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JP2014175055A - 二次電池用多孔膜、二次電池多孔膜用スラリー、及び二次電池用多孔膜の製造方法、並びに二次電池用電極、二次電池用セパレータ、及び二次電池 - Google Patents

二次電池用多孔膜、二次電池多孔膜用スラリー、及び二次電池用多孔膜の製造方法、並びに二次電池用電極、二次電池用セパレータ、及び二次電池 Download PDF

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JP2014175055A
JP2014175055A JP2013043634A JP2013043634A JP2014175055A JP 2014175055 A JP2014175055 A JP 2014175055A JP 2013043634 A JP2013043634 A JP 2013043634A JP 2013043634 A JP2013043634 A JP 2013043634A JP 2014175055 A JP2014175055 A JP 2014175055A
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secondary battery
porous film
porous membrane
separator
binder
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Application number
JP2013043634A
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English (en)
Inventor
Yuki Okubo
雄輝 大久保
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】熱収縮率が小さくて耐熱収縮性に優れる二次電池用多孔膜であって、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性などの電池性能を向上することが可能な二次電池用多孔膜を提供する。
【解決手段】非導電性粒子、水溶性高分子およびバインダーを含み、非導電性粒子が有機微粒子であり、バインダーが、フッ素系重合体、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体を含有する二次電池用多孔膜である。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池用多孔膜、二次電池多孔膜用スラリー、及び二次電池用多孔膜の製造方法、並びにかかる二次電池用多孔膜を用いた二次電池用電極、二次電池用セパレータ、及び二次電池に関するものである。
二次電池、なかでもリチウムイオン二次電池は、小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能という特性があり、幅広い用途に使用されている。リチウムイオン二次電池には、一般に正極と負極との間の短絡を防ぐためにセパレータが用いられている。通常のセパレータは、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の材料からなり、200℃以下で溶融する物性を有している。そのため、電池が高温になる場合には、セパレータは収縮や溶融などの体積変化を起こす虞がある。かかる現象は、正極及び負極の短絡、電気エネルギーの放出などを招く虞がある。
したがって、セパレータや、電極(正極及び負極)上に、これらの耐熱性や強度を向上させることができる多孔膜を設けることが提案されてきた。このような多孔膜には、有機微粒子や無機微粒子などの非導電性粒子をバインダーで結着して形成したものがある。ここで、非導電性粒子のなかでも、有機微粒子は、無機微粒子に比べ、多孔膜に水分及び金属イオンを混入させて電池性能に悪影響を及ぼすおそれが低いため、電池性能の観点からして、多孔膜への使用に適している。
しかし、有機微粒子を含有する多孔膜は、強度が低く、高温の使用環境下での電池の短絡を防止する性能が低いという問題があった。また、有機微粒子を含有する多孔膜は、膜厚の分布及び強度の分布を均一にすることが難しいため、部分的な割れが生じやすく、また、二次電池の製造時に多孔膜を裁断及び湾曲させる際に粉落ち(多孔膜からの微小な粉体の脱落)が生じやすかった。そして、粉落ち等が生じると、例えばサイクル特性などの二次電池の性能が低下するという問題があった。
そこで、従来、有機微粒子を含有する多孔膜について、高温環境下での電池の短絡を防止する性能を高めると共に、膜厚及び強度の分布を均一化する技術が提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、二次電池用多孔膜に含まれる有機微粒子の形状係数、当該形状係数の変動係数、及び粒径を所定範囲内とすることで、高温での短絡の可能性が低く、膜厚及び強度の分布が均一である二次電池用多孔膜が得られる。
国際公開第2012/020737号
しかし、近年では、二次電池の更なる高性能化が求められている。具体的には、有機微粒子を含有する多孔膜を用いた二次電池において、多孔膜の熱収縮率を低減し(即ち、耐熱収縮性を高め)、高温環境下での電池の短絡の発生を更に抑制して二次電池の安全性を高めることが求められている。また、レート特性などの電池性能を更に高めることも求められている。
かかる点に鑑み、本発明は、熱収縮率が小さくて耐熱収縮性に優れる二次電池用多孔膜であって、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性などの電池性能を向上することが可能な二次電池用多孔膜を提供することを目的とする。また、本発明はかかる二次電池用多孔膜を提供する二次電池多孔膜用スラリー及び二次電池用多孔膜の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、かかる二次電池用多孔膜を有する二次電池用電極、二次電池用セパレータ、及び二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、二次電池用多孔膜の製造に用いるバインダーとして、フッ素系重合体と、所定のアクリル重合体とを含むバインダーを用いることにより、二次電池用多孔膜中において非導電性粒子やバインダーなどの含有成分を均一に分散させ、均質な多孔質膜を得ることができることを見出した。更に、本発明者は、フッ素系重合体と、所定のアクリル重合体とを含むバインダーを用いた二次電池用多孔膜は、熱収縮率が小さく、また、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性を向上させ得ることを確認して、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池用多孔膜は、非導電性粒子、水溶性高分子およびバインダーを含み、前記非導電性粒子が有機微粒子であり、前記バインダーが、フッ素系重合体、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体を含有することを特徴とする。このように、非導電性粒子として有機微粒子を用いた二次電池用多孔膜において、フッ素系重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体とを含有するバインダーを用いることにより、二次電池用多孔膜の耐熱収縮性を向上させると共に、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性を向上させることができる。
ここで、本発明の二次電池用多孔膜は、前記アクリル重合体が、酸性官能基を有することが好ましい。アクリル重合体が、酸性官能基を有することで、多孔膜の基材に対する密着性及びバインダーとしての結着力の向上効果が見込めるからである。
なお、本発明の二次電池用多孔膜は、前記酸性官能基が、カルボン酸基及びスルホン酸基から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。アクリル重合体がカルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する場合、多孔膜の基材に対する密着性及びバインダーとしての結着力を更に向上させることができるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池多孔膜用スラリーは、非導電性粒子、水溶性高分子、バインダー及び水を含み、前記非導電性粒子が、有機微粒子であり、前記バインダーが、フッ素系重合体、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体を含有することを特徴とする。このような、非導電性粒子として有機微粒子を含み、かつ、バインダーとしてフッ素系重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体とを含む多孔膜用スラリーを用いれば、耐熱収縮性が高く、また、二次電池の製造に用いた際に二次電池のレート特性を向上することができる二次電池用多孔膜を形成することができる。
ここで、本発明の二次電池多孔膜用スラリーは、前記アクリル重合体が、酸性官能基を有することが好ましい。アクリル重合体が、酸性官能基を有することで、バインダーとしての結着力を向上させることができると共に、多孔膜用スラリーを基材に塗布し、乾燥して得た二次電池用多孔膜の基材に対する密着性を向上させることができるからである。
なお、本発明の二次電池多孔膜用スラリーは、前記酸性官能基が、カルボン酸基及びスルホン酸基から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。アクリル重合体がカルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する場合、バインダーとしての結着力を更に向上させることができると共に、多孔膜用スラリーを基材に塗布し、乾燥して得た二次電池用多孔膜の基材に対する密着性を更に向上させることができるからである。
