JP2014031005A - 光反応物層含有シートおよび光反応物層含有シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光透過性フィルムの離型処理にシリコーン系剥離剤を使用することなく、光反応物層から光透過性フィルムを容易に剥離できる光反応物層含有シートの提供。
【解決手段】光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされた光反応物層含有シートであって、光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下である、光反応物層含有シート。
【選択図】なし
【解決手段】光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされた光反応物層含有シートであって、光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下である、光反応物層含有シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、光反応物層の少なくとも片面に、剥離剤で離型処理された光透過性フィルムが貼り合わされてなる、光反応物層含有シートの製造方法および該方法で製造された積層シートに関する。
例えば、光照射により重合して得られるアクリルポリマー系粘着剤からなる粘着層を備えた粘着シート等といった、光反応性組成物を光反応させた光反応物層を含むシート、すなわち、光反応物層含有シートは、耐候性、耐熱性および耐薬品性等に優れているだけでなく、昨今問題となっている大気汚染の原因となる有機溶剤を使用せずに製造できるという利点を有する。
ところが、例えば、光照射による光重合反応には酸素による重合阻害の問題があり、この重合阻害を防止するために、従来、窒素雰囲気下で光重合反応を行う方法が知られている(特許文献1)。しかし、かかる方法には、光反応性組成物(光重合性組成物)からモノマーが揮発して、得られる光反応物である重合物におけるモノマー組成が変わったり、揮発したモノマーによって光照射ランプが汚染されたりする問題があり、また、かかる汚染を回避しようとすると光照射ゾーンの設備費が高価になるという問題があった。
別の方法として、特許文献2のように、光反応性組成物層に光透過性フィルムを被せて光反応性組成物層を酸素から遮断した状態にしてから、光透過性フィルムを通して光反応性組成物層に光を照射する方法が知られている。また、光反応性組成物層が、粘着剤層用の光重合性組成物のような、光照射後の反応物が接着性を発現する光反応性組成物からなる光反応性組成物層である場合、酸素から遮断するための光透過性フィルムには、光照射後(重合反応後)の光反応性組成物層から良好な剥離性が得られるように、基材(フィルム)の表面にシリコーン系剥離剤を塗布したものが知られている。これは、シリコーン系剥離剤は極めて軽剥離であり、光照射後(重合反応後)の接着性が発現した反応物(重合物)に対しても重剥離化が生じにくいためである。
しかしながら、シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムを使用して得られる光反応物層含有シートの場合、光透過性フィルムの剥離剤層から光反応性組成物層へシリコーン成分が移行し、このため、光反応後に得られる光反応物層含有シートがHDD等の電子機器用途や自動車用途に使用される場合、光反応物層に混在したシリコーン成分が電子機器や自動車における不具合の原因となることがあり、これらの用途向けの光反応物層含有シートにはシリコーン系剥離剤を適用できないという問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光透過性フィルムの離型処理にシリコーン系剥離剤を使用することなく、光反応物層から光透過性フィルムを容易に剥離できる光反応物層含有シートを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、非シリコーン系の剥離剤である、ポリオレフィンを主成分とする特定の剥離剤によって離型処理した光透過性フィルムは、光反応性組成物層と接触した状態で光反応性組成物層の光反応が成されても、光反応後に得られる光反応物層に対して重剥離化しないことを知見し、該知見に基づいてさらに研究を進めることによって、本発明を完成した。
本発明は以下の通りである。
[1] 光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされた光反応物層含有シートであって、
光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下である、光反応物層含有シート。
[2] 光反応物層の光透過性フィルムが貼り合わされた表面におけるシリコーン成分付着量が1.0[kcps]未満である、上記[1]記載の光反応物層含有シート。
[3] 非シリコーン系剥離剤が、ポリオレフィン、イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する、ポリオレフィン系剥離剤である、上記[1]又は[2]記載の光反応物層含有シート。
[4] ポリオレフィン系剥離剤が、ウレタン化触媒をさらに含有する、上記[3]記載の光反応物層含有シート。
[5] ウレタン化触媒が、金属錯体触媒又は/及び有機スズ系触媒である、上記[4]記載の光反応物層含有シート。
[6] 剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、上記[3]〜[5]のいずれかに記載の光反応物層含有シート。
[7] 光反応性組成物が粘着剤用光重合性組成物であり、光反応物層が粘着剤層である、上記[6]記載の光反応物層含有シート。
[8] 粘着剤用光重合性組成物が、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と該アルキルアクリレート単量体と共重合可能な極性基含有単量体とを含む単量体混合物に光重合開始剤を含有させた、アクリル系粘着剤用光重合性組成物である、上記[7]記載の光反応物層含有シート。
[9] 単量体混合物が、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート単量体70〜100質量%と、極性基含有単量体30〜0質量%とから成るものである、上記[8]に記載の光反応物層含有シート。
[10] 剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が25MPa以上、且つ23℃における引張破壊応力が8MPa以上のポリオレフィンである、上記[3]〜[5]のいずれかに記載の光反応物層含有シート。
[11] 光反応性組成物がアクリルウレタン基材用光重合性組成物であり、光反応物層がアクリルウレタン基材である、上記[10]記載の光反応物層含有シート。
[12] アクリルウレタン基材用光重合性組成物が、主成分単量体がアルキルアクリレート単量体であるラジカル重合性単量体、ウレタンポリマー、及び光重合開始剤を含む組成物である、上記[11]記載の光反応物層含有シート。
[13] 光透過性フィルムがポリエステルフィルムである、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の光反応物層含有シート。
[14] 支持体の少なくとも片面に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層の外表面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層を重ねるか、或いは、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層上に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層に支持体を重ねた後、光を照射することで、前記光反応性組成物層を光反応させた光反応物層を形成する、光反応物層含有シートの製造方法であって、
前記非シリコーン系剥離剤が、ポリオレフィン、イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する、ポリオレフィン系剥離剤であることを特徴とする光反応物層含有シートの製造方法。
[15] ポリオレフィン系剥離剤が、ウレタン化触媒をさらに含有するものである、上記[14]記載の方法。
[16] ウレタン化触媒が、金属錯体触媒又は/及び有機スズ系触媒である、上記[15]記載の方法。
[17] 光反応性組成物が粘着剤用光重合性組成物であり、光反応物層が粘着剤層である、上記[14]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18] ポリオレフィン剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、上記[17]記載の方法。
[19] 粘着剤用光重合性組成物が、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と、該アルキルアクリレート単量体と共重合可能な極性基含有単量体とを含む単量体混合物に光重合開始剤を含有させたものである、上記[17]又は[18]記載の方法。
[20] 単量体混合物が、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート単量体70〜100質量%と、極性基含有単量体30〜0質量%とから成るものである、上記[19]記載の方法。
[21] 光反応性組成物がアクリルウレタン基材用光重合性組成物であり、光反応物層がアクリルウレタン基材である、上記[14]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[22] アクリルウレタン基材用光重合性組成物が、主成分単量体がアルキルアクリレート単量体であるラジカル重合性単量体、ウレタンポリマー、及び光重合開始剤を含む組成物である、上記[21]記載の方法。
[23] ポリオレフィン剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、上記[22]記載の方法。
[24] 上記[14]〜[23]のいずれかに記載の方法で製造された光反応物層含有シート。
[1] 光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされた光反応物層含有シートであって、
光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下である、光反応物層含有シート。
[2] 光反応物層の光透過性フィルムが貼り合わされた表面におけるシリコーン成分付着量が1.0[kcps]未満である、上記[1]記載の光反応物層含有シート。
[3] 非シリコーン系剥離剤が、ポリオレフィン、イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する、ポリオレフィン系剥離剤である、上記[1]又は[2]記載の光反応物層含有シート。
[4] ポリオレフィン系剥離剤が、ウレタン化触媒をさらに含有する、上記[3]記載の光反応物層含有シート。
[5] ウレタン化触媒が、金属錯体触媒又は/及び有機スズ系触媒である、上記[4]記載の光反応物層含有シート。
[6] 剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、上記[3]〜[5]のいずれかに記載の光反応物層含有シート。
[7] 光反応性組成物が粘着剤用光重合性組成物であり、光反応物層が粘着剤層である、上記[6]記載の光反応物層含有シート。
[8] 粘着剤用光重合性組成物が、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と該アルキルアクリレート単量体と共重合可能な極性基含有単量体とを含む単量体混合物に光重合開始剤を含有させた、アクリル系粘着剤用光重合性組成物である、上記[7]記載の光反応物層含有シート。
[9] 単量体混合物が、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート単量体70〜100質量%と、極性基含有単量体30〜0質量%とから成るものである、上記[8]に記載の光反応物層含有シート。
[10] 剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が25MPa以上、且つ23℃における引張破壊応力が8MPa以上のポリオレフィンである、上記[3]〜[5]のいずれかに記載の光反応物層含有シート。
[11] 光反応性組成物がアクリルウレタン基材用光重合性組成物であり、光反応物層がアクリルウレタン基材である、上記[10]記載の光反応物層含有シート。
[12] アクリルウレタン基材用光重合性組成物が、主成分単量体がアルキルアクリレート単量体であるラジカル重合性単量体、ウレタンポリマー、及び光重合開始剤を含む組成物である、上記[11]記載の光反応物層含有シート。
[13] 光透過性フィルムがポリエステルフィルムである、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の光反応物層含有シート。
[14] 支持体の少なくとも片面に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層の外表面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層を重ねるか、或いは、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層上に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層に支持体を重ねた後、光を照射することで、前記光反応性組成物層を光反応させた光反応物層を形成する、光反応物層含有シートの製造方法であって、
