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JP2014534247A - アルコールの均一系接触アミノ化による親油性ポリアルキレンポリアミン - Google Patents

アルコールの均一系接触アミノ化による親油性ポリアルキレンポリアミン Download PDF

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Abstract

本発明は、脂肪族アミノアルコール同士を、又は、脂肪族ジアミンもしくは脂肪族ポリアミンと脂肪族ジオールもしくは脂肪族ポリオールとを、水の脱離下に均一系触媒の存在下で反応させるアルコールの均一系接触アミノ化による親油性ポリアルキレンポリアミンの製造法において、出発材料のうち少なくとも1つが、5個以上の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでおり、かつ、反応後に、少なくとも1つの非極性相と少なくとも1つの極性相とに相分離が生じ、その際、親油性ポリアルキレンポリアミンが非極性相中に濃縮されていることを特徴とする方法に関する。本発明はさらに、そのような方法により得られるポリアルキレンポリアミン、並びに、ヒドロキシ基、第二級アミン又は第三級アミンを含むポリアルキレンポリアミンに関する。本発明はさらに、そのようなポリアルキレンポリアミンの使用に関する。

Description

本発明は、脂肪族アミノアルコール(アルカノールアミン)の、又はジアミンもしくはポリアミンとジオールもしくはポリオールとのアルコールの均一系接触アミノ化による親油性ポリアルキレンポリアミンの製造法に関する。さらに本発明は、この方法により得られるポリアルキレンポリアミン、並びにそのようなポリアルキレンポリアミンの使用にも関する。本発明のもう1つの対象は、ヒドロキシ基、第二級アミン基又は第三級アミン基を有する特定のポリアルキレンポリアミンである。
本発明のさらなる実施態様は、特許請求の範囲、発明の詳細な説明及び実施例から明らかである。当然のことながら、本発明による対象の、上で言及された特徴や以下でさらに説明されるべき特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、その都度具体的に挙げられた組み合わせのみならず他の組み合わせでも用いられ得る。全ての特徴が好ましいかもしくは極めて好ましい意味を有している本発明の実施態様は、好ましいかもしくは極めて好ましい。
ポリエチレンイミンは、数多くの多様な用途を有する有用な生成物である。例えば、ポリエチレンイミンは、a)ラミネートフィルム用の印刷インキのための定着剤として;b)多層複合フィルムを製造するための助剤(接着性)として、その際、種々のポリマー膜のみならず金属箔も相容化される;c)接着剤のための接着促進剤として、例えばポリビニルアルコール、ポリ酪酸ビニル、ポリ酢酸ビニル及びスチレンコポリマーと組み合わせて、又はラベル用接着剤のための凝集促進剤として;d)低分子ポリエチレンイミンは、さらにエポキシ樹脂やポリウレタン接着剤における架橋剤/硬化剤として使用可能である;e)塗料用途でのプライマーとして、例えばガラス、木材、プラスチック及び金属といった基材に対する密着性を向上させるために;f)標準分散液塗料における湿潤密着性を向上させるために、また、例えば路面標示用塗料の耐雨即効性を向上させるために;g)例えばHg、Pb、Cu、Niといった重金属に対して高い結合力を有する錯化剤として、さらに水処理/水後処理における凝集剤として;h)木材の保護における活性金属塩配合物用の浸透助剤として;i)鉄や非鉄金属用の防食剤として;j)タンパク質や酵素を固定化するために使用される。エチレンイミンから誘導されていない、親水性、両親媒性及び親油性のポリアルキレンポリアミンも、これらの用途に使用可能である。
現在、ポリエチレンイミンはエチレンイミンの単独重合により得られている。エチレンイミンは、高活性、腐食性でかつ毒性の中間生成物である(Aziridine, Ulrich Steuerle, Robert Feuerhake; Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2006, Wiley-VCH, Weinheim)。
アジリジンからの誘導によらない、C2を上回るアルキレン基を有するポリアルキレンポリアミン−[(CH2xN]−(x>2)の製造に関しては、アジリジン経路に類似した方法が存在していないため、これを製造するための低コストの方法はこれまでに存在していなかった。
アルコールとアミンから出発した第一級、第二級及び第三級アミンの合成に関する文献からアルコールの均一系接触アミノ化が知られているが、記載されているいずれの態様においても、得られるのはモノマー生成物である。
US3,708,539号には、ルテニウム−ホスファン錯体を使用した、第一級、第二級及び第三級アミンの合成が記載されている。
Y. Watanabe, Y. Tsuji, Y. Ohsugi Tetrahedron Lett. 1981, 22, 2667-2670には、アニリンを用いたアルコールのアミノ化を触媒として[Ru(PPh33Cl2]を用いて行うことによる、アリールアミンの製造について報告されている。
EP0034480A2号には、イリジウム触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、オスミウム触媒、白金触媒、パラジウム触媒もしくはルテニウム触媒を使用した、第一級もしくは第二級アミンと第一級もしくは第二級アルコールとの反応による、N−アルキルアミンもしくはN,N−ジアルキルアミンの製造が開示されている。
EP0239934A1号には、ルテニウム−ホスファン錯体やイリジウム−ホスファン錯体を使用した、例えばエチレングリコールや1,3−プロパンジオールといったジオールと第二級アミンから出発したモノアミノ化生成物及びジアミノ化生成物の合成が記載されている。
K.I. Fujita, R. Yamaguchi Synlett, 2005, 4, 560-571には、アルコールと第一級アミンとの反応による第二級アミンの合成、並びにイリジウム触媒を用いた閉環により第一級アミンとジオールを反応させることによる環状アミンの合成が記載されている。
A. Tillack, D. Hollmann, K. Mevius, D. Michalik, S. Baehn, M. Beller Eur. J. Org. Chem. 2008, 4745-4750、A. Tillack, D. Hollmann, D. Michalik, M. Beller Tetrahedron Lett. 2006, 47, 8881-8885、D. Hollmann, S. Baehn, A. Tillack, M. Beller Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 8291-8294、並びにM. Haniti, S.A. Hamid, C.L. Allen, G.W. Lamb, A.C. Maxwell, H.C. Maytum, A.J.A. Watson, J.M.J. Williams J. Am. Chem. Soc, 2009, 131, 1766-1774には、均一系ルテニウム触媒を用いて、アルコールと第一級もしくは第二級アミンから出発した、第二級及び第三級アミンの合成が記載されている。
均一系ルテニウム触媒を用いたアルコールとアンモニアとの反応による第一級アミンの合成については、C. Gunanathan, D. Milstein, Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 8661-8664に報告されている。
本出願人による未公開特許出願PCT/EP2011/058758号には、アルカノールアミンの、又はジアミンもしくはポリアミンとジオールもしくはポリオールとの、アルコールの接触アミノ化によるポリアルキレンポリアミンの一般的な製造法が記載されている。
本発明の課題は、望ましくない結合生成物、例えばアンモニアが生じない、親油性ポリアルキレンポリアミンの製造法を見出すことである。
前記課題並びに他の課題は、本発明の開示内容から自明である通り、
(i)脂肪族アミノアルコール同士を、又は、
(ii)脂肪族ジアミンもしくは脂肪族ポリアミンと脂肪族ジオールもしくは脂肪族ポリオールとを、
水の脱離下に均一系触媒の存在下で反応させるアルコールの均一系接触アミノ化による、本発明による親油性ポリアルキレンポリアミンの製造法において、
