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JP2014061589A - ロボット塗装装置 - Google Patents

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JP2014061589A
JP2014061589A JP2013187635A JP2013187635A JP2014061589A JP 2014061589 A JP2014061589 A JP 2014061589A JP 2013187635 A JP2013187635 A JP 2013187635A JP 2013187635 A JP2013187635 A JP 2013187635A JP 2014061589 A JP2014061589 A JP 2014061589A
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Grzegorz Bania Andrzej
グジェゴシ バニア アンジェイ
Michael G Beem
ジー.ビーム マイケル
Bryon Gerds Ii James
ブライヨン ジェーズ ザ セカンド ジェイムズ
Gora Marcin
ゴラ マーシン
Henry Mcclosky Stan
ヘンリー マックロスキ スタン
michael moore David
マイケル ムーア デイビッド
Ray Sikowski Matthew
レイ サイコウスキ マシュー
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Fanuc Robotics America Corp
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Abstract

【課題】ロボットを所望の位置及び向きに平行移動させる直線状のレールシステムを不要にして塗装ブースの寸法をより一層縮小するロボット塗装装置を提供する。
【解決手段】ワークピースを塗装するロボット塗装装置は、ロボット塗装システムにおいて使用される冗長軸ロボットを有する。冗長回転軸によって、障害物を回避するとともにワークピースの内部に伸長してワークピースに塗料を塗布する際の追加の柔軟性がロボットアームに提供される。ロボット装置は、7軸ロボットアーム、又はパネルを開閉する5軸のパラレルリンク式のパネル用オープナーロボットアームでありうる。それらロボットアームは塗装ブースを通るワークピースの移動経路に隣接する少なくとも1つの鉛直向きのカラムに設置される。それらロボットアームは共通の基部に設置されうる。
【選択図】図1

Description

本出願は、2012年9月10日出願の米国仮出願第61/698,952号の優先権を主張する。その米国仮出願の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。また、本出願は、2012年10月5日出願の米国仮特許出願61/710,096号の優先権を主張する。その米国仮出願の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
本発明は、塗装ロボットに関し、より具体的に、塗装ブースにおいて使用される塗装ロボットに関する。
従来技術による塗装ブースが公知である。連続的な搬送及び停止の双方の定置システムにおいて車体の外面を塗装するのに使用される典型的な従来技術による塗装ブースは、周囲に配置された複数の塗装ロボット及びオープナーロボットを収容する格納体を含んでいる。これらロボットは、床部、壁部、又はレールに設置されうる。塗装ロボットは、噴霧された塗料を車体の方に向けるスプレーガン又は回転式の塗布器(ベルマシン)を担持している。
新たに製造された自動車車体は、典型的には、ドアが取り付けられた状態で塗装される。塗装工程の間に、それらドアは、自動車車体の内部の塗装が容易になるように、開放位置から閉塞位置に移動される。自動車車体の内部の塗装が完了したら、それらドアは閉塞位置に戻される。それらドアを開閉工程の間に把持して移動する目的のために、関節式アームの端部に配置される特別に形成された工具を具備するオープナーロボットが典型的に使用される。自動車本体には、自動車のボンネット及びテールゲート乃至トランクの蓋が取り付けられることもでき、それらはドアと同様に塗装工程の間に開閉される必要がある。
従来技術による塗装ロボット及びオープナーロボットは、本来的に非常に高価であるし、ブースへの視覚的なアクセスを制限する。例えば、従来技術による床面設置型のロボットは、既存の塗装ブースに据え付けられるときにブースの大幅な改造を必要とするので、据付け時間及び費用が増大するし、ブースの長さ及び幅がより大型でなければならない。ロボットアーム及び基部における塗料の堆積の原因となるスプレー飛沫の吹き下ろしに起因して、床面設置型のロボットは頻繁に清浄化される必要があり、その結果として、メンテナンス及び清浄化の費用が高額になる。さらに、1つの塗装ロボットでは、物品の側部における概ね全ての塗装可能面に到達することができないし、1つのオープナーでは、開放されるべき全ての領域に到達することができないので、追加のロボット領域が必要になることが多い。従って、それらは動作不能になったロボットのバックアップ機能を欠いている。1つのロボットが動作不能になったら、塗装ブース全体が動作不能になって、遅延及びダウンタイム費用が発生する。
また、従来技術による床面設置型のロボットは柔軟性を欠いている。多くの場合、柔軟性の欠如は、ロボットアームを有する従来技術の床面設置型ロボットが、6つのみの別個の回転軸線回りに回転するように分割されていることに起因する。これら6軸式ロボットの終端部に配置されるエンドエフェクタ工具は、ロボットアームの分割部分の限られた数の立体配置を使用してジョブエンベロープ内の所定の位置及び向きに到達できるだけであり、多くの場合、1つの立体配置のみによって、エンドエフェクタ工具が1つの特定の位置及び向きに到達できるにすぎない。これらの限定された立体配置は、エンドエフェクタ工具の所望の位置及び向きが原因で、従来技術による6軸ロボットが塗装ブース内に含まれる他のロボット又は構成部品と干渉する場合に、問題となりうる。このような柔軟性の欠如を是正することを目的として、従来技術による多くの塗装ブースでは、6軸ロボットを直線状のレールシステムに配置することによって、6軸ロボットに追加の自由度を付与している。これらのレールシステムは過度に高価になりうるし、空間的な制限を有しうる。また、従来技術によるレール設置型のロボットは、ロボットが移動式のコンベアを追尾して移動できるようになるレールを必要とする。ロボットのレールの軸線は、ブースの各端部のドアを必要とする。ロボットの胴部の軸線は、吹付けブースの端部の付加的な安全領域(単数又は複数)を必要とするし、また、床面装着型ロボットのレールキャビネットは通路空間内に侵入しており、多大な費用が追加される。
