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JP2014069210A5 - - Google Patents

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JP2014069210A5
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チューブの加工方法、緩衝器及びその製造方法
本発明は、チューブの加工方法緩衝器及びその製造方法に関する。
車両のサスペンションに組み込まれるシリンダ装置には、シリンダと外筒との間にセパレータチューブを備えるものが知られている。例えば、特許文献1記載のセパレータチューブは、両端部内周側のOリング(シール部材)を介してシリンダに外嵌される。このOリングには高いシール性能(例えば、20MPa)が要求されるが、この要求を満たすためには、セパレータチューブの内周側に形成されるハウジング(Oリング溝)の形状精度を高める必要がある。具体的には、ハウジングの形状精度をJISB2401に規定されたハウジングの基本寸法に適合させることが要求されるが、当該基本寸法に適合させるため、従来、ハウジングは切削によって加工されていた。しかしながら、ハウジングの切削加工は、シリンダ装置の製造コストを増大させる要因になっていた。
特開平11−159563号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、切削加工をすることなく、チューブの内周側にシールリング溝を高い精度で加工する方法及びこの方法によって加工したチューブを備えた緩衝器及びその製造方法を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のチューブの加工方法は、チューブの内周側にシールリングの溝を加工する方法であって、前記溝に対応する凸部が外周に形成される軸形状のローラダイスを前記チューブの内周側に挿入し、前記チューブの外周に、前記凸部に対応する凹部が内周に形成された少なくとも2分割に構成される外型を装着するローラダイス挿入及び外型装着工程と、前記ローラダイスを回転駆動し、前記チューブの内周面に前記溝を形成する溝加工工程と、前記溝の開口部の少なくとも一方の角部を押圧する押圧工程と、前記溝の前記開口部から軸方向の少なくとも一方を所定長の内径寸法に調整するサイジング工程と、を含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の緩衝器は、相対移動可能な2部材間に取付けられる緩衝器であって、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に挿入されたピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、前記シリンダの外周に設けられた外筒と、前記シリンダの外周囲に設けられ、前記シリンダ内と連通する環状通路を形成する円筒状の側壁を有するセパレータチューブと、前記シリンダと前記外筒との間の前記セパレータチューブの外側に形成されて作動流体及びガスが封入されたリザーバと、前記外筒の外部に配置される減衰力発生機構と、を備え、前記セパレータチューブの内周側には周方向へ延びるシールリング溝が形成され、前記シールリング溝の開口部は少なくとも軸方向の一方に押圧痕を有し、前記シールリング溝の開口部から軸方向の一側へ延びる部位の内径は、軸方向の他側へ延びる部位の内径と比して小径であることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の緩衝器の製造方法は、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に挿入されたピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、前記シリンダの外周に設けられた外筒と、前記シリンダの外周囲にシールリングにより密封されて設けられ、前記シリンダ内と連通する環状通路を形成する円筒状の側壁を有するセパレータチューブと、前記シリンダと前記外筒との間の前記セパレータチューブの外側に形成されて作動流体及びガスが封入されたリザーバと、前記外筒の外部に配置される減衰力発生機構と、を備えた緩衝器の製造方法であって、凸部が外周に形成される軸形状のローラダイスを前記セパレータチューブの内周側に挿入し、前記セパレータチューブの外周に、前記凸部に対応する凹部が形成された成形部材を位置するローラダイス挿入工程と、前記ローラダイスを回転駆動し、該ローラダイスと前記成形部材との間で前記セパレータチューブの内周面に溝を形成する溝加工工程と、前記溝の開口部の少なくとも一方の角部に生じたバリを押し潰す押圧工程と、により、前記セパレータチューブの内周側に前記シールリングが装着される溝を加工することを特徴とする。
本発明によれば、切削加工をすることなく、チューブの内周側にシールリング溝を高い精度で加工することができる。
減衰力調整式油圧緩衝器の軸平面による断面図である。 ハウジングがビーディング加工される前段階のセパレータチューブの軸平面による断面図である。 図4における要部を拡大して示す図である。 本実施形態のビーディング加工装置における、セパレータチューブの軸平面による断面図である。 ビーディング加工によって得られたハウジングの開口部の両側の角部に形成されたバリを示す図である。 セパレータチューブがセットされた押圧装置における、セパレータチューブの軸平面による断面図である。 押圧工程の説明図であって、特に、ローラダイスの凸部の形状を説明するための図である。 押圧工程の説明図であって、特に、ハウジングとローラダイスの凸部との位置関係を示す図である。 セパレータチューブがセットされたサイジングにおける、セパレータチューブの軸平面による断面図である。 図9の要部を拡大して示す図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。まず、本実施形態の減衰力調整式油圧緩衝器1を説明する。なお、図1を参照した油圧緩衝器1の説明における上/下とは、図1における上/下を示す。
