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JP2021142763A - 自動車の車体構造 - Google Patents

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JP2021142763A JP2018076260A JP2018076260A JP2021142763A JP 2021142763 A JP2021142763 A JP 2021142763A JP 2018076260 A JP2018076260 A JP 2018076260A JP 2018076260 A JP2018076260 A JP 2018076260A JP 2021142763 A JP2021142763 A JP 2021142763A
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Homare Yamada
誉 山田
貫志 金子
Kanji Kaneko
貫志 金子
耕太 藤沢
kota Fujisawa
耕太 藤沢
右京 渡辺
Ukyo WATANABE
右京 渡辺
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Honda Motor Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

【課題】 サイドシルの後端から後方に延びるリヤフレームを備える自動車の車体後部構造において、後面衝突時の衝突エネルギーの吸収効果を高める。【解決手段】 リヤフレーム12は、車幅方向外向きに開口する略U字状断面のインナー部材25と、インナー部材25の開口部を閉塞するアウター部材26とを接続して閉断面に構成され、リヤフレーム12およびクロスメンバ16をL字状断面を有する補強部材17で接続して平面視で三角形状のボックス構造部28で構成したので、リヤフレーム12の断面積を拡大できるだけでなく、後面衝突の衝突荷重をリヤフレーム12からサイドシル11およびクロスメンバ16の両方に効率的に分散することができる。特に平面視で三角形状のボックス構造部28はクロスメンバ16に車幅方向の広い範囲で接続するので、クロスメンバ16に対する荷重分散効果が高められる。【選択図】 図2

Description

本発明は、左右一対のサイドシルの後端から後方に延びる左右一対のリヤフレームと、車幅方向に延びて前記左右のリヤフレーム間に連結するクロスメンバとを備える自動車の車体構造に関する。
自動車の車体後部に前後方向に配置される左右一対のリヤフレームはリヤフロアパネルの下面に接続されて閉断面を構成するため、一般的に上向きに開口するハット状断面を有している。
それに対し、下記特許文献1には、リヤフレームの後部を車幅方向外向きに開放するU字状断面に構成し、それを車幅方向外向きに開放するサイドシルインナーの後部に車幅方向内側から嵌合させて接続することで、側面衝突時におけるサイドシルの回転をリヤフレームにより抑制するものが記載されている。
特許第3518397号公報
しかしながら、上記従来のものは、サイドシルの後部とリヤフレームの前部とを所定距離にわたって重ね合わせる必要があるため重量が増加するだけでなく、後面衝突を受けた場合にリヤフレームの後部で衝突エネルギーを効率よく吸収できないため、左右のリヤフレーム間に搭載した物品を保護できない可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、サイドシルの後端から後方に延びるリヤフレームを備える自動車の車体後部構造において、後面衝突時の衝突エネルギーの吸収効果を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、左右一対のサイドシルの後端から後方に延びる左右一対のリヤフレームと、車幅方向に延びて前記左右のリヤフレーム間に連結するクロスメンバとを備える自動車の車体構造であって、前記リヤフレームは、車幅方向外向きに開口する略U字状断面のインナー部材と、前記インナー部材の開口部を閉塞するアウター部材とを接続して閉断面に構成され、前記リヤフレームおよび前記クロスメンバをL字状断面を有する補強部材で接続して平面視で三角形状のボックス構造部を構成したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記リヤフレームは後方に向かって車幅方向内側に傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の後端から後方に向かって略水平に延びる水平部とからなり、前記リヤフレームのインナー部材の下縁は、前記傾斜部において下向きに延びる接合フランジで前記リヤフレームのアウター部材の下縁に接続され、前記水平部において車幅方向外向きに延びる接合フランジで前記リヤフレームのアウター部材の下縁に接続されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記リヤフレームは前側の傾斜部と後側の水平部との境に屈曲部を備え、前記リヤフレームのアウター部材は前記屈曲部を中心に上下方向中間部に沿って前後方向に延びるビードを備えることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記サイドシルの後部は車幅方向内向きに拡幅する第1拡幅部を備え、前記リヤフレームの傾斜部の前部は車幅方向外向きに拡幅する第2拡幅部を備え、前記第1拡幅部の後端と前記第2拡幅部の前端とは前後方向に直交する方向に突出する接合フランジで接続され、前記第1拡幅部の車幅方向内壁と前記傾斜部の車幅方向内壁とは平面視で直線状に連続することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記リヤフレームはホットスタンプ材製であり、前記サイドシルはハイテン材製であることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記リヤフレームは前側の傾斜部と後側の水平部との境に屈曲部を備え、前記屈曲部はダンパーハウジングおよび上部ガセットを介してリヤピラーに接続することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記補強部材の稜線は、前記リヤフレームの傾斜部および水平部の境の屈曲部と、前記クロスメンバの後部の稜線とを接続することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記リヤフレームは前側の傾斜部と後側の水平部との境に屈曲部を備え、前記屈曲部がダンパーハウジングに接続することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項9に記載された発明によれば、請求項8の構成に加えて、前記ダンパーハウジングは上方が車幅方向内方に傾斜し、前記ダンパーハウジングに収納されるダンパーの軸線は上方が後方に傾斜し、前記ダンパーハウジングのダンパーベースは上部ガセットを介してリヤピラーに接続するとともに、下部ガセットを介して前記リヤフレームの屈曲部に接続する自動車の車体構造が提案される。
また請求項10に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記左右のリヤフレームと前記左右のサイドシルとの接続部の前方において、フロアパネルの下方に搭載したバッテリボックスのクロスメンバと、前記フロアパネルのクロスメンバとが前記左右のサイドシル間に車幅方向に配置され、前記接続部の後方において、前記左右のリヤフレーム間がリヤフロアパネルに設けられた前記クロスメンバで接続されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
なお、実施の形態のリヤクロスメンバ16は本発明の左右のリヤフレーム間を接続するクロスメンバに対応し、実施の形態のバッテリボックスクロスメンバ40は本発明のバッテリボックスのクロスメンバに対応し、実施の形態のフロアクロスメンバ44は本発明のフロアパネルのクロスメンバに対応する。
請求項1の構成によれば、自動車の車体は、左右一対のサイドシルの後端から後方に延びる左右一対のリヤフレームと、車幅方向に延びて前記左右のリヤフレーム間に連結するクロスメンバとを備える。
リヤフレームは、車幅方向外向きに開口する略U字状断面のインナー部材と、インナー部材の開口部を閉塞するアウター部材とを接続して閉断面に構成され、リヤフレームおよびクロスメンバをL字状断面を有する補強部材で接続して平面視で三角形状のボックス構造部を構成したので、リヤフレームが上向きに開口する略U字状断面の部材を備える場合に比べてリヤフレームの断面積を拡大できるだけでなく、リヤフレームおよびクロスメンバの接続部を補強部材で補強することで、後面衝突の衝突荷重をリヤフレームからサイドシルおよびクロスメンバの両方に効率的に分散することができる。特に平面視で三角形状のボックス構造部はクロスメンバに車幅方向の広い範囲で接続するので、クロスメンバに対する荷重分散効果が高められる。
