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JP2014028463A - 画像形成装置、パターン位置検出方法、画像形成システム、印刷物の生産方法 - Google Patents

画像形成装置、パターン位置検出方法、画像形成システム、印刷物の生産方法 Download PDF

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JP2014028463A
JP2014028463A JP2012169637A JP2012169637A JP2014028463A JP 2014028463 A JP2014028463 A JP 2014028463A JP 2012169637 A JP2012169637 A JP 2012169637A JP 2012169637 A JP2012169637 A JP 2012169637A JP 2014028463 A JP2014028463 A JP 2014028463A
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pattern
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Daisaku Horikawa
大作 堀川
Mamoru Yorimoto
衛 頼本
Tatsuhiko Okada
達彦 岡田
Makoto Moriwaki
誠 森脇
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】記録媒体の色と似ている色のインクの吐出位置又は反射強度が大きいため従来手法で位置が検出できないインクの吐出位置を検出する画像形成装置を提供する。
【解決手段】テストパターンを読み取って、インクの吐出タイミングを調整する画像形成装置であって、第1のインクのべたパターン及び基準ラインを有する第1のパターンデータ、及び、2本のラインを有する第2のパターンデータを読み出して、テストパターンを形成するテストパターン形成手段と、強度データにライン位置決定演算を施しラインの位置を検出する位置検出手段と、を備え、テストパターン形成手段は、第1のパターンデータに基づきべたパターン及び基準ラインを形成した後、べたパターンのエッジ上に形成されることで1本の成形ラインを形成し、かつ、基準ラインのラインセンタと成形ラインのラインセンタとの間隔が予め定められた距離となるように2本のラインを形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録媒体に形成した複数のラインのテストパターンを読み取って、液滴の吐出タイミングを調整する画像形成装置に関する。
液滴を用紙などのシート材に吐出して画像の形成を行い、印刷物を生産する画像形成装置が知られている(以下、液体吐出方式の画像形成装置という)。このような画像形成装置は、紙送りを繰り返しながら、紙送り方向と直角に(主走査方向に)記録ヘッドが往復移動して用紙全体に画像を形成することで印刷物を生産する(シリアル方式の画像形成装置)。
しかしながら、画像形成装置が、往路及び復路の双方向で1本の罫線を形成したような場合、往路と復路で罫線の位置ずれが発生しやすいということが知られている。
また、最大用紙幅とほぼ同じ長さにノズルが並んでいるライン方式の画像形成装置においても、ノズルの加工精度や取り付け誤差などに起因して、液滴の着弾位置がずれる場合があることが知られている。
従来では、ユーザが手動で位置ずれを補正していた(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、位置ずれ補正用の調整パターンを印字する際、調整パターンに補正値も印刷しておき、ユーザが位置ずれの少ない調整パターンを選択し補正値を数値入力する画像形成装置が開示されている。
また、ユーザが手動で補正するのでなく、液滴の着弾位置を調整する調整機能が搭載された画像形成装置も考えられている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2には、撥水性を有する撥水性部材上に、独立した複数の液滴で構成される基準パターンと、この基準パターンとは異なる吐出条件で吐出された独立した複数の液滴で構成される被測定パターンとを、記録ヘッドの走査方向に並べて形成させるパターン形成手段と、各パターンに光を照射する発光手段及び各パターンからの正反射光を受光する受光手段で構成される読取り手段と、この読取り手段の読取り結果に基づいて各パターン間の距離を測定して、この測定結果に基づいて記録ヘッドの液滴吐出タイミングを補正する補正手段と、を備えている画像形成装置が開示されている。
しかしながら、従来の調整方法では、インクの色に応じて変わりうる反射強度について考慮されていないため、記録媒体とインクの色の組み合わせによっては精度のよい位置ずれ補正が困難であるという問題があった。
例えば、特許文献2に記載されているようにテストパターンからの反射光を測定する場合、画像形成装置は、紙などの記録媒体に黒やマゼンタなどの光を吸収しやすい色のインクによりテストパターンを形成することが考えられる。
図26(a)は一般的なテストパターンと反射光の強度の関係の一例を示す図である。発光素子がスポット光を照射して、受光素子がスポット光の反射光を受光して電圧値に変換する。画像形成装置は、記録媒体の露出部分よりもパターン形成部の反射光の強度が急激に低下することを利用してラインセンタ(記録媒体とパターンの境界位置から求められるラインの中央位置)を検出する。
これに対し、例えば、記録媒体が普通紙のように白色で、白インクのパターン(白ライン)を形成した場合、白インクの反射強度が大きいので、白ラインのラインセンタを精度よく特定することが困難にある。
図26(b)は黒と白のラインが形成されたテストパターンと反射光の強度の関係の一例を示す図である。スポット光が黒を走査した場合の電圧は急激に低下しているが、白ラインを走査した場合の電圧には大きな低下が見られない。このように、普通紙にテストパターンを形成した場合、白インクの吐出タイミングを調整することが困難になる。なお、記録媒体の色が白以外の場合でも、インクの色と記録媒体の色が似ている場合、同様の課題が生じる場合がある。
また、記録媒体とインクの色が同系統でない場合でも、白ラインの反射強度が大きいので、白ラインの位置は検出が困難である。同じことは反射強度が大きい他の色のインクについても言える。仮に、黒色などの記録媒体に白ラインを形成した場合、白ラインの反射強度が大きいため、地色部分よりも大きな反射光が検出される。しかし、図26(a)のように、白ラインからの反射光の強度が低下するわけではないので(逆に相対的に大きくなるので)、ラインの位置を検出するには、計算方法を変える必要が生じてしまう。このように、白のように反射強度が大きい色のインクは、従来と同じ方法ではライン位置を精度よく検出できなかった。
本発明は上記課題に鑑み、記録媒体の色と似ている色のインクの吐出位置、又は、反射強度が大きいため従来手法で位置が検出できないインクの吐出位置を検出する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、記録媒体に形成した複数のラインからなるテストパターンを読み取って、インクの吐出タイミングを調整する画像形成装置であって、前記記録媒体に光を照射する発光手段及び前記記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを有する読み取り手段と、前記テストパターンを形成するためのパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、反射強度が第1の閾値以下の第1のインクのべたパターン及び基準ラインを有する第1のパターンデータ、及び、反射強度が第2の閾値以上の第2のインクの2本のラインを有する第2のパターンデータを読み出して、テストパターンを形成するテストパターン形成手段と、前記記録媒体又は前記読み取り手段を相対的に等速で移動させる相対移動手段と、テストパターン上を前記光が移動している間に前記受光手段が前記光の走査位置から受光した前記反射光の強度データを記憶する強度データ記憶手段と、
予め定められた上限から下限内に含まれる前記強度データにライン位置決定演算を施し前記ラインの位置を検出する位置検出手段と、を有し、前記テストパターン形成手段は、前記第1のパターンデータに基づきべたパターン及び基準ラインを形成した後、べたパターンのエッジ上に形成されることで1本の成形ラインを形成し、かつ、基準ラインのラインセンタと前記成形ラインのラインセンタとの間隔が予め定められた距離となるように前記2本のラインを形成する、ことを特徴とする。
記録媒体の色と似ている色のインクの吐出位置、又は、反射強度が大きいため従来手法で位置が検出できないインクの吐出位置を検出する画像形成装置を提供することができる。