出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうち少なくとも1つが、5個以上、好ましくは7個以上、特に好ましくは9個以上の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでおり、かつ、
反応後に、
好ましくは特に室温に冷却した後に、
好ましくは極性溶剤、特に水を添加した後に、
少なくとも1つの非極性相と少なくとも1つの極性相とに相分離が生じ、その際、
親油性ポリアルキレンポリアミンが非極性相中に濃縮されていることを特徴とする方法の種々の実施態様により解決される。
親油性ポリアルキレンポリアミンとは、5個以上の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含むモノマーから合成される脂溶性ポリアミンと解釈されるべきである。
室温とは21℃と解釈される。反応後に、反応混合物は好ましくは冷却される。合理的には、周囲温度、特に室温への冷却が行われる。一般に、冷却によって、非極性相と極性相への相分離が促進される。
均一系触媒とは、反応の間に反応媒体中に均一に溶解して存在する触媒と解釈される。
本発明の範囲内で、Ca〜Cbという式の表記は、所定数の炭素原子を有する化学化合物又は化学置換基を表す。炭素原子数はa及びbを含むa〜bの範囲全体から選択されてよく、aは少なくとも1であり、bは常にaよりも大きい。化学化合物又は化学置換基は、さらにCa−Cb−Vという式の表記により規定される。ここで、Vは化学化合物クラス又は化学置換基クラス、例えばアルキル化合物又はアルキル置換基を表す。
詳細には、種々の置換基について示された総称は以下の意味を有する:
1−C50−アルキル:50個までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基、例えばC1−C10−アルキル、又はC11−C20−アルキル、好ましくはC1−C10−アルキル、例えばC1−C3−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はC4−C6−アルキル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、又はC7−C10−アルキル、例えばヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル又はデシル、並びにその異性体。
3−C15−シクロアルキル:3〜15個の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基、好ましくはC3−C8−シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル、並びに飽和もしくは不飽和の環系、例えばノルボルニル又はノルベニル。
アリール:6〜14個の炭素環員を有する単環ないし三環の芳香環系、例えばフェニル、ナフチル又はアントラセニル、好ましくは単環ないし二環の、特に好ましくは単環の芳香環系。
「*」という記号は、本発明の範囲内で、全ての化学化合物において原子価を表しており、この原子価を介してある化学基がもう1つの化学基に結合しているものである。
以下に、本発明につき詳説する。
本発明によれば、親油性ポリアルキレンポリアミンは、すでに記載した通り、(i)脂肪族アミノアルコール同士を水の脱離下に、又は、(ii)脂肪族ジアミンもしくは脂肪族ポリアミンと脂肪族ジオールもしくは脂肪族ポリオールとを水の脱離下に、それぞれ均一系触媒の存在下で反応させることにより得られる。
適した脂肪族アミノアルコールは、少なくとも1つの第一級もしくは第二級アミノ基と、少なくとも1つのOH基、並びに5個以上の炭素原子を有する少なくとも1つの親油性のアルキレン基もしくはアルキル基を含んでいる。例は、直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルカノールアミン、例えばアミノジメチルペンタノール、例えば5−アミノ−2,2−ジメチルペンタノール又は3−アミノ−2,4−ジメチル−2−ペンタノール、アミノヘキサノール、例えば2−アミノヘキサン−1−オール、アミノヘプタノール、例えば2−アミノヘプタン−1−オール、アミノオクタノール、例えば2−アミノオクタン−1−オール、アミノノナノール、例えば2−アミノノナン−1−オール、アミノデカノール、例えば2−アミノデカン−1−オール、アミノウンデカノール、例えば2−アミノウンデカン−1−オール、アミノドデカノール、例えば2−アミノドデカン−1−オール、アミノトリデカノール、例えば2−アミノトリデカン−1−オールである。
適した脂肪族ジアミンは、少なくとも2つの第一級アミノ基か、又は少なくとも1つの第一級アミノ基と第二級アミノ基か、又は少なくとも2つの第二級アミノ基を含んでおり、好ましくは2つの第一級アミノ基を含んでいる。例は、直鎖、分岐鎖もしくは環状の脂肪族ジアミンである。例は、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、例えば1,4−ブチレンジアミン又は1,2−ブチレンジアミン、ジアミノペンタン、例えば1,5−ジアミノペンタン又は1,2−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、ジアミノヘキサン、例えば1,6−ジアミノヘキサン又は1,2−ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、例えば1,7−ジアミノヘプタン又は1,2−ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、例えば1,8−ジアミノオクタン又は1,2−ジアミノオクタン、ジアミノノナン、例えば1,9−ジアミノノナン又は1,2−ジアミノノナン、ジアミノデカン、例えば1,10−ジアミノデカン又は1,2−ジアミノデカン、ジアミノウンデカン、例えば1,11−ジアミノウンデカン又は1,2−ジアミノウンデカン、ジアミノドデカン、例えば1,12−ジアミノドデカン又は1,2−ジアミノドデカン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、ポリエーテルアミン、ピペラジン、3−(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミンである。
適した脂肪族ジオールは、直鎖、分岐鎖もしくは環状の脂肪族ジオールである。脂肪族ジオールについての例は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、例えば1,4−ブチレングリコール又はブタン−2,3−ジオール、又は1,2−ブチレングリコール、ペンタンジオール、例えばネオペンチルグリコール又は1,5−ペンタンジオール又は1,2−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、例えば1,6−ヘキサンジオール又は1,2−ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、例えば1,7−ヘプタンジオール又は1,2−ヘプタンジオール、オクタンジオール、例えば1,8−オクタンジオール又は1,2−オクタンジオール、ノナンジオール、例えば1,9−ノナンジオール又は1,2−ノナンジオール、デカンジオール、例えば1,10−デカンジオール又は1,2−デカンジオール、ウンデカンジオール、例えば1,11−ウンデカンジオール又は1,2−ウンデカンジオール、ドデカンジオール、例えば1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、トリデカンジオール、例えば1,13−トリデカンジオール又は1,2−トリデカンジオール、テトラデカンジオール、例えば1,14−テトラデカンジオール又は1,2−テトラデカンジオール、ペンタデカンジオール、例えば1,15−ペンタデカンジオール又は1,2−ペンタデカンジオール、ヘキサデカンジオール、例えば1,16−ヘキサデカンジオール又は1,2−ヘキサデカンジオール、ヘプタデカンジオール、例えば1,17−ヘプタデカンジオール又は1,2−ヘプタデカンジオール、オクタデカンジオール、例えば1,18−オクタデカンジオール又は1,2−オクデカンジオール、3,4−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ポリTHF、1,4−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ジエタノールアミン、例えばブチルジエタノールアミン又はメチルジエタノールアミンである。