更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池用多孔膜の製造方法は、上述した二次電池多孔膜用スラリーの何れかを基材上に塗布してスラリー層を形成する工程と、前記スラリー層を乾燥する工程とを含むことを特徴とする。上述したような二次電池多孔膜用スラリーを基材上に塗布し、乾燥して二次電池用多孔膜を製造することで、耐熱収縮性が高く、また、二次電池の製造に用いた際に二次電池のレート特性を向上することができる二次電池用多孔膜が得られる。
更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池用電極は、集電体と、前記集電体に付着し、電極合剤層用結着剤及び電極活物質を含む電極合剤層と、前記電極合剤層の表面に形成された、上述の二次電池用多孔膜のいずれかとを備えることを特徴とする。二次電池用電極が上述のような二次電池用多孔膜を有することにより、当該二次電池用電極を備える二次電池の安全性およびレート特性を向上させることができる。
更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池用セパレータは、有機セパレータと、前記有機セパレータの表面に形成された、上述の二次電池用多孔膜の何れかとを備えることを特徴とする。二次電池用セパレータが上述のような二次電池用多孔膜を有することにより、当該二次電池用セパレータを備える二次電池の安全性およびレート特性を向上させることができる。
更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の二次電池は、正極、負極、セパレータ及び電解液を含む二次電池であって、前記正極、負極及びセパレータの少なくともいずれかが、上述の二次電池用多孔膜の何れかを有することを特徴とする。二次電池の正極、負極及びセパレータの少なくともいずれかが上述のような二次電池用多孔膜を有することにより、二次電池の安全性およびレート特性を向上させることができる。
本発明によれば、二次電池用多孔膜において、熱収縮率を低減すると共に、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性を向上することが可能な、二次電池用多孔膜を提供することができる。また、本発明によれば、かかる二次電池用多孔膜を提供する二次電池多孔膜用スラリー及び二次電池用多孔膜の製造方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、かかる二次電池用多孔膜を有する二次電池用電極、二次電池用セパレータ、及び二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の二次電池多孔膜用スラリーは、二次電池用の多孔膜を形成する際に用いられる。そして、本発明の二次電池用多孔膜の製造方法は、本発明の二次電池多孔膜用スラリーを調製し、当該二次電池多孔膜用スラリーから二次電池用多孔膜を製造する際に用いることができる。
また、本発明の二次電池用電極、二次電池用セパレータ、及び二次電池は、本発明の二次電池用多孔膜を用いたことを特徴とする。
(二次電池多孔膜)
本発明の二次電池用多孔膜は、非導電性粒子、水溶性高分子およびバインダーを含む二次電池用多孔膜であって、非導電性粒子が有機微粒子であり、バインダーが、フッ素系重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体とを含有することを特徴とする。
そして、本発明の二次電池用多孔膜は、非導電性粒子として有機微粒子を使用し、かつ、バインダーとしてフッ素系重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体とを併用しているので、多孔膜の均一性が高い。また、耐熱収縮性に優れていると共に、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性を向上させることができる。
<非導電性粒子>
非導電性粒子としては、たとえば、リチウムイオン二次電池などの二次電池の使用環境下で安定に存在し、かつ、電気化学的にも安定な既知の有機微粒子を用いることができる。
ここで、非導電性粒子として有機微粒子を用いた場合には、無機微粒子を用いた場合と比較して、金属イオンの混入を抑制して電池性能の低下を抑制することができる。また、有機微粒子は、無機微粒子と比較して通常は比重が小さく、多孔膜の形成に用いる二次電池多孔膜用スラリー中での分散性に優れているので、多孔膜用スラリーを用いて形成した多孔膜中でも均一に分散する。
有機微粒子としては、各種高分子からなる粒子等を用いることができるが、ビニル基を有する重合性単量体を用いて合成した重合体を用いることが好ましい。
ビニル基を有する重合性単量体としては、特に限定されることなく、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン又はその誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸又はそのエステル誘導体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類等の単官能性単量体の他、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体が挙げられる。これらのなかでも、耐熱性向上の観点からは、ビニル基を有する重合性単量体としては、ジビニルベンゼンおよびエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。これらの重合性単量体は、単独で用いられてもよく、二種以上併用されてもよい。
なお、本願において、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
なお、有機微粒子を構成する重合体は、ビニル基を有する重合性単量体以外の単量体を有していてもよい。
ビニル基を有する重合性単量体以外の単量体としては、ビニル基を有する重合性単量体と共重合可能な任意の単量体を用いることができる。具体的には、ビニル基を有する重合性単量体以外の単量体としては、カルボキシル基を含有する単量体、スルホン酸基を含有する単量体、水酸基を含有する単量体、アミド基を含有する単量体、カチオン性単量体、シアノ基を含有する単量体、エポキシ基を含有する単量体及びこれらの塩などの極性基含有単量体が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いられてもよく、二種以上併用されてもよい
ここで、有機微粒子を構成する重合体中のビニル基を有する重合性単量体単位の含有割合は、65〜100質量%であることが好ましい。ビニル基を有する重合性単量体単位の含有割合を65質量%以上とすることで、有機微粒子を含有する多孔膜の耐熱性を高めることができる。
<非導電性粒子の製造方法>
本発明の二次電池用多孔膜に含まれる、非導電性粒子としての有機微粒子は、上述した単量体または単量体の混合物(以下、「単量体組成物」と称することがある)を、分散重合、乳化重合、及びマイクロサスペンション重合などの公知の重合方法により重合して得ることができる。中でも、重合方法としては、分散重合及び乳化重合が好ましく、分散重合が特に好ましい。これらの重合方法を用いることにより、均一で、かつ、多孔膜の調製に用いる二次電池多孔膜用スラリー中での分散性が良好な有機微粒子を形成でき、当該有機微粒子を含む二次電気用多孔膜の均一性を高めることができる。
ここで、単量体組成物の重合に用い得る媒体としては、水、有機溶媒、及びこれらの混合物を挙げることができる。有機溶媒としては、ラジカル重合に不活性でかつ単量体の重合を阻害しないものを用いうる。有機溶媒の具体的としては、メタノール、エタノール、プロパノール、シクロヘキサノール、オクタノールなどのアルコール類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル類、シクロヘキサノンなどのケトン類、ポリビニルピロリドン及びこれらの混合物が挙げられる。
また、重合の反応系には、単量体組成物及び媒体の他に、任意成分を加えることができる。具体的には、重合開始剤、懸濁保護剤、界面活性剤等の成分を加えることができる。
重合開始剤としては、一般の水溶性ラジカル重合開始剤あるいは油溶性のラジカル重合開始剤を用いることができる。水溶性のラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素、あるいはこれら還元剤の組み合わせによるレドックス系開始剤が挙げられる。また、油溶性の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、α,α´−アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどを挙げることができる。油溶性の重合開始剤のなかでは、α,α´−アゾビスイソブチロニトリルを好ましく用いることができる。
懸濁保護剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムあるいは微粉末無機化合物などを挙げることができる。
界面活性剤としては、通常のものを用いることができ、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などのアニオン系乳化剤を例示することができる。さらに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレートなどのノニオン系界面活性剤を併用することも可能である。
ここで、乳化重合を用いて有機微粒子を調製する場合には、シード粒子を用いて重合(シード重合)を行ってもよい。シード重合を行う場合には、シード粒子は、予め調製しておいたものを用いてもよいし、単量体組成物を含むエマルジョンに含まれる単量体の一部を先に重合させることにより形成したシードポリマーをシード粒子として用いても良い。そして、シード重合では、シード粒子に単量体を吸収させ、続いて重合を行うことにより、有機微粒子を調製する。
なお、エマルジョンに含まれる単量体の一部を先に重合させることにより形成したシードポリマーをシード粒子として用いる場合、シードポリマーの重合は、複数の段階に分けて行ってもよい。具体的には、例えば、単量体組成物を構成する単量体の一部を用いてシードポリマーAを形成し、かかるシードポリマーAと、単量体組成物を構成する単量体の別の一部を用いてより大きなシードポリマーBを形成し、さらに、かかるシードポリマーBと、単量体組成物を構成する単量体の残余とを用いて有機微粒子を形成することができる。
