JP2014125422A - 酸化物焼結体、酸化物焼結体スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくともIn、Ga及びZnを含有する酸化物焼結体であって、InGaZnO4で表されるホモロガス結晶構造を有し、X線回折における入射角(2θ)が、30.3°〜30.9°における回折強度をI1、31.1°〜31.5°における回折強度をI2とした場合、回折強度比I1/I2が0.85以上1.25以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
【選択図】 なし
Description
(1)少なくともIn、Ga及びZnを含有する酸化物焼結体であって、InGaZnO4で表されるホモロガス結晶構造を有し、X線回折における入射角(2θ)が、30.3°〜30.9°における回折強度をI1、31.1°〜31.5°における回折強度をI2とした場合、回折強度比I1/I2が0.85以上1.25以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
(2)酸化物焼結体中の60μm×80μmの範囲に存在する長さ3μm以上の微小クラックの本数が、20本以下であることを特徴とする(1)に記載の酸化物焼結体。
(3)ターゲット面の面積が1302cm2以上である平板形状、または、ターゲット面の面積が486cm2以上である円筒形状であることを特徴とする(1)または(2)に記載の酸化物焼結体。
(4)酸化物焼結体の抗折強度が100MPa以上であることを特徴とする(1)から(3)に記載の酸化物焼結体。
(5)上述の(1)から(4)に記載の酸化物焼結体をターゲット材として用いることを特徴とするスパッタリングターゲット。
(6)スパッタリング成膜したIGZO薄膜中の亜鉛元素の組成変動率が5%未満であることを特徴とする(5)に記載のスパッタリングターゲット。
(7)少なくともIn、Ga及びZnを含有する酸化物焼結体であって、InGaZnO4で表されるホモロガス結晶構造を有する酸化物焼結体の製造法において、各元素の酸化物粉末を湿式媒体ミル処理することによって得られる混合粉末の比表面積が12.0〜15.0m2/gかつ平均粒径が0.35〜0.45μmの範囲であり、混合粉末中の酸化亜鉛の結晶子径が60nm以下である混合粉末を用いることを特徴とする、(1)〜(4)に記載の酸化物焼結体の製造方法。
(8)前記混合粉末において、さらに、300〜750℃の温度領域における体積膨張率が2.1%以下、かつ1000〜1200℃の温度領域における体積膨張率が4.2%以下である混合粉末を用いることを特徴とする、(7)に記載の酸化物焼結体の製造方法。
原料粉末は特に限定されるものではなく、例えば、インジウム、ガリウム、亜鉛の塩化物、硝酸塩、炭酸塩等の金属塩粉末を用いることも可能であるが、取り扱い性を考慮すると酸化物粉末が好ましい。
次に、この粉末を成形する。ここでは一例として乾式粉末を用いた乾式成形について説明する。プレス圧力は用いる粉末の物性によって適宜変更可能であるが、一般的には100〜500kg/cm2である。成形圧力はクラック等の発生がなく、取り扱いが可能な成形体であれば特に限定されるものではない。また、プレス成形後の成形密度をより高める為に冷間静水圧成形(CIP)を行うことが好ましい。CIP圧力も用いる粉末物性によって適宜変更可能であるが、1000〜3500kg/cm2の範囲が一般的である。
続いて焼成工程を行なう。焼成方法は、常圧焼結、加圧焼結など様々な方法が用いる事が可能である。本発明では、InGaZnO4のホモロガス結晶粒子におけるC軸方向への粒成長を抑制する観点から、比較的早い昇温速度で昇温させることが好ましい。具体的には、20〜600℃/時間、好ましくは100〜600℃/時間、より好ましくは200〜600℃/時間、さらに好ましくは300〜600℃/時間である。この為、急速加熱焼成が可能な電磁波焼成炉を用いて焼成を行なうとより効果的である。また、300〜750℃、および1000℃〜1200℃の温度領域を200℃/時間以上の昇温速度で昇温させる場合については、ビーズミル粉砕・混合後の粉末の体積膨張率が300〜750℃の温度領域において1.3%以下、1000℃〜1200℃の温度領域においては2.5%以下である混合粉末を用いることが、大型ターゲットの焼成割れを防止する観点から好ましい。
得られた焼結体は、平面研削盤、円筒研削盤、旋盤、切断機、マシニングセンター等の機械加工機を用いて、板状、円状、円筒状等の所望の形状に研削加工する。さらに、必要に応じて無酸素銅やチタン等からなるバッキングプレート、バッキングチューブにインジウム半田等を用いて接合(ボンディング)することにより、本発明の焼結体をターゲット材としたスパッタリングターゲットを得ることができる。
(1)焼結体の密度
JIS R 1634に準拠して、アルキメデス法により式(1)により算出した焼結体の体積と乾燥重量からかさ密度を算出し、これを理論密度で除することにより相対密度とした。
焼結体体積=(抱水重量−水中重量)/水の密度 (1)
