JP2014133520A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フロアフレームから車体前方に延出する左右一対のフロントサイドフレーム5と、後縁部がフロアフレームに接続されるとともに、前縁部がフロントサイドフレーム5の各下方に配置されて、各フロントサイドフレーム5の前縁部に結合されるサブフレーム7を設ける。サブフレーム7の前方に相手車両のホイールから衝撃荷重を受ける荷重伝達ビーム17を設け、フロントサイドフレーム5の中途部の下面には窪み部18を設ける。
【選択図】図8
Description
特許文献3に記載の前部車体構造は、フロントサイドフレームの前端部の下方に、小型の相手車両が正面から接触したときに、その相手車両のフロントサイドフレームを上方側に誘導するためのガイド部材が取り付けられている。ガイド部材は、自車両のフロントサイドフレームの前端部の下方に間隔を隔てて配置されるとともに、その前部上面側には相手車両のフロントサイドフレームの前端部を上方側に誘導するための傾斜面が設けられている。
請求項1に係る発明は、後縁部がフロアフレーム(例えば、実施形態のフロアフレーム3)に接続され、当該フロアフレームから車体前方に延出する左右一対のフロントサイドフレーム(例えば、実施形態のフロントサイドフレーム5)と、後縁部が前記フロアフレームに接続されるとともに、前縁部が前記フロントサイドフレームの各下方に配置されて、各フロントサイドフレームの前縁部に結合されるサブフレーム(例えば、実施形態のサブフレーム7)と、前記サブフレームの前縁部の前方側で車幅方向に延出し、車体前方からの衝撃荷重の入力時に前記サブフレームの前縁部に衝撃荷重を伝達する荷重伝達部材(例えば、実施形態の荷重伝達ビーム17)と、を備え、前記フロントサイドフレームの前後方向の中途部の下面に、前記荷重伝達部材から前記サブフレームの前縁部に衝撃荷重が入力されたときに、前記フロントサイドフレームの中途部の上下方向の屈曲を誘起する屈曲誘起部(例えば、実施形態の窪み部18)が設けられていることを特徴とするものである。
これにより、小型の相手車両と正面方向から接触すると、相手車両の前輪ホイールから自車両の荷重伝達部材に衝撃荷重が入力され、その衝撃荷重がフロントサイドフレームの下方のサブフレームの前縁部に入力される。サブフレームの前縁部に衝撃荷重が入力されると、その荷重は、屈曲誘起部を中心としたモーメントとしてフロントサイドフレームに作用する。この結果、フロントサイドフレームが上下方向に屈曲変形し、自車両から相手車両に与える衝撃を緩和する。
これにより、サブフレームの前縁部がフロントサイドフレームの前縁部の下方側に大きくオフセットされて配置され、荷重伝達部材からサブフレームの前縁部に衝撃荷重が入力されたときに、フロントサイドフレームに作用する屈曲誘起部を中心としたモーメントが大きくなる。
これにより、例えば、相手車両が自車両と同サイズの車両で、相手車両のフロントサイドフレームから自車両のフロントサイドフレームに衝撃荷重が入力された場合には、フロントサイドフレームの中途部が側面の座屈誘起部を起点として座屈変形する。この結果、入力された衝撃荷重がフロントサイドフレームの座屈変形によって吸収され、自車両の乗員保護機能が確保される。
これにより、小型の相手車両の前輪ホイールから自車両の荷重伝達部材に衝突する際に、荷重伝達部材が相手車両の前輪ホイールを乗り越えることがなくなる。
これにより、小型の相手車両の前輪ホイールが自車両のフロントサイドフレームの内側に進入してくると、相手車両の前輪ホイールがフロントバルクヘッドの低位側横梁部に当接することにより、衝撃荷重が剛性部材を介してサブフレームの前端部に効率良く伝達される。したがって、剛性部材を追加するだけで、既存のフロントバルクヘッドを利用して自車両から相手車両に与える衝撃を緩和できるようになる。
これにより、ステイによってサブフレームの捩れ剛性が高まるとともに、低位側横梁部と前記剛性部材と前記ステイとによるトラス構造によって、小型の相手車両の前輪ホイールがフロントバルクヘッドの低位側横梁部に当接したときにおける衝撃荷重を安定的にサブフレームの前端部に伝達することが可能となる。即ち、小型の相手車両の前輪ホイールが低位側横梁部に当接して同低位側横梁部の幅方向の中央側が後方に傾斜しようとした場合であっても、トラス構造が衝撃荷重をサブフレームの前端部に確実に伝達するようになる。
これにより、部品点数が削減され、車体に対する部品の組み付けが容易になる。
これにより、低位側横梁部の上下方向の占有高さを低く抑えつつ、前方からの衝撃荷重の入力時には、低位側横梁部からサブフレームの前縁部に確実に荷重を伝達できるようになる。したがって、車両のアプローチアングルを高く維持するうえで有利となるとともに、バンパビームの下方に歩行者脚保護部材等を取り付けることも可能になる。
これにより、部品を大幅に追加せずに、低位側横梁部の所望の部位の強度を高めることが可能となる。
これにより、簡単な部品の追加のみによって低位側横梁部の所望の部位の強度を高めることが可能となる。