有機微粒子は、体積平均粒子径が0.1〜1.0μmの単分散の微粒子であることが好ましい。なお、有機微粒子の粒子径は、シード粒子の粒子径、重合性単量体とシード粒子との混合割合によって自由に設計可能である。有機微粒子も、後述するバインダーも、微粒子として存在するが、これらは、バインダーは結着性を有することに対して、有機微粒子が結着性を有さないという点で異なる。
<水溶性高分子>
本発明で用いる水溶性高分子は、多孔膜の形成に用いる二次電池多孔膜用スラリーの増粘剤として機能するものであり、水に対しては溶解するが、二次電池の電解液に対しては溶解しない高分子化合物である。ここで、重合体が水溶性であるとは、25℃において重合体0.5gを100gの水に溶解した際に、不溶分が0.5質量%未満であることをいう。
そして、水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、並びに、これらのセルロース系ポリマーのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩;変性または未変性のポリビニルアルコール、アクリル酸またはアクリル酸塩とビニルアルコールとの共重合体、無水マレイン酸、マレイン酸またはフマル酸とビニルアルコールとの共重合体などのポリビニルアルコール類;ポリエチレングリコール、疎水部分を有していないポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、変性ポリアクリル酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物などを用いることができる。これらの中でも、二次電池多孔膜用スラリーの安定性の観点からは、水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロース及びメチルセルロースが好ましく、カルボキシメチルセルロースがさらに好ましい。これらの水溶性高分子は、単独で用いられてもよく、二種以上併用されてもよい
なお、本発明の二次電池多孔膜用スラリー中の水溶性高分子の配合量は、有機微粒子100質量部当たり、通常5〜30質量部、好ましくは10〜20質量部である。水溶性高分子の配合量を上記範囲内とすれば、二次電池多孔膜用スラリーの安定性が良好となる。水溶性高分子の配合量が上記範囲を下回れば、二次電池多孔膜用スラリーの粘度が不十分でスラリーの安定性が低下し、反対に、水溶性高分子の配合量が上記範囲を上回れば、二次電池用多孔膜とした際に電解液中でのイオンの透過性が悪くなり電池特性が悪化する虞がある。
<バインダー>
本発明の二次電池用多孔膜に含まれるバインダーは、
・フッ素系重合体(a)と、
・(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体(b)と、
を含有する。このように、バインダーとしてフッ素系重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体とを併用した場合、多孔膜の形成に用いる二次電池多孔膜用スラリー中のバインダーの分散性が良好になり、非導電性粒子として有機微粒子を用いた二次電池用多孔膜において、多孔膜の均一性を高めることができる。また、このバインダーを用いることで、多孔膜の耐熱収縮性を向上させることができると共に、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性を向上させることができる。本発明において、「単量体単位を含む」とは、その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の構造単位が含まれていることを指す。
本発明で用いるフッ素系重合体(a)としては、フッ素原子を含有する重合体であれば特に限定されないが、フッ化ビニリデン単位及び六フッ化プロピレン単位のうち少なくとも一方を含む重合体が好ましく、フッ化ビニリデン単位及び六フッ化プロピレン単位の両方を含む重合体が更に好ましい。
本発明で用いるフッ素系重合体(a)中における、フッ化ビニリデン単位の含有割合は、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは55〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%である。フッ化ビニリデン単位の含有割合を上記範囲とすることにより、アクリル重合体(b)に対する相溶性を良好なものとしながら、バインダーとしての結着力をより高めることがきる
本発明で用いるフッ素系重合体(a)中における、六フッ化プロピレン単位の含有割合は、好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0〜45質量%、さらに好ましくは0〜40質量%である。六フッ化プロピレン単位を含有させることにより、柔軟性に優れたバインダーを得ることができ、多孔膜の耐熱収縮性を更に向上させることができる。なお、六フッ化プロピレン単位の含有割合が50質量%を超えると、バインダーの結晶性が低下して、かかる二次電池用多孔膜を用いた二次電池のサイクル特性が低下する虞がある。
なお、フッ素系重合体(a)は、フッ化ビニリデン単位及び六フッ化プロピレン単位以外の他の単量体の単位を有するものであってもよく、このような他の単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル系化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類、エチレンの他、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、アミド基、アミノ基、シアノ基、エポキシ基、ビニル基、スルホン酸基等の特定の官能基を含有不飽和単量体等が挙げられる。
ここで、これら他の単量体を含有させる場合、他の単量体の単位の含有割合は、
25質量%以下である必要があり、より好ましくは20重量%以下である。
また、本発明で用いるアクリル重合体(b)は、フッ素系重合体(a)とは異なる重合体であり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含有する重合体である。具体的には、アクリル重合体(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含有し、フッ素系原子を含有しない重合体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、及び(メタ)アクリル酸トリデシル等が挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、電解液に対するバインダーの膨潤度を適度な大きさとして多孔膜を用いた二次電池のサイクル特性を向上させることができるという点により、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、が好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチルがさらに好ましい。
アクリル重合体(b)中における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位の含有割合は、好ましくは40〜99質量%であり、より好ましくは50〜90質量%、さらに好ましくは70〜85質量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位の含有割合を上記範囲とすることにより、アクリル重合体(b)の電解液に対する保液性(膨潤性)を向上させることができ、これにより、多孔膜を二次電池に用いた際の二次電池のサイクル特性をより優れたものとすることができる。
また、本発明で用いるアクリル重合体(b)は、有機セパレータや電極合剤層に対する密着性及びバインダーとしての結着力を向上させることができるという点より、酸性官能基を有していることが好ましい。本発明において、アクリル重合体(b)に、酸性官能基を導入する方法としては特に限定されないが、上述した(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合可能であり、かつ酸性官能基を有する単量体を用い、これにより、本発明のアクリル重合体(b)に、酸性官能基を有する単量体単位を含有させる方法が好ましく挙げられる。なお、本発明で用いる酸性官能基を有する単量体としては、特に限定されないが、集電体に対する密着性及びバインダーとしての結着力の向上効果が高いという点より、カルボン酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体及びリン酸基を有する単量体から選択される少なくとも1種が好ましく、カルボン酸基を有する単量体及びスルホン酸基を有する単量体から選択される少なくとも1種が好ましい。
カルボン酸基を有する単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α−アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、β−ジアミノアクリル酸などのモノカルボン酸の誘導体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸;無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などのジカルボン酸の酸無水物;メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキル等のジカルボン酸の誘導体などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸が好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましく、アクリル酸が特に好ましい。
