JP2014176245A - 直流電圧変換回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直流電源1と、リアクトル2を介して接続されたスイッチング素子3に並列に接続され、かつダイオード4及び負荷6からなる直列回路と、を備え、直流電源1による入力電圧を、スイッチング素子3の動作により所定の大きさの出力電圧に変換して負荷6に供給する。ダイオード4の両端に接続されたスナバコンデンサ103及びスナバダイオード101からなる直列回路と、スイッチング素子3がオンしている期間に、スナバコンデンサ103を入力電圧または出力電圧よりも低い電圧に充電する充電回路(直流電源104及びダイオード102の直列回路)を備えた点にある。これにより、スナバコンデンサ103の充電損失を最小限にして効率の低下を防止し、寄生インダクタンスAに起因するサージ電圧を抑制してスイッチング素子3を保護する。
【選択図】図1
Description
図7において、直流電源1の正極にはリアクトル2の一端が接続され、リアクトル2の他端と直流電源1の負極との間には、MOSFET等の半導体スイッチング素子3が接続されている。スイッチング素子3の両端(ドレイン電極dとソース電極sとの間)には、ダイオード4とコンデンサ5とが直列に接続され、コンデンサ5の両端には負荷6が接続されている。なお、図7において、Pは直流電圧変換回路の正側端子、Nは負側端子であり、Aは、後述するように回路の配線に起因する寄生インダクタンスである。
スイッチング素子3をオンすると、直流電源1→リアクトル2→スイッチング素子3→直流電源1の経路で電流が流れ、直流電源1の電圧(入力電圧)Viがリアクトル2に加わって入力電流Iinは増加する。スイッチング素子3をオフすると、直流電源1→リアクトル2→ダイオード4→コンデンサ5→直流電源1の経路で電流が流れる。このとき、リアクトル2にはコンデンサ5の電圧(出力電圧)Voと入力電圧Viとの差電圧が印加されるが、後述するように、VoはViより高く保たれているので、Iinは減少する。
また、スイッチング素子3がオンする時間比率を増加させれば、入力電流Iin、更には入力電力(Vi×Iin)を理論上、無制限に増加させることができる。このため、出力電圧Voを入力電圧Viよりも高い範囲で任意の値に制御することができ、スイッチング素子3をオンさせる時間比率が0、つまりスイッチング素子3が全くオンしない場合には、出力電圧Voがほぼ入力電圧Viと等しくなる。
図8において、スイッチング素子3が時刻t0でターンオフを開始すると、スイッチング素子3のインピーダンスが上昇し、それにつれてドレイン−ソース間電圧Vdsが上昇する。電圧Vdsが時刻t1で出力電圧Voを超えると図7のダイオード4が導通し、スイッチング素子3→ダイオード4→寄生インダクタンスA→コンデンサ5→スイッチング素子3の経路で電流iが流れ始める。
[数1]
ΔV=L・(di/dt)
ここで、Lは寄生インダクタンスAのインダクタンス値である。
サージ電圧ΔVが大きいとスイッチング素子3の耐圧を超えてしまい、スイッチング素子3が破損する危険がある。このため、従来では、配線長などの回路構成を工夫して寄生インダクタンスAのインダクタンス値Lを極力小さくする、等の対策が採られている。
図9において、スイッチング素子3がオンしている期間に、スナバコンデンサ7は、その電圧Vcが出力電圧Voと概ね等しくなるように充電されている。
スイッチング素子3が時刻t0でターンオフを開始し、ドレイン−ソース間電圧Vdsが0[V]より僅かでも大きくなると、P−N間電圧VPN(=Vds+Vc)がVoを超え、リアクトル2→コンデンサ7→寄生インダクタンスA→コンデンサ5の経路で電流が流れ始める。つまり、VdsがVoを超える以前に転流が始まる。
図9に示す回路でもサージ電圧ΔVが発生するのは図7と同等であるが、図9ではVds=Vo+ΔV−Vcであるため、図10と図8との比較から明らかなように、Vdsのピーク値は図10の方が小さくなる。
図9,図10と同様の原理によってVdsを抑制し、スイッチング素子を保護する技術は、例えば特許文献1に記載されている。
[数2]
Ps=(1/2)CVo 2・f
従って、スイッチング周波数fを高くし、すなわち、直流電圧変換回路を高周波で動作させる場合には、上記の損失電力Psが大きくなり、装置全体の効率の低下を招くという問題があった。