焼結体の理論密度(d)は、焼結体中のIn、Ga、Znを酸化物に換算して、それぞれ酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛としたときに、それぞれの量a(g)、b(g)、c(g)と、それぞれの真密度7.18(g/cm3)、5.95(g/cm3)、5.67(g/cm3)を用いて、(2)式のように相加平均から算出した。
d=(a+b+c)/((a/7.18)+(b/5.95)+(c/5.67)) (2)
(2)オープンポア率
上記アルキメデス法において算出した焼結体体積と、式(3)によって算出したオープンポア体積とから、(4)式により算出した。
オープンポア体積=(抱水重量−乾燥重量)/水の密度 (3)
オープンポア率=
(オープンポア体積/(焼結体体積+オープンポア体積))×100(%) (4)
(3)結晶子径
混合粉末のX線回折パターンを下記条件にて測定し、得られた酸化亜鉛の102ピークを用いて、Scherrerの式から結晶子径を算出した。
走査方法 :ステップスキャン法(FT法)
X線源 :CUKα
パワー :40kV、40mA
ステップ幅 :0.01°
測定範囲 :酸化亜鉛(102ピーク) 46.8°≦2θ≦48.2°
(4)X線回折測定
最表面より0.5mm以上研削した後の任意の10箇所をサンプリングし、鏡面研磨した焼結体試料の2θ=20〜70°の範囲のX線回折パターンを下記条件にて測定し、InGaZnO4の回折パターン(Materials Data Inc. JADE7(ver.7j) File No.00−038−1104参照)と比較した。
走査方法 :ステップスキャン法(FT法)
X線源 :CuKα
パワー :40kV、40mA
ステップ幅 :0.02°
(5)微小クラックの観察
最表面より0.5mm以上研削した後の任意の10箇所をサンプリングする。機械研磨段階でのクラック発生を防止する為、断面イオンミリング法(装置:クロスセクションポリッシャ IB−09020CP 日本電子製)で観察面を作成し、その後観察面に導電性コーティング(オスミウムコート)を施した後、観察を行った。
装置 :FE−SEM(JSM−7600F 日本電子製)
加速電圧 :10kV(倍率:1500倍)
検出器 :反射電子検出器
計測方法 :任意の60μm×80μmの領域内において、長さ3μm以上のクラックの本数をカウントする。クラックの端部が他の1本以上のクラックの端部と繋がっていると認められる場合には、それらを合わせて1本としてカウントする。2本以上のクラックが交差していると認められる場合には、それぞれ独立してカウントする。
(6)抗折強度
最表面より0.5mm以上研削した後の焼結体より下記寸法のサンプルを切り出し、JIS R 1601に準拠して測定した。
試験方法 :3点曲げ試験
支点間距離 :30mm
試料サイズ :3×4×40mm
ヘッド速度 :0.5mm/min
(7)体積膨張率
本発明では昇温時に発生する成形体の体積膨張を体積膨張率として定義する。本発明における体積膨張率とは、以下の手順にて算出される値である。測定用のサンプルには、2000kg/cm2にて冷間静水圧成形(CIP)を行った後の直径が28〜30mm、厚さ6〜8mmの形状のものを使用する。焼成は、一般的な常圧焼成法により、所定の焼成温度Tにて焼成を行う。体積膨張率は焼成前の直径をL0、焼成温度Tにおける焼結体の当該直径Lよりα=(L−L0)/L0×100(%)として算出される。焼成条件は、昇温速度および降温速度を共に100℃/h、温度Tでの保持時間を1時間とし、雰囲気は大気雰囲気にて焼成を行う。焼成温度Tを20℃ステップで変化させ、各焼成温度Tにおける体積膨張率をプロットし、スムージングすることにより、所定の温度域での体積膨張率プロファイルを得る。
(8)平均粒径(D50)
測定装置 :レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−7100)
測定方法 :秤量した原料粉末0.3〜0.5gをヘキサメタリン酸ナトリウム溶液(0.2%)30mlに入れ、超音波分散機にて出力200Wで1分間分散させた後に測定する。
純度99.99%以上の酸化インジウム粉末、酸化ガリウム粉末、酸化亜鉛粉末を、金属元素の原子比換算でIn:Ga:Zn=1:1:1となるように15.0kg秤量した。秤量した粉末を純水10kgにてスラリー化し、ポリアクリレート系分散剤を90g(0.6wt%)入れ、固形分濃度60%のスラリーを作成した。内容積2.5Lのビーズミル装置にφ0.3mmジルコニアビーズを80%充填し、ミル周速7.5m/sec、スラリー供給量2.5L/minにてスラリーをミル内に循環させ、粉砕、混合処理を行った。さらに、スラリー供給タンクの温度を10℃〜12℃、スラリー出口温度を18℃〜20℃の範囲内で温度管理を行い、ミル内への循環回数(パス回数)を増減させることにより、粉末物性の異なる混合粉末を作成した。その後、得られたスラリーを噴霧乾燥した後、体積膨張率測定用のサンプルを作成し、前述記載の方法にて体積膨張率の測定を行った。表1にパス回数別の混合粉末物性を示す。
成形型に条件1の混合粉末をタッピングしながら充填し、2ton/cm2の圧力でCIP処理して平板型成形体を3枚と円筒型成形体を3個得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)3枚と、外径91mm×高さ170mm×厚さ7mm(ターゲット面の面積:486cm2)の円筒型焼結体を3個得た。
