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JP2015040836A - 水素リークテスト方法及び装置 - Google Patents

水素リークテスト方法及び装置 Download PDF

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JP2015040836A JP2013173576A JP2013173576A JP2015040836A JP 2015040836 A JP2015040836 A JP 2015040836A JP 2013173576 A JP2013173576 A JP 2013173576A JP 2013173576 A JP2013173576 A JP 2013173576A JP 2015040836 A JP2015040836 A JP 2015040836A
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Abstract

【課題】被検物からの漏れをより正確に検出できる水素リークテスト方法を提供する。【解決手段】被検物9を収容部10に収容する。第1室11のガスを貯留部60に移して貯留する。その後、第2室12に水素を含むトレーサガスを導入する。貯留部60に貯留したガスと、トレーサガス導入開始後の第1室11のガスとを選択的に切り替えて水素センサ3に供給する。切り替えの前後の水素センサ3の検知データに基づいて漏れを判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、水素を含むトレーサガスを用いて被検物の漏れ試験(リークテスト)を行なう水素リークテスト方法及び装置に関し、特に水素センサとして半導体ガスセンサを用いたリークテストに好適な水素リークテスト方法及び装置に関する。
被検物の漏れ試験用のトレーサガスとしては、ヘリウムを用いるのが一般的であった。しかし、昨今、ヘリウムは、供給難及び価格高騰に見舞われている。これに対し、水素は、工業的に生産でき、価格及び供給が安定している。そのため、水素をトレーサガスとする漏れ試験(水素リークテスト)が注目されている(特許文献1、2等参照)。
水素リークテストでは、通常、水素センサ(水素検知手段)として半導体ガスセンサを用いている。半導体ガスセンサは、半導体表面の電気伝導度がガス吸着度によって変化するのを利用してトレーサガスを検知するものであり(特許文献2〜4等参照)、安価で感度が良く信頼性も高く、ガス警報器等にも広く使用されている。水素リークテストにおいては、半導体ガスセンサの半導体表面に空気中の酸素を吸着させておく。被検物から水素が漏れたときは、半導体表面上で上記酸素と水素とが反応するため、酸素の吸着量が減り、電気伝導度(電流)が変化する。この変化を観測することによって、漏れを検知できる。
しかし、酸素は水素以外の還元性ガス(一酸化炭素、その他の可燃性ガス等)とも反応しやすいから、このような還元性ガスが測定環境中に含まれていると、水素が無くても、半導体ガスセンサが感応してしまう。被検物によっては、表面に水素その他の還元性ガスが吸着していて、それが離脱することで、半導体ガスセンサが感応することもある。或いは、被検物に付着した接着剤や溶剤や洗浄液等から水素その他の還元性ガスが発生し、これによって半導体ガスセンサが感応することもある。これら漏れとは関係のない水素ガス及び水素以外の還元性ガスは、バックグラウンドガスを構成する。
また、半導体ガスセンサは、上述した通り、酸素が必要であるため、真空中で作動させることは困難である。一方、大気圧下では、被検物から漏れた水素ガスが周囲の空気によって希釈されるため、希釈された分だけ検出感度が減殺されてしまう。加えて、トレーサガス自体が、高濃度水素の爆発性を考慮して、例えば窒素95%、水素5%程度の混合ガスにて構成されているから、それだけでも検出感度が100%水素を用いた場合の20分の1程度になる。したがって、水素リークテストにおいては検出感度に制約がある。
なお、この明細書において、漏れに起因する水素ガスの濃度ないしは量を単に「漏れ」と称したり、バックグラウンドガスの濃度ないしは量を「バックグラウンド」と称したりすることがある。
特開2005−164525号公報 特開2009−276309号公報 特開平6−174674号公報 特開平11−264809号公報
水素リークテストにおいて漏れをより正確に測定するためには、被検物から漏れた水素とバックグラウンドとを区別する必要がある。区別の方法としては、水素を含有するトレーサガスを被検物に導入して総量(漏れとバックグラウンドの合計)を測定し、別途、トレーサガスを導入しないでバックグラウンドのみを測定し、総量の測定データからバックグラウンドの測定データを差し引くことが考えられる。つまり、測定を2度行なう。これによって、理論上は、正味の漏れデータが得られる。しかし、漏れが微小である場合、上記2つの測定データどうしの間の差が、各測定データのばらつきの幅よりも小さくなってしまう。したがって、微小な漏れに対しては、上記の手法では対応できない。
また、検出成分を含むガスと含まないガスとを選択的に切り替えて、センサ出力の変化を読み取ることも知られているが(特許文献4)、水素リークテストにおいては、検出成分(漏れた水素)を含むガスを採取する室と、上記検出成分を含まないガス(バックグラウンドガス)を採取する室とが、互いに同一の室(チャンバーと被検物との間の空間か、又は被検物の内部空間)であるため、特許文献4のような切替回路を構成することができない。上記同一の室からガスを水素センサに継続的に供給するとともに、途中からトレーサガスを導入して、センサ出力の変化を読み取ることも考えられるが、導入開始直後は、導入前のガスと導入後のガスとが混ざり合いながら水素センサに送られるため、センサ出力は緩慢にしか変化せず、特に漏れが微小の場合、判定は困難である。
