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JP2014116598A - 発光ダイオード封止用組成物、蛍光体シートならびにそれらを用いたledパッケージおよびその製造方法 - Google Patents

発光ダイオード封止用組成物、蛍光体シートならびにそれらを用いたledパッケージおよびその製造方法 Download PDF

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JP2014116598A JP2013235622A JP2013235622A JP2014116598A JP 2014116598 A JP2014116598 A JP 2014116598A JP 2013235622 A JP2013235622 A JP 2013235622A JP 2013235622 A JP2013235622 A JP 2013235622A JP 2014116598 A JP2014116598 A JP 2014116598A
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Kazuki Shigeta
和樹 重田
Yutaka Ishida
豊 石田
Nobuo Matsumura
宣夫 松村
Kazunari Kawamoto
一成 川本
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】微粒子を添加した発光ダイオード封止用組成物を用いたLEDパッケージの輝度を向上すること。
【解決手段】マトリックス樹脂と、蛍光体と、異なる屈折率を持つ複数の微粒子を含む発光ダイオード封止用組成物であって、前記微粒子のうちマトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が1〜30vol%であり、それ以外の微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が0.001〜0.045vol%である発光ダイオード封止用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発光ダイオード封止用組成物、蛍光体シートならびにそれらを用いたLEDパッケージおよびその製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)は、その発光効率の目覚しい向上を背景とし、低い消費電力、高寿命、意匠性などを特長として液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト向けや、特殊照明分野で急激に市場を拡大している。さらに、更なる発光効率の向上により、前述のような環境低負荷を特長として、今後一般照明分野で巨大な市場を形成すると期待されている。
LEDの発光スペクトルは、LEDチップを形成する半導体材料に依存するため、LCDバックライトや一般照明向けの白色光を得るために、LEDチップ上にそれぞれのチップにあう蛍光体を設置している。例えば、青色を発光するLEDチップ上に黄色蛍光体を設置する方法、青色LEDチップ上に赤および緑の蛍光体を設置する方法、さらには紫外線を発するLEDチップ上に赤、緑、青の蛍光体を設置する方法などがある。LEDチップの発光効率やコストの面から、青色LEDチップ上に黄色蛍光体を設置する方法、または赤および緑の蛍光体を設置する方法が、現在最も広く採用されている。
LEDチップ上に蛍光体を設置する方法の一つとして、蛍光体粒子を分散した樹脂組成物をチップ上に膜形成し、その後、透明性が高く、耐熱性、耐光性の良好なシリコーン系の樹脂で封止する方法が行われている。しかしながら、蛍光体粒子が均一に分散した状態を保つことが難しいため、LEDチップ上に蛍光体を塗布する工程で、設置される蛍光体の量に差がでることが多かった。その結果、LEDパッケージ毎の輝度バラツキ、色度バラツキが生じやすかった。
樹脂中の蛍光体粒子の分散性を改善するため、例えば特許文献1、2には、蛍光体の沈降防止を目的に樹脂中にシリコーン微粒子を分散させることが検討されている。特許文献3には、分散剤として平均粒径D50の値が蛍光体の平均粒径D50の1/10以上である酸化ケイ素、酸化アルミニウム、エポキシ系樹脂、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化バリウム、酸化チタンなどが検討されている。
これら微粒子の添加は、蛍光体の沈降防止が目的ではないが、光の散乱制御や、封止用組成物の耐クラック性などの機械特性向上のために用いられることも検討されている。例えば特許文献4には、シリコーン系微粒子を含有し、かつ、400nmの波長における直線光透過率と全光線透過率の比を制御することにより、良好な光取り出し効率を示し、かつ、光拡散効果を制御することが検討されている。特許文献5には、シリコーン微粒子を含有することにより、観察角度による輝度の不均一性を抑えることが検討されている。特許文献6、7には、シリコーン微粒子を必須成分の一つとすることで、成型加工性、透明性、耐熱性、接着性、耐クラック性、耐冷熱衝撃性などを向上することが検討されている。
国際公開第2011/102272号 特開2006−339581号公報 特開2005−064233号公報 特開2010−276855号公報 特開2008−159713号公報 特開2010−095619号公報 特開2006−321832号公報
上記の通りマトリックス樹脂中に、蛍光体、微粒子を含むことによって、蛍光体とマトリックス樹脂との密度差に起因する蛍光体の沈降を抑制することができる。しかしながら、微粒子を添加すると、微粒子を添加しないものと比較して、輝度バラツキや色度バラツキの低減、または機械特性の向上はできるものの、輝度が低下するという課題があった。
さらに詳細な検討の結果、屈折率の近いマトリックス樹脂と微粒子を用いた場合、LEDチップからの視感度の低い青色光が、蛍光体に吸収されずに外部に漏れやすくなるため、輝度が低下する傾向にあることが分かった。一方、屈折率の大きく異なるマトリックス樹脂と微粒子を用いた場合、封止樹脂中での光散乱により蛍光体の再吸収ロスが増加し、輝度が低下する傾向にあることが分かった。
