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JP2014054952A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置 Download PDF

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JP2014054952A
JP2014054952A JP2012201839A JP2012201839A JP2014054952A JP 2014054952 A JP2014054952 A JP 2014054952A JP 2012201839 A JP2012201839 A JP 2012201839A JP 2012201839 A JP2012201839 A JP 2012201839A JP 2014054952 A JP2014054952 A JP 2014054952A
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尚希 早島
Koki Matsushita
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】迅速な変速を行うことができるとともに燃費を向上させることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】デュアルクラッチ式の変速機10と、変速機10の第1入力軸13と動力伝達可能に接続された第1MG3と、変速機10の第2入力軸14と動力伝達可能に接続された第2MG4とを備えたハイブリッド車両1に適用される制御装置において、車両1が内燃機関2にて走行しているときに、車両1に対して閾値以下の駆動力が要求されると予想される場合には、内燃機関2との間の動力伝達が遮断されている入力軸と出力系12との間の動力伝達を遮断するように変速機10が制御され、車両1に対して閾値より大きい駆動力が要求されると予想される場合には、内燃機関2との間の動力伝達が遮断されている入力軸と出力系12との間の動力伝達が現在の変速段よりも低速段側の変速段のギヤ列で成立するように変速機10が制御される。
【選択図】図2

Description

本発明は、デュアルクラッチ式の変速機を備え、その変速機の2つの入力軸にそれぞれ電動機が接続されたハイブリッド車両に適用される制御装置に関する。
第1入力軸と出力系との間及び第2入力軸と出力系との間のそれぞれにギヤ列が設けられ、それら2つの入力軸のいずれか一方を選択的に内燃機関と接続するデュアルクラッチ式の変速機が知られている。また、このようなデュアルクラッチ式の変速機が搭載され、各入力軸にそれぞれモータが接続されたハイブリッド車両が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1の車両では、一方の入力軸に設けられているモータで走行する場合又はこのモータを内燃機関で駆動して発電を行う場合には、他方の入力軸と内燃機関との間に介在する摩擦クラッチ、又は他方の入力軸と出力軸との間の動力伝達を制御する噛み合いクラッチを中立にする。一方、内燃機関で走行し、かつモータで発電を行わない場合には、変速に備えて、内燃機関と駆動輪との間の動力伝達に使用していない側の入力軸の噛み合いクラッチのうちの1つを噛み合い状態に切り替えておく。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2、3が存在する。
特開2003−079005号公報 特開2010−236630号公報 特開2007−232047号公報
特許文献1の車両では、内燃機関で走行し、かつモータで発電を行わない場合に、動力伝達に使用していない側の入力軸が出力系と動力伝達可能に接続される。そのため、内燃機関の動力がその入力軸に設けられているモータの回転駆動に使用される。従って、燃費が悪化するおそれがある。また、モータが回転しているときは電力損失が発生するため、バッテリ電力が無駄に消費される。そのため、これにより燃費が悪化するおそれもある。
