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JP2014053480A - 圧電体薄膜素子およびその製造方法、並びにこれを用いた圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

圧電体薄膜素子およびその製造方法、並びにこれを用いた圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

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JP2014053480A JP2012197543A JP2012197543A JP2014053480A JP 2014053480 A JP2014053480 A JP 2014053480A JP 2012197543 A JP2012197543 A JP 2012197543A JP 2012197543 A JP2012197543 A JP 2012197543A JP 2014053480 A JP2014053480 A JP 2014053480A
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勝 真貝
Manabu Nishimura
学 西村
Satoshi Mizukami
智 水上
Masahiro Ishimori
昌弘 石杜
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Abstract

【課題】所望の結晶配向及び結晶粒径を確実に得られる圧電体薄膜素子及びその製造方法、並びに前記圧電体薄膜素子を用いた圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】圧電体薄膜素子は、多結晶体からなる圧電体薄膜と、該圧電体薄膜を挟んで配置される一対の電極と、を有する圧電体薄膜素子であって、前記圧電体薄膜はゾルゲル法で形成され、膜厚方向にZrとTiの周期的な組成ずれが各組成のバラツキの範囲内である結晶膜であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット式記録装置等に使用される圧電体薄膜素子、その製造方法、およびこの圧電体薄膜素子を用いた圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関し、詳しくは、複数回の熱処理により積層膜を結晶化して連続した圧電体を形成する際の結晶性の制御および圧電体特性の特性確保に関する。
近年、インクジェットのアクチュエータとして使用される圧電型インクジェットヘッドは高密度化への流れが加速され、従来の積層型ピエゾ圧電素子を用いる方式(特許文献1参照。)から薄膜により振動板の上に順次形成する方式(特許文献2参照。)に移行されつつある。
後者の方式では、インク液室を形成したシリコン(Si)基板上に絶縁体からなる振動板が形成され、該インク液室の逆側に電極に挟まれた圧電体(圧電体素子)を配置する構成となる。この方式では、上下の電極に電圧を印加し、電圧に応じた圧電体の変形を振動板を介してインク液室内のインクに伝達する構成となっており、圧縮されたインク室内のインクはノズル板に形成されたノズル穴から吐出される。
また、同じ材料系と同じ電極構成を使った強誘電体メモリの開発も行われている(特許文献3参照。)。強誘電体メモリはFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)と言われ、不揮発性の半導体メモリとして強誘電体膜の分極反転時間が速い(1ns以下)ため、DRAM(Dynamic Random Access Memory)並みの高速動作が期待できると言われている。
デバイスの用途は異なるが、インクジェット用アクチュエータも強誘電体メモリも駆動電圧の繰り返し印加が実行される点では同じであり、駆動電圧の繰り返しによるデバイスの耐久性の問題も共通していると言える。
ここで、圧電体膜を形成する方法として、スパッタ成膜法、スピンコーティング法、インクジェット成膜法、水熱合成法などが知られている。これらの方法の中でも、所望の組成を仕込んだゲル状の液をスピンコーティング法により塗布し圧電体を形成する方法が一般的には多用されている。
スピンコーティング法では、圧電体の成分となる金属を含有する有機金属化合物と該有機化合物相互の反応を調整する溶媒との混合溶液を用意し、スピンコーティングで膜状に形成したのち、溶媒を脱離させる圧電体膜の固化のための焼成と、固化した圧電体膜を結晶化させるための焼成とを行い、機能素子としての圧電体膜を得る事ができる。焼成の温度は、固化として350〜550℃、および、結晶化として650〜800℃の温度が必要である。その熱処理方法としては、従来の拡散炉やホットプレートの他に近年ではRTA(Rapid Thermal Anneal)が採用されている。(特許文献4参照。)RTAでは、焼成時間を短くできるというメリットがある。