本発明は、上記課題に着目し、微粒子を添加した発光ダイオード封止用組成物を用いたLEDパッケージの輝度を向上することを目的とする。
本発明は、マトリックス樹脂と、蛍光体と、異なる屈折率を持つ複数の微粒子を含む発光ダイオード封止用組成物であって、前記微粒子のうちマトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が1〜30vol%であり、それ以外の微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が0.001〜0.045vol%である発光ダイオード封止用組成物である。
本発明の発光ダイオード封止用組成物は、発光ダイオードの輝度バラツキ、色度バラツキを抑えつつ、輝度を向上させることができる。
実施例1〜5、比較例1〜5で用いた測定装置。 実施例1〜3、比較例1〜3における微粒子2の濃度と照度の増加率の関係を示すグラフである。 実施例4〜5、比較例1、4〜5における微粒子3の濃度と照度の増加率の関係を示すグラフである。 実施例6〜9、比較例1、6、7における微粒子4の濃度と照度の増加率の関係を示すグラフである。 実施例10〜13、比較例1、8、9における微粒子5の濃度と照度の増加率の関係を示すグラフである。 実施例14〜17、比較例1、10、11における封止材2における微粒子5の濃度と照度の増加率の関係を示すグラフである。 実施例18〜23、比較例12〜14における微粒子2の濃度と輝度の増加率の関係を示すグラフである。 実施例24〜29、比較例15〜17における微粒子2の濃度と輝度の増加率の関係を示すグラフである。
本発明は、マトリックス樹脂と、蛍光体と、異なる屈折率を持つ複数の微粒子を含む発光ダイオード封止用組成物であって、前記微粒子のうちマトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が1〜30vol%であり、それ以外の微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が0.001〜0.045vol%である発光ダイオード封止用組成物である。マトリックス樹脂と屈折率が近い微粒子が蛍光体の沈降抑制効果を、マトリックス樹脂と屈折率が大きく異なる微粒子が適度な光散乱効果をそれぞれ担うことによって、発光ダイオードの輝度バラツキ、色度バラツキを抑えつつ、輝度を向上させることができる。
マトリックス樹脂は、封止用組成物中で連続相を形成するものであり、成型加工性、透明性、耐熱性、接着性等に優れる材料であれば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴム、シリコーンゲル等のオルガノポリシロキサン硬化物(架橋物)を含む)、ウレア樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂などの公知のものを用いることができるが、シリコーン樹脂を好適に用いることができる。例えば、付加反応硬化型シリコーン組成物は、常温または50〜200℃の温度で、加熱、硬化し、透明性、耐熱性、接着性に優れる。付加反応硬化型シリコーンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するシリコーンと、ケイ素原子に結合した水素原子を有するシリコーン、触媒量の白金系触媒を含有するものを使用することができる。
蛍光体は、LEDチップから放出される光を吸収し、波長変換を行い、発光素子の光と異なる波長の光を放出するものである。これにより、LEDチップから放出される光の一部と、蛍光体から放出される光の一部とが混合して、白色を含む多色系のLEDを作製することが可能である。具体的には、青色系LEDにLEDからの光によって黄色系の発光色を発光する蛍光物質を光学的に結合させることにより単一のLEDチップで白色系を発光させることができる。また、青色系LEDにLEDからの光によって緑色系と赤色系の発光色を発光する蛍光物質を光学的に結合させても単一のLEDチップを用いて白色系を発光させることができる。上述の蛍光体は公知のものを用いることができる。例として、青色LEDチップに対応する蛍光体として、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、シリケート蛍光体、ナイトライド系蛍光体、オキシナイトライド系蛍光体等が挙げられる。
異なる屈折率を持つ微粒子は、無機微粒子、有機微粒子のいずれも用いることができる。例えば、無機微粒子としては、結晶性または不定形シリカ、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マンガン、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、フッ化バリウム等が挙げられ、これらは単独で用いられても良く、2種類以上併用されても良い。アルミナが、屈折率、入手のし易さという観点から好ましい。マトリックス樹脂との分散性を向上させるため、シランカップリング剤などで表面処理を行っても良い。
また、有機微粒子としては、シリコーン樹脂系微粒子(シリコーンゴム、シリコーンゲル等のオルガノポリシロキサン硬化物(架橋物)を含む)、エポキシ樹脂系微粒子、ウレア樹脂系微粒子、フッ素樹脂系微粒子、ポリカーボネート樹脂系微粒子を単独で用いても良く、2種類以上併用しても良い。シリコーン樹脂系微粒子が、透明性、耐熱性の観点から好ましい。中心部と表層部で材質の異なるコア・シェル型微粒子を用いることもできる。
異なる屈折率を持つ複数の微粒子のうち、マトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が封止用組成物の固形分に占める濃度は1〜30vol%である。この濃度範囲にすることによって、適度な微粒子による構造粘性(チキソトロピー性)が発現し、密度が大きい蛍光体の沈降を抑制することができる。また、マトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子は、封止樹脂中での屈折率差に起因する光散乱を抑制することで蛍光体の再吸収ロスを低減でき、輝度を向上させることができる。1vol%未満だと、蛍光体の沈降抑制効果が得られず、30vol%を超えると増粘などの問題が生じやすい。より好ましくは下限としては5vol%以上であり、上限としては15vol%以下である。