そして、本発明では、前記整流素子の両端に接続され、かつ第1のスナバコンデンサ及び第1のスナバダイオードからなる直列回路と、前記スイッチング素子がオンしている期間に前記スナバコンデンサを前記入力電圧または前記出力電圧よりも低い電圧に充電する充電回路と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項4に記載するように、請求項1におけるリアクトルとして複数のリアクトルの直列回路を備え、これらのリアクトル同士の接続点の一つと、第1のスナバコンデンサと第1のスナバダイオードとの接続点とを、ダイオードを介して接続することにより、第1のスナバコンデンサに対する充電回路を構成しても良い。
なお、請求項7に記載するように、請求項6における第1のスナバコンデンサの充電回路は、請求項2と同様に第2の直流電源とダイオードとの直列回路によって構成すれば良い。
更に、請求項8に記載するように、請求項7に記載した直流電圧変換回路において、第1の半導体スイッチング素子に並列に、第2のスナバコンデンサと第2のスナバダイオードとの直列回路を接続し、第2のスナバコンデンサと第2のスナバダイオードとの接続点と負荷の一端との間に、第2のスナバコンデンサの充電回路として、第3の直流電源とダイオードとの直列回路を接続しても良い。
図1は、本発明の第1実施形態を示す回路図であり、図7,図9における各素子と同一の素子については同一の番号を付してある。この第1実施形態も、前記同様に、半導体スイッチング素子3のスイッチング動作によって入力電圧Viを昇圧した出力電圧Voを負荷6に供給する昇圧チョッパを構成している。
スイッチング素子3がオンしているとき、直流電源104→ダイオード102→スナバコンデンサ103→スイッチング素子3→直流電源104の経路で電流が流れるので、スナバコンデンサ103は、その電圧Vcが直流電源104の電圧に等しくなるように充電される。ここで、例えば第1の直流電源1による入力電圧Viを200[V]、出力電圧Voを400[V]、第2の直流電源104の電圧を100[V]に設定するものとする。
スイッチング素子3が時刻t0でターンオフを開始し、スイッチング素子3のインピーダンスが上昇すると、スイッチング素子3のドレイン−ソース間電圧Vdsが上昇を始める。しかしながら、この実施形態では、図9と異なって(Vds+Vc)の値がVo(=400[V])を超えるまで、すなわち、Vdsが(Vo−Vc)=300[V]を超えるまではスナバダイオード101及びスナバコンデンサ103には電流が流れない。なお、前述したようにVcは直流電圧源104の電圧に等しいため、100[V]である。
つまり、スナバダイオード101及びスナバコンデンサ103からなるスナバ回路は、サージ電圧ΔVが発生するタイミング付近でのみ動作し、それ以前の期間では不要な放電を行わない。このため、スナバコンデンサ103の充電電圧Vcが低い場合にもサージ電圧ΔVを効果的に抑制することができる。
これに対し、図3の回路によれば、ダイオード102、リアクトル105及びスイッチング素子3において若干の損失が発生するものの、その値は(1/2)CVc 2よりも小さくなり、理想的には0に近づけることが可能である。なお、図3の回路では、スイッチング素子3がオンした際にスナバコンデンサ103とリアクトル105とがLC共振を起こし、スナバコンデンサ103の電圧Vcは結果として直流電源104の電圧の約2倍に充電される。このため、直流電源104の電圧を図1の1/2(コンデンサ103を100[V]に充電したい場合には、直流電源104の電圧を50[V])に設定することが望ましい。
すなわち、図4に示すごとく、第1の直流電源1とは反対側の第1のリアクトル2の一端とダイオード4のアノードとの間に第2のリアクトル106を接続し、リアクトル2,106同士の接続点と、スナバダイオード101のアノードとの間にダイオード102を図示の極性で接続する。
この実施形態は、リアクトル2に補助巻線2aを設け、リアクトル2の変圧器動作により補助巻線2aから入力電圧Viより低い電圧を発生させてダイオード102を介しスナバコンデンサ103を充電するものである。この場合、リアクトル2と補助巻線2aとの間の漏れインダクタンスと、スナバコンデンサ103とによる直列回路がLC共振を起こすことにより、スナバコンデンサ103の電圧がリアクトル2と補助巻線2aとの巻数比による起電力よりも高くなるため、これを考慮してリアクトル2と補助巻線2aとの巻線比を設定する必要がある。
