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JP2014203576A - 照明器具 - Google Patents

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JP2014203576A JP2013076920A JP2013076920A JP2014203576A JP 2014203576 A JP2014203576 A JP 2014203576A JP 2013076920 A JP2013076920 A JP 2013076920A JP 2013076920 A JP2013076920 A JP 2013076920A JP 2014203576 A JP2014203576 A JP 2014203576A
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真一 阿南
Shinichi Anami
真一 阿南
征史 竹田
Masashi Takeda
征史 竹田
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Abstract

【課題】放熱性に優れると共にその放熱性が経時的に低下し難い照明器具を提供する。
【解決手段】光源としての発光素子11bが筐体13内に収容されてなる光源ユニット10と、前記筐体13が取り付けられる取付部23を有する支持部材20とを備え、前記筐体13に形成された座面13cが前記取付部23側に押圧された状態で、前記筐体13が前記取付部23に回転またはスライド可能に取り付けられている照明器具1において、前記座面13cと前記取付部23との間には熱伝導シート81および摩擦軽減シート91が積層された状態で介在すると共に、前記熱伝導シート81が前記座面13cまたは前記取付部23のいずれかと面接触している構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を利用した照明器具に関する。
発光素子を利用した照明器具の一例として、LEDが筐体内に収容されてなる光源ユニットと、光源ユニットが回転可能に取り付けられた支持部材とを備え、支持部材に対する光源ユニットの回転角度を変えることによって、照明方向を任意に変更可能なLED照明器具が従来から知られている(特許文献1)。
上記LED照明器具では、光源ユニットの筐体が、ねじにより支持部材の取付部にねじ止めされている。光源ユニットはねじを回転軸として支持部材に対して回転可能である。筐体および取付部にはそれぞれ接合面が形成されていると共に、それら接合面同士を面接触させるようにしてねじ止めされている。光源ユニットは、それら接合面間に生じる摩擦抵抗によって任意の回転角度に保持可能である。そして、接合面間に生じる摩擦抵抗は、ねじ締めのトルクを調整することにより適度な大きさに調整されている。
ところで、LEDは、プラズマ光源と同等あるいはより高い発光効率を達成しているが、LEDおよびその周辺に使われている材料は耐熱性が低いため、所定の温度で使用することが求められ、LEDを利用した照明器具にとって放熱性の向上は重要な課題の1つである。上記LED照明器具の場合、LEDで発生した熱が筐体および取付部を介して外部へと放出される放熱構造となっているが、筐体から取付部への熱伝導効率が高まれば放熱性の向上が期待できる。
特開2010−21062号公報
筐体から取付部への熱伝導効率を高める方法の1つとして、接合面間に放熱グリースと呼ばれる熱伝導性の高いグリースを介在させることが考えられる。放熱グリースが接合面間に適切に介在していれば、接合面間の熱伝導効率が高まるため放熱性が向上する。
しかしながら、放熱グリースを用いる構成は、オイルブリードやポンプアウトによって接合面間に介在する放熱グリースが外部に漏れ出すおそれがある。特に、このLED照明器具の場合は、放熱グリースが介在する面を摺動させて回転可能とすることから、放熱グリースの偏在や漏れが発生しやすいと考えられる。また、点灯および消灯による温度変化も激しいため、ポンプアウトも生じやすいと考えられる。オイルブリードやポンプアウトにより接合面間に介在する放熱グリースの量が減少すると、放熱グリースが存在しない空隙の部分が生じてしまうため、接合面間の熱伝導効率が低下する。すなわち、放熱グリースを用いて放熱性を向上させる構成では、経時的に放熱性が低下してしまう課題が生じることが予想される。
本発明は、上記した課題に鑑み、放熱性に優れると共にその放熱性が経時的に低下し難い照明器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る照明器具は、光源としての発光素子が筐体内に収容されてなる光源ユニットと、前記筐体が取り付けられる取付部を有する支持部材とを備え、前記筐体に形成された座面が前記取付部側に押圧された状態で、前記筐体が前記取付部に回転またはスライド可能に取り付けられている照明器具であって、前記座面と前記取付部との間には熱伝導シートおよび摩擦軽減シートが積層された状態で介在すると共に、前記熱伝導シートが前記座面または前記取付部のいずれかと面接触していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る照明器具は、熱伝導シートが座面または取付部のいずれかと面接触しているため筐体から取付部に熱が伝導しやすく、その結果、発光素子で発生した熱が筐体および取付部を介して外部へと放出されやすいため、放熱性に優れている。
また、座面と取付部との間には摩擦軽減シートが介在しているため、摩擦軽減シートが面接触している部材と摩擦軽減シートとの間においては摩擦抵抗が小さい。したがって、座面と取付部との間に熱伝導シートが介在していても、その摩擦抵抗の小さい箇所で筐体の取付部に対する回転またはスライドを確保することができる。