本発明によれば、親油性ポリアルキレンポリアミンは、5個以上の炭素原子を有する脂肪族ジオールと脂肪族ジアミンとから、又は、脂肪族ジオールと5個以上の炭素原子を有する脂肪族ジアミンとから、又は、5個以上の炭素原子を有する脂肪族ジオールと5個以上の炭素原子を有する脂肪族ジアミンとからも製造される。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうち少なくとも1つは、5〜50個、好ましくは5〜20個、特に好ましくは6〜18個、極めて特に好ましくは7〜16個、さらに好ましくは8〜14個、さらに好ましくは9〜12個の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでいる。
さらに、本発明により得られるポリアルキレンポリアミンは、C5〜C50−アルキレン単位もしくはアルキル単位、特に好ましくはC8〜C20−アルキレン単位もしくはアルキル単位を含んでいる。これらは直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。例は、1,2−オクチレン、1,2−ノニレン、1,2−デシレン、1,2−ウンデシレン、1,2−ドデシレン、1,2−トリデシレン、1,8−オクチレン、1,9−ノニレン、1,10−デシレン、1,11−ウンデシレン、1,12−ドデシレン、1,13−トリデシレン、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシルである。
当然のことながら、それぞれの反応において、脂肪族アミノアルコールの混合物、又はアルカンジオールの混合物、又はジアミノアルカンの混合物も使用可能である。生じるポルアルキレンポリアミンは、種々の長さのアルキレン単位を含み得る。この場合、出発材料のうち少なくとも1つは、5個以上の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでいる。
1つを上回るOH基か又は1つを上回る第一級もしくは第二級アミノ基を有する多官能性アミノアルコール同士を反応させることもできる。この場合、高分岐鎖の生成物が得られる。多官能性アミノアルコールについての例は、ジエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソノナノールアミン、ジイソデカノールアミン、ジイソウンデカノールアミン、ジイソドデカノールアミン、ジイソトリデカノールアミンである。この場合、出発材料のうち少なくとも1つは、5個以上の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでいる。
ポリオールか、又はジオールとポリオールとの混合物を、ジアミンと反応させることもできる。ポリアミンか、又はジアミンとポリアミンとの混合物を、ジオールと反応させることもできる。ポリオールか、又はジオールとポリオールとの混合物を、ポリアミンか、又はジアミンとポリアミンとの混合物と反応させることもできる。ポリアミンポリオールか、又はポリアミンポリオールの混合物を、ジオール、ジアミン又はアルコールアミンと反応させることもできる。この場合、高分岐鎖の生成物が得られる。ポリオールについての例は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンである。ポリアミンについての例は、ジエチレントリアミン、トリス(アミノエチル)アミン、トリアジン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルアミン、ジプロピレントリアミン、N,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−エチレンジアミンである。この場合、出発材料のうち少なくとも1つは、5個以上の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでいる。
本発明による方法の一実施態様において、脂肪族ポルアルキレンポリアミンを、脂肪族アミノアルコールと、又はジアミンもしくはポリアミンと、又は脂肪族ジオールもしくは脂肪族ポリオールと反応させて、親油性ポリアルキレンポリアミンを得る。
ジオール、ポリオール及びジアミン、ポリアミン中のヒドロキシ基とアミノ基は、好ましくは20:1〜1:20のモル比で、特に好ましくは8:1〜1:8、特に3:1〜1:3の比で使用される。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうちの1つのヘテロ原子N又はOは、C原子鎖のα位及びβ位に存在している。α位及びβ位とは、互いに接して共有結合している2つのC原子上の位置を表すものであり、その際、これらのC原子のうち一方は末端に存在しているものとする。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうちの1つのヘテロ原子N又はOは、C原子鎖のα位及びω位に存在している。α位及びω位とは、2つのヘテロ原子が、C原子鎖の反対に位置する末端に存在している末端のC原子に結合していることを表す。
触媒は、一般に周期表の亜族の元素(遷移金属)を少なくとも1つ含んでいる。
本発明によるアルコールのアミノ化法は、さらなる溶剤の存在下又は不在下で行われてよい。
本発明によるアルコールのアミノ化は、多相の、好ましくは単相又は二相の液体系において、一般に20〜250℃の温度で実施されてよい。反応の終了後、及び場合によりもう1つの溶剤の添加後に、二相の反応系が存在する。この場合、一方の相、しばしば上相は、主に形成された親油性ポリアルキレンポリアミンの大部分と、場合により非極性溶剤と、なおも存在している非極性出発材料とを含んでいる。第二の相、しばしば下相は、主に水と、場合により極性溶剤と、好ましくは均一に溶解した触媒とを含んでいる。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、反応後に、好ましくは特に室温に冷却した後に、反応混合物に、極性溶剤、例えば水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、イオン性液体、メタノール、エタノール、好ましくは水が添加される。一般に、極性溶剤の添加により、反応後の相分離が促進される。
当業者には自身の全般的な専門知識から公知であるように、相分離とは決して完全なものではなく、つまり少量の、例えば5%までの非極性化合物が第二の相中にも溶解していることがあり、少量の、例えば5%までの極性化合物が第一の相中にも溶解していることがある。
本発明による好ましい一実施態様において、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖中に2個以上の炭素原子(C原子)を有するアルキレンジアミンと、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖中に5個以上のC原子を有するアルカンジオールとを、又は、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖中に5個以上のC原子を有するアルキレンジアミンと、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖中に2個以上のC原子を有するアルカンジオールとを、触媒の存在下で反応させる(例示的に、式1を参照のこと):
Figure 2014534247
好ましいアルキレンジアミンは、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、例えば1,4−ブチレンジアミン又は1,2−ブチレンジアミン、ジアミノペンタン、例えば1,5−ジアミノペンタン又は1,2−ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、例えば1,6−ジアミノヘキサン又は1,2−ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、例えば1,7−ジアミノヘプタン又は1,2−ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、例えば1,8−ジアミノオクタン又は1,2−ジアミノオクタン、ジアミノノナン、例えば1,9−ジアミノノナン又は1,2−ジアミノノナン、ジアミノデカン、例えば1,10−ジアミノデカン又は1,2−ジアミノデカン、ジアミノウンデカン、例えば1,11−ジアミノウンデカン又は1,2−ジアミノウンデカン、ジアミノドデカン、例えば1,12−ジアミノドデカン又は1,2−ジアミノドデカン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、ポリエーテルアミン、ピペラジン、3−(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミンである。