前記非シリコーン系剥離剤が、ポリオレフィン、イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する、ポリオレフィン系剥離剤であることを特徴とする光反応物層含有シートの製造方法。
[15] ポリオレフィン系剥離剤が、ウレタン化触媒をさらに含有するものである、上記[14]記載の方法。
[16] ウレタン化触媒が、金属錯体触媒又は/及び有機スズ系触媒である、上記[15]記載の方法。
[17] 光反応性組成物が粘着剤用光重合性組成物であり、光反応物層が粘着剤層である、上記[14]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18] ポリオレフィン剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、上記[17]記載の方法。
[19] 粘着剤用光重合性組成物が、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と、該アルキルアクリレート単量体と共重合可能な極性基含有単量体とを含む単量体混合物に光重合開始剤を含有させたものである、上記[17]又は[18]記載の方法。
[20] 単量体混合物が、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート単量体70〜100質量%と、極性基含有単量体30〜0質量%とから成るものである、上記[19]記載の方法。
[21] 光反応性組成物がアクリルウレタン基材用光重合性組成物であり、光反応物層がアクリルウレタン基材である、上記[14]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[22] アクリルウレタン基材用光重合性組成物が、主成分単量体がアルキルアクリレート単量体であるラジカル重合性単量体、ウレタンポリマー、及び光重合開始剤を含む組成物である、上記[21]記載の方法。
[23] ポリオレフィン剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、上記[22]記載の方法。
[24] 上記[14]〜[23]のいずれかに記載の方法で製造された光反応物層含有シート。
本発明によれば、光透過性フィルムの離型処理に非シリコーン系剥離剤を使用するため、光反応性組成物層へシリコーン成分の移行という問題がなく、しかも、非シリコーン系剥離剤を使用していながら、光反応後の光反応性組成物層(すなわち、光反応物層)から光透過性フィルムを容易に剥離できる、光反応物層含有シートを実現できる。このため、例えば、光反応物層含有シートが光反応物層として粘着剤層を含む粘着シートや粘着テープである場合、電子機器用途や自動車用途にも好適に使用することができる。
以下、本発明をその実施形態に即して詳しく説明する。
本発明の光反応物層含有シートは、光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされてなるものであり、光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下であることが主たる特徴である。
本発明の光反応物層含有シートは、光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされてなるものであり、光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下であることが主たる特徴である。
なお、本発明の光反応物層含有シートの形状は、「シート状」だけでなく、一般に「テープ状」、「フィルム状」等と呼ばれる形状のものも包含する概念である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」との表記は、「アクリル酸」および「メタクリル酸」の両方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」および「メタクリレート」の両方を意味する。また、「光反応」は典型的には「光重合反応」である。
1.光透過性フィルム
本発明で使用する光透過性フィルムは、少なくとも光反応性組成物層と接する面が非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムであり、光透過性の基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された剥離剤層とを少なくとも有するものである。なお、本明細書中、光反応性組成物層が光反応したものが光反応物層であり、「光透過性フィルムの光反応性組成物層と接する面」は結果的に「光透過性フィルムの光反応物層と接する面」となる。
[剥離剤層]
剥離剤は、非シリコーン系の剥離剤であって、光反応後の光反応性組成物層(すなわち、光反応物層)に対する光透過性フィルムの剥離力が1.0N/25mm以下となる剥離剤であれば制限なく使用できるが、なかでも、ポリオレフィン、イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを必須成分とするポリオレフィン系剥離剤が好ましい。
[ポリオレフィン系剥離剤]
(ポリオレフィン)
ポリオレフィン系剥離剤は、1種または2種以上のポリオレフィンを含有する。なお、本発明において「ポリオレフィン」とは、38℃において固体であるポリオレフィンを意味する。
ポリオレフィン系剥離剤は、1種または2種以上のポリオレフィンを含有する。なお、本発明において「ポリオレフィン」とは、38℃において固体であるポリオレフィンを意味する。
ポリオレフィンとしては、他の成分とともに有機溶媒に溶解して基材フィルムに塗布できる限り、あらゆるものを使用することができる。
有機溶媒への溶解性の観点から、ポリオレフィンの密度は、好ましくは0.885g/cm3以下、より好ましくは0.880g/cm3以下である。この密度が0.885g/cm3を超えると、有機溶媒への溶解性が低下して、基材フィルムへの塗布が困難になる傾向があり、また剥離力も増大する傾向がある。一方、ポリオレフィンの密度の下限に特に限定は無いが、この密度は、好ましくは0.830g/cm3以上、より好ましくは0.857g/cm3以上、さらに好ましくは0.858g/cm3以上である。
ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレンおよび炭素数が4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも二つの単量体から形成されるα−オレフィン共重合体が挙げられる。これらの中でも、エチレンを主たる単量体とする共重合体(即ち、エチレン系α−オレフィン共重合体)、および/またはプロピレンを主たる単量体とする共重合体(即ち、プロピレン系α−オレフィン共重合体)が好ましい。ここで、炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。また、α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよい。
エチレン系α−オレフィン共重合体の密度は、好ましくは0.857g/cm3以上0.885g/cm3以下(より好ましくは0.880g/cm3以下)である。エチレン系α−オレフィン共重合体のエチレン構成単位量は、50モル%以上、好ましくは60〜95モル%、より好ましくは70〜95モル%である。エチレン系α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン構成単位としては、1−ブテン、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテンからなる群から選ばれる少なくとも一つの単量体から形成されるものが好ましい。特に好ましいエチレン系α−オレフィン共重合体として、エチレン−1−ブテン共重合体およびエチレン−プロピレン共重合体が挙げられる。なお、このようなエチレン−1−ブテン共重合体は、エチレンおよび1−ブテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%以下の量で含んでいてもよい。同様に、エチレン−プロピレン共重合体は、エチレンおよびプロピレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%以下の量で含んでいてもよい。このような共重合体は、例えば、遷移金属触媒成分(例えばバナジウム化合物やジルコニウム化合物)と有機アルミニウム化合物触媒成分とからなる触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
プロピレン系α−オレフィン共重合体の密度は、好ましくは0.858g/cm3以上、0.885g/cm3以下(より好ましくは0.880g/cm3以下)である。プロピレン系α−オレフィン共重合体のプロピレン構成単位量は、50モル%超である。このプロピレン構成単位量は、好ましくは60〜95モル%、より好ましくは70〜95モル%である。また、プロピレン系α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン構成単位としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンからなる群から選ばれる少なくとも一つの単量体から形成されるものが好ましい。特に好ましいプロピレン系α−オレフィン共重合体は、プロピレン−エチレンランダム共重合体(プロピレン系エラストマー)である。なお、このプロピレン−エチレンランダム共重合体は、プロピレンおよびエチレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位を10モル%以下の量で含んでいてもよい。プロピレン系α−オレフィン共重合体は、例えば特開2000−191862号公報に記載されているように、メタロセン系触媒を用いて製造することができる。
α−オレフィン共重合体として、市販品を使用することができる。エチレン系α−オレフィン共重合体の好ましい市販品としては、例えば、タフマーPシリーズ、タフマーAシリーズ(いずれも、三井化学社製)、エンゲージ(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。また、プロピレン系α−オレフィン共重合体の好ましい市販品としては、例えば、タフマーXMシリーズ(三井化学社製)等が挙げられる。
ポリオレフィンとして、ポリメチルペンテンも使用することができる。ポリメチルペンテンとしては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、および4−メチル−1−ペンテンとそれ以外のα−オレフィンとの共重合体(即ち、4−メチル−1ペンテン系α-オレフィン共重合体)が挙げられる。ポリメチルペンテン共重合体の4−メチル−1−ペンテン構成単位量は、好ましくは50〜95モル%、より好ましく70〜95モル%である。ポリメチルペンテンは、結晶性重合体であってもよい。ポリメチルペンテンの密度は、好ましくは0.083〜0.869/cm3である。ポリメチルペンテン共重合体中のα−オレフィン構成単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来するものが好ましい。これらの中でも、4−メチル−1−ペンテンと良好な共重合性を示す、1−デセン、1−テトラデセンおよび1−オクタデセンがより好ましい。なお、ポリメチルペンテンの市販品としては、TPX−S(4−メチル−1−ペンテン系α−オレフィン共重合体、三井化学社製)が挙げられる。
ポリオレフィンは、後述するイソシアネートと反応しないことが好ましい。但し、本発明の目的を阻害しない範囲内において、水酸基(ヒドロキシ基)、アミノ基、カルボキシ基、イソシアネート基(イソシアナト基)等の官能基を有する変性ポリオレフィンを使用してもよい。変性ポリオレフィンの1分子あたりの官能基数(平均値)は、好ましくは1以下である。
なお、剥離剤に一種のみのポリオレフィンを使用する場合、形成する剥離剤層の強度(塗膜強度)等の観点から、ポリオレフィンの230℃におけるMFR(メルトフローレート)は、好ましくは100g/10分以下、より好ましくは70g/10分以下、さらに好ましくは50g/10分以下、特に好ましくは10g/10分以下である。一方、剥離剤に二種以上のポリオレフィンを使用する場合、そのうちの少なくとも一種のポリオレフィンの230℃におけるMFRは、好ましくは100g/10分以下、より好ましくは70g/10分以下、さらに好ましくは50g/10分以下、特に好ましくは10g/10分以下である。このようなMFRを有するポリオレフィンの含有量は、全ポリオレフィン中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
本発明において、光反応性組成物が、アクリル系粘着剤等の粘着剤用の光重合性組成物のような、それを光反応させて得られる生成物が23℃においてタックを発現する光反応性組成物(以下、「タック発現型光反応性組成物」とも称する)の場合、ポリオレフィン系剥離剤に用いるポリオレフィンとしては、エチレン系α−オレフィン共重合体および/またはプロピレン系α−オレフィン共重合体を使用することが、経時的な剥離力の上昇防止の観点から好ましい。
また、光反応性組成物がタック発現型光反応性組成物である場合、光反応後の光反応性組成物層、すなわち、光反応物層に対する光透過性フィルムの剥離力および剥離速度依存性を低減させるために、ポリオレフィンは、23℃における引張弾性率が10MPa以下であり、且つ23℃における引張破壊応力が15MPa以下であるポリオレフィン(A−1)を、全ポリオレフィン中に90質量%以上の量で含有することが好ましい。言い換えると、前記ポリオレフィン(A−1)以外のポリオレフィン(A−2)の含有量が、全ポリオレフィン中、10質量%以下に制限されていることが好ましい。なお、ここでいう、剥離速度依存性とは、光反応物層に対する光透過性フィルムの剥離力が剥離速度に依存することをいい、より詳しくは、低速剥離での剥離力に比べて高速剥離での剥離力が大きいことをいう。