従って、ロボットを効率的かつ費用効率の良い態様で利用し、塗料廃棄物を最小限に抑え、塗装ブースにおいて少ししか場所場所(長さ及び幅)を取らず、また、ブースの大幅な改造を必要とせずに既存の塗装ブースに導入可能である塗装装置及び塗装システムを提供することが望ましい。
上述した塗装システムの改変例が特許文献1に開示されている。特許文献1には、対象物を塗装する塗装装置が記載されており、塗装装置は、塗料散布器を有する4軸ロボットアームが設置された高架式かつ管状の枠レールを含んでいる。ロボットは、車体の頂部及び側部の少なくともいずれか一方の塗装が可能になるようにレールに沿って移動する取付基部に取り付けられる。電気的な動力ライン及び流体ラインがレールを通ってロボットまで経路付けされうる。2つのそのようなレール及び複数のロボットは、新品又は既存の塗装ブースに導入されるモジュールとして組み合わせられることができる。
米国特許第7650852号明細書
しかしながら、ロボットを所望の位置及び向きに平行移動させる直線状のレールシステムを不要にすることによって塗装ブースの寸法をより一層縮小することが依然として望ましい。
本発明に従って、塗装ブースの寸法を大幅に縮小するロボット塗装システムにおける冗長ロボットが驚くことに見出された。本発明によれば、冗長軸塗装ロボットは、ロボットの利用可能なエンベロープを増大させることによってブースの寸法を縮小することができる。冗長軸線は、塗装ロボットの動作の間に、障害物、車体、及びオープナーロボットを回避するのに使用される。
本発明の1つの実施形態は、塗装ブースにおけるワークピースの操作を実行する冗長ロボットに関する。冗長ロボットは、塗装ブースを通るワークピースの移動経路の側部に隣接する固定位置に設置される基部と、ワークピースの操作を実行するように基部に取り付けられる関節型の冗長ロボットアームと、を備える。基部は、移動経路の側部に隣接して位置決めされた鉛直カラムに設置されうる。冗長ロボットアームは、肩部の回転軸線と肘部の回転軸線との間に位置決めされた冗長回転軸線を有する7軸塗装ロボットアームでありうる。第1の回転軸線及び肩部の回転軸線は直角をなして交差する。7軸塗装ロボットアームは、第1の外側延在部と第2の外側延在部とを備える外側アーム部分を含む。第1の外側延在部の第1の端部は、7軸塗装ロボットアームの内側アーム部分に結合されており、また、第1の外側延在部の第2の端部は、第2の外側延在部の第1の端部に調節可能に結合されており、それにより、第1の外側延在部と第2の外側延在部との間の角度方向の向きが選択的に調節されて、選択された角度方向の向きが第1の外側延在部と第2の外側延在部との間の静的な結合部として固定される。第1の外側延在部と第2の外側延在部との間の調節可能な結合部は、第2の外側延在部の長手方向軸線が、内側アーム部分の長手方向軸線からオフセットされることを可能にする。7軸塗装ロボットアームの内側アーム部分は、角度付けされた長手方向軸線を有しうる。7軸塗装ロボットアームは、7軸塗装ロボットアームの2つの軸線にまたがる部分を有していて7軸塗装ロボットアームから離脱されている塗料導管のホースルーム(hose loom)を含みうる。それら2つの軸線は、胴部の軸線及び肩部の軸線であるか、又は冗長軸線及び肘部の軸線である。ホースルームは、肩部の軸線と冗長軸線との間において7軸塗装ロボットアームの内部を通るように経路付けされた部分を有しうる。また、ホースルームは、一緒に経路決めされて螺旋の撚糸状にされる複数の塗料導管から形成されうる。
冗長ロボットアームは、回転可能に連結された3つのパラレルリンクと、ワークピースの少なくとも1つの開放パネルを開放する取付式のオープナー工具とを有する5軸オープナーロボットアームでありうる。3つのパラレルリンクは、それらリンクの回転軸線の方向において互いにオフセットされている。冗長ロボットは、1つ又は2つ以上のロボットアーム又は開放デバイスが設置される共通の基部を有しうる。
1つの実施形態において、開放ドアパネル、開放ボンネットパネル、及び開放デッキパネルを有する車体を塗装するロボット塗装システムは、塗装ブースを通る車体の移動経路の両側部に位置決めされる複数の鉛直カラムを備える。ロボット塗装システムは、車体の第1の外部塗膜を形成するように鉛直カラムの第1の対に取り付けられる6軸塗装ロボットアーム又は7軸塗装ロボットアームの第1の対と、車体の内部を塗装するように鉛直カラムのうちの4つにそれぞれ1つずつ取り付けられる4つの7軸塗装ロボットアームと、車体の第2の外部塗膜を形成するように鉛直カラムの第2の対に取り付けられる6軸塗装ロボットアーム又は7軸塗装ロボットアームの第2の対と、をさらに備える。
本発明に係る冗長軸塗装ロボットを示す正面図である。 図1の冗長軸塗装ロボットの左向きの立体配置を示す正面図である。 図1の冗長軸塗装ロボットの右向きの立体配置を示す正面図である。 第1の調節可能な立体配置を有する図1の塗装ロボットの外側アーム部分を示す正面図である。 第2の調節可能な立体配置を有する図1の塗装ロボットの外側アーム部分を示す正面図である。 第3の調節可能な立体配置を有する図1の塗装ロボットの外側アーム部分を示す正面図である。 塗装ロボットの胴部の軸線と肩部の軸線とにまたがるホースルームを示す、図1の塗装ロボットの斜視図である。 図4Aのホースルームの第1の取付点と第2の取付点とを示す、図1の塗装ロボットの斜視図である。 図4Aのホースルームの第3の取付点と第4の取付点とを示す、図1の塗装ロボットの斜視図である。 螺旋の撚糸状の配列体を有するホースルームを示す、図4Aのホースルームの一部分の拡大斜視図である。 本発明に係るドア用オープナーロボットを示す斜視図である。 本発明に係るボンネット乃至デッキ用オープナーロボットを示す斜視図である。 従来技術による3リンク式ロボットアームの車体との干渉状態を示す平面図である。 車体との干渉状態を回避する図5のドア用オープナーロボットを示す平面図である。 レールシステムを利用する従来技術による塗装ブースを示す平面図である。 図8Aの従来技術による塗装ブースと比較して寸法が縮小されることを示す、本発明に係る塗装ブースの平面図である。 図8Bの塗装ブースの異なる立体配置を示す斜視図である。 図6のボンネット乃至デッキ用オープナーロボットと図1の冗長軸ロボットアームとを含む2アーム式の共通基部ロボットを示す斜視図である。
添付図面に照らして考慮すると、本発明の上述した利点と他の利点とが、好適な実施形態についての以下の詳細な説明から、当該技術分野の当業者に容易に明らかになるであろう。
