JP2014203576A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源としての発光素子11bが筐体13内に収容されてなる光源ユニット10と、前記筐体13が取り付けられる取付部23を有する支持部材20とを備え、前記筐体13に形成された座面13cが前記取付部23側に押圧された状態で、前記筐体13が前記取付部23に回転またはスライド可能に取り付けられている照明器具1において、前記座面13cと前記取付部23との間には熱伝導シート81および摩擦軽減シート91が積層された状態で介在すると共に、前記熱伝導シート81が前記座面13cまたは前記取付部23のいずれかと面接触している構成とする。
【選択図】図3
Description
上記LED照明器具では、光源ユニットの筐体が、ねじにより支持部材の取付部にねじ止めされている。光源ユニットはねじを回転軸として支持部材に対して回転可能である。筐体および取付部にはそれぞれ接合面が形成されていると共に、それら接合面同士を面接触させるようにしてねじ止めされている。光源ユニットは、それら接合面間に生じる摩擦抵抗によって任意の回転角度に保持可能である。そして、接合面間に生じる摩擦抵抗は、ねじ締めのトルクを調整することにより適度な大きさに調整されている。
しかしながら、放熱グリースを用いる構成は、オイルブリードやポンプアウトによって接合面間に介在する放熱グリースが外部に漏れ出すおそれがある。特に、このLED照明器具の場合は、放熱グリースが介在する面を摺動させて回転可能とすることから、放熱グリースの偏在や漏れが発生しやすいと考えられる。また、点灯および消灯による温度変化も激しいため、ポンプアウトも生じやすいと考えられる。オイルブリードやポンプアウトにより接合面間に介在する放熱グリースの量が減少すると、放熱グリースが存在しない空隙の部分が生じてしまうため、接合面間の熱伝導効率が低下する。すなわち、放熱グリースを用いて放熱性を向上させる構成では、経時的に放熱性が低下してしまう課題が生じることが予想される。
また、座面と取付部との間には摩擦軽減シートが介在しているため、摩擦軽減シートが面接触している部材と摩擦軽減シートとの間においては摩擦抵抗が小さい。したがって、座面と取付部との間に熱伝導シートが介在していても、その摩擦抵抗の小さい箇所で筐体の取付部に対する回転またはスライドを確保することができる。
以下、本発明の一態様に係る照明器具を、図面を参照しながら説明する。
(概略構成)
図1は、本発明の一態様に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の一態様に係る照明器具1は、配線ダクト2などに取り付けられるスポットライトであって、光源ユニット10、支持部材20、ヒートシンク30、回路ユニット40などを備える。
光源ユニット10は、発光モジュール11、モジュールプレート12、筐体13などを備える。
図2は、本発明の一態様に係る発光モジュールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図2(a)に示すように、発光モジュール11は、基板11a、複数の発光素子11b、複数の封止部材11c、一対の端子部11dなどを備える。
複数の発光素子11bは、例えば、18個の発光素子11bで構成される直線状の素子列を、6条平行に並べるようにして配置されている。各発光素子11bは、例えば、ピーク波長が450nm以上470nm以下の青色光を出射するLEDであって、基板11aの上面にCOB(Chip on Board)技術を用いてフェイスアップ実装されている。なお、本発明に係る発光素子は、ピーク波長が450nm以上470nm以下の青色光を出射するLEDに限定されず、それ以外の波長の青色光を出射するLEDであってもよいし、青色以外の色の可視光または紫外光を出射するLEDであってもよい。また、本発明に係る発光素子は、LEDに限定されず、例えば、LD(レーザダイオード)や、EL素子(エレクトリックルミネッセンス素子)であってもよい。
図1に戻って、モジュールプレート12は、例えば、金属材料からなる略円形板状の部材であって、発光モジュール11の熱を筐体13に効率よく伝える役割を果たす。発光モジュール11およびモジュールプレート12は、発光モジュール11がモジュールプレート12に搭載された状態で、筐体13の内部に収容されている。
図1に戻って、支持部材20は、一対のアーム部21と、それらアーム部21の一端同士を連結する連結部22と、それらアーム部21の他端に設けられた一対の取付部23とを備え、光源ユニット10を回転可能に支持している。