上述したポリオレフィン(A−1)およびポリオレフィン(A−2)のいずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ポリオレフィン(A−1)の含有量は、全ポリオレフィン中、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
ポリオレフィン(A−1)を使用することによって剥離速度依存性が低減されるのは、剥離過程では、光反応物層と剥離剤層との界面付近で破壊が起こるという仮定の下、引張破壊応力が小さいポリオレフィン(A−1)が存在することによって界面付近が小さな力で破壊されるので、剥離速度が速くなっても剥離力の増大を抑制し得ると推定されるが、かかる推定に限定されるものではない。
ポリオレフィン(A−1)の23℃における引張弾性率は、10MPa以下、好ましくは8MPa以下、より好ましくは7MPa以下、さらに好ましくは6MPa以下であり、ポリオレフィン(A−1)の23℃における引張破壊応力は、15MPa以下、好ましくは8MPa以下、より好ましくは6MPa以下、とりわけ好ましくは4MPa以下である。23℃における引張弾性率が10MPaを超えるポリオレフィン(A−2)は、低速および高速で剥離した時の光透過性フィルムの剥離力を増大させる傾向があり、23℃における引張破壊応力が15MPaを超えるポリオレフィン(A−2)は、高速で剥離した時の光透過性フィルムの剥離力を増大させる傾向がある。
ポリオレフィン(A−2)としては、(i)23℃における引張破壊応力が15MPa以下であり、23℃における引張弾性率が10MPaを超えるポリオレフィン;(ii)23℃における引張弾性率が10MPa以下であり、23℃における引張破壊応力が15MPaを超えるポリオレフィン;および(iii)23℃における引張弾性率が10MPaを超え、23℃における引張破壊応力が15MPaを超えるポリオレフィン;がある。これらの中では、前記(ii)の態様のポリオレフィン(A−2)が好ましい。また、ポリオレフィン(A−2)の23℃における引張弾性率は、好ましくは100MPa以下であり、ポリオレフィン(A−2)の23℃における引張破壊応力は、好ましくは35MPa以下である。
ポリオレフィン(A−1)の23℃における引張弾性率および23℃における引張破壊応力の下限値のいずれにも限定は無い。但し、充分な剥離剤層強度(塗膜強度)を得るために、ポリオレフィン(A−1)の23℃における引張弾性率は、好ましくは2MPa以上、より好ましくは3MPa以上であり、23℃における引張破壊応力は、好ましくは1MPa以上、より好ましくは2MPa以上である。
ポリオレフィン(A−1)は、市販品を使用でき、例えば、タフマーA−0550S、タフマーA−1050S、タフマーA−4050S、タフマーA−4070S、タフマーA−1070S、タフマーP−0080K、タフマーP−0280、タフマーA−35070S、タフマーP−0680、タフマーP−0180、タフマーP−0480、タフマーPー0275、タフマーP−0775(いずれも、エチレン系α−オレフィン共重合体、三井化学社製)等が挙げられる。
ポリオレフィン(A−2)は、市販品を使用でき、例えば、タフマーXM−7070(プロピレン系α−オレフィン共重合体、三井化学社製)、TPX−S(4−メチル−1ペンテン系α-オレフィン共重合体、三井化学社製)等が挙げられる。
本発明において、光反応性組成物が、アクリルウレタン基材用の光重合性組成物のような、それを光反応させて得られる生成物が23℃においてタックを発現しない光反応性組成物(以下、「タック非発現型光反応性組成物」とも称する)である場合、光反応後の光反応性組成物層、すなわち、光反応物層に対する光透過性フィルムの剥離力を低減し、剥離速度依存性を高めるために、ポリオレフィン系剥離剤に用いるポリオレフィンは、23℃における引張弾性率が25MPa以上、且つ23℃における引張破壊応力が8MPa以上であるポリオレフィン(A−3)を、全ポリオレフィン中に90質量%以上の量で含有する態様が好ましい。言い換えると、前記ポリオレフィン(A−3)以外のポリオレフィン(A−4)の含有量が、全ポリオレフィン中、10質量%以下に制限されていることが好ましい。なお、ここでいう、剥離速度依存性とは、光透過性フィルムの剥離力が剥離速度に依存することをいい、より詳しくは、低速剥離での剥離力に比べて高速剥離での剥離力が小さいことをいう。
上述したポリオレフィン(A−3)およびポリオレフィン(A−4)のいずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ポリオレフィン(A−3)の含有量は、全ポリオレフィン中、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
ポリオレフィン(A−3)は、市販品を使用でき、例えば、タフマーXM−7070(プロピレン系α−オレフィン共重合体、三井化学社製)、TPX−S(4−メチル−1ペンテン系α-オレフィン共重合体、三井化学社製)等が挙げられる。
ポリオレフィン(A−3)を使用することによって剥離速度依存性を高めることができるのは、剥離過程では、光反応物層と剥離剤層との界面付近で破壊が起こるという仮定の下、引張弾性率が大きいポリオレフィン(A−3)が存在することにより、剥離速度が速くなることによって弾性体化し、剥離力が低減し得るためであると推定されるが、かかる推定に限定されるものではない。
ポリオレフィン(A−3)の23℃における引張弾性率は、25MPa以上、好ましくは30MPa以上、より好ましくは35MPa以上、さらに好ましくは40MPa以上であり、ポリオレフィン(A−4)の23℃における引張破壊応力は、8MPa以上、好ましくは12MPa以上、さらに好ましくは15MPa以上である。なお、ポリオレフィン(A−3)の23℃における引張弾性率および23℃における引張破壊応力の上限は特に制限はないが、23℃における引張弾性率は好ましくは100MPa以下であり、23℃における引張破壊応力は好ましくは35MPa以下である。23℃における引張弾性率が25MPa未満のポリオレフィン(A−4)や、23℃における引張破壊応力が8MPa未満のポリオレフィン(A−4)は、高速で剥離した時の剥離剤層の剥離力を増大させる傾向がある。
ポリオレフィン(A−4)としては、(i)23℃における引張破壊応力が8MPa以上であり、23℃における引張弾性率が25MPa未満のポリオレフィン;(ii)23℃における引張弾性率が25MPa以上であり、23℃における引張破壊応力が8MPa未満のポリオレフィン;および(iii)23℃における引張弾性率が25MPa未満で、23℃における引張破壊応力が8MPa未満のポリオレフィン;がある。ポリオレフィン(A−4)の23℃における引張弾性率は、好ましくは10MPa以上であり、ポリオレフィン(A−4)の23℃における引張破壊応力は、好ましくは2Pa以上である。
また、ポリオレフィン(A−4)としては、市販品を使用でき、タフマーA−0550S、タフマーA−1050S、タフマーA−4050S、タフマーA−4070S、タフマーA−1070S、タフマーP−0080K、タフマーP−0280、タフマーA−35070S、タフマーP−0680、タフマーP−0180、タフマーP−0480、タフマーPー0275、タフマーP−0775(いずれもエチレン系α−オレフィン共重合体、三井化学社製)等が挙げられる。
本発明において、ポリオレフィンの「23℃における引張弾性率」および「23℃における引張破壊応力」とは、以下の方法で測定した値である。ポリオレフィンをトルエンに溶かして5〜10質量%の溶液とし、ベーカー式アプリケーターまたはドクターブレード型アプリケーターを使用して、これをポリエチレンテレフタレート(PET)製の離型フィルム上に塗布した後、熱風乾燥機で加熱乾燥し(100℃、3分間)、加熱乾燥後は直ちに23℃雰囲気下で冷却することによって、乾燥後の厚さが20μmのポリオレフィンフィルムを作製する。トルエンへの溶解性が悪い場合は、必要に応じて加温して溶解させても良い。得られたポリオレフィンフィルムを縦30mm×横100mmの短冊状に切り出し、ポリオレフィンフィルムを離型フィルムから剥がしながら、切り出したフィルムの一方の短辺を軸にして長手方向に密に巻回して、長さ30mmの棒状サンプルとする。この棒状サンプルについて、23℃雰囲気下で、チャック間距離10mm、引張速度50mm/minの条件で引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ AG−IS型)にて引張試験を行い、その時の応力−ひずみ曲線を得る。その応力−ひずみ曲線における引張開始直後の曲線の傾きから引張弾性率を算出する。また、棒状サンプルが破断したときの応力を引張破壊応力として求める。
ポリオレフィン系剥離剤中のポリオレフィンの含有量は、通常、80質量%以上であり、好ましくは80〜99質量%、より好ましくは90〜98質量%である。この含有量が80質量%未満の場合、剥離力が大きくなる傾向が強く、一方、99質量%を超える場合は、架橋成分が少なすぎるために、充分な剥離剤層強度が得られにくくなる。なお、含有量の基準となる「剥離剤」の中には、有機溶媒の量は含まれない。
(イソシアネート)
ポリオレフィン系剥離剤は、1種または2種以上のイソシアネートを含有する。イソシアネートとしては、芳香族イソシアネートおよび脂肪族イソシアネートが挙げられる。脂肪族イソシアネートは、鎖状脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネートのいずれでもよい。これらの中でも、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネートが好ましい。芳香族イソシアネートおよび脂環式イソシアネートは、ポリオレフィンとの相溶性が低いため、これらを使用しても、剥離剤層の剥離性は損なわれない。また、ポリオレフィンとの相溶性が低い芳香族イソシアネートおよび脂環式イソシアネートは、形成される剥離剤層と光透過性フィルムとの間に偏在し、これらの密着性向上に大きく寄与する。
ポリオレフィン系剥離剤は、1種または2種以上のイソシアネートを含有する。イソシアネートとしては、芳香族イソシアネートおよび脂肪族イソシアネートが挙げられる。脂肪族イソシアネートは、鎖状脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネートのいずれでもよい。これらの中でも、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネートが好ましい。芳香族イソシアネートおよび脂環式イソシアネートは、ポリオレフィンとの相溶性が低いため、これらを使用しても、剥離剤層の剥離性は損なわれない。また、ポリオレフィンとの相溶性が低い芳香族イソシアネートおよび脂環式イソシアネートは、形成される剥離剤層と光透過性フィルムとの間に偏在し、これらの密着性向上に大きく寄与する。
基材フィルムへの密着性および耐熱性に優れた剥離剤層を形成するためには、イソシアネートは、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートは芳香族ポリイソシアネートおよび脂環式ポリイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、より好ましくは芳香族ジイソシアネートの多価アルコール付加体および脂環式ジイソシアネートの多価アルコール付加体からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、トリレンジイソシアネートおよびキシリレンジイソシアネートが好ましい。
脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トランス−シクロヘキサンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、イソホロンジイソシアネートおよび水素化キシリレンジイソシアネートが好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等の脂肪族多価アルコール等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパンが好ましい。
芳香族ジイソシアネートの多価アルコール付加体は、芳香族ジイソシアネートの過剰量に、多価アルコールを反応させて得られ、脂環式ジイソシアネートの多価アルコール付加体は、芳香族ジイソシアネートの過剰量に、多価アルコールを反応させることによって得られる。芳香族ジイソシアネートの多価アルコール付加体は、好ましくはトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体であり、より好ましくはトリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体である。トリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体は、反応性に優れ、優れた基材フィルムへの密着性を達成できる。また、脂環式ジイソシアネートの多価アルコール付加体は、好ましくは水素化キシリレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートの多価アルコール付加体である。
なお、芳香族ジイソシアネートまたは脂環式ジイソシアネートの多量体(例えば、イリシアヌレート体)も、本発明におけるポリイソシアネートとして好適に使用できる。