本発明は、上記事情に鑑み、被検物からの漏れをより正確に検出できる水素リークテスト装置及び水素リークテスト方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明方法は、水素に感応する水素センサを用いて被検物を漏れ試験する水素リークテスト方法において、
前記被検物を収容部に収容する収容工程と、
前記収容部と前記被検物とによって画成された第1、第2室のうち第1室のガスを貯留室に移して貯留する貯留工程と、
前記貯留工程の後、前記第2室に、水素を含むトレーサガスを導入するトレーサガス導入工程と、
前記貯留室に貯留したガス(以下「貯留ガス」と称す)と、前記トレーサガス導入工程の開始後の前記第1室のガス(以下「被検ガス」と称す)とを選択的に切り替えて前記水素センサに供給する検知工程と、
前記切り替えの前後の前記水素センサの検知データに基づいて漏れを判定する判定工程と、
を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、貯留ガスはトレーサガス導入工程前の第1室のガスであるから、この貯留ガスを水素センサに供給することで、第1室のバックグラウンドのみを検知できる。また、被検ガスはトレーサガス導入工程時の第1室のガスであるから、この被検ガスを水素センサに供給することで、第1室のバックグラウンドと漏れを合わせた総量を検知できる。したがって、切り替えの前後の検知データ(センサ出力)の変化によって漏れを検知できる。検知データの変化を観測するものでるため、漏れがバックグラウンドに対して微小であっても確実に検知できる。しかも、トレーサガス導入工程前の第1室のガスを貯留室に予め貯留しておくことによって、その後、第1室への漏れを起こしても、バックグラウンドを測定するのに支障が無くなるから、検知工程の進行状況に拘わらず、トレーサガス導入工程を実行できる。そうすることによって、検知工程では、水素センサに当てるガスを素早く切り替えることができる。この結果、漏れが有った場合、センサ出力がシャープに、ないしはステップ状に変化するようにでき、漏れを精度良く検知することができる。
前記トレーサガス導入工程と併行して、前記貯留ガスを前記水素センサに供給し、その後、前記水素センサに供給するガスを前記貯留ガスから前記被検ガスに切り替えることが好ましい。
これによって、水素センサを貯留ガス雰囲気になじませておき、その間にトレーサガス導入を行なうことで、漏れが有る場合には該漏れを十分に起こさせることができる。したがって、その後、水素センサに当てるガスを被検ガスに切り替えることで、センサ出力の変化が、よりシャープに現れるようにすることができる。水素センサの立ち上がり時定数が遅くても、漏れを確実に検知できる。第1室への漏れを起こさせるのと同時に、同じ第1室のバックグラウンドを測定できるから、漏れ試験を効率的に行うことができる。
前記第1室にキャリアガスを供給するキャリアガス供給工程を、前記貯留工程又は前記トレーサガス導入工程と併行して実行することが好ましい。
これによって、第1室のガスをキャリアガスと混合させ、キャリアガスの流れに乗せて貯留室又は水素センサへ搬送することができる。前記キャリアガスとして、空気を用いることが好ましく、洗浄された空気(クリーンエア)を用いることがより好ましい。
前記水素センサが半導体ガスセンサであり、前記貯留工程と併行して、酸素を含むガスを前記半導体ガスセンサに供給することが好ましい(ゼロレベル化工程)。
これによって、半導体ガスセンサをゼロレベルに維持又は復帰(ゼロレベル化)させたうえで、検知工程を行なうことができ、検知感度を高めることができる。ゼロレベル化を貯留工程と併行して行うことによって、漏れ検知を効率的に行うことができる。また、検知工程の直前まで半導体ガスセンサを確実にゼロレベルに維持できる。
ここで、ゼロレベルとは、半導体ガスセンサの出力が、上記酸素を含むガス中の水素その他の還元性ガスの濃度(バックグラウンド)に対応する大きさになることを言い、半導体ガスセンサの半導体層に酸素が十分に吸着されることによって半導体ガスセンサの検知能力がほぼ最大又は十分に確保された状態になっていることを意味する。上記酸素を含むガスは、好ましくは空気であり、より好ましくは清浄な空気(クリーンエア)である。一般に、空気中の水素濃度(バックグラウンド)は、0.5ppm程度である。
前記ゼロレベル化工程は、前記貯留工程の前から実行していることがより好ましい。また、前記ゼロレベル化工程は、前記検知工程の後、再開することがより好ましい。
本発明装置は、水素を含むトレーサガスを用いて被検物を漏れ試験する水素リークテスト装置において、
水素に感応する水素センサと、
前記被検物を収容する収容部と、
前記収容部と前記被検物とによって画成された第1、第2室のうち第1室からのガスが移されて貯留される貯留部と、
前記貯留の後、前記第2室に前記トレーサガスを導入するトレーサガス導入部と、
前記貯留部からのガスと、前記導入の開始後の前記第1室からのガスとを選択的に切り替えて前記水素センサに供給する検出路と、
前記切り替えの前後の前記水素センサの検知データに基づいて、漏れを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする。