一対のアーム部21は、互いが平行となる姿勢で配置された第1の長尺部分21aと、第1の長尺部分21aの一端から互いに近づく方向に延出された第2の長尺部分21bとからなり、第2の長尺部分21bの延長方向先端部がそれぞれ連結部22に接合されている。
図3に示すように、一対の取付部23は、それぞれ略円形板状であって、円形の平面である取付面23aをそれぞれ有し、それら取付面23aが互いに対向し且つ平行になるようにして各アーム部21に接合されている。各取付面23aの中央には、ねじ51を貫通させるための貫通孔23bが、取付面23aに対して垂直な方向に向けて設けられている。
ヒートシンク30は、略円形板状の基台部31と、基台部31の上面31aに立設された複数の放熱フィン32とを有し、光源ユニット10から支持部材20を介して伝わってくる熱を大気中に放出する役割を果たす。
図4は、本発明の一態様に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態示す側面図であって、照明器具の一部を分解している。図4に示すように、ヒートシンク30には、基台部31および放熱フィン32を貫通する貫通孔33が設けられている。連結部22の貫通孔22aにねじ53を挿入し、ヒートシンク30の貫通孔33にナット54を挿入し、ねじ53をナット54にねじ込むことによって、支持部材20とヒートシンク30とが接合されている。これによって、支持部材20の連結部22は、基台部31の下面31bに対して回転可能に取り付けられている。より具体的には、図1に示すように、矢印Bに示す方向に、ねじ53を回転軸として回転可能に取り付けられる。
図1に示すように、回路ユニット40は、外部の商用交流電源(不図示)から入力される電流を発光モジュール11に供給するための点灯回路41と、当該点灯回路41が収容された回路ケース42とを備える。点灯回路41は、板状のベース60の一方の端部側において上面61に配置されており、回路ケース42は点灯回路41を覆うようにしてベース60の上面61に取り付けられている。図3に示すように、ベース60の他方の端部62側は、ヒートシンク30における基台部31と放熱フィン32との間に設けられたスリット34に差し込まれ、支持部材20とヒートシンク30とを接合するねじ53およびナット54によってヒートシンク30に固定されている。
筐体13と支持部材20の取付部23との間に介在する熱伝導シート81は、柔軟性が高く且つ熱伝導率の高い材料からなるシート状の部材であって、座面13cと面接触しており、筐体13の膨出部13bから取付部23に熱を効率よく伝導させる機能を有する。熱伝導シート81は、柔軟性の高い材料からなるため座面13cに密着している。したがって、熱伝導シート81と座面13cとの接触面積が大きく、膨出部13bから熱伝導シート81に熱が効率よく伝導するようになっている。また、熱伝導シート81は、熱伝導性の高い材料からなるため熱抵抗が小さく、膨出部13bの熱が熱伝導シート81を介して効率よく摩擦軽減シート91に伝導するようになっている。熱伝導シート81の材料としては、具体的には、シリコン系ゴム、アクリル系ゴムなどが挙げられる。
通常、金属製の部材の表面にはミクロン単位の凹部が存在している。したがって、図5(a)に示すように、座面13cおよび取付面23aにもミクロン単位の凹部D,Eが存在している。仮に、図5(b)に示すように、座面13cと取付面23aとの間に熱伝導シート81および摩擦軽減シート91が介在していなかった場合、座面13cと取付面23aとが直接面接触し、座面13cから取付面23aに熱が直接伝導する。ところが、座面13cおよび取付面23aには凹部D,Eが存在するため、実際に熱が伝導するのは座面13cと取付面23aとの接触箇所Pだけである(図中の矢印は熱の移動を示す)。接触箇所Pの面積はさほど大きくないため、座面13cと取付面23aとが直接面接触していたとしても、熱伝導効率は高いとはいえない。
図6は、座面と取付部との間に放熱グリースを介在させた場合を示す模式図であって、(a)は使用初期の状態を示す模式図、(b)は長期使用後の状態を示す模式図である。