本発明において、剥離剤中のイソシアネートの含有量は、ポリオレフィン100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部であり、より好ましくは1.0〜15質量部、さらに好ましくは1.5〜10質量部である。このような含有量でイソシアネートを使用すれば、剥離剤のポットライフが短くなる等の悪影響もなく、より優れた、基材フィルムへの密着性が得られる。
(ポリオレフィンポリオール)
ポリオレフィン系剥離剤は、1種または2種以上のポリオレフィンポリオールを含有する。ポリオレフィンポリオールは、剥離剤層の形成において、イソシアネートと反応させるために用いられる。ポリオレフィンポリオールとしては、ポリオレフィンとの相溶性が良いものが好ましい。
ポリオレフィンポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは1500〜50000、より好ましくは1500〜4000、さらに好ましくは1500〜3000である。このような範囲のMnを有するポリオレフィンポリオールは、ポリオレフィンおよびイソシアネートの両方に対して適度な溶解性を有する。そのため、このようなポリオレフィンポリオールは、剥離剤層強度や耐熱性を向上させることができ、一方で、剥離剤層の外観を損なわない。なお、このMnが前記範囲外であると、白っぽく曇った外観の剥離剤層が得られることがある。さらに、このMnが前記範囲内であれば、剥離剤層の基材フィルム側とは反対側のイソシアネートが偏在していない部分においてポリオレフィンポリオールに起因する水酸基が過剰にならず、剥離力の低い剥離剤層が得られる。さらに、このMnが前記範囲内であれば、剥離剤層の基材フィルム側のイソシアネートが偏在する部分においてイソシアネートとポリオレフィンポリオールとが適度に反応することができ、より優れた、基材フィルムへの密着性が得られる。
本発明において、ポリオレフィンポリオールの種類に特に限定はない。ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリエチレン系ポリオール、ポリプロピレン系ポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオールおよび水素添加ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィンとの相溶性や剥離力への影響の観点から、ポリエチレン系ポリオールが好ましい。
また、ポリオレフィンポリオールの水酸基価(mgKOH/g)は、剥離剤層強度および硬化性の観点から20以上が好ましく、一方、剥離力への影響の観点から75以下が好ましい。より好ましい水酸基価(mgKOH/g)は、25〜60である。
本発明における剥離剤において、市販のポリオレフィンポリオールを使用することができる。そのような市販品としては、例えば、エポール(水酸基末端液状水添ポリイソプレン:Mn=2500、水酸基価=50.5mgKOH/g、出光興産社製)、GI一1000(水酸基含有液状水添ポリブタジエン:Mn=1500、水酸基価=60〜75mgKOH/g、日本曹達社製)、Gl−2000(水酸基含有液状水添ポリブタジエン:Mn=2100、水酸基価=40〜55mgKOH/g、日本曹達社製)、Gl−3000(水酸基含有液状水添ポリブタジエン:Mn=3000、水酸基価=25〜35mgKOH/g、日本曹達社製)等が挙げられる。これらのポリオレフィンポリオールは、いずれも、常温で液状である。また、ユニストールP−801(水酸基含有ポリオレフィンの16質量%トルエン溶液、トルエン除去物は個体、水酸基価40mgKOH/g、三井化学社製)を使用することもできる。
また、本発明において、剥離剤中のポリオレフィンポリオールの含有量は、次式(数1)におけるAの値が30〜250、好ましくは40〜200、より好ましくは50〜150となるように設定される。Aの値が30より小さいと剥離剤層の強度が十分ではなくなる傾向があり、250より大きいと剥離剤層の剥離力が高くなりすぎる傾向がある。
(数1)
A=ポリオレフィンポリオールの水酸基価(mgKOH/g)×ポリオレフィン100重量部に対するポリオレフィンポリオールの重量部数
A=ポリオレフィンポリオールの水酸基価(mgKOH/g)×ポリオレフィン100重量部に対するポリオレフィンポリオールの重量部数
[ウレタン化触媒]
本発明に用いられるポリオレフィン系剥離剤は、有機錫化合物や金属錯体触媒等のウレタン化触媒を含有してもよい。これはイソシアネートとポリオレフィンポリオールとの反応を促進するために、剥離剤の任意成分として、1種または2種以上のウレタン化触媒を用いるものである。ウレタン化触媒としては、通常のウレタン化反応に用いられる触媒を使用でき、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の錫化合物;亜鉛、コバルト、銅、ビスマス等の金属のカルボン酸塩;1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のアミン化合物;チタン、ジルコニウム、鉄等の金属のキレート化合物;等が例示される。また、有機酸ビスマス塩も、ウレタン化触媒として使用できる。有機酸ビスマス塩としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸およびポドカルプ酸、並びにこれらの2種以上を主成分とする樹脂酸等の脂環族系有機酸のビスマス塩;および安息香酸、ケイ皮酸、P−オキシケイ皮酸等の芳香族系有機酸のビスマス塩;等が挙げられる。これらの中でも、剥離剤成分への相溶性および触媒活性の観点から、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ビスマスのカルボン酸塩および樹脂酸ビスマス塩、ジルコニウムや鉄等の金属キレート化合物が好ましい。
ウレタン化触媒を使用する場合、その含有量は、ポリオレフィン100質量部に対して、好ましくは0.1〜2.5質量部、より好ましくは0.2〜2.0質量部、さらに好ましくは0.3〜1.5質量部である。この含有量が0.1質量部未満であると、反応促進効果が充分でない場合があり、2.5質量部を超えると、形成される剥離剤層の剥離力が高くなったり、溶液状の剥離剤ポットライフが短くなる等の不具合が生ずる場合がある。
なお、ここでいうウレタン化触媒の含有量は、ウレタン化触媒のみの量を指し、例えば、市販のウレタン化触媒溶液を使用する場合、溶媒量を除いたウレタン化触媒のみの量を意味する。ウレタン化触媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明における剥離剤において「有機錫化合物」とは、錫−炭素(Sn−C)結合を有する化合物または塩をいい、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等が挙げられる。これに対して、「非有機錫化合物」とは、錫−炭素結合を有さない化合物または塩をいう。
本発明において「金属錯体」とは、中心金属と配位子とを有し、これらが配位結合によって結びついた化合物または塩をいう。この金属錯体には、配位結合を有さない単なる金属塩、例えばカルボン酸金属塩は含まれない。配位結合を有する金属錯体は、イオン結合のみで形成される金属塩に比べて、有機溶媒に対して優れた溶解性を示し得る。なお、カルボン酸金属塩は、有機溶媒への溶解性が悪いことに加えて、剥離剤成分への溶解性も良くない。そのため、カルボン酸金属塩を使用すると、塗布した剥離剤溶液の乾燥工程において塗布面の外観が悪くなる場合がある。
有機溶媒への溶解性の観点から、金属錯体触媒は、好ましくは有機配位子を有するものであり、より好ましくは金属キレート触媒である。ここで「金属キレート触媒」とは、金属原子と有機多座配位子とが配位結合によってキレート環を形成している化合物または塩をいい、「キレート環」とは、有機多座配位子の2個以上の配位原子が中心金属をはさむように配位してできた環構造をいう。金属キレート触媒としては、例えば、中心金属にアセチルアセトンが配位したアセチルアセトナト金属錯体等が挙げられる。
金属錯体触媒は、イソシアネートとポリオレフィンポリオールとのウレタン化反応を促進して、基材密着性に優れた剥離剤層を形成するために作用する。この反応促進の観点から、金属錯体触媒は、好ましくは、チタン錯体触媒、亜鉛錯体触媒、ジルコニウム錯体触媒、アルミニウム錯体触媒および鉄錯体触媒からなる群から選ばれる少なくとも一つ、より好ましくは、チタン錯体触媒、亜鉛錯体触媒、ジルコニウム錯体触媒およびアルミニウム錯体触媒からなる群から選ばれる少なくとも一つである。これらのチタン錯体触媒、亜鉛錯体触媒、ジルコニウム錯体触媒、アルミニウム錯体触媒および鉄錯体触媒は、好ましくは、金属キレート触媒である。
様々な金属錯体触媒が市販されており、本発明では、市販の金属錯体触媒を使用してもよい。また、様々な有機配位子、特に金属キレート触媒を形成し得る様々な多座配位子が市販されている。そのため、市販の有機配位子と金属とを組み合わせて調製した金属錯体触媒を使用してもよい。
市販の金属錯体触媒としては、例えば、株式会社マツモト交商から入手できるチタンキレート触媒、例えばオルガチックス TC−100(チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート))、オルガチックス TC−401(チタンテトラアセチルアセトネート)、オルガチックス TC−200(チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート))およびオルガチックス TC−750(チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート));ジルコニウムキレート触媒、例えばオルガチックス ZC−150(ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、粉末状)、オルガチックス ZC−700(ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、溶液状)、オルガチックス ZC−540(ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート)、オルガチックス ZC−570(ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネート ビス(エチルアセトアセテート))およびオルガチックス ZC−580(ジルコニウムジブトキシ ビス(エチルアセトアセテート));並びにアルミニウムキレート錯体、例えばオルガチックス AL−80(アルミニウムトリスアセチルアセトネート)等が挙げられ、これらの中で、オルガチックス TC−401、オルガチックス ZC−150およびオルガチックス ZC−700が好ましく、オルガチックス TC−401がより好ましい。
また、市販の金属錯体触媒としては、KING INDUSTRIES社製のジルコニウムキレート触媒、例えばK−KAT 4205(ジルコニウムアセチルアセトネート錯体)およびK−KAT A209(ジルコニウム(6−メチル−2,4−ヘプタジオネート)錯体);亜鉛アミン触媒、例えばK−KAT XK−614およびK−KAT XK−622;並びにアルミニウムキレート触媒、例えばK−KAT 5218(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート)等が挙げられ、これらの中で、K−KAT 4205、K−KAT A209、K−KAT XK−614およびK−KAT 5218が好ましく、K−KAT 4205、K−KAT A209およびK−KAT 5218がより好ましく、K−KAT A209がさらに好ましい。
また、市販の金属錯体触媒としては、日東化成社製のサニーキャットTC−100(ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)ともいう);ヤマナカヒューテック社製のチタンテトラアセチルアセトン(チタンテトラアセチルアセテートともいう)、チタンテトラヘプタンジオン(チタンテトラキス(テトラメチルヘプタンジオネート)ともいう)、ジルコニウムテトラアセチルアセトン(ジルコニウムテトラアセチルアセテートともいう)およびジルコニウムテトラメチルヘプタンジオン;川研ファインケミカル社製のALCH(アルミニウム(エチルアセトアセテート)ジイソプロピレート)、ALCH−TR((アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート))、アルミキレートM(アルミニウム(アルキルアセトアセテート)ジイソプロピレート)、アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート))およびアルミキレートA(W)(アルミニウムトリス(アセチルアセトネート));並びに和光純薬工業社製のトリス(エチルアセトアセタト)アルミニウム(アルミニウムトリス(アセテルアセトネート)ともいう)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタンジオナト)ジルコニウム(IV)、鉄(III)アセチルアセトネートおよびトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−へプタンジオナト)鉄(III);並びに日本化学産業社製のナーセムアルミニウム(アルミニウムトリス(アセチルアセトネート))、ナーセムジルコニウム(ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート))、ナーセムチタン(チタンジフトキシビス(アセチルアセトネート))およびナーセム第二鉄(鉄(III)トリスアセチルアセトネート)等が挙げられる。これらの中で、ナーセム第二鉄が好ましい。