なお、直流電源1の電圧Viが出力電圧Voに比べて常に十分低い場合(昇圧チョッパとしての昇圧比が高い場合)には、第1の直流電源1自体を図1または図3における第2の直流電源104として利用可能なことは言うまでもない。
この実施形態では、図1におけるダイオード4をMOSFET等の第2の半導体スイッチング素子4aの整流機能によって置き換えている。更に、第1の半導体スイッチング素子3のドレイン電極dとソース電極sとの間に第2のスナバコンデンサ203と第2のスナバダイオード201とを直列に接続し、スナバコンデンサ203とスナバダイオード201との接続点と正側端子Pとの間に、ダイオード202と第3の直流電源204とを直列に接続する。
図6では、上記のサージ電圧ΔVを抑制するスナバ回路として、スナバダイオード201とスナバコンデンサ203との直列回路を設け、スナバコンデンサ203の充電回路としてダイオード202と第3の直流電源204との直列回路を設けている。
2:リアクトル
2a:補助巻線
3,4a:半導体スイッチング素子
4:ダイオード
5:コンデンサ
6:負荷
101:スナバダイオード
102:ダイオード
103:スナバコンデンサ
104:直流電源
105,106:リアクトル
201:スナバダイオード
202:ダイオード
203:スナバコンデンサ
204:直流電源
A:寄生インダクタンス
Claims (8)
- 第1の直流電源と、第1の直流電源の両端にリアクトルを介して接続された第1の半導体スイッチング素子と、前記スイッチング素子に並列に接続され、かつ整流素子及び負荷からなる直列回路と、を備え、
前記直流電源から供給される入力電圧を、前記スイッチング素子のスイッチング動作により所定の大きさの出力電圧に変換して前記負荷に供給する直流電圧変換回路において、
前記整流素子の両端に接続され、かつ第1のスナバコンデンサ及び第1のスナバダイオードからなる直列回路と、
前記スイッチング素子がオンしている期間に、第1のスナバコンデンサを前記入力電圧または前記出力電圧よりも低い電圧に充電する充電回路と、
を備えたことを特徴とする直流電圧変換回路。 - 請求項1に記載した直流電圧変換回路において、
前記充電回路を、第2の直流電源とダイオードとの直列回路により構成したことを特徴とする直流電圧変換回路。 - 請求項1に記載した直流電圧変換回路において、
前記充電回路を、第2の直流電源とリアクトルとダイオードとの直列回路により構成したことを特徴とする直流電圧変換回路。 - 請求項1に記載した直流電圧変換回路において、
前記リアクトルとして、直列接続された複数のリアクトルを備え、これらのリアクトル同士の接続点の一つと、第1のスナバコンデンサと第1のスナバダイオードとの接続点とをダイオードを介して接続することにより、前記充電回路を構成したことを特徴とする直流電圧変換回路。 - 請求項1に記載した直流電圧変換回路において、
前記リアクトルに補助巻線を設け、この補助巻線の一端と、第1のスナバコンデンサと第1のスナバダイオードとの接続点とをダイオードを介して接続することにより、前記充電回路を構成したことを特徴とする直流電圧変換回路。 - 請求項1に記載した直流電圧変換回路において、
前記整流素子に代えて、第1の半導体スイッチング素子に対して直列に接続される第2の半導体スイッチング素子を設け、第2の半導体スイッチング素子が有する整流機能によって前記整流素子を置き換えたことを特徴とする直流電圧変換回路。 - 請求項6に記載した直流電圧変換回路において、
前記充電回路を、第2の直流電源とダイオードとの直列回路により構成したことを特徴とする直流電圧変換回路。 - 請求項7に記載した直流電圧変換回路において、
第1の半導体スイッチング素子に並列に、第2のスナバコンデンサと第2のスナバダイオードとの直列回路を接続し、第2のスナバコンデンサと第2のスナバダイオードとの接続点と前記負荷の一端との間に、第2のスナバコンデンサの充電回路として、第3の直流電源とダイオードとの直列回路を接続したことを特徴とする直流電圧変換回路。
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