テストパターンの形成方法の概略を説明する図の一例である。 白ラインの位置と反射光の強度の関係を示す図の一例である。 シリアル方式の画像形成装置の概略斜視図の一例である。 キャリッジの動作をより詳細に説明する図の一例である。 画像形成装置の制御部のブロック図の一例である。 印字位置ずれセンサがテストパターンのエッジを検出するための構成を模式的に示す図の一例である。 補正処理実行部の機能ブロック図の一例である テストパターンを説明する図の一例である。 黒ラインの形成手順を説明する図の一例である。 黒べたパターンと2本の白ラインについて補足する図の一例である。 黒べたパターンと2本の白ラインについて補足する図の一例である。 スポット光とテストパターンの一例を示す図である。 スポット光とテストパターンの一例を示す図である。 エッジ位置の特定方法を説明する図の一例である。 吸収面積と吸収面積の増加率の一例をそれぞれ示す図である。 スポット光の径とテストパターンの線幅を説明する図の一例である。 スポット光の径とテストパターンの線幅を説明する図の一例である。 ライン方式の画像形成装置のヘッドの配置とテストパターンを模式的に説明する図の一例である。 テストパターンを走査した場合の検出電圧を模式的に説明する図の一例である吸収面積と吸収面積の増加率の一例をそれぞれ示す図である。 インクとシート材の色が共にイエローの場合の反射強度の一例を示す図である。 補正処理実行部が液滴吐出タイミングを補正する手順の一例を示すフローチャート図である。 画像形成装置とサーバを有する画像形成システムを模式的に説明する図の一例である。 サーバと画像形成装置のハードウェア構成図の一例を示す図である。 画像形成システムの機能ブロック図の一例である。 画像形成システムの動作手順を示すフローチャート図の一例である。 一般的なテストパターンと反射光の強度の関係の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
図1は、本実施例のテストパターンの形成方法の概略を説明する図の一例である。図1(a)に示すように、画像形成装置は、まず、白紙のシート材に対し黒インクで黒べたパターンを形成する。次に、図1(b)に示すように、画像形成装置は黒べたパターンに重畳するように白インクで白ラインを2本形成する。こうすることで、白ライン、黒ライン、及び、白ラインの3つのラインが形成されるが、シート材と白ラインを区別しなければ1本の黒ラインが形成される。
図1(c)に示すように、スポット光がパターン上を走査すると、スポット光は白ライン、黒ライン、白ラインの順に走査するので、白ラインと黒ラインの境界で反射光の強度が急激に減少する。したがって白ラインと黒ラインの境界の位置を検出できる。
図2(a)は、白ラインの位置と反射光の強度の関係を示す図の一例である。画像形成装置は、反射光の強度と閾値を比較するなどして白ラインと黒ラインの二箇所の境界を検出する。この検出方法は従来(黒やマゼンタなどのラインを形成してラインセンタを特定する場合)と全く同じである。
ところで、図2(a)のように二箇所の境界を検出した場合、従来の画像形成装置は二箇所の境界の中心を黒ラインのラインセンタとして検出する。しかしながら、本実施形態では白インクの吐出タイミング(吐出位置)を調整することを目的としている。
そこで、本実施形態の画像形成装置は、図2(b)に示すように、黒ラインのラインセンタが2本の白ラインの位置によって決定されることを利用して、黒ラインのラインセンタに基づき白インクの吐出タイミングを補正する。従来から、調整対象の色のインクのラインに隣接して、基準となる例えば黒のインクの黒ラインが形成される。この黒ラインを、黒べたパターンから形成された黒ラインと区別するため基準ラインと称す。従来では、基準ラインとマゼンタなどのラインの間隔が理想的な値になるように、吐出タイミングが調整される。
白ラインのラインセンタを直接求めることはできないが、2本の白ラインのうち黒ライン側のエッジ位置を特定することができる。これにより、黒ラインのラインセンタが求められるが、このラインセンタは2本の白ラインの内側のエッジ位置から求められた値である。
したがって、黒ラインと基準ラインのラインセンタの間隔に基づき白インクの吐出タイミングを調整すればよいことになる。2本の白ラインを形成する際、画像形成装置は黒ラインと基準ラインのラインセンタの間隔が、予め定められた理想値Lになる白ラインのパターンデータを用いて、白ラインを形成する。白ラインの位置に位置ずれがあると、黒ラインのラインセンタも変わるため、黒ラインのラインセンタと基準ラインのラインセンタの間隔は理想値Lからずれる。
以上から、画像形成装置は、理想値Lと反射光から算出した黒ラインのラインセンタと基準ラインのラインセンタの間隔の差から、白インクの吐出タイミングを補正することができる。白インクについてはテストパターンの形成方法に特徴があるものの、吐出タイミングの補正方法は従来と全く同じである。
したがって、白いシート材に白インクのテストパターンを形成しても、従来と同じ手法で吐出タイミングを調整できる。シート材とインクの色が同じ場合、黒べたパターン上に調整対象の色のラインを形成することで、同様にその色のインクの吐出位置を調整できる。また、図では白インクを例に説明したが、反射強度の大きい他の色のインクについても容易に適用できる。
〔構成例〕
図3は、シリアル方式の画像形成装置100の概略斜視図の一例を示す。画像形成装置100は、本体フレーム70により支持されている。画像形成装置100の長手方向にはガイドロッド1及び幅ガイド2が掛け渡され、ガイドロッド1及び副ガイド2にキャリッジ5が矢印A方向(主走査方向)に往復移動可能なように保持されている。
また、主走査方向には無端ベルト状のタイミングベルト9が、駆動プーリ7と加圧コロ15に張架されており、タイミングベルト9の一部がキャリッジ5に固定されている。また、駆動プーリ7は主走査モータ8により回転駆動され、これによりタイミングベルト9が主走査方向に移動し、連動してキャリッジ5も往復移動する。タイミングベルト9には加圧コロ15によって張力が掛けられており、タイミングベルト9はたるむことなくキャリッジ5を駆動させることができる。
また画像形成装置100は、インクを供給するカートリッジ60と記録ヘッドを維持・クリーニングする維持機構26を有する。
シート材150はキャリッジ5の下側にあるプラテン40上を、不図示のローラにより矢印B方向(副走査方向)に間欠的に搬送される。シート材50は、紙などの普通紙、光沢紙、フィルム、電子基板など液滴が付着可能な記録媒体であればよい。シート材150の搬送位置毎に、キャリッジ5は主走査方向に移動し、キャリッジ5が搭載している記録ヘッドが液滴を吐出する。吐出が終わるとシート材150が再度、搬送され、キャリッジ5が主走査方向に移動して液滴を吐出する。これを繰り返すとシート材150の全面に画像が形成され、印刷物が生産される。
図4は、キャリッジ5の動作をより詳細に説明する図の一例である。上記のガイドロッド1及び副ガイド2は左側板3と右側板4の間に掛け渡され、キャリッジ5は軸受け12と副ガイド受け部11によりガイドロッド1及び副ガイド2を摺動自在に保持され、矢印X1,X2方向(主走査方向)に移動可能となっている。
キャリッジ5には各色のインクを吐出する記録ヘッド21〜24が搭載されている。インク色には白(W)、黒(K)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(M)、イエロー(Y)、オレンジ(O)、グリーン(G)等がある。白の種類が多いほど表現可能な色の範囲が広がるが、全ての色のインクを搭載する必要はなく、少なくとも、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)の4色を搭載していることが多い。本実施形態では、この4色に白のインクが搭載されていることを想定している。例えば、記録ヘッド21,22は黒(K)のインクを吐出する。黒(K)だけ、記録ヘッドが2色あるのは黒がよく使用されるために配置したものであり、一方を省略することもできる。記録ヘッド23は、シアン(C)と白(W)のインクを吐出し、記録ヘッド24はマゼンタ(M)とイエロー(Y)のインクを吐出する。
なお、記録ヘッド21〜24としては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、又は、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの、などを用いることができる。
キャリッジ5を移動走査する主走査機構32は、主走査方向の一方側に配置される主走査モータ8と、主走査モータ8によって回転駆動される駆動プーリ7と、主走査方向の他方側に配置された加圧コロ15と、駆動プーリ7と加圧コロ15との間に掛け回されたタイミングベルト9とを備えている。なお、加圧コロ15は、図示しないテンションスプリングによって外方(駆動プーリ7に対して離れる方向)にテンションが作用させられている。