図1に示されるように、油圧緩衝器1は、外筒2と内筒3(シリンダ)とを備えた二重筒構造をなす。また、油圧緩衝器1は、外筒2と内筒3との間に配置されたセパレータチューブ4(チューブ)を有する。外筒2と内筒3との間の、セパレータチューブ4の外側には、環形状の空間であるリザーバ5が形成される。
内筒3の内側にはピストン6が摺動可能に挿入され、ピストン6によって、内筒3の内側が第1室3Aと第2室3Bとに分画される。ピストン6は、ナット7によってピストンロッド8の一端に固定される。ピストンロッド8は、外筒2及び内筒3の上端部に装着されたロッドガイド9及びオイルシール10を貫通して内筒3の外部へ延出される。ピストン6は、第1室3A、第2室3B間を連通する油路11、12を有する。ピストン6の第1室3A側の面には、油路11における第2室3B側から第1室3A側への油液の流通のみを許容する逆止弁13が設けられる。また、ピストン6の第2室3B側の面には、第1室3A側の油液の圧力が所定圧力に達した時に開弁して第1室3A側の油液を油路12を通じて第2室3B側へリリーフするディスクバルブ14が設けられる。
油圧緩衝器1は、内筒3の下端部に設けられて第2室3Bとリザーバ5とを区画するベースバルブ15を備える。ベースバルブ15は、第2室3Bとリザーバ5とを連通する油路16、17を有する。また、ベースバルブ15は、油路16におけるリザーバ5側から第2室3B側への油液の流通のみを許容する逆止弁18を備える。さらに、ベースバルブ15は、第2室3B側の油液の圧力が所定圧力に達した時に開弁して、第2室3B側の油液を油路17を通じてリザーバ5側へリリーフするディスクバルブ19を有する。なお、内筒3の内側には作動流体として油液が封入され、リザーバ5の内側には油液及びガスが封入される。
図1に示されるように、セパレータチューブ4は、両端部20、20の内周21、21を周方向へ延びてOリング23、23(シールリング)が装着されるハウジング22、22(シールリング溝)を有する。そして、セパレータチューブ4の両端部20、20のOリング23、23を内筒3の外周に密着させることにより、内筒3とセパレータチューブ4との間に環状油路24が形成され、環状油路24は、内筒3の上端部に設けられる油路25によって第1室3Aに連通される。また、セパレータチューブ4の下端部には、小径の開口26が設けられる。さらに、外筒2には開口26に対応して配置される大径の開口27が設けられ、外筒2の開口27には減衰力発生機構28が取り付けられる。
減衰力発生機構28は、開口27に装着される円筒形のケース29を有する。ケース29には、パイロット型(背圧型)の主減衰バルブ30及び主減衰バルブ30の開弁圧力を制御する圧力制御弁としてのソレノイドバブル31がナット32によって固定される。主減衰バルブ30及びソレノイドバルブ31は、開口26に接続されており、開口26からリザーバ5への油液の流れを制御して減衰力を発生させるように機能する。
主減衰バルブ30は、ディスクバルブ33とディスクバルブ33の背面側に形成される背圧室34とを有する。ディスクバルブ33は、開口26側の油液の圧力を受けて撓み開弁することにより開口26側の油液をリザーバ5側へ流通させるメインバルブである。背圧室34は、ディスクバルブ33の背面側の内圧をディスクバルブ33の閉弁方向へ作用させる。また、開口26には、固定オリフィス35を介して副通路36が接続される。副通路36は、ソレノイドバルブ31に接続されて通路36Aを介して背圧室34に連通される。
次に、図2に示されるセパレータチューブ4の両端部20、20にハウジング22、22(図3参照)をビーディング加工する装置41を説明する。まず、ビーディング加工前のセパレータチューブ4について説明する。図2に示されるのは、セパレータチューブ4の軸平面による断面図である。この図に示されるように、セパレータチューブ4の両端部20、20は、スウェージング加工によって予め縮径されている。セパレータチューブ4の図2における左側の端部20の近傍の側壁には、バーリング加工によって形成された枝管37が形成されている。なお、バーリング加工及びスウェージング加工には、従来技術のバーリング加工装置及びスウェージング加工装置が使用される。
図3は、ビーディング加工装置41にセットされたセパレータチューブ4の図2における左側の端部20にハウジング22(Oリング溝)が加工された状態の、セパレータチューブ4の軸平面による断面図である。なお、セパレータチューブ4の両端部20、20は、一対のビーディング加工装置41によって同時にビーディング加工される。そのため、一対のビーディング加工装置41は、軸線が水平に配置されたセパレータチューブ4の図2における左右両側に対称に配置されるとともに同一の基台上に配置される。
なお、図3及び図4を参照したビーディング加工装置41の説明では、図2における左側の端部20に対応するビーディング加工装置41のみを図解し、図2における右側の端部20に対応するビーディング加工装置41の図解を省略する。また、図3における左方向(左側)及び右方向(右側)並びに上方向(上側)及び下方向(下側)を、そのまま左方向(左側)及び右方向(右側)並びに上方向(上側)及び下方向(下側)と定義する。
図3に示されるように、ビーディング加工装置41は、セパレータチューブ4の端部20の内周21側に挿入される中空軸状(軸形状)のローラダイス42と、セパレータチューブ4の端部20の外周に装着される外型43とを有する。ローラダイス42は、軸線方向(左右方向)中間部位に形成されてローラダイス42の外周を周方向へ延びる環状の凸部44を有する。凸部44は、ハウジング22に対応してローラダイス42の軸平面による断面が略長方形に形成される。ローラダイス42は、凸部44の左側壁に対して所定間隔をあけて形成されるフランジ部45と、凸部44の右側壁に対して所定間隔をあけて形成されるフランジ部46とを有する。
ローラダイス42は、回転駆動機構47によって軸線回りに回転駆動される。回転駆動機構47は、ローラダイス42を支持するダイス支持部48と、駆動源としてのサーボモータ49(図4参照)とを有する。ダイス支持部48は、略円柱形に形成される基部50と、外周にローラダイス42の内周が嵌合される第1軸部51と、後述する規制部材52に接続される第2軸部53とを有する。ダイス支持部48は、基部50の外周が軸線方向(左右方向)に間隔をあけて配置される一対のベアリング54によって支持され、これにより、軸線回りに回転可能である。なお、一対のベアリング54は、略円筒形のベアリングケース55に収容され、ベアリングケース55は、フランジ部55Aがモータベース56のボス部56Aにボルト固定される。