また、それ以外の微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度は0.001〜0.045vol%である。0.001vol%未満だと、光散乱効果が得られず、0.045vol%を超えると、光散乱効果が強すぎるため、蛍光体の吸収ロス等が生じ、輝度が低下する。より好ましくは下限としては0.010以上であり、上限としては0.028vol%以下である。
なお、本発明において固形分とは溶媒を除いた全成分を指す。
本発明の発光ダイオード封止用組成物において、前記マトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子は、マトリックス樹脂の屈折率との差が0.05未満の微粒子(a)であることが好ましい。全ての微粒子の屈折率とマトリックス樹脂の屈折率の差が0.05以上であると、光散乱が強く、微粒子の濃度を増やすことが難しくなることがある。従って、微粒子(a)は、マトリックス樹脂と同じ材料により構成された微粒子であることが好ましい。マトリックス樹脂はシリコーン樹脂が好適であるため、微粒子の少なくとも一種がシリコーン微粒子であることが好ましい。
マトリックス樹脂の屈折率との差が0.05未満の微粒子(a)の、封止用組成物中の固形分に占める濃度は1〜30vol%であることが好ましい。より好ましくは下限としては5vol%以上であり、上限としては15vol%以下である。
一方で、本発明の発光ダイオード封止用組成物は、マトリックス樹脂の屈折率との差が0.06以上の微粒子(b)を含むことが好ましい。全ての微粒子の屈折率とマトリックス樹脂の屈折率の差が0.06未満であると、光散乱が弱く、微粒子の濃度を減らすことが難しくなることがある。より好ましくは0.20以上である。また、光散乱を生じさせることが目的なので、マトリックス樹脂との屈折率の上限に特に制限はないが、好ましくは2.8以下である。従って、微粒子(b)は、マトリックス樹脂と屈折率が異なる材料により構成された微粒子であることが好ましい。すなわち、微粒子の少なくとも一種が無機粒子であることが好ましい。例えば、マトリックス樹脂としてシリコーン樹脂を用いた場合は、入手の容易さという観点から、無機粒子がシリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、フッ化バリウムから選ばれる一種以上であることが好ましい。特にアルミナ等の無機粒子を用いることが好ましい。
マトリックス樹脂の屈折率との差が0.06以上の微粒子(b)の、封止用組成物中の固形分に占める濃度は0.001〜0.045vol%であることが好ましい。より好ましくは下限としては0.010vol%以上であり、上限としては0.028vol%以下である。
微粒子の濃度(vol%)は、封止用組成物の硬化物の断面を走査型電子顕微鏡観察(例えば、(株)日立製高分解能電界放出形走査電子顕微鏡“S4800”)で観察し、面積比から求めることができる。例えば、500μm×500μmの視野内にある微粒子の面積を測定し、視野面積でそれを除し、100を乗じることで、濃度(vol%)を算出することができる。後述の蛍光体シートの場合も、その硬化物について同様に測定することで算出できる。
マトリックス樹脂、微粒子の屈折率とは、25℃におけるナトリウムD線(589.3nm)に対する屈折率である。屈折率の測定は、Abbe屈折率計、Pulfrich屈折率計、液浸型屈折率計、液浸法、最小偏角法などを用いることができる。
微粒子の粒径は、0.01〜10μmの範囲であることが好ましい。粒径は、平均粒径すなわちメジアン径(D50)で表し、マイクロトラック法(日機装(株)製マイクロトラックレーザー回折式粒度分布測定装置による方法)で測定する。すなわち、レーザー回折散乱式粒度分布測定により測定して得られる体積基準粒度分布において、小粒径側からの通過分積算」50%の粒子系をメジアン径(D50)として求める。0.01μmより小さいと、沈降抑制効果が得られにくく、10μmを超えると均一に分散させることが難しい。より好ましくは0.1〜1.0μmである。
以下に、本発明の発光ダイオード封止用組成物について、シリコーン樹脂をマトリックスとした場合を例に説明する。なお、これらの作製は、その他の公知の方法を用いてもよく、後述する方法に限定されない。
マトリックス樹脂となるシリコーン樹脂は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するシリコーン(A)と、ケイ素原子に結合した水素原子を有するシリコーン(B)と、ヒドロシリル化反応触媒(C)として白金系触媒を含む付加反応硬化型シリコーンが好ましい。例えば、東レ・ダウコーニング(株)製封止材“OE6630”、を用いることができる。
(A)と(B)を含む組成物、(A)と(C)を含む混合物、マトリックス樹脂との屈折率差が0.05未満の微粒子としてシリコーン微粒子(D)と、マトリックス樹脂との屈折率差が0.06以上の微粒子としてアルミナ微粒子(E)を所定量混合、分散する。混合、分散には、ホモジナイザー、自公転型攪拌機、3本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル等の攪拌・混練機で均質に混合分散することによって、本発明の発光ダイオード封止用組成物を作製することができる。混合分散後、もしくはその過程で、真空もしくは減圧により脱泡することも好ましい。
このようにして得た発光ダイオード封止用組成物を、LEDチップ上に射出成型、圧縮成型、注型成型、トランスファー成型、コーティング、ディスペンス、印刷、転写した後、硬化させることにより、所望の形状の蛍光体分散体をLEDチップ上に設置することができる。加熱硬化させる場合の硬化条件は、通常40〜250℃で1分〜5時間、好ましくは100℃〜200℃で5分〜2時間である。こうして、本発明の発光ダイオード封止用組成物をもちいたLEDパッケージを作製することができる。
