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JP2014073731A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置 Download PDF

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JP2014073731A JP2012221425A JP2012221425A JP2014073731A JP 2014073731 A JP2014073731 A JP 2014073731A JP 2012221425 A JP2012221425 A JP 2012221425A JP 2012221425 A JP2012221425 A JP 2012221425A JP 2014073731 A JP2014073731 A JP 2014073731A
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gear
output system
motor
generator
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Yoshiaki Tanaka
敬朗 田中
Koki Matsushita
光旗 松下
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ブレーキペダルが踏まれてシフトダウンを要する減速が要求された場合に運転者に減速感を適切に与えることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】デュアルクラッチ式の変速機10と、変速機10の第1入力軸13と動力伝達可能に接続された第1MG3と、変速機10の第2入力軸14と動力伝達可能に接続された第2MG4とを備えたハイブリッド車両1に適用される制御装置において、EV走行モードの実行中にブレーキペダルが踏まれてシフトダウン条件が成立した場合、第1MG3及び第2MG4のうちの走行側のMGの回生制御を実行し、次にその回生制御の実行中に、非走行側のスリーブの位置を切り替えてシフトダウン後の変速段を成立させ、その後非走行側のMGと走行側のMGとが入れ替わるように各MG3、4が制御される。そして、非走行側のスリーブは全て解放位置に切り替えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、デュアルクラッチ式の変速機を備え、その変速機の2つの入力軸にそれぞれ電動機が接続されたハイブリッド車両に適用される制御装置に関する。
第1入力軸と出力系の間に奇数段に対応するギヤ列が設けられるとともに第2入力軸と出力系の間に偶数段に対応するギヤ列が設けられ、かつそれら2つの入力軸がそれぞれ異なるクラッチを介して内燃機関と接続されるデュアルクラッチ式の変速機が知られている。また、このようなデュアルクラッチ式の変速機が搭載され、各入力軸にそれぞれ電動機が接続されたハイブリッド車両が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1の車両では一方の入力軸に設けられている電動機で走行する場合、他方の入力軸と内燃機関との間に介在する摩擦クラッチを解放するか、又は他方の入力軸と出力軸との間に設けられているギヤ列のハブスリーブを全て中立状態にする。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
特開2003−079005号公報 特開2007−283878号公報
特許文献1の発明では、一方の入力軸側の電動機で車両を走行させているときにブレーキペダルが踏まれて変速段を低速側に切り替えるべきシフトダウンを要する減速が要求された場合、その要求後に他方の入力軸側のハブスリーブを中立状態からギヤと係合させる。そのため、運転者が減速感を覚えるまでに時間がかかり、運転者が違和感を覚えるおそれがある。
