JP2014049345A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池と燃料収容部の温度を適切に制御可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム10は、電解質膜30と、電解質膜30の一方の面に設けられたカソード32と、電解質膜12の他方の面に設けられたアノード34とを含む燃料電池12と、燃料電池12に供給される燃料を収容する燃料収容部60と、燃料電池12と燃料収容部60とを熱的に接続する第1の伝熱手段50と、燃料電池12と熱的に接続され、第1の伝熱手段52よりも燃料収容部60に対する熱伝導性が低い第2の伝熱手段52と、を備える。第1の伝熱手段50は、燃料電池12から燃料収容部60に熱を供給する。第2の伝熱手段52は、燃料電池12から燃料電池システム10の外に熱を放出する。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池システム10は、電解質膜30と、電解質膜30の一方の面に設けられたカソード32と、電解質膜12の他方の面に設けられたアノード34とを含む燃料電池12と、燃料電池12に供給される燃料を収容する燃料収容部60と、燃料電池12と燃料収容部60とを熱的に接続する第1の伝熱手段50と、燃料電池12と熱的に接続され、第1の伝熱手段52よりも燃料収容部60に対する熱伝導性が低い第2の伝熱手段52と、を備える。第1の伝熱手段50は、燃料電池12から燃料収容部60に熱を供給する。第2の伝熱手段52は、燃料電池12から燃料電池システム10の外に熱を放出する。
【選択図】図2
Description
本発明は燃料電池システムに関する。
燃料電池は、水素と酸素から電気エネルギーを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギーや運動エネルギーの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギーを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギー供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴があり、特に近年、携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書、電子書籍)などの電源への利用が期待されている。携帯機器用の固体高分子形燃料電池としては、複数の単セルを平面状に配列した平面配列型の燃料電池が知られている(特許文献1参照)。燃料としては、特許文献1に示したメタノールの他、水素吸蔵合金や水素ボンベに格納された水素を利用することが研究されている。
一般に燃料電池では、セル温度が高すぎると電解質膜が乾燥するドライアウトと呼ばれる現象が生じ、逆にセル温度が低すぎると水が凝縮するフラッディングと呼ばれる現象が生じる。これにより、発電性能が低下する。
たとえば特許文献2には、可動式熱接続部材と固定熱接続部材とを有する燃料電池が開示されている。この燃料電池では、燃料タンクが低温の場合に可動式熱接続部材と固定熱接続部材とを経由して発電部から燃料タンクに熱を供給することにより、燃料タンクの温度が過度に低下することを防ぐことができるとされている。一方、発電部の発電量が定常状態を越えている場合に、可動式熱接続部材を移動させて発電部と燃料タンクとを熱的に非接続状態にすることにより、発電部から燃料タンクへの熱の供給を停止して燃料タンクの温度が過度に上昇することを防ぐことができるとされている。
この技術では、燃料電池の起動時(低温時)に発電部から燃料タンクへと熱を供給していた。しかし、一般に燃料タンクの熱容量は大きい。そのため、この技術を用いた場合、燃料タンクの温度上昇に多くの熱が使われる結果、特に環境温度が低い時には発電部の温度が上昇しにくくなり、燃料電池の起動が不安定になりやすいという問題があった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池と燃料収容部の温度を適切に制御することができる燃料電池システムの提供にある。
本発明のある態様は、燃料電池システムである。当該燃料電池システムは、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたカソードと、電解質膜の他方の面に設けられたアノードとを含む燃料電池と、燃料電池に供給される燃料を収容する燃料収容部と、燃料電池と燃料収容部とを熱的に接続する第1の伝熱手段と、燃料電池と熱的に接続され、第1の伝熱手段よりも燃料収容部に対する熱伝導性が低い第2の伝熱手段と、を備える。
この態様によれば、燃料電池システムの起動時に膜電極接合体をそれ自体が発生する熱により加熱しつつ、一部の熱を燃料収容部にも伝達して燃料収容部を加熱することにより、燃料電池システムを素早く起動させることができる。また、燃料電池システムの運転中には、膜電極接合体と燃料収容部の温度を、必要以上に上昇させることなく、適切な範囲に保つことができる。したがって、膜電極接合体と燃料収容部の間で適切な熱バランスをとることができる。これにより、膜電極接合体におけるドライアウトを防止することができる。なお、本明細書中で「熱的に接続」は、固体−固体間における熱伝導を指すものとし、熱伝達(固体−流体間の熱移動)とは異なるものとする。また、本明細書中で「断熱される」とは、物理的な接触により積極的な熱の移動(熱伝導)が生じる場合以外を指すものとする。つまり、たとえば固体−気体間の熱移動(熱伝達)や、固体−固体間の熱移動であっても熱が非常に伝わりにくい場合は、「断熱される」場合に含まれるものとする。
