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JP2014068426A - エネルギー需給バランス維持システム - Google Patents

エネルギー需給バランス維持システム Download PDF

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Abstract

【課題】
マイクログリッドにおいて代表となるエージェントを設けることなく、個々のエージェントが自身の目的のもとに動作しながら、効率を考慮したエネルギー需給バランスを実現するシステムを提供すること。
【解決手段】
他エネルギー需給システムと協調して、全体の需給バランスを維持するように所定の期間におけるエネルギー需給計画を立案する事前計画作成装置と、前記エネルギー需給計画と異なる動作をする際に、計画との差分について協調動作が可能なエネルギー需給システムを検索し協調動作を要請する協調相手検索装置と、前記協調相手検索装置からの協調動作の要請について、協調可否を判断し応答する協調可否判断装置と、前記協調相手検索装置及び、前記協調可否判断装置と、により決定した協調動作内容に従いエネルギー生成設備もしくは消費設備を制御する設備制御装置と、を備えることを特徴とするエネルギー需給維持システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発電設備や熱供給設備などのエネルギー生成装置や、生産設備や空調設備などのエネルギー消費設備を備えた工場やビルなどが集合し、地域全体としてエネルギーの生成、消費を自立して実行可能なマイクログリッドにおいて、エネルギー需給バランスを維持するシステムに関する。
近年、一定の地域内に存在する事務所、ビル、工場、住宅などの需要家により独立した系統を構成し、電線や配管などのエネルギーネットワークを介して、例えば、燃料電池、風力発電機、太陽光発電機、バイオマス発電機、太陽熱供給設備などの各種分散エネルギー源を導入し地域全体で自立してエネルギー需給を実現可能なマイクログリッドが注目されている。
このようなマイクログリッドは、系統内においてエネルギー源となる供給設備と需要家のエネルギー消費設備の間でエネルギーの需給バランスを取る仕組みが必要である。特許文献1に記載の技術では、分散電源系統の電熱需給制御において、設備間の熱需給経路による熱エネルギー損失を考慮した適切な熱需給制御ができ、さらに設備の運転状況変化にオンラインで対応できる熱需給制御ができる分散電源系統の電熱需給制御システムおよび電熱需給制御方法を提供している。
特開2011‐114879号公報
上記特許文献1に記載の技術によれば、分散電源系統の電熱需給制御において、設備間の熱需給経路による熱エネルギー損失を考慮した適切な熱需給制御ができ、さらに設備の運転状況変化にオンラインで対応できる熱需給制御ができる分散電源系統の電熱需給制御システムおよび電熱需給制御方法を提供できる。具体的には、各設備にエージェントを設置し、各エージェントは熱エネルギーを需給できる設備間を接続する熱配管情報およびこれら設備の運転状況の情報を取得し、各設備間の熱需給経路の熱エネルギー損失および設備の運転状況の変化を含めて、当該設備間で電熱需給する価値があるかどうかを判断する指標になるエネルギー価値を求め、このエネルギー価値を基に電熱需給する設備およびその出力を決定するようにしたものである。
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、一つの代表エージェントを定め全体の最適な動作を決定しているため、個々のエージェントの目的がそれぞれに異なる場合、各エージェントの目的を考慮した動作の決定が困難である。
そこで本発明の目的は、マイクログリッドにおいて代表となるエージェントを設けることなく、個々のエージェントが自身の目的のもとに動作しながら、効率を考慮したエネルギー需給バランスを実現するシステムを提供する。
本発明は、発電設備や熱供給設備などのエネルギー生成装置や、生産設備や空調設備などのエネルギー消費設備を備えた工場やビルなどが集合し、地域全体としてエネルギーの生成、消費を自立して実行可能なマイクログリッド内において、全体の需給バランスを維持するように所定の期間におけるエネルギー需給計画を、他エネルギー需給システムと協調して立案する事前計画作成装置と、前記エネルギー需給計画と異なる需給動作をする際に、他エネルギー需給システムから供給余力や需給能力に関する状態情報を収集し、前記エネルギー需給計画との差分について協調動作が可能な他エネルギー需給システムを前記状態情報の中から検索し、協調動作を要請する協調相手検索装置と、前記協調相手検索装置からの協調動作の要請について、協調可否を判断し応答する協調可否判断装置と、前記協調相手検索装置及び、前記協調可否判断装置と、により決定した協調動作内容に従いエネルギー生成設備もしくは消費設備を制御する設備制御装置と、を備えることを特徴とする。