ポリオレフィン系剥離剤中の金属錯体触媒の含有量は、ポリオレフィン100質量部に対して、好ましくは0.1〜2.5質量部、より好ましくは0.2〜2.0質量部、さらに好ましくは0.3〜1.5質量部である。この含有量が0.1質量部未満では、触媒作用が不充分となることがあり、一方、この含有量が2.5質量部を超えると、剥離剤層の剥離力が高くなったり、剥離剤のポットライフが短くなる等の不具合の原因となることがある。
なお、ここでいう金属錯体触媒の含有量は、金属錯体触媒のみの量を指し、例えば、後述の実施例で使用する「K−KAT A209」のように金属錯体触媒を溶媒に溶かした触媒溶液を使用する場合、溶媒量を除いた金属錯体触媒のみの量を意味する。
[任意成分]
本発明におけるポリオレフィン系剥離剤は、1種または2種以上の任意成分を含有していてもよい。例えば、低剥離力を有する剥離剤層が求められる場合には、剥離剤の任意成分として1種または2種以上の液状炭化水素を使用してもよい。ここで、本発明における「液状炭化水素」とは、JIS K7117−1:1990に従って測定した38℃における粘度(以下「38℃粘度」と略称することがある)が5〜1500Pa・sである炭化水素を意味する。このような液状炭化水素を使用することによって、粘着テープ類の粘着力を低下させることなく、光透過性フィルムの剥離力の速度依存性を低減し得る。
液状炭化水素の38℃粘度は、通常5〜1500Pa・sであり、好ましくは5〜1300Pa・sである。この38℃粘度が5Pa・s未満である場合、剥離力の速度依存性が充分に低減しないことがある。すなわち、剥離力の速度依存性を充分に低減するために、38℃粘度が5Pa・s未満である液状炭化水素の使用量を多くすると、光反応物層含有シートの光反応物層が粘着剤層である光反応物層含有シート(粘着シート)の粘着力が低下する傾向となる。一方、38℃粘度が1500Pa・sを超える場合、離型材および粘着テープの想定使用温度である10〜30℃付近で、液状炭化水素の流動性が低くなるため、剥離力の速度依存性が充分に低減しないことがある。
液状炭化水素としては、例えば、不飽和炭化水素の重合体等が挙げられる。ここで、本発明における「不飽和炭化水素の重合体」は、ポリマーだけでなく、オリゴマーも含む意味で用いられる。相溶性の観点から、液状炭化水素は、好ましくはエチレンと炭素数3〜5の不飽和炭化水素との液状共重合体、炭素数3〜5の不飽和炭化水素の液状単独重合体および炭素数3〜5の不飽和炭化水素の液状共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである。炭素数3〜5の不飽和炭化水素としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、2−ブテン、ブタジエン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソペンテン、イソプレン等が挙げられる。液状炭化水素は、より好ましくは液状エチレン−オレフィン共重合体、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状水素化ポリブタジエン、液状水素化ポリイソプレンおよび液状ポリイソブテンからなる群から選ばれる少なくとも一つである。液状炭化水素は、公知の方法、例えばラジカル重合またはカチオン重合等によって製造できる。
液状炭化水素として、市販品を用いてもよい。市販の液状炭化水素としては、例えば、ルーカントHC−600(38℃粘度=8.5Pa・s)、HC−2000(38℃粘度=34Pa・s)(以上、三井化学社製)、クラプレンLIR−30(38℃粘度=74Pa・s)、LIR−50(38℃粘度=480Pa・s)、LIR−290(38℃粘度=1000Pa・s)、LBR−300(38℃粘度=280Pa・s)(以上、クラレ社製)、日石ポリブテンHV−100、HV−300、HV−1900(以上、新日本石油社製)、ニッサンポリブテン10N、30N、200N(以上、日油社製)等が挙げられる。
液状炭化水素を使用する場合、剥離剤中のその含有量は、ポリオレフィンおよび液状炭化水素の合計100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部、より好ましくは4〜20質量部、さらに好ましくは5〜15質量部である。この含有量が、3質量部未満である場合、剥離速度依存性が充分に低減しないことがあり、逆に30質量部を超える場合、剥離剤層強度が低くなったり、光反応物層に剥離剤層から液状炭化水素が移行して、光反応物層含有シートが粘着シート(テープ)等である場合に粘着力が低下することがある。
本発明におけるポリオレフィン系剥離剤には、その他必要に応じて、前記ポリオレフィン以外の樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤等の光安定剤や帯電防止剤、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、顔料等を含有していてもよい。
[基材フィルム]
本発明における光透過性フィルムは、上述のポリオレフィン系剥離剤等の非シリコーン系剥離剤によって少なくとも一方の面が離型処理されたものであり、通常、光透過性を有する基材フィルムの少なくとも片面に非シリコーン系剥離剤からなる剥離剤層が形成されてなる。
基材フィルムは、光透過性を有することが必要であり、そのため、表面が平滑で透明性の高いプラスチックフィルムであることが好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;紫外線を透過する紙類等が挙げられる。基材には、必要に応じて、予めコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等の処理を施しておいても良い。
基材フィルムの厚さは、特に限定されず、使用目的に応じて適宜設定することができる。基材フィルムにプラスチックフィルムを使用する場合、その厚さは、通常12〜250μm程度、好ましくは16〜200μm、より好ましくは25〜125μmである。
[剥離剤層]
剥離剤層は、前述のポリオレフィン系剥離剤等の非シリコーン系剥離剤を有機溶媒に溶かして剥離剤溶液を調製し、得られた剥離剤溶液を基材フィルムに塗布し、乾燥させることによって得られる。
有機溶媒としては、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。有機溶媒の含有量は、剥離剤溶液中、好ましくは95〜99.9質量%の範囲内で調整される。なお、剥離剤を均一に溶解し得るものである限り、有機溶媒に特に限定はない。但し、ポリオレフィン系剥離剤はポリオレフィンを必須成分として含有するので、有機溶媒は、好ましくは、1種のみの炭化水素系溶媒、2種以上の炭化水素系溶媒の混合溶媒、または炭化水素系溶媒とその他の溶媒との混合溶媒である。混合溶媒を使用する場合、炭化水素系溶媒の含有量は、混合溶媒中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。炭化水素系溶媒としては、例えば、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素が挙げられる。その他の溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類等が挙げられる。剥離剤溶液のポットライフの向上の観点からは、炭化水素系溶媒とアセチルアセトンとの混合溶媒、および炭化水素系溶媒とtert−ブチルアルコールとの混合溶媒が好ましい。
剥離剤溶液の塗布方法としては特に限定は無く、あらゆる公知の方法、例えば、キスロールコーター、ピードコーター、ロッドコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いる方法を使用できる。乾燥方法についても特に限定は無く、あらゆる公知の方法を使用できる。一般的な乾燥方法として、熱風乾燥が挙げられる。熱風乾燥の温度は、基材の耐熱性によっても変わり得るが、通常80〜150℃程度である。
乾燥後の剥離剤層の厚さは、好ましくは30〜500nm、より好ましくは45〜400nm、さらに好ましくは60〜300nmである。この厚さが30nm未満である場合、剥離剤層の剥離力が高くなりすぎる場合があり、逆に500nmを超える場合、光透過性フィルムをロール状に巻き取った時に接触する基材と剥離剤層とがブロッキングしやすくなるという問題や、光透過性フィルムの剥離力が高くなるという問題が生じる場合がある。
光透過性フィルムは、剥離剤層が最表面に存在する限り、剥離剤層と基材フィルムとの間に別の層が存在していてもよいが、その中間層も光透過性を持った材料である必要がある。ただし、剥離剤層は基材フィルムの上に直接形成されていることが好ましい。
2.光反応物層含有シートの製法
本発明において、光反応物層含有シートは、前述の通り、「シート状」だけでなく、一般に「テープ状」、「フィルム状」等と呼ばれる形状のものも包含する概念である。また、光反応物層含有シートにおける光反応物層の用途も特に限定はなく、上述のような、粘着剤層や、粘着テープの基材であったり、これら以外の、各種用途に使用される層、フィルム、シートであることができる。
[粘着剤層]
光反応物層が粘着剤層である場合、光反応物層を形成するための光反応性組成物は、それを光反応(光重合反応)させて得られる生成物が23℃においてタックを発現する光反応性組成物であり、特に制限されないが、典型例としては、アクリル系粘着剤用の光重合性組成物が挙げられる。
アクリル系粘着剤用の光重合性組成物としては、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と、該アルキルアクリレート単量体と共重合可能な極性基含有単量体とを含む単量体混合物に光重合開始剤を含有させた光重合性組成物が挙げられる。
アルキルアクリレート単量体としては、例えば、アルキル基が炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状又は環状アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、シクロオクチル、n−ノニル、シクロノニル、n−デシル、シクロデシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル等)からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、好ましくはアルキル基が炭素数4〜18の直鎖状、分岐鎖状又は環状アルキル基(例えば、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、シクロオクチル、n−ノニル、シクロノニル、n−デシル、シクロデシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル等)からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。アルキルアクリレート単量体は1種または2種以上が使用される。
一方、極性基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の不飽和酸;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体等が挙げられる。極性基含有単量体は1種または2種以上が使用される。
単量体混合物における、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と、極性基含有単量体の含有割合は、前者が70〜100質量%、後者が30〜0質量%であるのが好ましく、特に好ましくは前者が80〜96質量%、後者が20〜4質量%である。かかる範囲外では、好ましい接着特性が得られ難い。
光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾインエーテル、アニソールメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換アセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換アルファーケトール、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどの芳香族スルホニルクロライド、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどの光活性オキシム、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。光重合開始剤は1種または2種以上が使用される。
光重合開始剤の使用量は、前述のアルキルアクリレート単量体と極性基含有単量体との単量体混合物100質量部あたり、通常0.1〜5質量部である。この範囲よりも光重合開始剤の量が少ないと、重合速度が遅くなり、工業的に好ましくなく、多いと分子量が低下し、好ましい接着特性が得られ難い。光重合開始剤の量は好ましくは0.1〜3質量部である。
また、アクリル系粘着剤用の光重合性組成物には、必要に応じて架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、特に限定はされないが、多官能アクリレート単量体が好ましく、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,2−エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート等の2官能以上のアルキルアクリレート単量体が用いられる。この多官能アクリレート単量体の使用量は、その官能基数等により異なるが、一般には、前述のアルキルアクリレート単量体と極性基含有単量体との単量体混合物100質量部あたり0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部である。この範囲で多官能アクリレート単量体を用いると、光重合性組成物が光重合されて得られる重合物(アクリル系粘着剤)に良好な凝集力を保持させることができる。また、必要に応じて光重合性組成物には粘着付与剤等の添加剤を配合することが出来る。