特に好ましいものは、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールである。
好ましいアルキレンジアミンは、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、例えば1,4−ブチレンジアミン又は1,2−ブチレンジアミン、ジアミノペンタン、例えば1,5−ジアミノペンタン又は1,2−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、ジアミノヘキサン、例えば1,6−ジアミノヘキサン又は1,2−ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、例えば1,7−ジアミノヘプタン又は1,2−ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、例えば1,8−ジアミノオクタン又は1,2−ジアミノオクタン、ジアミノノナン、例えば1,9−ジアミノノナン又は1,2−ジアミノノナン、ジアミノデカン、例えば1,10−ジアミノデカン又は1,2−ジアミノデカン、ジアミノウンデカン、例えば1,11−ジアミノウンデカン又は1,2−ジアミノウンデカン、ジアミノドデカン、例えば1,12−ジアミノドデカン又は1,2−ジアミノドデカン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、ポリエーテルアミン、ピペラジン、3−(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミンである。
特に好ましいものは、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、ヘキサメチレンジアミン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンである。
特に好ましくは、(i)エチレンジアミンもしくは(ii)1,3−プロピレンジアミンのいずれかと、a)1,2−デカンジオールもしくはb)1,2−ドデカンジオールのいずれかが、又は、(iii)1,2−プロピレンジアミンと、a)1,2−デカンジオールもしくはb)1,2−ドデカンジオールのいずれかが、触媒の存在下で反応して、ポリアルカノールポリアミンとなる。
ポリアミンの繰返し単位の数iは、一般に3〜50000である。
そのようにして得られたポリアルカノールアミンは、鎖末端での末端基として、NH2基のみならずOH基をも有し得る。
Figure 2014534247
ここで、好ましくは、
Rは、互いに無関係に同じか又は異なって、H、C1〜C50−アルキルを表し、
l、mは、互いに無関係に同じか又は異なって、1〜50、好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜20の範囲からの整数を表し、
n、kは、互いに無関係に同じか又は異なって、0〜50、好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20の範囲からの整数を表し、
iは、3〜50000の範囲からの整数を表す。
得られたポリアルカノールアミンの数平均分子量Mnは、一般に200〜2,000,000、好ましくは400〜750,000、特に好ましくは400〜100,000である。多分散指数Mw/Mnの値は、一般に1.2〜20、好ましくは1.5〜7.5の範囲内である。(pH4〜5での)カチオン電荷密度は、一般に0.1〜22meq/g 乾燥物質の範囲内であり、好ましくは0.5〜10meq/gの範囲内であり、特に好ましくは0.5〜5meq/gの範囲内である。
本発明による方法により得られた親油性ポリアルカノールアミンは、直鎖形の場合もあり、分岐鎖ないし多重分岐鎖形の場合もあり、また環状の構造単位を有する場合もある:
Figure 2014534247
ここで、構造単位(直鎖、分岐鎖ないし環状)の分布はランダムである。そのようにして得られた親油性ポリアルカノールアミンは、エチレンイミンから製造されたポリエチレンイミンと、OH末端基が存在している点や、アルキレン基ないしアルキル基が親油性である点で相違している。
本発明のもう1つの好ましい一実施態様において、5個以上のC原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアミノアルコールを、触媒の存在下で反応させる:
Figure 2014534247
例は、2−アミノヘキサン−1−オール、5−アミノ−2,2−ジメチルペンタノール、2−アミノヘキサン−1−オール、2−アミノヘプタン−1−オール、2−アミノオクタン−1−オール、2−アミノノナン−1−オール、2−アミノデカン−1−オール、2−アミノウンデカン−1−オール、2−アミノドデカン−1−オール、2−アミノトリデカン−1−オール、2−アミノイソヘキサン−1−オール、2−アミノイソヘプタン−1−オール、2−アミノイソオクタン−1−オール、2−アミノイソノナン−1−オール、2−アミノイソデカン−1−オール、2−アミノイソウンデカン−1−オール、2−アミノイソドデカン−1−オール、2−アミノイソトリデカン−1−オールである。
本発明のもう1つの好ましい一実施態様において、アルキレン鎖中に5個以上のC原子を有する直鎖のα,ω−アミノアルコールを、触媒の存在下で反応させる。
Figure 2014534247
例は、アルカノールアミン、例えば6−アミノヘキサン−1−オール、7−アミノヘプタン−1−オール、8−アミノオクタン−1−オール、9−アミノノナン−1−オール、10−アミノデカン−1−オール、11−アミノウンデカン−1−オール、11−アミノウンデカン−1−オール、12−アミノドデカン−1−オール、13−アミノトリデカン−1−オールである。
本発明のもう1つの好ましい一実施態様において、アルキル基中に5個以上のC原子を有する直鎖のα,β−アミノアルコールを、触媒の存在下で反応させる。
例は、アルカノールアミン、例えば2−アミノヘプタン−1−オール、2−アミノオクタン−1−オール、2−アミノノナン−1−オール、2−アミノデカン−1−オール、2−アミノウンデカン−1−オール、2−アミノウンデカン−1−オール、2−アミノドデカン−1−オール、2−アミノトリデカン−1−オールである。
触媒は、好ましくは周期表の亜族の種々の金属を1つ以上含む遷移金属錯体触媒であり、好ましくは周期表の第8族、第9族及び第10族の元素を少なくとも1つ含み、特に好ましくはルテニウム又はイリジウム含む遷移金属錯体触媒である。この触媒は、反応の間に反応媒体に均一に溶解している。
上記の亜族金属は、好ましくは錯化合物の形で存在している。多数の種々の配位子が考えられる。
遷移金属錯化合物中に存在する適した配位子は、例えばアルキルもしくはアリールで置換されたホスフィン、アリーレン基もしくはアルキレン基で架橋されている、アルキルもしくはアリールで置換された多座ホスフィン、含窒素複素環式カルベン、シクロペンタジエニル及びペンタメチルシクロペンタジエニル、アリール、オレフィン配位子、水素化物、ハロゲン化物、カルボキシラート、アルコキシラート、カルボニル、水酸化物、トリアルキルアミン、ジアルキルアミン、モノアルキルアミン、含窒素芳香族化合物、例えばピリジン、又はピロリジン、並びに多座アミンである。有機金属錯体は、上記の種々の配位子を1つ以上含むことができる。
好ましい配位子は、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有する、非分岐鎖もしくは分岐鎖の、非環状もしくは環状の脂肪族基、芳香族基又は芳香脂肪族基を少なくとも1つ有する、(単座)ホスフィン又は(多座)ポリホスフィン、例えばジホスフィンである。分岐鎖の脂環式基及び芳香脂肪族基についての例は、−CH2−C611及び−CH2−C65である。適した基として、例えば以下のものが挙げられる:メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1−(2−メチル)プロピル、2−(2−メチル)プロピル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、1−(2−メチル)−ペンチル、1−(2−エチル)−ヘキシル、1−(2−プロピルヘプチル)、アダマンチル及びノルボルニル、フェニル、トリル及びキシリル、並びに1−フェニルピロール、1−(2−メトキシフェニル)−ピロール、1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−イミダゾール及び1−フェニルインドール。ホスフィン基は、上記の、非分岐鎖もしくは分岐鎖の、非環状もしくは環状の脂肪族基、芳香族基又は芳香脂肪族基を1つ、2つ又は3つ含むことができる。これらの基は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
