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JP2014166768A - 車体構造 - Google Patents

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JP2014166768A JP2013038509A JP2013038509A JP2014166768A JP 2014166768 A JP2014166768 A JP 2014166768A JP 2013038509 A JP2013038509 A JP 2013038509A JP 2013038509 A JP2013038509 A JP 2013038509A JP 2014166768 A JP2014166768 A JP 2014166768A
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Abstract

【課題】フロントピラーの剛性,強度を向上させることができる車体構造を提供する。
【解決手段】車体構造は、ロアインナ21と、ピラースティフナ32とを有する。ピラースティフナ32は、スティフナ側壁32aと、スティフナ側壁32aの上端から車内側へ延出するスティフナ上壁32bと、スティフナ側壁32aの下端から車内側へ延出するスティフナ下壁32cと、スティフナ上壁32bの延出端に沿って設けられたスティフナ上フランジ32dと、スティフナ下壁32cの延出端に沿って設けられたスティフナ下フランジ32eとから成る断面溝形状に形成される。ピラースティフナ32がロアインナ前フランジ21dまで延び、かつ、スティフナ上フランジ32dとスティフナ下フランジ32eとがロアインナ前フランジ21dに接合されることによって、ピラースティフナ32とロアインナ21との間に第2閉断面C2が形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、車体構造に関するものである。
フロントピラーの衝撃吸収性能を高める技術としては、ピラーインナとの間で閉断面を形成するようにピラースティフナを接合し、フロントピラーの剛性,強度を向上させる車体構造が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−58530号公報
ところで、近年、車両の衝突安全性に対する要求が一層高まっており、フロントピラーの剛性,強度を更に高め、客室空間の変形量を低減できる車体構造の開発が望まれている。
しかし、従来の車体構造では、ピラースティフナがピラーインナの前端側に密着しており、ピラースティフナとピラーインナの前端側との間に閉断面が形成されていなかった。そのため、フロントピラーの前端側の剛性,強度が低下していた。
本発明は、このような観点から創案されたものであり、フロントピラーの衝撃吸収性能を高めるべく、フロントピラーの剛性,強度を向上させることができる車体構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、上下方向に延びるフロントピラーロアと、前記フロントピラーロアの上端から後斜め上方へ延設されたフロントピラーアッパと、を備えた車体構造であって、前記フロントピラーロアは、車内側に配置されたロアインナを有し、前記フロントピラーアッパは、車内側に配置されたアッパインナと、前記アッパインナとの間で第1閉断面を形成するように接合されたピラースティフナと、を有し、前記ピラースティフナは、前記アッパインナに対し車外側に離間して配置されたスティフナ側壁と、前記スティフナ側壁の上端から車内側へ延出するスティフナ上壁と、前記スティフナ側壁の下端から車内側へ延出するスティフナ下壁と、前記スティフナ上壁の延出端に沿って設けられたスティフナ上フランジと、前記スティフナ下壁の延出端に沿って設けられたスティフナ下フランジとから成る断面溝形状に形成され、前記ピラースティフナが前記ロアインナの前端側まで延び、かつ、前記スティフナ上フランジと前記スティフナ下フランジとが前記ロアインナの前端側に接合されることによって、前記ピラースティフナと前記ロアインナとの間に第2閉断面が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、断面溝形状のピラースティフナがロアインナの前端側まで延び、かつ、スティフナ上フランジとスティフナ下フランジとがロアインナの前端側に接合されることによって、ピラースティフナとロアインナとの間に第2閉断面が形成されているので、ロアインナの前端側にも閉断面を形成できる。これにより、ピラースティフナの全長に亘ってアッパインナ及びロアインナとの間で閉断面(第1閉断面及び第2閉断面)を形成できるので、フロントピラーの剛性,強度を向上させることができる。