そこで、本発明は、ブレーキペダルが踏まれてシフトダウンを要する減速が要求された場合に運転者に減速感を適切に与えることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、内燃機関と、前記内燃機関と第1クラッチを介して接続された第1入力軸及び前記内燃機関と第2クラッチを介して接続された第2入力軸を含む入力系と、駆動輪と動力伝達可能に接続された出力系と、一部が前記第1入力軸と前記出力系との間に介在するとともに残りが前記第2入力軸と前記出力系との間に介在し、かつ互いに変速比が相違する複数のギヤ列と、前記第1入力軸と前記出力系との間に介在するギヤ列のうちのいずれか1つのギヤ列による前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達を選択的に成立させることによりそれらの間の変速比を切り替え可能、かつ前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達を遮断するニュートラル状態に切り替え可能な第1変速機構と、前記第2入力軸と前記出力系との間に介在するギヤ列のうちのいずれか1つのギヤ列による前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達を選択的に成立させることによりそれらの間の変速比を切り替え可能、かつ前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達を遮断するニュートラル状態に切り替え可能な第2変速機構と、を有し、前記入力系と前記出力系との間の動力伝達に用いるギヤ列を切り替えることにより複数の変速段に切り替え可能であり、かつ前記複数の変速段のうちの奇数段に対応したギヤ列が前記第1入力軸と前記出力系との間に介在し、偶数段に対応したギヤ列が前記第2入力軸と前記出力系との間に介在するデュアルクラッチ式の変速機と、前記第1入力軸と動力伝達可能に接続された第1モータ・ジェネレータと、前記第2入力軸と動力伝達可能に接続された第2モータ・ジェネレータと、を備え、前記内燃機関を停止させ、前記第1モータ・ジェネレータ及び前記第2モータ・ジェネレータのうちのいずれか一方のモータ・ジェネレータで前記駆動輪を駆動し、前記駆動輪の駆動に関与しない他方のモータ・ジェネレータ側の変速機構を前記ニュートラル状態に切り替えるEV走行モードを実行可能なハイブリッド車両に適用され、前記EV走行モードの実行中に、前記車両のブレーキペダルが踏まれて現在の変速段から低速側に前記他方のモータ・ジェネレータ側の変速機構の変速段を切り替えるシフトダウンを実行すべきシフトダウン条件が成立した場合、前記駆動輪が制動されるように前記一方のモータ・ジェネレータの回生制御を実行し、次に前記回生制御の実行中に、前記他方のモータ・ジェネレータに接続されている入力軸と前記出力系との間の動力伝達が前記低速側の変速段に対応するギヤ列にて成立するように前記他方のモータ・ジェネレータ側の変速機構を制御し、その後前記他方のモータ・ジェネレータにて前記駆動輪を駆動するとともに前記一方のモータ・ジェネレータ側の変速機構を前記ニュートラル状態に切り替える変速手段を備えている(請求項1)。
本発明の制御装置では、EV走行モードの実行中にブレーキペダルが踏まれてシフトダウン条件が成立した場合、まず一方のモータ・ジェネレータの回生制御を実行し、その回生制御の実行中に変速段の切り替えを行う。この場合、一方のモータ・ジェネレータの回生制御を実行した時点で車両が減速するので、変速段の切り替えが完了したかのような減速感を運転者に与えることができる。そのため、運転者に減速感を適切に与えることができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記EV走行モードの実行中に前記シフトダウン条件が成立した場合、前記シフトダウン条件の成立時の変速段の前記変速機を介して前記内燃機関で前記駆動輪を駆動していたと仮定し、この仮定した状態から前記変速機を前記低速側の変速段に切り替えると前記内燃機関のフリクションに起因して前記駆動輪に付与されると予想される制動トルクを算出する制動トルク算出手段をさらに備え、前記変速手段は、前記EV走行モードの実行中に前記シフトダウン条件が成立した場合に、前記制動トルク算出手段が算出した前記制動トルクが前記駆動輪に付与されるように前記一方のモータ・ジェネレータの回生制御を実行してもよい(請求項2)。この形態によれば、回生制御の実行時には、内燃機関で車両が走行しているときに変速段を低速側に切り替えた場合に生じると予想される制動トルクが駆動輪に付与される。そのため、運転者に適切な減速感を与えることができる。
以上に説明したように、本発明の制御装置によれば、EV走行モードの実行中にブレーキペダルが踏まれてシフトダウン条件が成立した場合、まず一方のモータ・ジェネレータの回生制御を実行するので、運転者に減速感を適切に与えることができる。
本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた車両を概略的に示す図。 車両制御装置が実行するシフトダウン制御ルーチンを示すフローチャート。