タイミングベルト9は、キャリッジ5の背面側に設けたベルト保持部10に一部分が固定保持されていることで、タイミングベルト9の無端移動に伴い主走査方向にキャリッジ5を牽引する。
また、キャリッジ5の主走査方向に沿うようにエンコーダシート41が配置されており、キャリッジ5に設けたエンコーダセンサ42によって当該エンコーダシート42のスリットを読取ることで、キャリッジ5の主走査方向の位置を検知することができる。このキャリッジ5が主走査領域のうち記録領域に存在する場合、シート材150が図示しない紙送り機構によってキャリッジ5の主走査方向と直交する矢示Y1,Y2方向(副走査方向)に間欠的に搬送される。
以上説明した、本実施形態に係る画像形成装置100では、キャリッジ5を主走査方向に移動し、シート材150を間欠的に送りながら、記録ヘッド21〜24を画像情報に応じて駆動して液滴を吐出させることによってシート材150に所要の画像を形成し、印刷物を生産することができる。
キャリッジ5の一側面には、着弾位置のずれを検出(テストパターンの読取り)するための印字位置ずれセンサ30が搭載されている。印字位置ずれセンサ30は、LEDなどの発光素子及び反射型フォトセンサで構成した受光素子によって、シート材150に形成された着弾位置検出用のテストパターンを読み取る。印字位置ずれセンサ30は、特許請求の範囲の読み取り手段に相当し、キャリッジ5は特許請求の範囲の相対移動手段に相当する。
この印字位置ずれセンサ30は記録ヘッド21用のものなので、記録ヘッド22〜24の液滴吐出タイミングを調整するため記録ヘッド22〜24と並列に別の印字位置ずれセンサ30を搭載することが好ましい。また、印字位置ずれセンサ30を記録ヘッド22〜24と並列になるようにスライドさせる機構がキャリッジ5に搭載されていれば、一台の印字位置ずれセンサ30で記録ヘッド22〜24の液滴吐出タイミングを調整できる。または、画像形成装置100がシート材150を逆方向に送っても、一台の印字位置ずれセンサ30で記録ヘッド22〜24の液滴吐出タイミングを調整できる。本実施形態に係る画像形成装置100では、印字位置ずれセンサの出力に基づいて記録ヘッド22〜24の液滴吐出タイミングが調整された後に、キャリッジ5を主走査方向に移動し、シート材150を間欠的に送りながら、調整されたタイミングで画像情報に応じて記録ヘッド21〜24が駆動される。この駆動に応じて液滴が吐出されることによってシート材150にずれのない画像を形成し、印刷物を生産する。
図5は、画像形成装置100の制御部300のブロック図の一例である。制御部300は、主制御部310及び外部I/F311を有する。主制御部310は、CPU301と、ROM302、RAM303、NVRAM304、ASIC305、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)306を有する。CPU301はROM302に記憶されたプログラム3021を実行して、画像形成装置100の全体を制御する。ROM302にはこのプログラム3021の他、初期値や制御のためのパラメータなど固定データが格納されている。RAM303は、プログラムや画像データ等を一時的に格納する作業メモリであり、NVRAM304は、装置の電源が遮断されている間も設定条件などのデータを保持するための不揮発性メモリである。ASIC305は画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なったり、各種のエンジンを制御する。FPGA306は、装置全体を制御するための入出力信号を処理する。
主制御部310は、この装置全体の制御を司るとともにテストパターンの形成、テストパターンの検出、着弾位置の調整(補正)などに関わる制御を司る。後述するように、本実施例では主にCPU301がROM302に記憶されたプログラム3021を実行してエッジ位置の検出を行うが、一部又は全てをFPGA306やASIC305など、LSIが行ってもよい。
外部I/F311は、ネットワークに接続された他の機器と通信するための通信装置、USB、IEEE1394、と接続するためのバスやブリッジであり、外部からのデータを主制御部310に送出する。また、外部I/F311は主制御部310が生成したデータを外部に出力する。外部I/F311には脱着可能な記憶媒体320が装着可能であり、プログラム3021は記憶媒体320に記憶された状態や、外部からの通信装置を介して配信される。
また、制御部300は、ヘッド駆動制御部312、主走査駆動部313、副走査駆動部314、給紙駆動部315、排紙駆動部316、及び、スキャナ制御部317を有する。ヘッド駆動制御部312は、記録ヘッド21〜24のそれぞれの吐出有無、吐出する場合の液滴吐出タイミング及び吐出量を制御する。ヘッド駆動制御部312は、記録ヘッド21〜24を駆動制御するためのヘッドデータ生成配列変換用ASICを有し(ヘッドドライバ)、印刷データ(ディザ処理などが施されたドットデータ)に基づき、液滴の有無と液滴の大きさを示す駆動信号を生成して、記録ヘッド21〜24に供給する。記録ヘッド21〜24はノズル毎にスイッチを有しており、駆動信号に基づきオン・オフすることで、記録ヘッド21〜23は印刷データにより指定されるシート材150の位置に指定されるサイズの液滴を着弾させる。なお、ヘッド駆動制御部312のヘッドドライバは記録ヘッド21〜24側に設けられてもよいし、ヘッド駆動制御部312と記録ヘッド21〜24が一体になっていてもよい。図示する構成は一例である。
主走査駆動部(モータドライバ)313は、キャリッジ5を移動走査する主走査モータ8を駆動する。主制御部310には、前述したキャリッジ位置を検出するエンコーダセンサ42が接続されており、主制御部310はこの出力信号に基づいてキャリッジ5の主走査方向の位置を検出する。そして、主走査駆動部313を介して主走査モータ8を駆動制御することでキャリッジ5を主走査方向に往復移動させる。
副走査駆動部(モータドライバ)314は紙送りするための副走査モータ132を駆動する。主制御部310には、副走査方向の移動量を検出するロータリエンコーダセンサ131からの出力信号(パルス)が入力され、主制御部310はこの出力信号に基づいて紙送り量を検出し、副走査駆動部314を介して副走査モータ132を駆動制御することで図示しない搬送ローラを介してシート材を紙送りする。
給紙駆動部315は給紙トレイからシート材を給紙する給紙モータ133を駆動する。排紙駆動部316は、画像が形成されたシート材150をプラテン上に排紙するローラを駆動する排紙モータ134を駆動する。なお、排紙駆動部316は、副走査駆動部314により代用してもよい。
スキャナ制御部317は、画像読取部135を制御する。画像読取部135は、原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。
また、主制御部310には、テンキー、プリントスタートキーなどの各種キー及び各種表示器を含む操作/表示部136が接続されている。主制御部310は、操作/表示部136を介してユーザが操作したキー入力の受け付け、メニューの表示などを行う。
その他図示しないが、維持機構26を駆動する維持回復モータを駆動するための回復系駆動部、各種のソレノイド(SOL)類を駆動するソレノイド類駆動部(ドライバ)、電磁クラック類などを駆動するクラッチ駆動部、を有していてもよい。また、主制御部310には、その他の図示しない各種センサの検出信号も入力されるが図示を省略している。
主制御部310は、シート材上にテストパターンを形成する処理を行い、形成したテストパターンに対し、キャリッジ5に搭載した印字位置ずれセンサ30の発光素子を発光させる発光駆動制御を行う。そして、受光素子の出力信号を取得しテストパターンの反射光を電気的に読取り、この読取り結果から着弾位置ずれ量を検出し、更に着弾位置ずれ量に基づいて記録ヘッド21〜24の液滴吐出タイミングを着弾位置ずれがなくなるように補正する制御を行う。
〔着弾位置ずれの補正〕
図6は、印字位置ずれセンサ30がテストパターンのエッジ位置を検出するための構成を模式的に示す図の一例である。図6は、図4の記録ヘッド21と印字位置ずれセンサ30を右側面板4から見た図になっている。
印字位置ずれセンサ30は、主走査方向と直交する方向に並ぶ、発光素子402と受光素子403を有している。発光素子402と受光素子403の配置は逆でもよい。発光素子401は、後述するスポット光をテストパターン400に投光して、受光素子403はシート材150に反射した光、プラテン40からの反射光、その他の散乱光などを受光する。発光素子402と受光素子403は筐体の内側に固定され、印字位置ずれセンサ30のプラテン40に対向する面は、レンズ405により外部から遮蔽されている。このように、印字位置ずれセンサ30はパッケージ化されており、単体で流通することができる。