以下の詳細な説明及び添付図面には、本発明の種々の例示的な実施形態が記載され、かつ示されている。詳細な説明及び図面は、当該技術分野における当業者が本発明を実施でき、使用できるようにする役割を果たしており、如何なる態様においても本発明の範囲を限定するようには意図されていない。開示された方法に関して、提示された工程は元来例示的なものであり、それゆえに、各工程の順番は必須ではないし重要でもない。
図1は、本発明に係る7軸塗装ロボット20の正面図である。7軸塗装ロボット20は、レールシステムを使用することなくロボットの使用可能なエンベロープを増大させることによってブース寸法の縮小を可能にする冗長回転軸を含んでいる。冗長軸線によって、7軸塗装ロボット20が所望の位置及び向きまで作動されるときに、7軸塗装ロボット20が、塗装ブースにおける障害物、例えば、ワークピース、及びパネル用のオープナーデバイスを回避できるようになる。同様に、冗長軸線によって、レール無しでも、ドア用の5軸オープナー及びボンネット乃至デッキ用の5軸オープナーを使用できるようになる。
7軸塗装ロボット20は、モジュール式の基部21に設置された7軸作動式のロボットアームであり、モジュール式の基部21は、種々の設置位置、例えば、壁面設置又は頭上設置に対応可能である。図1において、モジュール式の基部21は、鉛直面(図示しない)、例えば、塗装ブースの壁部、又は塗装ブースにおいて使用される鉛直ポスト又はカラムに取り付けられるように方向付けされている。7軸塗装ロボット20はモジュール式の基部21から下方に延在しているので、図1に示される7軸塗装ロボット20の設置の際の立体配置は、転倒設置型の立体配置であるとみなされる。
図1に示される通り、7軸塗装ロボット20が「胴部(waist)」の回転軸線とも称される第1の回転軸線A1回りに回転するように、7軸塗装ロボット20はモジュール式の基部21に回転可能に結合される。第1の回転軸線A1は鉛直方向に整列された回転軸として示されており、第1の回転軸線A1によって、ロボットアーム20が、水平方向に整列された平面において第1の回転方向R1に回転できるようになる。「肩部(shoulder)」の回転軸線とも称される第2の回転軸線A2は、第1の回転軸線A1に対して直角をなして交差するとともに第1の回転軸線A1を横切るように延在しており、第2の回転軸線A2によって、図1に示される通り、第2の回転方向R2におけるロボットアーム20の鉛直面に沿った回転運動が可能になる。設置の際の異なる立体配置によって、図1に示されるものとは異なる空間的な向きを有する第1及び第2の回転軸線A1,A2が得られることが理解されるべきである。
7軸塗装ロボット20の第1の又は内側アーム部分22は、第2の回転軸線A2回りに回転するように、第1の端部においてモジュール式の基部21に回転可能に結合されている。内側アーム部分22は、全体的に湾曲され又は角度付けされるとともに2つの部分を含む構造部から形成されており、それにより、右側及び左側の配置部、並びに7軸塗装ロボット20の最適化されたリーチが提供される。図1に示されるように、内側アーム部分22は、第1の内側延在部22Aと、第2の内側延在部22Bとを含んでいる。第1の内側延在部22Aの第1の端部は、第2の回転軸線A2においてモジュール式の基部21に回転可能に結合されており、第1の内側延在部22Aの第2の端部は、第2の内側延在部22Bの第1の端部に静的に固定されている。第2の内側延在部22Bの長手方向軸線は、第1の内側延在部22Aの長手方向軸線に対して角度付けされていて、モジュール式の基部21に対する第2の内側延在部22Bのオフセットを形成している。第2の内側延在部22Bと、モジュール式の基部21との間のオフセットによって、内側アーム部分22は、モジュール式の基部21に干渉も衝突もせずに、より広範な可動域又はモジュール式の基部21回りの回転範囲を達成できるようになる。
第2の内側延在部22Bの第2の端部は、肘状の構成部品23の第1の端部に、第3の回転軸線A3回りに回転可能に結合されていて、第3の回転方向R3に回転できるようになっている。図1に示されるように、第3の回転軸線A3は、内側アーム部分22と、モジュール式の基部21との間の形成される回転可能な連結部において、第1の回転軸線A1及び第2の回転軸線A2の双方と交差している。肘状の構成部品23は、内側アーム部分22を、第2の又は外側アーム部分24に連結する。肘状の構成部品23は、「肘部(elbow)」の回転軸線としても公知である第4の回転軸線A4回りに回転可能である、内側アーム部分22と外側アーム部分24との間の回転可能な連結部を形成していて、第4の回転方向R4に回転できるようになっている。肘状の構成部品23と、内側アーム部分22の第2の内側延在部22Bとの間に形成される第3の回転軸線A3は、第4の回転軸線A4を横切るように整列されていて、第4の回転軸線A4と交差している。
外側アーム部分24は、第4の回転軸線A4回りに回転するように、第1の端部において、肘状の構成部品23の第2の端部に設置される。外側アーム部分24は、モジュール式になっていて、第1の外側延在部24Aと第2の外側延在部24Bとを含んでいる。第1の外側延在部24Aの第1の端部は、第4の回転軸線A4において、肘状の構成部品23の第2の端部に回転可能に結合されており、第1の外側延在部24Aの第2の端部は、第2の外側延在部24Bの第1の端部に調節可能に連結されている。第1の外側延在部24Aと第2の外側延在部24Bとの間に形成される調節可能な連結部によって、第2の外側延在部24Bの長手方向軸線を、第1の外側延在部24Aの長手方向軸線に対する種々の角度方向の向きに選択的に調節できるようになる。一旦、調節可能な連結部が第1及び第2の外側延在部24A,24B間に形成されると、その連結部が固定されて静的な連結部を形成するとともに、第1及び第2の延在部24A,24Bが7軸塗装ロボット20の操作の間に一緒に移動されることが理解されるべきである。例えば、延在部24A及び延在部24Bは、選択的な角度調節の目的ために回転可能に結合されうるし、選択された角度を固定する留め手段を受容する複数の孔の環状アレイを備えうる。