マイクログリッドにおいて代表となるエージェントを設けることなく、効率を考慮したエネルギー需給バランスを実現するシステムを提供できる。
エネルギー需給バランス維持システム(第一実施例)の全体構成図である。 エネルギー需給システムの状態情報の一例である。 協調相手検索装置の機能構成図である。 エネルギー需給システムの需給計画誤差情報の一例である。 エネルギーを協調する相手(エネルギー需給システム)を選ぶ処理の一例である。 エネルギー需給バランス維持システム(第二実施例)の全体構成図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<第一の実施形態>
図1にエネルギー需給バランス維持システムの構成例を示す。このシステムは、複数のエネルギー需給システム100と、エネルギー需給システム100が生成する熱、電気などのエネルギーを互いにやり取りするためのエネルギーネットワーク200(図中の太線部分)と、エネルギー需給システム100の間でエネルギー需給バランス維持に関する情報をやり取りするための通信ネットワーク300(図中の細線部分)とを備えている。
エネルギー需給システム100は、他エネルギー需給システム100と協調して、全体の需給バランスを維持するように所定の期間におけるエネルギー需給計画を事前に立案する事前計画作成装置101と、作成した前記エネルギー需給計画と異なる動作をする場合には、計画との差分を補うように協調動作が可能な他エネルギー需給システムを事前に検索し協調動作を要請する協調相手検索装置102と、前記協調相手検索装置102からの協調動作の要請について、協調可否を判断し応答する協調可否判断装置103と、ガスエンジンやガスタービン等の発電機やコージェネレーションシステムやヒートポンプ等の電気や熱を生成するエネルギー生成設備105と、工場の生産ラインやビルの空調機や一般家庭における家電製品等の電気や熱を消費するエネルギー消費設備106と、前記協調相手検索装置102及び前記協調可否判断装置103により決定した協調動作内容に従いエネルギー生成設備105もしくはエネルギー消費設備106を制御する設備制御装置104と、他エネルギー需給システム100とエネルギー需給バランス維持に必要な情報をやり取りするための通信装置107と、を備えている。
事前計画作成装置101は、エネルギー需給システム100がエネルギーネットワーク200を介して消費するエネルギー量、もしくはエネルギーネットワーク200を介して供給するエネルギー量について、所定の期間における自システムの需給計画を作成する。前記需給計画を作成する際は、自システムの過去の需要履歴、供給履歴、温度、湿度等の気象予報情報を用いて自身のエネルギー消費量もしくは供給量を予測しつつ、全体の需給バランスが維持できている計画となるように、他エネルギー需給システム100と通信し、供給量、需要量を相互に調整しながら前記需給計画を作成する。もしくは、需給バランスが維持されるように予め各エネルギー需給システム100の供給量もしくは需要量を所定の値に設定しておいてもよい。例えば、全てのエネルギー需給システム100の供給量、需要量を0[kW]としてもよい。
図2に協調相手検索装置102により他エネルギー需給システム100と共有する状態情報を示す。状態情報は前記事前計画作成装置101により作成した需給計画に対する変更可能量に関する情報と、前記変更可能量が発生する変更可能量発生時刻と、その時刻における追従性能に関する情報を含む。
エネルギー需給システムが供給側になる場合の状態情報を図2左側に、エネルギー需給システムが需給側になる場合の状態情報を図2右側に示す。
前記変更可能量とは、前記需給計画に対して変更可能な量である。供給する場合であれば需給計画値に対して追加で供給可能なエネルギー量を正とし、需給計画値に対して抑制可能なエネルギー量を負とする。需要する場合であれば、需給計画に対して抑制可能なエネルギー量を正とし、需要計画値に対して追加消費可能なエネルギー量を負とする。
前記追従性能は出力の変動速度に関する情報であり、例えばx[kW]の出力に到達するのに要する時間t[sec]や、目標となる出力x[kW]に達する迄に描く出力の軌跡を表す時間と出力の関数など、出力と時間の関係に関する情報である。前記変更可能量と前記追従性能と前記変更可能量発生時刻に関する情報に加え、前記変更可能量分のエネルギーの増減を実行する際の効率情報や、エネルギー需給システム100のエネルギーネットワーク位置情報を表す情報を含んでいてもよい。