印字位置ずれセンサ30内において、発光素子402及び受光素子403は、キャリッジ5の走査方向に対して直交する方向に配置している(副走査方向に並行に配置されている)。これにより、キャリッジ5の移動速度変動による検出結果への影響を低減することができる。
発光素子402は、例えばLEDであり、ピークの発光波長は緑色に相当する563ナノ〔m〕である。また、受光素子403は、発光素子に合わせて560ナノ〔m〕にピーク受光感度波長を有する。このような波長を採用した理由は、一般的なテストパターンのインク色は主に黒、マゼンタ、シアンであるが、マゼンタとシアンのインクの反射強度が共に小さくなる(吸収されやすい)波長が、560ナノ〔m〕周辺のためである。この反面、白のような色の反射強度は高くなっている。
また、発光素子402が形成するスポット径は、高精度のレンズを使用せずに安価なレンズを使用するためにmmオーダーとなっている。このスポット径は、テストパターンのエッジの検出精度と関係するが、mmオーダーでも本実施形態のエッジ位置の求め方であれば十分に高精度にエッジ位置を検出できる。ただし、スポット径をより小さくすることも可能である。
CPU301は、所定のタイミングになると着弾位置ずれ補正を開始する。このタイミングは、例えば、ユーザが操作/表示部136から着弾位置ずれ補正を指示したタイミング、CPU301がインク吐出前に発光素子402が発光しその時の反射光の強度が所定値以下であることから特定のシート材150であると判定したタイミング、最後に着弾位置ずれ補正を行った際の温度と湿度を記憶しておき温度又は湿度のいずれかが閾値以上ずれたと判定したタイミング、定期的(毎日、毎週、毎月等)なタイミング、等がある。
テストパターンの形成について説明する。CPU301は主走査制御部313にキャリッジ5の往復移動と、ヘッド駆動制御部312に予め定められたテストパターンを印刷データとして液滴の吐出を指示する。主走査制御部313は、シート材150に対して、キャリッジ5を主走査方向に往復移動させるとともに、ヘッド駆動制御部312は記録ヘッド21から液滴を吐出させて、少なくとも2本以上の独立したラインを含むテストパターンを形成する。また、反射強度の高い色のインクのテストパターンとして、反射強度の小さい色のべたパターンと基準ラインが交互に形成されるパターンデータ、及び、反射強度の高い色の2本のラインが形成されるパターンデータ、が用意されている。
また、CPU301は、シート材150に形成したテストパターンを印字位置ずれセンサ30にて読取るための制御を行う。具体的には、CPU301によって発光制御手段511に印字位置ずれセンサ30の発光素子402を駆動するためのPWM値が設定され、この発光制御手段511の出力が平滑回路512で平滑化されて駆動回路513に与えられる。駆動回路513は発光素子402を発光駆動して、シート材150のテストパターンに対して発光素子402からスポット光が照射される。なお、発光制御手段511、平滑回路512、駆動回路513、光電変換回路521、ローパスフィルタ522、A/D変換回路523、及び、補正処理実行部526は主制御部310又は制御部300に搭載されている。共有メモリ525は例えばRAM303である。
シート材上のテストパターンに発光素子402からのスポット光が照射されることで、テストパターンから反射される反射光が受光素子403に入射する。受光素子403は反射光の強度信号を光電変換回路521に出力する。具体的には、光電変換回路521は、強度信号を光電変換して、この光電変換信号をローパスフィルタ回路522に出力する。ローパスフィルタ回路522は高周波のノイズ分を除去した後、A/D変換回路523に光電変換信号を出力する。A/D変換回路523は、光電変換信号をA/D変換し、信号処理回路(FPGA)306に出力する。信号処理回路(FPGA)306は、A/D変換された検出電圧のデジタル値である検出電圧データ(検出電圧と検出電圧データは特に区別せず使用する)を共有メモリ525に格納する。特許請求の範囲の強度データ記憶手段は、例えば共有メモリ525が相当する。
補正処理実行部526は共有メモリ525に記憶された検出電圧データを読み出し、着弾位置ずれ補正を行い、ヘッド駆動制御部312に設定する。すなわち、補正処理実行部526は、テストパターンのエッジ位置からラインセンタを検出して、2本のライン間の適正距離と比較することで、着弾位置ずれ量を算出する。補正処理実行部526は特許請求の範囲の位置検出手段に相当する。
補正処理実行部526は着弾位置ずれがなくなるように記録ヘッド21を駆動するときの液滴吐出タイミングの補正値を算出して、この算出した液滴吐出タイミングの補正値をヘッド駆動制御部312に設定する。これにより、ヘッド駆動制御部312は、記録ヘッド21を駆動する際に、補正値に基づいて液滴吐出タイミングを補正した上で記録ヘッド21を駆動するので、液滴の着弾位置ずれを低減することができる。
図7は、補正処理実行部526の機能ブロック図の一例である。補正処理実行部526は、テストパターン形成部617、吐出タイミング補正部616、及び、パターンデータ記憶部618を有する。
パターンデータ記憶部618には、各色のインクのテストパターンのパターンデータが記憶されている。例えば、黒を基準に他の色のインクの吐出タイミングを補正する場合、パターンデータは、図26(a)に示すように、黒と反射強度の小さい他の色のインク(例えば、マゼンタ)の基準ラインが交互に決まった距離で形成されるものとなる。反射強度の大きい色のインクのパターンデータ(テストパターン)については後述する。パターンデータ記憶部618は、特許請求の範囲のパターンデータ記憶手段に相当する。
テストパターン形成部617は、各色(各記録ヘッド21〜24の)のテストパターンをシート材に形成する。テストパターン形成部617は特許請求の範囲のテストパターン形成手段に相当する。吐出タイミング補正部616は、テストパターンのエッジ位置から求めた着弾位置ずれ量に基づき液滴吐出タイミングを補正する。
〔反射強度の大きい色のインクのテストパターン〕
図8は、本実施例のテストパターンを説明する図の一例である。図8は、従来のテストパターンに対し、反射強度が小さいインク(図では白)のラインを、反射強度が小さいインク(図では黒)のべたパターンと、反射強度が大きいインクのラインからなる、反射強度が小さいインクのラインで置き換えることを示している。
本実施形態のテストパターンは、ブラックを基準ラインとして、基準ラインと白ラインが交互に形成されている場合に、その白ラインが拡大図の黒ラインで置き換えられたものである。白ラインの幅がDであるため、黒ラインの幅もDになっているが、黒ラインの幅はDである必要はない。黒ラインの幅Dは、黒べたパターンに重畳して形成される左右の2本の白ラインの位置により規定される。
図9は黒ラインの形成手順を説明する図の一例である。白インクの吐出タイミングを調整するためのテストパターンは、以下のパターンから成る。
(i) 黒の基準ラインと黒べたパターンが交互に形成されたパターン
(ii) 黒べたパターンに重畳して形成される2本の白ラインのパターン
図9(a)に示すように、テストパターン形成部617は、黒の基準ラインと黒べたパターンを交互に形成する。黒べたパターンの幅は、黒の基準ラインよりも大きく、2本の基準ラインの間隔よりも狭く、2本の白ラインの内側エッジの間隔よりも広い。なお、黒の基準ラインの幅Dはスポット光のスポット径よりも大きい。黒べたラインの幅は、この条件を満たす範囲で狭い方が黒と白のインクの消費量が少なくて済むため、黒べたラインの幅は狭い方が好ましい。一方、黒べたパターンの幅は、白ラインの位置ずれ量を考慮した値とする(黒べたパターンのエッジが必ず白ラインの下に来るように、例えば、白ラインのラインセンタに黒べたパターンのエッジ位置を合わせる)。
図9(b)に示すように、テストパターン形成部617は、黒べたパターンに幅Dの黒ラインが残るように重畳する2本の白ラインを形成する。2本の白ラインにより黒ラインの左右のエッジの位置が決まる。2本の白ラインの1本以上を、複数の白ラインで形成してもよい。すなわち、黒べたパターンの中央より右側と左側が白インクで覆われていれば、何回かに分けて白インクを吐出してもよい。
白ラインは、黒ラインのラインセンタと、隣接した基準ラインのラインセンタとの距離がある決まった理想値Lになるように形成される。理想値Lの間隔が設けられるのは、黒ラインの左側の基準パターンに対しても、右側の基準パターンに対しても同じである。基準ラインと黒べたパターンは交互に形成されるので、基準ラインのラインセンタと黒ラインのラインセンタの間隔は常に理想値Lの等間隔となる。しかしながら、等間隔である必要はなく、基準ラインのラインセンタと黒ラインのラインセンタの間の理想値Lが既知であればよい。
なお、基準ラインのラインセンタが変わってしまうため、白ラインは基準ラインにかかってはならない(白ラインは基準ラインと重複しない)。したがって、白ラインの幅は、黒べたパターンの中心からD/2の位置を起点にして、その幅は最大でも「L−D」未満である。なお、白ラインの基準ライン側の形状は直線でなくてもよい。この場合、白ラインは"ライン"とは呼ばれないが機能に変更はない。