本発明の一態様に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態を示す斜視図 本発明の一態様に係る発光モジュールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図 本発明の一態様に係る照明器具を示す分解斜視図 本発明の一態様に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態示す側面図 座面と取付部とを直接面接触させる場合を示す模式図であって、(a)は面接触させる前の状態を示す模式図、(b)は面接触させた後の状態を示す模式図 座面と取付部との間に放熱グリースを介在させた場合を示す模式図であって、(a)は使用初期の状態を示す模式図、(b)は長期使用後の状態を示す模式図 本発明の一態様に係る筐体と取付部との取付構造を示す模式図 動摩擦係数と接触熱抵抗変化率との関係について示す図 変形例に係る筐体と取付部との取付構造を示す模式図 変形例に係る光源ユニットを示す斜視図 変形例に係る光源ユニットと支持部材との取付構造を説明するための断面図 変形例に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態示す側面図 変形例に係る筐体と取付部との取付構造を示す断面図 変形例に係る発光モジュールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図 変形例に係る照明器具の天井への取付状態を示す断面図 変形例に係る照明器具について筐体の支持部材への取付構造を説明するための分解斜視図
[本発明の一態様]
以下、本発明の一態様に係る照明器具を、図面を参照しながら説明する。
(概略構成)
図1は、本発明の一態様に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の一態様に係る照明器具1は、配線ダクト2などに取り付けられるスポットライトであって、光源ユニット10、支持部材20、ヒートシンク30、回路ユニット40などを備える。
(光源ユニット)
光源ユニット10は、発光モジュール11、モジュールプレート12、筐体13などを備える。
図2は、本発明の一態様に係る発光モジュールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図2(a)に示すように、発光モジュール11は、基板11a、複数の発光素子11b、複数の封止部材11c、一対の端子部11dなどを備える。
基板11aは、例えば、略方形板状であって、セラミック基板や熱伝導樹脂等からなる絶縁層とアルミ板等からなる金属層との2層構造を有する。基板11aの上面には複数の発光素子11bが実装されている。
複数の発光素子11bは、例えば、18個の発光素子11bで構成される直線状の素子列を、6条平行に並べるようにして配置されている。各発光素子11bは、例えば、ピーク波長が450nm以上470nm以下の青色光を出射するLEDであって、基板11aの上面にCOB(Chip on Board)技術を用いてフェイスアップ実装されている。なお、本発明に係る発光素子は、ピーク波長が450nm以上470nm以下の青色光を出射するLEDに限定されず、それ以外の波長の青色光を出射するLEDであってもよいし、青色以外の色の可視光または紫外光を出射するLEDであってもよい。また、本発明に係る発光素子は、LEDに限定されず、例えば、LD(レーザダイオード)や、EL素子(エレクトリックルミネッセンス素子)であってもよい。
各封止部材11cは、例えば、透光性材料で形成されており、発光素子11bを素子列ごと別々に封止している。透光性材料としては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッソ樹脂、シリコーン・エポキシのハイブリッド樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。各封止部材11cは、例えば、長尺状の外観形状を有し、図2(a)および(b)からわかるように長手方向両端部が略四半球形であって、図2(c)からわかるように長手方向と直交する仮想面で切断した断面の形状が略半楕円形である。なお、封止部材11cの形状は長尺状に限定されず任意である。
各封止部材11cは、透光性材料に波長変換材料が混入されているため、波長変換部材として機能する。波長変換材料としては、例えば蛍光体が挙げられる。蛍光体は、例えば、発光素子11bの青色光を、ピーク波長が535nm以上555nm以下の緑色光に波長変換する。この場合、発光モジュール11からは、未変換の青色光と変換後の緑色光との混色による白色光が得られる。なお、ピーク波長が535nm以上555nm以下の光に波長変換する蛍光体としては、サイアロン構造を有する酸窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、硫化物蛍光体、シリケート系蛍光体、および、それら蛍光体のうちの2種類以上を混合した混合物などが挙げられる。
一対の端子部11dは、基板11aに形成された導体パターンの一部であって、図2(a)に示すように、基板11aの上面における周縁部に形成されている。
図1に戻って、モジュールプレート12は、例えば、金属材料からなる略円形板状の部材であって、発光モジュール11の熱を筐体13に効率よく伝える役割を果たす。発光モジュール11およびモジュールプレート12は、発光モジュール11がモジュールプレート12に搭載された状態で、筐体13の内部に収容されている。
図3は、本発明の一態様に係る照明器具を示す分解斜視図である。図3に示すように、筐体13は、例えば、金属材料からなる有底筒状の部材であって、その外周面13aには光源ユニット10を支持部材20に取り付けるための膨出部13bが、筐体13の筒軸Jを挟んで対向する2箇所に形成されている。各膨出部13bは、外周面13aから筒軸Jと直交する方向にする方向に向けて膨出形成された略円盤状の部位であって、円形の平面である座面13cをそれぞれ有する。それら座面13cは互いに平行であって、各座面13cの中央にはねじ51を挿入させるための穴部13dが、座面13cに対して垂直な方向(筒軸Jと直交する方向でもある)に向けて設けられており、それら穴部13dは同一直線上に位置する。また、筐体13の上面13eには、ナット52を挿入するための穴部13fが、筒軸Jと平行な方向に向けて且つ穴部13dと連通するようにして設けられている。
(支持部材)
