層を有するサンプルフィルタを得た。各実施例及び比較例において、ウォッシュコート量は20g/Lとした。
以下に、作製したサンプルフィルタに対して行ったカーボン燃焼速度試験について説明する。
まず、前処理としてサンプルフィルタを模擬ガス流通反応装置に取り付け、モデルガス(C;200ppmC,CO;400ppm,NO;100ppm,O;10%,HO;10%,CO;4.5%,残部N)を流しながら(40L/min)、600℃まで30℃/minで昇温した後、同一のガス組成条件のままで自然降温により室温まで下げる。
その前処理を行った後、サンプルフィルタを模擬ガス流通反応装置から外し、サンプルフィルタにカーボンを堆積した。具体的に、カーボンの堆積は、担体容量1L当たり5g/Lのカーボンが堆積するように行った。5g/L相当のカーボンをイオン交換水中でスターラーを用いて撹拌した後、サンプルフィルタの入口側を浸漬させ、出口側からアスピレータを用いて吸引した。吸水性のシートの上に載せて余分な水分を除去した後、150℃、1時間の乾燥処理を行った。
その後、再びサンプルフィルタを模擬ガス流通反応装置に取り付け、Nガスを流通させながらそのガス温度を上昇させた。フィルタ入口温度が580℃で安定した後、Nガスから模擬排気ガス(O;7.5%,NO;300ppm,残N)に切り換え、該模擬排気ガスを空間速度96000/hで流した。そして、カーボンが燃焼することにより生じるCO及びCOのガス中濃度をフィルタ出口においてリアルタイムで測定し、それらの濃度から、下記の計算式を用いて、所定時間毎に、カーボン燃焼速度(単位時間当たりのPM燃焼量)を計算した。
カーボン燃焼速度(g/h)
={ガス流速(L/h)×[(CO+CO)濃度(ppm)/(1×10)]}×12(g/mol)/22.4(L/mol)
上記所定時間毎のカーボン燃焼速度に基づいてカーボン燃焼量積算値の経時変化を求め、カーボン燃焼率が0%から20%、20%から90%及び0%から90%に達するまでに要した時間とその間のカーボン燃焼量の積算値とからカーボン燃焼速度(フィルタ1Lでの1分間当たりのPM燃焼量(mg/min-L))を求めた。その結果を図9に示す。
図9に示すように、実施例1〜6と比較例1,2とを比較すると、純アルミナとLa含有アルミナとを含む実施例1〜6の方が、PM燃焼性能が高いことがわかる。これは、La含有アルミナの嵩高さの問題のみならず、実施例1〜6の方が、NO酸化性能が高くてPM燃焼に寄与するNOを多く産生するためであると考えられる。図8の細孔分布に示すように、La含有アルミナは、純アルミナと比較して細孔径が大きく、そのためLa含有アルミナの細孔内に入り込むPt量が多く、一方、純アルミナはLa含有アルミナと比較して、多くのPtがその表面上に配置されると考えられる。このため、排気ガスに接触するPt量を増大でき、NOの酸化を促進できると示唆される。また、La含有アルミナは塩基性であるため、両性であって酸点を有する純アルミナと比較して、Ptの吸着性が低いので、Pt吸着性が良好な純アルミナを含む実施例1〜6の方が、NO酸化性能が良好であると考えられる。また、実施例1〜6を互いに比較すると、実施例4が最もPM燃焼性能が高く、純アルミナとLa含有アルミナとを1:1の比率で含む触媒が特に好ましいことが示唆された。これは、La含有アルミナと純アルミナとの含有量が1:1の比率の場合、アルミナの嵩高さが気体の拡散性の観点において適度なものとなり、触媒と排気ガスとの接触性が良好となり、触媒性能を十分に発揮できたためであると考えられる。
以上の通り、触媒付パティキュレートフィルタにおいて、触媒成分としてPt担持La含有アルミナだけでなく、Pt担持純アルミナを含有することにより、PM燃焼性能を向上できることが示唆された。
10 フィルタ
11 排気ガス通路
12 排気ガス流入路(排気ガス通路)
13 排気ガス流出路(排気ガス通路)
14 栓
15 隔壁
16 細孔(排気ガス通路)
20 触媒層
21 純アルミナ(第1アルミナ)
22 La含有アルミナ(第2アルミナ)
23 白金(Pt)
24 Zr系複合酸化物
25 CeZr系複合酸化物
30 排気ガス通路壁(担体)

Claims (7)

  1. 排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタの排気ガス通路壁に触媒層が設けられた触媒付パティキュレートフィルタであって、
    前記触媒層は、成分が異なる複数種のγ−アルミナと、活性酸素を放出する複合酸化物と、前記複数種のγ−アルミナ及び複合酸化物に担持されたPtとを含むことを特徴とする触媒付パティキュレートフィルタ。
  2. 前記複数種のγ−アルミナは、添加物を含まない第1アルミナと、Laを含有する第2アルミナとを含むことを特徴とする請求項1に記載の触媒付パティキュレートフィルタ。
  3. 前記複合酸化物は、Ceを含有せず且つZrを含有するZr系複合酸化物と、Ce及びZrを含有するCeZr系複合酸化物とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒付パティキュレートフィルタ。
  4. 前記Zr系複合酸化物は、平均細孔径が20nm以上60nm以下であるZrNdPr含有複合酸化物であることを特徴とする請求項3に記載の触媒付パティキュレートフィルタ。
  5. 前記複数種のγ−アルミナのそれぞれに担持されたPtの合計量は、前記複合酸化物に担持されたPtの合計量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒付パティキュレートフィルタ。
  6. 排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタの排気ガス通路壁に触媒層が設けられた触媒付パティキュレートフィルタの製造方法であって、
    成分が異なる複数種のγ−アルミナを混合し、得られた混合物にPtを担持する工程と、
    活性酸素を放出する複合酸化物にPtを担持する工程と、
    Ptが担持された前記複数種のγ−アルミナと、Ptが担持された前記複合酸化物とを混合し、得られた混合物を前記フィルタの排気ガス通路壁上にコーティングする工程とを備えていることを特徴とする触媒付パティキュレートフィルタの製造方法。
  7. 前記複数種のγ−アルミナ及び複合酸化物に担持するPtの原料として、エタノールアミンPtを用いることを特徴とする請求項6に記載の触媒付パティキュレートフィルタの製造方法。
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