上記の、非分岐鎖もしくは分岐鎖の、非環状もしくは環状の脂肪族基、芳香族基又は芳香脂肪族基において、個々の炭素原子はさらなるホスフィン基により置換されていてもよい。従って、ホスフィン基がアルキレン基もしくはアリーレン基で架橋されている、多座の、例えば二座もしくは三座のホスフィン配位子も含まれる。好ましくは、ホスフィン基は、1,2−フェニレン架橋、メチレン架橋、1,2−エチレン架橋、1,2−ジメチル−1,2−エチレン架橋、1,3−プロピレン架橋、1,4−ブチレン架橋及び1,5−プロピレン架橋で架橋されている。
特に適した単座ホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリメチルホスフィン及びトリエチルホスフィン、トリフェニルホスファントリスルホナート、トリエタノールホスフィン、1,3,5−トリアザ−7−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)ベンジルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1−フェニル−1H−ピロール、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−1H−イミダゾール、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1−フェニルインドール、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1−フェニルインドール、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピロール、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピロール及び2−(ジ−tert−ブチル−ホスフィノ)−1−フェニル−1H−ピロールである。特に、すでに記載した通り、反応後に極性溶剤が添加される場合には、極めて特に好ましいものは、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスファントリスルホナート、トリエタノールホスフィン、1,3,5−トリアザ−7−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)ベンジルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1−フェニル−1H−ピロールである。ここで、Ruと水溶性錯体を形成する配位子が極めて好ましい。
特に適した多座ホスフィン配位子は、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ジメチル−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,1,1−トリス(ジフェニル−ホスフィノメチル)エタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスファニル)フェロセン及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンである。
さらに、特に適した配位子として含窒素複素環式カルベンが挙げられる。特に、すでに記載した通り、反応後に極性溶剤が添加される場合には、1−ブチル−3−メチルイミダゾリン−2−イリデン、1−エチル−3−メチルイミダゾリン−2−イリデン、1−メチルイミダゾリン−2−イリデン、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾリン−2−イリデン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリン−2−イリデン及びジプロピルイミダゾリン−2−イリデンが好ましい。特に好ましいものは、1−ブチル−3−メチルイミダゾリン−2−イリデン、1−エチル−3−メチルイミダゾリン−2−イリデン、1−メチルイミダゾリン−2−イリデンである。ここで、Ruと水溶性錯体を形成する配位子が極めて好ましい。
特に適した配位子として、シクロペンタジエニル、並びに、そのアルキル、アリール及び/又はヒドロキシで1〜5回置換された誘導体、例えばメチルシクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、テトラフェニルヒドロキシシクロペンタジエニル及びペンタフェニルシクロペンタジエニルも挙げられる。さらに、特に適した配位子は、インデニル及びその置換誘導体である。特に、すでに記載した通り、反応後に極性溶剤が添加される場合には、同様に特に適した配位子は、水酸化物、塩化物、水素化物及びカルボニルである。
遷移金属錯体触媒は、上記の全ての配位子のうち複数の種々のものを含んでよい。ここで、Ruと水溶性錯体を形成する配位子ないし配位子の組み合わせが極めて好ましい。
均一系触媒は、直接その活性形で使用することもできるし、通常の標準錯体、例えば[Ru(p−シメン)Cl22、[Ru(ベンゼン)Cl2n、[Ru(CO)2Cl2n、[Ru(CO)3Cl22、[Ru(COD)(アリル)]、[RuCl3・H2O]、[Ru(アセチルアセトナート)3]、[Ru(DMSO)4Cl2]、[Ru(PPh33(CO)(H)Cl]、[Ru(PPh33(CO)Cl2]、[Ru(PPh33(CO)(H)2]、[Ru(PPh33Cl2]、[Ru(シクロペンタジエニル)(PPh32Cl]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2Cl]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(シクロペンタジエニル)(CO)22、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2Cl]、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)22、[Ru(インデニル)(CO)2Cl]、[Ru(インデニル)(CO)2H]、[Ru(インデニル)(CO)22、ルテノセン、[Ru(binap)Cl2]、[Ru(ビピリジン)2Cl2・2H2O]、[Ru(COD)Cl22、[Ru(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(COD)Cl]、[Ru3(CO)12]、[Ru(テトラフェニルヒドロキシ−シクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(PMe34(H)2]、[Ru(PEt34(H)2]、[Ru(PnPr34(H)2]、[Ru(PnBu34(H)2]、[Ru(Pnオクチル34(H)2]、[IrCl3・H2O]、KIrCl4、K3IrCl6、[Ir(COD)Cl]2、[Ir(シクロオクテン)2Cl]2、[Ir(エテン)2Cl]2、[Ir(シクロペンタジエニル)Cl22、[Ir(ペンタメチルシクロペンタジエニル)Cl22、[Ir(シクロペンタジエニル)(CO)2]、[Ir(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(CO)2]、[Ir(PPh32(CO)(H)]、[Ir(PPh32(CO)(Cl)]、[Ir(PPh33(Cl)]から出発して、相応する配位子、好ましくは上記の単座ホスフィン配位子もしくは多座ホスフィン配位子、又は上記の含窒素複素環式カルベンの添加下に、反応条件下で初めて生成させることもできる。
触媒の金属成分、好ましくはルテニウム又はイリジウムの量は、その都度液体の反応混合物全体に対して、一般に0.1〜5000質量ppmである。
本発明による方法は、溶剤中でも溶剤なしでも実施可能である。当然のことながら、本発明による方法は溶剤混合物中でも実施可能である。
本発明による方法が溶剤中で実施される場合には、溶剤の量はしばしば、出発材料である(i)及び(ii)が溶剤中にちょうど溶解するように選択される。一般に、溶剤の量対出発材料である(i)及び(ii)の量の質量比は、100:1〜0.1:1、好ましくは10:1〜0.1:1である。