ダイス支持部48は、基部50の左側端面に開口する穴57を有し、穴57に挿入されたサーボモータ49の回転軸49A(図4参照)と動力伝達可能に接続される。また、ダイス支持部48は、基部50の右側端部にフランジ部58が形成され、フランジ部58の左側端面に右側のベアリング54が当接される。また、フランジ部58の右側端面の内周側にはローラダイス42のフランジ部45が当接され、これにより、ローラダイス42のダイス支持部48に対する左方向への移動が規制される。そして、ローラダイス42は、右側端面に当接された規制部材52によってダイス支持部48に対する右方向への移動が規制され、これにより、外型43に対して軸線方向に位置決めされる。なお、ローラダイス42の左側端部は、基部50の右側端面に形成された環状凹部59に嵌合される。また、ダイス支持部48は、第1軸部51の先端部が規制部材52の端面に形成された穴60に嵌合される。
図3に示されるように、外型43は、環形状に形成され、内周側にローラダイス42が挿入される。また、外型43は、ベアリング61を介して外型支持プレート62に取り付けられており、これにより、外型43の軸線(中心線)を中心に回転可能である。さらに、外型43は、ローラダイス42の凸部44に対応する凹部63を有する。なお、外型43の軸平面による凹部63の断面の形状は、成形後の端部20の板厚が全体で略一定となるように寸法が設定された略長方形に形成される。
外型43の内側で且つ凹部63に対して右側の部位には、セパレータチューブ4のテーパ部64との干渉を回避するための逃げ部65が形成される。また、外型43の内側で且つ凹部63に対して左側の部位には、外型43の基準内周面43Aの内径に対して小さい内径を有する突当部66が形成される。突当部66の右側端面には、セパレータチューブ4の端部20の端面20B(図2参照)が突き当てられており、これにより、ビーディング加工時におけるセパレータチューブ4の材料の流動が規制される。
そして、図3から理解できるように、ビーディング加工が完了した直後の状態では、セパレータチューブ4の端部20に形成された隆起部67が外型43の凹部63に嵌り込んでいるため、セパレータチューブ4を外型43から型抜きすることができない。そこで、外型43は、軸線方向(左右方向)へ2分割、径方向(軸線に対して垂直な方向)へ2分割、合計で4分割に構成されており、外型43を分割することでセパレータチューブ4の型抜きが可能となる。
なお、図3には、軸線方向への分割境界Lのみが示されており、分割境界Lは、凹部63の底面の、凹部63の右側の側壁に近い位置から径方向へ延びるとともに、段差を介してさらに径方向へ延びている。換言すると、外型43を軸線方向へ2分割した場合、左側の型の右側端面に形成された凹部75に、右側の型の左側端面に形成された凸部76が嵌合される。また、図3に示される符号68は、外型43にボルトによって固定されるベアリング押えであり、ベアリング61の内輪を外型43に固定するためのものである。また、図3に示される符号69は、外型支持プレート62にボルトによって固定されるベアリング押えであり、ベアリング61の外輪を外型支持プレート62に固定するためのものである。
図4に示されるように、外型支持プレート62は、一対のリニアガイドを介してベースプレート70に取り付けられる。これにより、外型支持プレート62は、ベースプレート70に対して上下方向へ移動可能である。図4から理解できるように、ベースプレート70には、モータベース56を介してベアリングケース55が固定されており、これにより、外型43は、ローラダイス42に対して上下方向(軸線に対して垂直な方向)へ移動可能である。
ビーディング加工装置41は、外型支持プレート62を駆動する駆動源としての油圧シリンダ71を有する。油圧シリンダ71は、シリンダ本体71Aがシリンダベース72を介してベースプレート70の下部に固定されるとともに、ピストンロッド71Bが接続部材73を介して外型支持プレート62の下部に固定される。なお、外型支持プレート62は、ベースプレート70の上部に固定された外部ストッパ74によって、上方向への移動が規制される。
ビーディング加工装置41は、マイクロコンピュータによって構成される制御装置を有する。制御装置は、電動モータ49の回転、すなわち、ローラダイス42の軸線回りの回転を制御することができる。また、制御装置は、油圧シリンダ71に対する作動油圧の給排を制御することにより、ローラダイス42と外型43との上下方向(セパレータチューブ4の軸線に対する垂直方向)への相対移動を制御することができる。そして、制御装置は、ビーディング加工時における加工力(加圧力)に基づき、油圧シリンダ71をフィードバック制御することができる。なお、ビーディング加工時における加工力は、油圧シリンダ71の油圧回路の圧力等から得ることが可能である。
このようなビーディング加工によって得られたハウジング22(Oリング溝)は、図5に示されるように、底面77、開口側の第1側面78及び奥側の第2側面79を有し、軸線を中心とする円環状に形成される。また、ハウジング22の軸方向両側の開口縁部、換言すると、ハウジング22の第1側面78と内周21との稜部(以下、角部22L)、及びハウジング22の第2側面79と内周21との稜部(以下、角部R)には、ビーディング加工時の材料の流動に起因して発生するバリ80(鋭角隆起形状)が形成される。
次に、ビーディング加工によって得られたハウジング22(Oリング溝)のバリ80を押し潰す押圧装置81を説明する。図6は、セパレータチューブ4がセットされた押圧装置81の、セパレータチューブ4の軸平面による断面図である。なお、セパレータチューブ4の両端部20、20のハウジング22、22は、ビーディング加工装置41同様、一対の押圧装置81によって同時に加工される。そのため、一対の押圧装置81は、軸線が水平に配置されたセパレータチューブ4の左右両側に対称に配置されるとともに同一の基台上に配置される。