一方、図7に示すように、本発明の一態様に係る照明器具1では、熱伝導シート81が、座面13cと面接触した状態で座面13cと取付面23aとの間に介在している。熱伝導シート81は、放熱グリース3と同様に、座面13cの凹部D内に入り込むため、座面13cの全体から熱伝導シート81に熱が伝導する(図中の矢印は熱の移動を示す)。したがって、座面13cと取付面23aとを直接面接触させた場合と比較して、熱伝導効率が高い。しかも、流動性を有する放熱グリース3と違って、熱伝導シート81は定形性を有するため、オイルブリードやポンプアウトが生じ難く、経時的な放熱性の低下が起こり難い。さらに、熱伝導シート81を用いる場合は、放熱グリース3を用いる場合よりも製造時のハンドリングがよい。
このように、支持部材20がヒートシンク30に対して回転可能に取り付けられる場合は、連結部22の上面22bと基台部31の下面31bとの間に熱伝導シート82を介在させることが有効である。なお、支持部材20がヒートシンク30に対して回転不可能に取り付けられる場合は、支持部材20の連結部22の上面22bとヒートシンク30の基台部31の下面31bとの間に熱伝導シート82を介在させる必要はない。
摩擦軽減シート91は、自己潤滑性を有する材料からなるシート状の部材であって、取付面23aと面接触しており、膨出部13bの取付部23に対する滑らかな回転を可能にする摩擦軽減機能を有する。摩擦軽減シート91は、自己潤滑性を有する材料からなるため、取付面23aに対してよく滑る。したがって、膨出部13bと取付部23とは、摩擦軽減シート91と取付面23aとの界面において回転可能である。摩擦軽減シート91の材料としては、具体的には、フッ素樹脂、MCナイロン樹脂(摺動グレード)、ポリアセタール(摺動グレード)、超高分子量ポリエチレン、PEEK樹脂(摺動グレード)などが挙げられる。摩擦軽減シート91の材料は、自己潤滑性に加えて耐摩耗性を有することが好ましい。
図8は、動摩擦係数と接触熱抵抗変化率との関係について示す図である。図8に示すように、動摩擦係数が0.04〜0.08の場合は、動摩擦係数が0.25の場合と比較して接触熱抵抗の変化率が小さく、それらの場合間に顕著な効果の差が認められた。この結果から、動摩擦係数が0.2以下であれば回転による摩擦で生じる磨耗を抑制できることがわかった。
座面13cを取付面23a側に押圧する圧力の好適な範囲は、50kPa〜1000kPaが好ましい。熱伝導シート81を座面13cに密着させるために、座面13cは取付面23a側に押圧されている。押圧する圧力が50kPa以上の場合に、熱伝導シート81を座面13cに十分密着させることができ、高い熱伝導性が得られる。一方、押圧する圧力が1000kPa以下であれば、熱伝導シート81と座面13cとの間に生じる摩擦抵抗が大きくなり過ぎないため、熱伝導シート81が磨耗し難い。熱伝導シート81が磨耗すると、熱伝導シート81と座面13cとの接触面積が減少して熱伝導性が低下するため好ましくない。
[変形例]
以上、本発明の一態様に係る照明器具を説明してきたが、本発明に係る照明器具は上記本発明の一態様に係る照明器具に限定されない。以下に、本発明の一態様に係る照明器具の変形例について説明する。なお、本発明の一態様に係る照明器具と同じ部材には同じ符号を付し、その部材についての説明は省略する。
図9は、変形例に係る筐体と取付部との取付構造を示す模式図である。
熱伝導シートおよび摩擦軽減シートの配置は、上記本発明の一態様に係る照明器具1とは逆であってもよい。具体的は、図9に示すように、熱伝導シート81が取付面23aと面接触し、摩擦軽減シート91が座面13cと面接触している構成であってもよい。
また、座面と取付部との間には、熱伝導シートおよび摩擦軽減シートが複数介在していてもよい。例えば、座面と取付部との間に、熱伝導シートが2枚介在していてもよい。その場合、1枚目の熱伝導シートを座面に面接触させ、2枚目の熱伝導シートを取付部に面接触させることが考えられる。そして、摩擦軽減シートをそれら2枚の熱伝導シートの間に介在させることが考えられる。このような構成にすれば熱伝導性がより向上する。
図10は、変形例に係る光源ユニットを示す斜視図である。図11は、変形例に係る光源ユニットと支持部材との取付構造を説明するための断面図である。
光源ユニットの筐体の支持部材の取付部への取り付けは、座面と取付部とが対向した状態で、筐体が取付部に対して回転またはスライド可能であればよい。したがって、必ずしも、筐体が取付部にねじにより取り付けられており、筐体がねじを回転軸として取付部に対して回転可能である必要はない。
(支持部材)
図12は、変形例に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態示す側面図である。図13は、変形例に係る筐体と取付部との取付構造を示す断面図である。