そこで、本発明は、迅速な変速を行うことができるとともに燃費を向上させることが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、内燃機関と、前記内燃機関と第1クラッチを介して接続された第1入力軸と、前記内燃機関と第2クラッチを介して接続された第2入力軸と、駆動輪と動力伝達可能に接続された出力系と、一部が前記第1入力軸と前記出力系との間に介在するとともに残りが前記第2入力軸と前記出力系との間に介在し、かつ互いに変速比が相違する複数のギヤ列と、前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達がそれらの間に介在するギヤ列のうちの1つにより成立する係合状態及び前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達が遮断されるニュートラル状態に切替可能な第1変速機構と、前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達がそれらの間に介在するギヤ列のうちの1つにより成立する係合状態及び前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達が遮断されるニュートラル状態に切替可能な第2変速機構と、を有するデュアルクラッチ式の変速機と、前記第1入力軸と動力伝達可能に接続された第1電動機と、前記第2入力軸と動力伝達可能に接続された第2電動機と、を備え、前記内燃機関で走行する場合に、前記第1入力軸及び前記第2入力軸のうちのいずれか一方の入力軸が前記内燃機関と動力伝達可能に連結され、かつ他方の入力軸と前記内燃機関との間の動力伝達が遮断されるように前記第1クラッチ及び前記第2クラッチが制御されるハイブリッド車両に適用され、前記車両が前記内燃機関にて走行しているときに、前記車両に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されるか否かを予想する要求駆動力予想手段と、前記要求駆動力予想手段が前記車両に対して前記閾値以下の駆動力が要求されると予想した場合には、前記第1変速機構及び前記第2変速機構のうち前記他方の入力軸と前記出力系との間の動力伝達を制御する一方の変速機構を前記ニュートラル状態に切り替え、前記要求駆動力予想手段が前記車両に対して前記閾値より大きい駆動力が要求されると予想した場合には、この予想が行われたときに前記内燃機関と前記出力系との間の動力伝達に使用されているギヤ列の変速比よりも大きい変速比を有するギヤ列によって前記他方の入力軸と前記出力系との間の動力伝達が成立するように前記一方の変速機構を前記係合状態に切り替える制御手段と、を備えている(請求項1)。
本発明の制御装置では、要求駆動力予想手段が閾値以下の駆動力が要求されると予想した場合には、他方の入力軸と出力系との間の動力伝達を制御する一方の変速機構をニュートラル状態に切り替える。この場合、他方の入力軸を内燃機関及び出力系から切り離すことができる。これにより他方の入力軸に接続されている電動機の連れ回しを防止できるので、内燃機関の動力が無駄に消費されることを防止できる。また、このように電動機の連れ回しを防止することにより、電力損失の発生を防止してバッテリ電力の無駄な消費を防止できる。従って、内燃機関の燃費を向上できる。一方、要求駆動力予想手段が閾値より大きい駆動力が要求されると予想した場合には、その時点で動力伝達に使用されているギヤ列の変速比よりも大きい変速比を有するギヤ列、すなわち低速段側のギヤ列によって他方の入力軸と出力系との間の動力伝達が成立するように一方の変速機構を係合状態に切り替える。この場合、第1クラッチ及び第2クラッチの状態を切り替えるのみで、変速を実行できる。そのため、迅速な変速を行うことができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記要求駆動力予想手段は、前記車両がコーナリング中の場合、又は前記車両が登り坂を走行中の場合に、前記車両に対して前記閾値より大きい駆動力が要求されると予想してもよい(請求項2)。一般に車両がコーナーを曲がる場合には、コーナーの入口で減速し、コーナーの出口で加速する。そのため、車両がコーナリング中の場合には、その直後に車両に対して大きな駆動力が要求されると予想できる。また、車両が登り坂を走行している場合にも車両の対して大きな駆動力が要求されると予想できる。そのため、これらの場合に車両に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると予想できる。
以上に説明したように、本発明の制御装置によれば、車両に対する要求駆動力が閾値以下と予想される場合には、他方の入力軸と出力系との間の動力伝達を制御する一方の変速機構をニュートラル状態に切り替える。そのため、内燃機関の燃費を向上できる。一方、車両に対する要求駆動力が閾値より大きいと予想される場合には、低速段側のギヤ列によって他方の入力軸と出力系との間の動力伝達が成立するように一方の変速機構を係合状態に切り替える。そのため、迅速な変速を行うことができる。