[アクリルウレタン基材]
光反応物層がアクリルウレタン基材である場合、光反応物層を形成するための光反応性組成物は、アクリルウレタン基材用の光重合性組成物であり、かかるアクリルウレタン基材用の光重合性組成物は、それを光反応(光重合反応)させて得られる生成物が23℃においてタックを発現しない光反応性組成物である。
アクリルウレタン基材用の光重合性組成物としては、例えば、主成分単量体がアルキルアクリレート単量体であるラジカル重合性単量体、ウレタンポリマー及び光重合開始剤を少なくとも含有する組成物が挙げられる。
アルキルアクリレート単量体としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、t−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、i−オクチルアクリレート、i−ノニルアクリレート等の、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖アルコールとのエステル;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、アダマンチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート等の、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜15の脂環式アルコールとのエステル;等が挙げられる。アルキルアクリレート単量体1種または2種以上を使用できる。
ラジカル重合性単量体はアルキルアクリレート単量体以外の単量体を含むことができ、そのような単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の不飽和酸;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート等のヒドロキシル基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体;スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸のモノまたはジエステル、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピリメタクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ε−カプロラクトンアクリレート、モルホリンアクリレート、メトキシ化シクロドデカトリエンアクリレートなどのモノマー等が挙げられる。かかるアルキルアクリレート単量体以外の単量体は1種または2種以上を使用できる。中でも、ウレタンとアクリルとの相溶性の観点からは、不飽和酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。
ラジカル重合性単量体全体におけるアルキルアクリレート単量体の含有量は、特に限定はされないが、好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%である。
ウレタンポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとが縮合して得られるポリマーであり、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリオールの水酸基との反応には触媒を用いることができる。触媒には、例えば、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン等のウレタン反応において一般的に使用される触媒を用いることができる。
ポリオールとしては、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールが望ましく、低分子のポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価または4価のアルコールなどが挙げられる。また、高分子のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどがある。これらの中では、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエ−テルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物が挙げられる。その他、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオールポリカーボネートジオールなどがある。アクリルポリオールとしてはヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するモノマーの共重合体の他、水酸基含有物とアクリル系モノマーとの共重合体などが挙げられる。エポキシポリオールとしてはアミン変性エポキシ樹脂などがある。これらのポリオール類は単独あるいは併用して使用することができる。強度を必要とする場合には、トリオールによる架橋構造を導入したり、低分子量ジオールによるウレタンハードセグメント量を増加させると効果的である。伸びを重視する場合には、分子量の大きなジオールを単独で使用することが好ましい。また、ポリエーテルポリオールは、一般的に、安価で耐水性が良好であり、ポリエステルポリオールは、強度が高い。本発明においては、用途や目的に応じて、ポリオールの種類や量を自由に選択することができ、また、ウレタン反応性、アルキルアクリレート単量体との相溶性などの観点からもポリオールの種類、分子量や使用量を適宜選択することができる。
ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネート、これらのジイソシアネートの二量体、三量体などが挙げられる。芳香族、脂肪族又は脂環式のジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらの二量体、三量体や、ポリフェニルメタンポリイソシアネートが用いられる。三量体としては、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネート型等が挙げられる。ポリイソシアネートは1種または2種以上を使用でき、ウレタン反応性、アルキルアクリレート単量体との相溶性などの観点から、ポリイソシアネートの種類、組合せ等を適宜選択すればよい。ポリオールとの速やかな反応、および水との反応の抑制の観点からは、脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましい。
ウレタンポリマーを形成するためのポリオールとポリイソシアネートの使用量は特に限定されるものではないが、例えば、ポリオールの使用量は、ポリイソシアネートに対し、NCO/OH(当量比)が0.8以上であることが好ましく、1以上であることがさらに好ましい。NCO/OHが0.8未満では、ウレタンポリマーの分子鎖長を充分に延ばすことができず、強度や、伸びが低下しやすい。
なお、光重合組成物中、ウレタンポリマーは、(メタ)アクリロイル基が末端に導入された(メタ)アクリロイル基末端ウレタンポリマーとして存在させるのが好ましい。このため、ウレタンポリマーの生成反応後、系内に、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシル化合物を添加して、該ヒドロキシル化合物をウレタンポリマーと反応させることが好ましい。分子内に(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシル化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を1または2以上含有していてもよく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、グリシドールジメタクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシル化合物の使用量は、当該ヒドロキシル化合物中の水酸基(OH)が、ウレタンポリマーの原料として使用したポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)1モルに対して概ね0.3〜1.5モル倍となる範囲から選択され、好ましくは0.5〜1.0モル倍となる範囲から選択される。
光重合性組成物に含有させる光重合開始剤としては、前述の、アクリル系粘着剤用の光重合性組成物に含有させる光重合開始剤と同様のものを使用することができ、その具体例も前述のものが踏襲される。
アクリルウレタン基材用の光重合性組成物における、ラジカル重合性単量体とウレタンポリマーとの含有量比は、特に限定はされないが、ウレタンポリマー(ポリオールとポリイソシアネートの総量)100質量部当たりラジカル重合性単量体が5〜95質量部となる範囲が好ましく、20〜80質量部となる範囲がより好ましい。かかる範囲から離れて、ウレタンポリマーの割合が多い場合、得られるアクリルウレタン基材が十分な引張弾性率や応力を得られ難い傾向となり、ラジカル重合性単量体の割合が多い場合、得られるアクリルウレタン基材の伸び特性が十分に得られ難い傾向となる。
アクリルウレタン基材用の光重合性組成物には、必要に応じて架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、特に限定はされないが、多官能アクリレート単量体が好ましく、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,2−エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート等の2官能以上のアルキルアクリレート単量体が用いられる。この多官能アクリレート単量体の使用量は、特に限定されないが、一般的には、ラジカル重合性単量体100質量部に対して0〜20質量部の範囲から選択される。
また、アクリルウレタン基材用の光重合性組成物には、必要に応じて、フィルムに通常使用される添加剤、例えば紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などを添加することができる。
これらの添加剤は、その種類に応じて通常の量で用いられる。これらの添加剤は、ポリイソシアネートとポリオールとの重合反応前に、あらかじめ加えておいてもよいし、ウレタンポリマーと分子内に(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシル化合物とを重合させる前に、添加してもよい。また、アクリルウレタン基材用の光重合性組成物には、塗工の粘度調整のため、少量の溶剤を加えてもよい。溶剤としては、通常使用される溶剤の中から適宜選択することができるが、例えば、酢酸エチル、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
本発明において、光反応物層を形成するための光反応性組成物には、上述の、粘着剤用光重合性組成物やアクリルウレタン基材用光重合性組成物に限定されず、各種用途における光反応性組成物を適用することができる。
本発明の光反応物層含有シートは、支持体の少なくとも片面に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層の外表面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層を重ねるか、或いは、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層上に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層に支持体を重ねた後、光を照射して、前記光反応性組成物層を光反応させた光反応物層を形成することによって製造することができる。
この際、支持体の少なくとも片面、或いは、光透過性フィルムの剥離剤層上への光反応性組成物層の形成は、光反応性組成物を塗布することで行うことができる。塗布方法としては、ダイコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、リップコーター、クローズドエッジダイコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、CAPコーター等がある。
上記の支持体は、光を透過するものであっても、光を透過しないものであってもよい。具体的には、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、紙等が用いられる。また、かかる支持体には必要に応じて、離型処理を施すことができる。
本発明の光反応物層含有シートは、未反応の光反応性組成物による光照射手段の汚染や光照度の低下を防止するために、剥離剤で離型処理された光透過性フィルムを、支持体の光反応性組成物層が塗布された面に貼り合わせた後、光透過性フィルムが貼り合わされた支持体の面に光照射手段から光を照射し、光反応性組成物の光反応に必要な光の照射が終了した後に光透過性フィルムを支持体から剥離する態様で製造することが好ましい。
光透過性フィルムによって光は透過したまま光反応性組成物層に作用し、その一方で未反応の光反応性組成物は光透過性フィルムに遮られて光透過性フィルムに付着するので、未反応の光反応性組成物による光照射手段の汚染や光照度の低下を防止することができる。特に、光反応性組成物層が、光照射手段からの光によって光重合されて感圧性接着剤層となる光反応性組成物層である場合には、光反応性組成物層の光反応(光重合)に伴って未反応のモノマーが蒸発するが、このモノマーが光透過性フィルムに遮られて光透過性フィルムに付着するので、モノマーによる光照射手段の汚染や光照度の低下を防止することができる。また、光透過性フィルムを支持体から剥離する際には、支持体に光反応性組成物層が密着された状態で、光透過性フィルムのみが剥がれる。