また、本発明の発光ダイオード封止用組成物を直接LEDチップ上に設置するだけでなく、シート状成型物とした後、LEDチップ上に設置することもできる。そのシート状成形物は、マトリックス樹脂と、蛍光体と、異なる屈折率を持つ複数の微粒子を含み、前記微粒子のうちマトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が蛍光体シート中の固形分に占める濃度が1〜30vol%であり、それ以外の微粒子が蛍光体シート中の固形分に占める濃度が0.001〜0.045vol%である。
本発明の発光ダイオード封止用組成物を、予め剥離性を有するフレキシブルな基材(ベース基板)上に塗布、乾燥、硬化もしくは半硬化させた後、LEDチップ上に剥離転写させることによって、さらに必要に応じて追加の加熱、硬化を行うことによって、所望の形状の蛍光体分散体をLEDチップ上に設置することができる。基材(ベース基板)としては、特に制限無く公知の金属、フィルム、ガラス、セラミック、紙等を使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルムなどの他、コーティング処理が施された紙、アルミ箔もしくは板、スチール箔もしくは板、ガラスを使用することができるが、経済性、取り扱い性の面ではPETフィルム、PPSフィルム、PPフィルムが好ましく、シリコーン組成物の硬化に高温を必要とする場合は、耐熱性の面でポリイミドフィルが好ましい。また、蛍光体シートの作製のし易さや蛍光体シートの個片化のし易さからはガラスが好ましく用いられる。
本発明において、基材と、本発明の発光ダイオード封止用組成物を前記基材上に塗布することによって形成されたシート状成型物である蛍光体シートを含有する積層体を蛍光体シート積層体という。
シート状成型物の厚さ(膜厚)としては、5〜1000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、取り扱い性の点から50〜200μmであることがさらに好ましい。また、厚さにバラツキがあると、LEDチップ上の蛍光体量に違いが生じ、結果として発光スペクトルにもバラツキが生じる。従って、厚さのバラツキは、好ましくは±5%、さらに好ましくは±3%である。本発明におけるシートの膜厚は、JIS K7130(1999)プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法における機械的走査による厚さの測定方法A法に基づいて測定される膜厚(平均膜厚)のことをいう。より具体的には、機械的走査による厚さの測定方法A法の測定条件を用いて、市販されている接触式の厚み計などのマイクロメーターを使用して膜厚を測定して、得られた膜厚の最大値あるいは最小値と平均膜厚との差を計算し、この値を平均膜厚で除して100分率であらわした値が膜厚バラツキB(%)となる。
膜厚バラツキB(%)=(最大膜厚ズレ値*−平均膜厚)/平均膜厚×100
*最大膜厚ズレ値は膜厚の最大値または最小値のうち平均膜厚との差が大きい方を選択する。
本発明の蛍光体シートは、マトリックス樹脂の室温(25℃)での貯蔵弾性率と高温(100℃)での貯蔵弾性率を制御し、蛍光体シートの貯蔵弾性率を、25℃で0.1MPa以上、100℃で0.1MPa未満にすることが好ましく、より望ましくは、25℃で0.5MPa以上、100℃で0.05MPa未満にすることが好ましい。
ここで言う貯蔵弾性率とは、動的粘弾性測定を行った場合の貯蔵弾性率である。動的粘弾性とは、材料にある正弦周波数で剪断歪みを加えたときに、定常状態に達した場合に現れる剪断応力を歪みと位相の一致する成分(弾性的成分)と、歪みと位相が90°遅れた成分(粘性的成分)に分解して、材料の動的な力学特性を解析する手法である。ここで剪断歪みに位相が一致する応力成分を剪断歪みで除したものが、貯蔵弾性率G’であり、各温度における動的な歪みに対する材料の変形、追随を表すものであるので、材料の加工性や接着性に密接に関連している。
本発明における蛍光体シートについての場合は、25℃で0.1MPa以上の貯蔵弾性率を有することにより、室温(25℃)での蛍光体シート表面の粘着性もなくハンドリング性が良好となる。また、金型打ち抜きによる孔開け加工や、刃体による切断加工にといった早い剪断応力に対してもシートが周囲の変形無しに孔開け、切断されるので高い寸法精度での加工性が得られる。室温における貯蔵弾性率の上限は本発明の目的のためには特に制限されないが、LEDチップと貼り合わせた後の応力歪みを提言する必要性を考慮すると1GPa以下であることが望ましい。また、100℃において貯蔵弾性率が0.1MPa未満であることによって、60℃〜250℃での加熱貼り付けを行えばLEDチップ表面の形状に対して素早く変形して追従し、高い接着力が得られるものである。100℃において0.1MPa未満の貯蔵弾性率が得られる蛍光体シートであれば、室温から温度を上げて行くに従い貯蔵弾性率が低下し、100℃未満でも貼り付け性は温度上昇と共に良好となるが実用的な接着性を得るためには60℃以上が好適である。またこのような蛍光体シートは100℃を超えて加熱することでさらに貯蔵弾性率の低下が進み、貼り付け性が良好になるが、250℃を超える温度では通常、樹脂の熱膨張、熱収縮や熱分解の問題が発生しやすい。従って好適な加熱貼り付け温度は60℃〜250℃である。100℃における貯蔵弾性率の下限は本発明の目的のためには特に制限されないが、LED素子上への加熱貼り付け時に流動性が高すぎると、貼り付け前に切断や孔開けで加工した形状が保持できなくなるので、0.001MPa以上であることが望ましい。
蛍光体シートとして上記の貯蔵弾性率が得られるのであれば、そこに含まれる樹脂は未硬化または半硬化状態のものであってもよいが、以下の通りシートの取扱性・保存性等を考慮すると、含まれる樹脂は硬化後のものであることが好ましい。樹脂が未硬化、もしくは半硬化状態であると、蛍光体シートの保存中に室温で硬化反応が進み、貯蔵弾性率が適正な範囲から外れる恐れがある。これを防ぐためには樹脂は硬化完了しているかもしくは室温保存で1ヶ月程度の長期間、貯蔵弾性率が変化しない程度に硬化が進行していることが望ましい。