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、スルホン酸基含有単量体としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルメタクリレート、スルホブチルメタクリレートなどのスルホン酸基以外の官能基を有さないスルホン酸基含有化合物;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2−ヒドロキシ−3−アクリルアミドプロパンスルホン酸などのアミド基とスルホン酸基とを含有する化合物;3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HAPS)などのヒドロキシル基とスルホン酸基とを含有する化合物;などが挙げられる。また、これらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などを用いることもできる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、アミド基とスルホン酸基とを含有する化合物が好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)がより好ましい。
リン酸基を有する単量体の具体例としては、リン酸−2−アクリロイルオキシエチル、リン酸−2−メタクリロイルオキシエチル、リン酸メチル−2−アクリロイルオキシエチル、リン酸メチル−2−メタクリロイルオキシエチル、リン酸エチル−アクリロイルオキシエチル、リン酸エチル−メタクリロイルオキシエチルなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、リン酸−2−メタクリロイルオキシエチルが好ましい。
上述したなかでも、集電体に対する密着性及びバインダーとしての結着力の向上効果が高いという点より、酸性官能基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸及びAMPSがより好ましく、アクリル酸及びAMPSが特に好ましい。
本発明で用いるアクリル重合体(b)中における、酸性官能基を有する単量体単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは1〜6質量%である。酸性官能基を有する単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、集電体に対する密着性及びバインダーとしての結着力の向上効果を適切に発揮させることができる。なお、酸性官能基を有する単量体単位の含有割合が10質量%を超えると、バインダーの安定性が低下する虞がある。一方、酸性官能基を有する単量体単位の含有割合が0.5質量%未満であると、バインダーとしての結着力が不十分となる虞がある。
また、アクリル重合体(b)は、上述した(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、酸性官能基を有する単量体以外の、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体との共重合体であってもよく、このような共重合可能な単量体としては、ニトリル基含有単量体、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
ニトリル基含有単量体としては、たとえば、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、バインダーとしての結着力をより高めることができる点から、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。ニトリル基含有単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
アクリル重合体(b)中におけるニトリル基含有単量体単位の含有割合は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは3〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。ニトリル基含有単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、バインダーとしての結着力をより高めることができ、これにより、多孔膜を二次電池に用いた際における二次電池のサイクル特性をより優れたものとすることができる。また、多孔膜と基材とのピール強度を高めることができる。なお、アクリル重合体(b)中におけるニトリル基含有単量体単位の含有割合が30質量%を超えると、バインダーの安定性が低下する虞がある。
芳香族ビニル系単量体としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼンなどを挙げることができる。これらのなかでも、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。芳香族ビニル系単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
アクリル重合体(b)中における芳香族ビニル系単量体単位の含有割合は、好ましくは0.5〜20質量%以下であり、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。なお、アクリル重合体(b)中における芳香族ビニル系単量体単位の含有割合が20質量%を超えると、バインダーが硬くなり、本発明の二次電池多孔膜の耐熱収縮性が低下する虞があり、0.5質量%を下回ると、バインダーの結着性が低下し、多孔膜のピール強度が低下する虞がある。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸等のカルボン酸含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル等のフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸リン酸エチル等のリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;等が挙げられる。
アクリル重合体(b)中における(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有割合は、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは1〜5質量%、さらに好ましくは1.5〜4質量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、多孔膜の形成に用いる多孔膜用スラリーを、非導電性粒子の分散性に優れ、沈降の無い良好なスラリーとすることができる。
さらに、アクリル重合体(b)としては、上述した各単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよく、このような他の単量体としては、たとえば、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類、アミド系単量体、オレフィン類、ジエン系単量体、ビニルケトン類、複素環含有ビニル化合物などが挙げられる。
<バインダーの製造方法>
本発明の二次電池用多孔膜に含まれるバインダーは、フッ素系重合体(a)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体(b)と含有するものであれば、フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)とを個別に調製し、それらを混合したもの(重合体混合物)であってもよいし、フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)とが複合化した複合化重合体よりなるものであってもよい。なお、バインダーを複合化重合体とすると、安定性が高く、多孔膜の形成に用いる多孔膜用スラリー中での分散性が良好なバインダーを得ることができるので、好ましい。即ち、バインダーを、フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)との複合化重合体とすれば、多孔膜の均一性および耐熱収縮性を向上させることができると共に、当該二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池のレート特性を向上させることができる。
なお、バインダー中におけるアクリル重合体(b)の量は、バインダー全体100質量部に対し、10〜90質量部とすることが好ましく、30〜70質量部とすることがより好ましい。アクリル系重合体(b)の含有範囲を上記範囲にすることにより、バインダーとしての結着力を十分なものとすることができ、これにより、良好なレート特性を発現することができるからである。また、フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)との重量比率は、10/90〜90/10であるが好ましく、30/70〜70/30であることがより好ましい。また、バインダーの形態は、特に限定されないが、粒子形状を有するものが好ましく、特に、多孔膜内においても、粒子状態を保持した状態で存在できるものであることが好ましい。非導電性粒子を良好に結着することができるからである。さらに、バインダーの形態が粒子状である場合、個数平均粒子径は、50〜500nmであることが好ましく、70〜400nmであることがより好ましく、100〜250nmであることが特に好ましい。さらに、バインダーのガラス転移温度(Tg)は、−50〜25℃であることが好ましく、−45〜15℃であることがより好ましく、−40〜5℃であることが特に好ましい。
<重合体混合物の製造方法>
ここで、フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)とを個別に調製する場合におけるフッ素系重合体(a)の製造方法は特に限定されないが、上述した各単量体を、水を分散媒とする乳化重合法により重合することで製造することができる。
乳化重合に用いる乳化剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。そのような乳化剤としては、例えば、2−(1−アリル)−4−ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルフェートアンモニウムがある。乳化剤の添加量は任意に設定でき、重合に用いる単量体の総量100質量部に対して通常0.01〜10質量部程度である。