この焼成時に高温に曝されるため、圧電体素子を構成する電極には焼成温度に耐えうる耐熱性のある電極材料が選定されている。この耐熱性電極材料の具体的な公知例としては、(1)導電性酸化物材料(IrO:特許文献5参照、SrRuO:特許文献6参照、LaNiO)、(2)Pt族を中心とした高融点貴金属材料(特許文献7参照。)が知られている。
スピンコーティング法で形成された圧電体膜に関しては、数ミクロンの膜厚の圧電体膜を得るために、(I)素材液コーティング(II)圧電体膜の固化のための焼成(III)圧電体膜の結晶化のための焼成、の(I)〜(III)工程を繰り返して行う必要がある。そのため、次の様な膜の形態となっていることが広く知られている。すなわち、焼成工程により構成金属組成の変動が発生し、積層方向に結晶構造を横断する層が形成されてしまい(特許文献8参照。)、その層状の界面のため良好な圧電特性を得ることができない、また、圧電膜にクラックが入りやすい、結晶が無配向になり圧電特性の劣化が起きる(特許文献9参照。)などの弊害を生じている。
各要素の組成的には、図2(a)および(b)に示すように、SEM写真では積層方向において本焼により形成される図2(a)中に白く観察される部分が発生し、その部分では図2(b)に示すように周期的に組成分の一部であるZrの濃度が上昇し、Tiの濃度が減少する形態となっている。
一方、CMP(Chemical Mechanical Polishing,化学機械的研磨)に関しては、半導体素子製造技術である基板表面の平坦化工程において一般的に用いられている。基板単体に限らず、パターンを形成した後の層間絶縁膜の平坦化工程など、既に異種の材料による凹凸の発生している基板に対してもCMPが実施されるに至っている。そのために、研磨剤および研磨方法の改善がなされるに至っている。(特許文献10および特許文献11参照。)
また、半導体素子製造に限られず、磁気記録媒体の基板に転用し基板の平坦化しようとする試みがある。(特許文献12参照。)
本発明は、所望の結晶配向及び結晶粒径を確実に得られる圧電体薄膜素子及びその製造方法、並びに前記圧電体薄膜素子を用いた圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る圧電体薄膜素子は、多結晶体からなる圧電体薄膜と、該圧電体薄膜を挟んで配置される一対の電極と、を有する圧電体薄膜素子であって、前記圧電体薄膜はゾルゲル法で形成され、膜厚方向にZrとTiの周期的な組成ずれが各組成のバラツキの範囲内である結晶膜であることを特徴とする。
本発明によれば、所望の結晶配向及び結晶粒径を確実に得られる圧電体薄膜素子及びその製造方法、並びに前記圧電体薄膜素子を用いた圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することができる。
(a)圧電体素子の全体図である。(b)キャビティーがある場合の全体図である。 (a)通常の圧電体膜の断面図である。(b)断面の深さ方向の組成分プロファイルを示すグラフである。 工程フロー図である。 (a)本発明による圧電体膜の断面図である。(b)SIMSによる深さ方向分析結果である。 インクジェットヘッドの断面模式図である。 インクジェット装置の斜視模式図である。 インクジェット装置の断面模式図である。
本発明に係る圧電体薄膜素子は、多結晶体からなる圧電体薄膜と、該圧電体薄膜を挟んで配置される一対の電極と、を有する圧電体薄膜素子であって、前記圧電体薄膜はゾルゲル法で形成され、膜厚方向にZrとTiの周期的な組成ずれが各組成のバラツキの範囲内である結晶膜であることを特徴とする。
本発明では、図2(a)および(b)に示すSEM写真のように、積層方向において本焼(高温の焼成)により発生した層状の積層界面の乱れにより生ずると考えられる組成の変動およびそれに起因する圧電体特性の劣化を防止するために、その組成の変動箇所を除去する。
次に、本発明について説明するに先立ち、先ず本発明者等が本発明を完成するに至るまでに行った検討について述べる。
特許文献8の図7および図11によっても開示されているが、本発明者が調査したところ、スピンコーティングで形成されたPZT膜の深さ方向の分析を行うと、本焼部でTiの濃度が減少し、Zrの濃度が上昇する。さらに、Pbの濃度が減少するという形態でほぼ同周期での組成変動が見られる。Pbの減少は、TiとZrの変動後に直後の表面側で起きている。
この変動が起こる原因としては、結晶化のための高温焼成時に抜けやすい成分が優先的に脱離し、高温で安定な成分が膜の表面に残存することにより発生すると考えられる。したがって、その部分では組成が変動すると共に結晶構造も崩れてくる。その結果、結晶化のための高温焼成部表面、即ち本焼部は内部の結晶と比べその組成変動分の結晶・電気特性の上で異なるものとなり、不連続な部分を作ってしまうことになる。ここで、もし組成変動がない層としてPZT圧電層が得られれば、結晶構造に乱れも生じず、その結果電気特性的にも連続性が保たれるために特性の向上が確実に可能であると考えられる。