本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた車両を概略的に示す図。 車両制御装置が実行するプレシフト制御ルーチンを示すフローチャート。
図1は、本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた車両を概略的に示している。この車両1は、走行用動力源として内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)2と、第1電動機としての第1モータ・ジェネレータ(以下、第1MGと略称することがある。)3と、第2電動機としての第2モータ・ジェネレータ(以下、第2MGと略称することがある。)4とを備えている。すなわち、この車両1はハイブリッド車両として構成されている。エンジン2は、複数の気筒を有する周知の火花点火式内燃機関である。また、第1MG3及び第2MG4は、ハイブリッド車両に搭載されて電動機及び発電機として機能する周知のものである。そのため、これらに関する詳細な説明を省略する。
車両1には、複数の変速段(1速〜5速及び後進)に変速可能な変速機10が搭載されている。この変速機10は、デュアルクラッチ式の変速機として構成されている。変速機10は入力系11と、出力系12とを備えている。入力系11は、第1入力軸13と、第2入力軸14とを備えている。第1入力軸13は、第1クラッチ15を介してエンジン2と接続されている。第2入力軸14は、第2クラッチ16を介してエンジン2と接続されている。第1クラッチ15及び第2クラッチ16は、エンジン2と入力軸13、14との間で動力が伝達される係合状態及びその動力伝達が遮断される解放状態に切替可能な周知の摩擦クラッチである。
出力系12は、第1出力軸17と、第2出力軸18と、駆動軸19とを備えている。この図に示すように第1出力軸17には、第1出力ギヤ20が設けられている。また、第2出力軸18には、第2出力ギヤ21が設けられている。駆動軸19には、被駆動ギヤ22が設けられている。そして、第1出力ギヤ20及び第2出力ギヤ21は、それぞれ被駆動ギヤ22と噛み合っている。駆動軸19は、デファレンシャル機構5と動力伝達可能なように接続されている。デファレンシャル機構5は、入力された動力を左右の駆動輪6に分配する周知の機構である。
入力系11と出力系12との間には、第1〜第5ギヤ列G1〜G5及び後進ギヤ列GRが介在している。この図に示すように第1ギヤ列G1、第3ギヤ列G3、及び第5ギヤ列G5は、第1入力軸13と第1出力軸17との間に介在している。第2ギヤ列G2、第4ギヤ列G4、及び後進ギヤ列GRは、第2入力軸14と第2出力軸18との間に介在している。
第1ギヤ列G1は互いに噛み合う第1ドライブギヤ23及び第1ドリブンギヤ24にて構成され、第2ギヤ列G2は互いに噛み合う第2ドライブギヤ25及び第2ドリブンギヤ26にて構成されている。第3ギヤ列G3は互いに噛み合う第3ドライブギヤ27及び第3ドリブンギヤ28にて構成され、第4ギヤ列G4は互いに噛み合う第4ドライブギヤ29及び第4ドリブンギヤ30にて構成されている。第5ギヤ列G5は互いに噛み合う第5ドライブギヤ31及び第5ドリブンギヤ32にて構成されている。第1〜第5ギヤ列G1〜G5は、ドライブギヤとドリブンギヤとが常時噛み合うように設けられている。各ギヤ列G1〜G5には互いに異なる変速比が設定されている。変速比は、第1ギヤ列G1、第2ギヤ列G2、第3ギヤ列G3、第4ギヤ列G4、第5ギヤ列G5の順に小さい。後進ギヤ列GRは、後進ドライブギヤ33、中間ギヤ34、及び後進ドリブンギヤ35にて構成されている。
第1ドライブギヤ23、第3ドライブギヤ27、第5ドライブギヤ31は、第1入力軸13と一体に回転するように第1入力軸13に固定されている。一方、第1ドリブンギヤ24、第3ドリブンギヤ28、及び第5ドリブンギヤ32は、第1出力軸17に対して相対回転可能なように第1出力軸17に支持されている。第2ドライブギヤ25、第4ドライブギヤ29、及び後進ドライブギヤ33は、第2入力軸14と一体に回転するように第2入力軸14に固定されている。一方、第2ドリブンギヤ26、第4ドリブンギヤ30、及び後進ドリブンギヤ35は、第2出力軸18に対して相対回転可能なように第2出力軸18に支持されている。中間ギヤ34は、変速機10の不図示のケースに回転自在に支持されている。この図に示すように中間ギヤ34は、後進ドライブギヤ33及び後進ドリブンギヤ35のそれぞれと噛み合っている。