反応が溶剤なしで実施される場合には、反応後に、特に周囲温度への冷却後に、さらに場合により溶剤もしくは溶剤混合物の添加後に、非極性相と極性水性相とが存在する。均一系触媒は反応後に好ましくは極性相中に溶解しており、一方で生成物は非極性相中に存在している。触媒が極性相中に存在している場合、これを相分離により生成物と分離することができる。触媒が部分的もしくは完全に非極性相中に存在している場合には、これは生成物中に残留してもよいし、これを場合により適当な溶剤で数回抽出することにより生成物から減損させてもよい。抽出剤として、好ましくは、濃縮後に、場合により、抽出された触媒と一緒に再度反応に使用することができる、極性の高い溶剤が使用される。適した抽出剤は、例えば水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、イオン性液体、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩又は1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナートである。適当な吸収材を用いて触媒を除去することも可能である。反応が、水ないしイオン性液体と混和しない溶剤中で実施される場合には、生成物相に水もしくはイオン性液体を添加することによって分離が行われてもよい。ここで、触媒が好ましくは水もしくはイオン性液体に溶解する場合には、この触媒を溶剤を用いて有機生成物相から分離し、場合により再び使用することができる。このことは、適した配位子の選択により生じ得る。
反応が溶剤中で実施される場合には、この溶剤は生成物と混和し、かつ反応後に蒸留により分離可能である。適した溶剤は、例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、アルカン、例えばヘキサン、ヘプタン又はオクタン、非環状及び環状のエーテル、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン、並びに、3つを上回るC原子を有しておりOH基が第三級炭素原子に結合しているアルコール、例えばtert−アミルアルコールである。好ましいものは、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルカン、非環状及び環状のエーテル、又は、3つを上回るC原子を有しておりOH基が第三級炭素原子に結合しているアルコールであり、特に好ましいものは、トルエン及びtert−アミルアルコールである。蒸留の際には、未反応の、特に非極性の出発材料も分離され得る。
生成物又は出発材料とのミシビリティギャップを有する溶剤も使用可能である。配位子を適切に選択することによって、触媒は好ましくは極性相に溶解する。この場合、適した溶剤は、例えば水、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、ホルムアミド、例えばジメチルホルムアミド、イオン性液体、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナートであり、好ましくは水及びイオン性液体である。
溶剤は、反応条件下で、出発材料及び生成物及び極性相、例えば水ないしイオン性液体と混和し、冷却後に初めて、生成物を含む第二の液相を形成するようなものであってもよい。触媒の大部分は極性相中に溶解している。この相はさらに、出発材料の一部をも含有し得る。その場合、触媒を極性相と一緒に分離して、再び使用することができる。生成物中に含まれる触媒の一部を、引き続き、抽出により、適した吸収材、例えばポリアクリル酸及びその塩、スルホン化ポリスチレン及びその塩、活性炭、モンモリロナイト、ベントナイト並びにゼオライトにより分離することもできるが、生成物中にそのままにしておいてもよい。
二相で反応を進行させる実施態様の場合には、非極性溶剤として、特にトルエン、ベンゼン、キシレン、アルカン、例えばヘキサン、ヘプタン及びオクタンを、遷移金属触媒上の極性もしくは親水性の配位子、例えば含窒素複素環式カルベン、極性ホスファン、又はカチオン性もしくは非イオン性配位子と組み合わせたものが適しており、それにより、遷移金属触媒が極性相中に濃縮される。このような、溶剤と生成物とが非極性相を形成し、触媒と場合により未反応の出発材料と反応水と場合により反応後に添加されるさらなる溶剤とが極性相を形成するような実施態様の場合には、触媒の大部分及び場合により未反応の出発材料を、単純な相分離により生成物相から分離し、再び使用することができる。
揮発性の副生成物、又は未反応の出発材料、またさらには、添加された溶剤が望ましくない場合には、これらを問題なく生成物から蒸留により分離することができる。
もう1つの実施態様の場合には、反応は、極性溶剤中で、水、又はイオン性液体中で実施される。生成物を溶解させるが反応に使用される溶剤とは混和しない非極性溶剤を添加することによって、生成物を分離することができる。非極性溶剤についての例は、トルエン、ベンゼン、アルカン、例えばヘキサン、ヘプタン又はオクタン、並びに非環状もしくは環状のエーテル、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフランである。触媒が好ましくは極性相中に溶解する場合には、この触媒を溶剤を用いて非極性生成物相から分離し、場合により再び使用することができる。
反応は、液相中で一般に20〜250℃の温度で行われる。好ましくは、温度は少なくとも100℃であり、好ましくは最高で200℃であり、特に好ましくは温度は130〜180℃である。反応を、0.1〜25MPa(絶対)の全圧で実施することができるが、この圧力は、反応温度での溶剤の固有圧であってもよいし、例えば窒素、アルゴン又は水素といったガスの圧力であってもよい。平均反応時間は、一般に15分〜100時間である。
反応の際に形成された水を、反応混合物から連続的に除去することも有利である場合がある。反応水を、直接、蒸留により反応混合物から分離してもよいし、適当な溶剤(共留剤)を添加し、かつ水分離器を使用して、共沸混合物として分離してもよいし、脱水助剤を添加することにより除去してもよい。
塩基の添加は、生成物の形成に有利な影響を及ぼし得る。適した塩基として、ここではアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ土類金属アルコラート、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩が挙げられ、これらを、使用する金属触媒に対して0.01〜100当量使用することができる。
本発明のもう1つの対象は、本発明による方法の上記実施態様により製造されるポリアルキレンポリアミンである。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、出発材料である(i)脂肪族アミノアルコール、(ii)脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうちの1つのヘテロ原子O又はNは、C原子鎖のα位及びβ位に、従って隣接するC原子上に存在している。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、出発材料である(i)脂肪族アミノアルコール、(ii)脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうちの1つのヘテロ原子O又はNは、C原子鎖のα位及びω位に、従ってC原子鎖の反対に位置する末端に存在している。
本発明のもう1つの対象は、ヒドロキシ基、第二級アミン又は第三級アミンを含むポリアルキレンポリアミンである。好ましくは、これらのヒドロキシ基、第二級アミン又は第三級アミンは、アルキレン基の末端炭素原子上に存在しており、従って末端基である。好ましくは、このポリアルキレンポリアミンはヒドロキシ基を含んでいる。
例えば、このヒドロキシ基、第二級アミン又は第三級アミンを含むポリアルキレンポリアミンは、本発明による方法を用いて得られる。特に、このポリアルキレンポリアミンは、単段でのモノマーの重合による方法において得られる。
好ましくは、ヒドロキシ末端基の数対アミン末端基(第一級、第二級、第三級)の数の比は、10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、特に好ましくは2:1〜1:2である。
もう1つの好ましい一実施態様において、ヒドロキシ基、第二級アミン又は第三級アミンを含むポリアルキレンポリアミンは、ヒドロキシ末端基のみを有するか、又はアミン末端基(第一級、第二級、第三級)のみを有する。