高温焼成部で乱れが生じている傍証として、気孔の発生が挙げられる。気孔の発生は、高温焼成部の上側で多く起こっている。
気孔ができて、圧電体膜のクラックが防止できるとの公知例(特許文献8)もあるが、気孔が発生するのはその部分で結晶の構造が変わった後、その上層で同じ結晶を積層しようとすると結晶の連続性が切れるためで、気孔が有った方が良い訳ではなく、構造の不連続性から発生したものである。もしも、その気孔ができないのであれば、結晶の連続性が確保されることにより特性の良好な圧電体薄膜が形成されると本発明者は考えた。そこで、その不連続膜ができない方法を試したが、結果としては焼成を実施する以上、周期的な組成の変動は免れないと判断するに至った。
通常、図3に開示したSG法による圧電体薄膜の形成では、膜結晶化のために650〜800℃で実施する焼成時に、図2(a)に断面写真で示すような層状の痕跡が生ずる。この層状の部分の組成を分析すると層状の境界に対応する部分で周期的に組成の変動が起きている。その組成変動の様子は図2(b)に示されている。ここで、本発明で特徴とする均質な結晶膜とは、このような周期的な組成の変動が見られない膜をいう。つまり、組成のバラツキがゼロではないが、所定の積層膜のプロセスに応じた各組成のばらつきの範囲程度しか変動を伴わない膜をいう。
本発明では、この層状の変質層をCMP研磨により組成変動部分を取り除く事で所期の効果が得られる。CMP研磨自体は、半導体素子製造技術である基板表面の平坦化工程に一般的に用いられていて、基板単体に限らず、パターンを形成した後の層間絶縁膜の平坦化工程など、既に異種の材料による凹凸の発生している基板に対しても平坦化できるという技術である。本発明による組成変動部分は組成が変動しているだけで、既に平坦な面といえるが、その様な平坦な面でもその組成変動部分を研磨により取り除くことで、内部の均一な組成部分と同じ状態が作れ、その面に接して形成されるPZTも結晶構造に乱れも生じず、その結果電気特性的にも連続性が保たれるために特性の向上が確実に可能であると考えられる。
CMP処理の具体的な方法は、酸化セリウム粒子を用いる方法が好適である。また、研磨する厚みとしては、組成の変動部分をCMP研磨により取り除けばよくその膜厚は70nm以下である。
次に、本発明に係る圧電体薄膜素子についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
通常の数μm以下の膜厚で形成される薄膜強誘電体アクチュエータの製造方法に関して、その概略を記載する。
圧電体アクチュエータは、Si基板上に振動板層、電極層(下部)、圧電体膜層、電極層(上部)、保護層、層間絶縁層、電極配線層を積層することにより形成される。圧電体素子の形状を形成するためには、圧電体膜または上部電極層を形成した後に、所望の形状に強誘電体素子の形状と上部電極の形状をエッチング技術により形成する。また、保護層、層間絶縁層は所望の部分にのみ形成すれば良いので、所望の形状とする為に、圧電体膜または上部電極層と同じくエッチング技術により形成する。概略は、このような構成となるが、使用される材料およびプロセスに関してさらに詳しく説明を加える。
基板としては、必要とされる機械的強度および化学的耐性を備えた加工しやすい材料で、圧電体膜形成時に熱プロセスを多く通過することから熱的な耐性も必要とされる。その様な背景からSi基板が好適であり、主としてSi基板が用いられている。
振動板層は、Si基板上に酸化物あるいは窒化物の単層膜または積層膜によりプラズマCVD、スパッタ成膜、熱酸化などにより形成される。簡単には、Siの熱酸化により形成される事が多いが、圧電アクチュエータ、特にインクジェットヘッドとして用いる場合は、必要となる強度、振動特性を考慮して形成される。具体的には、SiO2熱酸化膜、SiO2膜とSiN膜の積層膜、ZrO2膜、SiO2膜とZrO2膜の積層膜などが用いられる。膜厚は、トータルで数μm程度である。
電極材料としては、従来からPt、Ir、Ru、Ti、Ta、Rh、Pd等の金属材料が用いられてきた。伝統的にPtが主として利用されているが、Ptが多用された背景は最密充填構造である面心立方格子(FCC)構造をとるため自己配向性が強く、振動板の材料であるSiO2のようなアモルファス上に成膜しても(111)に強く配向し、その上の圧電体膜も配向性が良い為である。しかし、配向性が強いため柱状結晶が成長し、粒界に沿ってPbなどが下地電極に拡散しやすくなるといった問題もあった。また、PtとSiO2との密着性にも問題があり、Pt膜の剥離が起こった。
そこで、PtとSiO2との密着性の改善のためにTi、Zr、Taなどの金属膜、TiO2、Ta25、ZrO2などの酸化膜、あるいはTiNなどの窒化膜などが用いられている。
最終的には、電極材料として、繰り返し行われる熱プロセスによる材料の相互拡散、次に積層される強誘電体の結晶性への影響、さらに、素子として形成した場合の電気特性、すなわちP−Eヒステリシス特性、リーク電流特性、ファティーグ特性などの特性を見て総合的に選択される。