また、前記ロアインナは、上下方向に延びるロアインナ側壁と、前記ロアインナ側壁の前端から車外側へ延出するロアインナ前壁と、前記ロアインナ側壁の後端から車外側へ延出するロアインナ後壁と、前記ロアインナ前壁の延出端から前方へ延出するロアインナ前フランジと、前記ロアインナ後壁の延出端から後方へ延出するロアインナ後フランジとから成る断面溝形状に形成され、前記スティフナ下フランジは、前記ロアインナ前フランジと前記ロアインナ後フランジとに夫々接合され、前記ロアインナとの間で第3閉断面を形成する構成とするのが好ましい。
かかる構成よれば、スティフナ下フランジは、ロアインナ前フランジとロアインナ後フランジとに夫々接合され、ロアインナとの間で第3閉断面を形成するので、フロントピラーの剛性,強度を更に向上させることができる。
また、前記スティフナ側壁と前記スティフナ上壁と前記スティフナ下壁とで形成された溝形状の空間の断面積は、前方へ向かうにつれて小さくなる構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、スティフナ側壁とスティフナ上壁とスティフナ下壁とで形成された溝形状の空間の断面積は、前方へ向かうにつれて小さくなるので、ピラースティフナと他部品(例えばアウトサイドパネル等)との干渉を回避できると共に、他部品の溶接部位に影響を与えることなく、ピラースティフナの接合代をロアインナの前端側まで確保できる。
また、前記スティフナ上フランジは、前記ピラースティフナの延在方向において、前記スティフナ下フランジよりも短く形成されている構成とするのが好ましい。
ピラースティフナを後斜め上方に傾斜させ、かつ、ピラースティフナの延在方向において、スティフナ上フランジ及びスティフナ下フランジの長さを同一にすると、スティフナ上フランジの前端がスティフナ下フランジの前端よりも前方に大きく張り出してしまう。その結果、スティフナ上フランジが他部品と干渉したり、他部品の溶接部位に影響を与えたりする弊害が生じる。これに対し、本発明によれば、スティフナ上フランジは、ピラースティフナの延在方向において、スティフナ下フランジよりも短く形成されているので、スティフナ上フランジ及びスティフナ下フランジの長さを同一にした場合に比べ、スティフナ上フランジの前方への張り出し量を抑えることができる。これにより、スティフナ上フランジと他部品との干渉を回避できると共に、スティフナ上フランジが他部品の溶接部位に影響を与えることがない。
また、前記ロアインナと前記ピラースティフナとに接合されるサイドメンバを更に備え、前記サイドメンバは、前記ロアインナの前端側と前記スティフナ上フランジとに一体的に接合される第1接合部と、前記ロアインナの前端側と前記スティフナ下フランジとに一体的に接合される第2接合部と、を有する構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、サイドメンバは、ロアインナの前端側とスティフナ上フランジとに一体的に接合される第1接合部と、ロアインナの前端側とスティフナ下フランジとに一体的に接合される第2接合部と、を有するので、フロントピラーの剛性,強度を更に向上させることができる。
本発明によれば、フロントピラーの剛性,強度を向上させることができる車体構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車体構造が適用された車両フレームを車外側から見た概略側面図である。 図1に示す車両フレームを車内側から見た概略斜視図である。 図2の部分拡大斜視図である。 図3のI−I線断面図である。 図3のII−II線断面図である。 図3のIII−III線断面図である。 ピラースティフナ、ロアインナ、及び、ロアアウタを車外側から見た部分拡大斜視図である。 図7のIV−IV線断面斜視図である。
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図中に矢印で示される「前後」は、車体前後方向を示し、「上下」は、車体上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)を示している。
本発明の実施形態に係る車体構造は、ロアインナ21と、アッパインナ31と、ピラースティフナ32と、サイドメンバ4との接合構造に関するものである。車体構造の説明に先立って、図1を参照して本発明の実施形態に係る車体構造が適用された車両フレーム100について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車体構造が適用された車両フレーム100を車外側から見た概略側面図である。なお、説明の便宜のため、図1ではアッパアウタ33の一部を破断して描いている。