この装置によれば、前記貯留部からのガス(貯留ガス)は、トレーサガス導入前の第1室のガスであるから、この貯留ガスを水素センサに供給することで、第1室のバックグラウンドを検知できる。また、トレーサガスの導入開始後の第1室からのガス(被検ガス)を水素センサに供給することで、第1室のバックグラウンドと漏れを合わせた総量を検知できる。したがって、切り替えの前後の検知データ(センサ出力)の変化によって漏れを検知できる。よって、漏れがバックグラウンドに対して微小であっても確実に検知できる。しかも、トレーサガス導入前の第1室のガスを貯留部に予め貯留しておくことによって、その後、第1室への漏れを起こしても、バックグラウンドを測定するのに支障が無くなるから、検知の進行状況に拘わらず、トレーサガス導入を実行できる。そうすることによって、水素センサに当てるガスを素早く切り替えることができる。この結果、漏れが有った場合、センサ出力をシャープに、ないしはステップ状に変化させることができ、漏れを確実に検知することができる。
前記検出路が、前記第1室に接続されるとともに前記貯留部を経ない第1ガス路と、前記貯留部に接続された第2ガス路と、前記水素センサが設けられたセンサ路と、これら3つの路どうしの間に設けられるとともに第1、第2ガス路の1つを選択して前記センサ路に接続する切替部とを含むことが好ましい。
切替部によって第1ガス路を選択してセンサ路に接続すれば、第1室からの被検ガスに対する検知を行なうことができ、切替部によって第2ガス路を選択してセンサ路に接続すれば、貯留部からの貯留ガスに対する検知を行なうことができる。
水素リークテスト装置が、前記貯留時及び前記導入時に、前記第1室にキャリアガスを供給するキャリアガス供給部を、更に備えていることが好ましい。
これによって、第1室のガスをキャリアガスと混合させ、キャリアガスの流れに乗せて貯留部や水素センサへ搬送することができる。
前記水素リークテスト装置の前記水素センサは、半導体ガスセンサであることが好ましい。また、前記キャリアガスが酸素を含むことが好ましい。さらに、前記キャリアガス供給部が、前記貯留時に前記キャリアガスの一部を前記半導体ガスセンサに供給することが好ましく、前記キャリアガス供給部が、前記貯留時に前記キャリアガスの一部を、前記第1室及び前記貯留部を経ることなく前記半導体ガスセンサに供給することがより好ましい。これによって、半導体ガスセンサをゼロレベル化させたうえで、漏れ検知を行なうことができ、検知感度を高めることができる。ゼロレベル化を貯留と併行して行うことによって、漏れ検知を効率的に行うことができる。前記キャリアガスをゼロレベル化用のガスとして共用することができる。前記キャリアガス供給部が、前記貯留の前から前記キャリアガスを前記半導体ガスセンサに供給することが好ましい。前記漏れ検知の後、前記キャリアガス供給部が、再び前記キャリアガスを前記半導体ガスセンサに供給することが好ましい。
前記貯留部が、前記第1室からのガスが貯留される主貯留室と、この主貯留室に連なるバッファ室とを有していることが好ましい。前記検出路が、前記主貯留室からのガスと、前記導入の開始後の前記第1室からのガスとを選択的に切り替えて前記水素センサに供給し、前記主貯留室からのガスが選択される時、置換ガスが前記バッファ室に導入されることが好ましい。
これによって、主貯留室の貯留ガスを水素センサへ確実に送ることができる。かつ、この水素センサへ送られる貯留ガスが、置換ガスによって希釈されるのを防止できる。前記置換ガスは、空気を用いることが好ましく、洗浄された空気(クリーンエア)を用いることがより好ましい。前記キャリアガスの一部を前記置換ガスとして共用してもよい。
本発明によれば、切り替えの前後の検知データの変化によって漏れを検知できる。したがって、漏れがバックグラウンドに対して微小であっても確実に検知でき、漏れをより正確に測定することができる。
本発明の第1実施形態に係る水素リークテスト装置を示す回路図である。 上記リークテスト装置の貯留部の内部構造を示す断面図である。 上記リークテスト装置によるリークテスト方法の手順を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る水素リークテスト装置の一部を示す回路図である。 本発明の第3実施形態に係る水素リークテスト装置の一部を示す回路図である。 実施例1の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示したものである。
水素リークテスト装置1は、水素を含むトレーサガスを用いて被検物9を漏れ試験するものであり、チャンバ10(収容部)と、キャリアガス供給部20と、トレーサガス導入部30と、検出路40と、貯留部60と、水素センサ3を備えている。被検物9としては、特に限定が無く、機械要素、電子部品、微小デバイス等、種々の分野の部品ないしは製品に適用できる。被検物9は、好ましくは内部空間を有している。この内部空間は、密封空間であってもよく、開口されていてもよい。チャンバ10の底面等によって、被検物9の上記開口を塞ぐことで上記内部空間を密封することにしてもよい。
チャンバ10の内部に被検物9が収容される。チャンバ10の内面と被検物9との間の空間及び被検物9の内部空間のうち何れか一方が「第1室」を構成し、他方が「第2室」を構成する。ここでは、チャンバ10の内面と被検物9との間の空間が、第1室11を構成し、被検物9の内部空間が第2室12を構成する。チャンバ10と、その内部の被検物9とによって、第1、第2室11,12が画成されている。2つの室11,12は、それぞれ密封されている。