近年では、圧電体との電極として強誘電体と同じペロブスカイト構造を有する導電性酸化物電極材料が研究されている。具体的には、IrO2、LaNiO3、RuOx、SrO、SrRuO3、CaRuO3などが知られている。
また、使用されるプロセスとしては、主にスパッタ成膜方式が取られている。その他、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの公知の方法で行うことができる。
電極材料として要求される特性は、以下の様に整理できる。
(1)電気抵抗が十分低いこと。
(2)強誘電体材料と格子定数のミスマッチが小さいこと。
(3)耐熱性が高いこと。
(4)反応性が低いこと。
(5)拡散バリア性が高いこと。
(6)基板、密着層材料、強誘電体との密着性が良いこと。
(7)素子としての電気特性が良好であること。
膜厚としては、密着層−電極層−酸化物電極層の総和で50〜400nm程度の範囲で形成することができる。
圧電体薄膜(本明細書においては単に圧電体とも称する。)としては、Zr:Ti比が52:48のチタン酸ジルコン酸鉛(lead Zirconate Titanate、以下PZTという)が通常良く用いられ、圧電性能も良好で特性も安定しているため主流として用いられている。チタン酸ジルコン酸鉛として、上記組成にこだわらず、鉛、ジルコニウム、チタンを構成元素として含む酸化物として、様々な比率により、また、添加物を混合したり置換したりして用いられている。
その他の材料系としては、一般式ABO(Aは、Pbを含み、Bは、ZrおよびTiを含む。)で示されるペロブスカイト型酸化物が好適に用いられ、Nbを用いたニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(PZTN)、などが知られている。
さらに、環境対応の観点からPbを用いないBaTiO3(チタン酸バリウム、BT)、バリウム、スロトンチウム、チタンの複合酸化物(BST)、スロトンチウム、ビスマス、タンタルの複合酸化物(SBT)なども用いることができる。
本発明においては、圧電体薄膜は気孔及び細孔を有しないことが好ましい。
なお、前述のとおり圧電体薄膜は膜厚方向にZrとTiの周期的な組成ずれが各組成のバラツキの範囲内である均質な結晶膜である。換言すると、圧電体薄膜は膜厚方向にZrとTiの周期的な組成の変動を持たない膜である。
本発明による圧電体の製造プロセスとしては、ゾル−ゲル液のスピンコーティング法を用いている。PZTを例に取ると、Pb、Zr、およびTiをそれぞれ含有する有機金属化合物を溶媒に溶解させた溶液を下部電極膜上に塗布し、その後、コーティングした圧電体膜の固化のための焼成工程、次に圧電体膜の結晶化のための焼成工程を経ることにより、圧電体層を形成することができる。固化のための焼成工程は通常塗布1層ごとに行う。圧電体層の結晶化のための焼成工程は固化焼成数層分まとめて行う。固化工程をM回、結晶化のための焼成をN回行い、一連の工程を繰り返すことにより、所望の膜厚の圧電体層を得ることができる。
乾燥工程の温度は350〜550℃、結晶化加熱処理工程の温度は650〜800℃程度である。加熱時間的には、RTAを用いる場合、数十秒〜数分程度である。
圧電体層の膜厚は、たとえば数十nm〜数μmとすることができる。
圧電体層の上層には、上部電極層を形成する。上部電極層の材料は、下部電極層の材料と同じ材料を用いることができる。上部電極の材料は、下部電極材料層とは異なり、圧電体層を形成する際のような高温のプロセスが後の工程で無く、圧電体との格子定数マッチングも必要とならないため材料選択の幅が下部電極に比較し広くなる。ただし、圧電体動作時に、経時的に圧電体中の酸素欠損が増大するという可能性が従来技術として示されているので、その欠損酸素成分の補給源として導電性の酸化物電極が利用されるに至っている。すなわち、下部電極材料の項で記載した酸化物電極層が誘電体材料との接触界面で用いられる様になってきている。
したがって、具体的に使用される材料系は、下部電極と同じで、酸化物電極層として、IrO2、LaNiO3、RuO2、SrO、SrRuO3、CaRuO3などが用いられ、また、金属電極層として、Pt、Ir、Ru、Ti、Ta、Rh、Pd等が用いられている。
上部電極の形成プロセスは、主にスパッタ成膜方式が取られている。その他、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの公知の方法で行うことができる。
上部電極の膜厚としては、酸化物電極層−電極層の総和で50〜300nm程度の範囲で形成することができる。
通常、上部電極形成後に圧電体層素子部の形成を行う。素子部の形成には、通常感光性レジストのパターニングによりエッチング時のマスク層を形成し、ドライまたはウエットのエッチングにより素子部を形成する。感光性レジストのパターニングは、公知のフォトリソグラフィー技術により実施することができる。