(焼成条件)
焼成温度:1375℃
保持時間:30分
昇温速度:300℃〜750℃ 200℃/h
1000℃〜1200℃ 200℃/h
その他の昇温領域 200℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は98.7%であり、焼成割れを目視で観察した結果、平板型の焼結体には割れは認められなかった。円筒型の焼結体においては、3個中1個に僅かなクラックが発生していた。得られた平板型の焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
(スパッタリング条件)
ガス:アルゴン、酸素(10%)
圧力:0.3Pa
電源:DC
投入パワー:500W(5.3W/cm2)
ターゲット回転:5rpm
(薄膜変動の評価方法)
組成変動の経時変化を評価する為、ターゲット使用率0%(初期)から100%(ライフエンド)の間を使用率10%刻みで成膜したIGZO薄膜について、セイコーインスツルメンツ(株)製ICP(誘導結合アルゴンプラズマ)発光分析装置およびパーキンエルマー製ICP質量分析装置を用いて薄膜中のIn:Ga:Zn比を測定した。得られた分析結果の平均値[Zn]ave(mol%)と最大値[Zn]max(mol%)および最小値[Zn]min(mol%)より、下記式(5)より組成変動率を算出した。
組成変動率(%)=([Zn]max−[Zn]min)/[Zn]ave×100(%)
・・・(5)
算出された組成変動率は5%未満であり、有意な薄膜組成変動は認められなかった。
条件2の混合粉末を用い、実施例1と同様の方法で平板型成形体を3枚と円筒型成形体を3個得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)3枚と、外径91mm×高さ170mm×厚さ7mm(ターゲット面の面積:486cm2)の円筒型焼結体を3個得た。
(焼成条件)
焼成温度:1375℃
保持時間:10分
昇温速度:300℃〜750℃ 200℃/h
1000℃〜1200℃ 200℃/h
その他の昇温領域 200℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は98.8%であり、焼成割れを目視で観察した結果、平板型の焼結体には割れは認められなかった。円筒型の焼結体においては、3個中1個に僅かなクラックが発生していた。得られた焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
条件2の混合粉末を用い、実施例1と同様の方法で平板型成形体を3枚と円筒型成形体を3個得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)3枚と、外径91mm×高さ170mm×厚さ7mm(ターゲット面の面積:486cm2)の円筒型焼結体を3個得た。
(焼成条件)
焼成温度:1375℃
保持時間:60分
昇温速度:300℃〜750℃ 200℃/h
1000℃〜1200℃ 200℃/h
その他の昇温領域 200℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は99.1%であり、焼成割れを目視で観察した結果、平板型の焼結体には割れは認められなかった。円筒型の焼結体においては、3個中1個に僅かなクラックが発生していた。得られた焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
条件3の混合粉末を用い、実施例1と同様の方法で平板型成形体を3枚と円筒型成形体を3個得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)3枚と、外径91mm×高さ170mm×厚さ7mm(ターゲット面の面積:486cm2)の円筒型焼結体を3個得た。
(焼成条件)
焼成温度:1375℃
保持時間:30分
昇温速度:300℃〜750℃ 200℃/h
1000℃〜1200℃ 200℃/h
その他の昇温領域 200℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は99.2%であり、焼成割れを目視で観察した結果、平板型の焼結体には割れは認められなかった。円筒型の焼結体においては、3個中1個に僅かなクラックが発生していた。得られた焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
条件4の混合粉末を用い、実施例1と同様の方法で平板型成形体を3枚と円筒型成形体を3個得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)3枚と、外径91mm×高さ170mm×厚さ7mm(ターゲット面の面積:486cm2)の円筒型焼結体を3個得た。
(焼成条件)
焼成温度:1375℃
保持時間:30分
昇温速度:300℃〜750℃ 400℃/h
1000℃〜1200℃ 400℃/h