また請求項2の構成によれば、リヤフレームは後方に向かって車幅方向内側に傾斜する傾斜部と、傾斜部の後端から後方に向かって略水平に延びる水平部とからなり、リヤフレームのインナー部材の下縁は、傾斜部において下向きに延びる接合フランジでリヤフレームのアウター部材の下縁に接続され、水平部において車幅方向外向きに延びる接合フランジでリヤフレームのアウター部材の下縁に接続されるので、後面衝突の衝突荷重が入力したときに、水平部は車幅方向外向きに延びる接合フランジにより車幅方向の変形が抑制されるとともに、傾斜部は下向きに延びる接合フランジにより上下方向の変形が抑制される。
また請求項3の構成によれば、リヤフレームは前側の傾斜部と後側の水平部との境に屈曲部を備え、リヤフレームのアウター部材は屈曲部を中心に上下方向中間部に沿って前後方向に延びるビードを備えるので、重量の増加を最小限に抑えながらリヤフレームの強度を高めることができる。
また請求項4の構成によれば、サイドシルの後部は車幅方向内向きに拡幅する第1拡幅部を備え、リヤフレームの傾斜部の前部は車幅方向外向きに拡幅する第2拡幅部を備え、第1拡幅部の後端と第2拡幅部の前端とは前後方向に直交する方向に突出する接合フランジで接続され、第1拡幅部の車幅方向内壁と傾斜部の車幅方向内壁とは平面視で直線状に連続するので、サイドシルおよびリヤフレームを軽量な接合フランジにより接続しながら、後面衝突の衝突荷重をリヤフレームからサイドシルに効率的に伝達して分散させることができる。
また請求項5の構成によれば、リヤフレームはホットスタンプ材製であり、サイドシルはハイテン材製であるので、複雑な形状のリヤフレームを成形性の高いホットスタンプ材で容易に成形することができるだけでなく、後面衝突時に応力が集中するサイドシルをホットスタンプ材よりも強度が低くて延性の高いハイテン材で構成して衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
また請求項6の構成によれば、リヤフレームは前側の傾斜部と後側の水平部との境に屈曲部を備え、屈曲部はダンパーハウジングおよび上部ガセットを介してリヤピラーに接続するので、ダンパーから入力する荷重をダンパーハウジングから上部ガセットを介してリヤピラーに伝達して更に確実に支持することができる。
また請求項7の構成によれば、補強部材の稜線は、リヤフレームの傾斜部および水平部の境の屈曲部と、クロスメンバの後部の稜線とを接続するので、後面衝突の衝突荷重はリヤフレームの屈曲部に応力を集中させることなく、剛性の高い稜線を介してクロスメンバに伝達される。
また請求項8の構成によれば、リヤフレームは前側の傾斜部と後側の水平部との境に屈曲部を備え、屈曲部がダンパーハウジングに接続するので、ダンパーから入力する荷重をダンパーハウジングからリヤフレームの屈曲部に伝達して支持することができる。
また請求項9の構成によれば、ダンパーハウジングは上方が車幅方向内方に傾斜するので大径のタイヤが装着可能になり、ダンパーハウジングに収納されるダンパーの軸線は上方が後方に傾斜するのでリヤシートを後方に配置して着座姿勢を改善することができ、ダンパーハウジングのダンパーベースは上部ガセットを介してリヤピラーに接続するとともに、下部ガセットを介してリヤフレームの屈曲部に接続するので、ダンパーからダンパーベースに入力する荷重をリヤピラーおよびリヤフレームの屈曲部に分散して支持することができる。
また請求項10の構成によれば、左右のリヤフレームと左右のサイドシルとの接続部の前方において、フロアパネルの下方に搭載したバッテリボックスのクロスメンバと、フロアパネルのクロスメンバとが左右のサイドシル間に車幅方向に配置され、接続部の後方において、左右のリヤフレーム間がリヤフロアパネルに設けられたクロスメンバで接続されるので、後面衝突の衝突荷重をリヤフロアパネルのクロスメンバ、フロアパネルのクロスメンバおよびバッテリボックスのクロスメンバで支持し、バッテリボックスに収納したバッテリを保護することができる。
自動車の車体後部の左側面図である。 図1の2方向矢視図である。 図2の3部拡大図である。 図1の4方向矢視図である。 図1の5−5線断面図である。 図3の6−6線断面図である。 図3の7A−7A線および7B−7B線断面図である。 図3の8−8線断面図である。 図3の9方向矢視図である。 リヤフレームの断面積が増加する理由の説明図である。