調節可能な結合部によると、第2の外側延在部24Bは、第1の外側延在部24Aに対して多数の異なる立体配置を有するように取り付けられ又はクロックされることができ、それにより、左向き及び右向きの立体配置(それぞれ図2A及び図2Bに示される通り)、並びに異なる運動学的な立体配置及びアーム寸法(図3A、図3B、及び図3Cに示される通り)が提供される。第1の外側延在部24Aは、肘状の構成部品23及び内側アーム部分22に対する第2の外側延在部24Bのオフセットを形成して、外側アーム部分24の「近接到達(near reach)」機能を向上させる。外側アーム部分24の「近接到達」機能とは、モジュール式の基部21に隣接して位置する、7軸塗装ロボット20のジョブエンベロープ領域に、外側アーム部分24がアクセスする能力を意味する。上述されるとともに、図3A、図3B、及び図3Cに示されるように、7軸塗装ロボット20の運転者は、7軸塗装ロボット20の全長、内側アーム部分22に対する外側アーム部分24の可動域、内側アーム部分22に対する第2の外側延在部24Bのオフセット量を変更する目的のために、第2の外側延在部24Bに対する第1の外側延在部24Aの位置を選択しうる。外側アーム部分24のこのような調節機能は、ジョブ物品の特定の部位に到達する目的、又は特定のタスクを遂行しようとする間に7軸塗装ロボット20が衝突しうる障害物(7軸塗装ロボット20自体の構成部品を含む)を回避する目的のために、アームの長さ又は向きが可変であることを要求しうるタスク向けに、オペレータが7軸塗装ロボット20の設定を行うのに役立つ。
手首状の構成部品25は、第5の回転軸線A5において、外側アーム部分24の第4の延在部24Bの第2の端部に回転可能に結合されていて、第5の回転方向R5に回転できるようになっている。第5の回転軸線A5は、外側アーム部分24の第4の延在部24Bの長手方向軸線に対して平行に整列されている。手首状の構成部品25は、第1の手首分割部25A、第2の手首分割部25B、及び第3の手首分割部25Cを含んでいる。第1の手首分割部25Aの第1の端部は、第5の回転軸線A5回りに回転するように、第4の延在部24Bの第2の端部に回転可能に結合されており、第1の手首分割部25Aの第2の端部は、第6の回転軸線A6回りの第6の回転方向R6に回転するように、第2の手首分割部25Bの第1の端部に回転可能に結合されている。第6の回転軸線A6は、第5の回転軸線A5に対して角度付けされており、それにより、第2の手首分割部25Bが第6の回転軸線A6回りに回転する間に、第2の手首分割部25Bと第3の手首分割部25Cとが、外側アーム部分24の第4の延在部24Bに対して傾斜するようになっている。このような理由により、第6の回転軸線A6は、「傾斜(tilt)」回転軸線と称されることがある。
第2の手首分割部25Bの第2の端部は、第3の手首分割部25Cの第1の端部に、第7の回転軸線A7回りに回転可能に結合されており、第7の回転方向R7に回転できるようになっている。第7の回転軸線A7は、第6の回転軸線A6に対して角度付けされるように整列されるとともに、第5の回転軸線A5に対して平行に、かつ第5の回転軸線A5からオフセットされるように整列される。塗料塗布器26は、第3の手首分割部25Cの第2の端部に取り付けられる。塗料塗布器は、任意の種類の適切な塗料塗布器、例えば、噴霧パターンが円形である釣鐘状の塗布器、又は伝統的なスプレーガンとされうることが理解されるべきである。また、7軸塗装ロボット20の所望の用途に応じた任意の個数の構成部品、例えば、溶接工具、把持工具、留め工具等が、塗料塗布器26の代わりに、第3の手首分割部25Cの第2の端部に取り付けられうることが理解されるべきである。従って、7軸塗装ロボット20によって実行されうる異なるタスクに対応して、塗料塗布器26又は任意の他のエンドエフェクタとしてのロボット工具が、第3の手首分割部25Cに取外し可能に取り付けられうることがさらに理解されるべきである。
上述したように、7軸塗装ロボット20は、7つの回転方向R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7の回転に対応する7つの別個の回転軸線A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7を備えている。7軸塗装ロボット20が7軸塗装ロボット20のジョブエンベロープ内の所望の位置及び向きに到達するのに必要なのは、7軸塗装ロボット20の遠位端部に配置される塗料塗布器26用の6つの回転軸線のみであるので、第7の回転軸線を追加したことが原因で、7軸塗装ロボット20は冗長回転軸線を有するようになる。第2の回転軸線A2(肩部の回転軸線)と第4の回転軸線A4(肘部の回転軸線)との間に第3の回転軸線A3を追加したことに起因して、7軸ロボットアーム20は伝統的な6軸ロボットアームとは相違するようになる。従って、第3の回転軸線が冗長回転軸線であると考えられる。
冗長回転軸線を有するロボットシステムは、ロボットアームのエンドエフェクタ工具の位置及び向きを変更することなく、ロボットアームの構成部品の立体配置を、ロボットアームの原点と、ロボットアームのエンドエフェクタ工具との間において変更することができる。従って、冗長回転軸線(第3の回転軸線A3)を追加することによって、塗料塗布器26が固定された位置及び向きに留めておきながら、内側アーム部分22、肘状の構成部品23、外側アーム部分24、及び胴状の構成部品25を可変的に位置決めできるようになる。7軸塗装ロボット20の構成部品22,23,24,25が複数の代替の立体配置に位置決め可能であり方向付け可能であることによって、7軸塗装ロボット20は、障害物を回避するように、また、伝統的な固定式の6軸ロボットでは到達不可能でありうるワークピースの部位に到達するように形成されることができる。次いで、このような柔軟性によると、7軸塗装ロボット20は、空間の制約、及び特定のタスクの遂行に複数の6軸ロボットを設ける必要性が軽減されるような態様で導入されることができる。
図4Aから図4Dは、ブース寸法の縮小を達成する塗料導管の経路付け方法を示している。複数の塗料導管が螺旋の撚糸と一緒に経路決めされて、図4Dに示されるホースルーム27が形成される。ホースルーム27を形成する塗料導管を撚糸状にすることによって、7軸塗装ロボット20の移動の際に、複数の塗料導管が纏められたまま維持される。ホースルーム27は、7軸塗装ロボット20が全可動域を維持できるように、7軸塗装ロボット20の選択された箇所に取り付けられる。ホースルーム27は、モジュール状の基部21に隣接する鉛直に配列された面、例えば、塗装ブースの壁部又はカラムに典型的に設置されるとともに、当該面を起点とする。しかしながら、ホースルーム27が、要望に応じて、モジュール状の基部21又は塗装ブース内に含まれる任意の他の構成部品を起点としうることが理解されるべきである。図4Bに示されるように、7軸塗装ロボット20へのホースルーム27の第1の取付点81は、7軸塗装ロボット20の内側アーム部分22に位置する。第1の取付点81のその位置によって、ロボットアーム20、並びに7軸塗装ロボット20の2つの回転軸線、すなわち、第1の回転軸線A1及び第2の回転軸線A2にまたがるホースルーム27の起点となっている鉛直配列面の双方から、ホースルーム27が離脱できるようになる。