また、重合に用いる重合開始剤としては、たとえば過酸化ラウロイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、又は過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)とを個別に調製する場合におけるアクリル重合体(b)の製造方法は特に限定されないが、上述した各単量体を、水を分散媒とする乳化重合法により重合する方法が好ましい。乳化重合に用いる乳化剤及び重合開始剤としては、上述したフッ素系重合体(a)と同様のものを用いることができる。
<複合化重合体の製造方法>
また、フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)との複合化重合体は、フッ素系重合体(a)とアクリル重合体(b)との何れか一方を予め重合して重合体を形成し、当該重合体の存在下に他方の重合体を重合する方法や、フッ素系重合体(a)を得るための単量体およびアクリル系重合体(b)を得るための単量体を同じ反応容器中に投入して同時に重合する方法、含フッ素重合体を含有する溶液を水性分散液に転換する方法が挙げられる。なお、重合に使用する乳化剤及び重合開始剤は、上述したフッ素系重合体(a)と同様のものを用いることができる。
そして、本発明の二次電池用多孔膜における、フッ素系重合体(a)及びアクリル重合体(b)を含むバインダーの含有割合は、有機微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部である。バインダーの含有割合を上記範囲とすることにより、本発明の二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池の耐高温短絡性及び電池性能を向上させることが可能である。二次電池用多孔膜中の多孔膜用バインダーの含有割合が有機微粒子100質量部に対して1質量部未満では、二次電池用多孔膜の強度が不十分となり、かかる二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池に短絡が発生し易くなる。一方、二次電池用多孔膜中のバインダーの含有割合が有機微粒子100質量部に対して20質量部を超えると、二次電池用多孔膜の空隙率が低下し、かかる二次電池用多孔膜を用いて構成した二次電池の電池性能が不十分となる虞がある。
<任意成分>
この他に、本発明の二次電池用多孔膜は、国際公開第2012/020737号に記載の、重金属補足化合物、分散剤、レベリング剤、酸化防止剤、消泡剤、及び電解液添加剤等の成分を添加することができる。
<二次電池用多孔膜の製造方法>
本発明の二次電池用多孔膜を製造する方法としては、1)非導電性粒子としての有機微粒子、水溶性高分子、バインダー及び水を含む多孔膜用スラリーを所定の基材上に塗布してスラリー層を得、次いでスラリー層を乾燥する方法;2)非導電性粒子としての有機微粒子、水溶性高分子、バインダー及び水を含む多孔膜用スラリーに基材を浸漬後、これを乾燥する方法;が挙げられる。中でも、1)の方法は、多孔膜の膜厚を制御しやすく好ましい。以下、1)の方法を本発明の二次電池用多孔膜の製造方法として説明する。
<多孔膜用スラリー>
本発明の多孔膜用スラリーは、上述のようにして製造したバインダーと、非導電性粒子としての有機微粒子、水溶性高分子、及び水を含む。なお、本発明の多孔膜用スラリーでは、水と水溶性溶媒(例えば、低級アルコール)との混合媒体を分散媒として用いることももちろん可能である。
多孔膜用スラリーの固形分濃度は、該スラリーの塗布、浸漬が可能な程度でかつ、流動性を有する粘度になる濃度に適宜調整することができるが、一般的には10〜50質量%程度である。
スラリー中の固形分以外の成分は、乾燥により揮発する成分であり、水などの分散媒に加え、例えば、非導電性粒子及びバインダーの調製及び添加に際しこれらを溶解又は分散させていた媒体をも含む。
本発明の多孔膜用スラリーは、本発明の二次電池用多孔膜を形成するためのものであるので、多孔膜用スラリーの固形分全量中の、非導電性粒子、バインダー、水溶性高分子及び任意成分(多孔膜の任意成分として上述した成分)の含有割合は、本発明の多孔膜について上述した通りの割合とすることができる。
また、多孔膜用スラリーには、非導電性粒子、バインダー、水溶性高分子、水、及び多孔膜の任意成分として上述した任意成分のほかに、さらに分散剤や電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の任意の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
多孔膜用スラリーの製法は、特に限定はされず、上記非導電性粒子、バインダー、水溶性高分子、及び水と必要に応じ添加される任意の成分を混合して得られる。
混合装置は、上記成分を均一に混合できる装置であれば特に限定されず、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、措潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどを使用することができるが、中でも適度な分散シェアを加えることができる、ホモミキサーを使用することが特に好ましい。
多孔膜用スラリーの粘度は、均一塗工性、スラリー経時安定性の観点から、好ましくは10mPa・s〜10,000mPa・s、更に好ましくは50〜500mPa・sである。前記粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。
本発明において、多孔膜は、膜状の形状を有する。多孔膜は、独立して(即ち、基材による支持を伴わずに)膜としての形状を保ちうる物品であってもよい。しかしながら多孔膜は、独立して膜としての形状を保たない、基材の上に形成される層であってもよい。本発明において、多孔膜は通常後者としうる。多孔膜と、多孔膜の形成に用いた基材との複合体を、そのまま、例えばセパレータや電極として、電池における使用に供することができる。
本発明の多孔膜の製造方法のある態様において、基材は、電池中の構成要素であって、多孔膜を有することが好ましい構成要素である。具体的には、二次電池用の電極若しくは有機セパレータを基材とし、この上に多孔膜を形成することが好ましい。
本発明の多孔膜の製造方法においては、多孔膜は、電極や有機セパレータ以外の基材上に形成してもよい。本発明の多孔膜を、電極や有機セパレータ以外の基材上に形成した場合は、多孔膜を基材から剥離し、直接電池を組み立てる時に、電極上や有機セパレータ上に積層することにより使用することが出来る。この場合、基材としては、公知の剥離フイルム等の、適切な剥離フイルムを用いることができる。
多孔膜用スラリーを基材上へ塗布及び乾燥する方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。中でも、均一な多孔膜が得られる点でディップ法やグラビア法が好ましい。塗布により得られたスラリー層を乾燥する方法としては、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(逮)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。
塗布により得られたスラリー層の乾燥温度は、使用する媒体の種類によって変えることができる。媒体を完全に除去するために、例えば、N−メチルピロリドン等の揮発性の低い媒体を用いる場合には送風式の乾燥機で120℃以上の高温で乾燥させてもよい。逆に揮発性の高い媒体を用いる場合には100℃以下の低温において乾燥させることもできる。多孔膜を後述する有機セパレータ上に形成する際は、有機セパレータの収縮を起こさずに乾燥させることが必要である為、100℃以下の低温での乾燥が好ましい。
得られる多孔膜の膜厚は、特に限定はされず、多孔膜の用途あるいは適用分野に応じて適宜に設定されるが、薄すぎると均一な膜を形成できず、逆に厚すぎると電池内での体積(重量)あたりの容量(capacity)が減ることから、1〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。
<二次電池用電極>
本発明の二次電池用電極は、集電体と、当該集電体に付着し、電極合剤層用結着剤及び電極活物質を含む電極合剤層と、電極合剤層の表面に形成された本発明の二次電池用多孔膜とを有する。この二次電池用電極は、本発明の二次電池用多孔膜を有しているので、当該二次電池用電極を備える二次電池の安全性およびレート特性を向上させることができる。
<集電体>
集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されず、例えば、国際公開第2012/020737号に記載の材料で構成されうる。
<電極合剤層>
電極合剤層は、電極活物質と、結着剤(電極合剤層用結着剤)とを含む。結着剤を含むことにより電極中の電極合剤層の結着性が向上し、電極の巻き回し時等の工程上においてかかる機械的な力に対する強度が上がり、また電極中の活物質等が脱離しにくくなることから、脱離物による短絡等の危険性が小さくなる。
本発明の二次電池用電極に用いられる電極活物質は、電極が利用される二次電池や電極の種類(正極または負極)に応じて選択すればよい。前記二次電池としては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池が挙げられる。
本発明の二次電池用電極を、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池の電極用に用いる場合、国際公開第2012/020737号に記載の電極活物質を使用することができる。
電極合剤層用結着剤としては、例えば、国際公開第2012/020737号に記載の様々な樹脂成分や、軟質重合体成分を、同パンフレットに記載の調整粘度及び割合で使用することができる。
なお、集電体上への電極合剤層の形成は、既知の方法を用いて行うことができる。また、電極合剤層上への多孔膜の形成は、前述したようにして行うことができる。
<二次電池用セパレータ>