なお、図6を参照した押圧装置81の説明では、図3を参照したビーディング加工装置41の説明同様、左側の端部20に対応する押圧装置81のみを図解し、右側の端部20に対応する押圧装置81の図解を省略する。また、図における左方向(左側)及び右方向(右側)並びに上方向(上側)及び下方向(下側)を、そのまま左方向(左側)及び右方向(右側)並びに上方向(上側)及び下方向(下側)と定義する。
図6に示されるように、押圧装置81は、セパレータチューブ4の端部20の内周21側に挿入される中空軸状(軸形状)のローラダイス82と、セパレータチューブ4の端部20の外周に配置される外型83とを有する。ローラダイス82は、軸線方向(左右方向)中間部位に形成されてローラダイス82の外周を周方向へ延びる環状の凸部84を有する。
図7に示されるように、凸部84は、ローラダイス82の軸平面による断面が二等辺三角形に形成される。この凸部84の断面が形成する二等辺三角形(以下、二等辺三角形)は、各等辺84A、84Aによってハウジング22の角部22L及び角部22Rに形成されたバリ80、80(図5参照)を押し潰すことができるように、頂角θが140°に設定される。しかしながら、頂角θは140°に限定されるものではない。また、凸部84は、厳密に二等辺三角形である必要はなく、例えば、頂角θを含む部分を截断した台形とすることができる。なお、図6に示される符号85は、凸部84の左側に所定間隔をあけて形成されるローラダイス82のフランジ部である。
ローラダイス82は、回転駆動機構によって軸線回りに回転駆動される。なお、押圧装置81の回転駆動機構には、ビーディング加工装置41の回転駆動機構47が採用される。したがって、明細書の記載を簡潔にするため、押圧装置81の回転駆動機構の説明を省略する。
図6に示されるように、外型83は、環形状に形成され、内周側にローラダイス82が挿入される。外型83は、軸線方向(図6における左右方向)へ2分割されており、第1型部材88と第2型部材89とを複数個のボルト90によって一体化することにより構成される。また、外型83の外周には環形状の溝91が形成される。そして、溝91には、外輪87Aが外型支持プレート86によって支持されたベアリング87の内輪87Bが嵌合される。これにより、外型83は、軸線(中心線)を中心に回転可能である。
外型83の第1型部材88側の内周には、セパレータチューブ4の隆起部67に対応する形状及び位置に形成された環形状の凹部92が設けられる。また、外型83の内周の凹部92よりも左側の位置、換言すると、第1型部材88と第2型部材89との間には、環形状の突当プレート93を保持するための溝94が形成されており、突当プレート93にセパレータチューブ4の端部20が突き当てられることにより、セパレータチューブ4が押圧装置81に対して軸線方向へ位置決めされるように構成される。
ベアリング87の外輪87Aは、略円板形状の外型支持プレート86の内周面に形成された段部95に軸線方向へ摺動可能に嵌合される。図8に示されるように、外輪87Aは、段部95の底面のばね収容部98に収容された圧縮コイルばね99によって軸線方向右側(図6における右方向)へ付勢されるとともに、ベアリング押え97によって軸線方向右側への移動が規制される。なお、ばね収容部98及び圧縮コイルばね99は、外型83の軸線(中心線)を中心とする同一円上に複数個が配置される。また、ベアリング押え97は、外型83の軸線(中心線)を中心とする同一円上に配置された複数個のストリッパボルト96によって外型支持プレート86の右側面に固定される。
図8に示されるように、押圧装置81による加工が開始される前の状態、すなわち、ベアリング87の外輪87Aの右側端面がベアリング押え97に当接された状態においては、外型83の凹部92の位置、換言すると、セパレータチューブ4の軸線を座標軸とした場合の凹部92の幅の中心位置と、セパレータチューブ4のハウジング22の位置、換言すると、セパレータチューブ4の軸線を座標軸とした場合のハウジング22の幅の中心位置とは一致している。一方で、ローラダイス82の凸部84の位置、換言すると、セパレータチューブ4の軸線を座標軸とした場合の凸部84の断面の二等辺三角形の頂部の位置は、外型83の凹部92の位置及びセパレータチューブ4のハウジング22の位置に対して、セパレータチューブ4の開口側、すなわち、図8における左方向へS1の距離だけずらされて配置されている。
そして、押圧装置81は、凹部92にセパレータチューブ4の隆起部67が嵌り込んだ状態で、セパレータチューブ4の端部20の内周21とハウジング22とのバリ80が形成された稜部にローラダイス82の凸部84が押し付けられて外型83に左方向への外力が作用された場合、圧縮コイルばね99を圧縮させることにより、外型83がベアリング87と一体で図8における左方向へ最大でS2の距離だけ移動することができるように構成されている。
なお、押圧装置81の外型83は、ビーディング加工41の外型43をローラダイス82に対して上下方向(軸線に対して垂直な方向)へ移動させる油圧シリンダ71を含む機構を採用することにより、ローラダイス82に対して図6における上下方向へ移動させることができる。ここでは、明細書の記載を簡潔にするため、押圧装置81の外型83を上下方向へ移動させる機構並びにその移動(油圧シリンダの動作)を制御する制御装置の説明を省略する。
前記押圧装置81による加工では、セパレータチューブ4の内側に挿入されたローラダイス82をローラダイス82の軸線回りに回転させ、この状態で、外型83を駆動する油圧シリンダの油圧回路の圧力を監視しながら、外型83を図6における上方向へ移動させる。すると、セパレータチューブ4の端部20の隆起部67のその時点における最下部に、外型83の凹部92のその時点における最下部が嵌り込む。そして、セパレータチューブ4は、外型83に押し上げられるようにして上方向へ移動する。
そして、ハウジング22のバリ80が形成された稜部に、ローラダイス82の凸部84が押し付けられると、ローラダイス82の回転力がセパレータチューブ4及び外型83に伝達される。これにより、セパレータチューブ4及び外型83は各々の軸線回りに回転し、その結果、ハウジング22のバリ80は、その全周にわたって、ローラダイス82の凸部84によって押し潰される。なお、外型83を駆動する油圧シリンダの制御は、油圧回路の圧力が予め定められたしきい値に到達することを判断する加工力制御である。