キャリアガス供給部20は、第1室11にキャリアガスを供給するものであり、空気圧源29と、キャリアガスタンク21と、ガス路22,23を含む。空気圧源29からの空気が、フィルタ28にて清浄化され、かつ圧力調節及び流量調節されたうえで、キャリアガスタンク21に貯められる。このキャリアガスタンク21内の空気(クリーンエア)が、キャリアガスとなる。したがって、キャリアガスは酸素を含む。キャリアガスタンク21の下部にはサイレンサ21sが設けられている。タンク21内のキャリアガスの一部がサイレンサ21sを通じて大気に放出されることで、タンク21内は、ほぼ大気圧に保たれている。キャリアガスタンク21から2つのガス路22及び23が延びている。ガス路22の下流端が第1室11の一端部に接続されている。ガス路23は、分岐部23cにおいてガス路24とガス路25に分岐している。ガス路25にオリフィス26が設けられている。
トレーサガス導入部30は、第2室12にトレーサガスを導入するものであり、トレーサガス源31と、導入路32と、開閉弁33を含む。トレーサガス源31にトレーサガスが蓄えられている。トレーサガスは、例えば窒素95体積%、水素5体積%の混合ガスにて構成されている。トレーサガス源31から導入路32が延びている。導入路32の中途部には、開閉弁33が設けられている。開閉弁33は、常閉の電磁開閉弁にて構成されている。導入路32の下流端が、第2室12に接続されている。
検出路40は、3つのガス路41,42,43と、三方弁46(切替部)とを含み、貯留部60からのガスと第1室11からのガスとを選択的に切り替えて水素センサ3に供給する。第1ガス路41は、その上流端が第1室11に接続されるとともに、貯留部60を経ることなく延びている。好ましくは、第1ガス路41は、第1室11におけるガス路22との接続部(一端部)とは反対側部(他端部)に接続されている。第2ガス路42は、後記ガス路54,56を介して貯留部60と接続される。3つのガス路41,42,43の間に三方弁46が設けられている。三方弁46は、第1、第2ガス路41,42の1つを選択してセンサ路43に接続する。三方弁46は、2位置3ポートの電磁方向制御弁にて構成されている。三方弁46の2つの入口ポートにガス路41,42の下流端がそれぞれ接続され、かつ三方弁46の1つの出口ポートにセンサ路43の上流端が接続されている。三方弁46がオフのとき、ガス路41とセンサ路43とが遮断され、かつガス路42とセンサ路43とが連通されている。三方弁46がオンのとき、ガス路41とセンサ路43とが連通され、かつガス路42とセンサ路43とが遮断される。
センサ路43に水素センサ3が設けられている。水素センサ3は、水素に感応する。詳細には、水素センサ3は、半導体ガスセンサにて構成されており、その半導体表面の酸素吸着量によって出力が変動する。以下、水素センサ3を適宜「半導体ガスセンサ3」とも称す。センサ路43を流れるガス(半導体ガスセンサ3と接触するガス)が水素を含む場合、半導体ガスセンサ3の半導体表面上で酸素と水素とが反応することによって、上記半導体表面の酸素吸着量が減少する。また、センサ路43を流れるガスが水素以外の還元性ガスを含む場合にも、当該還元性ガスが酸素と反応することによって、上記酸素吸着量が減少する。半導体ガスセンサ3は、上記酸素吸着量に対応する大きさのセンサ出力(電圧、電流等)を発生させる。センサ出力は、上記酸素吸着量が減少すると低下し、かつ上記酸素吸着量が増加すると上昇するようになっていてもよく、上記酸素吸着量が低下すると上昇し、上記酸素吸着量が減少すると低下するようになっていてもよい。センサ3よりも下流側のセンサ路43にはオリフィス48が設けられている。
ガス路41における分岐部41eからガス路44が分岐している。なお、図においては、作図の都合上、分岐部41eは、ガス路41上の三方弁46から離れた位置に配置されているが、実際の分岐部41eは、三方弁46の対応する入口ポートと直接的に接続されている。したがって、分岐部41eは、ガス路41の下流端であり、かつガス路44の上流端である。ガス路44に開閉弁47が設けられている。開閉弁47は、常閉の電磁開閉弁にて構成されている。開閉弁47よりも下流側のガス路44にオリフィス49が設けられている。
センサ路43の下流端とガス路44の下流端どうしが合流されている。この合流部から吸引路45が延びている。吸引路45に排気ポンプ4(真空ポンプ)が設けられている。
上記ガス路41の中途部41cからガス路51が分岐されている。ガス路51には、開閉弁52が設けられている。開閉弁52は常閉の電磁開閉弁にて構成されている。ガス路51における開閉弁52よりも下流の端部51cからガス路54とガス路56とが分岐している。
2つのガス路54,24が、ガス路42と選択的に接続される。これら3つのガス路24,54,42の間に三方弁53が設けられている。三方弁53は、2位置3ポートの電磁方向制御弁にて構成されている。三方弁53の2つの入口ポートにガス路24,54の下流端がそれぞれ接続され、かつ三方弁53の1つの出口ポートにガス路42の上流端が接続されている。三方弁53がオフのとき、ガス路24とガス路42とが連通し、かつガス路54とガス路42とが遮断されている。三方弁53がオンのとき、ガス路24とガス路42とが遮断され、かつガス路54とガス路42とが連通される。