本発明はさらに、a)印刷インキのための定着剤としての、b)複合フィルムを製造するための助剤(接着性)としての、c)接着剤のための凝集促進剤としての、d)樹脂のための架橋剤/硬化剤としての、e)塗料におけるプライマーとしての、f)分散液塗料のための湿潤密着性促進剤としての、g)錯化剤及び凝集剤としての、h)木材の保護における浸透助剤としての、i)防食剤としての、j)タンパク質及び酵素の固定化剤としての、k)エポキシ樹脂のための硬化剤としての、このポリアルキレンポリアミンの使用にも関する。
本発明は、望ましくない結合生成物、例えばアンモニアが生じない、親油性ポリアルキレンポリアミンの製造法を提供する。
本発明を実施例により詳説するが、この実施例は本発明の対象を限定するものではない。
オリゴマーの平均分子量を、サイズ排除クロマトグラフィーの方法によるゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した。溶離液として、ヘキサフルオロイソプロパノールを0.05%トリフルオロ酢酸カリウム塩と共に使用した。測定を、40℃で、流量1ml/分で、スチレン−ジビニルベンゼン−コポリマーカラム(8mm×30cm)で、検出器としてRI示差屈折計ないしUV光度計を用いて実施した。分布の狭いPMMA標準物質を用いてキャリブレーションを行った。
(APHAによる)ハーゼン色数の測定のために、試料を、380〜720nmの範囲内では吸収しない希釈剤で、1:2500に希釈する。その後、380〜720nmの範囲内で10nm刻みでハーゼン色数を求める。
実施例1
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、酸素を排除するために不活性条件下で、[Ru(COD)Cl2]0.20g(0.71mmol)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド0.50g(2.9mmol)、1,2−ドデカンジオール12.1g(0.06mol)、1,3−プロピレンジアミン20.0g(0.27mol)、カリウム−tert−ブチラート0.50g(4.46mmol)及びトルエン34mlを量り入れた。この反応混合物を、密閉したオートクレーブ中で150℃で溶剤の固有圧下に20時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、この反応混合物に水5mlを添加して振盪したところ、トルエン中の生成物の溶液(50.0g)と、触媒の水溶液(12.66g)とが得られた。これらの相を互いに分離し、触媒相を実施例2で再度使用した。親油性の生成物相から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで120℃、20mbarで除去したところ、純粋な生成物14.13gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1470g/molであり、分散度(Mw/Mn)は3.9であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=6に相当する。色数は74であった。
実施例2
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、不活性条件下で、実施例1からの触媒相(12.66g)、1,2−ドデカンジオール12.1g(0.06mol)、1,3−プロピレンジアミン20.0g(0.27mol)及びトルエン34mlを量り入れた。この反応混合物を、密閉したオートクレーブ中で150℃で溶剤の固有圧下に20時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、この反応混合物に水20mlを添加して振盪したところ、トルエン中の生成物の溶液(49.67g)と、触媒の水溶液(27.38g)とが得られた。これらの相を分離した。生成物相から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで120℃、20mbarで除去したところ、純粋な生成物11.53gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1020g/molであり、分散度(Mw/Mn)は3.6であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=4.2に相当する。色数は1であった。
実施例3
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、不活性条件下で、[Ru(COD)Cl2]0.20g(0.71mmol)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド0.50g(2.9mmol)、1,2−ドデカンジオール12.1g(0.06mol)、1,3−プロピレンジアミン20.0g(0.27mol)、カリウム−tert−ブチラート0.50g(4.46mmol)及びトルエン34mlを量り入れた。密閉したオートクレーブ中に、水素を圧入して40バールとした。次いで、この反応混合物を150℃に加熱し、20時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、この反応混合物に水20mlを添加して振盪したところ、トルエン中の生成物の溶液と、触媒の水溶液とが得られた。これらの相を分離した。生成物相から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで120℃、20mbarで除去したところ、純粋な生成物11.97gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1470g/molであり、分散度(Mw/Mn)は3.9であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=6に相当する。色数を測定するため、生成物をトルエン中に2500倍に希釈した。色数は21であった。
実施例4
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、不活性条件下で、[Ru(COD)Cl2]0.20g(0.71mmol)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド0.50g(2.9mmol)、カリウム−tert−ブチラート0.50g(4.46mmol)、実施例1からの排出物9.71g及びトルエン34mlを量り入れた。この反応混合物を、密閉したオートクレーブ中で140℃で溶剤の固有圧下に20時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、この反応混合物に水20mlを添加して振盪したところ、トルエン中の生成物の溶液と、触媒の水溶液とが得られた。これらの相を分離した。生成物相から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで120℃、20mbarで除去したところ、純粋な生成物8.82gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1740g/molであり、分散度(Mw/Mn)は3.7であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=7.3に相当する。色数を測定するため、生成物をトルエン中に2500倍に希釈した。色数は200であった。
実施例5
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、不活性条件下で、[Ru(COD)Cl2]0.20g(0.71mmol)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド0.50g(2.9mmol)、1,2−ドデカンジオール12.1g(0.06mol)、1,3−プロピレンジアミン20.0g(0.27mol)、カリウム−tert−ブチラート0.50g(4.46mmol)及びトルエン34mlを量り入れた。この反応混合物を、密閉したオートクレーブ中で130℃で溶剤の固有圧下に30時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、この反応混合物に水20mlを添加して振盪したところ、トルエン中の生成物の溶液と、触媒の水溶液とが得られた。これらの相を分離した。生成物相から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで120℃、20mbarで除去したところ、純粋な生成物14.06gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1110g/molであり、分散度(Mw/Mn)は4.3であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=4.6に相当する。色数は56であった。