すなわち、エッチング対象試料基板に感光性レジストをスピンコータまたはロールコータにより塗布し、その後予め所望のパターンが形成されたガラスフォトマスクにより紫外線露光後、パターン現像、水洗の後、乾燥して感光性レジストマスク層を形成する。形成された感光性レジストマスク層は、そのパターンの端部傾斜が、エッチング時の傾斜断面に影響するので、所望の傾斜角度に応じ、レジスト選択比(被エッチング材料とマスク材料のエッチングレートの比)を考慮して選択すれば良い。エッチング後膜上に残った感光性レジストは、専用の剥離液または酸素プラズマ・アッシングにより除去することができる。
エッッチングは、形状の安定性から反応性ガスを用いたドライエッチングが選択されるが、エッチングガスは塩素系、フッ素系などハロゲン系のガスあるいはハロゲン系のガスにArや酸素を混合させたガスにより実施する事ができる。エッチングガスあるいはエッチング条件を変化させることにより、上部電極さらに、圧電体と連続してエッチングする事もできるし、一度レジストパターンをやり直して数回に分けてエッチングを実施することもできる。
また、この工程は電極形成前に圧電体層の素子部形成後、上部電極層を成膜し連続して上部電極形状を形成するというプロセスの順序としても良い。
保護層は、電極に挟まれた圧電体素子部分および、素子の形状を形成したその断面部分を、湿度等の駆動環境から受ける影響から遮蔽する目的で配置される。保護層の材料は酸化物が用いられ、緻密性が要求される事から、特にALD(Atomic Layer Deposition)法のプロセスが用いられている。具体的には、Al23のALD膜が用いられる。膜厚は、30〜100nm程度である。
次に、層間絶縁層は、次工程で積層される配線電極と圧電体素子の上下電極とのコンタクトのための絶縁層として用いられる。材料としては、酸化物、窒化物あるいはこれらの混合物により形成される。
膜厚は、300〜700nmである。層間絶縁層形成後、配線電極と上下電極とのコンタクトの為のスルーホールをフォトリソグラフィーを用いた後エッチングを行い形成する。残ったレジストは、酸素プラズマによるアッシング等を行い除去する。
配線電極層としては、強誘電体素子の個別の電極および共通電極の取り出しとして用い、上下電極材料とオーミックなコンタクトが取れる材料を選択して成膜する。具体的には、純AlまたはAlに数atomic%のSiなどヒーロック形成阻止成分を含有させた配線材料を用いることができる。または、導電性の点からすれば、Cuを主成分とした半導体用の配線材料を用いても良い。膜厚は、引き回し距離による抵抗分も考慮した圧電体駆動に支障の無い配線抵抗となる様に設定する。
具体的には、Al系配線なら約1μmの膜厚とする。このように形成された配線電極層は、フォトリソグラフィーの技術を用いて所望の形状を形成する。残ったレジストは、酸素プラズマによるアッシング等を行い除去する。
配線材料層は、電気的接続に必要な部分を除き耐環境性確保の為に、酸化物または窒化物の保護層により被覆する。
最後に、液室部分は、フォトリソグラフィー技術を用いて振動板部分まで、Si基板をICP(Inductively Coupled Plasma)エッチングで深堀をして圧電体アクチュエータ素子が形成された基板が完成する。
それ以降の工程は、ノズル板、駆動回路、インク液供給機構を組み立てて、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)、さらにその他の必要な構成を備えた液滴吐出装置とする。なお、本発明においては圧電体薄膜素子の部分を除く液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置自体の構成については周知慣用のものを用いることができる。
(実施例1)
図1に示す構成において、圧電体薄膜素子を作製した例を示す。
以下の手順で、圧電体薄膜素子を作製した。
まず、Si基板材料10の表面を熱酸化することによりSiO絶縁膜を形成した。このSiO膜が振動板11となる。このときのSiO膜厚は2μmとした。
つぎに、このSiO/Si基板の上にSi基板10と下部電極20との密着層となる電極密着層としてTi金属膜21を成膜した。成膜装置は、キヤノンアネルバ社製自動スパッタリング装置E-401Sである。電極密着層21の形成条件は、基板温度300℃、RF投入パワー500W、Arガス圧 1.3Pa、形成した膜厚は50nmである。
次に、下部電極膜22としてのPt電極を200nmの膜厚で形成した。プロセス条件は、基板温度300℃、RF投入パワー500W、Arガス圧 1.3Paとした。これにより、下部電極膜22は(111)面が膜厚方向に配向している。
次に、下部電極膜22上に酸化物電極としてSrRuO膜23(SrRuO)を60nmの膜厚で形成した。形成条件は、基板温度550℃、RF投入パワー500W、O2ガスを30%含有したArガスをスパッタガスとしてそのガス圧を6Paとした。