基材(ベース基板)上への蛍光体分散シリコーン組成物の塗布は、リバースロールコーター、ブレードコーター、キスコーター、スリットダイコーター、スクリーン印刷等により行うことができるが、前述のような得られる蛍光体分散シリコーン組成物のシート状成型物の厚さが均一性を得るためにはスリットダイコーターで塗布することが好ましい。
得られたシート状成型物は、LEDチップと同程度の大きさにカットされ、マウンターなどの装置によって、LEDチップ上に設置される。その後、蛍光体を含まない透明シリコーン樹脂で封止する。以下に、LEDチップへの適用例について、詳細に説明する。
本発明の蛍光体シート積層体は、ラテラル、バーティカル、フィリップチップなどの一般的な構造の光半導体素子に貼り付けることで、LEDチップの表面に蛍光体層が積層された積層体を形成できる。本発明の蛍光体シート積層体は、特に発光面積が大きいバーティカル、フリップチップタイプのLEDチップに好適に用いることができる。前記LEDチップを蛍光体層で直接被覆することで、LEDチップからの光を反射などによってロスすることなく、直接波長変換層である蛍光体層へ入射させることができるため、色バラツキが少なく高効率で均一な白色光を得ることができるから好ましい。ここで言う波長変換層とは、LEDチップから放出される光を吸収して波長を変換し、LEDチップの光と異なる波長の光を放出する層を表す。前記の方法で得られた積層体は、金属配線や封止を行ってパッケージ化した後、モジュールに組み込むことで各種照明や液晶バックライト、ヘッドランプをはじめとする様々なLED発光装置に好適に使用することができる。
本発明の蛍光体シート積層体を用いたLEDパッケージの製造方法は、(A)前記蛍光体シートの一の区画を、一のLEDチップの発光面に対向させる位置合わせ工程、および(B)加圧ツールにより加圧して前記シートの前記一の区画と前記一のLEDチップの発光面を接着させる接着工程を少なくとも含むLEDパッケージの製造方法である。さらに、前記(A)の工程が、前記蛍光体シートの一の区画の上面および下面のうち無機粒子の濃度の大きい側の面を前記一のLEDチップの発光面に対向させる位置合わせ工程であるLEDパッケージの製造方法であることが好ましい。
マトリックス樹脂として熱融着樹脂を用いた蛍光体シートを用いることが、容易に接着剤なしでLEDチップに接着させることができるため好ましい。
蛍光体シートは、LEDチップに貼り付ける際、加熱して貼り付ける。加熱温度は、60℃以上250℃以下が望ましく、より望ましくは60℃以上150℃以下である。60℃以上にすることで、室温と貼り付け温度での弾性率差を大きくするための樹脂設計が容易となる。また、250℃以下にすることで、基材および蛍光体シートの熱膨張、熱収縮を小さくすることができるので、貼り付けの精度を高めることができる。特に、蛍光体シートに予め孔開け加工を施して、半導体素子上の所定部分と位置合わせを行う場合などには貼り付けの位置精度は重要である。貼り付けの精度を高めるためには150℃以下で貼り付けることがより好適である。さらに、本発明によるLEDパッケージの信頼性向上のためには、蛍光体シートとLEDチップの間に応力歪みが無いことが好ましい。そのため、貼り付け温度は本発明のLEDパッケージを用いたLED発光装置の動作温度近辺、好ましくは動作温度の±20℃以内にしておくことが好ましい。LED発光装置は、点灯時には80℃〜130℃まで温度が上昇する。よって、動作温度と貼り付け温度を近づける意味でも、貼り付け温度は60℃以上150℃以下が望ましい。従って、100℃で十分に低貯蔵弾性率化するように設計された蛍光体シートの特性が重要である。
蛍光体シートを貼り付ける方法としては、所望の温度で加熱加圧できる装置であれば既存の任意の装置が利用できる。後述するように、蛍光体シートを個片に切断してから、個別のLEDチップに貼り付ける方法と、ダイシング前のLEDチップを作り付けたウェハに一括貼り付けを経て、ウェハのダイシングと蛍光体シートの切断を一括して行う方法があるが、蛍光体シートを個片に分割してから貼り付ける方法の場合は、フリップチップボンダーが利用できる。ウェハレベルのLEDチップに一括して貼り付ける際には、100mm角程度の加熱部分を有する加熱圧着ツールなどで貼り付ける。いずれの場合も、高温で蛍光体シートをLEDチップに熱融着させてから、室温まで放冷し、基材を剥離する。本発明のような温度と弾性率の関係を持たせることで、熱融着後に室温まで放冷却したあとの蛍光体シートはLEDチップに強固に密着しつつ、基材から容易に剥離することが可能となる。
蛍光体シートを切断加工する方法について説明する。蛍光体シートは、LEDチップへの貼り付け前に予め個片に切断し、個別のLEDチップに貼り付ける方法と、ウェハレベルのLEDチップに蛍光体シートを貼り付けてからウェハのダイシングと同時に一括して蛍光体シートを切断する方法がある。貼りつけ前に予め切断する場合には、均一に形成された蛍光体シートを、レーザーによる加工、あるいは刃物による切削によって所定の形状に加工し、分割する。レーザーによる加工は、高エネルギーが付与されるので樹脂の焼け焦げや蛍光体の劣化を回避することが非常に難しく、刃物による切削が望ましい。刃物で切断する上で加工性を向上するために、蛍光体シートの25℃での貯蔵弾性率が0.1MPa以上であることが非常に重要となる。刃物での切削方法としては、単純な刃物を押し込んで切る方法と、回転刃によって切る方法があり、いずれも好適に使用できる。回転刃によって切断する装置としては、ダイサーと呼ばれる半導体基板を個別のチップに切断(ダイシング)するのに用いる装置が好適に利用できる。ダイサーを用いれば、回転刃の厚みや条件設定により、分割ラインの幅を精密に制御できるため、単純な刃物の押し込みにより切断するよりも高い加工精度が得られる。