本発明の二次電池用セパレータは、有機セパレータ、及び有機セパレータの表面に形成された本発明の二次電池用多孔膜を有する。この二次電池用セパレータは、本発明の二次電池用多孔膜を有しているので、当該二次電池用セパレータを用いた二次電池の安全性およびレート特性を向上させることができる。
有機セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や芳香族ポリアミド樹脂を含んでなるセパレータなどの公知のものが用いられる。有機セパレータは、例えば国際公開第2012/020737号の記載に従って得ることができる。
本発明のセパレータは、有機セパレータの片面のみに多孔膜を有していてもよく、有機セパレータの両面に多孔膜を有していてもよい。
なお、有機セパレータ上への多孔膜の形成は、前述したようにして行うことができる。
<二次電池>
本発明の二次電池は、正極、負極、セパレータ及び電解液を含む二次電池であって、正極、負極及びセパレータの少なくともいずれかが、二次電池用多孔膜を有するものである。この二次電池では、本発明の二次電池用多孔膜を有することにより、安全性およびレート特性を向上させることができる。
二次電池としては、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等挙げられるが、安全性向上が最も求められており多孔膜導入効果が最も高いこと、加えてレート特性向上が課題として挙げられていることからリチウムイオン二次電池が好ましい。以下、本発明の多孔膜をリチウムイオン二次電池に使用する場合について説明する。
<二次電池用電解液>
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。有機溶媒及び支持電解質としては、例えば、国際公開第2012/020737号に記載の有機溶媒及びリチウム塩を使用することができる。
<セパレータ及び電極>
セパレータとしては、多孔膜を有する本発明のセパレータを用いることができるが、正極および負極の少なくとも一方が本発明の多孔膜を有する場合には、その他のセパレータを用いることもできる。例えば、有機セパレータとして上に例示したものをそのままセパレータとして用いることができる。
正極及び負極としては、多孔膜を有する本発明の二次電池用電極を用いることができるが、電極の何れか一方またはセパレータが本発明の多孔膜を有する場合には、その他の電極を用いることもできる。例えば、上で述べた、集電体及びその上に付着する電極合剤層からなる積層物を、そのまま電極として用いることができる。
ただし、本発明の二次電池においては、正極、負極及びセパレータの少なくともいずれか、好ましくは全てが、本発明の多孔膜を有する。
リチウムイオン二次電池の具体的な製造方法としては、正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。本発明の多孔膜は正極、負極およびセパレータのいずれかに形成されてなる。また独立で多孔膜のみでの積層も可能である。必要に応じてエキスバンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をする事もできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、偏平型など何れであってもよい。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
実施例および比較例において、二次電池用多孔膜の熱収縮性、均一性、及びピール強度、並びに、二次電池用多孔膜を用いた二次電池のレート特性は、それぞれ以下の方法を使用して評価した。
<熱収縮性>
二次電池用セパレータ(多孔膜付セパレータ)又は電極(多孔膜付電極)を幅10cm×長さ10cmに切り出し試験片とする。試験片を温度150℃に温度調節したオーブン内に1時間放置した後、各辺の長さを測定し、最も収縮率の大きい辺の収縮率を熱収縮率として下記基準で評価した。熱収縮率が小さいほど、耐熱収縮性が高く、二次電池の安全性に優れる。
A:熱収縮率が3.0%未満
B:熱収縮率が3.0%以上5.0%未満
C:熱収縮率が5.0%以上10.0%未満
D:熱収縮率が10.0%以上
<多孔膜の均一性>
多孔膜付セパレータもしくは多孔膜付電極を、幅6cm×長さ1mに切り出して、切り出した多孔膜付セパレータもしくは多孔膜付電極の厚みを、幅方向3点×長さ方向5cmおきに20点の60点において測定し、膜厚の標準偏差と平均値から、下記式に基づき膜厚のばらつきを計算し、下記の基準で評価した。
Figure 2014175055
ここで、xは膜厚の平均値、nは測定数を示す。
A:膜厚のばらつきが3%未満
B:膜厚のばらつきが3%以上〜10%未満
C:膜厚のばらつきが10%以上
<ピール強度試験>
多孔膜付セパレータ又は多孔膜付電極を長さ100mm、幅10mmの長方形に切り出して試験片とし、多孔膜表面を下にして多孔膜表面にセロハンテープ(JIS Z1522に規定されるもの)を貼り付け、多孔膜付セパレータ又は多孔膜付電極の一端を垂直方向に引張り速度50mm/分で引っ張って剥がしたときの応力を測定した(なお、セロハンテープは試験台に固定されている。)。測定を3回行い、その平均値を求めてこれをピール強度とした。ピール強度が大きいほど多孔膜層の基材(有機セパレータ又は電極)への結着力が大きい、すなわち密着強度が大きいことを示す。
A:ピール強度が100N/m以上
B:ピール強度が75N/m以上100N/m未満
C:ピール強度が50N/m以上75N/m未満
D:ピール強度が25N/m以上50N/m未満
E:ピール強度が25N/m未満
<レート特性>
本発明の二次電池用多孔膜を有機セパレータ又は電極に適用した、10セルのフルセルコイン型電池を用いて、25℃で0.1Cの定電流で4.2Vまで充電し、0.1Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルと、0.1Cの定電流で4.2Vまで充電し、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルをそれぞれ行った。0.1Cにおける放電容量に対する1.0Cにおける放電容量の割合を百分率で算出して充放電レート特性とし、下記の基準で判定した。この値が大きいほど、内部抵抗が小さく、高速充放電が可能であることを示す。
A:充放電レート特性が80%以上である。
B:充放電レート特性が70%以上80%未満である。
C:充放電レート特性が60%以上70%未満である。
D:充放電レート特性が50%以上60%未満である。
E:充放電レート特性が50%未満である。
<実施例1>
(非導電性粒子の製造)
反応器に、ジビニルベンゼン(ダウケミカル社製、製品名:ジビニルベンゼン55(有効分55%、残余はエチルビニルベンゼン41質量%及びp−ジエチルベンゼン4質量%を含む))を100部、ポリビニルピロリドンを20部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)を5.0部、メタノールを1100部入れ、窒素ガス雰囲気下、70℃で24時間、攪拌した。これにより、体積平均粒子径670nmの、単分散性の高い有機微粒子よりなる非導電性粒子を得た。
(バインダーの製造)
電磁式撹拌機を備えた内容積約6リットルのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5リットル、及び乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、フッ化ビニリデン(VDF)44.2質量%、及び六フッ化プロピレン(HFP)55.8質量%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cmに達するまで仕込んだ。その後、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20質量%含有するフロン113溶液25gを、窒素ガスを使用して圧入し、重合を開始させた。重合中はフッ化ビニリデン60.2質量%、及び六フッ化プロピレン39.8質量%からなる混合ガスを逐次圧入して、内圧を20kg/cmに維持した。また、重合の進行とともに重合速度が低下するため、3時間経過後に、先と同量の重合開始剤を、窒素ガスを使用して圧入して、更に3時間反応を継続させた。反応液を冷却するとともに撹拌を停止し、未反応単量体を放出して反応を停止させ、フッ素系重合体の水分散液を得た。得られたフッ素系重合体中に含まれているフッ化ビニリデン単位および六フッ化プロピレン単位の含有割合をH−NMRで分析したところ、フッ化ビニリデン単位の含有割合は60質量%であり、六フッ化プロピレン単位の含有割合は40質量%であった。
容量7リットルのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、得られたフッ素系重合体の水分散液100部(固形分換算)、及び乳化剤として2−(1−アリル)−4−ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルフェートアンモニウム3部を仕込み、75℃に昇温させた。次に、アクリル酸n−ブチル60質量%、メタクリル酸メチル30質量%、スチレン6質量%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸3質量%、メタアクリル酸グリシジル1質量%、及び適量の水を加え、75℃で30分撹拌した。その後、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5質量部を加え、85〜95℃で2時間重合を行った。冷却して反応を停止させ、フッ素系重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を有するアクリル重合体とを含有する体積平均粒子径200nmの複合化重合体を含むバインダーの水系分散体を得た。
(二次電池多孔膜用スラリーの製造)
上述のようにして得た非導電性粒子の水分散体、フッ素系重合体とアクリル重合体を含有する複合化重合体を含むバインダーの水系分散体、及び水溶性高分子としてのカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学社製、商品名:ダイセル1220)を、固形分重量比が、非導電性粒子:水溶性高分子:バインダー=83.1:12.3:4.6(割合が異なります。正しくは非導電性粒子:水溶性高分子:バインダー=83.1:4.6:12.3です。)となるように水中で混合して、多孔膜用スラリーを得た。