その他の昇温領域 400℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は99.1%であり、焼成割れを目視で観察した結果、平板型、円筒型焼結体共に割れは認められなかった。得られた焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
条件5の混合粉末を用い、実施例1と同様の方法で平板型成形体を3枚得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)を3枚得た。
(焼成条件)
焼成温度:1375℃
保持時間:30分
昇温速度:300℃〜750℃ 200℃/h
1000℃〜1200℃ 200℃/h
その他の昇温領域 200℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は96.6%であり、焼成割れを目視で観察した結果、3枚中2枚にクラックが発生していた。得られた焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
条件5の混合粉末を用い、実施例1と同様の方法で平板型成形体を3枚と円筒型成形体を3個得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)3枚と、外径91mm×高さ170mm×厚さ7mm(ターゲット面の面積:486cm2)の円筒型焼結体を3個得た。
(焼成条件)
焼成温度:1425℃
保持時間:120分
昇温速度:300℃〜750℃ 200℃/h
1000℃〜1200℃ 200℃/h
その他の昇温領域 200℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は99.0%であり、焼成割れを目視で観察した結果、平板型焼結体においては3枚中2枚に、円筒型焼結体では3個全てにクラックが発生していた。得られた焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
条件6の混合粉末を用い、実施例1と同様の方法で平板型成形体を3枚得た。次にこの成形体を抵抗加熱型の電気炉にセットし、アルミナ製のセッターの上に設置して、下記条件にて焼成し、概寸:縦420mm×横310mm×厚さ6mmの平板型焼結体(ターゲット面の面積:1302cm2)を3枚得た。
(焼成条件)
焼成温度:1425℃
保持時間:120分
昇温速度:300℃〜750℃ 200℃/h
1000℃〜1200℃ 200℃/h
その他の昇温領域 200℃/h
雰囲気 :大気
降温速度:300℃/h(1400℃から400℃の間)
得られた焼結体の相対密度を測定した結果、相対密度の平均は98.3%であり、焼成割れを目視で観察した結果、3枚中1枚にクラックが発生していた。得られた焼結体の内1枚について、微小クラック本数、X線ピーク強度比、オープンポア率、抗折強度を測定した結果を表2に示す。
Claims (8)
- 少なくともIn、Ga及びZnを含有する酸化物焼結体であって、InGaZnO4で表されるホモロガス結晶構造を有し、X線回折における入射角(2θ)が、30.3°〜30.9°における回折強度をI1、31.1°〜31.5°における回折強度をI2とした場合、回折強度比I1/I2が0.85以上1.25以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
- 酸化物焼結体中の60μm×80μmの範囲に存在する長さ3μm以上の微小クラックの本数が、20本以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物焼結体。
- ターゲット面の面積が1302cm2以上である平板形状、または、ターゲット面の面積が486cm2以上である円筒形状であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 酸化物焼結体の抗折強度が100MPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物焼結体をターゲット材として用いることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- スパッタリング成膜したIGZO薄膜中の亜鉛元素の組成変動率が5%未満であることを特徴とする請求項5に記載のスパッタリングターゲット。
- 少なくともIn、Ga及びZnを含有する酸化物焼結体であって、InGaZnO4で表されるホモロガス結晶構造を有する酸化物焼結体の製造方法において、各元素の酸化物粉末を湿式媒体ミル処理することによって得られる混合粉末の比表面積が12.0〜15.0m2/gかつ平均粒径が0.35〜0.45μmの範囲であり、混合粉末中の酸化亜鉛の結晶子径が60nm以下である混合粉末を用いることを特徴とする、請求項1〜4に記載の酸化物焼結体の製造方法。
- 前記混合粉末において、さらに、300〜750℃の温度領域における体積膨張率が2.1%以下、かつ1000〜1200℃の温度領域における体積膨張率が4.2%以下である混合粉末を用いることを特徴とする、請求項7に記載の酸化物焼結体の製造方法。
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