一旦、ホースルーム27が第1の取付点81において7軸塗装ロボット20に合流すると、図4Cに示される通り、ホースルーム27が第2の取付点82において外部に現れるまで、ホースルーム27は、内側アーム部分22の内部を通るように経路決めされうる。次いで、ホースルーム27が第2の取付点82から離れるように延在して、ホースルーム27が再び7軸塗装ロボット20から自由に離脱されると、ホースルーム27が2つの追加の回転軸線、つまり、第2の回転軸線A3及び第4の回転軸線A4にまたがるようになる。次いで、ホースルーム27は、外側アーム部分24に位置する第3の取付点83において7軸塗装ロボット20に再び取り付けられる。一旦、ホースルーム27が第3の取付点83において外側アーム部分24に取り付けられると、ホースルーム27は、次いで、外側アーム部分24の内部を通って手首状の構成部品25に向かうように経路決めされうる。手首状の構成部品25は、ホースルーム27が第1、第2、及び第3の手首分割部25A,25B,25Cの内部を通って経路決めされうるように形成されており、それにより、ホースルーム27が7軸塗装ロボット20の内部に位置決めされるとともに、ホースルーム27が、第5、第6、及び第7の回転軸線A5,A6,A7にまたがるようになる。次いで、ホースルーム27は、塗料塗布器26において終端する。
本発明に係る塗装ブースの寸法を縮小する方法は、以下に説明する1つ又は2つ以上の特徴を有する。複数のロボットが、システムとして、車体のようなワークピースを塗装する。例えば、このような塗装工程は、第1の外部塗装、次なる内部塗装、及び次なる第2の外部塗装を伴って実行されることができる。内部工程の間に、第1の外部塗装にフラッシングを施す時間が設けられる。塗装ロボットは、内部塗装工程用の転倒設置型の7軸塗装ロボット20を含んでいる。壁面設置型の6軸又は7軸ロボットが外部塗装用に使用される。ドア用のオープナー及びボンネット乃至デッキ用のオープナーは、塗装ロボットが塗装される車体の内部に到達するのを補助する目的で使用される。
図5は、本発明に係るドア用のオープナーロボット50の斜視図である。ドア用のオープナーロボット50は、車体の内部にアクセスして塗料を塗布することが可能になるように、車両のドアパネルを開放する目的のために使用される3並列のパラレルリンク式のロボットアームである。ドア用のオープナーロボットアームは、鉛直面、例えば、塗装ブースの壁部、又は鉛直に配列されたカラムに取り付けられる基部51を有する。内側リンク52は、第1の鉛直回転軸線回りに回転するように基部51に回転可能に結合される第1の端部を有する。この第1の鉛直回転軸線は、従来技術におけるレールを置換するものである。内側リンク52の第2の端部は、第2の鉛直回転軸線回りに回転するように、中間リンク53の第1の端部に回転可能に結合される。中間リンク53の第2の端部は、第3の鉛直回転軸線回りに回転するように、外側リンク54の第1の端部に回転可能に結合される。図5に示されるように、中間リンク53は、鉛直方向において内側リンク52の下方にオフセットされており、外側リンク54は、鉛直方向において中間リンク53の下方にオフセットされている。しかしながら、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット50をより好ましく形成する目的のために、リンク52,53,54間のオフセットの任意の立体配置が利用されうるし、それにより、障害物が回避されるとともに、次いで、塗装ブースの寸法が潜在的に縮小されることが理解されるべきである。外側リンク54の第2の端部は、車両31(図7B)のドアウィンドウを通るように伸長してドアを開放することによって車両31の内部に塗料を塗布するのに使用されるドア用のオープナー工具に結合される。ドア用のオープナー工具55が第4の回転軸線と第5の回転軸線とをさらに含むことによって、ドア用のオープナーロボット50が5軸ロボットにされる。
図6は、本発明に係るボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60の斜視図である。全体的に、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60は、車体のボンネット部分、デッキ部分、又はトランク部分のいずれか1つを開放するのに使用される3並列のパラレルリンク式のロボットアームであり、車体の内部にアクセスして塗料を塗布することができる。ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60は、鉛直に配列された面、例えば、塗装ブースの壁部、又は鉛直に配列されたカラムに取り付けられる基部61を有する。第1のリンク62は、第1の鉛直回転軸線回りに回転するように、基部61に回転可能に結合される第1の端部を有する。第1の回転軸線は、従来技術におけるレールを置換するものである。第1のリンク62の第2の端部は、第2の鉛直回転軸線回りに回転するように、第2のリンク63の第1の端部に回転可能に結合される。第2のリンク63の第2の端部は、第3の鉛直回転軸線回りに回転するように、第3のリンク64の第1の端部に取り付けられる。第3のリンク64は、第3の鉛直回転軸線に対して平行をなす方向において、鉛直方向下向きに延在する。第3のリンク64の第2の端部は、第4のリンク65の第1の端部に、第4の回転軸線回りに回転可能に結合されており、第4の回転軸線は、第3の鉛直回転軸線を横切るように整列される。第4のリンク65の第2の端部は、ボンネット乃至デッキ用のオープナー工具66に、第5の回転軸線回りに回転可能に結合されており、第5の回転軸線は、第4の回転軸線に対して平行をなすように第4の回転軸線からオフセットされている。ボンネット乃至デッキ用のオープナー工具66は、その遠位端部に配置されたフック67を含んでいる。ボンネット乃至デッキ用のオープナー工具66は、車両のボンネット部分又はトランク部分を開放するのに使用される。