(多孔膜付セパレータの製造)
乾式法により製造された単層のポリプロピレン製有機セパレータ(気孔率55%、厚さ25μm)を準備し、このポリプロピレン製有機セパレータの一方の面に、上述のようにして得られた二次電池多孔膜用スラリーを、乾燥後の厚みが5μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布することで、スラリー層を形成した。次いで、形成したスラリー層を110℃で20分間乾燥することで、多孔膜を形成した。そして、同様の操作を、ポリプロピレン製有機セパレータのもう一方の面にも行うことで、同様に多孔膜を形成し、両面に多孔膜を有する、多孔膜付セパレータを得た。
(正極の製造)
正極活物質としてのスピネル構造を有するマンガン酸リチウム95部に、正極用バインダー(正極合剤層用結着剤)としてのポリフッ化ビニリデン(KF−1100、呉羽化学工業社製)を固分換算量で3部となるように加え、さらに、アセチレンブラック2部、及びN−メチルピロリドン20部を加えて、これらをプラネタリーミキサーで混合して、正極用スラリーを得た。そして、得られた正極用スラリーを、集電体としての厚さ18μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、120℃で3時間乾燥した後、ロールプレスを行い、全厚みが100μmの正極合剤層を有する正極を得た。
(負極の製造)
負極活物質としてのグラファイト(体積平均粒子径20μm、比表面積4.2m/g)98部に、負極用バインダー(負極合剤層用結着剤)としてのスチレン−ブタジエンゴム(ガラス転移温度:−10℃)を固分換算量で1部となるように加えて、これらを混合し、次いで得られた混合物に、カルボキシメチルセルロース1.0部及び分散媒としての水を加えて、これらをプラネタリーミキサーで混合することで、負極用スラリーを得た。そして、得られた負極用スラリーを、集電体としての厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、120℃で3時間乾燥した後、ロールプレスを行い、全厚みが60μmの負極合剤層を有する負極を得た。
(二次電池の製造)
上述のようにして得られた多孔膜付セパレータ、正極、及び負極を、それぞれ、直径18mm、13mm、14mmの円形に切り抜き、ポリプロピレン製パッキンを設けたステンレス鋼製のコイン型外装容器の内底面上に、直径13mmの円形の正極、直径18mmの円形の多孔膜付有機セパレータ、及び直径14mmの円形の負極を、この順に積層し、これらをコイン型外装容器内に収納した。なお、正極は、アルミニウム箔側の面が外装容器の底面側に向き、正極合剤層側の面が多孔膜付セパレータ側に向くように載置した。また、負極は、負極合剤層側の面が多孔膜付セパレータ側に向き、銅箔側の面が上側に向くように載置した。
(評価)
得られた多孔膜付二次電池用セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<実施例2>
非導電性粒子の製造時にジビニルベンゼンに代えて、エチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学株式会社製、製品名:ライトエステルEG)を100部使用した以外は、実施例1と同様にして、二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<実施例3>
水溶性高分子として、カルボキシメチルセルロースに代えて、メチルセルロース(信越化学工業社製、製品名:メトローズSM)を使用した以外は、実施例1と同様にして、二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<実施例4>
非導電性粒子の製造時に、ジビニルベンゼンの一部を先に重合させることにより形成したシードポリマーをシード粒子として用い、残余のジビニルベンゼンをシード粒子に吸収させ、続いて重合を行うことにより有機微粒子を調製した(即ち、膨潤シード重合によって重合を行った)以外は、実施例1と同様にして、二次電池用多孔膜スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。以下、膨潤シード重合による非導電性粒子の製造方法について詳述する。
(非導電性粒子の製造)
撹拌機を備えた反応器に、ドデシル硫酸ナトリウムを0.06部、過硫酸アンモニウムを0.23部、及びイオン交換水を100部入れて混合して混合物を得て、80℃に昇温した。
一方、別の容器中で、スチレン93.8部、メタクリル酸2.0部、アクリロニトリル2.0部、アリルグリシジルエーテル1.0部、N−メチロールアクリルアミド1.2部、ドデシル硫酸ナトリウム0.1部、及びイオン交換水100部を混合して、単量体混合物の分散体を調製した。
この単量体混合物の分散体を、4時間かけて、上で得た混合物中に、連続的に添加して重合させた。単量体混合物の分散体の添加の際における反応系の温度は80℃に維持した。添加の終了後、さらに90℃で3時間反応を継続させた。
これにより、体積平均粒子径370nmのシードポリマー粒子の水分散体を得た。
次に、撹拌機を備えた反応器に、シードポリマー粒子の水分散体を固形分基準(即ちシードポリマー粒子の重量基準)で20部、単量体としてジビニルベンゼン(ダウケミカル社製、製品名:ジビニルベンゼン55(有効分55%、残余はエチルビニルベンゼン41質量%及びp−ジエチルベンゼン4質量%を含む))を100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.0部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)を4.0部、及びイオン交換水を200部入れ、35℃で12時間撹拌した。これにより、シードポリマー粒子に、単量体及び重合開始剤を完全に吸収させた。その後、これを90℃で5時間重合させた。その後、スチームを導入して未反応の単量体および開始剤分解生成物を除去した。これにより、体積平均粒子径670nmの非導電性粒子の水分散体を得た。
<実施例5>
(バインダーの製造)
撹拌機付きのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、イオン交換水250部、及び乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム2.5部を仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、フッ化ビニリデン44.2質量%、及び六フッ化プロピレン55.8質量%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cmに達するまで仕込んだ。その後、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20%含有するフロン113溶液2.5部を、窒素ガスを使用して圧入し、重合を開始させた。重合中はフッ化ビニリデン60.2部、及び六フッ化プロピレン39.8部からなる混合ガスを逐次圧入して、内圧を20kg/cmに維持した。また、重合の進行とともに重合速度が低下するため、3時間経過後に、先と同量の重合開始剤を、窒素ガスを使用して圧入して、更に3時間反応を継続させた。反応液を冷却するとともに撹拌を停止し、未反応単量体を放出して反応を停止させ、フッ素系重合体の水分散液を得た。なお、得られたフッ素系重合体の体積平均粒子径は160nmであった。また、フッ素系重合体の水分散液100グラムをメタノール1リットルで凝固し、60℃で12時間真空乾燥することで、乾燥重合体を得て、得られた乾燥重合体の組成をH−NMRで分析したところ、フッ素系重合体の組成は、フッ化ビニリデン60質量%、六フッ化プロピレン40質量%であった。
容量7リットルのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、乳化剤として2−(1−アリル)−4−ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルフェートアンモニウム3部を仕込み、75℃に昇温させた。次に、アクリル酸n−ブチル60質量%、メタクリル酸メチル30質量%、スチレン6質量%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸3質量%、メタアクリル酸グリシジル1質量%、及び適量の水を加え、75℃で30分撹拌した。その後、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5質量部を加え、85〜95℃で2時間重合を行った。冷却して反応を停止させ、体積平均粒子径190nmのアクリル重合体の水系分散体を得た。
上述のようにして得られたフッ素系重合体及びアクリル重合体を1対1の割合で混合して、バインダー混合物を得た。得られたバインダー混合物を用いて、実施例1と同様にして二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<実施例6>
バインダーとしての複合化重合体に含まれるアクリル重合体を重合する際に、単量体として、アクリル酸2−エチルヘキシル77.75質量%、アクリロニトリル20.25質量%、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸2質量%を使用した他は、実施例1と同様にして二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。なお、得られた複合化重合体の体積平均粒子径は190nmであった。
<実施例7>
バインダーとしての複合化重合体に含まれるアクリル重合体を重合する際に、アクリル酸n−ブチル41質量%、アクリル酸エチル41.5質量%、アクリロニトリル15質量%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸0.5質量%、及びメタクリル酸グリシジル2質量%を使用した他は、実施例1と同様にして二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。なお、得られた複合化重合体の体積平均粒子径は190nmであった。
<実施例8>