図1は、本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた車両を概略的に示している。この車両1は、走行用動力源として内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)2と、第1電動機としての第1モータ・ジェネレータ(以下、第1MGと略称することがある。)3と、第2電動機としての第2モータ・ジェネレータ(以下、第2MGと略称することがある。)4とを備えている。すなわち、この車両1はハイブリッド車両として構成されている。エンジン2は、複数の気筒を有する周知の火花点火式内燃機関である。また、第1MG3及び第2MG4は、ハイブリッド車両に搭載されて電動機及び発電機として機能する周知のものである。そのため、これらに関する詳細な説明を省略する。なお、以下において第1MG3と第2MG4を区別する必要が無い場合には単にMGと呼ぶ。
車両1には、複数の変速段(1速〜5速及び後進)に変速可能な変速機10が搭載されている。この変速機10は、デュアルクラッチ式の変速機として構成されている。変速機10は入力系11と、出力系12とを備えている。入力系11は、第1入力軸13と、第2入力軸14とを備えている。第1入力軸13は、第1クラッチ15を介してエンジン2と接続されている。第2入力軸14は、第2クラッチ16を介してエンジン2と接続されている。第1クラッチ15及び第2クラッチ16は、エンジン2と入力軸13、14とが一体に回転する完全係合状態及びエンジン2と入力軸13、14との間の動力伝達が遮断される解放状態に切替可能な周知の摩擦クラッチである。また、クラッチ15、16は、エンジン2と入力軸13、14とが異なる回転数で回転しつつこれらの間で動力が伝達される半クラッチ状態にすることができる。
出力系12は、第1出力軸17と、第2出力軸18と、駆動軸19とを備えている。この図に示すように第1出力軸17には、第1出力ギヤ20が設けられている。また、第2出力軸18には、第2出力ギヤ21が設けられている。駆動軸19には、被駆動ギヤ22が設けられている。そして、第1出力ギヤ20及び第2出力ギヤ21は、それぞれ被駆動ギヤ22と噛み合っている。駆動軸19は、デファレンシャル機構5と動力伝達可能なように接続されている。デファレンシャル機構5は、入力された動力を左右の駆動輪6に分配する周知の機構である。
入力系11と出力系12との間には、第1〜第5ギヤ列G1〜G5及び後進ギヤ列GRが介在している。この図に示すように第1ギヤ列G1、第3ギヤ列G3、及び第5ギヤ列G5は、第1入力軸13と第1出力軸17との間に介在している。第2ギヤ列G2、第4ギヤ列G4、及び後進ギヤ列GRは、第2入力軸14と第2出力軸18との間に介在している。このように複数の変速段は奇数段と偶数段とに分けて配置されている。
第1ギヤ列G1は互いに噛み合う第1ドライブギヤ23及び第1ドリブンギヤ24にて構成され、第2ギヤ列G2は互いに噛み合う第2ドライブギヤ25及び第2ドリブンギヤ26にて構成されている。第3ギヤ列G3は互いに噛み合う第3ドライブギヤ27及び第3ドリブンギヤ28にて構成され、第4ギヤ列G4は互いに噛み合う第4ドライブギヤ29及び第4ドリブンギヤ30にて構成されている。第5ギヤ列G5は互いに噛み合う第5ドライブギヤ31及び第5ドリブンギヤ32にて構成されている。第1〜第5ギヤ列G1〜G5は、ドライブギヤとドリブンギヤとが常時噛み合うように設けられている。各ギヤ列G1〜G5には互いに異なる変速比が設定されている。変速比は、第1ギヤ列G1、第2ギヤ列G2、第3ギヤ列G3、第4ギヤ列G4、第5ギヤ列G5の順に小さい。そのため、第1ギヤ列G1が1速に、第2ギヤ列G2が2速に、第3ギヤ列G3が3速に、第4ギヤ列G4が4速に、第5ギヤ列G5が5速にそれぞれ対応する。後進ギヤ列GRは、後進ドライブギヤ33、中間ギヤ34、及び後進ドリブンギヤ35にて構成されている。
第1ドライブギヤ23、第3ドライブギヤ27、第5ドライブギヤ31は、第1入力軸13と一体に回転するように第1入力軸13に固定されている。一方、第1ドリブンギヤ24、第3ドリブンギヤ28、及び第5ドリブンギヤ32は、第1出力軸17に対して相対回転可能なように第1出力軸17に支持されている。第2ドライブギヤ25、第4ドライブギヤ29、及び後進ドライブギヤ33は、第2入力軸14と一体に回転するように第2入力軸14に固定されている。一方、第2ドリブンギヤ26、第4ドリブンギヤ30、及び後進ドリブンギヤ35は、第2出力軸18に対して相対回転可能なように第2出力軸18に支持されている。中間ギヤ34は、変速機10の不図示のケースに回転自在に支持されている。この図に示すように中間ギヤ34は、後進ドライブギヤ33及び後進ドリブンギヤ35のそれぞれと噛み合っている。