図1に示すように、車両フレーム100は、車両側部の骨格を構成しており、前後方向に延設されたサイドシル5と、サイドシル5の前端から上方へ延設された後、後斜め上方へ延設されたフロントピラー1と、フロントピラー1から前方へ延設されたサイドメンバ4と、サイドシル5の中間から上方へ延設されたセンターピラー6と、フロントピラー1の後端及びセンターピラー6の上端に接合され前後方向に延設されたルーフサイドレール7と、を主に備えている。車両フレーム100には、センターピラー6を挟んで前後に前開口部8a及び後開口部8bが形成されている。前開口部8a及び後開口部8bは、図示しないフロントドア及びリアドアで夫々開閉可能に覆われる。サイドメンバ4については後に詳しく説明する。
フロントピラー1は、上下方向に延設されたフロントピラーロア2と、フロントピラーロア2の上端から後斜め上方へ延設されたフロントピラーアッパ3と、を有している。
図2は、図1に示す車両フレーム100を車内側から見た概略斜視図である。なお、説明の便宜のため、図2では、アッパアウタ33を省略して描いている。
フロントピラーロア2は、図1及び図2に示すように、車内側に配置されたロアインナ21と、車外側に配置されたロアアウタ22と、を溶接で接合して構成された金属製部材である。ロアインナ21の下端は、図2に示すように、連結部材9を介して、サイドシル5の前端に接合されている。ロアインナ21については後に詳しく説明する。
フロントピラーアッパ3は、図1及び図2に示すように、車内側に配置されたアッパインナ31と、アッパインナ31の車外側に配置されたピラースティフナ32と、ピラースティフナ32の車外側に配置されたアッパアウタ33と、を溶接で接合して構成された金属製部材である。アッパインナ31は、図2に示すように、前端がロアインナ21の上端に溶接で接合され、後斜め上方へ傾斜している。ピラースティフナ32は、アッパインナ31からロアインナ21の前端21f付近に亘って延設されている。アッパアウタ33は、図1に示すように、ピラースティフナ32に沿って延設され、ピラースティフナ32との間で閉断面を形成するように接合されている。なお、図示は省略するが、アッパアウタ33の前端側は、ピラースティフナ32に沿って延設された後、下方へ延設されている。アッパアウタ33は、フロントピラーロア2のアウタ上部として兼用されている。アッパインナ31及びピラースティフナ32については後に詳しく説明する。
サイドシル5、センターピラー6、及び、ルーフサイドレール7も同様にインナとアウタとを溶接で接合して構成されている(図1,図2ではアウタのみ図示)。なお、図1に示すように、ロアアウタ22は、サイドシル5やセンターピラー6の下端側のアウタと連続して一体に形成され、これらのアウタでアウトサイドロアパネルP1が構成されている。また、アッパアウタ33は、ルーフサイドレール7やセンターピラー6の上端側のアウタと連続して一体に形成され、これらのアウタでアウトサイドアッパパネルP2が構成されている。
次に、図1乃至図8を参照して、本発明の特徴部分であるロアインナ21、アッパインナ31、ピラースティフナ32、サイドメンバ4の構造について詳しく説明する。
図3は、図2の部分拡大斜視図である。図4は、図3のI−I線断面図である。図5は、図3のII−II線断面図である。
ロアインナ21は、上下方向に長尺な部材であり、プレス加工等で折曲形成された一枚の金属板で構成されている。ロアインナ21は、図3及び図5に示すように、上下方向に延びるロアインナ側壁21aと、ロアインナ側壁21aの前端から車外側へ延出するロアインナ前壁21bと、ロアインナ側壁21aの後端から車外側へ延出するロアインナ後壁21cと、ロアインナ前壁21bの延出端から前方へ延出するロアインナ前フランジ21dと、ロアインナ後壁21cの延出端から後方へ延出するロアインナ後フランジ21eとを有し、断面溝形状(ハット状)に形成されている。ロアインナ前フランジ21dは、図3に示すように、前後方向に所定幅を有する第1前フランジ21dと、第1前フランジ21dの上端から車内側へ延出する第2前フランジ21dと、を有している。
ロアインナ21の上端側は、後斜め上方へ傾斜しており、フロントピラーアッパ3のインナ前部として兼用されている。詳しくは、ロアインナ側壁21a、ロアインナ前壁21b、ロアインナ後壁21c、及び、ロアインナ後フランジ21eの上端側は、後斜め上方へ延設されている。ロアインナ側壁21a、ロアインナ後壁21c、及び、ロアインナ後フランジ21eは、アッパインナ31の前端に溶接で接合されている。また、第2前フランジ21dは、第1前フランジ21dの上端からロアインナ側壁21aの上端に亘って、後斜め上方へ延設されている。第2前フランジ21dは、アッパインナ31の前端に溶接で接合されている。
図6は、図3のIII−III線断面図である。