第1出力軸17には、第1スリーブ36、第3スリーブ38、及び第5スリーブ40が設けられている。これらのスリーブ36、38、40は、第1出力軸17と一体に回転し、かつ軸線方向に移動可能なように第1出力軸17に支持されている。第1スリーブ36は、第1出力軸17と第1ドリブンギヤ24とが一体に回転するように第1ドリブンギヤ24と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。第3スリーブ38は、第1出力軸17と第3ドリブンギヤ28とが一体に回転するように第3ドリブンギヤ28と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。第5スリーブ40は、第1出力軸17と第5ドリブンギヤ32とが一体に回転するように第5ドリブンギヤ32と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。なお、以降では、第1スリーブ36、第3スリーブ38、及び第5スリーブ40が全て解放位置に切り替えられている場合をニュートラル状態と呼ぶことがある。このように第1出力軸17と各ドリブンギヤ24、28、32との間の動力伝達を制御することにより、第1スリーブ36、第3スリーブ38、及び第5スリーブ40が本発明の第1変速機構として機能する。そして、第1スリーブ36が係合位置に切り替えられた場合、第3スリーブ38が係合位置に切り替えられた場合、又は第5スリーブ40が係合位置に切り替えられた場合が本発明の係合状態に相当する。
第2出力軸18には、第2スリーブ37、第4スリーブ39、及び後進スリーブ41が設けられている。これらのスリーブ37、39、41は、第2出力軸18と一体に回転し、かつ軸線方向に移動可能なように第2出力軸18に支持されている。第2スリーブ37は、第2出力軸18と第2ドリブンギヤ26とが一体に回転するように第2ドリブンギヤ26と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。第4スリーブ39は、第2出力軸18と第4ドリブンギヤ30とが一体に回転するように第4ドリブンギヤ30と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。後進スリーブ41は、第2出力軸18と後進ドリブンギヤ35とが一体に回転するように後進ドリブンギヤ35と噛み合う係合位置と、その噛み合いが解除される解放位置とに切替可能に設けられている。なお、以降では、第2スリーブ37、第4スリーブ39、及び後進スリーブ41が全て解放位置に切り替えられている場合をニュートラル状態と呼ぶことがある。このように第2出力軸18と各ドリブンギヤ26、30、35との間の動力伝達を制御することにより、第2スリーブ37、第4スリーブ39、及び後進スリーブ41が本発明の第2変速機構として機能する。そして、第2スリーブ37が係合位置に切り替えられた場合、第4スリーブ39が係合位置に切り替えられた場合、又は後進スリーブ41が係合位置に切り替えられた場合が本発明の係合状態に相当する。
なお、図示は省略したが各出力軸17、18には、各スリーブ36〜41と各ドリブンギヤ24、26、28、30、32、35とを噛み合わせる際にこれらの回転を同期させるシンクロ機構がドリブンギヤ毎に設けられている。これらシンクロ機構には、摩擦係合により回転を同期させるシンクロ機構、例えば周知のキー式シンクロメッシュ機構を用いればよい。そのため、シンクロ機構の詳細な説明は省略する。
第1入力軸13には、第1被駆動ギヤ42が設けられている。第1MG3の出力軸3aには、第1被駆動ギヤ42と噛み合う第1駆動ギヤ43が設けられている。これにより第1MG3が第1入力軸13と動力伝達可能に接続される。なお、第1駆動ギヤ43と第1被駆動ギヤ42との間の変速比は、第1MG3の回転が減速して第1入力軸13に伝達されるように設定されている。第2入力軸14には、第2被駆動ギヤ44が設けられている。第2MG4の出力軸4aには、第2被駆動ギヤ44と噛み合う第2駆動ギヤ45が設けられている。これにより第2MG4が第2入力軸14と動力伝達可能に接続される。なお、第2駆動ギヤ45と第2被駆動ギヤ44との間の変速比は、第2MG4と第2入力軸14とが略同じ回転数で回転するように設定されている。このように第1駆動ギヤ43と第1被駆動ギヤ42との間の変速比と第2駆動ギヤ45と第2被駆動ギヤ44との間の変速比とは互いに異なるように設定されている。