以下、図1〜図10に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書における前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向は運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1および図2に示すように、電気自動車の車体側部に左右一対のサイドシル11が前後方向に配置されており、左右のサイドシル11の後端から左右一対のリヤフレーム12が後方に延び、左右のリヤフレーム12の後端に衝突エネルギー吸収部材である左右一対のエクステンション13が接続される。リヤフレーム12は前側の傾斜部14と後側の水平部15とからなり、傾斜部14はサイドシル11の後端から後方に向かって車幅方向内方かつ上方に向かって延び、水平部15は傾斜部14の後端から真っ直ぐ後方に延び、エクステンション13は水平部15の後端から真っ直ぐ後方に延びている。左右のリヤフレーム12の傾斜部14間が車幅方向に延びるリヤクロスメンバ16で接続され、リヤクロスメンバ16の後側と傾斜部14の車幅方向内側とが平面視で三角形状の補強部材17で接続されて補強される。リヤフレーム12はホットスタンプ材製であり、サイドシル11はハイテン材製である。
左右のリヤフレーム12間に、走行用の電動モータ等の高圧電気部品を支持する四角枠状のサブフレーム18が搭載される。サブフレーム18は、左右のリヤフレーム12の車幅方向内側に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドフレーム19と、左右のサイドフレーム19の前端間を車幅方向に接続する前部クロスメンバ20と、左右のサイドフレーム19の後端間を車幅方向に接続する後部クロスメンバ21と、前部クロスメンバ20の車幅方向両端から前方かつ車幅方向外方に傾斜して延びる左右一対の取付腕部22とを備え、左右の取付腕部22が左右のリヤフレーム12の傾斜部14の下面に締結され、前部クロスメンバ20の車幅方向両端部が左右の補強部材17の下面に締結され、後部クロスメンバ21の車幅方向両端部が左右のリヤフレーム12の水平部15の下面に締結される。
図3および図8から明らかなように、サイドシル11は、車幅方向外向きに開放するハット状断面のインナー部材23と、車幅方向内向きに開放するハット状断面のアウター部材24とを、それらの接合フランジ23a,24aで接続して中空閉断面に構成される。サイドシル11の後端部には、インナー部材23を車幅方向内向きに斜めに膨出させた第1拡幅部11a(図3参照)が形成される。
一方、図3、図6および図7から明らかなように、リヤフレーム12は車幅方向外向きに開放するハット状断面のインナー部材25と、平板状断面のアウター部材26とを接続して中空閉断面に構成される。リヤフレーム12の上面側では、インナー部材25の接合フランジ25aおよびアウター部材26の接合フランジ26aは上下方向に延びているが(図7(A),(B)参照)、リヤフレーム12の傾斜部14の下面側では、インナー部材25の接合フランジ25bおよびアウター部材26の接合フランジ26bが上下方向に延びているのに対し(図7(A)参照)、リヤフレーム12の水平部15の下面側では、インナー部材25の接合フランジ25cおよびアウター部材26の接合フランジ26cが水平方向に延びている(図7(B)参照)。すなわち、リヤフレーム12の下面側で、傾斜部14の接合フランジ25b,26bと、水平部15の接合フランジ25c,26cとでは、その方向が上下方向から水平方向に切り替わっている。そしてリヤフレーム12の車幅方向内面および車幅方向外面には、その長手方向に沿う補強用のビード25d,26dが形成される。
図3および図6から明らかなように、リヤフレーム12の傾斜部14の前端部には、アウター部材26を車幅方向外向きに膨出させた第2拡幅部12a(図3参照)が形成される。そしてサイドシル11の第1拡幅部11aとリヤフレーム12の第2拡幅部12aとは、上下方向および車幅方向に突出する接合フランジ11b,12bを突き合わせて接続される。この状態で、サイドシル11の第1拡幅部11aおよびリヤフレーム12の傾斜部14の車幅方向内壁は、平面視で後方に向かって車幅方向内方に直線状に傾斜している(図3の太い鎖線参照)。
図3および図7(B)から明らかなように、補強部材17は三角形状の水平壁17aと、矩形状の鉛直壁17bとを有して断面L字状に形成されており、水平壁17aの二つの辺に沿う接合フランジ17c,17dがリヤフレーム12の傾斜部14の下面と、リヤクロスメンバ16の下面とに接続され、鉛直壁17bの接合フランジ17eが左右のリヤフレーム1の上面間を接続するリヤフロアパネル27の下面に接続される。その結果、リヤフレーム12の傾斜部14、リヤクロスメンバ16、補強部材17およびリヤフロアパネル27間にボックス構造部28(図7(A)参照)が構成される。このとき、補強部材17の稜線17fは、リヤフレーム12の傾斜部14および水平部15の境の屈曲部29と、リヤクロスメンバ16の後部の稜線16aとを接続する。