ガス路56に貯留部60の一端部が連なっている。貯留部60の他端部にガス路57が連なっている。図2は、貯留部60の詳細構造を示したものである。貯留部60は、金属製の容器本体61を含む。この容器本体61の内部に貯留室62が形成されている。容器本体61は、例えば2つ(複数)の金属製の板状部材からなる。少なくとも1つの板状部材に溝が形成されている。かつ、上記2つの板状部材が重ね合わされることによって、上記溝が密閉されている。この溝が、貯留室62を構成している。貯留室62は、中央部の概略四角形の主貯留室63と、外周部のバッファ室64とを含む。主貯留室63は、比較的大きなスペースを有している。主貯留室63の長手方向の一端部にガス路56が接続されている。主貯留室63の長手方向の他端部にバッファ室64が連なっている。バッファ室64は、主貯留室63よりも細く、かつ主貯留室63よりも長く延びて、主貯留室63を囲んでいる。バッファ室64における主貯留室63とは反対側の端部にガス路57が接続されている。
ガス路57は、2つのガス路26,58と選択的に接続される。これら3つのガス路25,57,58の間に三方弁55が設けられている。三方弁55は、2位置3ポートの電磁方向制御弁にて構成されている。三方弁55の1つの入口ポートにガス路25の下流端が接続され、かつ三方弁55の1つの出口ポートに、ガス路58の上流端が接続され、さらに三方弁55の残り1つの出入口ポートに、ガス路57における貯留部60とは反対側の端部が接続されている。三方弁55がオフのとき、ガス路25とガス路57とが連通し、かつガス路58とガス路57とが遮断されている。三方弁55がオンのとき、ガス路25とガス路57とが遮断され、かつガス路58とガス路57とが連通される。ガス路58の下流端は、排気ポンプ4よりも上流の吸引路45に接続されている。
さらに、水素リークテスト装置1は、コントローラ2(判定部)を備えている。コントローラ2は、電磁弁33,46,47,52,53,55等をシーケンス制御するとともに、半導体ガスセンサ3の検知情報を読み取って処理することによって、被検物9の漏れ判定を行なう。
上記構成の水素リークテスト装置1によって、被検物9を漏れ試験する方法を、図3のタイムチャートにしたがって説明する。
<収容工程>
まず、チャンバ10に被検物9を収容する(収容工程)。この被検物9に水素その他の還元性ガスが付着していた場合、この水素その他の還元性ガスが解離したり、被検物9に接着剤や洗浄剤等が付着していた場合、この接着剤や洗浄剤から水素その他の還元性ガスが発生したりする。これらの解離・発生した水素その他の還元性ガスは、バックグラウンドガスを構成する。
<ゼロレベル化工程>
次に、排気ポンプ4及び空気圧源29を駆動する。この段階では、電磁弁33,46,47,52,53,55はオフしておく。排気ポンプ4の吸引等によって、キャリアガスタンク21からのキャリアガス(酸素を含むガス)が、経路23,23c,24,53,42,46,43,45の順に流れる。したがって、キャリアガスが、第1室11を経ずに半導体ガスセンサ3に当てられる。これによって、キャリアガス(清浄な空気)中の酸素を半導体ガスセンサ3の半導体表面に十分に吸着させることができ、半導体ガスセンサ3の出力をゼロレベルに維持又は復帰させることができる(ゼロレベル化工程)。この結果、半導体ガスセンサ3の水素感知能力を十分に高めておくことができる。ゼロレベル化工程におけるキャリアガスは、第1室11を通過しないから、第1室11の上記バックグラウンドガスを含まない。また、半導体ガスセンサ3と排気ポンプ4との間にオリフィス48を介在させることによって、半導体ガスセンサ3におけるキャリアガスの圧力を高く(例えば大気圧付近に)維持でき、上記半導体表面に吸着されるべき酸素量を十分に確保できる。
<キャリアガス供給工程>
次に、三方弁55をオンする。これによって、排気ポンプ4の吸引圧が貯留部60に及び、貯留室62内のガスが、バッファ室64から経路57,55,58,45を順次経て、排出される。したがって、貯留室62内が減圧される。続いて開閉弁52をオンする。これによって、キャリアガスタンク21のキャリアガスが、ガス路22から第1室11に供給される(キャリアガス供給工程)。そして、第1室11内において、キャリアガスが、第1室11の一端部(ガス路22との接続端)から他端部(ガス路41との接続端)に向けて流れる。このキャリアガスに第1室11の上記バックグラウンドガスが混合される。
<貯留工程>
上記の混合ガスは、第1室11の他端部から出され、さらに経路41,41c,51,52,51c,56を順次経て、貯留部60に送られる。これによって、第1室11のバックグラウンドを含むガスを貯留部60に移して該貯留部60の貯留室62に貯留することができる(貯留工程)。貯留工程をキャリアガス供給工程と併行して行うことによって、第1室のバックグラウンドを含むガスを、キャリアガスの流れに乗せて貯留部60へ搬送することができる。第1室11からのガスは、先ず主貯留室63に溜まり、次いでバッファ室64に溜まる。以下、第1室11から貯留部60に溜められたガスを適宜「貯留ガス」と称す。先に三方弁55のオンによって貯留室62内を減圧したうえで、開閉弁52のオンによって経路11,41,41c,51,52,51c,56,60を開通することで、第1室11のガスを効率良く貯留部60に引き込むことができ、貯留部60内のガスを第1室11からのガス(貯留ガス)に効率良く置換することができる。
開閉弁52をオンした時点から所定の時間tが経過した時、開閉弁52及び三方弁55をオフする。これによって、第1室11から貯留部60へのガスの流れが遮断される。上記所定の時間tは、貯留部60内のガスを、第1室11からのガスで置換するのに十分な時間になるように設定する。
なお、上記キャリアガス供給工程及び貯留工程の期間中も、キャリアガスタンク21のキャリアガスが、別経路23,23c,24,53,42,46,43,45を流れることによって、ゼロレベル化工程が継続される。
<検知工程における貯留ガス検知>