図5及び図6に示されるように、ドア用のオープナーロボット50及びボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60の各々は、鉛直に方向付けされた3つの別個の回転軸線を利用して、オープナーロボット50,60の手先効果工具55,56を水平に整列された平面に沿って所望の位置まで直動させる。これは、オープナーロボット50,60の各々が、手先効果工具55,56を2つの平面的かつ直動的な面積部に沿って直動させる目的のために3つの自由度を有することを意味する。従って、ドア用のオープナーロボット50及びボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60の各々は、冗長回転軸線を含んでいる。この冗長性によって、高価であり扱いにくい従来技術の塗装ブースのレールを用いなくても、障害物を回避できるようになる。車体31のドアを開放する際に、ドア用のオープナーロボット50は、鉛直に方向付けされた2つの回転軸線を有する従来型の2リンク式のドア用オープナーロボットアーム70(図7A)と同等のリーチを有しうる。図7Bに示されるように、ドア用のオープナーロボットアーム50は、図7Aに示されるように2リンク式のドア用オープナーロボットアーム70を利用する際に発生しがちな車体31との干渉状態をさらに回避する。加えて、レールが除去されることによって、カラム又は共通のモジュール式の基部21、及び塗装ブースに含まれる他のロボットの上方、下方、又は隣接箇所を含めた、オープナーアーム50,60が配置される場所に関する柔軟性が向上しうる。これら機能の全てがドア用のオープナーロボット50に加えてボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60に当てはまることが理解されるべきである。
図8Aは、レールシステムを利用する従来技術の典型的な塗装ブース30の上面図であり、図8Bは、例えば長さが44%縮小された本発明に係る塗装ブース40を示す上面図である。従来技術の典型的な塗装ブース30は約24.7メートル(約81フィート)の長さを有する。車体31がブース30の左側の端部に進入すると、車体31は、その外部及び内部に施される第1の塗膜を、複数のドア用及びボンネット乃至デッキ用のオープナー35と協働する複数の6軸及び7軸の塗装ロボット34から受け取る。オープナー35及び塗装ロボット34の全てが、ブースの第1の区域32におけるレール36に設置される。車体31は、その外部に施される第2の塗膜を、ブース30の右側の端部に位置する第2の区域33におけるレール36に設置された別の複数の塗装ロボット34から受け取る。種々のタイプのロボットを直動式のレールに設置すると、ロボットの移動経路となりうる付加的な軸線が追加されて、付加的な自由度が各ロボットに追加されることが理解されるべきである。しかしながら、レールシステムを追加した結果として、塗装ブース30が延長されうる。この事態が発生する原因は、多くの事例において、レールシステムに沿って直動可能な複数のロボットのうちのいずれか1つが車体の各部に到達するには、その1つのロボットがレールに沿って種々の位置まで直動される必要がありうることである。或いは、ロボットアームの遠位端部に配置された手先効果工具が、ロボットの残りの部分を車体31又は塗装ブース30の他の構成部品に干渉させることなく、所望の位置及び向きを有するようになるには、ロボットが所望の位置までレールに沿って直動される必要がありうる。いずれの事例においても、レールシステムを追加する結果として、レールシステムに沿って直動可能である各ロボットに関連付けられる塗装ブース30の長さが延長されうるし、それにより、塗装ブース30の全長が増大しうる。
本発明に係る長さが縮小されたブース40は、図8Bに示されるように約13.7メートル(約45フィート)の長さを有する。車体31がブース40の左側の端部に進入すると、車体31は、その外部に施される第1の塗膜を、ブース30の左側又は入口側の端部に位置する第1の区域42において、一対の6軸塗装ロボット6から受け取る。それら6軸塗装ロボット6は、冗長的な第3の回転軸線A3が除外されていることを除いて、上述した7軸塗装ロボット20と同様である。車体31のドア、ボンネット、及びトランクがまだ開放されておらず、6軸塗装ロボット6が回避すべき潜在的な障害物、すなわち、本来は7軸塗装ロボット20の追加の柔軟性のみによって回避することができた潜在的な障害物が排除されているので、7軸塗装ロボット20ではなく6軸塗装ロボット6を使用することが可能である。しかしながら、障害物の回避を目的とする追加の柔軟性を必要とする特定の用途においては、7軸塗装ロボット20が、要望に応じて、6軸塗装ロボットの代わりに使用されうることが理解されるべきである。
次いで、車体31がブース40の第2又は中間の区域43に移動して、内部塗膜を複数の7軸塗装ロボット20から受け取る。それら7軸塗装ロボット20は、転倒設置型であり、複数のボンネット乃至デッキ用オープナーロボット60及びドア用オープナーロボット50(図8Bには示さない)によって補助される。それら7軸塗装ロボット20は、車体31の内部塗膜を形成する用途に好ましい。その理由は、それら7軸塗装ロボット20によると、他のロボット6,20,50,60、車体31の各部、及び塗装ブース40の任意の他の構成部品を回避しつつ、開放されたドア、ボンネット、及びトランクの蓋によって形成される開口部を通って伸長する際の柔軟性が向上しうるからである。車体31は、その外部に施される第2の塗膜を、別の複数の6軸塗装ロボット6から、ブース40の右側の端部に位置する第3又は出口側の区域44において受け取る。重ねて、7軸塗装ロボット20が、要望に応じて、6軸塗装ロボット6の代わりに使用されうることが理解されるべきである。
図9は、図8Bに示される塗装ブース40において使用される本発明に係る塗装ロボットシステム10斜視図である。複数の鉛直カラム28(8つのカラムが示される)が上端部で水平梁によって連結されてロボット支持構造部を形成している。図9に示されるように、塗装ロボットシステム10は、車体31が塗装ブース40を通過するときの車体31の移動経路に隣接する塗装ブース40の長手方向の各側部に4つずつ設けられた鉛直向きのカラム28を含んでいる。塗装ブース40の長手方向の各側部に整列されたカラム28は、車体31の移動経路に対して平行をなす直線に沿って概ね配列される。塗装ブース40の長手方向の各側部に設けられた4つのカラム28の各々は、塗装ブース40の長手方向において隣接する少なくとも1つのカラム28に、水平梁29のうちのいずれか1つによって連結される。カラム28の4つの対が形成されるように、塗装ブース40の長手方向の側部に設けられた各カラム28は、塗装ブース40の長手方向の第2の側部に設けられた対向カラム28又は対向カラム28を有しており、カラム28の各々の対は、水平梁29のいずれか1つによって相互に連結されている。それらカラム28は、車体31がカラム28の長手方向の列どうしの間に形成された経路の下流に移動するときに、カラム28の上端部を連結する水平梁29が車体31の上部平面の上方に配列されるようになる高さを有する。ロボット6,20,50,60への配線又は供給導管の経路決めが、塗装ロボットシステム10の残りの部分との干渉を伴わずに実行されるように、鉛直カラム28及び水平梁29が中空の内部空間を有する管状にされうることが理解されるべきである。