第1出力軸17には、第1スリーブ36、第3スリーブ38、及び第5スリーブ40が設けられている。これらのスリーブ36、38、40は、第1出力軸17と一体に回転し、かつ軸線方向に移動可能なように第1出力軸17に支持されている。第1スリーブ36は、第1出力軸17と第1ドリブンギヤ24とが一体に回転するように第1ドリブンギヤ24と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。第3スリーブ38は、第1出力軸17と第3ドリブンギヤ28とが一体に回転するように第3ドリブンギヤ28と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。第5スリーブ40は、第1出力軸17と第5ドリブンギヤ32とが一体に回転するように第5ドリブンギヤ32と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。なお、以降では、第1スリーブ36、第3スリーブ38、及び第5スリーブ40が全て解放位置に切り替えられている場合をニュートラル状態と呼ぶことがある。このように第1出力軸17と各ドリブンギヤ24、28、32との間の動力伝達を制御することにより、第1スリーブ36、第3スリーブ38、及び第5スリーブ40が本発明の第1変速機構として機能する。そして、第1スリーブ36が係合位置に切り替えられた場合、第3スリーブ38が係合位置に切り替えられた場合、又は第5スリーブ40が係合位置に切り替えられた場合が本発明の係合状態に相当する。
第2出力軸18には、第2スリーブ37、第4スリーブ39、及び後進スリーブ41が設けられている。これらのスリーブ37、39、41は、第2出力軸18と一体に回転し、かつ軸線方向に移動可能なように第2出力軸18に支持されている。第2スリーブ37は、第2出力軸18と第2ドリブンギヤ26とが一体に回転するように第2ドリブンギヤ26と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。第4スリーブ39は、第2出力軸18と第4ドリブンギヤ30とが一体に回転するように第4ドリブンギヤ30と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。後進スリーブ41は、第2出力軸18と後進ドリブンギヤ35とが一体に回転するように後進ドリブンギヤ35と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。なお、以降では、第2スリーブ37、第4スリーブ39、及び後進スリーブ41が全て解放位置に切り替えられている場合をニュートラル状態と呼ぶことがある。このように第2出力軸18と各ドリブンギヤ26、30、35との間の動力伝達を制御することにより、第2スリーブ37、第4スリーブ39、及び後進スリーブ41が本発明の第2変速機構として機能する。そして、第2スリーブ37が係合位置に切り替えられた場合、第4スリーブ39が係合位置に切り替えられた場合、又は後進スリーブ41が係合位置に切り替えられた場合が本発明の係合状態に相当する。
なお、図示は省略したが各出力軸17、18には、各スリーブ36〜41と各ドリブンギヤ24、26、28、30、32、35とを噛み合わせる際にこれらの回転を同期させるシンクロ機構がドリブンギヤ毎に設けられている。これらシンクロ機構には、摩擦係合により回転を同期させるシンクロ機構、例えば周知のキー式シンクロメッシュ機構を用いればよい。そのため、シンクロ機構の詳細な説明は省略する。
第1入力軸13には、第1被駆動ギヤ42が設けられている。第1MG3の出力軸3aには、第1被駆動ギヤ42と噛み合う第1駆動ギヤ43が設けられている。これにより第1MG3が第1入力軸13と動力伝達可能に接続される。なお、第1駆動ギヤ43と第1被駆動ギヤ42との間の変速比は、第1MG3の回転が減速して第1入力軸13に伝達されるように設定されている。第2入力軸14には、第2被駆動ギヤ44が設けられている。第2MG4の出力軸4aには、第2被駆動ギヤ44と噛み合う第2駆動ギヤ45が設けられている。これにより第2MG4が第2入力軸14と動力伝達可能に接続される。なお、第2駆動ギヤ45と第2被駆動ギヤ44との間の変速比は、第2MG4と第2入力軸14とが略同じ回転数で回転するように設定されている。このように第1駆動ギヤ43と第1被駆動ギヤ42との間の変速比と第2駆動ギヤ45と第2被駆動ギヤ44との間の変速比とは互いに異なるように設定されている。