バインダーとしての複合化重合体に含まれるフッ素系重合体を重合する際に、フッ化ビニリデン100質量%を使用し、六フッ化プロピレンを使用しなかった他は、実施例1と同様にして二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。なお、得られた複合化重合体の体積平均粒子径は210nmであった。
<実施例9>
(多孔膜付電極の製造)
実施例1と同様にして製造した負極の負極合剤層側の面に、実施例1と同様にして調整した二次電池多孔膜用スラリーを、乾燥後の多孔膜厚みが5μmとなるように塗布してスラリー層を得た。なお、スラリー層は、負極合剤層が完全に覆われるように形成した。そして、形成したスラリー層を110℃で10分間乾燥し、多孔膜とすることで、多孔膜付電極(多孔膜付負極)を得た。なお、得られた多孔膜付電極は、多孔膜/負極合剤層/銅箔の層構成を有するものであった。そして、製造した多孔膜付電極について、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、実施例1で使用した多孔膜付セパレータに代えて、多孔膜を有さない有機セパレータ(実施例1で有機セパレータとして用いられているものと同じ)をそのままセパレータとして使用し、負極に替えて、上記で得た多孔膜付負極を使用した他は、実施例1と同様にして二次電池を製造した。そして、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<実施例10>
バインダーとしての複合化重合体に含まれるフッ素系重合体を重合する際に、六フッ化プロピレン100質量%を使用し、フッ化ビニリデンを使用しなかった他は、実施例1と同様にして二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。なお、得られた複合化重合体の体積平均粒子径は200nmであった。
<比較例1>
バインダーの製造時にアクリル重合体を重合せず(即ち、複合化重合体とせず)、フッ素系重合体をそのままバインダーとして用いた以外は実施例1と同様にして二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<比較例2>
バインダーの製造時にフッ素系重合体を重合せず(即ち、複合化重合体とせず)、実施例5のアクリル重合体と同様にして重合したアクリル重合体のみをバインダーとして用いた以外は実施例1と同様にして二次電池多孔膜用スラリーを調製し、多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<比較例3>
非導電性粒子として、無機微粒子を使用した。無機微粒子の製造方法は、以下の通りであった
(無機微粒子の製造)
バイヤー法で得られた体積平均粒子径2.8μmの水酸化アルミニウムを、0.61g/cmの仕込み密度で箱型匣鉢に仕込んだ。この箱型匣鉢を、定置型電気炉(シリコニット高熱工業株式会社製「シリコニット炉」)の炉内に設置し、焼成温度1180℃で10時間焼成した。その後、生成したαアルミナの粒子を炉内から取り出した。
6リットルのポット内に直径15mmのアルミナボール7.8kgが収容された振動ボールミル(中央化工機株式会社製「振動ミル」)を用意した。そのポット内に、前記のαアルミナの粒子1.0kgとエタノール15gとを充填し、36時間粉砕して、無機微粒子として、体積平均粒子径0.6μmのαアルミナ粒子を得た。
このようにして得られた無機微粒子である非導電性粒子の水分散体、実施例1と同様にして得られたフッ素系重合体とアクリル重合体とを含有する複合化重合体を含むバインダーの水系分散体及びカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学社製、商品名:ダイセル1220)を、固形分重量比が、非導電性粒子:水溶性高分子:バインダー=307.8:12.3:4.6となるように水中で混合して、多孔膜用スラリーを得た。 得られた多孔膜用スラリーを用いて、実施例1と同様にして多孔膜付セパレータ及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付セパレータについて、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<比較例4>
比較例1と同様にして得られた多孔膜用スラリーを用いた以外は実施例9と同様にして多孔膜付電極(多孔膜付負極)及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付電極について、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
<比較例5>
比較例2と同様にして得られた多孔膜用スラリーを用いた以外は実施例9と同様にして多孔膜付電極(多孔膜付負極)及び二次電池を製造した。そして、製造した多孔膜付電極について、ピール強度、熱収縮性、及び多孔膜の均一性を評価した。また、製造した二次電池について、レート特性を評価した。
上述した実施例1〜10及び比較例1〜5について、評価結果を表1に示す。
Figure 2014175055
表1より、有機微粒子である非導電性粒子、水溶性高分子およびバインダーを含み、バインダーが、フッ素系重合体、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体を含有する、実施例1〜10の二次電池用多孔膜を有するセパレータ及び電極では熱収縮率が小さく、更に、かかるセパレータ又は電極は、均一性が高くて当該セパレータ又は電極を有する二次電池はレート特性が良好であることがわかる。また、実施例1〜10の二次電池用多孔膜を有するセパレータ及び電極は、ピール強度にも優れていることが分かる。
一方、バインダーが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体を含有しない二次電池用多孔膜を有する比較例1及び4では、多孔膜の均一性およびピール強度が低下すると共に二次電池のレート特性が著しく劣化することがわかる。また、バインダーが、フッ素系重合体を含有しない二次電池用多孔膜を有する比較例2及び5では、二次電池用多孔膜の均一性、ピール強度および熱収縮性が低下すると共に及び二次電池のレート特性が著しく劣化することがわかる。また、非導電性粒子として、無機微粒子を用いた比較例3は、多孔膜の均一性が劣化することがわかる。
特に、実施例1及び5より、バインダーとして、フッ素系重合体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体との複合化重合体を用いることで、二次電池用多孔膜の均一性及び二次電池のレート特性が良好となることがわかる。これは、複合化重合体を用いることで、バインダーの安定性が向上することに起因すると考えられる。また、実施例6及び7は、バインダーを構成するアクリル重合体にスチレンを含有しないため、ピール強度が劣化することが考えられるが、実施例6及び7は、アクリロニトリルを含有することにより、ピール強度を良好に維持していると考えられる。一方、実施例6では、メタアクリル酸グリシジルを含有しないことにより、耐熱性が低下し、熱収縮性が低下することがわかる。実施例7では、アクリル重合体にアクリル酸エチルを用いたことにより、フッ素重合体との相溶性が低下し、レート特性が低下することが分かる。実施例1と、実施例8及び10とから、フッ素系重合体としては、フッ化ビニリデン単位及び六フッ化プロピレン単位のうち少なくとも一方を含む重合体が好ましく、フッ化ビニリデン単位及び六フッ化プロピレン単位の両方を含む重合体が更に好ましいことがわかる。

Claims (10)

  1. 非導電性粒子、水溶性高分子およびバインダーを含み、
    前記非導電性粒子が有機微粒子であり、
    前記バインダーが、フッ素系重合体、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体を含有する二次電池用多孔膜。
  2. 前記アクリル重合体が、酸性官能基を有する、請求項1に記載の二次電池用多孔膜。
  3. 前記酸性官能基が、カルボン酸基及びスルホン酸基から選ばれる少なくとも1つである請求項2に記載の二次電池用多孔膜。
  4. 非導電性粒子、水溶性高分子、バインダー及び水を含み、
    前記非導電性粒子が、有機微粒子であり、
    前記バインダーが、フッ素系重合体、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体を含有する二次電池多孔膜用スラリー。
  5. 前記アクリル重合体が、酸性官能基を有する、請求項4に記載の二次電池多孔膜用スラリー。
  6. 前記酸性官能基が、カルボン酸基及びスルホン酸基から選ばれる少なくとも1つである請求項5に記載の二次電池多孔膜用スラリー。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の二次電池多孔膜用スラリーを基材上に塗布してスラリー層を形成する工程と、
    前記スラリー層を乾燥する工程と、
    を含む、二次電池用多孔膜の製造方法。
  8. 集電体と、
    前記集電体に付着し、電極合剤層用結着剤及び電極活物質を含む電極合剤層と、
    前記電極合剤層の表面に形成された、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用多孔膜とを備える、二次電池用電極。
  9. 有機セパレータと、
    前記有機セパレータの表面に形成された、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用多孔膜とを備える、二次電池用セパレータ。
  10. 正極、負極、セパレータ及び電解液を含む二次電池であって、前記正極、負極及びセパレータの少なくともいずれかが、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用多孔膜を有する、二次電池。
JP2013043634A 2013-03-06 2013-03-06 二次電池用多孔膜、二次電池多孔膜用スラリー、及び二次電池用多孔膜の製造方法、並びに二次電池用電極、二次電池用セパレータ、及び二次電池 Pending JP2014175055A (ja)

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