塗装ブース40の入口(左側の端部)に形成された塗装ブース40の第1の区域は、カラム28の第1の対を含んでいる。車体31に塗布されるべき第1の外部塗膜を形成する6軸外部塗装ロボット6が、第1の区域に配置されたカラム28のうちの対応するカラムに2つずつ設置されている。塗装ブース40の出口(右側の端部)に形成された塗装ブース40の第3の区域は、カラム28の第2の対を含んでいる。第2の外部塗膜を形成するさらに2つの6軸外部塗装ロボット6が、第3の区域に配置されたカラムのうちの対応するカラムに設置されている。7軸塗装ロボット20が、要望に応じて、塗装ブース40の第1及び第3の区域における外部塗装の目的のために、6軸塗装ロボット6の代わりに同様に使用されることができる。図9に示される通り、各々の6軸塗装ロボット6の胴部の回転軸線がブース40の長手方向軸線に対して平行かつ水平に方向付けされるように、6軸塗装ロボット6がカラム28に装着される。
塗装ブース40の第2の区域は、塗装ブース40の入口と出口との間の塗装ブース40の中央部分に形成される。塗装ブースの第2の区域はカラム28のうちの4つを含んでおり、それらはカラム28の第2の対を形成している。塗装ブース40の第2の区域では、7軸内部塗装ロボット20のうちの1つと、ドア用の5軸オープナーロボット50とが4つのカラムの各々に装着されている。7軸塗装ロボット20とドア用の5軸オープナーロボット50との間の干渉が防止されるように、ドア用の5軸オープナーロボット50は、カラム28における転倒設置型の7軸塗装ロボット20の下方に設置されている。さらに、図9に示される通り、ドア用のオープナーロボット50のリンク52,53,54を連結する3つの鉛直向きの回転軸線を採用することによって、使用しないときに、ドア用のオープナーロボット50の各々を対応するカラム28の各々に向かって後退させることができるので、7軸塗装ロボット20とドア用の5軸オープナーロボットとの間の干渉がさらに防止される。システム10の中央部分の右側の端部に位置するカラム28のうちの1つのカラム、及び中央部分の左側の端部に位置するカラム28のうちの1つのカラムには、ボンネット乃至デッキ用の5軸オープナーロボットアーム60がそれぞれ設置されている。各ロボット6,20,50,60が固定式の基部に設置されることによって全てのロボット6,20,50,60がカラム28に設置されるので、システム10によると、図8Aに示された従来技術による塗装ブース30において使用されるレール36が除外されるし、それゆえに、塗装ブース40の長さが縮小される。
図10は、本発明に係る7軸塗装ロボット20とボンネット乃至デッキ用の5軸オープナーロボット60とを含む2アーム式の共通基部ロボットの斜視図である。ロボットアーム2及びロボットアーム60は、共通基部12における共通基部12の両端部に回転可能に設置されており、それにより、各ロボット20,60が、図10に示されるように第1の回転軸線A1として示される「胴部」の共通の回転軸線を共有するようになる。この立体配置では、7軸塗装ロボット20が、鉛直向きの面、例えば、壁部又は鉛直カラム28に転倒式に設置されており、ボンネット乃至デッキ用の5軸オープナーロボット60は、直立状態になるように設置されている。しかしながら、2つの同一タイプのロボット6,20,50,60が共通基部12に結合されることを含めて、6軸塗装ロボット6、7軸塗装ロボット20、ドア用の5軸オープナーロボット50、及びボンネット乃至デッキ用の7軸オープナーロボット60の任意の組み合わせが、要望に応じて、共通基部12の両端部に回転可能に結合されうることが理解されるべきである。さらに、共通基部12が任意の向き、例えば、ロボット6,20,50,60のいずれかに共通基部12を共有させて「胴部」の水平回転軸線を共有させるような水平の設置向きに設置されうることが理解されるべきである。加えて、追加のロボットアーム及び開放デバイスの少なくともいずれか一方が、鉛直向きの設置構造部に追加されうる。2つのロボットアームの共通基部12は、2つの塗装ロボットアーム6,20のパージが共通化され、エンベロープが小型化され、そして、製造コストが削減されるという利点を有する。
図9に示されるように、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60の各々は、共通基部12のうちのいずれか1つの一端部に直立に設置されており、7軸塗装ロボット20のうちのいずれか1つは、当該1つの共通基部12の第2の端部に転倒式に設置されている。次いで、共通基部12は、塗装ブース40の中央部分に配置されたカラム28のうちのいずれか1つに設置されている。ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60は、ボンネット乃至デッキ用の各オープナーロボット60が、塗装ブース40の長手方向の両側部に配置されたカラム28の各々の対どうしを連結する鉛直梁29の下方の水平面に沿って回転しうるように、共通基部12に設置される。図9及び図10に示されるように、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60が共通基部12において7軸塗装ロボット20の上方に設置されると、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60の配置が最適化されて、7軸塗装ロボットアーム20との干渉が回避される。また、この配置は、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60が共通の稼働エンベロープを7軸塗装ロボットと共有するのにも最適である。付加的に、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60内に形成された冗長軸線は、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60が使用されないときに、ボンネット乃至デッキ用のオープナーロボット60がカラム28のうちの関連する1つに向かって後退するのを補助しうるので、塗装ブース40において使用される他のロボット6,20,50との干渉がさらに回避される。
特許法の規定に従って、本発明の好適な実施形態を表していると考えられる記載において、本発明が説明された。しかしながら、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明を、具体的に例示され記載された手法とは別の手法で実施できることに留意すべきである。

Claims (20)

  1. 塗装ブースにおけるワークピースの操作を実行する冗長ロボットであって、
    前記塗装ブースを通る前記ワークピースの移動経路の側部に隣接する固定位置に設置される基部と、