また、この発明によれば、フロントサイドフレームの前端部やバンパビームを下方に下げるものではないため、最低地上高やアプローチアングル(前輪の接地点からバンパビームの前端部までの角度)に制限のあるSUVやRV車にも容易に適用することができる。
最初に、図1〜図9に示す第1の実施形態について説明する。なお、以下で説明する各実施形態においては、共通部分には同一符号を付して重複する説明を省略するものとする。また、図面において、矢印FRは、車両の前方側を指すものとする。
車両1は、車室の下方に車体前後方向に沿って延出する左右一対のフロアフレーム3(図3参照。)が配置され、その一対のフロアフレーム3同士が、車幅方向に沿って延出する複数のフロアクロスメンバ4(図3参照。)によって連結されている。左右のフロアフレーム3の前縁部には、エンジンルームの左右両側において車体前後方向に沿って延出するフロントサイドフレーム5が接続されている。
サブフレーム7は、車体前後方向に沿って延出する左右一対のサイドメンバ8と、車幅方向に沿って延出して両サイドメンバ8の前縁部同士と、後縁部同士をそれぞれ連結するクロスメンバ9、及び、連結ロッド10を備えている。
図3、図4に示すように、サブフレーム7の左右の各サイドメンバ8の後縁部は、フロアフレーム3の前縁部の下面側に重ねられ、フロアフレーム3の前縁部にボルト11によって締結固定されている。サブフレーム7の左右の各サイドメンバ8は、フロアフレーム3との締結部から前方側に略水平に延出した後に前縁部側が、緩やかにクランク状に屈曲している。そして、各サイドメンバ8のクランク状の屈曲部よりも前方側の縁部は、左右の対応するフロントサイドフレーム5の下面と略平行となっている。
なお、図1中89は、相手車両2のフロントサイドフレームであり、88は、相手車両2のバンパビームである。
車両1が相手車両2Aと車幅方向にオフセットせずに正面から接触すると、自車両のバンパビーム15が相手車両2Aのバンパビームに当接し、相手車両2Aのフロントサイドフレームから自車両のバンパビームエクステンション14とフロントサイドフレーム5に衝撃荷重が正面から入力される。こうして、衝撃荷重が入力されると、図6,図7中で仮想線で示すように、バンパビームエクステンション14が初期段階で座屈変形するとともに、後期段階でサブフレーム7のサイドメンバ8が上下に屈曲変形しつつフロントサイドフレーム5が両側面の窪み部19を起点として座屈変形する。自車両に入力された衝撃荷重はこの間に吸収され、自車両の乗員保護機能が発揮される。
車両1が相手車両2と車幅方向にオフセットして正面から接触すると、相手車両2の前輪90のホイールW2が自車両の荷重伝達ビーム17に向かって進入し、相手車両2のホイールW2から荷重伝達ビーム17に衝撃荷重が入力される。こうして、荷重伝達ビーム17に前方から衝撃荷重が入力されると、荷重伝達ビーム17が車体後方側に変位してサブフレーム7のサイドメンバ8の前端部に当接し、サイドメンバ8の前端部に衝撃荷重が入力される。そして、サイドメンバ8の前端部に衝撃荷重が入力されると、その荷重は、屈曲誘起部である窪み部18を中心としたモーメントとしてフロントサイドフレーム5に作用する。この結果、図8,図9中で仮想線で示すように、サブフレーム7のサイドメンバ8が上下に屈曲変形しつつ、フロントサイドフレーム5が下面の窪み部19を起点として上下に屈曲変形する。自車両に入力された衝撃荷重はこの間に吸収され、自車両のフロントサイドフレーム5が相手車両に与える衝撃も緩和される。
この第2の実施形態の車両101は、基本的な構成は第1の実施形態とほぼ同様であるが、フロントサイドフレーム5の前部下方にブラケットを介して専用の荷重伝達ビームを設置するのに代えて、車体前部の略矩形枠状の骨格部材であるフロントバルクヘッド30の一部を利用するようにしている。
図10は、この実施形態に係る車両101と、小型の相手車両2の側面を示す図であり、図11,図12は、車両101の前部側骨格部の斜視図と下面図である。また、図13は、車両1の前部骨格部の模式的な側面図である。
この実施形態においては、バルクヘッドロア31と連結プレート36が相手車両2のホイールW2から衝撃荷重を伝達する荷重伝達部材を構成している。
なお、この実施形態においては、バルクヘッドロア31の一部を高強度鋼板で形成することによってバルクヘッドロア31の前後方向の潰れ変形を規制するようにしているが、同じ領域に補強部材を追加することによって前後方向の潰れ変形を規制するようにしても良い。バルクヘッドロア31の一部を高強度鋼板で形成した場合には、部品を大幅に追加せずに、バルクヘッドロア31の所望の部位の強度を高めることが可能となり、バルクヘッドロア31に補強部材を追加した場合には簡単な部品の追加のみによってバルクヘッドロア31の所望の部位の強度を容易に高めることが可能となる
図14に示す第3の実施形態の車両201は、第2の実施形態に対し、サブフレーム7の左右のサイドメンバ8の前縁部の下面と、バルクヘッドロア31の中央領域の下面を斜めに連結してサブフレーム7の捩れ剛性を高めるステイ40が追加されている。この実施形態では、バルクヘッドロア31と連結プレート36とステイ40が荷重伝達部材を構成している。