図1に戻って、支持部材20は、一対のアーム部21と、それらアーム部21の一端同士を連結する連結部22と、それらアーム部21の他端に設けられた一対の取付部23とを備え、光源ユニット10を回転可能に支持している。
一対のアーム部21は、互いが平行となる姿勢で配置された第1の長尺部分21aと、第1の長尺部分21aの一端から互いに近づく方向に延出された第2の長尺部分21bとからなり、第2の長尺部分21bの延長方向先端部がそれぞれ連結部22に接合されている。
各アーム部21には、光源ユニット10からヒートシンク30への放熱経路上の少なくとも一部にヒートパイプ24が配置されている。具体的には、一対のアーム部21における互いに対向する面に、各アーム部21の一端から他端までの全体に亘って1条の溝部21cが設けられており、各溝部21c内に、溝部21cの一端から他端までの全体に亘ってヒートパイプ24が埋め込まれている。光源ユニット10からヒートシンク30への熱伝導経路上にヒートパイプ24が配置されているため、光源ユニット10で発生した熱をヒートシンク30に効率よく伝導することができる。さらに、ヒートパイプ24がアーム部21の一端から他端までの全体に亘って存在していることも、より効率よく熱が伝導する一因となっている。また、ヒートパイプ24が溝部21c内に埋め込まれているため、照明器具1の外観が良好である。なお、ヒートパイプ24以外の熱伝導デバイスによって、光源ユニット10で発生した熱をヒートシンク30に効率よく伝導させる構成を採用してもよい。
連結部22は、略円柱状であって、その周面における柱軸Kを挟んで対向する2箇所に、一対のアーム部21の第2の長尺部分21bが接合されている。また、連結部22には、その柱軸Kと一致する位置に、支持部材20をヒートシンク30にねじ止めするための貫通孔22aが設けられている。
図3に示すように、一対の取付部23は、それぞれ略円形板状であって、円形の平面である取付面23aをそれぞれ有し、それら取付面23aが互いに対向し且つ平行になるようにして各アーム部21に接合されている。各取付面23aの中央には、ねじ51を貫通させるための貫通孔23bが、取付面23aに対して垂直な方向に向けて設けられている。
取付部23と膨出部13bとは、ねじ51およびナット52によるねじ止めにより取り付けられている。具体的には、取付部23の貫通孔23bと膨出部13bの穴部13dとを連通させた状態で、貫通孔23bおよび穴部13dにねじ51を挿入し、さらにそのねじ51を筐体13の穴部13f内に挿入しておいたナット52にねじ込むことによって、ねじ止めされている。ねじ止めされた状態において、座面13cと取付面23aとは互いに対向している。座面13cと取付面23aとは同じ大きさであって、ねじ51のねじ込み方向において座面13cと取付面23aとは重なっている。座面13cは、ねじ51を回転軸として取付面23aに対して回転可能である。
このようなねじ止め構造により、光源ユニット10は、支持部材20に対して回転可能に支持されている。より具体的には、図1に示す矢印Aに示す方向にねじ51を回転軸として回転可能である。光源ユニット10を回転させると、それに伴い発光モジュール11の傾斜角度が変化し、発光モジュール11から出射される光の照射角度が変化する。なお、ねじ止め構造において、ナット52は必ずしも必要ではなく、穴部13dの代わりに、ねじ溝が切られたねじ穴を筐体13に設けて、そのねじ穴にねじ51をねじ込んで膨出部13bを取付部23に取り付ける構成であってもよい。
膨出部13bの座面13cと取付部23の取付面23aとの間には、熱伝導シート81および摩擦軽減シート91が介在している。熱伝導シート81は、座面13cと同じ大きさの円形であって、座面13cと面接触するように配置されており、穴部13dの位置に合わせて円形の開口81aが設けられている。摩擦軽減シート91は、取付面23aと同じ大きさの円形であって、取付面23aと面接触するように配置されており、貫通孔23bの位置に合わせて円形の開口91aが設けられている。熱伝導シート81および摩擦軽減シート91についての詳細は後述する。
(ヒートシンク)
ヒートシンク30は、略円形板状の基台部31と、基台部31の上面31aに立設された複数の放熱フィン32とを有し、光源ユニット10から支持部材20を介して伝わってくる熱を大気中に放出する役割を果たす。
図4は、本発明の一態様に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態示す側面図であって、照明器具の一部を分解している。図4に示すように、ヒートシンク30には、基台部31および放熱フィン32を貫通する貫通孔33が設けられている。連結部22の貫通孔22aにねじ53を挿入し、ヒートシンク30の貫通孔33にナット54を挿入し、ねじ53をナット54にねじ込むことによって、支持部材20とヒートシンク30とが接合されている。これによって、支持部材20の連結部22は、基台部31の下面31bに対して回転可能に取り付けられている。より具体的には、図1に示すように、矢印Bに示す方向に、ねじ53を回転軸として回転可能に取り付けられる。
図4に示すように、支持部材20の連結部22とヒートシンク30の基台部31との間には、熱伝導シート82および摩擦軽減シート92が介在している。熱伝導シート82は、連結部22の上面22bと同じ大きさの円形であって、連結部22に面接触させるようにして配置されており、貫通孔22aの位置に合わせて円形の開口82aが設けられている。摩擦軽減シート92も、連結部22の上面22bと同じ大きさの円形であって、基台部31の下面31bに面接触させるようにして配置されており、貫通孔22aの位置に合わせて円形の開口92aが設けられている。熱伝導シート82および摩擦軽減シート92についての詳細は後述する。
(回路ユニット)
図1に示すように、回路ユニット40は、外部の商用交流電源(不図示)から入力される電流を発光モジュール11に供給するための点灯回路41と、当該点灯回路41が収容された回路ケース42とを備える。点灯回路41は、板状のベース60の一方の端部側において上面61に配置されており、回路ケース42は点灯回路41を覆うようにしてベース60の上面61に取り付けられている。図3に示すように、ベース60の他方の端部62側は、ヒートシンク30における基台部31と放熱フィン32との間に設けられたスリット34に差し込まれ、支持部材20とヒートシンク30とを接合するねじ53およびナット54によってヒートシンク30に固定されている。