図10、11は、黒べたパターンと2本の白ラインについて補足する図の一例である。黒べたパターンと2本の白ラインには以下のような性質がある。
A.上述したように、黒ラインのラインセンタと基準ラインのラインセンタの間隔は既知の理想値Lである。図10(a)に示すように、黒ラインのラインセンタから左右の基準ラインまでの間隔を等間隔Lとするとラインの区別が不要になる。
B.基準ラインの幅をDとした場合、黒ラインの幅はDでなくてもよい(黒ラインも基準ラインもラインセンタが分かればよいため)。このため図10(b)に示すように、黒ラインの幅はD未満でも、図10(c)に示すように、Dより大きくてもよい。黒ラインの幅Dとラインセンタは、白ラインの位置により定まる。なお、黒ラインの最小幅は(白ラインのエッジ位置により規定されるが)、スポット光のスポット径d以上であることが好ましい。
C.黒べたパターンのうち、白ラインに覆われる部分(幅が少なくともスポット径d以上の部分)は、基準ラインに到達しなければ、どのように形成されていてもよい。例えば、図11(a)に示すように、白ラインが黒べたパターンに十分な範囲で重複するように、黒べたパターンの幅を大きく取ってもよい。また。図11(b)に示すように、白ラインが黒べたパターンと最小限の範囲で重複するように、黒べたパターンの幅をスポット径dよりわずかに大きくするように形成してもよい。また、図11(c)に示すように、黒ラインのラインセンタを基準に左右にスポット径d/2以上であれば、黒べたパターンは、黒ラインのラインセンタを基準に左右に不均等な長さであってもよい。
D.図11(a)〜(c)に示すように、左右の白ラインの内側のエッジ位置は、両者の間隔が幅Dとなるように規定されている。また、左右の白ラインの外側のエッジ位置は黒べたパターンのエッジ位置よりも外側(黒ラインのラインセンタから遠い側)になるように規定されている。
なお、インク消費量の観点からは、図11(d)に示すように、黒べたパターンの幅を例えばDより大きい最小限にして、白インクの幅も、黒べたパターンのDより大きい部分を塗りつぶせる最小限の幅とすることが好ましい。
〔スポット光の位置とエッジ位置〕
続いて、図12、13を用いてスポット光とエッジ位置の関係について説明する。
図12は、スポット光とテストパターンの一例を示す図である。スポット光はテストパターンを構成する複数のライン(図では1本)を一定速度(等速)で横切るように移動する。横切る際の速度は可変でもよいが、横断中は等速である。用紙などのシート材は紙送りによりラインの長手方向に移動しているため、スポット光はラインを斜めに横切るように移動するが、シート材が停止してもエッジ位置の特定方法は同じである。一般的な波長のスポット光とシート材ではテストパターンの重複面積が大きいほど、スポット光の反射光が低下するとしてよい。
なお、図12,13ではスポット径d = テストパターンのライン幅Lとする。実際にはスポット光は若干の楕円になるが、楕円はテストパターンに並行に長軸を持つのでスポット光の形状はエッジ位置の精度にほとんど影響しない。
図13は、本実施形態のエッジ位置の特定の概略を説明する図の一例である。図13(a)の数字I〜Vは時刻の経過を表し、下のスポット光ほど時間経過が長い。
時刻I:スポット光とテストパターンは重複していない。
時刻II:スポット光の半分がテストパターンと重畳している。この瞬間、反射光の減少率が最も大きくなる(重畳している面積が単位時間に最も大きく正に変化する)。
時刻III:スポット光の全体がテストパターンと重畳している。この瞬間、反射光の強度が最も小さくなる。
時刻IV:スポット光の半分がテストパターンと重畳している。この瞬間、反射光の増加率が最も大きくなる(重畳している面積が単位時間に最も大きく負に変化する)。
時刻V:スポット光がテストパターンを通過し、スポット光とテストパターンは重複していない。
スポット光の重心がテストパターンのラインのエッジ位置と一致するのは、時刻II及びIVである。したがって、スポット光とラインとが時刻II及びIVの関係にあることを反射光から検出できれば、エッジ位置を精度よく特定できる。
図13(b)は受光素子の検出電圧の一例を、図13(c)は吸収面積(スポット光とテストパターンの重畳面積)の一例を、図13(d)は図13(c)の吸収面積を微分した吸収面積の増加率の一例を、それぞれ示す。なお、図13(d)は、図13(b)の出力波形を微分しても同等の情報が得られる。また、吸収面積は例えば検出電圧から算出されるが、絶対値である必要はないので、図13(c)の吸収面積は所定値から図13(b)の検出電圧を減算することで吸収面積と同様の波形が得られる。
上述したように、時刻IIにおいて反射光の減少率が最も大きくなり(重畳している面積が単位時間に最も大きく正に変化する)、時刻IVにおいて反射光の増加率が最も大きくなる(重畳している面積が単位時間に最も大きく負に変化する)。そして、図13(d)に示すように、増加率が増加傾向から減少傾向に変化する点は、時刻IIと一致しており、増加率が減少傾向から増加傾向に変化する点は、時刻IVと一致している。
増加傾向から減少傾向又はその逆に変化する点は、平面上の曲線において曲がる方向が変わる点、すなわち変曲点である。以上から、出力信号が変曲点を示せば、スポット光がテストパターンのエッジ位置と一致していることになる。したがって、変曲点が精度よく検出されれば、エッジ位置も精度よく特定できる。
〔エッジ位置の特定〕
図14は、エッジ位置の特定方法を説明する図の一例である。図14(a)は、検出電圧の概略図を、図14(b)は検出電圧の拡大図をそれぞれ示す。変曲点のおよその値は、補正処理実行部526又は開発者が実験的に求めることができる。上述したように、例えば、検出電圧や吸収面積を微分して傾きがゼロに最も近い位置が変曲点となる。
この変曲点が含まれるように、検出電圧の上限閾値Vruと下限閾値Vrdが予め定められている。後述するように、CPU301はテストパターンのない領域に対し検出電圧がほぼ同じ一定値(後述する4〔V〕)になるように発光素子402の出力と受光素子403の感度をキャリブレーションする。本実施例の描画密度の補正により、検出電圧の極大値はほぼ同じ一定値にすることができるので、上限閾値Vruと下限閾値Vrdの間に変曲点が含まれる。
吐出タイミング補正部616は、検出電圧の立下り部分について、矢示Q1方向に探索して、検出電圧が下限閾値Vrd以下になる点を点P2として記憶する。次に、点P2より矢示Q2方向に探索して、検出電圧が上限閾値Vruを超える点を点P1として記憶する。
そして、点P1と点P2の間の複数の検出電圧データを用いて回帰直線L1を算出し、回帰直線L1と上下閾値の中間値Vcとの交点を算出し交点C1とする。
同様にして、吐出タイミング補正部616は、検出電圧の立上がり部分について、矢示Q3方向に探索して、検出電圧が下限閾値Vru以上になる点を点P4として記憶する。次に、点P4より矢示Q4方向に探索して、検出電圧が上限閾値Vrd以下になる点を点P3として記憶する。
そして、点P3と点P4の間の複数の検出電圧データを用いて回帰直線L2を算出し、回帰直線L2と上下閾値の中間値Vcとの交点を算出し交点C2とする。交点C1と交点C2が一本のラインのエッジ位置なので、交点C1とC2の中央がラインセンタ(ライン位置)である。
この後、吐出タイミング補正部616は、複数のラインのラインセンタを求め、テストパターンの2本のライン間の理想的な距離L(=理想値L)と、ラインセンタ間の距離との差分を算出する。この差分は、理想的なラインの位置に対する実際のラインの位置のずれなので、着弾位置ずれ量になる。吐出タイミング補正部616は、算出した着弾位置ずれ量に基づいて、記録ヘッド21から液滴を吐出させるタイミング(液滴吐出タイミング)を補正する補正値を算出し、補正値をヘッド駆動制御部312に設定する。これにより、ヘッド駆動制御部312は補正された液滴吐出タイミングで記録ヘッド21を駆動するので、着弾位置ずれ量が低減することになる。
〔精度低下要因〕
このように、上限閾値と下限閾値の間の検出電圧データを用いてエッジを検出する場合、上限閾値と下限閾値の間に少なくとも変曲点が含まれていなければ、エッジを検出できない。上限閾値と下限閾値(2つのスレッシュホールド)が形成する幅を、以下、「スレッシュ領域」という。スレッシュ領域は検出電圧を単位とするが、検出電圧に対応する吸収面積でも定義できる。
図15は、吸収面積と吸収面積の増加率の一例をそれぞれ示す図である。図15のAのスレッシュ領域に変曲点があれば、図14で説明したように、吐出タイミング補正部616はエッジ位置を精度よく検出することができる。
