JP2014160673A - MoSi2製発熱体及び同発熱体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】棒状の端子部1は、一般に市場で使用されているMoSi2を主成分とするヒーターと同形状とし、両端が円柱状端子部、その間をつなぐ板状発熱部3からなる発熱体であって、発熱部の板幅が円柱状端子部の直径の0.7〜1.0であり、板状発熱部の断面積が円柱状端子部の断面積の0.15〜0.3倍である。平面状の発熱部は従来の棒状より大面積にできる。
【選択図】図1
Description
なお、本明細書で使用するMoSi2製板状発熱体は、純MoSi2乃至MoSi2にSiO2等の絶縁性酸化物等を含有させて(通常、MoSi2は70wt%以上含有する)電気抵抗を増加させたMoSi2主成分とする発熱体を含む。
従来、ガラス工業やセラミックス焼成等の多くの分野で使用されている発熱体は発熱部(なお、通常「発熱部」は、通電時に主に発熱する、発熱体の径が細い部分(端子部以外)を意味する。)が1つのU字形を成す形状(2シャンク型)をしており、炉の天井や側壁から宙吊りに取り付けられ、その炉の最高使用温度は1700〜1800°Cに達する。
このため、従来の棒状ヒーターでは、発熱部線幅と端子部線幅の比は1:2もしくは4:9となり、つまり発熱部線幅/端子部線幅の比率は0.44〜0.50が常識となっている。
形態係数Fは、二つの面の幾何学的関係を表す数値で、一方の面のすべての位置から発射された輻射線が相手の面内に到達する割合を足し合わせた値を意味し、0〜1で表示される。
一方、ヒーターから発射される輻射線が被熱処理体に到達する割合、つまり形態係数を大きくすることができれば、効果的に被熱処理体へ伝熱が可能となり、省エネルギー化が達成できると考えられる。
板状のMoSi2ヒーターについては、以前、本発明者によって特許出願を行なっているが、棒状に押し出した後、加熱変形させて板状にする場合(文献1参照)は、形状安定性が非常に難しかった。
また、板状に押し出し発熱部と棒状の端子部を接合する方法は、溶接が安定しない問題があった。このようなことから最近は、形状安定性に優れ、溶接部の問題がなく、既存ヒーターの容易に置き換え可能なヒーターが要求されていた。
現在、市場で販売されている発熱部と端子部の線径がφ4/φ9、φ6/φ12、φ9/φ18のヒーターにおいて発熱部(線径が細い部分)の標準U字ピッチは、それぞれ、25mm(φ4材使用)、40mm(φ6材)、50mm(φ9材)となっている。
平面状の発熱部は従来の棒状より断面積は同一だが表面積は大きく、輻射エネルギーの伝熱効率を高め、従来の棒状ヒーターより省エネや均熱性改善の効果を得ることができるようにする。
一方、棒状の端子部は、一般に市場で使用されているMoSi2を主成分とするヒーターと同形状とし、ヒーターを炉に装着する時に使用される図3で示したホルダー5やクリップ6、接続帯7等の付属品をそのまま使用できるようにすることを課題とする。
1)両端が円柱状端子部、その間をつなぐ板状発熱部からなる発熱体であって、発熱部の板幅が円柱状端子部の直径の0.7〜1.0であり、板状発熱部の断面積が円柱状端子部の断面積の0.15〜0.3倍であることを特徴とするMoSi2製発熱体
2)板状発熱部がU字形であり、円柱状端子部が給電部に接合できる構造を備えていることを特徴とする上記1)記載のMoSi2製発熱体
3)板状発熱部の片面が円柱状端子部の曲面を有することを特徴とする上記1)又は2)記載のMoSi2製発熱体、を提供する。
4)円柱状端子部と板状発熱部が同一材料からなる一体型MoSi2製発熱体の製造方法であって、円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、中央の発熱部となる位置を切削加工して、該発熱部の板幅が円柱状端子部の直径の0.7〜1.0に、板状発熱部の断面積が円柱状端子部の断面積の0.15〜0.3倍にすることを特徴とするMoSi2製発熱体の製造方法