本発明における光照射における「光」とは、通常、紫外線であり、光照射装置には、紫外線照射ランプが使用され、光重合開始剤の吸収波長と同じ領域の光波長を発光するものが用いられる。例えば、LED、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、ブラックライトランプ、ケミカルランプ、殺菌ランプ等低圧放電の水銀ランプ、エキシマレーザー等を使用できるが、棒状であれば特に限定は無い。また、それらの一つあるいは二つ以上の光源を組み合わせても良い。なお、紫外線照射ランプによる紫外線(光)の照射は、支持体が光透過性を有さない場合、光透過性フィルム側から行い、支持体が光透過性を有する場合、光透過性フィルム側および支持体側のいずれか一方の側から両側から行うことができる。
また、紫外線(光)は、300nm以下程度の短波長光をフィルターでカットした後、照射した方が望ましい。このようなフィルターとしては、パイレックス(登録商標)ガラスやソーダガラスが挙げられる。短波長光をカットして照射を行うことにより、光透過性フィルムの繰り返し使用による劣化を抑制したり、重剥離化を抑制する効果がある。また、ランプの発熱量や重合熱が多い場合、紫外線カットフィルターや冷却装置を用いることもできる。この場合の冷却は、光透過性フィルムのガラス転移領域への転移開始温度以下にしたほうが好ましい。転移開始温度以下にすることにより、光透過性フィルムの繰り返し使用時のフィルムの伸びやシワを防ぐことができる。紫外線照射ランプによる光反応性組成物塗布層への光の照射強度は光反応性組成物が光重合性組成物である場合、得られる反応物である重合体の重合度を左右する因子であり、望ましくは0.1〜300mW/cm2であり、更に望ましくは1〜50mW/cm2である。
本発明の光反応物層含有シートは、光透過性フィルムの離型処理にシリコーン系剥離剤を使用することなく、光反応物層から光透過性フィルムを容易に剥離できるものであり、光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下であることが重要な技術的特徴である。当該剥離力は、好ましくは、0.7N/25mm以下であり、より好ましくは0.5N/25mm以下である(剥離力の下限値としては、0.01N/25mm以上が好ましい)。なお、本発明において、光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力は、光反応物層含有シートを幅25mmに切り出し、引張試験機にて、剥離角度:180°、引張速度:10m/min、剥離面:光透過性フィルム(離型材)側の条件で23℃の雰囲気下で測定された値である。
また、剥離剤にシリコーン系剥離剤を使用しないため、光反応物層の光透過性フィルムが貼り合わされた表面におけるシリコーン成分付着量は1.0[kcps]未満である。なお、本発明において、シリコーン成分付着量は後述の方法に基づき測定された値である。
3.物性、特性等
本明細書中の物性および特性等は、以下の方法での測定値である。
(1)密度
ASTM D1505に準拠して測定した値である。
(2)メルトフローレート(230℃)
ASTM D1238に準拠して測定した値である。
(3)数平均分子量
ASTM D2503に準拠して測定した値である。
(4)水酸基価
JIS K1557:1970に準拠して測定した値である。
本明細書中の物性および特性等は、以下の方法での測定値である。
(1)密度
ASTM D1505に準拠して測定した値である。
(2)メルトフローレート(230℃)
ASTM D1238に準拠して測定した値である。
(3)数平均分子量
ASTM D2503に準拠して測定した値である。
(4)水酸基価
JIS K1557:1970に準拠して測定した値である。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、以下において「部」および「%」は、別の記載が無い限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
<実施例1〜20及び比較例1〜6>
1.剥離剤成分
実施例1〜20で用いた剥離剤成分を以下に記載する。
1.剥離剤成分
実施例1〜20で用いた剥離剤成分を以下に記載する。
(1)ポリオレフィン
タフマーA−1070S(エチレン−1−ブテンランダム共重合体(エチレン:85モル%、1−ブテン:15モル%)、三井化学社製、MFR(230℃):2.2g/10min、密度:0.87g/cm3、23℃における引張弾性率:4.7MPa、23℃における引張破壊応力:11.3MPa)
タフマーA−1070S(エチレン−1−ブテンランダム共重合体(エチレン:85モル%、1−ブテン:15モル%)、三井化学社製、MFR(230℃):2.2g/10min、密度:0.87g/cm3、23℃における引張弾性率:4.7MPa、23℃における引張破壊応力:11.3MPa)
タフマーP−0280(エチレン−プロピレン共重合体(エチレン:87モル%、プロピレン:13モル%)、三井化学社製、MFR(230℃):5.4g/10min、密度:0.87g/cm3、23℃における引張弾性率:5.1MPa、23℃における引張破壊応力:3.3MPa)
タフマーA−35070S(エチレン−1−ブテン共重合体(エチレン:85モル%、1−ブテン:15モル%)、三井化学社製、MFR(230℃):65g/10min、密度:0.87g/cm3、23℃における引張弾性率:3.5MPa、23℃における引張破壊応力:2.1MPa)
タフマーXM−7070(プロピレン−1−ブテン共重合体(プロピレン:74モル%、1−ブテン:26モル%)、三井化学社製、MFR(230℃):7g/10min、密度:0.87g/cm3、23℃における引張弾性率:42.1MPa、23℃における引張破壊応力:15.4MPa)
(2)ポリオレフィンポリオール
エポール(水酸基末端液状水添ポリイソプレン、Mn:2500、水酸基価:50.5mgKOH/g、出光興産社製)
エポール(水酸基末端液状水添ポリイソプレン、Mn:2500、水酸基価:50.5mgKOH/g、出光興産社製)
(3)イソシアネート
コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個、日本ポリウレタン社製)
コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個、日本ポリウレタン社製)
(4)液状炭化水素
ルーカント HC−2000(エチレン−α−オレフィンコオリゴマー、38℃粘度:34Pa・S、三井化学社製)
ルーカント HC−2000(エチレン−α−オレフィンコオリゴマー、38℃粘度:34Pa・S、三井化学社製)
(5)金属錯体触媒
K−KAT A209(ジルコニウム(6−メチル−2,4−へブタンジオネート)錯体の溶液、金属錯体含有量:約14%、KING lNDUSTRIES社製)
ナーセム第二鉄(鉄(Ill)トリスアセチルアセトネート、日本化学産業社製)
K−KAT A209(ジルコニウム(6−メチル−2,4−へブタンジオネート)錯体の溶液、金属錯体含有量:約14%、KING lNDUSTRIES社製)
ナーセム第二鉄(鉄(Ill)トリスアセチルアセトネート、日本化学産業社製)
(6)有機溶媒
トルエン
tert−ブチルアルコール
アセチルアセトン
トルエン
tert−ブチルアルコール
アセチルアセトン
2.光透過性フィルムの作製
実施例1〜20で使用した光透過性フィルムは以下の方法で作製した。
マイヤーバー#6を用いて、剥離剤溶液を厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーS−10)に塗布した後、熱風乾燥機で130℃×1分間加熱し、剥離剤層(厚さ:約150nm)を有する光透過性フィルムを作製した。
実施例1〜20で使用した光透過性フィルムは以下の方法で作製した。
マイヤーバー#6を用いて、剥離剤溶液を厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーS−10)に塗布した後、熱風乾燥機で130℃×1分間加熱し、剥離剤層(厚さ:約150nm)を有する光透過性フィルムを作製した。
なお、比較例1〜6では、以下の3種類の離型処理した光透過性フィルムを使用した。
比較用光透過性フィルム1:ダイアホイルMRF(厚さ38μm、三菱樹脂社製、シリコーン系剥離剤処理済)
比較用光透過性フィルム2:ダイアホイルMRE(厚さ38μm、三菱樹脂社製、シリコーン系剥離剤処理済)
比較用光透過性フィルム3:アシオ産業社製アシオレジンRA−95H(長鎖アルキル系剥離剤)をPET基材(厚さ38μm)に厚さ40〜50nm程度塗布したもの。
比較用光透過性フィルム1:ダイアホイルMRF(厚さ38μm、三菱樹脂社製、シリコーン系剥離剤処理済)
比較用光透過性フィルム2:ダイアホイルMRE(厚さ38μm、三菱樹脂社製、シリコーン系剥離剤処理済)
比較用光透過性フィルム3:アシオ産業社製アシオレジンRA−95H(長鎖アルキル系剥離剤)をPET基材(厚さ38μm)に厚さ40〜50nm程度塗布したもの。
比較例1、4は比較用光透過性フィルム1を使用し、比較例2、5は比較用光透過性フィルム2を使用し、比較例3、6は比較用光透過性フィルム3を使用した。
3.剥離剤層の特性評価
(1)光反応物層含有シートを以下の方法で作製した。
光反応性組成物を、各光透過性フィルム上にベーカー式アプリケーターまたはドクターブレード型アプリケーターを用いて、光反応後の光反応物層(アクリル系粘着剤層)の厚みが100μm程度、光反応後の光反応物層(アクリルウレタン基材)の厚みが200μm程度となるように塗布し、反対面側にPET(#38、ルミラーS−10、東レ社製)を貼り合せた。このサンプルに光透過性フィルム側からブラックライトを照度6.3mW/cm2、光量340mJ/cm2・minで5分間照射することで光反応を行った
(1)光反応物層含有シートを以下の方法で作製した。
光反応性組成物を、各光透過性フィルム上にベーカー式アプリケーターまたはドクターブレード型アプリケーターを用いて、光反応後の光反応物層(アクリル系粘着剤層)の厚みが100μm程度、光反応後の光反応物層(アクリルウレタン基材)の厚みが200μm程度となるように塗布し、反対面側にPET(#38、ルミラーS−10、東レ社製)を貼り合せた。このサンプルに光透過性フィルム側からブラックライトを照度6.3mW/cm2、光量340mJ/cm2・minで5分間照射することで光反応を行った
光反応性組成物には、アクリル系粘着剤用の光重合性組成物(後述の実験例1)と、アクリルウレタン基材用の光重合性組成物(後述の実験例2)を使用した。
(2)ブラックライト照射後剥離力
光反応後の光反応性組成物層(光反応物層)から光透過性フィルムを剥離する際の剥離力を測定し、その値を比較した。25mm幅に切り出し、ブラックライト照射から23℃で0.5〜1.0時間保存後、引張試験機にて、剥離角度:180°、引張速度:10m/min、剥離面:離型材側、の条件で23℃雰囲気下における剥離力を測定した。また、この際における剥離可能な剥離力の基準を1.0N/25mm以下とした。
光反応後の光反応性組成物層(光反応物層)から光透過性フィルムを剥離する際の剥離力を測定し、その値を比較した。25mm幅に切り出し、ブラックライト照射から23℃で0.5〜1.0時間保存後、引張試験機にて、剥離角度:180°、引張速度:10m/min、剥離面:離型材側、の条件で23℃雰囲気下における剥離力を測定した。また、この際における剥離可能な剥離力の基準を1.0N/25mm以下とした。
(3)光反応物層へのシリコーン成分移行量
光反応性組成物層を光反応させて得られた光反応物層から光透過性フィルムを剥離した際の、光反応物層へのシリコーン成分の移行(付着)量を蛍光X線(XRF)測定によって確認した。
測定条件はRigaku社製のXRF分析機(ZSX100e)にて直径30mmφの円形剥離面積におけるシリコーン成分量を評価した(X線源:縦型Rh管、分析元素:Si、分光結晶:RX4、出力:50kV,70mA)。
光反応性組成物層を光反応させて得られた光反応物層から光透過性フィルムを剥離した際の、光反応物層へのシリコーン成分の移行(付着)量を蛍光X線(XRF)測定によって確認した。
測定条件はRigaku社製のXRF分析機(ZSX100e)にて直径30mmφの円形剥離面積におけるシリコーン成分量を評価した(X線源:縦型Rh管、分析元素:Si、分光結晶:RX4、出力:50kV,70mA)。
(4)実験1(実施例1〜9、比較例1〜3)
[アクリル系粘着剤(光反応性組成物)の調製]
2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)90質量部、アクリル酸(AA)10質量部に、光重合開始剤としての2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.05質量部を4つロフラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露することによって部分的に光重合したシロップを得た。この部分重合したシロップ100質量部に、架橋割としてトリメチロールプロパントリアクリレート0.3質量部を均一に混合し、光反応性組成物を得た。
[アクリル系粘着剤(光反応性組成物)の調製]
2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)90質量部、アクリル酸(AA)10質量部に、光重合開始剤としての2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.05質量部を4つロフラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露することによって部分的に光重合したシロップを得た。この部分重合したシロップ100質量部に、架橋割としてトリメチロールプロパントリアクリレート0.3質量部を均一に混合し、光反応性組成物を得た。