前記効率情報とは例えば、供給側の場合、供給機器効率と抑制機器効率を含む。供給効率機器とは、エネルギー生成設備105のエネルギー供給量に対して必要とする燃料の比である。抑制機器効率とは、抑制対象とするエネルギー生成設備の現エネルギー供給量に対して使用している燃料の比である。太陽光発電や風力発電などのように燃料を必要としない再生可能エネルギーの場合、例えば効率情報は無限大とすればよい。需要側の場合、抑制機器効率と利用機器効率を含む。抑制機器効率とは、抑制対象とするエネルギー消費設備の動作効率を表し、例えば空調機の場合、室内への供給エネルギー量と消費エネルギー量の比である。利用機器効率とは、追加で動作させるエネルギー消費設備の動作効率を表し、例えば空調機の場合、室内への供給エネルギー量と消費エネルギー量の比である。
前記エネルギーネットワーク位置情報とは例えば、配管の接続情報や電線の接続情報、接続距離等のエネルギーネットワークにおける位置情報である。ここで、複数種類のエネルギー(電気、熱、など)を協調させる場合、エネルギーネットワーク全体図はエネルギーの種類毎に用意する(図では、簡単のため、単一のエネルギーを協調させる場合の例を示す)。
状態情報に前記効率情報を含むことで、協調要請を検討するエネルギー需給システム100は、効率の良いエネルギー需給システムを優先して選択することが可能になり、全体としてのエネルギー利用効率向上につながる。また、前記エネルギーネットワーク位置情報を含むことで、需給動作の変更により影響を受けるエネルギーネットワークの領域を最小限に抑えるようにネットワーク的に近い他エネルギー需給システムの選択が可能になる。あるエネルギー需給システム100が需給動作を変更すると、エネルギーネットワークの状態が変化し、近隣の他エネルギー需給システムが影響を受ける。例えばエネルギーネットワークが熱供給用の配管であった場合、あるエネルギー需給システム100が需給動作を変更し需要量を増加もしくは減少させると、配管内の圧力分布が変化するため、近隣の他エネルギー需給システム100は需給計画を維持するために、供給用のポンプの吐出圧力または需要量制御のためのバルブ開度を変更する必要がある。需給動作を変更するエネルギー需給システム100と協調動作する他エネルギー需給システム100のエネルギーネットワーク内で離れているほど、影響を受けるエネルギーネットワークの範囲が広がり、配管内の圧力分布状態が不安定になる場合がある。そのため、エネルギーネットワーク的に近いエネルギー需給システム100同士が協調することで需給動作変更による影響を受ける範囲を狭くする必要がある。
他エネルギー需給システム100の効率とエネルギーネットワーク位置情報を考慮して、高効率且つ他システムへの影響の少ない協調相手の検索が可能になり、全体としての効率向上と、安定した需給バランス維持につながる。
図3に協調相手検索装置102が備える機能を示す。協調相手検索装置102は、状態情報収集機能1021と、状態情報配布機能1022と、需給変化予測機能1023と、協調時刻推定機能1024と、協調範囲限定機能1025と、協調相手検索機能1025を備える。状態情報収集機能1021は、他エネルギー需給システム100から通信装置107を介して、ブロードキャストなどにより随時送信される前記状態情報を随時収集し、保持する。状態情報配布機能1022は、前記状態情報を随時生成し、通信装置107を用いて他エネルギー需給システム100へブロードキャスト等により送付する。前記状態情報の変更可能量は、エネルギーを供給するエネルギー需給システム100の場合、例えば該エネルギー需給システム100が保有するエネルギー生成設備105の最大容量から事前作成した前記需給計画の供給量を引いた容量を追加可能な変更可能量とする。抑制可能な変更可能量は、前記需給計画の供給量を担っているエネルギー生成設備105の出力を抑えることで抑制可能な量とすればよい。
エネルギーを需要するエネルギー需給システム100の場合、事前作成した前記需給計画の需要量を消費予定のエネルギー消費設備106に関してさらに消費可能な消費量と、追加で起動させることが可能なエネルギー消費設備106の消費量の総和とする。例えば、需給計画の需要量を消費予定のエネルギー消費設備が空調設備の場合、予定していた設定温度を増減させることで変更可能なエネルギー消費量である。前記設定温度の増減範囲は、国際標準化団体や学会などにより策定された快適性指標や、前記空調設備が設置されている空間の断熱性能などの建物情報や、外気温、湿度などの気象情報や、過去の設定温度履歴などをもとに算出する。また、需給計画の需要量を消費予定のエネルギー消費設備が工場などの生産設備の場合、予定していた生産計画を、納期などの制約条件にもとづいて変更した場合に増減するエネルギー消費量である。また、需給計画の需要量を消費予定のエネルギー消費設備は蓄電池や蓄熱槽でもよい。