このような押圧装置81による加工によって得られたセパレータチューブ4の端部20の内径及びハウジング22(Oリング溝)の底面77の内径は、要求される寸法に対して例えば0.05mm程度大きくなる傾向がある。そこで、本実施形態では、サイジング装置101を使用して、押圧装置81による加工によって得られたセパレータチューブ4の端部20の内径を矯正する。図9は、セパレータチューブ4がセットされたサイジング装置101の、セパレータチューブ4の軸平面による断面図である。なお、図9を参照したサイジング装置101の説明では、図における左方向(左側)及び右方向(右側)並びに上方向(上側)及び下方向(下側)を、そのまま左方向(左側)及び右方向(右側)並びに上方向(上側)及び下方向(下側)と定義する。
サイジング装置101は、セパレータチューブ4の端部20の内周21側に挿入される軸形状のマンドレル102と、セパレータチューブ4の端部20の外周に配置される外型103とを有する。マンドレル102の図9における左側の端部にはボス部104を介してねじ軸105が設けられ、ねじ軸105は、略円板形状の加圧プレート106の軸線上に設けられたねじ孔107に螺設される。加圧プレート106は、略円筒形のスリーブ108内に収容される。スリーブ108の左側の端部には略円板形の受圧プレート109がボルト110によって固定され、受圧プレート109には油圧シリンダ111のロッド111Aが複数個のボルト112によって固定されるとともに、油圧シリンダ111の本体111Bは加圧プレート106の左側の端面に複数個のボルト113によって固定される。
外型103は、軸線回りに8分割されており、加圧プレート106の右側の端面に保持される。外型103の外周には、図9の右方向へ向けて先細りとなる外テーパ面115が形成される。外型103の各分割体は、各付勢機構114によって外型103の半径方向外側へ付勢される。これにより、外型103の外周の外テーパ面115は、スリーブ108の内周に固定されたリング部材116の内周に形成された内テーパ面117に摺動可能に接触される。図10に示されるように、外型103の内周には、セパレータチューブ4の端部20のハウジング22の開口部から軸方向左側(図10における左側)の部分20A、換言すると、セパレータチューブ4の端部20のハウジング22に対してセパレータチューブ4の開口側の部分20Aを、マンドレル102との間で加圧する加圧部118が設けられる。
このようなサイジング装置101では、油圧シリンダ111のロッド111Aを伸長させて加圧プレート106をスリーブ108に対して右方向へ移動させることにより、外型103は、外テーパ面115をリング部材116の内テーパ面117に摺動させながらスリーブ108及びリング部材116に対して軸線方向右側へ移動される。図9から理解できるように、外型103は、リング部材116に対して右方向へ移動するにつれて加圧部118の内径が縮径されるように動作、所謂、シュリンキング動作をする。これにより、セパレータチューブ4の端部20のハウジング22よりも左側の部分20Aがマンドレル102と外型103との間で加圧されて、この部分20Aの内径が矯正される。
なお、図9に示されるように、外型103の右側の端面は、リング形状のサポート部材119を介して複数個のガススプリング120によって支持される。また、ガススプリング120は、スリーブ108の右側端部に固定された略円筒形のスプリングベース121によって保持される。また、セパレータチューブ4の端部20(部分20A)の端面20Bは、マンドレル102のボス部104の外周に装着されるとともにマンドレル102の左側の端面と加圧プレート106の右側端面とによって挟持されたリング形状の規制部材122に突き当てられており、これにより、セパレータチューブ4が外型103に対して軸線方向へ位置決めされるとともに、サイジング加工時における材料の塑性流動が規制される。さらに、外型103を8分割に構成したが、これに限定する意図はない。
次に、前記減衰力調整式油圧緩衝器1のセパレータチューブ4(チューブ)の加工方法を説明する。
なお、本実施形態では、図2に示されるセパレータチューブ4の左側の端部20の加工のみを図解し、右側の端部20の加工の図解を省略する。また、セパレータチューブ4は、例えば、外径が40.6mm、板厚が1.8mm、ハウジング22(Oリング溝)の幅(開口部の軸線方向長さが2.7mm)である。
まず、素材管にバーリング加工並びにスウェージング加工が施された状態のセパレータチューブ4(図2参照)を所定の支持治具にセットする。なお、セパレータチューブ4の内側には、規制部材52を予めセットすることができる。また、素材管は、引き抜きにより成形されたものが使用され、板厚の精度が確保されている。この状態では、セパレータチューブ4の軸線は、水平、且つビーディング加工装置41のローラダイス42及び外型43の軸線に対して同軸上に配置される。以下、単に軸線と記載した場合、セパレータチューブ4の軸線を指すものとする。
(ローラダイス挿入及び外型装着工程)
次に、ビーディング加工装置41を軸線方向へ移動させる。これにより、ローラダイス42は、セパレータチューブ4内に挿入され、セパレータチューブ4内の規制部材52に係合される。また、セパレータチューブ4の端部20の外周には外型43が装着され、外型43の突当部66には端部20の端面20Bが突き当てられる。その結果、セパレータチューブ4は、ローラダイス42及び外型43に対して、軸線方向に位置決めされるとともに同軸上に位置決めされる。
(溝加工工程)
次に、サーボモータ49の駆動により、ローラダイス42をローラダイス42の軸線回りに回転させる。なお、この状態で、ローラダイス42(凸部44)とセパレータチューブ4(端部20)との間には予め設定されたクリアランスが形成されている。また、ローラダイス42の回転数は、例えば、50〜300rpmに設定される。次に、油圧シリンダ71によって外型支持プレート62を駆動して、外型43を図3及び図4における上方向(軸線に対して垂直方向)へ移動させる。そして、セパレータチューブ4の端部20の内周21がローラダイス42の凸部44に接触すると、端部20と凸部44との間に摩擦力が発生して、その結果、セパレータチューブ4及び外型43は軸線回りに回転する。この時点で、ハウジング2の実質的な成形(ビーディング加工)が開始される。