図1および図4から明らかなように、車体後部にはハッチバックドアで開閉される枠状のテールゲートフレーム30が設けられており、閉断面を有して車幅方向に延びるテールゲート下部31の後端よりも、左右のエクステンション13の後端は後方に突出している。左右のリヤフレーム12の上面間を車幅方向に接続するリヤフロアパネル27は、リヤフレーム12の傾斜部14に沿って上方に隆起する上方隆起部27aを備えており、上方隆起部27aの後端がテールゲート下部31の前壁を構成するリヤエンドパネル32に接続される。
このようにして、高圧電気部品を支持するサブフレーム18は、左右のリヤフレーム12と、左右のリヤフレーム12間を接続するリヤクロスメンバ16と、テールゲート下部31とによって前後左右を取り囲まれる。
図3、図4および図9から明らかなように、リヤフレーム12の後端にリヤエンドパネル32を挟んで平板状のエンドプレート33が固定されており、このエンドプレート33の後面にエクステンション13が接続される。左右のエクステンション13間に配置される衝撃吸収部材であるU字状部材34は、車幅方向に延びる衝撃吸収部34aと、衝撃吸収部34aの車幅方向両端部から前方に延びる左右一対の取付部34bとを備えており、インナー部材25の車幅方向内壁25eの後方に位置するエンドプレート33の車幅方向内内部から突出する左右一対のブラケット33aに、U字状部材34の取付部34bが固定される。U字状部材34および左右のエクステンション13はリヤフレーム12よりも低強度の材料で構成されており、それらの後端はテールゲート下部31の後端よりも後方に突出している。
図2および図8に示すように、左右のサイドシル11のインナー部材23間を接続するフロアパネル35の下方に、走行用の電動モータを駆動するためのバッテリボックス36が搭載される。バッテリボックス36は、内部に複数のバッテリモジュール37を収納するケース38と、ケース38の上面開口部を閉塞するカバー39と、ケース38の底壁の上面に固定されて車幅方向に延びる複数のバッテリボックスクロスメンバ40と、ケース38の左右両側壁の外面に固定されて前後方向に延びる左右一対の縦フレーム41と、縦フレーム33から車幅方向外側に張り出す複数の取付ブラケット42とを備え、取付ブラケット42を下から上に貫通する複数本のボルト43で左右のサイドシル11のインナー部材23の下面に取り付けられる。
またバッテリボックス36の上方のフロアパネル35の上面には車幅方向に延びて左右のサイドシル11のインナー部材23間を接続する複数のフロアクロスメンバ44が設けられ、またフロアパネル35の下面には、左右のリヤフレーム12間を車幅方向に接続するリヤクロスメンバ16から前方に向かって延びる左右一対のフロアフレーム45が設けられる。
よって、左右のリヤフレーム12と左右のサイドシル11との接続部の前方では、左右のサイドシル11間にバッテリボックスクロスメンバ40およびフロアクロスメンバ44が車幅方向に配置され、前記接続部の後方では、左右のリヤフレーム12間が車幅方向に延びるリヤクロスメンバ16で接続されることになる。
図3〜図5に示すように、リヤフレーム12の車幅方向外縁から、前後2分割された前部ホイールハウスインナー46および後部ホイールハウスインナー47と、前部ホイールハウスインナー46および後部ホイールハウスインナー47間に挟まれて車幅方向内向きに膨出するダンパーハウジング48とが起立する。ダンパーハウジング48は、図示せぬサスペンションダンパーの車幅方向内面に対向する側壁部49と、側壁部49の天井壁を構成してサスペンションダンパーの上端を支持するダンパーベース50とで構成される。前部ホイールハウスインナー46、ダンパーハウジング48および後部ホイールハウスインナー47の車幅方向外縁にはホイールハウスアウター51の車幅方向内縁が接続され、両者の間には下向きに開放して後輪を収納する空間が区画される。
ホイールハウスアウター51の一部は上方に延びてリヤピラーアウター52を構成し、ダンパーベース50の上面から起立する上部ガセット53がリヤピラーアウター52に接続されることで、中空閉断面のリヤピラー54が構成される。ホイールハウスアウター52およびリヤピラー54の車幅方向外側はリヤサイドパネル55で覆われる。リヤフレーム12の屈曲部29とダンパーベース50の車幅方向内端部とが、側壁部49の車幅方向内面に沿う下部ガセット56で接続される。
このように構成された後輪のホイールハウスは、前後方向視でダンパーハウジング48の側壁部19の上方側が車幅方向内側に傾斜するとともに(ラインL1参照)、側面視でサスペンションダンパー軸線の上方側が後方側に傾斜している(ラインL2参照)。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