基材と積層された状態の蛍光体シートを切断する場合には、基材ごと個片化しても良いし、あるいは蛍光体シートは個片化しつつ、基材は切断しなくても構わない。あるいは基材は貫通しない切り込みラインが入る所謂ハーフカットでも良い。そのように個片化した蛍光体シートを、個別のLEDチップ上に加熱融着させる。
また、基材が連続したまま蛍光体シートを個片化した場合には、そのまま一括してダイシング前のウェハレベルのLEDチップに熱融着させても良い。
ダイシング前のウェハレベルのLEDチップに一括して蛍光体シートを熱融着する場合には、貼り付け後にLEDチップウェハのダイシングと共に、蛍光体シートを切断することもできる。ウェハのダイシングは上述のダイサーで行われ、切断するときの回転数や切断速度などの条件設定は半導体ウェハを切断する条件に最適化されるため、蛍光体シートを切断するために最適な条件にすることは難しいが、本発明の通り25℃で高い弾性率を持つ蛍光体シートを用いることによって好適に切断することができる。
上述のいずれの工程を採る場合でも、蛍光体シートを上面に電極があるLEDチップに貼り付ける場合には、電極部分の蛍光体シートを除去するために蛍光体シートの貼り付け前に予めその部分に孔開け加工をしておくことが望ましい。孔開け加工はレーザー加工、金型パンチングなどの公知の方法が好適に使用できるが、レーザー加工は樹脂の焼け焦げや蛍光体の劣化を引き起こすので、金型によるパンチング加工がより望ましい。パンチング加工を実施する場合、蛍光体シートをLEDチップに貼り付けた後ではパンチング加工は不可能であるので、蛍光体シートには貼り付け前にパンチング加工を施すことが必須となる。金型によるパンチング加工は、貼り付けるLEDチップの電極形状などにより任意の形状や大きさの孔を開けることができる。孔の大きさや形状は金型を設計すれば任意のものが形成できるが、1mm角内外のLEDチップ上の電極接合部分は、発光面の面積を小さくしないためには500μm以下であることが望ましく、孔はその大きさに合わせて500μm以下で形成される。また、ワイヤーボンディングなどを行う電極はある程度の大きさが必要であり、少なくとも50μm程度の大きさとなるので、孔はその大きさに合わせて50μm程度である。孔の大きさは電極より大きすぎると、発光面が露出して光漏れが発生し、LEDパッケージの色特性が低下する。また、電極より小さすぎると、ワイヤーボンディング時にワイヤが触れて接合不良を起こす。従って、孔開け加工は50μm以上500μm以下という小さい孔を±10%以内の高精度で加工する必要があり、パンチング加工の精度を向上するためにも、蛍光体シートの25℃での貯蔵弾性率が0.1MPa以上であることが非常に重要となる。
切断加工・孔開け加工を施した蛍光体シートを、LEDチップの所定部分に位置合わせして貼り付ける場合には、光学的な位置合わせ(アラインメント)機構を持つ、貼り付け装置が必要となる。このとき、蛍光体シートとLEDチップを近接させて位置合わせすることは作業的に難しく、実用的には蛍光体シートとLEDチップを軽く接触させた状態で位置合わせを行うことが良く行われる。このとき、蛍光体シートが粘着性を持っていると、LEDチップに接触させて動かすことは非常に困難である。本発明の蛍光体シート積層体であれば、室温で位置合わせを行えば粘着性がないので、蛍光体シートとLEDチップを軽く接触した位置合わせを行うことが容易である。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例および比較例における組成物で用いた原料、各実施例および比較例における評価方法は以下の通りである。
[発光ダイオード封止用組成物]
封止材1(マトリックス樹脂):東レ・ダウコーニング社製“OE6630”(シリコーン樹脂、屈折率:1.53、密度:1.17g/cm)。2液混合タイプのため、A液、B液からなる。
封止材2(マトリックス樹脂):東レ・ダウコーニング社製“OE6336”(シリコーン樹脂、屈折率:1.41、密度:1.03g/cm)。2液混合タイプのため、A液、B液からなる。
微粒子1:シリコーン微粒子(屈折率:1.56、粒径:0.5μm、密度:1.17g/cm)。微粒子1は以下の方法により作製した。2L四つ口丸底フラスコに攪拌機、温度計、還流管、滴下ロートを取り付け、フラスコに界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン“BYK333”を1ppm含む2.5%のアンモニア水2Lを入れ、300rpmで攪拌しつつ、オイルバスにて昇温した。内温50℃に到達したところで滴下ロートからメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの混合物(71/29mol%)200gを30分かけて滴下した。そのままの温度で、さらに60分間攪拌を続けた後、酢酸(試薬特級)約5gを添加、攪拌混合したあと、ろ過を行った。ろ過器上の生成粒子に水600mLを2回、メタノール200mLを1回添加し、ろ過、洗浄を行った。ろ過器上のケークを取り出し、解砕後、10時間かけ凍結乾燥することにより、白色粉末60gを得た。得られた粒子は、平均粒径すなわちメジアン径(D50)0.5μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.56という値が得られた。この粒子断面をTEMで観察した結果、粒子内が単一構造の粒子であることが確認できた。
微粒子2:住友化学(株)社製高純度アルミナ“AKP3000”(屈折率:1.76、粒径:0.5μm、密度:3.95g/cm)。
微粒子3:住友化学(株)社製高純度アルミナ“AKP50”(屈折率:1.76、粒径:0.2μm、密度:3.95g/cm)。
微粒子4:共立マテリアル(株)社製ジルコニア粉末“KZ−0Y−LSF”(屈折率:2.20、粒径:0.2μm、密度:5.90g/cm)。
微粒子5:(株)アドマテックス社製シリカ粉末“SO−E1”(屈折率:1.46、粒径:0.7μm、密度:2.2g/cm