5)円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、中央の発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の一方の曲面から削除を開始して、板状発熱部の一方の面を平面に加工し、板状発熱部の他方の面が円柱の曲面が残るように加工することを特徴とする前記4)記載のMoSi2製発熱体、を提供する。
また、平面状の発熱部は従来の棒状より大面積とし、輻射エネルギーの伝熱効率を高め、従来の棒状ヒーターより省エネや均熱性改善の効果を得ることができる効果を得ることができる。さらに、棒状の端子部は、一般に市場で使用されているMoSi2を主成分とするヒーターと同形状とすることができるので、ヒーターを炉に装着する時に使用されるホルダーやクリップ、接続帯等の付属品はそのまま使用することが可能で、従来ヒーターからの置き換えが容易となる効果を有する。
図1に、本発明のMoSi2製板状発熱体の代表的な形状例を示す。同図において、符号1は電極部、符号2は端子部、符号3は発熱部をそれぞれ示す。
上記の通り、円柱状端子部2の構造は従来品と同様であり、両端の円柱状端子部の末端に電極部を構成することができる。したがって、市販の付属品を利用して給電できる。
片側が曲面である板状発熱部3は、図4に示すように片側から加工するだけで良いので、作業が簡略化でき、低コストで作製できるメリットがある。また図4の下図のような断面にした場合に板厚を少し肉厚にできる点や、エッジでのチッピングを低減できる等で材料の信頼性を向上させる効果もある。
通常、図1及び図2に示すように、板状発熱部3はU字形の面と平行な面となるように切削する。しかし、U字形の面に垂直な面になるように切削することもできることも容易に理解できるであろう。すなわち、加熱する対象物によって、板状発熱部3の面の向きを変えることができる。
また、平面状の発熱部は従来の棒状より大面積とし、輻射エネルギーの伝熱効率を高め、従来の棒状ヒーターより省エネや均熱性改善の効果を得ることができる効果を得ることができ、棒状の端子部は、一般に市場で使用されているMoSi2を主成分とするヒーターと同形状とすることができるので、ヒーターを炉に装着する時に使用されるホルダーやクリップ、接続帯(図示)等の付属品はそのまま使用することが可能で、従来ヒーターからの置き換えが容易となる。
2: 端子部
3: 発熱部
4: 溶接部
5: ヒーターホルダー
6: クリップ
7: 接続帯
Claims (5)
- 両端が円柱状端子部、その間をつなぐ板状発熱部からなる発熱体であって、発熱部の板幅が円柱状端子部の直径の0.7〜1.0であり、板状発熱部の断面積が円柱状端子部の断面積の0.15〜0.3倍であることを特徴とするMoSi2製発熱体。
- 板状発熱部がU字形であり、円柱状端子部が給電部に接合できる構造を備えていることを特徴とする請求項1記載のMoSi2製発熱体。
- 板状発熱部の片面が円柱状端子部の曲面を有することを特徴とする請求項1又は2記載のMoSi2製発熱体。
- 円柱状端子部と板状発熱部が同一材料からなる一体型MoSi2製発熱体の製造方法であって、円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、中央の発熱部となる位置を切削加工して、該発熱部の板幅が円柱状端子部の直径の0.7〜1.0に、板状発熱部の断面積が円柱状端子部の断面積の0.15〜0.3倍にすることを特徴とするMoSi2製発熱体の製造方法。
- 円柱状のMoSi2製原材料を曲げ加工によりU字形とした後、中央の発熱部となる位置を切削加工する際に、MoSi2製の円柱の一方の曲面から削除を開始して、板状発熱部の一方の面を平面に加工し、板状発熱部の他方の面が円柱の曲面が残るように加工することを特徴とする前記4)記載のMoSi2製発熱体。
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