[剥離剤溶液の調製]
表1に示す部数で各成分を混合し、この混合物を、実施例1、2、6はトルエンとアセチルアセトンの混合溶媒(トルエン/アセチルアセトンの質量比=99.1/0.9)、実施例3〜5、7〜9はトルエンとtert−ブチルアルコールの混合溶媒(トルエン/tert−ブチルアルコールの質量比=95/5)に溶解させて、固形分が1.5%である剥離剤溶液を調製した。なお、表1に示す触媒の部数は、入手した触媒そのものの部数であり、入手した触媒が溶液である場合、触媒溶液全体の部数である。
表1に示す部数で各成分を混合し、この混合物を、実施例1、2、6はトルエンとアセチルアセトンの混合溶媒(トルエン/アセチルアセトンの質量比=99.1/0.9)、実施例3〜5、7〜9はトルエンとtert−ブチルアルコールの混合溶媒(トルエン/tert−ブチルアルコールの質量比=95/5)に溶解させて、固形分が1.5%である剥離剤溶液を調製した。なお、表1に示す触媒の部数は、入手した触媒そのものの部数であり、入手した触媒が溶液である場合、触媒溶液全体の部数である。
表1より、光反応性組成物を光反応させて得られた光反応物層(アクリル系粘着剤層)に対し、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムの剥離性は、シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムのそれに比べるとやや重剥離であるが、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムも光反応物層(アクリル系粘着剤層)に対して剥離可能な剥離性のレベルである。一方、長鎖アルキル系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムを使用した比較例3では光透過性フィルムは著しく重剥離であり、剥離困難な剥離性のレベルである。また、シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムを使用した比較例1、2では、XRF分析の結果から、光反応性組成物を光反応させて得られた光反応物層(アクリル系粘着剤層)表面へのシリコーン成分の移行が確認された。従って、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムは、良好な剥離性を持ちながら、シリコーン成分の移行が無い光透過性フィルムであることが確認された。
(5)実験2(実施例10〜20、比較例4〜6)
[アクリルウレタン基材(光反応性組成物)の調製]
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、イソボルニルアクリレート(商品名「IBXA」、大阪有機化学工業社製):71重量部、n−ブチルアクリレート(BA、東亜合成社製):19重量部、アクリル酸(AA):10重量部、ポリオールとして数平均分子量1000のポリブチレンアジペート(商品名「ニッポラン」4009、日本ポリウレタン工業社製):76.9重量部、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL):0.01重量部を投入し、攪拌しながら、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI、三井化学ポリウレタン社製):18.7重量部を滴下し、65℃で5時間反応させ、ウレタンポリマー−モノマー混合物を得た。その後、ヒドロキシエチルアクリレート(商品名「アクリックス HEA」、東亜合成社製):4.4重量部を投入し、65℃で1時間反応することで、アクリロイル基末端ウレタンポリマー−モノマー混合物を得た。
[アクリルウレタン基材(光反応性組成物)の調製]
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、イソボルニルアクリレート(商品名「IBXA」、大阪有機化学工業社製):71重量部、n−ブチルアクリレート(BA、東亜合成社製):19重量部、アクリル酸(AA):10重量部、ポリオールとして数平均分子量1000のポリブチレンアジペート(商品名「ニッポラン」4009、日本ポリウレタン工業社製):76.9重量部、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(DBTL):0.01重量部を投入し、攪拌しながら、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI、三井化学ポリウレタン社製):18.7重量部を滴下し、65℃で5時間反応させ、ウレタンポリマー−モノマー混合物を得た。その後、ヒドロキシエチルアクリレート(商品名「アクリックス HEA」、東亜合成社製):4.4重量部を投入し、65℃で1時間反応することで、アクリロイル基末端ウレタンポリマー−モノマー混合物を得た。
得られたアクリロイル基末端ウレタンポリマー−モノマー混合物に、光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−フォスフィンオキシド(商品名「イルガキュア819」、BASF社製):0.15重量部を添加することにより、光反応性組成物を得た。
[剥離剤溶液の調製]
表2に示す部数で各成分を混合し、この混合物を、トルエンとtert−ブチルアルコールの混合溶媒(トルエン/tert−ブチルアルコールの質量比=95/5)に溶解させて、固形分が1.5%である剥離剤溶液を調製した。なお、表2に示す触媒の部数は、入手した触媒そのものの部数であり、入手した触媒が溶液である場合、触媒溶液全体の部数である。
表2に示す部数で各成分を混合し、この混合物を、トルエンとtert−ブチルアルコールの混合溶媒(トルエン/tert−ブチルアルコールの質量比=95/5)に溶解させて、固形分が1.5%である剥離剤溶液を調製した。なお、表2に示す触媒の部数は、入手した触媒そのものの部数であり、入手した触媒が溶液である場合、触媒溶液全体の部数である。
表2より、光反応性組成物を光反応させて得られた光反応物層(アクリルウレタン基材)に対し、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムの剥離性は、シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムのそれに比べるとやや重剥離であるが、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムも光反応物層(アクリルウレタン基材)に対して剥離可能な剥離性のレベルである。一方、長鎖アルキル系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムを使用した比較例6では光透過性フィルムは著しく重剥離であり、剥離困難な剥離性のレベルである。また、シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムを使用した比較例4、5では、XRF分析の結果から、光反応性組成物を光反応させて得られた光反応物層(アクリルウレタン基材)表面へのシリコーン成分の移行が確認された。従って、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムは剥離性を持ちながら、シリコーン成分の移行が無い光透過性フィルムであることが確認された。
光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされた光反応物層含有シートでは、ポリオレフィン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが優れた剥離性を示し、例えば、光反応物層含有シートが光反応物層として粘着剤層を含む粘着シートや粘着テープである場合、電子機器用途や自動車用途にも好適に使用することができる。
Claims (24)
- 光反応性組成物を光反応させて得られる光反応物層の少なくとも片面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理した光透過性フィルムが貼り合わされた光反応物層含有シートであって、
光透過性フィルムの光反応物層に対する剥離力が1.0N/25mm以下である、光反応物層含有シート。 - 光反応物層の光透過性フィルムが貼り合わされた表面におけるシリコーン成分付着量が1.0[kcps]未満である、請求項1記載の光反応物層含有シート。
- 非シリコーン系剥離剤が、ポリオレフィン、イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する、ポリオレフィン系剥離剤である、請求項1又は2記載の光反応物層含有シート。
- ポリオレフィン系剥離剤が、ウレタン化触媒をさらに含有する、請求項3に記載の光反応物層含有シート。
- ウレタン化触媒が、金属錯体触媒又は/及び有機スズ系触媒である、請求項4記載の光反応物層含有シート。
- 剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光反応物層含有シート。
- 光反応性組成物が粘着剤用光重合性組成物であり、光反応物層が粘着剤層である、請求項6記載の光反応物層含有シート。
- 粘着剤用光重合性組成物が、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と該アルキルアクリレート単量体と共重合可能な極性基含有単量体とを含む単量体混合物に光重合開始剤を含有させた、アクリル系粘着剤用光重合性組成物である、請求項7記載の光反応物層含有シート。
- 単量体混合物が、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート単量体70〜100質量%と、極性基含有単量体30〜0質量%とから成るものである、請求項8記載の光反応物層含有シート。
- 剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が25MPa以上、且つ23℃における引張破壊応力が8MPa以上のポリオレフィンである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光反応物層含有シート。
- 光反応性組成物がアクリルウレタン基材用光重合性組成物であり、光反応物層がアクリルウレタン基材である、請求項10記載の光反応物層含有シート。
- アクリルウレタン基材用光重合性組成物が、主成分単量体がアルキルアクリレート単量体であるラジカル重合性単量体、ウレタンポリマー、及び光重合開始剤を含む組成物である、請求項11記載の光反応物層含有シート。
- 光透過性フィルムがポリエステルフィルムである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の光反応物層含有シート。
- 支持体の少なくとも片面に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層の外表面に、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層を重ねるか、或いは、非シリコーン系剥離剤で離型処理された光透過性フィルムの剥離剤層上に光反応性組成物層を形成し、該光反応性組成物層に支持体を重ねた後、光を照射することで、前記光反応性組成物層を光反応させた光反応物層を形成する、光反応物層含有シートの製造方法であって、
前記非シリコーン系剥離剤が、ポリオレフィン、イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する、ポリオレフィン系剥離剤であることを特徴とする光反応物層含有シートの製造方法。 - ポリオレフィン系剥離剤が、ウレタン化触媒をさらに含有するものである、請求項14記載の方法。
- ウレタン化触媒が、金属錯体触媒又は/及び有機スズ系触媒である、請求項15記載の方法。
- 光反応性組成物が粘着剤用光重合性組成物であり、光反応物層が粘着剤層である、請求項14〜16のいずれか1項記載の方法。
- ポリオレフィン剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、請求項17記載の方法。
- 粘着剤用光重合性組成物が、主成分単量体であるアルキルアクリレート単量体と、該アルキルアクリレート単量体と共重合可能な極性基含有単量体とを含む単量体混合物に光重合開始剤を含有させたものである、請求項17又は18記載の方法。
- 単量体混合物が、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート単量体70〜100質量%と、極性基含有単量体30〜0質量%とから成るものである、請求項19記載の方法。
- 光反応性組成物がアクリルウレタン基材用光重合性組成物であり、光反応物層がアクリルウレタン基材である、請求項14〜16のいずれか1項記載の方法。
- アクリルウレタン基材用光重合性組成物が、主成分単量体がアルキルアクリレート単量体であるラジカル重合性単量体、ウレタンポリマー、及び光重合開始剤を含む組成物である、請求項21記載の方法。
- ポリオレフィン剥離剤中のポリオレフィンの含有量が80質量%以上であり、ポリオレフィンの90質量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が15MPa以下のポリオレフィンである、請求項22記載の方法。
- 請求項14〜23のいずれか1項に記載の方法で製造された光反応物層含有シート。
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