次に、圧電体膜を図3に示した方法で形成した。圧電体材料としては最も一般的なPZT(焼成後Zr/Ti=52/48となる組成、Pb過剰量は15atomic%)の原材料を選択した。PZTを構成する金属元素Pb、Zr、Tiを成分とするあるアルコキシドを出発原料として形成した。
1層スピンコート後の圧電体膜の固化焼成としてはRTA装置を使用し、温度490℃×5minの条件で酸素雰囲気中で焼成した。続いて、2層目、3層目も同様にして固化焼成し、結晶化のための焼成として750℃×3minの条件により乾燥空気中の雰囲気で焼成した。この3層(M=3)を積層した際の膜厚は250nmであった。
3層を積層後CMP処理(Chemical Mechanical Polishing;化学機械的研磨)により、高熱焼成表面より70nm除去した。装置は株式会社エム・エー・ティ社製CMP装置(型式:MAT−6MDS)を用い、CMP条件は以下の通りである。
研磨剤としては酸化セリウムを用いた。酸化セリウムの平均粒子径20nmのものを用い、5〜20重量%の範囲の濃度で分散剤と水とで混合し酸化セリウムを分散させたスラリーにより処理を行った。添加剤としては高分子添加剤としてポリアクリル酸アンモニウム(固形分:2.4重量%)を適宜混合し、200ml/minの速度で滴下しながら80〜120秒CMP処理により酸化膜の研磨を行った。加工荷重は150gf/cm、定盤およびウエハの回転速度は30rpmである。研磨後のウエハは、純水で洗浄後乾燥しCMP処理を終了した。ここで、CMP処理後の表面の粗さを測定したところ、Ra3nmであった。70nm研磨するのに必要な時間は120secであった。
本実施例では、高温焼成面より70nmの研磨としたが、結晶性および電気特性が確保できる範囲で、エッチング膜厚は薄くする事ができる。薄くするのは、デバイス設計上の好適な数値を取ることができる。
3層の積層と膜の固化焼成そして結晶化の焼成を1セットとして、トータル10セットを同様に繰り返し、1.5μm厚みの圧電体膜を形成した。
次に、圧電体を1.5μm積層した後に上部電極40を形成し素子化してデバイスとしての評価を行った。
まず、圧電体膜30の上に酸化物電極41としてSrRuOを40nmの厚みで成膜した。形成条件は、基板温度550℃、RF投入パワー300W、O2ガスを30%含有したArガスをスパッタガスとしてそのガス圧を6Paとした。さらに、上部電極42となるPt電極を100nmの膜厚で形成した。プロセス条件は、基板温度300℃、RF投入パワー500W、Arガス圧1.3Paである。単に特性を測定するのみなら、Pt電極のみの積層でも十分である。
その後、フォトリソグラフィーの技術を用いレジストパターンを形成後、断面図で図1(a)となる形状に積層構造のエッチング及びレジストアッシングを行った。図1の上部電極のサイズは、45μm×1mmの短冊状の形状とした。
この様に形成したデバイスは、素子を保護するパシベーション膜50の形成、図示されていないが層間絶縁層の形成、配線電極の素子との接続形成、配線を保護するパッシベーッション膜の形成等を実施後、デバイス化した。
一方、デバイス化後、PZT素子部をFIB加工により、膜厚方向に断面に加工し断面をSEM観察したところ結晶化のための焼成の痕跡とみられる層構造が観察されなかった。このSEM画像を図4(a)に示す。
また、ダイナミックSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により深さ方向組成分析を行った。その結果、周期的な組成の変動が無いことが確認できた。この深さ方向の組成分析の結果が図4(b)に示す。
次にX線回折を実施したところ、PZT(111)のピーク2θ=38.35°に80%優先配向した膜が得られた。
上記の状態まで形成した後、分極処理後疲労試験のために以下の条件で繰り返し駆動電圧の印加を行った。上部電極側が正の電位、下部電極側を負の電位(アース電位)とした。
《分極処理条件》
・印加電圧 40V(0Vから3minでゆっくり電圧を上げ、1min保持、3minで0Vまでゆっくり電圧を下げる。)
・分極後の評価 上部電極と下部電極との間に駆動電圧繰り返し印加テストの印加電圧の矩形波1kHzで計測したキャパシタンスを初期値として測定。
《駆動電圧繰り返し印加テスト条件》
・印加電圧 DC 0−30V 矩形波(上部電極が正の電位)
・印加周期 100kHz
・Duty 50%(プラス電位印加の時間割合)
・テスト途中の評価 分極後のキャパシタンス初期値を1として規格化し、印加回数毎に各ポイントで分極後の評価と同じ評価をして減衰率を見た。規格化後初期値10%減衰した時点を疲労評価ポイントとした。
その結果、1012回までは、上記条件にて初期値10%以内減衰で確保できることが判った。
(実施例2)
図1(b)に示す構造において、圧電体素子を構成した。製造方法は液室部分の加工とノズル板の接着を追加している。液室を持った構造の圧電体素子においても良好な特性を得る事ができた。