微粒子6:シリコーン微粒子(屈折率:1.42、粒径:0.5μm、密度:1.02g/cm)。微粒子6は、微粒子1の製造方法のメチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランの混合物(71/29mol%)200gの代わりに、メチルメトキシシラン200gを用いたこと以外は、同様にして作製した。得られた粒子は、平均粒径すなわちメジアン径(D50)0.5μmの単分散球状微粒子であった。この微粒子を液浸法により屈折率測定した結果、1.42という値が得られた。この粒子断面をTEMで観察した結果、粒子内が単一構造の粒子であることが確認できた。
蛍光体1:Intematix社製“NYAG−02”(CeドープのYAG系蛍光体、メジアン径(D50):7μm、密度:4.8g/cm)。
蛍光体2:Intematix社製“EY4453”(シリケート系蛍光体、メジアン径(D50):15.5μm、密度:4.48g/cm)。
[各実施例および比較例における評価方法]
<照度評価サンプルの作製>
実施例1〜5、比較例1〜5における照度評価サンプルは以下の要領で作製した。容積300mLのポリエチレン製容器に、表1〜2に示す濃度になるように所定量の封止材(マトリックス樹脂)、微粒子、蛍光体を秤量し、クラボウ社製遊星式攪拌脱泡装置“マゼルスターKK−400”を用い、1,000rpmで10分間攪拌、脱泡した。得られた組成物を、1mm厚、3cm×3cmの金型に流し込み、熱プレスによって温度150℃で20分間成型した。その後、パーフェクトオーブンにて温度150℃で2時間乾燥してシート状サンプルを作製した。
<照度測定>
実施例1〜5、比較例1〜5における照度は以下の要領で評価した。図1に示すようにLED光源1(Prizmatix社製“MS−LED−460”、波長:460nm、出力:>50mW)の上に、LED光源1が覆われるようにカットした拡散シート2((株)オプティカルソリューションズ社製“LSD−60x1PC10−F12”)、直径1mm径の孔があいた黒色金属製の遮光板3、シート状サンプル4、黒色金属製の遮光円筒5、照度計6(コニカミノルタ社製色彩照度計“CL−200A”)の受光部を順におき、シート状サンプル4の照度(lx)を測定した。常に一定距離、一定角度で測定すれば、照度は輝度に比例するため、照度を輝度の指標とすることができる。比較例1に対する照度の増加率を下式により計算し、増加率がプラスであれば輝度向上効果あり(表1、2中でGと表記、特に増加率がプラス2%以上になる効果が顕著なものをEと表記)マイナスであれば輝度向上効果なし(表1、2中でNGと表記)とした。
照度の増加率(%)={(各実施例、比較例の照度)−(比較例1の照度)}/(比較例1の照度)×100。
<実施例1〜3、比較例1〜3(微粒子2の濃度による輝度向上効果)>
上記のように照度評価サンプルの作成と照度測定および照度の増加率の評価を行い、結果を表1、図2に示した。実施例1〜3では、比較例1と比較して、輝度向上効果が得られた。特に実施例2、3でその効果が大きかった。比較例2、3では、輝度は逆に低下した。
Figure 2014116598
<実施例4〜5、比較例1、4〜5(微粒子3の濃度による輝度向上効果)>
上記のように照度評価サンプルの作成と照度測定および照度の増加率の評価を行い、結果を表2、図3に示した。実施例4〜5では、比較例1と比較して、輝度向上効果が得られた。実施例4、5ともにその効果が大きかった。比較例4、5では、輝度は逆に低下した。
Figure 2014116598
<実施例6〜9、比較例1、6、7(微粒子4の濃度による輝度向上効果)>
上記のように照度評価サンプルの作成と照度測定および照度の増加率の評価を行い、結果を表3、図4に示した。実施例6〜9では、比較例1と比較して、輝度向上効果が得られた。比較例6、7では、輝度は逆に低下した。
Figure 2014116598
<実施例10〜13、比較例1、8、9(微粒子5の濃度による輝度向上効果)>
上記のように照度評価サンプルの作成と照度測定および照度の増加率の評価を行い、結果を表4、図5に示した。実施例10〜13では、比較例1と比較して、輝度向上効果が得られた。比較例8、9では、輝度は逆に低下した。
Figure 2014116598
<実施例14〜17、比較例1、10、11(封止材2における微粒子5の輝度向上効果)>
上記のように照度評価サンプルの作成と照度測定および照度の増加率の評価を行い、結果を表5、図6に示した。実施例14〜17では、比較例1と比較して、輝度向上効果が得られた。比較例10、11では、輝度は逆に低下した。
Figure 2014116598
<LEDパッケージの作製と輝度評価>
実施例18〜23、比較例12〜14におけるLEDパッケージは以下の要領で作製した。まず、容積300mLのポリエチレン製容器に、表6に示す濃度になるように所定量の封止材(マトリックス樹脂)、微粒子、蛍光体を秤量し、クラボウ社製遊星式攪拌脱泡装置“マゼルスターKK−400”を用い、1,000rpmで10分間攪拌、脱泡した。得られた組成物を、LEDチップ(昭和電工(株)製“GM2QT450G”、平均波長:453.4nm)が実装されたフレーム(エノモト社製フレーム“TOP LED BASE”)に、ディスペンサー(武蔵野エンジニアリング社製“MPP−1”)を用いて流し込み、80℃で1時間、150℃で2時間キュアすることによって、LEDパッケージを作製した。作製したLEDパッケージを、20mAの電流を流して点灯させ、瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製“MCPD−7700”)を用いて、試験開始直後の輝度を測定し、10個の平均値を輝度とした。比較例12に対する輝度の増加率を下式により計算し、増加率がプラスであれば輝度向上効果あり(表6中でGと表記、特に増加率がプラス2%以上になる効果が顕著なものをEと表記)、マイナスであれば輝度向上効果なし(表6中でNGと表記)とした。
輝度の増加率(%)={(各実施例、比較例の輝度)−(比較例12の輝度)}/(比較例12の輝度)×100。
<実施例18〜23、比較例12〜14(微粒子2の濃度による輝度向上効果)>
上記のようにLEDパッケージの作成と輝度測定および輝度の増加率の評価を行い、結果を表6、図7に示した。実施例18〜23では、比較例12と比較して、輝度向上効果が得られた。特に実施例19〜21でその効果が大きかった。比較例13、14では、輝度は逆に低下した。