第1クラッチ15、第2クラッチ16、及び各スリーブ36〜41の動作は、車両制御装置50にて制御される。また、エンジン2、第1MG3、及び第2MG4の動作も車両制御装置50にて制御される。車両制御装置50は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータユニットとして構成されている。車両制御装置50は、車両1を適切に走行させるための各種制御プログラムを保持している。車両制御装置50は、これらのプログラムを実行することによりエンジン2及び各MG3、4等の制御対象に対する制御を行っている。車両制御装置50には、車両1に係る情報を取得するための種々のセンサが接続されている。車両制御装置50には、例えば車速センサ51、アクセル開度センサ52、加速度センサ53、及びGセンサ54等が接続されている。車速センサ51は、車両1の速度(車速)に対応した信号を出力する。アクセル開度センサ52は、アクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル開度に対応した信号を出力する。加速度センサ53は、車両1の左右方向の加速度に対応した信号を出力する。Gセンサ54は、車両1の前後方向の加速度に対応した信号を出力する。また、車両制御装置50には、不図示のシフトレバーも接続されている。この他にも車両制御装置50には種々のセンサやスイッチ等が接続されているが、それらの図示は省略した。
車両制御装置50は、車速及びアクセル開度に基づいて変速機10の変速段を切り替える。車両制御装置50のROMには、車両及びアクセル開度と変速段との関係を示した変速線図がマップとして記憶されている。車両制御装置50は、この変速線図に基づいて現在の車両1の走行状態に応じた変速段を設定する。そして、変速機10がこの設定した変速段に切り替わるように各スリーブ36〜41の動作を制御する。例えば1速が設定された場合には、第1スリーブ36を係合位置に切り替え、その他のスリーブを全て解放位置に切り替える。なお、次の変速段、すなわち1速の場合には2速への切り替え時期が近いと判断した場合には第1スリーブ36を係合位置に維持しつつ第2スリーブ37を係合位置に切り替える。そして、2速が設定された場合には、この状態から第1スリーブ36を解放位置に切り替える。これにより迅速な変速が実現される。なお、このような変速段の切替方法は、周知のデュアルクラッチ式の変速機と同様の方法が用いられる。そのため、詳細な説明を省略する。
また、車両制御装置50は、車速等に基づいて車両1の走行用動力源を切り替える。車両制御装置50は、車速が所定の判定速度未満の場合には第1MG3又は第2MG4で駆動輪6を駆動し、車速が判定速度以上の場合には主にエンジン2で駆動輪6を駆動する。第1MG3又は第2MG4で駆動輪6を駆動する場合、第1クラッチ15及び第2クラッチ16をいずれも解放状態に切り替える。そして、上述した設定方法で設定した変速段のある入力軸側のMGで駆動輪6を駆動する。エンジン2で駆動輪6を駆動する場合には、第1クラッチ15及び第2クラッチ16のうち、上述した設定方法で設定した変速段のある入力軸側のクラッチを係合状態に切り替え、他方のクラッチを解放状態に切り替える。これによりエンジン2の動力が駆動輪6に伝達される。
さらに、車両制御装置50は、エンジン2で駆動輪6を駆動している場合、言い換えると車両1がエンジン2で走行している場合には、動力伝達に関与していない入力軸側のスリーブを全て解放位置に切り替える。例えば、変速段が3速であり、第1入力軸13が動力伝達に関与している場合には、第2入力軸14側の第2スリーブ37、第4スリーブ39、及び後進スリーブ41を全て解放位置に切り替える。ただし、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると予想される場合には、動力伝達に関与していない入力軸側のスリーブのうち、現在の変速段よりも変速比が大きい変速段、すなわち低速段側の変速段のスリーブが係合位置に切り替えられる。例えば、変速段が3速のときに、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると予想される場合には、第2スリーブ37を係合位置に切り替える。車両制御装置50は、アクセルペダルが大きく踏み込まれる等して車両1に対して大きな駆動力が要求された場合には、変速段を現在の変速段から低速段側の変速段に変速する、いわゆるキックダウンを実行する。そこで、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると予想される場合には、予め低速段側の変速段のスリーブを係合位置に切り替えておく。これにより迅速なキックダウンが実現される。そこで、所定の閾値としてはキックダウンを行うべきか否か判定可能な駆動力が設定される。