点灯回路41の電源線41aは、回路ケース42の上面42aに設けられた貫通孔42bを介して回路ケース42の外側に導出され、図1に示すように、配線ダクト2の内部2a内を通って商用交流電源と接続されている。また、点灯回路41の給電線41bは、ベース60に設けられた貫通孔63を介して回路ケース42の外側に導出され、図3に示すように、光源ユニット10の筐体13の上面13eに設けられた貫通孔13gを介して筐体13の内部の発光モジュール11と接続されている。図1に示すように、給電線41bの先端には一対のコネクタ41cが取り付けられており、それらコネクタ41cが発光モジュール11の一対の端子部11dに接続されている。
図3に示すように、回路ケース42の上面42aには、回路ケース42を配線ダクト2に取り付けるための取付部43が設けられている。取付部43は、支柱部43a、掛止部43b、ねじ43cからなる。支柱部43aは、回路ケース42の上面42aに垂直に立設された略円柱状の部位である。掛止部43bは、長尺板状であって、その長手方向が配線ダクト2の長手方向と直交し且つ回路ケース42の上面42aに対して平行となる姿勢で、支柱部43aの先端部に固定されている。具体的には、掛止部43bの中央に差し込んだねじ43cにより支柱部43aの先端部にねじ止めされている。
図4に示すように、取付部43は、掛止部43bが配線ダクト2の内部2aに収まった状態で配線ダクト2に掛止されており、回路ケース42は、取付部43を介して配線ダクト2に吊り下げられた状態となっている。配線ダクト2は、例えば、金属材料からなる断面C字形の長尺部材であって、スリット2bが下方を向くようにして天井に取り付けられている。掛止部43bの長手方向両端部は、配線ダクト2のスリット2bの両側に位置する一対の鍔部2cの上に載置されており、配線ダクト2の内部2aにおいて掛止部43bが配線ダクト2の長手方向にスライドすると、図1に示すように、矢印Cで示す方向に照明器具1が配線ダクト2に対してスライドする。
回路ケース42におけるヒートシンク30と反対側の側面42cには通気孔(不図示)が設けられており、ファンユニット70がその通気孔の位置に合わせて回路ケース42に取り付けられている。ファンユニット70は、その通気孔から回路ケース42内に外気を送り込むためのファン71を備えている。一方、図3に示すように、回路ケース42におけるヒートシンク30側の側面42dにも通気孔(不図示)が設けられており、その通気孔の位置に合わせてフィルター44が取り付けられている。ファン71によって回路ケース42内に送り込まれた空気は、フィルター44を通過してヒートシンク30側へ流出し、ヒートシンク30の放熱フィン32に当たる。このように、ファン71で生じた風を回路ケース42内の点灯回路41とヒートシンク30の放熱フィン32との両方に当てることで、放熱性を向上させている。
(熱伝導シート)
筐体13と支持部材20の取付部23との間に介在する熱伝導シート81は、柔軟性が高く且つ熱伝導率の高い材料からなるシート状の部材であって、座面13cと面接触しており、筐体13の膨出部13bから取付部23に熱を効率よく伝導させる機能を有する。熱伝導シート81は、柔軟性の高い材料からなるため座面13cに密着している。したがって、熱伝導シート81と座面13cとの接触面積が大きく、膨出部13bから熱伝導シート81に熱が効率よく伝導するようになっている。また、熱伝導シート81は、熱伝導性の高い材料からなるため熱抵抗が小さく、膨出部13bの熱が熱伝導シート81を介して効率よく摩擦軽減シート91に伝導するようになっている。熱伝導シート81の材料としては、具体的には、シリコン系ゴム、アクリル系ゴムなどが挙げられる。
図5は、座面と取付部とを直接面接触させる場合を示す模式図であって、(a)は面接触させる前の状態を示す模式図、(b)は面接触させた後の状態を示す模式図である。
通常、金属製の部材の表面にはミクロン単位の凹部が存在している。したがって、図5(a)に示すように、座面13cおよび取付面23aにもミクロン単位の凹部D,Eが存在している。仮に、図5(b)に示すように、座面13cと取付面23aとの間に熱伝導シート81および摩擦軽減シート91が介在していなかった場合、座面13cと取付面23aとが直接面接触し、座面13cから取付面23aに熱が直接伝導する。ところが、座面13cおよび取付面23aには凹部D,Eが存在するため、実際に熱が伝導するのは座面13cと取付面23aとの接触箇所Pだけである(図中の矢印は熱の移動を示す)。接触箇所Pの面積はさほど大きくないため、座面13cと取付面23aとが直接面接触していたとしても、熱伝導効率は高いとはいえない。
しかも、光源ユニット10が支持部材20に対して任意の回転角度を保てるように、ねじ締めによって座面13cは取付面23a側に所定の圧力で押圧されている。そのような状態で、光源ユニット10を回転させると、座面13cと取付面23aとの間に生じる摩擦により、座面13cおよび取付面23aに傷が付く。そうすると、座面13cと取付面23aとの接触箇所Pの面積がより小さくなって、熱伝導効率がより低下する。すなわち、光源ユニット10を回転させて使用すると放熱性が低下するおそれがある。
なお、仮に、座面13cおよび取付面23aを鏡面にするなどして凹部D,Eを小さくすれば、座面13cと取付面23aとの接触箇所Pの面積が大きくなるため、熱伝導効率が高まるが、その場合は研磨加工などが必要となるため製造コストが増大する。
図6は、座面と取付部との間に放熱グリースを介在させた場合を示す模式図であって、(a)は使用初期の状態を示す模式図、(b)は長期使用後の状態を示す模式図である。
そこで、図6(a)に示すように、座面13cと取付面23aとの間に熱伝導性の高いグリース、すなわち放熱グリース3を充填することが考えられる。放熱グリース3は座面13cの凹部D内に入り込むため、座面13cの全面が放熱グリース3と面接触することになり、膨出部13bの熱が座面13cの全面から放熱グリース3に伝導する(図中の矢印は熱の移動を示す)。また、放熱グリース3は取付面23aの凹部E内にも入り込むため、取付面23aの全面が放熱グリース3と面接触することになり、放熱グリース3の熱が取付面23aの全面から取付部23に伝導する。したがって、座面13cと取付面23aとを直接面接触させる場合と比較して熱伝導効率が高い。