車両が後面衝突されると、左右のリヤフレーム12の後端から後方に突出するエクステンション13およびU字状部材34が圧壊し、続いて左右のリヤフレーム12の後端よりも後方に位置するテールゲートフレーム30のテールゲート下部31が圧壊することで衝突エネルギーが吸収される。このときリヤフレーム12よりも低強度のエクステンション13およびU字状部材34は、リヤフレーム12の損傷を回避しながら優先的に圧壊してエネルギー吸収効果を発揮する。そして左右のエクステンション13に挟まれた空間を利用してU字状部材34を配置したことにより、エクステンション13の長さを最小限に抑えながらエネルギー吸収効果を高めることができる。
特に、U字状部材34の左右の取付部34bは、左右のリヤフレーム12のインナー部材25の車幅方向内壁25eの後方に接続されるので、U字状部材34に入力した後面衝突の衝突荷重を、取付部34bからインナー部材25の車幅方向内壁25eの上下の稜線に効率的に伝達することができる。
また左右のリヤフレーム12間に配置されたサブフレーム18には電動モータ等の高圧電気部品が搭載されているが、そのサブフレーム18は左右のリヤフレーム12と、左右のリヤフレーム12間を接続するリヤクロスメンバ16と、テールゲート下部31とに囲まれるので、サブフレーム18に搭載した高圧電気部品を後面衝突の衝撃から保護することができる。しかもサブフレーム18の左右のサイドフレーム19は、左右のリヤフレーム12の車幅方向内側に平行に配置されるので、リヤフレーム12の断面積にサブフレーム18のサイドフレーム19の断面積が付加されることで、後面衝突の衝撃からサブフレーム18の搭載物を一層確実に保護できる。
さらにリヤフレーム12およびサブフレーム19が互いの強度を高めあうので、リヤフレーム12に対するエクステンション13およびU字状部材34の支持剛性を高め、後面衝突時にエクステンション13およびU字状部材34の倒れを防止しながら圧壊を促進してエネルギー吸収量を増加させることができる。
またリヤフレーム12は前後方向中央の屈曲部29を境にして前側の傾斜部14が後側の水平部15に対して傾斜しているので、エクステンション13およびU字状部材34が潰れきった後に、リヤフレーム12の傾斜部14がサイドシル11との接続部を支点にして車幅方向内側に折れ曲がって衝突エネルギーを吸収する。このときリヤフレーム12のインナー部材25は車幅方向外向きに開口するU字状断面を有するので、大きな曲げ強度を発揮してエネルギー吸収量が増加する。そしてサイドシル11の後端およびリヤフレーム12の前端は、接合フランジ11b,12bどうしを突き合わせて接続されるので、リヤフレーム12の前部を前方に延長してサイドシル11の後部に重ね合わせて接続する必要がなくなり、重量の増加を抑えて軽量化することができる。
またリヤフレーム12の傾斜部14は、左右のリヤフレーム12間を接続するリヤクロスメンバ16と、補強部材17と、リヤフロアパネル27とに接続されて平面視で三角形状のボックス構造部28を構成するので、後面衝突の衝突荷重を強度の高いボックス構造部28を介してクロスメンバ16およびリヤフロアパネル27に分散することができる。特にボックス構造部28を構成する補強部材17の三角形状の水平壁17aはリヤフロアパネル27に広い面積で接続するので、リヤフロアパネル27に対する荷重分散が効果的に行われる。
しかも補強部材17の稜線17fは、リヤフレーム12の傾斜部14および水平部15の境の屈曲部29と、リヤクロスメンバ16の後部の稜線16aとを接続するので、後面衝突の衝突荷重はリヤフレーム12の屈曲部29に応力を集中させることなく、剛性の高い稜線17f,16aを介してリヤクロスメンバ16に伝達される。
またリヤフレーム12の傾斜部14では、インナー部材25およびアウター部材26の下縁の接合フランジ25b,26bが下向きに延びているため、後面衝突の衝突荷重が入力したときに、傾斜部14は下向きに延びる接合フランジ25b,26bにより上下方向の変形が効果的に抑制される(図7(A)参照)。一方、リヤフレーム12の水平部15では、インナー部材25およびアウター部材26の下縁の接合フランジ25c,26cが水平方向に延びているため、後面衝突の衝突荷重が入力したときに、水平部15は水平方向に延びる接合フランジ25c,26cにより車幅方向の変形が効果的に抑制される(図7(B)参照)。
本実施の形態のリヤフレーム12は、車幅方向外向きに開口するインナー部材25の開口部をアウター部材26で閉塞して閉断面に構成したので、上向きに開口する部材の開口部を他部材で閉塞した従来のリヤフレームに比べて断面積を増加させることができる。以下、その理由を図10に基づいて説明する。