外型43の移動に伴って凸部44が端部20に食い込み、端部20の内周21にハウジング22としての環状凹部が成形される。ビーディング加工時における端部20は、端面20Bが外型43の突当部66に突き当てられて端部20の材料の軸線方向への流動が規制されるとともにハウジング22の外周側の隆起部67が外型43の凹部63によって受けられるため、成形後の板厚が均一に保持される。そして、制御装置は、ビーディング加工中の加工力(成形圧力)を、油圧シリンダ71の油圧回路の圧力から得て監視しており、この加工力が予め定められたしきい値に到達した時点で、油圧シリンダ71を停止させる。すなわち、本実施形態におけるビーディング加工は、ローラダイス42と外型43との相対位置を制御するのではなく、加工力制御である。
次に、油圧シリンダ71の駆動によって外型支持プレート62、延いては外型43を、図3及び図4における下方向(軸線に対して垂直方向)へ移動させて、元の状態、すなわち、セパレータチューブ4、ローラダイス42及び外型43が同軸上に配置された状態(図3参照)に復帰させる。次に、ローラダイス42の回転を停止させ、外型43を分割する。この状態で、ビーディング加工装置41を退避、すなわち、セパレータチューブ4に対して図3及び図4における左方向へ移動させて、セパレータチューブ4を取り出す。
ところで、前記ビーディング加工は、ローラダイス42の自転と公転による回転逐次加工であるため、セパレータチューブ4の端部20の材料が周方向へ塑性流動して、特に、ハウジング22の幅が小さいほど、ハウジング22の角部22L及び角部22Rに、図5に示されるようなバリ80、80(隆起形状)が発生する。内筒3とセパレータチューブ4とのクリアランスが0に近い状態であればバリ80は問題ないが、組立て性を考慮して、内筒3とセパレータチューブ4との間には所定のクリアランスが設定されている。
このため、例えば、製品(油圧緩衝器1)の状態で、環状油路24の内圧が増圧側又は減圧側に偏って繰り返し変化するような場合、Oリング23(図1参照)は、ハウジング22からの微小はみ出しと復帰とを繰り返す。これにより、Oリング23の微小はみ出しがバリ80を繰り返し通過することになり、その結果、Oリング23が損傷する虞がある。そこで、本実施形態では、ビーディング加工装置41から取り出されたセパレータチューブ4のハウジング22の開口部の軸線方向両側のバリ80、80を押圧装置81によって押し潰す押圧工程を設けた。
ところで、ビーディング加工によってセパレータチューブ4の端部20にハウジング22(Oリング溝)を成形した場合、セパレータチューブ4の端部20の形状がハウジング22の左側と右側とで非対称であるため、ハウジング22の左側の角部22Lは、右側の角部22Rのバリ80よりも大きくなる傾向がある。特に、前記セパレータチューブ4においては、ハウジング22の左側の角部22L、換言すると、セパレータチューブ4の開口側の角部22Lにバリ80が偏って発生して、ハウジング22の右側の角部22Rには、Oリング23を損傷させるようなバリ80は発生しない。
そこで、前記押圧装置81では、図8に示されるように、ローラダイス82の凸部84の位置(二等辺三角形の頂部の位置)を、ハウジング22の位置に対してセパレータチューブ4の開口側(図8における左方向)へS1の距離だけずらして配置することにより、ローラダイス82の凸部84がハウジング22の左側の角部22Lに偏って押し付けられるように構成されている。なお、本実施形態では、経験上、1.0mm>S2>S1>0.2mmに設定されている。ここで、S2は、外型83及びベアリング87の外型支持プレート86に対する軸線方向への最大移動距離である。
(押圧工程)
まず、押圧装置81のローラダイス82をセパレータチューブ4内に挿入するとともにセパレータチューブ4の端部20の外周に外型83を配置する。図6に示されるように、セパレータチューブ4は、端部20が突当プレート93に突き当てられることにより、ローラダイス82及び外型83に対して軸線方向に位置決めされる。この状態で、サーボモータ(ビーディング加工装置41のサーボモータ49に相当)の駆動により、ローラダイス82をローラダイス82の軸線回りに回転させる。
次に、油圧シリンダ(ビーディング加工装置41の油圧シリンダ71に相当)によって外型支持プレート86を駆動して、外型83を図6における上方向(軸線に対して垂直方向)へ移動させる。これにより、セパレータチューブ4の端部20の外周の隆起部67に外型83の凹部92が嵌り込み、その後のセパレータチューブ4は、軸線を水平に保持した状態で外型83とともに上方向へ移動する。そして、回転するローラダイス82の凸部84がハウジング22の角部22L及び22Rに接触すると、ハウジング22の角部22L及び22Rとローラダイス82の凸部84との間に摩擦力が発生して、その結果、セパレータチューブ4及び外型83はそれぞれ軸線回りに回転する。この時点で、ハウジング2の実質的な成形(バリ80の押し潰し加工)が開始される。
図8に示されるように、ローラダイス82の凸部84の頂部の位置をハウジング22の軸線方向中心位置に対してセパレータチューブ4の開口側(図8における左方向)へS1の距離だけずらして配置しているため、最初に、凸部84の頂部よりも左側の部分がハウジング22の左側の角部22Lに接触して、この時点では、凸部84の頂部よりも右側の部分はハウジング22の右側の角部22Rに接触していない。しかしながら、外型83及びベアリング87は、外型83の上方向への移動に応じて、圧縮コイルばね99を圧縮させながら図6における左方向へ移動して、最終的に、外型83の凹部92の軸線方向中心位置は、ローラダイス82の凸部84の頂部(軸線方向中心位置)に合致する。
そして、制御装置は、バリ80の押し潰し加工中の加工力を、油圧シリンダの油圧回路の圧力から得て監視しており、この加工力が予め定められたしきい値に到達した時点で、油圧シリンダを停止させる。なお、押圧工程でセパレータチューブ4の端部20に作用する加工力のしきい値は、溝加工工程でセパレータチューブ4の端部20に作用する加工力のしきい値よりも小さく設定される。これにより、ハウジング22の開口部の軸線方向両側の角部22L及び22Rのバリ80、80を全周にわたって押し潰すことができる。