しかし、放熱グリース3は流動性を有するため、図6(b)に示すように、オイルブリードやポンプアウトにより放熱グリース3が座面13cと取付面23aとの間から漏れ出してしまうおそれがある。特に、照明器具1では、ねじ締めにより座面13cが取付面23a側に所定の圧力で押圧されており、放熱グリース3が介在する部分で摺動するため、放熱グリース3の漏れ出しが生じやすい。また、発光モジュール11の点灯および消灯により膨出部13bおよび取付部23の温度が激しく変化するため、ポンプアウトも生じやすい。そうすると、座面13cと取付面23aとの間に介在する放熱グリース3の量が少なくなるため放熱グリースが存在しない空隙部分が生じ、その空隙部分において熱が伝導し難くなって熱伝導効率が低下する(図中の矢印は熱の移動を示す)。すなわち、経時的に放熱性が低下しやすい。
図7は、本発明の一態様に係る筐体と取付部との取付構造を示す模式図である。
一方、図7に示すように、本発明の一態様に係る照明器具1では、熱伝導シート81が、座面13cと面接触した状態で座面13cと取付面23aとの間に介在している。熱伝導シート81は、放熱グリース3と同様に、座面13cの凹部D内に入り込むため、座面13cの全体から熱伝導シート81に熱が伝導する(図中の矢印は熱の移動を示す)。したがって、座面13cと取付面23aとを直接面接触させた場合と比較して、熱伝導効率が高い。しかも、流動性を有する放熱グリース3と違って、熱伝導シート81は定形性を有するため、オイルブリードやポンプアウトが生じ難く、経時的な放熱性の低下が起こり難い。さらに、熱伝導シート81を用いる場合は、放熱グリース3を用いる場合よりも製造時のハンドリングがよい。
熱伝導シート81は、厚みが0.1mm以上であることが好ましい。照明器具1は、光源ユニット10が支持部材20の一対のアーム部21によって両側から支持された所謂両持ちのスポットライトである。このような場合は、発光モジュール11の点灯中に筐体13および支持部材20が昇温すると、それらの熱膨張差により座面13cと取付面23aとに大きな圧力がかかる場合がある。熱伝導シート81の厚みを0.1mm以上とすれば、そのような熱膨張差を熱伝導シート81によって吸収することができるため、温度変化に強い取付構造となる。
熱伝導シート81は、Asker−C硬度が100以下であることが好ましい。その場合も上記熱膨張差を熱伝導シート81によって吸収することができる。さらに、座面13cと取付面23aとの間に磨耗くずが生じた場合に、その磨耗くずを熱伝導シート81で取り込んで、熱伝導シート81と座面13cとの接触面積の減少を抑制することができる。
熱伝導シート81と同様に、支持部材20の連結部22とヒートシンク30の基台部31との間に介在する熱伝導シート82も、柔軟性が高く且つ熱伝導率の高い材料からなるシート状の部材である。熱伝導シート82は、連結部22の上面22bと面接触しており、連結部22から基台部31に効率よく熱を伝導させる機能を有する。熱伝導シート82は、柔軟性の高い材料からなるため連結部22の上面22bに密着している。したがって、熱伝導シート82と連結部22の上面22bとの接触面積が大きく、連結部22から熱伝導シート82に熱が効率よく伝導するようになっている。また、熱伝導シート82は、熱伝導性の高い材料からなるため熱抵抗が小さく、連結部22の熱が熱伝導シート82を介して効率よく摩擦軽減シート92に伝導するようになっている。
熱伝導シート82の材料としては、具体的には、シリコン系ゴム、アクリル系ゴムなどが挙げられる。なお、熱伝導シート82は、熱伝導シート81と同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
このように、支持部材20がヒートシンク30に対して回転可能に取り付けられる場合は、連結部22の上面22bと基台部31の下面31bとの間に熱伝導シート82を介在させることが有効である。なお、支持部材20がヒートシンク30に対して回転不可能に取り付けられる場合は、支持部材20の連結部22の上面22bとヒートシンク30の基台部31の下面31bとの間に熱伝導シート82を介在させる必要はない。
(摩擦軽減シート)
摩擦軽減シート91は、自己潤滑性を有する材料からなるシート状の部材であって、取付面23aと面接触しており、膨出部13bの取付部23に対する滑らかな回転を可能にする摩擦軽減機能を有する。摩擦軽減シート91は、自己潤滑性を有する材料からなるため、取付面23aに対してよく滑る。したがって、膨出部13bと取付部23とは、摩擦軽減シート91と取付面23aとの界面において回転可能である。摩擦軽減シート91の材料としては、具体的には、フッ素樹脂、MCナイロン樹脂(摺動グレード)、ポリアセタール(摺動グレード)、超高分子量ポリエチレン、PEEK樹脂(摺動グレード)などが挙げられる。摩擦軽減シート91の材料は、自己潤滑性に加えて耐摩耗性を有することが好ましい。
摩擦軽減シート91の動摩擦係数の好適な範囲を実験により検討したところ、動摩擦係数は0.2以下が好ましいことがわかった。その実験では、発光モジュール11を安定に点灯させた状態で光源ユニット10を所定回数回転させ、回転後の熱伝導シート81と摩擦軽減シート91との界面の温度を測定した。界面の温度は、光源ユニット10が支持部材20に取り付けられている状態で、座面13cと熱伝導シート81との間、熱伝導シート81と摩擦軽減シート91との間、および、摩擦軽減シート91と取付面23aとの間に、それぞれ熱伝対を差し込んで測定した。得られた温度データに基づき、回転回数が0回のときの温度(初期の温度)を100%として、各回数回転後の温度(回転後の温度)の相対比率(接触熱抵抗の変化率)を、下記の式1に基づいて算出した。
(回転後の温度/初期の温度)*100 ・・・(式1)