これに対し、図15のBのスレッシュ領域に変曲点がある場合、Aのスレッシュ領域から回帰直線を求めても、吐出タイミング補正部616は正確なエッジ位置を検出することはできない。また、変曲点がBのスレッシュ領域にあることが分かっていれば、スレッシュ領域をAからBの位置に移動して吐出タイミング補正部616が回帰直線を求めることもできるが、変曲点の位置が大きくずれることは、検出電圧や吸収面積のカーブが変形している可能性がある。例えば、カーブの傾きが大きくなったスレッシュ領域から、吐出タイミング補正部616が回帰直線を求めると、交点C1、C2も大きくずれる可能性がある。このことは、図11の下図で、Aのスレッシュ領域では頂点付近を含む位置の幅を十分に狭い範囲で推定できるに対し、Bのスレッシュ領域では変曲点(図15ではスレッシュ領域B内にはないが)付近を含む位置の幅を狭い範囲で推定しにくいことによって示されている。
したがって、検出電圧の振幅が、変曲点がスレッシュ領域Aに入らないほどに変動した場合、スレッシュ領域Aからエッジ位置を特定したり、変曲点そのものを求めてスレッシュ領域を移動してエッジ位置を決定することは好適ではないことがわかる。
〔スポット光の径とテストパターンの線幅〕
図13ではスポット径d = テストパターンのライン幅Lとしたが、「スポット径d > テストパターンのライン幅L」 又は、「スポット径d < テストパターンのライン幅L」でも、エッジ位置は検出可能である。
図16(a)は、スポット径d > テストパターンのライン幅Lの関係にあるスポット光とテストパターンの一例を示す。ここでは「d/2<L<d」であるとする。図16(b)は受光素子の検出電圧の一例を、図16(c)は吸収面積の一例を、図16(d)は図16(c)の吸収面積を微分した吸収面積の増加率の一例を、それぞれ示す。
スポット径d > テストパターンのライン幅L であることは、スポット光とテストパターンが完全には重畳しないことを意味するので、図16(d)の吸収面積の増加率から明らかなように、スポット光の右端がテストパターンを乗り越えた時点で吸収面積が減少に転じ、増加率が急激に減少する。
しかしながら、本実施形態では変曲点の近傍の検出電圧データが得られていれば、交点C1、C2を求めることができるので、スポット光の径dはd/2<Lであればよい。すなわち、スポット径d が テストパターンのライン幅Lに比べて極端に大きくなければよい。
図17(a)は、スポット径d < テストパターンのライン幅Lの関係にあるスポット光とテストパターンの一例を示す。図17(b)は受光素子の検出電圧の一例を、図17(c)は吸収面積の一例を、図17(d)は図17(c)の吸収面積を微分した吸収面積の増加率の一例を、それぞれ示す。
スポット径d < テストパターンのライン幅L であることは、スポット光とテストパターンが完全に重畳した状態が継続することを意味するので、図17(b)(c)に示すように検出電圧や吸収面積が一定の領域が生じる。また、図17(d)に示すように、吸収面積の増加率がゼロとなる領域が生じる。その後、スポット光の右端がテストパターンを乗り越えた時点で吸収面積が減少に転じ、増加率が緩やかに減少する(減少率が増加)。
このような場合、図13と同様に、変曲点近傍の検出電圧データが十分に得られるので、吐出タイミング補正部616は十分に交点C1、C2を求めることができる。
〔ライン方式の画像形成装置の場合〕
本実施形態では、図3,4のシリアル方式の画像形成装置100を例にして説明したが、ライン方式の画像形成装置100においても同様の方法で着弾位置ずれ量を補正できる。ライン方式の画像形成装置100について簡単に説明する。
図18は、ライン方式の画像形成装置100のヘッドの配置とテストパターンを模式的に説明する図の一例である。ヘッド固定ブラケット160はシート材搬送方向と直交する主走査方向の端から端まで掛け渡されるように固定されている。ヘッド固定ブラケット160には、上流側から黒、シアン、白、マゼンタ、イエローのインクの記録ヘッド180がそれぞれ主走査方向の全域に配置されている。各色の記録ヘッド180は端部が重複するように千鳥状に配置されている。こうすることで、記録ヘッド180の端部でも十分な解像度が得られる液滴が吐出されるので、主走査方向の全域に1つの記録ヘッド180を配置する必要がなくコスト増を抑制できる。なお、インク色ごとに主走査方向の全域に1つの記録ヘッド180を配置してもよいし、各色の記録ヘッド180の主走査方向の重複領域をより長くしてもよい。
ヘッド固定ブラケット160よりも下流にはセンサ固定ブラケット170が、シート材の搬送方向と直交する主走査方向の端から端まで掛け渡されるように固定されている。センサ固定ブラケット170には、印字位置ずれセンサ30がヘッドの数だけ配置されている。すなわち、1つの印字位置ずれセンサ30は、1つの記録ヘッド180と、主走査方向に少なくとも一部が重複するように配置されている。また、1つの印字位置ずれセンサ30は、1対の発光素子402と受光素子403を有する。発光素子402と受光素子403は、主走査方向にほぼ並行に並列配置されている。
このような形態の画像形成装置100は、テストパターンを構成する各ラインを、ラインの長手方向が主走査方向と並行になるように形成する。黒を基準に他の色の液滴の着弾位置ずれを補正する場合、画像形成装置100は、黒の基準ラインと黒べたパターン及び2本の白ライン、黒のラインとマセンタのライン、又は、黒のラインとシアンのライン、を形成する。そして、シリアル方式の画像形成装置100と同様に、黒ラインのエッジ位置を検出し、その位置ずれ量から液滴吐出タイミングを補正する。図18の画像形成装置100では、紙送り機構(例えば副走査モータ132)が特許請求の範囲の相対移動手段に相当する。
以上のように、ライン方式の画像形成装置100においても、適切に印字位置ずれセンサ30を配置することで着弾位置ずれを補正できる。
〔検出電圧の一例〕
図19は、本実施形態のテストパターンを走査した場合の検出電圧を模式的に説明する図の一例である。これまで説明したように、基準ライン、黒ラインが交互に形成され、それぞれ3本、合計6本の黒のラインが理想値Lの等間隔に形成されている。
スポット光がテストパターンを走査して得られる検出電圧は、基準ラインと黒ラインで急激に低下する。すなわち、黒ラインの左端のエッジで急に低下を始め、右端のエッジで急に増大する。したがって、理想的な場合、極小部の間隔は等間隔Lとなる。
黒ラインの左側のエッジ位置を規定するのは白ラインの右側のエッジ位置であり、黒ラインの右側のエッジ位置を規定するのは白ラインの左側のエッジ位置である。よって、白ラインが理想的な位置に形成されれば、基準ラインのラインセンタと黒ラインのラインセンタの間隔はLとなる。
しかしながら、黒ラインのラインセンタは2つの白ラインのエッジ位置により規定されるので、例えば、白のインクの吐出位置が右方向にずれる傾向があれば、黒ラインのラインセンタも右方向にずれる。したがって、基準ラインのラインセンタと黒ラインのラインセンタの間隔と、理想値Lの差に基づき、白インクの吐出タイミングを調整できることが分かる。この調整方法は、基準ラインを基準にして、吐出のタイミングを調整するマゼンタやシアンなどと全く同じであり、白のインクの吐出タイミングの調整をこれまでのアルゴリズム(吐出タイミングの調整量の計算方法)と全く同じアルゴリズムで調整できることを意味している。
〔白以外のインクについて〕
白インクは、反射強度が大きいインクの一例に過ぎず、反射強度が大きい他の色のインクに対して、同様に本実施形態の吐出タイミングの調整方法を適用できる。例えば、金色、銀色やエナメル色など光沢のある色のインクに好適に適用できる。反射強度が大きいインクの目安は、発光素子402のピーク波長に対し検出電圧の変曲点が上限閾値Vud以下とならないことが挙げられる。したがって、何らかの規格(例えばJIS Z 8102:2001)のある色にのみ適用できるというものではないが、従来の方法で吐出タイミングが調整できなければ本実施形態の調整方法を適用すればよい。
なお、インクには、色とは別に透過性という属性があるが、本実施形態のインクは、黒べたパターンが検出されない程度に透過率が低いことが必要である。
しかしながら、テストパターン形成部617が透明なインクを透過性が無視できるほど重ねて吐出した場合、吐出タイミングを調整できるようになる場合がある。
また、本実施形態では、シート材とインクの色が同じ又は似ているものとしたが、完全に同じである必要はない。例えば、測色計で測定した2つの色の何らかの色空間におけるユークリッド距離が、所定値内であれば同じ色とみなすことができる。
また、本実施例では白インクと白いシート材を例にしたが、例えば、インクとシート材が共にイエローの場合も同様に適用できる。
図20(a)はインクとシート材の色が共にイエローの場合の反射強度の一例を示す図である。白インクの場合と同様に、黒ラインのラインセンタは2本のイエローラインの黒ライン側のエッジ位置により規定される。スポット光がテストパターンを走査した場合、検出電圧は基準ラインと黒ラインで下限閾値Vrd値を下回り、イエローラインとシート材では上限閾値Vruを超えている(変曲点がスレッシュ領域に入る)。したがって、白インクと同様にイエローのインクの吐出タイミングを調整できる。