続いて、三方弁53をオンする。これによって、上記ゼロレベル化工程が停止されるとともに、第2ガス路42がガス路56,54を介して貯留部60に連なることで(つまり検出路40によって貯留部60が選択されることで)、貯留ガスが、貯留部60から流出し、経路56,51c,54,53,42,43,45の順に流れ、排気ポンプ4に吸い込まれて排出される。この貯留ガスが、センサ路43において半導体ガスセンサ3に当たる(貯留ガス検知工程)。したがって、半導体ガスセンサ3に供給されるガスが、第1室11を経ないキャリアガスから、第1室11を経て貯留部60に溜められたガスに切り替えられる。これによって、第1室11におけるバックグラウンドガス濃度を検知できる。
この貯留ガス検知時において、半導体ガスセンサ3に供給されるガスは、主貯留室63からの貯留ガスである。(すなわち、検出路40によって主貯留室63からのガスが選択されて水素センサ3に供給される。)これと併行して、キャリアガスタンク21からのキャリアガス(置換ガス)が、経路23,23c,25,55,57を順次経て、バッファ室64に導入される。これによって、主貯留室63の貯留ガスを半導体ガスセンサ3へ確実に吸い出すことができ、吸い出された分だけ、バッファ室64内のガスをキャリアガスに置換できる。また、貯留ガスの吸い出しに拘わらず、貯留部60の内圧をほぼ一定に維持できる。キャリアガスを主貯留室63に直接導入するのではなく、バッファ室64に導入することで、主貯留室63の貯留ガスが上記キャリアガスによって希釈されるのを防止できる。また、オリフィス26によって上記キャリアガスの流量を絞ることで、主貯留室63の貯留ガスが希釈されるのをより確実に防止できる。これによって、未希釈の貯留ガスを半導体ガスセンサ3に供給することができる。半導体ガスセンサ3がこの貯留ガス雰囲気になじむことで、センサ出力が、第1室11におけるバックグラウンドに対応する値で安定する。
<トレーサガス導入工程>
上記三方弁53をオンするのとほぼ同時に、開閉弁33,47をオンする。開閉弁47のオンによってキャリアガス供給工程が継続され、キャリアガスタンク21のキャリアガスが第1室11に継続して供給される。かつ、開閉弁33のオンによって、トレーサガス源31のトレーサガスが、導入路32を経て第2室12に導入される(トレーサガス導入工程)。被検物9が良品であったときは、トレーサガスひいてはトレーサガス中の水素ガスが第2室12から第1室11に漏れることはない。一方、被検物9がピンホール等の欠陥部を有する不良品であったときは、トレーサガスが上記欠陥部を通して第1室11に漏れ、第1室11のガスに混合される。したがって、第1室11のガスは、キャリアガス及び上記バックグラウンドガス(被検物9から解離・発生した水素その他の還元性ガス)に加えて、被検物9から漏れた水素ガスをも含有する。以下、トレーサガス導入工程における第1室11を流れるガスを、適宜「被検ガス」と称す。被検ガスは、排気ポンプ4の吸引によって第1室11の他端部から流出し、経路41,41e,44,45の順に流れる。
トレーサガス導入工程は、貯留ガス検知工程と併行して実行される。つまり、半導体ガスセンサ3を貯留ガス雰囲気になじませている間に、トレーサガス導入を行ない、漏れが有る場合には該漏れを十分に起こさせることができる。予め、上記貯留工程によって第1室11からのガスを貯留部60に移して溜めておくことで、第1室11への漏れを起こしても支障が無くなるから、検知工程の進行状況に拘わらず、トレーサガス導入工程を実行することができる。これによって、漏れ試験を効率的に行なうことができる。
<検知工程における切替及び被検ガス検知>
トレーサガス導入工程の開始から所定時間t経過後に、開閉弁47をオフするとともに、三方弁46をオンする。また、三方弁53をオフする。上記所定時間tは、第1室11から最初に流出した被検ガスがガス路41を伝ってその下流端41eに達するのに十分な時間になるように設定する。これによって、第2ガス路42が閉止されるとともに、第1ガス路41が開通する。したがって、貯留部60からの貯留ガスの流れが遮断されるとともに、第1室11からの被検ガスが、三方弁46からセンサ路43へ流れ、半導体ガスセンサ3に当てられる。(検出路40によって第1室11からのガスが選択されて水素センサ3に供給される。)すなわち、半導体ガスセンサ3に供給されるガスが、貯留ガスから被検ガスに切り替えられる(切替工程)。これによって、第1室11のバックグラウンドのみの検知を終了すると同時に、同じ第1室11におけるバックグラウンドと漏れの合計濃度を検知することができる(被検ガス検知工程)。被検ガス検知工程をキャリアガス供給工程と併行して実行することによって、被検ガスをキャリアガスの流れに乗せて水素センサへ確実に搬送することができる。
被検物9が漏れの無い良品である場合、被検ガスには、バックグラウンドとしての水素ガスその他の還元性ガスしか含まれていない。したがって、半導体ガスセンサ3の出力は、切替工程の前後で変化しない。これに対し、被検物9が漏れの有る不良品である場合、被検ガスには、バックグラウンドとしての水素ガスその他の還元性ガスに加えて、漏れに起因する水素ガスも含まれている。したがって、半導体ガスセンサ3の出力が変動する。切替工程の前からトレーサガス導入を行なうことで、漏れが有る場合には該漏れを十分に起こさせて、被検ガス中の漏れに起因する水素ガス濃度を飽和させておき、その後、被検ガスへの切り替えを行なうことができる。したがって、半導体ガスセンサ3の出力を切替時にシャープに、ないしはステップ状(階段状)に変化させることができる。
<判定工程>