図8は、動摩擦係数と接触熱抵抗変化率との関係について示す図である。図8に示すように、動摩擦係数が0.04〜0.08の場合は、動摩擦係数が0.25の場合と比較して接触熱抵抗の変化率が小さく、それらの場合間に顕著な効果の差が認められた。この結果から、動摩擦係数が0.2以下であれば回転による摩擦で生じる磨耗を抑制できることがわかった。
摩擦軽減シート91は、厚みが0.1mm以下であることが好ましい。一般に、自己潤滑性を有する材料は熱伝導率が低いため、厚みが厚過ぎると摩擦軽減シート91の熱伝導性が低下する。摩擦軽減シート91の厚みが0.1mmを超えた場合は熱伝導性の低下が顕著であるため、厚みは0.1mm以下であることが好ましい。
座面13cを取付面23a側に押圧する圧力の好適な範囲は、50kPa〜1000kPaが好ましい。熱伝導シート81を座面13cに密着させるために、座面13cは取付面23a側に押圧されている。押圧する圧力が50kPa以上の場合に、熱伝導シート81を座面13cに十分密着させることができ、高い熱伝導性が得られる。一方、押圧する圧力が1000kPa以下であれば、熱伝導シート81と座面13cとの間に生じる摩擦抵抗が大きくなり過ぎないため、熱伝導シート81が磨耗し難い。熱伝導シート81が磨耗すると、熱伝導シート81と座面13cとの接触面積が減少して熱伝導性が低下するため好ましくない。
摩擦軽減シート91と同様に、支持部材20の連結部22とヒートシンク30の基台部31との間に介在する摩擦軽減シート92も、自己潤滑性を有する材料からなるシート状の部材である。摩擦軽減シート92は、基台部31の下面31bと面接触しており、連結部22が基台部31に対して滑らかに回転することを可能にする摩擦軽減機能を有する。摩擦軽減シート92は、自己潤滑性を有する材料からなるため、基台部31の下面31bに対してよく滑る。したがって、連結部22と基台部31とは、摩擦軽減シート92と基台部31の下面31bとの界面において回転可能となっている。摩擦軽減シート92の材料としては、具体的には、フッ素樹脂、MCナイロン樹脂(摺動グレード)、ポリアセタール(摺動グレード)、超高分子量ポリエチレン、PEEK樹脂(摺動グレード)などが挙げられる。なお、摩擦軽減シート92は、摩擦軽減シート91と同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
このように、支持部材20がヒートシンク30に対して回転可能に取り付けられる場合は、連結部22の上面22bと基台部31の下面31bとの間に摩擦軽減シート92を介在させることが有効である。なお、支持部材20がヒートシンク30に対して回転不可能に取り付けられる場合は、支持部材20の連結部22の上面22bとヒートシンク30の基台部31の下面31bとの間に摩擦軽減シート92を介在させる必要はない。
[変形例]
以上、本発明の一態様に係る照明器具を説明してきたが、本発明に係る照明器具は上記本発明の一態様に係る照明器具に限定されない。以下に、本発明の一態様に係る照明器具の変形例について説明する。なお、本発明の一態様に係る照明器具と同じ部材には同じ符号を付し、その部材についての説明は省略する。
(熱伝導シートおよび摩擦軽減シートの配置)
図9は、変形例に係る筐体と取付部との取付構造を示す模式図である。
熱伝導シートおよび摩擦軽減シートの配置は、上記本発明の一態様に係る照明器具1とは逆であってもよい。具体的は、図9に示すように、熱伝導シート81が取付面23aと面接触し、摩擦軽減シート91が座面13cと面接触している構成であってもよい。
また、座面と取付部との間には、熱伝導シートおよび摩擦軽減シート以外の部材が介在していてもよい。そのような場合であっても、熱伝導シートが座面または取付部のいずれかと面接触し、かつ、摩擦軽減シートが座面と取付部との間に介在していれば、優れた放熱性を有すると共にその放熱性が経時的に低下し難い。
また、座面と取付部との間には、熱伝導シートおよび摩擦軽減シートが複数介在していてもよい。例えば、座面と取付部との間に、熱伝導シートが2枚介在していてもよい。その場合、1枚目の熱伝導シートを座面に面接触させ、2枚目の熱伝導シートを取付部に面接触させることが考えられる。そして、摩擦軽減シートをそれら2枚の熱伝導シートの間に介在させることが考えられる。このような構成にすれば熱伝導性がより向上する。
(筐体と取付部との取付構造)
図10は、変形例に係る光源ユニットを示す斜視図である。図11は、変形例に係る光源ユニットと支持部材との取付構造を説明するための断面図である。
光源ユニットの筐体の支持部材の取付部への取り付けは、座面と取付部とが対向した状態で、筐体が取付部に対して回転またはスライド可能であればよい。したがって、必ずしも、筐体が取付部にねじにより取り付けられており、筐体がねじを回転軸として取付部に対して回転可能である必要はない。
図10に示すように、変形例に係る光源ユニット110は、発光モジュール11、モジュールプレート12、筐体113、点灯回路141などを備える。筐体113は金属からなる有底筒状の部材であって、内部には、発光モジュール11、モジュールプレート12、および、上記実施の形態の一態様に係る点灯回路41に相当する点灯回路141が収容されている。
図11に示すように、筐体113の上面113eには断面T字型の取付部113bが設けられている。取付部113bは、筐体113の上面113eと水平な長尺板状の掛止板113hと、上面113eと垂直な板状であって上面113eと掛止板113hとを連結する連結板113iとからなる。掛止板113hは、配線ダクト2の内部2aに収まった状態で配線ダクト2の一対の鍔部2cに掛止されており、筐体113は配線ダクト2に吊り下げられた状態となっている。この変形例では、掛止板113hの下面113cが座面に相当する。また、配線ダクト2が支持部材に相当し、配線ダクト2の鍔部2cが支持部材の取付部に相当し、鍔部2cの上面2dが取付面に相当する。
掛止板113hの下面113cには熱伝導シート181および摩擦軽減シート191がその順で積層されている。これにより、掛止板113hの下面113cと鍔部2cの上面2dとの間には熱伝導シート181および摩擦軽減シート191が介在している。熱伝導シート181は掛止板113hの下面113cと面接触しており、摩擦軽減シート191は鍔部2cの上面2dと面接触している。光源ユニット10の自重によって、掛止板113hの下面113cは鍔部2cの上面2d側に押圧されている。