前記状態情報の追従特性は、エネルギーを供給するエネルギー需給システム100の場合、前記変更可能量分の協調動作を実際に実行する予定のエネルギー生成設備105の定格性能値や、過去の稼働履歴情報から導出した性能値をもとに導出すればよい。協調動作を実行予定のエネルギー生成設備が複数ある場合は、各エネルギー生成設備の前記定格性能値や過去の稼働履歴情報から導出した性能値を合成した特性を用いればよい。
エネルギーを需要するエネルギー需給システム100の場合、前記変更可能量分の協調動作を実際に実行する予定のエネルギー消費設備105の定格性能値や、過去の稼働履歴情報から導出した性能値をもとに導出すればよい。協調動作を実行予定のエネルギー消費設備が複数ある場合は、各エネルギー消費設備の前記定格性能値や過去の稼働履歴情報から導出した性能値を合成した特性を用いればよい。
前記状態情報の動作効率は、エネルギーを供給するエネルギー需給システム100の場合、前記変更可能量分の協調動作を実際に実行する予定のエネルギー生成設備105の定格仕様の出力効率や、過去の稼働履歴情報から導出した出力をもとに導出した出力効率を用いればよい。協調動作を実行予定のエネルギー生成設備が複数ある場合は、各エネルギー生成設備の定格仕様に基づいた出力効率や過去の稼働履歴情報から導出した出力効率を合成した特性を用いればよい。
エネルギーを需要するエネルギー需給システム100の場合、前記変更可能量分の協調動作を実際に実行する予定のエネルギー消費設備105の定格仕様のエネルギー消費効率や、過去の稼働履歴情報から導出したエネルギー消費効率をもとに導出すればよい。協調動作を実行予定のエネルギー消費設備が複数ある場合は、各エネルギー消費設備の定格仕様のエネルギー消費効率や過去の稼働履歴情報から導出したエネルギー消費効率を合成した特性を用いればよい。
前記状態情報のエネルギーネットワーク位置情報は、予め作成しておいた配管や電線の敷設情報に自身が接続している場所を付与した情報である。
需給変化予測機能1023は、前記需給計画を実行中もしくは実行前に、定期的または任意のタイミングで繰り返し動作し、図4に示す前記需要計画との計画誤差量と、前記誤差量の時間的特性である変動特性を予測する。
エネルギーを供給するエネルギー需給システム100の場合、前記需給計画を実行する予定のエネルギー生成設備105が太陽光発電、風力発電、太陽熱供給などの再生可能エネルギーの場合、天候、気温、湿度、風力などの気象情報から出力変化を推測し、前記需要計画との計画誤差量及び変動特性を予測すればよい。前記需給計画を実行する予定のエネルギー生成設備105が発電機や蓄電池などの制御可能な設備の場合、メンテナンス情報や過去の稼働履歴情報からエネルギー生成出力の変動を予測し、前記需要計画との計画誤差量と、前記誤差量の時間的特性である変動特性を予測すればよい。エネルギー生成設備105が太陽光発電、風力発電、太陽熱供給などの再生可能エネルギーであり、需給計画以下のエネルギー生成量の場合、計画との誤差量を正とし、需給計画以上のエネルギーを生成する場合、計画との誤差量を負とする。
エネルギーを需要するエネルギー需給システム100の場合、前記需給計画を実行する予定のエネルギー消費設備106が空調設備などの場合、天候、気温、湿度、風力などの気象情報から出力変化を推測し、前記需要計画との計画誤差量及び変動特性を予測すればよい。前記需給計画を実行する予定のエネルギー消費設備106が工場などの生産ライン設備などの場合、生産計画の変更にともない変化する生産ラインの消費エネルギーを推測し、前記需要計画との計画誤差量及び変動特性を予測すればよい。エネルギー消費設備としては蓄電池、蓄熱槽などの蓄エネルギー設備でもよい。エネルギー消費設備が需給計画以上のエネルギー消費量の場合、計画との誤差量を正とし、需給計画以下のエネルギー消費量の場合、需給計画誤差を負とする。
予測した誤差量が予め設定した所定の閾値を超えた場合、協調時刻推定機能1024、協調範囲限定機能1025、協調相手検索機能1025が動作し、協調相手を検索する。