(実施例3〜5、比較例1〜4)
CMP加工条件を変えて研磨する膜厚80〜100nmまで変化させ、断面の計測を行った。各実施例・比較例で、トータル膜厚は全ての条件で1.5μmとしている。結果を表1に示す。70nm未満の研磨量(比較例1〜4)の場合は、周期的な組成変動が見られた。
(実施例10)
インクジェット・ヘッド単体の実施形態を図5に示す。ノズル板20が接合された圧電アクチュエータ基板71に共通流路板72および圧電体駆動の為の駆動回路が搭載されたFPC73により圧電アクチュエータが駆動される。耐熱性密着層を用いる事により、電極層の剥離等が生じない為、断線による駆動不良が起きず安定したインクジェットヘッドを得る事ができる。
(実施例11)
次に、本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同記録装置の斜視説明図、図7は同記録装置の機構部の側面説明図である。
このインクジェット記録装置は、記録装置本体81の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部82等を収納し、装置本体81の下方部には前方側から多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができ、給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなるヘッド94を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ93にはヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95を交換可能に装着している。
インクカートリッジ95は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド94を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ93は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100を張装し、このタイミングベルト100をキャリッジ93に固定しており、主走査モーター97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。
一方、給紙カセット84にセットした用紙83をヘッド94の下方側に搬送するために、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ101及びフリクションパッド102と、用紙83を案内するガイド部材103と、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ104と、この搬送ローラ104の周面に押し付けられる搬送コロ105及び搬送ローラ104からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ106とを設けている。搬送ローラ104は副走査モータ107によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材109を設けている。この印写受け部材109の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112を設け、さらに用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114と、排紙経路を形成するガイド部材115,116とを配設している。
記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
また、キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置117を配置している。回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ93は印字待機中にはこの回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド94の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施した耐熱性密着層を用いる事で、電極層の剥離が生じない為、駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像の抜け等もなく画像品質が向上する。
(比較例1)液室無しのサンプルでの従来特性
図1(a)に示す構造において、実施例1でのCMP処理を行なわずCMP研磨量無しでの50V印加時のリーク電流量は10−3〜10−5台であった。これは積層界面に色々な粒子が積層して残っている為であると考えられる。結果は表1に示してある。
(比較例2)液室の有りのサンプルで従来特性