アッパインナ31は、前後方向に長尺な部材であり、プレス加工等で折曲形成された一枚の金属板で構成されている。アッパインナ31は、図3及び図6に示すように、前後方向に延びるアッパインナ側壁31aと、アッパインナ側壁31aの下端から車外側へ延出するアッパインナ下壁31bと、アッパインナ側壁31aの上端から車内側へ延出するアッパインナ上フランジ31cと、アッパインナ下壁31bの下端から下方へ延出するアッパインナ下フランジ31dとを有している。
ピラースティフナ32は、図3に示すように、前後方向に長尺な部材であり、プレス加工等で折曲形成された一枚の金属板で構成されている。ピラースティフナ32は、図4及び図6に示すように、ロアインナ21及びアッパインナ31に対し車外側に離間して配置されたスティフナ側壁32aと、スティフナ側壁32aの上端から車内側へ延出するスティフナ上壁32bと、スティフナ側壁32aの下端から車内側へ延出するスティフナ下壁32cと、スティフナ上壁32bの延出端に沿って設けられたスティフナ上フランジ32dと、スティフナ下壁32cの延出端に沿って設けられたスティフナ下フランジ32eとを有し、断面溝形状に形成されている。スティフナ上フランジ32dは、スティフナ上壁32bの延出端から車内側へ延出し、スティフナ上壁32bの延出方向に沿った延長線上に設けられている。スティフナ下フランジ32eは、スティフナ下壁32cの延出端から下方へ延出している。なお、スティフナ上フランジ32dがスティフナ上壁32bの延出端から上方へ延出して、ピラースティフナ32が断面ハット状に形成されてもよい。
ピラースティフナ32は、延在方向の全長に亘って断面溝形状に形成されている。ピラースティフナ32は、図6に示すように、アッパインナ31との間で第1閉断面C1を形成するように接合されている。詳しくは、スティフナ上フランジ32dは、アッパインナ上フランジ31cに溶接で接合されている。スティフナ下フランジ32eは、アッパインナ下フランジ31dに溶接で接合されている。このような構成により、スティフナ側壁32a、スティフナ上壁32b、スティフナ下壁32c、及び、アッパインナ31によって、中空五角形状の第1閉断面C1が形成されている。
ピラースティフナ32は、図4に示すように、ロアインナ21との間で第2閉断面C2を形成するように接合されている。ピラースティフナ32の前端32fは、図3に示すように、ロアインナ21の前端21f付近まで延びている。ピラースティフナ32は、図3及び図4に示すように、ロアインナ21の前端21f付近まで第2閉断面C2が延在するように接合されている。詳しくは、スティフナ側壁32a、スティフナ上壁32b、スティフナ下壁32c、スティフナ上フランジ32d、及び、スティフナ下フランジ32eは、ロアインナ21の前端21f付近まで延びている。スティフナ上フランジ32dは、第2前フランジ21dに溶接で接合されている。スティフナ下フランジ32eは、第1前フランジ21dに溶接で接合されている。このような構成により、スティフナ側壁32a、スティフナ上壁32b、スティフナ下壁32c、及び、ロアインナ21によって、中空台形状の第2閉断面C2が形成されている。第1閉断面C1と第2閉断面C2は、互いに連通している。
スティフナ下フランジ32eは、図5に示すように、ロアインナ後フランジ21eにも溶接で接合されている。すなわち、スティフナ下フランジ32eは、第1前フランジ21dとロアインナ後フランジ21eとに跨って設けられている。このような構成により、スティフナ下フランジ32eとロアインナ21との間には、中空台形状の第3閉断面C3が形成されている。第2閉断面C2と第3閉断面C3は、互いに連通している。
図7は、ピラースティフナ32、ロアインナ21、及び、ロアアウタ22を車外側から見た部分拡大斜視図である。図8は、図7のIV−IV線断面斜視図である。なお、説明の便宜のため、図7では、サイドメンバ4を省略して描いている。
図4,図6,図8に示すように、スティフナ下壁32cの幅寸法L1は、前方へ向かうにつれて徐々に小さくなるように形成されている。また、スティフナ下壁32cの幅寸法L1が小さくなるのに伴い、スティフナ側壁32aは、前方へ向かうにつれて下端が車内側に位置するように捩れている。このような構成により、スティフナ側壁32aと、スティフナ上壁32bと、スティフナ下壁32cとで形成された溝形状の空間の断面積は、前方へ向かうにつれて徐々に小さくなると共に、ピラースティフナ32の前方部位における車外側への突出量を抑えることができる。
図7に示すように、スティフナ上フランジ32dは、ピラースティフナ32の延在方向において、スティフナ下フランジ32eよりも短く形成されている。すなわち、ピラースティフナ32の延在方向に直交する基準線Sからスティフナ上フランジ32dの前端までの長さL2は、基準線Sからスティフナ下フランジ32eの前端までの長さL3よりも短く形成されている。このような構成により、スティフナ上フランジ32dの前端は、スティフナ下フランジ32eの前端と垂直方向(上下方向)に一致している。