リヤフレームの車幅方向寸法(横幅)に制限がある場合を考えると、図10(A)に破線で示す従来例のリヤフレームは、接合フランジが車幅方向に突出するため、接合フランジの分だけ中空部の横幅が減少して断面積が減少することになる。一方、図10(A)に実線で示す本実施の形態のリヤフレーム12の傾斜部14は、インナー部材25およびアウター部材26が上向きに突出する接合フランジ25a,26aおよび下向きに突出する接合フランジ25b,26bを備えるため、リヤフレーム12の中空部の横幅を制限幅いっぱいに確保することができ、斜線で示す分だけ従来例よりも断面積が増加する。
図10(B)に実線で示す本実施の形態のリヤフレーム12の水平部15は、そのインナー部材25およびアウター部材26が、比較例と同様に水平方向に突出する接合フランジ25c,26cを備えるために断面積が減少するが、インナー部材25の車幅方向内端に接合フランジを設ける必要がないため、その分だけリヤフレーム12の中空部の横幅を確保することができ、斜線で示す分だけ従来例よりも断面積が増加する。
またリヤフレーム12のインナー部材25およびアウター部材26の上下方向中間部には、屈曲部29から傾斜部14側および水平部15側に向かって延びるビード25d,26dが形成されるので、重量の増加を最小限に抑えながらリヤフレーム12の強度を高めることができる。
またサイドシル11の後部の第1拡幅部11aとリヤフレーム12の傾斜部14の前部の第2拡幅部12aとを接合フランジ11b,12bで接続した状態で、第1拡幅部11aの車幅方向内壁と傾斜部14の車幅方向内壁とは平面視で直線状に連続するので(図3の鎖線L参照)、サイドシル11およびリヤフレーム12を軽量な接合フランジ11b,12bにより接続しながら、後面衝突の衝突荷重をリヤフレーム12からサイドシル11に効率的に伝達して分散させることができる。
特に、リヤフレーム12は成形性の高いホットスタンプ材製であり、サイドシルは延性の高いハイテン材製であるので、複雑な形状のリヤフレーム12を成形性の高いホットスタンプ材で容易に成形することができるだけでなく、後面衝突時に応力が集中するサイドシル11を延性の高いハイテン材で構成して衝突エネルギーを効果的に吸収することができる。
そしてテールゲート下部31の前面を構成するリヤエンドパネル32に、リヤフレーム12の後端と、リヤフロアパネル27の上方隆起部27aの後端とが接続されるので、リヤフロアパネル27の上方隆起部27aの下方に後輪駆動用の電動モータ等の大型部品を搭載する空間を確保することができる。
またリヤフレーム12は、後側の水平部15と前側の傾斜部14との境界の屈曲部29においてダンパーハウジング48に接続するので、ダンパーから入力する荷重をダンパーハウジング48からリヤフレーム12の屈曲部29に伝達して支持することができる。このとき、ダンパーハウジング48は上部ガセット53を介してリヤピラー54に接続するので、ダンパーから入力する荷重をダンパーハウジング48から上部ガセット53を介してリヤピラー54に伝達して更に確実に支持することができる。
また左右のリヤフレーム12と左右のサイドシル11との接続部の前方では、フロアパネル35の下方に搭載したバッテリボックス36の複数のバッテリボックスクロスメンバ40と、フロアパネル35の上面に設けた複数のフロアクロスメンバ44とが左右のサイドシル11間に車幅方向に配置され、接続部の後方では、左右のリヤフレーム12間がリヤフロアパネル27の下面に設けた車幅方向に延びるリヤクロスメンバ16で接続されるので、後面衝突の衝突荷重をリヤクロスメンバ16、フロアクロスメンバ44およびバッテリボックスクロスメンバ40で支持し、バッテリボックス36に収納したバッテリモジュール37を保護することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では電気自動車を例示したが、本発明は電気自動車以外の自動車に対しても適用することができる。
11…サイドシル 11a…第1拡幅部 11b…接合フランジ 12…リヤフレーム 12a…第2拡幅部 12b…接合フランジ 14…傾斜部 15…水平部 16…リヤクロスメンバ(左右のリヤフレーム間を接続するクロスメンバ) 16a…稜線 17…補強部材 17f…稜線 25…インナー部材 25b…接合フランジ 25c…接合フランジ 26…アウター部材 26d…ビード 27…リヤフロアパネル 28…ボックス構造部 29…屈曲部 35…フロアパネル 36…バッテリボックス 40…バッテリボックスクロスメンバ(バッテリボックスのクロスメンバ) 44…フロアクロスメンバ(フロアパネルのクロスメンバ) 48…ダンパーハウジング 50…ダンパーベース 53…上部ガセット 54…リヤピラー 56…下部ガセット

Claims (10)