半導体ガスセンサ3の出力(検知データ)は、コントローラ2に入力される。コントローラ2(判定部)は、切替工程の前後の半導体ガスセンサ3の検知データに基づいて、漏れを判定する。すなわち、切替工程時における半導体ガスセンサ3の出力変化量が閾値未満であるときは、漏れ無し(被検物9が良品)と判定し、上記出力変化が閾値以上であるときは、漏れ有り(被検物9が不良品)と判定する。切替工程時の出力変化量を観測するものであるため、漏れがバックグラウンドに対して微小であっても、漏れを確実に検知でき、さらには漏れがバックグラウンドのばらつきよりも小さくても、漏れを確実に検知できる。半導体ガスセンサ3の出力を切替時にシャープないしはステップ状に変化させることができるから、漏れ試験の精度を高めることができる。
上記切替工程後、所定時間t経過後に、開閉弁33及び三方弁46をオフする。開閉弁33のオフによって、トレーサガスの第2室12への導入が停止される。さらに、三方弁46のオフによって、キャリアガスの第1室11への供給が停止され、かつ第1室11からの被検ガスの流れが停止されるとともに、キャリアガスが経路21,23,23c,53,42,46,43,45の順に流れてセンサ3に当たることで、ゼロレベル化工程が再開される。切替工程時のセンサ3の出力変動を観測すれば漏れ判定できるから、上記所定時間tすなわち被検ガス検知工程の期間tは短時間でよい。すなわち、被検ガス検知工程の期間tは、貯留工程の期間t及び貯留ガス検知工程の期間tよりも十分に短くできる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施形態を示したものである。この実施形態では、ガス路22に常開の電磁開閉弁27が設けられている。その他の回路構造は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、トレーサガス導入工程において、開閉弁27をオンして閉じることで(弁46,47,52はオフ)、第1室11内におけるキャリアガスの流れを止める。したがって、漏れが有る被検物9の場合、漏れたトレーサガスが第1室11内に堆積され、被検ガス中の漏れ濃度を高めることができる。その後、開閉弁27を開き、被検ガスをセンサ3へ送ることで、漏れを確実に検知することができる。
図5は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態は、第2実施形態の変形例であり、第1室11に対する減圧手段70を更に備えている。減圧手段70は、ガス路71と、常閉の電磁開閉弁72と、排気ポンプ73(真空ポンプ)とを含む。ガス路41からガス路71が分岐されている。このガス路71に、開閉弁72と、排気ポンプ73とが順次設けられている。
第3実施形態では、トレーサガス導入工程において、開閉弁27を閉じるとともに、開閉弁72をオンして開き、第1室11内のガスを排気ポンプ73にて吸い込んで排出し、第1室11を減圧する。これによって、第1室11内における、漏れを薄めるガスを減らすことができる。次いで、開閉弁72をオフして閉じたうえで、被検物9の第2室12にトレーサガスを導入して、漏れが有る被検物9の場合は、漏れたトレーサガスを第1室11内に堆積させる。その後、開閉弁27を開き、第1室11の内圧を大気圧又はほぼ大気圧に復圧するとともに、被検ガスをセンサ3へ送って、漏れを検知する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、被検物9の内部空間が「第1空間」を構成し、チャンバ10と被検物9との間の空間が「第2空間」を構成していてもよい。ガス路22が被検物9の内部空間に連ねられ、導入路32がチャンバ10と被検物9との間の空間に連ねられていてもよい。
被検物9が、チャンバ10の内部を第1室11と第2室12とに仕切っていてもよい。
トレーサガス導入工程の開始時(開閉弁33をオンするタイミング)は、貯留工程の後であればよく、貯留ガス検知工程の開始時(三方弁53をオンするタイミング)に対して少し前後していてもよい。トレーサガス導入工程は、貯留ガス検知工程と必ずしも併行して実行する必要はない。
検知工程において、先ず被検ガスをセンサ3に供給し、その後、センサ3に供給するガスを貯留ガスに切り替えてもよい。
検知工程において、センサ3に供給するガスを、貯留ガスと被検ガスとで複数回切り替えてもよい。
キャリアガス供給工程を省略してもよい。貯留工程では、第1室11のガスを吸引して貯留部60に送ってもよい。貯留ガス検知工程では、貯留部60のガスを吸引して水素センサ3に供給してもよい。切替工程後の被検ガス検知工程では、第1室11のガスを吸引して水素センサ3に供給してもよい。
水素センサは、半導体ガスセンサに限られず、例えば特許文献4等の導電性高分子感応膜センサ等を用いてもよい。
図1、図4、図5に示す水素リークテスト装置1の回路構成は、1つの例示であり、適宜改変可能である。例えば、切替部として、三方弁46に代えて各ガス路41,42に開閉弁を設け、これら開閉弁の1つを選択的に開にし、他方を閉にしてもよい。また、各電磁弁33,46,47,52,53,55のオン時の状態及びオフ時の状態が、実施形態のものとは逆であってもよく、各工程におけるこれら電磁弁のオンオフ操作を実施形態とは逆にしてもよい。酸素を含むゼロレベル化用のガスと、第1室のガスを搬送するためのキャリアガスと、バッファ室64に導入される置換ガスとのうち一部又は全部が、互いに別のガス供給源から供給されるようにしてもよく、互いにガス種が異なっていてもよい。これらガスとして、空気に代えて、酸素と窒素の混合ガス等の酸素含有ガスを用いてもよい。
実施例を説明する。
水素センサ3として半導体ガスセンサを用いた。