図2は、車両制御装置50がこのように各スリーブ36〜41の動作を制御するために実行する制御ルーチンを示している。この制御ルーチンは、車両1がエンジン2で走行している場合に所定の周期で繰り返し実行される。この制御ルーチンを実行することにより、車両制御装置50が本発明の制御手段として機能する。
この制御ルーチンにおいて車両制御装置50は、まずステップS11で車両1の状態を取得する。車両1の状態としては、例えば車速、アクセル開度、前後方向の加速度、及び左右方向の加速度が取得される。また、車両1にナビゲーション装置が搭載されている場合には、そのナビゲーション装置からコーナーや登り坂等といった現在車両1が走行している道路の状態が取得される。
次のステップS12において車両制御装置50は、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されるか否か判定する。車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されるか否かは、車両1の走行状態や車両1が走行している道路の状態に基づいて予想できる。一般に車両1がコーナーを曲がる場合には、コーナーの入口で減速し、コーナーの出口で加速する。そのため、車両1がコーナリング中の場合には、直後に車両1に対して大きな駆動力が要求されると予想できる。また、車両1が登り坂を走行している場合にも車両1の対して大きな駆動力が要求されると予想できる。そのため、これらの場合に車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると予想できる。そして、車両1がコーナリング中か否かは、車両1の左右方向の加速度から周知の方法で判定できる。また、車両1が登り坂を走行しているか否かは、車両1の前後方向の加速度に基づいて周知の方法で判定できる。なお、これらはナビゲーション装置の情報に基づいて判定してもよい。そこで、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されるか否かは、車両1の左右方向の加速度や車両1の前後方向の加速度に基づいて判定すればよい。なお、この処理を実行することにより、車両制御装置50が本発明の要求駆動力予想手段として機能する。
車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると判定した場合にはステップS13に進み、車両制御装置50はプレシフト制御を実行する。このプレシフト制御では、上述したように動力伝達に関与していない入力軸側のスリーブのうち、現在の変速段によりも変速比が大きい変速段のスリーブを係合位置に切り替える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、車両1に対して所定の閾値以下の駆動力が要求されると判定された場合にはステップS14に進み、車両制御装置50はニュートラル制御を実行する。このニュートラル制御では、上述したように動力伝達に関与していない入力軸側のスリーブを全て解放位置に切り替える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
以上に説明したように、本発明では、車両1がエンジン2で走行しているときに車両1に対して所定の閾値以下の駆動力が要求されると予想された場合には、動力伝達に関与していない入力軸側のスリーブを全て解放位置に切り替える。そのため、動力伝達に関与していない入力軸をエンジン2及び出力系12から切り離すことができる。この場合、その入力軸に接続されているMGの連れ回しを防止できるので、エンジン2の動力が無駄に消費されることを防止できる。また、このようにMGの連れ回しを防止することにより、電力損失の発生を防止してバッテリ電力の無駄な消費を防止できる。従って、エンジン2の燃費を向上できる。
一方、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると予想された場合には、動力伝達に関与していない入力軸側のスリーブのうち、現在の変速段によりも変速比が大きい変速段のスリーブを係合位置に切り替える。そのため、第1クラッチ15及び第2クラッチ16の状態を切り替えるのみで、キックダウンを実行できる。従って、迅速な変速を実行できる。