筐体113の熱は、取付部113bの掛止板113hから配線ダクト2の鍔部2cに伝導する。掛止板113hの下面113cに熱伝導シート181が面接触しているため、掛止板113hの下面113cから鍔部2cの上面2dへの熱伝導効率が高まっており、放熱性が向上している。また、摩擦軽減シート191が鍔部2cの上面2dと面接触しているため、掛止板113hが鍔部2cに対して滑りやすくなっている。配線ダクト2の内部2aにおいて、掛止板113hが鍔部2cの上面2dに対して配線ダクト2の長手方向にスライドすると、光源ユニット110が配線ダクト2に対してスライドする。
なお、掛止板113hの下面113cには、摩擦軽減シート191および熱伝導シート181をその順で、すなわち図10および図11に示す態様とは逆の順で積層させてもよい。また、鍔部2cの上面2dに摩擦軽減シート191および熱伝導シート181を積層させてもよい。
(支持部材)
図12は、変形例に係る照明器具を配線ダクトに取り付けた状態示す側面図である。図13は、変形例に係る筐体と取付部との取付構造を示す断面図である。
図12に示すように、変形例に係る照明器具201では、光源ユニット210の筐体213に膨出部213bが1つしか形成されていない。また、支持部材220は、1本のアーム部221と、そのアーム部221の一端に設けられた連結部222と、そのアーム部221の他端に設けられた取付部223とを有する所謂片持ちタイプの支持部材である。図13に示すように、光源ユニット210は、支持部材220の取付部223に設けられた貫通孔223bおよび筐体213の膨出部213bに設けられた貫通孔213dに挿通されたねじ251によって、支持部材220に回転可能に取り付けられている。ねじ251は、筐体213の上面213eに設けられた穴部213fに挿入されたナット52にねじ込まれている。
このような構成の場合、光源ユニット210の自重により、筐体213の膨出部213bの座面213cおよび支持部材220の取付部223の取付面223aには、それぞれ偏った荷重がかかる。すなわち、座面213cおよび取付面223aにおける上側には小さな荷重しかかからないが、下側には大きな荷重がかかる。そのため、座面213cでは、上側と下側とで取付面223a側に押圧される圧力に差が生じている。また、取付面223aでも、上側と下側とで座面213c側に押圧される圧力に差が生じている。圧力が高い側では光源ユニット210を回転させた際の摩擦抵抗が大きく、磨耗が起こりやすい。このような場合でも、熱伝導シート81の厚みが0.1mm以上であれば、圧力の偏りを緩和して磨耗を抑制することができる。また、熱伝導シート81のAsker−C硬度を100以下にすることによっても、圧力の偏りを緩和して磨耗を抑制することができる。さらに、座面213cと取付面223aとの間に生じる磨耗くずを熱伝導シート81で取り込んで、熱伝導シート81と座面213cとの接触面積の減少を抑制することができる。
図12に示すように、回路ユニット40の給電線41bは、支持部材220のアーム部221の内部および取付部223の内部を通って筐体213内に導入されている。図13に示すように、アーム部221には、ヒートパイプ24を埋め込むための溝部221cが設けられているが、給電線41bもその溝部221c内に埋め込まれている。取付部223には、溝部221cと貫通孔223bとを連通させるための連通孔223cが設けられている。また、筐体213の膨出部213bに設けられた貫通孔213dは、筐体213の内部213jまで貫通している。給電線41bは、アーム部221の溝部221c内から、取付部223の連通孔223cおよび貫通孔223bを通り、さらに摩擦軽減シート91の開口91aおよび熱伝導シート81の開口81aを通り、さらに筐体213の貫通孔213dを通って、筐体213の内部213jに導入されている。
筐体213を取付部223に取り付けるねじ251は、ねじ込み軸方向に貫通する貫通孔251aを有する中空ねじである。給電線41bは、ねじ251の貫通孔251aを通ることで、取付部223の貫通孔223b、摩擦軽減シート91の開口91a、熱伝導シート81の開口81a、筐体213の貫通孔213dを通っている。
このように、給電線41bを支持部材220に内臓する構成であるため、給電線41bの外部への露出が少なく、照明器具1のデザイン性が高い。また、給電線41bは、筐体213の外部からねじ251の貫通孔251aを通って筐体213の内部213jへと導入されているため、給電線41bの外部への露出はさらに少なく、照明器具1のデザイン性が高い。
筐体213には、筐体213が支持部材220に対して回転可能な回転角度を360°以下に規制するための規制手段が設けられている。具体的には、筐体213の外周面213aには、膨出部213bの周囲の1箇所に突起213kが設けられている。筐体213を支持部材220に対して回転させると、180°程回転させたところで突起213kがアーム部221に当たって筐体213が回転しなくなる。このような突起213kが膨出部213bの周囲に1箇所設けられているため、光源ユニット210を360°を超え回転させることができない。このような構成とすれば、光源ユニット210の回転により給電線41bが過剰によじれることがなく、配線面における高い信頼性が得られる。なお、突起213kは筐体213にではなく支持部材220に設けてもよい。また、規制手段は突起に限定されない。
(発光モジュール)
図14は、変形例に係る発光モジュールを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
発光モジュールは、COB技術を用いてフェイスアップ実装されたものに限定されず、例えばSMD(Surface Mount Device)型のものが基板に搭載されていてもよい。例えば、図14に示す発光モジュール311のように、円形板状の基板311aの上面に、SMD(Surface Mount Device)型の光源311eが複数マトリクス状に配置されている構成でもよい。各光源311eは、それぞれ白色光を出射するLEDであって、発光素子311bおよび封止部材311cを1つずつ有する。また、基板311aの周縁部には、光源311eと電気的に接続された一対の端子部311dが形成されている。