    前記ワークピースの操作を実行するように前記基部に取り付けられる関節型の冗長ロボットアームと、を備える冗長ロボット。
  2. 前記基部は、前記移動経路の前記側部に隣接して位置決めされた鉛直カラムに設置される、請求項1に記載の冗長ロボット。
  3. 前記冗長ロボットアームは、肩部の回転軸線と肘部の回転軸線との間に位置決めされた冗長回転軸線を有する7軸塗装ロボットアームである、請求項1に記載の冗長ロボット。
  4. 第1の回転軸と前記肩部の回転軸とが直角をなして交差する、請求項3に記載の冗長ロボット。
  5. 前記7軸塗装ロボットアームの冗長回転軸線は、前記7軸塗装ロボットアームの肩部の回転軸線及び肘部の回転軸線の双方を横切るように方向付けされて、前記7軸塗装ロボットアームの肩部の回転軸線及び肘部の回転軸線の双方と交差する、請求項3に記載の冗長ロボット。
  6. 前記7軸塗装ロボットアームは、第1の外側延在部と第2の外側延在部とを備える外側アーム部分を含んでおり、
    前記第1の外側延在部の第1の端部は、前記7軸塗装ロボットアームの内側アーム部分に結合されており、
    前記第1の外側延在部の第2の端部は、前記第2の外側延在部の第1の端部に調節可能に結合されており、それにより、前記第1の外側延在部と前記第2の外側延在部との間の角度方向の向きが選択的に調節されて、選択された角度方向の向きが前記第1の外側延在部と前記第2の外側延在部との間の静的な結合部として固定される、請求項3に記載の冗長ロボット。
  7. 前記第1の外側延在部と前記第2の外側延在部との間の調節可能な結合部は、前記第2の外側延在部の長手方向軸線が、前記内側アーム部分の長手方向軸線からオフセットされることを可能にする、請求項4に記載の冗長ロボット。
  8. 前記7軸塗装ロボットアームの内側アーム部分は、角度付けされた長手方向軸線を有する、請求項1に記載の冗長ロボット。
  9. 前記7軸塗装ロボットアームは、前記7軸塗装ロボットアームの2つの軸線にまたがる部分を有していて前記7軸塗装ロボットアームから離脱されている塗料導管のホースルームを含んでおり、
    前記2つの軸線が胴部の軸線及び肩部の軸線であるか、又は冗長軸線及び肘部の軸線である、請求項1に記載の冗長ロボット。
  10. 前記7軸塗装ロボットアームは、前記7軸塗装ロボットアームに取り付けられる塗料導管のホースルームを含んでおり、
    前記ホースルームは、一緒に経路付けされて螺旋の撚糸状にされる複数の塗料導管から形成される、請求項1に記載の冗長ロボット。
  11. 前記冗長ロボットアームは、回転可能に連結された3つのパラレルリンクと、前記ワークピースの少なくとも1つの開放パネルを開放する取付式のオープナー工具とを有する5軸オープナーロボットアームである、請求項1に記載の冗長ロボット。
  12. 前記3つのパラレルリンクが前記3つのパラレルリンクの回転軸線の方向において互いにオフセットされている、請求項10に記載の冗長ロボット。
  13. 前記冗長ロボットは、1つ又は2つ以上のロボットアーム又は開放デバイスが設置される共通の基部を有する、請求項1に記載の冗長ロボット。
  14. 前記ロボットアーム又は開放デバイスが共通のパージを共有する、請求項13に記載の冗長ロボット。
  15. ワークピースを塗装するロボット塗装システムであって、
    塗装ブースを通る前記ワークピースの移動経路の両側部に位置決めされる複数の鉛直カラムと、
    前記ワークピースの外部塗膜を形成するように前記鉛直カラムのうちのいずれか1つに取り付けられる少なくとも1つの塗装ロボットアームと、を備えており、
    前記少なくとも1つの塗装ロボットアームが6軸塗装ロボットアーム又は7軸塗装ロボットアームであり、
    さらに、
    前記ワークピースの開放パネルが開放位置に在るときに車体の内部を塗装するように前記鉛直カラムのうちの別の1つに取り付けられる少なくとも1つの別の塗装ロボットアームを備えており、
    前記別の塗装ロボットアームが7軸塗装ロボットアームである、ロボット塗装システム。
  16. 前記鉛直カラムの少なくとも1つが前記塗装ブースの入口に位置する前記塗装ブースの第1の区域に位置決めされており、
    前記鉛直カラムの別の少なくとも1つが前記塗装ブースの第2の区域に位置決めされている、請求項15に記載のロボット塗装システム。
  17. 前記ロボット塗装システムは、前記ワークピースの少なくとも1つの開放パネルを開放する3つのパラレルリンクを有する5軸オープナーロボットアームをさらに含んでおり、
    前記5軸オープナーロボットアームは、前記7軸塗装ロボットアームが取り付けられる前記鉛直カラムのうちのいずれか1つに取り付けられる、請求項15に記載のロボット塗装システム。
  18. 前記ロボット塗装システムは、前記ワークピースの少なくとも1つの開放パネルを開放する3つのパラレルリンクを有する5軸オープナーロボットアームをさらに含んでおり、
    前記5軸オープナーロボットアームは、前記7軸塗装ロボットアームのうちのいずれか1つと共通の基部を共有する、請求項15に記載のロボット塗装システム。
  19. 前記ロボット塗装システムは、開放パネルを有する車体を塗装するロボット車体塗装システムをさらに含んでおり、
    前記ロボット車体塗装システムは、
    塗装ブースを通る前記車体の移動経路の両側部に位置決めされる複数の鉛直カラムと、
    第1の外部塗膜を前記車体に形成するように、前記移動経路の両側部における前記鉛直カラムの第1の対に取り付けられる6軸塗装ロボットアーム又は7軸塗装ロボットアームの第1の対と、
    前記開放パネルが開放されているときに前記車体の内部を塗装するように、前記鉛直カラムのうちの前記移動経路の各側部に2つずつ位置決めされた4つの鉛直カラムにそれぞれ1つずつ取り付けられる4つの7軸塗装ロボットアームと、
    第2の外部塗膜を前記車体に形成するように、前記移動経路の両側部における前記鉛直カラムの第2の対に取り付けられる6軸塗装ロボットアーム又は7軸塗装ロボットアームの第2の対と、を備える、請求項15に記載のロボット塗装システム。
  20. 前記ロボット塗装システムは、前記7軸塗装ロボットアームが取り付けられる前記鉛直カラムに取り付けられる複数の5軸オープナーロボットアームをさらに含んでおり、
    前記複数の5軸オープナーロボットアームの各々は、前記鉛直カラムに取り付けられる前記7軸塗装ロボットアームのうちの対応する1つと共通の基部を共有する、請求項21に記載のロボット塗装システム。
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