一方、シート材とインクの色が比較的、反射強度が小さい色の場合、白インクと同様に吐出タイミングを調整することは困難な場合がある。
図20(b)はインクとシート材の色が共にシアンの場合の反射強度の一例を示す図である。検出電圧は基準ラインと黒ラインとで下限閾値Vrd値を下回るが、シアンラインとシート材では上限閾値Vruを超えていない可能性がある。したがって、本実施形態のテストパターンは、インクとシート材の色の検出電圧が上限閾値Vruを超える場合に適用可能である。
また、黒べたパターンの色は黒である必要はなく、検出電圧が上限閾値Vruを超える(変曲点がスレッシュ領域に入る)ような反射強度の色であればよい。基準ラインについても黒で形成することが多いが、基準ラインが黒である必要はなく、検出電圧が上限閾値Vruを超える(変曲点がスレッシュ領域に入る)ような反射強度の色であればよい。
〔動作手順〕
図21(a)は、補正処理実行部526が液滴吐出タイミングを補正する手順の一例を示すフローチャート図である。
まず、CPU301が、着弾位置ずれ補正を開始するよう主制御部310に指示する。この指示により、主制御部310は副走査駆動部314を介して副走査モータ132を駆動しシート材150を記録ヘッド21の真下まで搬送させる(S1)。
次に、主制御部310は主走査駆動部313を介して主走査モータ27を駆動して、キャリッジ5をシート材150上に移動し、シート材150上の特定の箇所にて発光素子と受光素子のキャリブレーションを実施する(S2)。
図21(b)はS2の処理を説明するフローチャート図の一例である。キャリブレーションは、発光素子の検出電圧が所望の範囲内(例えば4V±0.4〔V〕の範囲内に調整している。)になるように発光素子の光量を調整する処理である。
CPU301によって発光制御手段511に印字位置ずれセンサ30の発光素子402を駆動するためのPWM値が設定され、平滑回路512で平滑化された後、駆動回路513に与えられることで、駆動回路513が発光素子402を発光駆動する(S21)。
印字位置ずれセンサ30の受光素子403が検出した強度信号は共有メモリ525に記憶され、CPU301が所望の電圧値になっているか否かをチェックする(S22)。
所望の電圧値になっていれば(S22のOK)、図22(b)の処理は終了する。所望の電圧値になっていなければ(S22のNo)、CPU301はPWM値を変更することで(S23)、光量の再調整を行う。
図21(a)に戻り、主制御部310は、シート材150の副走査位置はそのままで紙送りせずに、主走査制御部313が主走査駆動モータ27を介してキャリッジ5を移動させる。そして、テストパターン形成部617はヘッド駆動制御部312にテストパターンの形成を要求する。ヘッド駆動制御部31は、パターンデータ記憶部618に記憶されたパターンデータを用いて記録ヘッド22,23を駆動する(S3)。すなわち、基準ラインと黒べたパターンを形成した後、2本の白ラインを形成して、白インクのテストパターンを形成する。
また、印字位置ずれセンサ30はテストパターンをスポット光で走査して検出電圧データを生成する(S4)。
そして、吐出タイミング補正部616は、検出電圧データからテストパターンのエッジ位置を検出し、液滴の着弾位置ずれを補正する(S12)。すなわち、吐出タイミング補正部616は、基準ラインのラインセンタと黒ラインのラインセンタの距離を理想値Lと比較して着弾位置ずれ量を算出し、着弾位置ずれがなくなるように白色のインクの液滴吐出タイミングの補正値を算出し、ヘッド駆動制御部312に設定する。
以上説明したように、本実施例の画像形成装置は、白色のインクのように反射強度が大きいインクを、黒ラインの位置を規定するように形成することで、反射強度が小さいインクと全く同じように吐出タイミングを調整できる。
本実施例では、液滴吐出タイミングの補正値の算出を画像形成装置でなく、サーバが行う画像形成システムについて説明する。
図22は、画像形成装置100とサーバ200を有する画像形成システム500を模式的に説明する図の一例である。図22において図4と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。画像形成装置とサーバ200がネットワーク201を介して接続されている。ネットワーク201は、社内のLAN、LAN同士を接続したWAN,若しくは、インターネット、又は、これらを組み合わせたものである。
図22のような画像形成システム500では、画像形成装置100がテストパターンの形成及び印字位置ずれセンサによるテストパターンの走査を行い、サーバ200が液滴吐出タイミングの補正値を算出する。したがって、画像形成装置100の処理負荷を低減でき、サーバ200に液滴吐出タイミングの補正値の算出機能を集約できる。
図23は、サーバ200と画像形成装置100のハードウェア構成図の一例を示す図である。サーバ200は、それぞれバスで相互に接続されているCPU51、ROM52、RAM53、記憶媒体装着部54、通信装置55、入力装置56、及び、記憶装置57を有する。CPU51は、OS(Operating System)、及び、プログラム570を記憶装置57から読み出して、RAM53を作業メモリにして実行する。このプログラムは、下記の処理を行う。
RAM53は必要なデータを一時保管する作業メモリ(主記憶メモリ)になり、ROM52にはBIOSや初期設定されたデータ、ブートストラップロータ等が記憶されている。記憶媒体装着部54は、可搬型の記憶媒体320を装着するインタフェースである。
通信装置55は、LANカードやイーサネット(登録商標)カードと呼ばれ、ネットワーク201に接続して、画像形成装置100の外部I/F311と通信する。なお、画像形成装置100には、少なくともサーバ200のIPアドレス又はドメイン名が登録されている。
入力装置56は、キーボード、マウスなど、ユーザの様々な操作指示を受け付けるユーザインターフェイスである。タッチパネルや音声入力装置を入力装置とすることもできる。
記憶装置57は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発メモリを実体とし、OS、プログラム等を記憶している。プログラム570は、記憶媒体320に記録された状態又は不図示のサーバ200からダウンロードされる態様で配布される。
図24は、画像形成システム500の機能ブロック図の一例である。画像形成装置100の補正処理実行部526はデータ送信部621、データ受信部622、テストパターン形成部617、及び、テストパターン記憶部618を有する。また、サーバ側は補正処理演算部620を有する。
データ送信部621は共有メモリ525に記憶された検出電圧データをサーバに送信する。データ受信部622は液滴吐出タイミングの補正値をサーバから受信し、ヘッド駆動制御部312に送出する。
図では、共有メモリ525は画像形成装置が有しているが、サーバ200が有していてもよいし、サーバ200と画像形成装置100が共に共有メモリ525を有していてもよい。また、テストパターン記憶部618はサーバ側にあってもよく、画像形成装置100がサーバ200又は不図示のサーバからダウンロードしてもよい。
サーバの補正処理演算部620は吐出タイミング補正部616を有している。吐出タイミング補正部616の機能は実施例1と同様なので説明は省略する。
画像形成システム500では、画像形成装置側の検出電圧データをサーバ200に送信する。サーバ側の補正処理演算部620は、吐出タイミングの補正値を算出して画像形成装置100に送信するので、ヘッド駆動制御部312は吐出タイミングを変更することができる。
図25は、画像形成システム500の動作手順を示すフローチャート図の一例である。図示するように、着弾位置ずれの補正をサーバ200が行う。これ以外のテストパターンの形成、テストパターンを走査して検出電圧データを生成する処理は、画像形成装置100が行う。
画像形成装置100はテストパターンを走査して検出電圧データを生成すると(S4)、データ送信部621が検出電圧データをサーバに送信する(S5)。
その後、サーバが液滴吐出タイミングの補正値を算出すると、データ受信部622が液滴吐出タイミングの補正値を受信する(S6)。
サーバ側は、画像形成装置から送信された検出電圧データを受信する(S11)。検出電圧データを受信すると、サーバ200の吐出タイミング補正部616が着弾位置ずれを補正する(S12)。
サーバは液滴吐出タイミングの補正値を画像形成装置に送信する(S13)。
このように、処理が行われる場所が変わるだけで、画像形成システム500は、実施例1と同様に、反射強度の大きい白などのインクの液的吐出タイミングを高精度に補正することができる。
1 ガイドロッド
2 副ガイド
5 キャリッジ
7 駆動プーリ
8 主走査モータ
9 タイミングベルト
21〜24 記録ヘッド
30 印字位置ずれセンサ
41 エンコーダシート
42 エンコーダセンサ
100 画像形成装置
200 サーバ