第1クラッチ15、第2クラッチ16、及び各スリーブ36〜41の動作は、車両制御装置50にて制御される。また、エンジン2、第1MG3、及び第2MG4の動作も車両制御装置50にて制御される。車両制御装置50は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータユニットとして構成されている。車両制御装置50は、車両1を適切に走行させるための各種制御プログラムを保持している。車両制御装置50は、これらのプログラムを実行することによりエンジン2及び各MG3、4等の制御対象に対する制御を行っている。車両制御装置50には、車両1に係る情報を取得するための種々のセンサが接続されている。車両制御装置50には、例えば車速センサ51、アクセル開度センサ52、及びブレーキペダルセンサ53が接続されている。車速センサ51は、車両1の速度(車速)に対応した信号を出力する。アクセル開度センサ52は、アクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル開度に対応した信号を出力する。ブレーキペダルセンサ53は、ブレーキペダル(不図示)が踏まれた場合に信号を出力する。また、車両制御装置50には、不図示のシフトレバーも接続されている。この他にも車両制御装置50には種々のセンサやスイッチ等が接続されているが、それらの図示は省略した。
車両制御装置50は、車速等に基づいて車両1の走行モードを切り替える。走行モードとしては、第1MG3又は第2MG4で駆動輪6を駆動するEV走行モードと、主にエンジン2で駆動輪6を駆動するエンジン走行モードとが設定されている。車両制御装置50は、車速が所定の判定速度未満の場合には走行モードをEV走行モードに切り替える。なお、EV走行モードでは、第1クラッチ15及び第2クラッチ16をいずれも解放状態に切り替え、エンジン2を切り離す。一方、車速が判定速度以上の場合又はMG3、4に接続されているバッテリ(不図示)の容量が判定値以下になった場合等には、走行モードをエンジン走行モードに切り替える。エンジン走行モードでは、第1クラッチ15及び第2クラッチ16のうち、車両1の走行に使用する変速段がある入力軸側のクラッチを完全係合状態に切り替え、他方のクラッチを解放状態に切り替える。
また、車両制御装置50は、車速及びアクセル開度に基づいて変速機10の変速段を切り替える。車両制御装置50のROMには、車両及びアクセル開度と変速段との関係を示した変速線図がマップとして記憶されている。車両制御装置50は、この変速線図に基づいて現在の車両1の走行状態に応じた変速段を設定する。そして、変速機10がこの設定した変速段に切り替わるように各スリーブ36〜41の動作を制御する。この際、車両制御装置50は、設定した変速段が有る一方の入力軸側のスリーブは、その変速段になるようにいずれか一つのスリーブが係合位置に切り替えられ、残りのスリーブが解放位置に切り替えられる。これに対して、他方の入力軸側のスリーブは全て解放位置に切り替えられる。すなわち、他方の入力軸側はニュートラル状態に切り替えられる。
なお、以降では、車両1の走行に使用されている一方の入力軸を走行側の入力軸と呼び、車両1の走行に使用されていない他方の入力軸を非走行側の入力軸と呼ぶことがある。また、走行側の入力軸に設けられているクラッチ、MG、ギヤ列、スリーブをそれぞれ走行側のクラッチ、走行側のMG、走行側のギヤ列、走行側のスリーブと呼び、非走行側の入力軸に設けられているクラッチ、MG、ギヤ列、スリーブをそれぞれ非走行側のクラッチ、非走行側のMG、非走行側のギヤ列、非走行側のスリーブと呼ぶことがある。
図2は、車両制御装置50が変速段を切り替えるために実行する複数の制御ルーチンのうちの1つを示している。この制御ルーチンは、車両1の走行中に所定の周期で繰り返し実行される。この制御ルーチンを実行することにより、車両制御装置50が本発明の変速手段として機能する。
この制御ルーチンにおいて車両制御装置50は、まずステップS11で車両1の状態を取得する。車両1の状態としては、例えば車速、アクセル開度、ブレーキペダルが踏まれているか否か等が取得される。なお、記載は省略したが、この処理では他にも車両1の走行状態に関係する種々の情報が取得される。次のステップS12において車両制御装置50は、車両1の走行モードがEV走行モードか否か判定する。走行モードがエンジン走行モードであると判定した場合には、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、走行モードがEV走行モードであると判定した場合はステップS13に進み、車両制御装置50は所定のブレーキONシフトダウン条件が成立したか否か判定する。このブレーキONシフトダウン条件は、ブレーキペダルが踏まれており、かつこれにより変速段を現在の変速段から一段低速側の変速段に切り替えるシフトダウンを実行すべき場合に成立したと判定される。なお、シフトダウンを実行すべきか否かは、変速線図を参照して周知の方法で判定すればよい。ブレーキONシフトダウン条件が不成立と判定した場合には今回の制御ルーチンを終了する。