実施例6
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、不活性条件下で、[Ru(COD)Cl2]0.20g(0.71mmol)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド0.50g(2.9mmol)、1,2−ドデカンジオール12.1g(0.06mol)、1,3−プロピレンジアミン20.0g(0.27mol)、カリウム−tert−ブチラート0.50g(4.46mmol)及びトルエン34mlを量り入れた。この反応混合物を、密閉したオートクレーブ中で170℃で溶剤の固有圧下に10時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、この反応混合物に水20mlを添加して振盪したところ、トルエン中の生成物の溶液と、触媒の水溶液とが得られた。これらの相を分離した。生成物相から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで120℃、20mbarで除去したところ、純粋な生成物14.18gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1220g/molであり、分散度(Mw/Mn)は37であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=5.1に相当する。色数は73であった。
実施例7
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、不活性条件下で、[Ru(COD)Cl2]0.20g(0.71mmol)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド0.50g(2.9mmol)、1,2−ドデカンジオール12.1g(0.06mol)、1,3−プロピレンジアミン20.0g(0.27mol)、カリウム−tert−ブチラート0.50g(4.46mmol)及びトルエン17mlを量り入れた。この反応混合物を、密閉したオートクレーブ中で150℃で溶剤の固有圧下に20時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、この反応混合物に水20mlを添加して振盪したところ、トルエン中の生成物の溶液と、触媒の水溶液とが得られた。これらの相を分離した。生成物相から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで120℃、20mbarで除去したところ、純粋な生成物13.72gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1280g/molであり、分散度(Mw/Mn)は3.8であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=5.3に相当する。色数は69であった。
実施例8
パドル型撹拌機を備えた250mlのオートクレーブに、不活性条件下で、[Ru(COD)Cl2]0.25g(0.89mmol)、トリ−n−ブチルホスフィン0.30g(1.48mmol)、1,2−ドデカンジオール12.1g(0.069mol)、1,2−エチレンジアミン25.0g(0.42mol)、カリウム−tert−ブチラート0.10g(0.89mmol)及びトルエン30mlを量り入れた。この反応混合物を、密閉したオートクレーブ中で150℃で溶剤の固有圧下に30時間撹拌した。反応が終了して冷却した後に、褐色の排出物(64.3g)が得られ、この排出物から、未反応の出発材料と揮発性成分とをロータリーエバポレーターで110℃、12mbarで除去した。生成物14.6gが得られた。得られたオリゴマーの質量平均(RI)は1380g/molであり、分散度(Mw/Mn)は2.4であった。これは、オリゴマー(CH2CH(C1021)NHCH2CH2NH)nの平均鎖長n=7に相当する。

Claims (15)

  1. (i)脂肪族アミノアルコール同士を、又は、
    (ii)脂肪族ジアミンもしくは脂肪族ポリアミンと脂肪族ジオールもしくは脂肪族ポリオールとを、
    水の脱離下に均一系触媒の存在下で反応させるアルコールの均一系接触アミノ化による親油性ポリアルキレンポリアミンの製造法において、
    出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうち少なくとも1つが、5個以上の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでおり、かつ、
    反応後に、少なくとも1つの非極性相と少なくとも1つの極性相とに相分離が生じ、その際、
    親油性ポリアルキレンポリアミンが非極性相中に濃縮されていることを特徴とする方法。
  2. 出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうち少なくとも1つが、5〜50個の炭素原子を有するアルキル基もしくはアルキレン基を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  3. 触媒が極性相中に濃縮されている、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 反応後に、反応混合物に極性溶剤を添加する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 触媒が遷移金属錯体触媒である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 触媒が、含窒素複素環式カルベン配位子を含んでいる、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 触媒が、単座ホスフィン配位子又は多座ホスフィン配位子を含んでいる、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 触媒が、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、インデニル及び置換インデニルからなる群から選択された配位子を含んでいる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 特に請求項4により極性溶剤を使用する場合に、触媒が、水酸化物、水素化物、カルボニル及び塩化物からなる群から選択された配位子を含んでいる、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 反応を、溶剤又は溶剤混合物の存在下で実施する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうちの1つのヘテロ原子O又はNが、C原子鎖のα位及びβ位に、従って隣接するC原子上に存在している、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 出発材料である脂肪族アミノアルコール、脂肪族ジアミン又は脂肪族ポリアミン又は脂肪族ジオール又は脂肪族ポリオールのうちの1つのヘテロ原子O又はNが、C原子鎖のα位及びω位に、従ってC原子鎖の反対に位置する末端に存在している、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法により得られるポリアルキレンポリアミン。
  14. ヒドロキシ基、第二級アミン又は第三級アミンを含むポリアルキレンポリアミン。
  15. 以下のもの:
    a)印刷インキのための定着剤、
    b)複合フィルムにおける接着促進剤、
    c)接着剤のための凝集促進剤、
    d)樹脂のための架橋剤/硬化剤、
    e)塗料におけるプライマー、
    f)分散液塗料のための湿潤密着性促進剤、
    g)錯化剤及び凝集剤、
    h)木材の保護における浸透助剤、
    i)防食剤、
    j)タンパク質及び酵素の固定化剤、
    k)エポキシ樹脂のための硬化剤
    としての、請求項13又は14に記載のポリアルキレンポリアミンの使用。
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