貯留ガス及び被検ガスに相当するガスとして、水素を含む供給ガスを上記半導体ガスセンサに供給し、半導体ガスセンサの出力を測定した。半導体ガスセンサとして、酸素吸着量が減少すると出力が低下し、酸素吸着量が増加すると出力が上昇する特性を有するものを用いた(図6参照)。
上記供給ガスの水素濃度を測定の途中で変動させることで、検知工程における貯留ガスから被検ガスへの切り替えを疑似的に創出した。
上記供給ガスにおける貯留ガス相当の水素濃度(つまりバックグラウンドに相当)は、下記の3通りとした。
10ppm,20ppm,30ppm
上記の切り替えによって、上記供給ガスの水素濃度をそれぞれ1.8ppmだけ高めた。つまり、1.8ppmの漏れを疑似的に創出した。
同じ操作を3回繰り返した。
図6は、半導体ガスセンサの出力の測定結果を示したものである。
同図に示すように、各測定データにおいて、切り替え時にステップ状の出力変化が現れた。
繰り返し測定ごとのばらつきは1.8ppmを越えていたが、このばらつきよりも小さな漏れを検出できることが確認された。
本発明は、例えば電子部品や自動車部品などの工業製品を良否判定するための漏れ試験技術に適用可能である。
1 水素リークテスト装置
2 コントローラ(判定部)
3 半導体ガスセンサ(水素センサ)
9 被検物
10 チャンバ(収容部)
11 第1室
12 第2室
20 キャリアガス供給部
30 トレーサガス導入部
40 検出路
41 第1ガス路
42 第2ガス路
43 センサ路
46 三方弁(切替部)
60 貯留部
62 貯留室
63 主貯留室
64 バッファ室

Claims (9)

  1. 水素に感応する水素センサを用いて被検物を漏れ試験する水素リークテスト方法において、
    前記被検物を収容部に収容する収容工程と、
    前記収容部と前記被検物とによって画成された第1、第2室のうち第1室のガスを貯留室に移して貯留する貯留工程と、
    前記貯留工程の後、前記第2室に、水素を含むトレーサガスを導入するトレーサガス導入工程と、
    前記貯留室に貯留したガス(以下「貯留ガス」と称す)と、前記トレーサガス導入工程の開始後の前記第1室のガス(以下「被検ガス」と称す)とを選択的に切り替えて前記水素センサに供給する検知工程と、
    前記切り替えの前後の前記水素センサの検知データに基づいて漏れを判定する判定工程と、
    を備えたことを特徴とする水素リークテスト方法。
  2. 前記トレーサガス導入工程と併行して、前記貯留ガスを前記水素センサに供給し、その後、前記水素センサに供給するガスを前記貯留ガスから前記被検ガスに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の水素リークテスト方法。
  3. 前記第1室にキャリアガスを供給するキャリアガス供給工程を、前記貯留工程又は前記トレーサガス導入工程と併行して実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の水素リークテスト方法。
  4. 前記水素センサが半導体ガスセンサであり、前記貯留工程と併行して、酸素を含むガスを前記半導体ガスセンサに供給することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の水素リークテスト方法。
  5. 水素を含むトレーサガスを用いて被検物を漏れ試験する水素リークテスト装置において、
    水素に感応する水素センサと、
    前記被検物を収容する収容部と、
    前記収容部と前記被検物とによって画成された第1、第2室のうち第1室からのガスが移されて貯留される貯留部と、
    前記貯留の後、前記第2室に前記トレーサガスを導入するトレーサガス導入部と、
    前記貯留部からのガスと、前記導入の開始後の前記第1室からのガスとを選択的に切り替えて前記水素センサに供給する検出路と、
    前記切り替えの前後の前記水素センサの検知データに基づいて、漏れを判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする水素リークテスト装置。
  6. 前記検出路が、前記第1室に接続されるとともに前記貯留部を経ない第1ガス路と、前記貯留部に接続された第2ガス路と、前記水素センサが設けられたセンサ路と、これら3つの路どうしの間に設けられるとともに第1、第2ガス路の1つを選択して前記センサ路に接続する切替部とを含むことを特徴とする請求項5に記載の水素リークテスト装置。
  7. 前記貯留時及び前記導入時に、前記第1室にキャリアガスを供給するキャリアガス供給部を、更に備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の水素リークテスト装置。
  8. 前記水素センサが半導体ガスセンサであり、前記キャリアガスが酸素を含み、前記キャリアガス供給部が、前記貯留時に前記キャリアガスの一部を前記半導体ガスセンサに供給することを特徴とする請求項7に記載の水素リークテスト装置。
  9. 前記貯留部が、前記第1室からのガスが貯留される主貯留室と、この主貯留室に連なるバッファ室とを有し、前記検出路が、前記主貯留室からのガスと、前記導入の開始後の前記第1室からのガスとを選択的に切り替えて前記水素センサに供給し、前記主貯留室からのガスが選択される時、置換ガスが前記バッファ室に導入されることを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載の水素リークテスト装置。
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