協調時刻推定機能1024は、前記需給変化予測機能1023が作成した需給計画誤差情報に対し、エネルギー供給者もしくはエネルギー消費者にとって許容可能な閾値を設定し、該閾値を需給計画誤差の値が超過する時刻を算出する。許容可能な閾値とは、エネルギー供給者の場合、エネルギー生成設備105が太陽光発電、風力発電、太陽熱供給などの再生可能エネルギーの場合、天候変化などによりエネルギー生成量が需給計画値以上もしくは以下となる。この時、エネルギーネットワーク200への影響が大きく他エネルギー需給システムに障害を与えてしまう可能性が高い値を閾値として設定する。例えばエネルギーネットワークを介して電力供給を行う場合、需給バランスが大きく崩れるとエネルギーネットワークに接続しているエネルギー需給システム全てが停電してしまうという影響が出る。設定する閾値は、エネルギー需給システム間で予め決めておいた所定の値を用いてもよい。もしくは、都度、エネルギーネットワークの解析を行い、状況に合わせて閾値を算出してもよい。
エネルギー需給者の場合、エネルギー消費設備106が空調設備の場合、国際標準化団体や学会などにより策定された快適性指標をもとにエネルギー需給者にとって限界となる限界不快値を予め設定しておき、各時間帯について、空調設備が設置されている空間の断熱性能などの建物情報や、外気温、湿度などの気象情報や、過去の設定温度履歴などをもとに限界不快値となる室内温度を算出し、該室内温度とするために必要なエネルギー量と需給計画値との差を許容可能な閾値とすればよい。また、エネルギー消費設備106が工場などの生産設備の場合、納期などの制約を守るために最低限必要なエネルギーを推測し、需給計画値との差分量を許容可能な閾値とすればよい。
協調相手検索機能1025は、エネルギーを協調する相手となるエネルギー需給システムを選ぶ機能である。なお協調相手検索装置102が備える各機能は個別に装置として存在してもよい。
図5を用いて、協調相手検索機能1025がエネルギーを協調する相手となるエネルギー需給システムを選ぶ処理を説明する。
まず、状態情報収集機能1021が他のエネルギー需給システムの状態情報を収集する(S501)。その収集した中から、需要変化予測機能1023が作成した計画誤差量情報の計画誤差量、変動特性の両方を満足できる状態情報を検索する(S502)。
計画誤差量が正の場合、変更可能量の正の値が計画誤差量以上となる状態情報を検索する。計画誤差量が負の場合、変更可能量の負の値が計画誤差量以下となる状態情報を検索する。変動特性については、例えばある出力x[kW]に到達するのに要する時間が自身のx[kW]に到達するのに要する時間よりも短いものを検索する。または、変動特性が目標となる出力x[kW]に達する迄の出力と時刻の軌跡で表される場合、自身の変動特性を表す出力と時刻の軌跡を上回る軌跡となるものを検索する。
この条件を満足できる状態情報のエネルギー需給システムが複数存在するかを調べる(S503)。その結果、この条件を満足できる状態情報のエネルギー需給システムが複数存在している場合、動作効率をもとに、協調相手を決定する。
自身の計画誤差量が正の場合、需要側の状態情報については抑制機器効率が最も低いものを優先して協調相手とする。需要側の状態情報が存在せず、供給側の状態情報のみの場合、供給機器効率が最も高いものを優先して協調相手とする。
自身の計画誤差量が負の場合、供給側の状態情報については抑制機器効率が最も低いものを優先して協調相手とする。供給側の状態情報が存在せず、需要側の状態情報のみの場合、利用機器効率が最も高いものを優先して協調相手とする(S504)。
前記処理にて選定したエネルギー需給システムが複数ある場合(S505)は、さらにエネルギーネットワーク位置情報をもとに、距離的に近いものを優先的に協調相手とする(S506)。なお、この処理により、全体効率の向上や需給バランス維持の安定化につながる。決定した協調相手(エネルギー需給システム)に対し、通信装置107を介して協調動作要請の情報を送信する(S508)。S503またはS505にて、条件を満足できる状態情報のエネルギー需給システムがひとつしか存在しない場合、その唯一存在するエネルギー需給システムを協調相手として決定し(S507)、その協調相手に協調動作要請の情報を送信する(S508)。
<第二の実施形態>
第一の実施形態では、事前計画作成装置101、協調相手検索装置102、協調可否判断装置103が各エネルギー需給システム100内に配置されている場合について説明したが、第二の実施形態では、一つのサーバ装置を設け、該サーバ装置内に各エネルギー需給システム100と通信するエージェント装置を設け、該エージェント装置は事前計画作成装置101、協調相手検索装置102、協調可否判断装置103を含む構成の実施形態について説明する。
図6に第二の実施形態におけるエネルギー需給バランス維持システムの構成例を示す。中央サーバ装置400は各エネルギー需給システムに一対一対応したエージェント装置500を備えており、各エージェント装置500は、事前計画装置101、協調相手検索装置102、協調可否判断装置103を備えている。各装置の機能は第一の実施形態と同じである。