(照明器具)
図15は、変形例に係る照明器具の天井への取付状態を示す断面図である。図15に示すように、照明器具401は、所謂ユニバーサルダウンライトであって、光源ユニット410、枠体420、筐体430、支持部材440およびヒートシンク450から構成される。
枠体420は、略円筒形の枠本体421と、枠本体421の一方の開口部から外側へ向け延出した略円環状の鍔部422と、枠本体421の他方の開口を塞ぐ略円板状の載置部423と、3つの取付ばね424(図では1つしか見えていない。)とを備える。枠体420は、例えば、金属製であって、枠本体421、載置部423および弾性変形された取付ばね424が、天井402の埋込穴402a内に埋め込まれ、鍔部422が天井面402bに当接された状態で、弾性復元された取付ばね424により天井402に固定される。枠体420の内部には、筐体430と支持部材440とが収容されている。筐体430は、金属製で椀状の部材であって、内部には光源ユニット410が収容されている。ヒートシンク450は、枠体420の載置部423の上面に立設されており、枠体420とは一体に成形されている。
図16は、変形例に係る照明器具について筐体の支持部材への取付構造を説明するための分解斜視図である。図16に示すように、支持部材440は、長尺状の本体441と、本体441の両端部に延設された互いに平行な一対の取付部442とを有する。各取付部442には、一対のねじ460が挿入される貫通孔442aがそれぞれ設けられている。一方、筐体430の表面432の支持部材440が外嵌される部分には、取付部442の位置に合わせて円形の座面433が形成されており、その座面433には、支持部材440の貫通孔442aの位置に合わせてねじ孔434が設けられている。ねじ460による筐体430の支持部材440への取り付けは、貫通孔442aとねじ孔434とを連通させた状態において、貫通孔442aに挿入したねじ460を、さらにねじ孔434にねじ込むことによって行われる。これにより、筐体430は、一対のねじ460を回転軸Lとして、支持部材440に対して回転自在に支持される。
取付部442と座面433の間には、熱伝導シート481および摩擦軽減シート491が介在している。熱伝導シート481は、座面433と同じ大きさの円形であって、座面433と面接触するように配置されており、ねじ孔434の位置に合わせて円形の開口481aが設けられている。摩擦軽減シート491は、熱伝導シート481と同じ大きさの円形であって、取付部442と面接触するように配置されており、熱伝導シート481の開口481aの位置に合わせて円形の開口491aが設けられている。熱伝導シート481および摩擦軽減シート491については、上記本発明の一態様に係る熱伝導シート81および摩擦軽減シート91と同様である。
照明器具401によれば、光源ユニット410とヒートシンク450との間に支持部材440が介在するため、光源ユニットとヒートシンクとが一体化したユニバーサルダウンライトと比較して、光源ユニット410の回転可能な角度範囲が大きくなるように設計しやすくすることができる。
(その他)
本発明に係る照明器具は、上記本発明の一態様に係る照明器具およびその変形例に係る照明器具の部分的な構成を、適宜組み合わせてなる構成であってもよい。また、上記本発明の一態様に記載した材料等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。さらに、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることは可能である。
本発明に係る照明器具は、照明用途全般に広く利用可能である。
1,201 照明器具
10,110,210,410 光源ユニット
11b,311b 発光素子
13,113,213,430 筐体
13c,113c,213c,433 座面
2,20,220,440 支持部材
2c,23,223,422 取付部
51,251,460 ねじ
81,181,481 熱伝導シート
91,191,491 摩擦軽減シート

Claims (8)

  1. 光源としての発光素子が筐体内に収容されてなる光源ユニットと、前記筐体が取り付けられる取付部を有する支持部材とを備え、
    前記筐体に形成された座面が前記取付部側に押圧された状態で、前記筐体が前記取付部に回転またはスライド可能に取り付けられている照明器具であって、
    前記座面と前記取付部との間には熱伝導シートおよび摩擦軽減シートが積層された状態で介在すると共に、前記熱伝導シートが前記座面または前記取付部のいずれかと面接触していることを特徴とする照明器具。
  2. 前記筐体は前記取付部にねじにより当該ねじを回転軸として回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
  3. 前記座面は前記取付部側に圧力50kPa〜1000kPaで押圧されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
  4. 前記摩擦軽減シートは表面の動摩擦係数が、0.2以下であることを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
  5. 前記摩擦軽減シートは厚みが0.1mm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の照明器具。
  6. 前記熱伝導シートは前記座面と面接触していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明器具。
  7. 前記熱伝導シートは厚みが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照明器具。
  8. 前記熱伝導シートはAsker−C硬度が100以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の照明器具。
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