  1. 左右一対のサイドシル(11)の後端から後方に延びる左右一対のリヤフレーム(12)と、車幅方向に延びて前記左右のリヤフレーム(12)間に連結するクロスメンバ(16)とを備える自動車の車体構造であって、
    前記リヤフレーム(12)は、車幅方向外向きに開口する略U字状断面のインナー部材(25)と、前記インナー部材(25)の開口部を閉塞するアウター部材(26)とを接続して閉断面に構成され、前記リヤフレーム(12)および前記クロスメンバ(16)をL字状断面を有する補強部材(17)で接続して平面視で三角形状のボックス構造部(28)を構成したことを特徴とする自動車の車体構造。
  2. 前記リヤフレーム(12)は後方に向かって車幅方向内側に傾斜する傾斜部(14)と、前記傾斜部(14)の後端から後方に向かって略水平に延びる水平部(15)とからなり、前記リヤフレーム(12)のインナー部材(25)の下縁は、前記傾斜部(14)において下向きに延びる接合フランジ(25b)で前記リヤフレーム(12)のアウター部材(26)の下縁に接続され、前記水平部(15)において車幅方向外向きに延びる接合フランジ(25c)で前記リヤフレーム(12)のアウター部材(26)の下縁に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 前記リヤフレーム(12)は前側の傾斜部(14)と後側の水平部(15)との境に屈曲部(29)を備え、前記リヤフレーム(12)のアウター部材(26)は前記屈曲部(29)を中心に上下方向中間部に沿って前後方向に延びるビード(26d)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  4. 前記サイドシル(11)の後部は車幅方向内向きに拡幅する第1拡幅部(11a)を備え、前記リヤフレーム(12)の傾斜部(14)の前部は車幅方向外向きに拡幅する第2拡幅部(12a)を備え、前記第1拡幅部(11a)の後端と前記第2拡幅部(12a)の前端とは前後方向に直交する方向に突出する接合フランジ(11b,12b)で接続され、前記第1拡幅部(11a)の車幅方向内壁と前記傾斜部(14)の車幅方向内壁とは平面視で直線状に連続することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  5. 前記リヤフレーム(12)はホットスタンプ材製であり、前記サイドシル(11)はハイテン材製であることを特徴とする、請求項11に記載の自動車の車体構造。
  6. 前記リヤフレーム(12)は前側の傾斜部(14)と後側の水平部(15)との境に屈曲部(29)を備え、前記屈曲部(29)はダンパーハウジング(48)および上部ガセット(53)を介してリヤピラー(54)に接続することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  7. 前記補強部材(17)の稜線(17f)は、前記リヤフレーム(12)の傾斜部(14)および水平部(15)の境の屈曲部(29)と、前記クロスメンバ(16)の後部の稜線(16a)とを接続することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  8. 前記リヤフレーム(12)は前側の傾斜部(14)と後側の水平部(15)との境に屈曲部(29)を備え、前記屈曲部(29)がダンパーハウジング(48)に接続することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  9. 前記ダンパーハウジング(48)は上方が車幅方向内方に傾斜し、前記ダンパーハウジング(48)に収納されるダンパーの軸線は上方が後方に傾斜し、前記ダンパーハウジング(48)のダンパーベース(50)は上部ガセット(53)を介してリヤピラー(54)に接続するとともに、下部ガセット(56)を介して前記リヤフレーム(12)の屈曲部(29)に接続することを特徴とする、請求項8に記載の自動車の車体構造。
  10. 前記左右のリヤフレーム(12)と前記左右のサイドシル(11)との接続部の前方において、フロアパネル(35)の下方に搭載したバッテリボックス(36)のクロスメンバ(40)と、前記フロアパネル(35)のクロスメンバ(44)とが前記左右のサイドシル(11)間に車幅方向に配置され、前記接続部の後方において、前記左右のリヤフレーム(12)間がリヤフロアパネル(27)に設けられた前記クロスメンバ(16)で接続されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
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