この実施形態の場合、一枚のプレート50で連結プレート36とステイ40の機能を併せ持つことになるため、第3の実施形態と同様の効果を得つつも、部品点数の削減と部品組み付けの容易化を図ることが可能になる。
5…フロントサイドフレーム
7…サブフレーム
12…スペーサブロック(連結部材)
13…ボルト(締結部材)
17…荷重伝達ビーム(荷重伝達部材)
18…窪み部(屈曲誘起部)
19…窪み部(座屈誘起部)
30…フロントバルクヘッド
31…バルクヘッドロア(低位側横梁部,荷重伝達部材)
33…バルクヘッドサイドステイ(縦梁部)
36…連結プレート(剛性部材,荷重伝達部材)
40…ステイ(荷重伝達部材)
50…プレート(荷重伝達部材)
W2…ホイール(前輪ホイール)
Claims (10)
- 後縁部がフロアフレームに接続され、当該フロアフレームから車体前方に延出する左右一対のフロントサイドフレームと、
後縁部が前記フロアフレームに接続されるとともに、前縁部が前記フロントサイドフレームの各下方に配置されて、各フロントサイドフレームの前縁部に結合されるサブフレームと、
前記サブフレームの前縁部の前方側で車幅方向に延出し、車体前方からの衝撃荷重の入力時に前記サブフレームの前縁部に衝撃荷重を伝達する荷重伝達部材と、を備え、
前記フロントサイドフレームの前後方向の中途部の下面に、前記荷重伝達部材から前記サブフレームの前縁部に衝撃荷重が入力されたときに、前記フロントサイドフレームの中途部の上下方向の屈曲を誘起する屈曲誘起部が設けられていることを特徴とする車体前部構造。 - 前記フロントサイドフレームの前縁部の下面には連結部材が配置され、前記サブフレームの前縁部と前記フロントサイドフレームの前縁部とは、前記連結部材を挟んで締結部材によって固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
- 前記フロントサイドフレームの前後方向の中途部の側面には、前記フロントサイドフレームの前端部から衝撃荷重が入力されたときに、前記フロントサイドフレームの中途部に車幅方向の屈曲を主とした座屈を誘起する座屈誘起部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体前部構造。
- 前記荷重伝達部材は、自車両よりも小型の相手車両の前輪ホイールの半径をRとしたときに、断面中心が、相手車両の前輪ホイールの中心に0.37Rを加算した値以下となる高さ範囲に設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体前部構造。
- 前記荷重伝達部材は、前記左右一対のフロントサイドフレームの内側面に接続されるフロントバルクヘッドの低位側横梁部と、当該低位側横梁部と前記サブフレームの前端とを接続する剛性部材と、を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車体前部構造。
- 前記荷重伝達部材は、前記左右一対のフロントサイドフレームの内側面に接続されるフロントバルクヘッドの低位側横梁部と、当該低位側横梁部と前記サブフレームの前端とを接続する剛性部材と、前記サブフレームの前端部を前記低位側横梁部の中央領域に連結して前記サブフレームの捩れ剛性を高めるステイと、を備え、前記低位側横梁部と前記剛性部材と前記ステイとによりトラス構造を構成していることを特徴とする請求項5に記載の車体前部構造。
- 前記剛性部材と前記ステイとが一体部品として形成されていることを特徴とする請求項6に記載の車体前部構造。
- 前記荷重伝達部材は、前記左右一対のフロントサイドフレームの内側面に接続されるフロントバルクヘッドの低位側横梁部を備え、
前記低位側横梁部は、上方に開口するハット型断面で、その上面側に前記フロントバルクヘッドの左右の縦梁部の下端が連結され、
前記低位側横梁部のうちの、少なくとも前記縦梁部に接続される前記フロントサイドフレームの内側端から、前記サブフレームの前端部側が連結される位置までの領域が、前方からの衝撃荷重の入力時に前後方向の潰れが規制される強度に設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車体前部構造。 - 前記低位側横梁部のうちの、少なくとも前記縦梁部に接続される前記フロントサイドフレームの内側端から、前記サブフレームの前端部側が連結される位置までの領域は、高強度鋼板によって形成されていることを特徴とする請求項8に記載の車体前部構造。
- 前記低位側横梁部のうちの、少なくとも前記縦梁部に接続される前記フロントサイドフレームの内側端から、前記サブフレームの前端部側が連結される位置までの領域は、前後方向の潰れを防止する補強部材によって補強されていることを特徴とする請求項8に記載の車体前部構造。
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