ちなみに、ピラースティフナ32を後斜め上方に傾斜させ、かつ、ピラースティフナ32の延在方向において、スティフナ上フランジ32d及びスティフナ下フランジ32eの長さを同一にすると、図7の二点鎖線で示すように、スティフナ上フランジ32dの前端がスティフナ下フランジ32eの前端よりも前方に大きく張り出してしまう。その結果、スティフナ上フランジ32dが、例えばアウトサイドアッパパネルP2(図1参照)等の他部品と干渉したり、他部品の溶接部位に影響を与えたりする弊害が生じる。これに対し、本実施形態では、スティフナ上フランジ32dは、ピラースティフナ32の延在方向において、スティフナ下フランジ32eよりも短く形成されているので、スティフナ上フランジ32dの前方への張り出し量を抑え(本実施形態では零)、前記弊害を排除できる。なお、スティフナ上フランジ32dは、スティフナ下フランジ32eよりも短く形成されていればよく、スティフナ上フランジ32dの前端がスティフナ下フランジ32eの前端と垂直方向に一致していなくてもよい。
図3に示すように、サイドメンバ4は、側面視略L字状の部材であり、プレス加工等で折曲形成された一枚の金属板で構成されている。サイドメンバ4は、フロントピラーロア2とフロントピラーアッパ3との境界部から前方へ延設されている。サイドメンバ4の後端上部には、ロアインナ21やピラースティフナ32に接合される接合部41が後斜め上方へ延設されている。接合部41は、図4に示すように、上下方向に延びる第1接合部41aと、第1接合部41aの上端から車内側へ延出する第2接合部41bとを有し、断面L字状に形成されている。第1接合部41aは、第1前フランジ21dとスティフナ下フランジ32eとに一体的に溶接で接合されている。第2接合部41bは、第2前フランジ21dとスティフナ上フランジ32dとに一体的に溶接で接合されている。
本発明の実施形態に係る車体構造は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果について説明する。
本実施形態によれば、断面溝形状のピラースティフナ32がロアインナ21の前端21f付近まで延び、かつ、スティフナ上フランジ32dとスティフナ下フランジ32eとがロアインナ21の前端21f付近に溶接で接合されることによって、ピラースティフナ32とロアインナ21との間に第2閉断面C2が形成されているので、ロアインナ21の前端21f付近にも閉断面を形成できる。これにより、ピラースティフナ32の全長に亘ってアッパインナ31及びロアインナ21との間で第1閉断面C1及び第2閉断面C2を形成できるので、フロントピラー1の剛性,強度を向上させることができる。
本実施形態によれば、スティフナ下フランジ32eは、ロアインナ前フランジ21dとロアインナ後フランジ21eとに夫々接合され、ロアインナ21との間で第3閉断面C3を形成するので、フロントピラー1の剛性,強度を更に向上させることができる。
本実施形態によれば、サイドメンバ4は、第1前フランジ21dとスティフナ下フランジ32eとに一体的に溶接で接合される第1接合部41aと、第2前フランジ21dとスティフナ上フランジ32dとに一体的に溶接で接合される第2接合部41bと、を有するので、フロントピラー1の剛性,強度を更に向上させることができる。
本実施形態によれば、スティフナ側壁32aと、スティフナ上壁32bと、スティフナ下壁32cとで形成された溝形状の空間の断面積は、前方へ向かうにつれて小さくなるので、ピラースティフナ32と他部品(例えばアウトサイドアッパパネルP2等)との干渉を回避できると共に、他部品の溶接部位に影響を与えることなく、ピラースティフナ32の接合代をロアインナ21の前端21f付近まで確保できる。換言すると、前記溝形状の空間の断面積を前方へ向かうにつれて小さくすることで、断面溝形状を保ったままピラースティフナ32をフロントピラー1の前端まで延在させることが可能となり、ひいては、フロントピラー1の剛性,強度を向上させることができる。
本実施形態によれば、スティフナ上フランジ32dは、ピラースティフナ32の延在方向において、スティフナ下フランジ32eよりも短く形成されているので、スティフナ上フランジ32d及びスティフナ下フランジ32eの長さを同一にした場合に比べ、スティフナ上フランジ32dの前方への張り出し量を抑えることができる。これにより、スティフナ上フランジ32dと他部品との干渉を回避できると共に、スティフナ上フランジ32dが他部品の溶接部位に影響を与えることがない。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、ロアインナ21とアッパインナ31とを別体で形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロアインナ21とアッパインナ31とを一体で形成してもよい。