301 CPU
310 主制御部
312 ヘッド駆動制御部
313 主走査駆動部
314 副走査駆動部
402 発光素子
403 受光素子
500 画像形成システム
525 共有メモリ
526 補正処理実行部
616 吐出タイミング補正部
617 テストパターン形成部
618 パターンデータ記憶部
620 補正処理演算部
特開2001−129980号公報 特開2008−229915号公報

Claims (10)

  1. 記録媒体に形成した複数のラインからなるテストパターンを読み取って、インクの吐出タイミングを調整する画像形成装置であって、
    前記記録媒体に光を照射する発光手段及び前記記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを有する読み取り手段と、
    前記テストパターンを形成するためのパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、
    反射強度が第1の閾値以下の第1のインクのべたパターン及び基準ラインを有する第1のパターンデータ、及び、反射強度が第2の閾値以上の第2のインクの2本のラインを有する第2のパターンデータを読み出して、テストパターンを形成するテストパターン形成手段と、
    前記記録媒体又は前記読み取り手段を相対的に等速で移動させる相対移動手段と、
    テストパターン上を前記光が移動している間に前記受光手段が前記光の走査位置から受光した前記反射光の強度データを記憶する強度データ記憶手段と、
    予め定められた上限から下限内に含まれる前記強度データにライン位置決定演算を施し前記ラインの位置を検出する位置検出手段と、を有し、
    前記テストパターン形成手段は、
    前記第1のパターンデータに基づきべたパターン及び基準ラインを形成した後、べたパターンのエッジ上に形成されることで1本の成形ラインを形成し、かつ、基準ラインのラインセンタと前記成形ラインのラインセンタとの間隔が予め定められた距離となるように前記2本のラインを形成する、ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記位置検出手段は、前記成形ラインの中心側に対する前記2本のラインの2つの境界同士の間隔から前記成形ラインのラインセンタを検出し、
    基準ラインのラインセンタと前記成形ラインのラインセンタとの間隔を規定値と比較することで、前記第2のインクの吐出位置を補正する吐出位置補正手段、を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記成形ラインのラインセンタと左右の基準ラインのラインセンタまでの距離は等間隔である、ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記第2のインクの色と前記記録媒体の色は、所定の色空間においてユークリッド距離が閾値内である、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の画像形成装置。
  5. 前記受光手段が、前記2本のラインの形成部から受光した前記反射光の強度データの大きさは閾値以上である、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の画像形成装置。
  6. 前記受光手段が、前記記録媒体から受光した前記反射光の強度データの大きさは閾値以上である、
    ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の画像形成装置。
  7. 前記第2のインクの色はほぼ白色、金色又は銀色、である、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の画像形成装置。
  8. 記録媒体に光を照射する発光手段及び前記記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを有する読み取り手段と、
    複数のラインからなるテストパターンを形成するためのパターンデータ記憶手段と、を有し、前記記録媒体に形成した複数のラインのテストパターンを読み取って、液滴の吐出タイミングを調整する画像形成装置のパターン位置検出方法であって、
    テストパターン形成手段が、反射強度が第1の閾値以下の第1のインクのべたパターン及び基準ラインを有する第1のパターンデータ、及び、反射強度が第2の閾値以上の第2のインクの2本のラインを有する第2のパターンデータを読み出して、テストパターンを形成するステップと、
    相対移動手段が、前記記録媒体又は前記読み取り手段を相対的に等速で移動させるステップと、
    テストパターン上を前記光が移動している間、前記受光手段が前記光の走査位置から受光した前記反射光の強度データを強度データ記憶手段に記憶するステップと、
    位置検出手段が、予め定められた上限から下限内に含まれる前記強度データにライン位置決定演算を施し前記ラインの位置を検出するステップと、を有し、
    前記テストパターン形成手段は、
    前記第1のパターンデータに基づきべたパターン及び基準ラインを形成した後、べたパターンのエッジ上に形成されることで1本の成形ラインを形成し、かつ、基準ラインのラインセンタと前記成形ラインのラインセンタとの間隔が予め定められた距離となるように前記2本のラインを形成する、
    ことを特徴とするパターン位置検出方法。
  9. 記録媒体に液滴を吐出して形成したテストパターンを読み取って、液滴の吐出タイミングを調整する画像形成システムであって、
    前記記録媒体に光を照射する発光手段及び前記記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを有する読み取り手段と、
    テストパターンを形成するテストパターン形成手段と、
    前記記録媒体又は前記読み取り手段を相対的に等速で移動させる相対移動手段と、
    を有する画像形成装置と、
    前記テストパターンを前記光が移動している間に前記受光手段が前記光の走査位置から受光した前記反射光の強度データを記憶する強度データ記憶手段と、
    反射強度が第1の閾値以下の第1のインクのべたパターン及び基準ラインを有する第1のパターンデータ、及び、反射強度が第2の閾値以上の第2のインクの2本のラインを有する第2のパターンデータを読み出して、テストパターンを形成するテストパターン形成手段と、
    予め定められた上限から下限内に含まれる前記強度データにライン位置決定演算を施し前記ラインの位置を検出する位置検出手段と、を有し、
    前記テストパターン形成手段は、
    前記第1のパターンデータに基づきべたパターン及び基準ラインを形成した後、べたパターンのエッジ上に形成されることで1本の成形ラインを形成し、かつ、基準ラインのラインセンタと前記成形ラインのラインセンタとの間隔が予め定められた距離となるように前記2本のラインを形成する、ことを特徴とする画像形成システム。
  10. 記録媒体に光を照射する発光手段及び前記記録媒体からの反射光を受光する受光手段とを有する読み取り手段と、
    複数のラインからなるテストパターンを形成するためのパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、を有する画像形成装置を用いて、前記記録媒体に形成した複数のラインのテストパターンを読み取って液滴の吐出タイミングを調整し、調整された吐出タイミングで液滴の吐出を行うことで印刷物を生産する方法において、
    テストパターン形成手段が、反射強度が第1の閾値以下の第1のインクのべたパターン及び基準ラインを有する第1のパターンデータ、及び、反射強度が第2の閾値以上の第2のインクの2本のラインを有する第2のパターンデータを読み出して、テストパターンを形成するステップと、
    相対移動手段が、前記記録媒体又は前記読み取り手段を相対的に等速で移動させるステップと、
    テストパターン上を前記光が移動している間、前記受光手段が前記光の走査位置から受光した前記反射光の強度データを強度データ記憶手段に記憶するステップと、
    位置検出手段が、予め定められた上限から下限内に含まれる前記強度データにライン位置決定演算を施し前記ラインの位置を検出するステップと、を有し、
    検出されたラインの位置に基づいて吐出タイミングを補正し、
    前記テストパターン形成手段は、
    前記第1のパターンデータに基づきべたパターン及び基準ラインを形成した後、べたパターンのエッジ上に形成されることで1本の成形ラインを形成し、かつ、基準ラインのラインセンタと前記成形ラインのラインセンタとの間隔が予め定められた距離となるように前記2本のラインを形成する、ことを特徴とする印刷物の生産方法。
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