一方、ブレーキONシフトダウン条件が成立したと判定した場合はステップS14に進み、車両制御装置50は制動トルクを算出する。この制動トルクの算出方法について以下に説明する。この算出方法では、まず現在の変速段の変速機10を介してエンジン2で駆動輪6を駆動していたと仮定する。そして、この場合におけるエンジン2の回転数を推算する。なお、このエンジン2の回転数は、車速、現在の変速段の変速比、及びデファレンシャル機構5の変速比に基づいて算出すればよい。次に、この状態からシフトダウンを行った場合の変速後のエンジン2の回転数を推算する。この回転数も同様に、車速、シフトダウン後の変速段の変速比、及びデファレンシャル機構5の変速比に基づいて算出すればよい。その後、この回転数のときにエンジン2で発生するフリクショントルクを算出する。この算出は、例えばフリクショントルクと回転数との関係を予め実験や数値計算等により求めて車両制御装置50のROMにマップとして記憶させておき、そのマップを参照して行えばよい。制動トルクには、この算出されたフリクショントルクが設定される。なお、この処理を実行することにより車両制御装置50が本発明の制動トルク算出手段として機能する。
次のステップS15において車両制御装置50は、回生減速制御を実行する。この回生減速制御では、駆動輪6が制動されて車両1が減速するように走行側のMGを発電機として機能させて発電を行う。すなわち、走行側のMGに回生を行わせる。この際には、算出した制動トルクが駆動輪6に付与されるように走行側のMGの回生制御が行われる。続くステップS16において車両制御装置50は、非走行側変速制御を実行する。この非走行側変速制御では、非走行側の入力軸と出力系12とがシフトダウン後の変速段に対応するギヤ列で動力伝達可能に接続されるように非走行側の各スリーブの位置を切り替える。
次のステップS17において車両制御装置50は、MG制御を実行する。このMG制御では、走行側と非走行側とを入れ替える。すなわち、例えばこれまで第1MG3が走行側であり、第2MG4が非走行側であった場合には、この制御で第1MG3が非走行側に、第2MG4が走行側に切り替わる。そして、第2MG4から動力を出力して車両1を走行させる。なお、このMG制御が実行されることにより、実際に車両1がシフトダウン後の変速段を介して駆動される状態になる。続くステップS18において車両制御装置50は、ニュートラル制御を実行する。このニュートラル制御では、非走行側の各スリーブ、すなわち上述したMG制御が実行される前の走行側の各スリーブを全て解放位置に切り替えてニュートラル状態にする。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
以上に説明したように、本発明では、EV走行モードの実行中にブレーキONシフトダウン条件が成立した場合には、まず走行側のMGに回生を行わせ、その回生中に変速段の切り替えを行う。この場合、走行側のMGに回生を行わせた時点で車両1が減速するので、シフトダウンが完了したかのような減速感を運転者に与えることができる。そのため、運転者に減速感を適切に与えることができる。
走行側のMGに回生を行わせる場合には、エンジン2での走行中に現在の変速段からシフトダウンした場合に生じると予想される制動トルクが駆動輪6に付与される。そして、これにより車両1が減速する。そのため、運転者に適切な減速感を与えることができる。
なお、減速制御において駆動輪6に付与する制動トルクは、エンジン2のフリクショントルクを模擬したトルクに限定されない。制動トルクには、運転者に適切な減速感を与えることが可能な適宜な値を設定してよい。
上述した形態では、変速段を現在の変速段から一段低速側の変速段に切り替える場合について示したが、本発明の制御は変速段を現在の変速段からこれよりも低速側の変速段であり、かつ非走行側のギヤ列の変速段に切り替える全ての場合に実行してもよい。例えば、変速段を5速から2速にシフトダウンする場合など現在の変速段から三段低速側の変速段にシフトダウンする場合に本発明の制御を実行してもよい。この場合、ブレーキONシフトダウン条件は、ブレーキペダルが踏まれており、かつこれにより変速段を現在の変速段から低速側の変速段であり、かつ非走行側のギヤ列の変速段に切り替える場合に成立したと判定される。なお、この場合における減速制御の制動トルクには、運転者に適切な減速感を与えることが可能な適宜な値を設定すればよい。例えば、上述した形態と同様にエンジン2のフリクショントルクを模擬したトルクを設定すればよい。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上述した形態では、入力軸とモータ・ジェネレータとをギヤを介して動力伝達可能に接続したが、モータ・ジェネレータの出力軸を入力軸と直接接続してもよい。本発明が適用されるハイブリッド車両の変速機は、前進5速の変速機に限定されず、前進4速の変速機又は前進6速以上の変速機であってもよい。