このように、給電線41bを支持部材220に内臓する構成であるため、給電線41bの外部への露出が少なく、照明器具1のデザイン性が高い。また、給電線41bは、筐体213の外部からねじ251の貫通孔251aを通って筐体213の内部213jへと導入されているため、給電線41bの外部への露出はさらに少なく、照明器具1のデザイン性が高い。
図14は、変形例に係る発光モジュールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
発光モジュールは、COB技術を用いてフェイスアップ実装されたものに限定されず、例えばSMD(Surface Mount Device)型のものが基板に搭載されていてもよい。例えば、図14に示す発光モジュール311のように、円形板状の基板311aの上面に、SMD(Surface Mount Device)型の光源311eが複数マトリクス状に配置されている構成でもよい。各光源311eは、それぞれ白色光を出射するLEDであって、発光素子311bおよび封止部材311cを1つずつ有する。また、基板311aの周縁部には、光源311eと電気的に接続された一対の端子部311dが形成されている。
図15は、変形例に係る照明器具の天井への取付状態を示す断面図である。図15に示すように、照明器具401は、所謂ユニバーサルダウンライトであって、光源ユニット410、枠体420、筐体430、支持部材440およびヒートシンク450から構成される。
(その他)
本発明に係る照明器具は、上記本発明の一態様に係る照明器具およびその変形例に係る照明器具の部分的な構成を、適宜組み合わせてなる構成であってもよい。また、上記本発明の一態様に記載した材料等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。さらに、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることは可能である。
10,110,210,410 光源ユニット
11b,311b 発光素子
13,113,213,430 筐体
13c,113c,213c,433 座面
2,20,220,440 支持部材
2c,23,223,422 取付部
51,251,460 ねじ
81,181,481 熱伝導シート
91,191,491 摩擦軽減シート
Claims (8)
- 光源としての発光素子が筐体内に収容されてなる光源ユニットと、前記筐体が取り付けられる取付部を有する支持部材とを備え、
前記筐体に形成された座面が前記取付部側に押圧された状態で、前記筐体が前記取付部に回転またはスライド可能に取り付けられている照明器具であって、
前記座面と前記取付部との間には熱伝導シートおよび摩擦軽減シートが積層された状態で介在すると共に、前記熱伝導シートが前記座面または前記取付部のいずれかと面接触していることを特徴とする照明器具。 - 前記筐体は前記取付部にねじにより当該ねじを回転軸として回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
- 前記座面は前記取付部側に圧力50kPa〜1000kPaで押圧されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
- 前記摩擦軽減シートは表面の動摩擦係数が、0.2以下であることを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
- 前記摩擦軽減シートは厚みが0.1mm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の照明器具。
- 前記熱伝導シートは前記座面と面接触していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明器具。
- 前記熱伝導シートは厚みが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照明器具。
- 前記熱伝導シートはAsker−C硬度が100以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の照明器具。
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- 2013-04-02 JP JP2013076920A patent/JP2014203576A/ja active Pending
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