なお、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されるか否か予想する方法は、上述した方法に限定されない。例えば、Gセンサ54等によって急な減速度が検出された場合には、運転者がスポーツ走行を行っていると推測できる。この場合、急な減速度が検出された後に車両1に対して大きな駆動力が要求される場合がある。そこで、急な減速度を検出した場合に、車両1に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されると予想してもよい。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上述した形態では、入力軸とモータ・ジェネレータとをギヤを介して動力伝達可能に接続したが、モータ・ジェネレータの出力軸を入力軸と直接接続してもよい。本発明が適用されるハイブリッド車両の変速機は、前進5速の変速機に限定されず、前進4速の変速機又は前進6速以上の変速機であってもよい。
1 ハイブリッド車両
2 内燃機関
3 第1モータ・ジェネレータ
4 第2モータ・ジェネレータ
6 駆動輪
10 変速機
12 出力系
13 第1入力軸
14 第2入力軸
15 第1クラッチ
16 第2クラッチ
36 第1スリーブ(第1変速機構)
37 第2スリーブ(第2変速機構)
38 第3スリーブ(第1変速機構)
39 第4スリーブ(第2変速機構)
40 第5スリーブ(第1変速機構)
41 後進スリーブ(第2変速機構)
50 車両制御装置(要求駆動力予想手段、制御手段)
G1〜G5、GR ギヤ列

Claims (2)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関と第1クラッチを介して接続された第1入力軸と、前記内燃機関と第2クラッチを介して接続された第2入力軸と、駆動輪と動力伝達可能に接続された出力系と、一部が前記第1入力軸と前記出力系との間に介在するとともに残りが前記第2入力軸と前記出力系との間に介在し、かつ互いに変速比が相違する複数のギヤ列と、前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達がそれらの間に介在するギヤ列のうちの1つにより成立する係合状態及び前記第1入力軸と前記出力系との間の動力伝達が遮断されるニュートラル状態に切替可能な第1変速機構と、前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達がそれらの間に介在するギヤ列のうちの1つにより成立する係合状態及び前記第2入力軸と前記出力系との間の動力伝達が遮断されるニュートラル状態に切替可能な第2変速機構と、を有するデュアルクラッチ式の変速機と、
    前記第1入力軸と動力伝達可能に接続された第1電動機と、
    前記第2入力軸と動力伝達可能に接続された第2電動機と、を備え、
    前記内燃機関で走行する場合に、前記第1入力軸及び前記第2入力軸のうちのいずれか一方の入力軸が前記内燃機関と動力伝達可能に連結され、かつ他方の入力軸と前記内燃機関との間の動力伝達が遮断されるように前記第1クラッチ及び前記第2クラッチが制御されるハイブリッド車両に適用され、
    前記車両が前記内燃機関にて走行しているときに、前記車両に対して所定の閾値より大きい駆動力が要求されるか否かを予想する要求駆動力予想手段と、
    前記要求駆動力予想手段が前記車両に対して前記閾値以下の駆動力が要求されると予想した場合には、前記第1変速機構及び前記第2変速機構のうち前記他方の入力軸と前記出力系との間の動力伝達を制御する一方の変速機構を前記ニュートラル状態に切り替え、前記要求駆動力予想手段が前記車両に対して前記閾値より大きい駆動力が要求されると予想した場合には、この予想が行われたときに前記内燃機関と前記出力系との間の動力伝達に使用されているギヤ列の変速比よりも大きい変速比を有するギヤ列によって前記他方の入力軸と前記出力系との間の動力伝達が成立するように前記一方の変速機構を前記係合状態に切り替える制御手段と、を備えている制御装置。
  2. 前記要求駆動力予想手段は、前記車両がコーナリング中の場合、又は前記車両が登り坂を走行中の場合に、前記車両に対して前記閾値より大きい駆動力が要求されると予想する、請求項1に記載の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015214312A (ja) * 2014-05-13 2015-12-03 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両
CN115352265A (zh) * 2022-10-19 2022-11-18 苏州亚太精睿传动科技股份有限公司 混合驱动系统和混合驱动方法

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