1 ハイブリッド車両
2 内燃機関
3 第1モータ・ジェネレータ
4 第2モータ・ジェネレータ
6 駆動輪
10 変速機
12 出力系
13 第1入力軸
14 第2入力軸
15 第1クラッチ
16 第2クラッチ
36 第1スリーブ(第1変速機構)
37 第2スリーブ(第2変速機構)
38 第3スリーブ(第1変速機構)
39 第4スリーブ(第2変速機構)
40 第5スリーブ(第1変速機構)
41 後進スリーブ(第2変速機構)
50 車両制御装置(変速手段、制動トルク算出手段)
G1〜G5、GR ギヤ列

Claims (2)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関と第1クラッチを介して接続された第1入力軸及び前記内燃機関と第2クラッチを介して接続された第2入力軸を含む入力系と、駆動輪と動力伝達可能に接続された出力系と、一部が前記第1入力軸と前記出力系との間に介在するとともに残りが前記第2入力軸と前記出力系との間に介在し、かつ互いに変速比が相違する複数のギヤ列と、前記第1入力軸と前記出力系との間に介在するギヤ列のうちのいずれか1つのギヤ列による前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達を選択的に成立させることによりそれらの間の変速比を切り替え可能、かつ前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達を遮断するニュートラル状態に切り替え可能な第1変速機構と、前記第2入力軸と前記出力系との間に介在するギヤ列のうちのいずれか1つのギヤ列による前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達を選択的に成立させることによりそれらの間の変速比を切り替え可能、かつ前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達を遮断するニュートラル状態に切り替え可能な第2変速機構と、を有し、前記入力系と前記出力系との間の動力伝達に用いるギヤ列を切り替えることにより複数の変速段に切り替え可能であり、かつ前記複数の変速段のうちの奇数段に対応したギヤ列が前記第1入力軸と前記出力系との間に介在し、偶数段に対応したギヤ列が前記第2入力軸と前記出力系との間に介在するデュアルクラッチ式の変速機と、
    前記第1入力軸と動力伝達可能に接続された第1モータ・ジェネレータと、
    前記第2入力軸と動力伝達可能に接続された第2モータ・ジェネレータと、を備え、
    前記内燃機関を停止させ、前記第1モータ・ジェネレータ及び前記第2モータ・ジェネレータのうちのいずれか一方のモータ・ジェネレータで前記駆動輪を駆動し、前記駆動輪の駆動に関与しない他方のモータ・ジェネレータ側の変速機構を前記ニュートラル状態に切り替えるEV走行モードを実行可能なハイブリッド車両に適用され、
    前記EV走行モードの実行中に、前記車両のブレーキペダルが踏まれて現在の変速段から低速側に前記他方のモータ・ジェネレータ側の変速機構の変速段を切り替えるシフトダウンを実行すべきシフトダウン条件が成立した場合、前記駆動輪が制動されるように前記一方のモータ・ジェネレータの回生制御を実行し、次に前記回生制御の実行中に、前記他方のモータ・ジェネレータに接続されている入力軸と前記出力系との間の動力伝達が前記低速側の変速段に対応するギヤ列にて成立するように前記他方のモータ・ジェネレータ側の変速機構を制御し、その後前記他方のモータ・ジェネレータにて前記駆動輪を駆動するとともに前記一方のモータ・ジェネレータ側の変速機構を前記ニュートラル状態に切り替える変速手段を備えている制御装置。
  2. 前記EV走行モードの実行中に前記シフトダウン条件が成立した場合、前記シフトダウン条件の成立時の変速段の前記変速機を介して前記内燃機関で前記駆動輪を駆動していたと仮定し、この仮定した状態から前記変速機を前記低速側の変速段に切り替えると前記内燃機関のフリクションに起因して前記駆動輪に付与されると予想される制動トルクを算出する制動トルク算出手段をさらに備え、
    前記変速手段は、前記EV走行モードの実行中に前記シフトダウン条件が成立した場合に、前記制動トルク算出手段が算出した前記制動トルクが前記駆動輪に付与されるように前記一方のモータ・ジェネレータの回生制御を実行する請求項1に記載の制御装置。
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