Claims (9)

  1. エネルギー生成装置、エネルギー消費設備を備えるマイクログリッド内におけるエネルギー需給維持方法であって、
    前記エネルギー生成装置又は前記エネルギー消費設備から、供給余力又は需給能力に関する状態情報と、当該状態情報が変化した際の追従特性情報を収集するステップと、
    前記エネルギー生成装置又は前記エネルギー消費設備におけるエネルギー生成又はエネルギー消費を予想するステップと、
    前記予想されたエネルギー生成又はエネルギー消費と、前記状態情報と、前記追従特性情報と、から、前記予想されたエネルギー生成又はエネルギー消費に応じたエネルギーの生成又は消費が可能なエネルギー生成装置又エネルギー消費設備選択するステップと、を備えることを特徴とするエネルギー需給維持方法。
  2. エネルギー生成装置、エネルギー消費設備を備えるマイクログリッド内におけるエネルギー需給バランス維持システムであって、
    所定の期間におけるエネルギー需給計画を、他のエネルギー需給バランス維持システムと協調して立案する事前計画作成装置と、
    前記エネルギー需給計画と異なる需給動作をする際に、前記他のエネルギー需給バランス維持システムから供給余力又は需給能力に関する状態情報を収集し、前記エネルギー需給計画との差分について協調動作が可能な前記他のエネルギー需給バランス維持システムを前記状態情報の中から検索し、協調動作を要請する協調相手検索装置と、前記協調相手検索装置からの協調動作の要請について、協調可否を判断し応答する協調可否判断装置と、
    前記協調相手検索装置及び、前記協調可否判断装置と、により決定した協調動作内容に従いエネルギー生成設備もしくは消費設備を制御する設備制御装置と、
    を備えることを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
  3. 請求項2に記載のエネルギー需給バランス維持システムにおいて、
    前記状態情報に、前記エネルギー需給計画から変更可能な上下限値と、出力と時間の関係で表される追従特性とを備えることを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
  4. 請求項3に記載のエネルギー需給バランス維持システムにおいて、
    前記状態情報に、エネルギー需給システムが備えるエネルギー生成設備やエネルギー消費設備に関する効率情報を備えることを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
  5. 請求項3に記載のエネルギー需給バランス維持システムにおいて、
    前記状態情報に、電線や配管などのエネルギーネットワークへのエネルギー需給システムの接続場所に関するエネルギーネットワーク位置情報と、を備えることを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
  6. 請求項3に記載のエネルギー需給バランス維持システムにおいて、
    前記状態情報にさらに前記効率情報と前記エネルギーネットワーク位置情報と、を備えることを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
  7. 請求項3乃至6のいずれか一項に記載のエネルギー需給バランス維持システムにおいて、
    前記協調相手検索装置は、前記エネルギー需給計画からの誤差分を予測する需給変化予測機能と、エネルギー需給者の快適性に関する限界値などに基づき協調相手が必要な時間帯を推定する協調時刻推定機能と、前記協調時刻推定機能により推定された時間帯において前記エネルギー需給計画からの誤差分と変動性能を満たすエネルギー需給システムを検索する協調相手検索機能と、を備えることを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
  8. 請求項7に記載のエネルギー需給バランス維持システムにおいて、
    前記協調時刻推定機能は、エネルギー需要者にとって限界となる限界不快値を定め、該限界不快値をもとに前記需要計画値との許容誤差を定めることを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
  9. 請求項7に記載のエネルギー需給バランス維持システムにおいて、
    前記協調相手検索機能は、電線や配管などのエネルギーネットワークの接続情報であるエネルギーネットワーク位置情報をもとに協調相手を選択することを特徴とするエネルギー需給バランス維持システム。
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