本実施形態では、ピラースティフナ32の前端32fは、ロアインナ21の前端21f付近まで延びているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロアインナ21の前端21fまで延びてもよい。
本実施形態では、スティフナ下壁32cの幅寸法L1を調整することで、スティフナ側壁32aと、スティフナ上壁32bと、スティフナ下壁32cとで形成された溝形状の空間の断面積を前方へ向かうにつれて小さくなるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スティフナ側壁32aの高さ寸法を前方へ向かうにつれて小さくすることで、スティフナ側壁32aと、スティフナ上壁32bと、スティフナ下壁32cとで形成された溝形状の空間の断面積を前方へ向かうにつれて小さくなるようにしてもよい。
100 車両フレーム
1 フロントピラー
2 フロントピラーロア
21 ロアインナ
21a ロアインナ側壁
21b ロアインナ前壁
21c ロアインナ後壁
21d ロアインナ前フランジ
21d 第1前フランジ
21d 第2前フランジ
21e ロアインナ後フランジ
21f 前端
22 ロアアウタ
3 フロントピラーアッパ
31 アッパインナ
32 ピラースティフナ
32a スティフナ側壁
32b スティフナ上壁
32c スティフナ下壁
32d スティフナ上フランジ
32e スティフナ下フランジ
32f 前端
33 アッパアウタ
4 サイドメンバ
41 接合部
41a 第1接合部
41b 第2接合部
C1 第1閉断面
C2 第2閉断面
C3 第3閉断面
L1 幅寸法
L2,L3 長さ

Claims (5)

  1. 上下方向に延びるフロントピラーロアと、前記フロントピラーロアの上端から後斜め上方へ延設されたフロントピラーアッパと、を備えた車体構造であって、
    前記フロントピラーロアは、車内側に配置されたロアインナを有し、
    前記フロントピラーアッパは、車内側に配置されたアッパインナと、前記アッパインナとの間で第1閉断面を形成するように接合されたピラースティフナと、を有し、
    前記ピラースティフナは、前記アッパインナに対し車外側に離間して配置されたスティフナ側壁と、前記スティフナ側壁の上端から車内側へ延出するスティフナ上壁と、前記スティフナ側壁の下端から車内側へ延出するスティフナ下壁と、前記スティフナ上壁の延出端に沿って設けられたスティフナ上フランジと、前記スティフナ下壁の延出端に沿って設けられたスティフナ下フランジとから成る断面溝形状に形成され、
    前記ピラースティフナが前記ロアインナの前端側まで延び、かつ、前記スティフナ上フランジと前記スティフナ下フランジとが前記ロアインナの前端側に接合されることによって、前記ピラースティフナと前記ロアインナとの間に第2閉断面が形成されていることを特徴とする車体構造。
  2. 前記ロアインナは、上下方向に延びるロアインナ側壁と、前記ロアインナ側壁の前端から車外側へ延出するロアインナ前壁と、前記ロアインナ側壁の後端から車外側へ延出するロアインナ後壁と、前記ロアインナ前壁の延出端から前方へ延出するロアインナ前フランジと、前記ロアインナ後壁の延出端から後方へ延出するロアインナ後フランジとから成る断面溝形状に形成され、
    前記スティフナ下フランジは、前記ロアインナ前フランジと前記ロアインナ後フランジとに夫々接合され、前記ロアインナとの間で第3閉断面を形成することを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 前記スティフナ側壁と前記スティフナ上壁と前記スティフナ下壁とで形成された溝形状の空間の断面積は、前方へ向かうにつれて小さくなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体構造。
  4. 前記スティフナ上フランジは、前記ピラースティフナの延在方向において、前記スティフナ下フランジよりも短く形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車体構造。
  5. 前記ロアインナと前記ピラースティフナとに接合されるサイドメンバを更に備え、
    前記サイドメンバは、前記ロアインナの前端側と前記スティフナ上フランジとに一体的に接合される第1接合部と、前記ロアインナの前端側と前記スティフナ下フランジとに一体的に接合される第2接合部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車体構造。
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