図1(b)に示す構造において、実施例1で示した評価を行った結果、同じく素子変位量は0.17μmであった。これは積層界面の部分で結晶性が崩れる為に、積層部全体として結晶性が維持できない結果であると考えられる。結果は表1に示してある。
(比較例3〜4)
CMP研磨量が70未満の場合の比較例である。各実施例・比較例で、トータル膜厚は全ての条件で1.5μmとしている。結果を表1に示す。
以上の実施例および比較例によると、以下のようなことがわかった。
圧電体膜がその膜厚方向に均質な結晶膜では、公知技術の様な周期的な組成の変動を持たないため、層状の積層界面がなく、膜厚方向全体に渡って結晶が揃っている。そのため、電気特性(IV、リーク電流量)、機械特性すなわち電気機械変換した時の変位量が大きくなる。さらに、結晶の断層面がないため、繰り返し特性も良くなる。
10 基体(Si基板)
11 絶縁体または振動板
20 下部電極
21 密着層
22 下部電極層
23 導電性酸化物層
30 圧電体層
40 上部電極
41 導電性酸化物層
42 上部電極層
50 保護層
60 配線層
70 キャビティー
71 圧電アクチュエータ基板
72 共通流路板
73 アクチュエータ部
74 アクチュエータ部逃げ
79 ノズル穴
80 ノズル板
81 装置本体
82 印字機構部
83 用紙
84 給紙カセット
85 手差しトレイ
86 排紙トレイ
91 主ガイドロッド
92 従ガイドロッド
93 キャリッジ
94 ヘッド
95 インクカートリッジ
97 主走査モータ
98 駆動プーリ
99 従動プーリ
100 タイミングベルト
101 給紙ローラ
102 フリクションパッド
103 ガイド部材
104 搬送ローラ
105 搬送コロ
106 先端コロ
107 副走査モータ
109 印写受け部材
110 搬送コロ
111,112 拍車
113 排紙ローラ
114 拍車
115,116 ガイド部材
117 回復装置
特開2001−063047号公報 特開2004−349712号公報 特開2005−101491号公報 特開2009−016741号公報 特開2001−007299号公報 特開2000−208725号公報 特開2007−088147号公報 特開2006−306709号広報 特開平11−191646号広報 特開2002−203819号公報 特開2004−134751号公報 特開2009−301630号公報

Claims (10)

  1. 多結晶体からなる圧電体薄膜と、該圧電体薄膜を挟んで配置される一対の電極と、を有する圧電体薄膜素子であって、
    前記圧電体薄膜はゾルゲル法で形成され、膜厚方向にZrとTiの周期的な組成ずれが各組成のバラツキの範囲内である結晶膜であることを特徴とする圧電体薄膜素子。
  2. 基板中に形成されたキャビティーと、該キャビティーの上に前記基板を跨いで配置された絶縁体からなる振動板と、該振動板上に順に積層形成された下部電極、多結晶体からなる圧電体薄膜及び上部電極と、を備える圧電体薄膜素子であって、
    前記圧電体薄膜はゾルゲル法で形成され、膜厚方向にZrとTiの周期的な組成ずれが各組成のバラツキの範囲内の結晶膜であることを特徴とする圧電体薄膜素子。
  3. 前記圧電体薄膜は、気孔及び細孔を有しないことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電体薄膜素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電体薄膜素子の製造方法であって、
    前記圧電体薄膜の結晶化を行う焼成後に組成変動部分をCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨により取り除くことを特徴とする圧電体薄膜の製造方法。
  5. CMP研磨において、研磨粒子に少なくとも酸化セリウム粒子を用いることを特徴とする請求項4に記載の圧電体薄膜の製造方法。
  6. CMP研磨する研磨量が70nm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の圧電体薄膜の製造方法。
  7. 前記圧電体薄膜がチタン酸ジルコン酸鉛であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の圧電体薄膜の製造方法。
  8. 請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電体薄膜を備えることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  9. 請求項8に記載の圧電アクチュエータを備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  10. 請求項9に記載の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする液滴吐出装置。
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