前述したように、押圧工程が完了して押圧装置81から取り出されたセパレータチューブ4は、端部20のハウジング22の開口部から軸方向左側(図10における左側)の部分20Aの内径及びハウジング22(Oリング溝)の底面77の内径が、要求される寸法に対して例えば0.05mm程度大きくなる傾向がある。そこで、本実施形態では、サイジング工程を設けて、押圧工程によって得られたセパレータチューブ4の端部20の内径を矯正する。
(サイジング工程)
まず、初期状態のサイジング装置101のマンドレル102の外周にセパレータチューブ4を装着する。これにより、セパレータチューブ4は、スリーブ108及び外型103に対して同軸上に位置決めされるとともに、端部20の端面20Bが規制部材122に突き当てられることにより、スリーブ108に対して軸線方向に位置決めされる。なお、初期状態のサイジング装置101は、油圧シリンダ111のロッド111Aが縮長されて加圧プレート106が後退端位置(図9における左方向への移動端位置)に位置される。この初期状態では、外型103は、リング部材116に対して、図9に示される位置よりも左側に位置し、これにより、外型103の加圧部118の内径は、最大となりセパレータチューブ4の外径に対して大きい。
この状態で、油圧シリンダ111のロッド111Aを伸長させて加圧プレート106を図9における右方向へ移動させる。これにより、外型103は、外テーパ面115をリング部材116の内テーパ面117に摺動させるとともにガススプリング120を圧縮させながら、リング部材116に対して右方向へ移動する。これと同時に、セパレータチューブ4は、加圧プレート106及びマンドレル102とともに右方向へ移動する。すなわち、加圧プレート106を軸線方向(図9における左右方向)へ移動させても、セパレータチューブ4と外型103とは軸線方向へ相対移動しない。
そして、図10に示されるように、外型103の加圧部118がセパレータチューブ4の端部20のハウジング22の開口部から軸方向左側(図10における左側)の部分20Aに当接した時点で、ハウジング2の実質的なサイジング加工が開始され、前記部分20Aは、マンドレル102と外型103の加圧部118との間で加圧されることにより矯正される。なお、セパレータチューブ4の端部20の図10における左方向への材料の塑性流動は、規制部材122によって阻止される。
制御装置は、サイジング加工中の加工力(成形圧力)を、油圧シリンダ111の油圧回路の圧力から得て監視しており、この加工力が予め定められたしきい値に到達した時点で、油圧シリンダ111を停止させる。次に、油圧シリンダ111のロッド111Aを縮長させてサイジング装置101を初期状態に復帰させる。これにより、外型103の加圧部118の内径が拡径され、セパレータチューブ4をマンドレル102から取り出すことができる。
取り出されたセパレータチューブ4のハウジング22の開口部は、少なくとも左側の角部22Lに押圧痕を有する。また、セパレータチューブ4の端部20のハウジング22の開口部からセパレータチューブ4の開口側へ延びる部位20Aの内径は、反対側(図9における右方向)へ延びる部位20C(図10参照)の内径と比して小径である。本実施形態では、ハウジング22の開口部からセパレータチューブ4の開口側へ延びる部位20Aの内径は、マンドレル102の外径に対して0.05mm大きくなる。
(作用効果)
従来技術では、セパレータチューブ4の内周21側に形成されるハウジング22(Oリング溝)の形状精度をJISB2401に規定されたハウジング22の基本寸法に適合させるには、ハウジング22を切削加工するしかなく、製造コストを増大させる要因になっていた。例えば、ハウジング22をパンチとダイによるプレス加工によって成形する場合、ハウジング22に繋ぎ目が形成されるとともに端部20の真円度を確保することができない。
一方、ハウジング22をビーディング加工によって成形した場合、ローラダイス42の凸部42の形状に関わらず、ハウジング22の開口部の少なくとも一方の角部22L又は22Rに発生するバリ80の問題を解消することができなかった。このバリ80は、ハウジング22の開口部の幅が小さいほど発生し易くなり、Oリング23を損傷する虞がある。
そこで、本実施形態の加工方法は、以下の3工程を含む。
(1)ローラダイス42と外型43とによるビーディング加工によって、セパレータチューブ4の端部20の内周21にハウジング22(Oリング溝)を形成する溝加工工程。
(2)ローラダイス82の二等辺三角形の断面を有する凸部84によって、ハウジング22の開口部の少なくとも一方の角部22L又は22Rを押圧して、少なくとも一方の角部22L又は22Rに押圧痕を形成する押圧工程。
(3)マンドレル102と外型103の加圧部118とによって、セパレータチューブ4の端部20の、ハウジング22の開口部から軸方向の少なくとも一方の部分20A又は20Cをサイジング加工して内径を矯正するサイジング工程。
本実施形態の加工方法によれば、前記(1)−(3)の3工程を含むことにより、セパレータチューブ4の端部20の内周21に、切削加工することなく、JISB2401に規定された基本寸法に適合するハウジング22を形成することができる。これにより、高いシール性能(本実施形態では、20MPa)を有するセパレータチューブ4を低コストで製造することが可能であり、延いては、減衰力調整式油圧緩衝器1の製造コストを削減することができる。
また、高い寸法精度のハウジング22を形成することができるので、バックアップリングを使用しないOリング23を採用することができ、製造コストのさらなる削減が可能である。なお、バックアップリングを使用しないOリング23に対応するハウジング22の開口部の溝幅(本実施形態では、2.7mm)は、バックアップリングを使用するOリングに対応するハウジングの開口部の溝幅(例えば、4.0mm)よりも小さく、溝幅が小さいほど溝加工工程で高いバリ80(鋭角状隆起部)が形成されるが、本実施形態では押圧工程によってバリ80を押し潰すことができる。
前記溝加工工程では、機械加工(ビーディング加工)によってセパレータチューブ4の端部20の内周21に高い精度のハウジング22を形成することができる。溝加工工程によって得られたハウジング22の開口部の少なくとも一方の角部22L又は22Rにはバリ80(鋭角状隆起部)が形成されている。