Figure 2014116598
<蛍光体シート積層体を用いたLEDパッケージの作製と輝度評価>
スリットダイコーターを用いて実施例6〜11で用いた封止用組成物を、基材としてPET上に塗布し、120℃で1時間加熱、乾燥し、80μm、100mm角の蛍光体シート積層体を得た。基材上にある蛍光体シート積層体を1mm角×10000個に切断すると同時に、基材の切断箇所に対応する部分に溝を刻んだ。切断にはカッティング装置、UHT社製GCUTを用いた。前記切断加工された蛍光体シート積層体は、1mm角のフリップチップタイプ青色LEDチップが実装された基板に対して、LEDチップの発光面に対向させる位置合わせを行い、ダイボンドペースト“EN−4900GC”(日立化成工業株式会社製)を用いてLEDチップの発光表面に加圧ツールにより貼り付けた。100℃のホットプレート上で1分間加熱してダイボンドペーストを硬化させて、LEDパッケージを得た。作製したLEDパッケージを、20mAの電流を流して点灯させ、瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製“MCPD−7700”)を用いて、試験開始直後の輝度を測定し、10個の平均値を輝度とした。比較例15に対する輝度の増加率を下式により計算し、増加率がプラスであれば輝度向上効果あり(表7中でGと表記、特に増加率がプラス2%以上になる効果が顕著なものをEと表記)、マイナスであれば輝度向上効果なし(表7中でNGと表記)とした。
輝度の増加率(%)={(各実施例、比較例の輝度)−(比較例15の輝度)}/(比較例15の輝度)×100。
<実施例24〜29、比較例15〜17(微粒子2の濃度による輝度向上効果)>
上記のように蛍光体シート積層体を用いたLEDパッケージの作成と輝度測定および輝度の増加率の評価を行い、結果を表7、図8に示した。実施例24〜29では、比較例15と比較して、輝度向上効果が得られた。特に実施例24、25でその効果が大きかった。比較例16、17では、輝度は逆に低下した。
Figure 2014116598
1 LED光源
2 拡散シート
3 遮光板
4 シート状サンプル
5 遮光円筒
6 照度計
7 スタンド

Claims (15)

  1. マトリックス樹脂と、蛍光体と、異なる屈折率を持つ複数の微粒子を含む発光ダイオード封止用組成物であって、前記微粒子のうちマトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が1〜30vol%であり、それ以外の微粒子が封止用組成物中の固形分に占める濃度が0.001〜0.045vol%である発光ダイオード封止用組成物。
  2. 前記マトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が、マトリックス樹脂の屈折率との差が0.05未満の微粒子(a)であり、当該微粒子(a)が封止用組成物中の固形分に占める濃度が1〜30vol%である請求項1に記載の発光ダイオード封止用組成物。
  3. 異なる屈折率を持つ複数の微粒子が、少なくともマトリックス樹脂の屈折率との差が0.06以上の微粒子(b)を含み、当該微粒子(b)の封止用組成物中の固形分に占める濃度が0.001〜0.045vol%である請求項1または2に記載の発光ダイオード封止用組成物。
  4. マトリックス樹脂がシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の発光ダイオード封止用組成物。
  5. 微粒子の少なくとも一種がシリコーン微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の発光ダイオード封止用組成物。
  6. 微粒子の少なくとも一種が無機粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の発光ダイオード封止用組成物。
  7. 無機粒子がシリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素から選ばれる一種以上である請求項6に記載の発光ダイオード封止用組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の発光ダイオード封止用組成物をもちいたLEDパッケージ。
  9. マトリックス樹脂と、蛍光体と、異なる屈折率を持つ複数の微粒子を含む蛍光体シートであって、前記微粒子のうちマトリックス樹脂の屈折率と最も近い屈折率を持つ微粒子が蛍光体シート中の固形分に占める濃度が1〜30vol%であり、それ以外の微粒子が蛍光体シート中の固形分に占める濃度が0.001〜0.045vol%である蛍光体シート。
  10. 前記基材がガラスであることを特徴とする請求項9に記載の蛍光体シート。
  11. 前記基材がポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムまたはポリプロピレン(PP)フィルムであることを特徴とする請求項9に記載の蛍光体シート。
  12. 膜厚が5〜1000μmである請求項9〜11のいずれかに記載の蛍光体シート。
  13. 蛍光体シートの25℃での貯蔵弾性率が0.1MPa以上であり、100℃での貯蔵弾性率が0.1MPa未満である請求項9〜12のいずれかに記載の蛍光体シート。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の蛍光体シートを用いたLEDパッケージ。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載の蛍光体シートを用いたLEDパッケージの製造方法であって、(A)前記蛍光体シートの一の区画を、一のLEDチップの発光面に対向させる位置合わせ工程、および(B)加圧ツールにより加圧して前記シートの前記一の区画と前記一のLEDチップの発光面を接着させる接着工程を少なくとも含むLEDパッケージの製造方法。
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