そこで、前記押圧工程では、溝加工工程によって形成されたハウジング22の開口部の少なくとも一方の角部22L又は22Rをローラダイス82の断面形状が二等辺三角形の凸部84によって押圧して、ハウジング22の開口部の少なくとも一方の角部22L又は22Rのバリ80を押し潰すことにより、ハウジング22の開口部の少なくとも一方の角部22L又は22Rに押圧痕を形成する。本実施形態では、押圧工程における加工力を溝加工工程における加工力よりも小さく設定したので、押圧工程によってハウジング22が変形することが抑止される。しかしながら、押圧工程を経て得られたセパレータチューブ4の端部20の内径の精度は、押圧工程前と比較して低下する。
そこで、前記サイジング工程では、溝加工工程と押圧工程とを経て得られたセパレータチューブ4の端部20をサイジング加工することにより、セパレータチューブ4の端部20の内径の矯正が行われる。セパレータチューブ4の端部20の内径を矯正することにより、端部20の内径を高い精度で調整することができるので、油圧緩衝器1の内筒3の外周にセパレータチューブ4を組み付けた時に、内筒3とセパレータチューブ4との間のクリアランスが一定に保たれて、Oリング23の抜けを防止することができる。
なお、上記実施形態では、シールリングとしてOリングの例を示したが、これに限らず、本発明は、断面が矩形の角リングや断面がV字状のリップリング等どのようなシールリングにも適用できる。
1 油圧緩衝器、2 外筒、3 内筒(シリンダ)、4 セパレータチューブ、5 リザーバ、6 ピストン、8 ピストンロッド、22 ハウジング(Oリング溝)、28 減衰力発生機構、20A 部分(一側へ延びる部位)、20C 部分(他側へ延びる部位)、42 ローラダイス、43 外型、44 凸部、63 凹部

Claims (8)

  1. チューブの内周側にシールリングの溝を加工する方法であって、
    前記溝に対応する凸部が外周に形成される軸形状のローラダイスを前記チューブの内周側に挿入し、前記チューブの外周に、前記凸部に対応する凹部が成された成形部材を位置するローラダイス挿入程と、
    前記ローラダイスを回転駆動し、該ローラダイスと前記成形部材との間で前記チューブの内周面に前記溝を形成する溝加工工程と、
    前記溝の開口部の少なくとも一方の角部に生じたバリを押し潰す押圧工程と、
    含むことを特徴とするチューブの加工方法。
  2. 相対移動可能な2部材間に取付けられる緩衝器であって、
    作動流体が封入されたシリンダと、
    前記シリンダ内に挿入されたピストンと、
    前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、
    前記シリンダの外周に設けられた外筒と、
    前記シリンダの外周囲に設けられ、前記シリンダ内と連通する環状通路を形成する円筒状の側壁を有するセパレータチューブと、
    前記シリンダと前記外筒との間の前記セパレータチューブの外側に形成されて作動流体及びガスが封入されたリザーバと、
    前記外筒の外部に配置される減衰力発生機構と、を備え、
    前記セパレータチューブの内周側には周方向へ延びるシールリング溝が形成され、
    前記シールリング溝の開口部は少なくとも軸方向の一方に生じたバリを押し潰した押圧痕を有し、
    前記シールリング溝の開口部から軸方向の一側へ延びる部位の内径は、軸方向の他側へ延びる部位の内径と比して小径であることを特徴とする緩衝器。
  3. 作動流体が封入されたシリンダと、
    前記シリンダ内に挿入されたピストンと、
    前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、
    前記シリンダの外周に設けられた外筒と、
    前記シリンダの外周囲にシールリングにより密封されて設けられ、前記シリンダ内と連通する環状通路を形成する円筒状の側壁を有するセパレータチューブと、
    前記シリンダと前記外筒との間の前記セパレータチューブの外側に形成されて作動流体及びガスが封入されたリザーバと、
    前記外筒の外部に配置される減衰力発生機構と、を備えた緩衝器の製造方法であって、
    凸部が外周に形成される軸形状のローラダイスを前記セパレータチューブの内周側に挿入し、前記セパレータチューブの外周に、前記凸部に対応する凹部が形成された成形部材を位置するローラダイス挿入工程と、
    前記ローラダイスを回転駆動し、該ローラダイスと前記成形部材との間で前記セパレータチューブの内周面に溝を形成する溝加工工程と、
    前記溝の開口部の少なくとも一方の角部に生じたバリを押し潰す押圧工程と、により、前記セパレータチューブの内周側に前記シールリングが装着される溝を加工することを特徴とする緩衝器の製造方法。
  4. 前記セパレータチューブに、前記溝の開口部から軸方向に延びる前記セパレータチューブの内周面の少なくとも一方を所定長の内径寸法に調整するサイジング工程を行うことを特徴とする請求項3に記載の緩衝器の製造方法。
  5. 前記溝加工工程に使用される前記成形部材は、少なくとも2分割に分割可能な環形状に形成され、
    該成形部材の軸線を中心に回転可能であり、内周に前記ローラダイスの前記凸部に対応する凹部を有することを特徴とする請求項3または4に記載の緩衝器の製造方法。
  6. 前記溝加工工程により前記セパレータチューブに加わる力と比して、前記押圧工程の力は小さいことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の緩衝器の製造方法。
  7. 前記押圧工程は、前記溝の開口部の両方の角部を同時に押圧することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の緩衝器の製造方法。
  8. 前記押圧工程は、環状の第2の凸部を有する第2のローラダイスと該第2の凸部に対応した第2の凹部を有する第2の成形部材との間に前記セパレータチューブの溝部を位置して行われ、前記第2の凸部は、前記第2のローラダイスの軸平面による断面が前記溝の開口部の両方の角部を押圧する一対の斜面を有することを特徴とする請求項7に記載の緩衝器の製造方法。
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