本発明によれば、燃料電池と燃料収容部の温度を適切に制御することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施の形態1に係る燃料電池システム10を示す斜視図である。図1(A)は、燃料電池システム10の外観を示す斜視図である。図1(B)は、燃料電池システム筐体20の内部構造を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る燃料電池システム10を示す断面図である。図2(A)は、図1(A)のX−X線に沿った断面図である。図2(B)は、図1(A)のY−Y線に沿った断面図である。
燃料電池システム10は、燃料電池システム筐体20と、燃料電池システム筐体20に収容された膜電極接合体12、水素吸蔵合金タンクである燃料収容部60、第1の伝熱手段50、第2の伝熱手段52、冷却手段90を主な構成として備える。なお、膜電極接合体12は、本明細書における「燃料電池」の一部または「燃料電池」そのものである。
燃料電池システム筐体20には、膜電極接合体12のカソード側に対向する面(図1(A)の紙面手前)に複数の空気取入口22が設けられている。空気取入口22を通して、外部から燃料電池システム筐体20の内部に酸化剤としての空気が流入可能である。また、鉛直方向上面(図1の紙面上側)には、放熱口24が設けられている。放熱口24を通して、燃料電池システム10の内部で発生した熱を燃料電池システム筐体20の外部に放出可能である。
膜電極接合体12は、電解質膜30、カソード触媒層32およびアノード触媒層34を含む。
電解質膜30は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、カソード触媒層32とアノード触媒層34との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜30は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。電解質膜30の厚さは、たとえば10〜200μmである。
カソード触媒層32は、電解質膜30の一方の面に形成されている。カソード触媒層32には、外部から空気取入口22を経由して空気が供給される。また、アノード触媒層34は、電解質膜30の他方の面に形成されている。アノード触媒層34には、燃料収容部60から放出された水素が供給される。一対のカソード触媒層32とアノード触媒層34との間に電解質膜が30が狭持されることにより単セルが構成され、単セルは水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。
カソード触媒層32およびアノード触媒層34は、それぞれイオン交換樹脂ならびに触媒粒子、場合によって炭素粒子を有する。
カソード触媒層32およびアノード触媒層34が有するイオン交換樹脂は、触媒粒子と電解質膜30とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。このイオン交換樹脂は、電解質膜30と同様の高分子材料から形成されてよい。触媒金属としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体が挙げられる。また触媒を担持する場合には炭素粒子として、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどを用いてもよい。なお、カソード触媒層32およびアノード触媒層34の厚さは、それぞれ、たとえば10〜40μmである。
ガスケット80は、カソード触媒層32の周囲に位置する電解質膜30(電解質膜30のカソード側の外周部)と燃料電池システム筐体20のカソード側の内周側面に設けられたカソード側固定部材88との間にそれぞれ設けられている。ガスケット80により、燃料ガス室112から空気室110への燃料漏洩が防止される。
ガスケット82は、アノード触媒層34の周囲に位置する電解質膜30(電解質膜30のアノード側の外周部)と燃料電池システム筐体20のアノード側の内周側面に設けられたアノード側固定部材84,86との間にそれぞれ設けられている。ガスケット82により、燃料ガス室112の密封性が高められ、燃料が漏洩することが抑制されている。アノード側固定部材84,86は、少なくとも燃料電池と燃料収容部60とを断熱する。
燃料電池システム筐体20内にはアノード触媒層34と対向してシート状のガスシール部材40が設けられている。ガスシール部材40とアノード触媒層34との間には、水素が充填される空間となる燃料ガス室112が形成されている。燃料ガス室112は、部分的にくり抜かれた燃料ガス室筺体114がアノード触媒層34とガスシール部材40との間に挟まれることにより形成された空間である。燃料ガス室筺体114は、伝熱性を有するSUSやアルミニウム等の金属板で形成されている。なお、燃料ガス室筐体114には伝熱性を有する樹脂材料を用いてもよい。ガスシール部材40により燃料ガス室112の密封性が高められている。ガスシール部材40は、水素の流出を遮断でき、かつ膜電極接合体12からの熱を後述する第1の伝熱手段50および第2の伝熱手段52に伝えることができる材料であればよく、たとえば、SUSやアルミニウム等の金属板が用いられる。ガスシール部材40は、「燃料電池」の一部である。
燃料収容部60は、膜電極接合体12のアノード側に対向する燃料電池システム筐体20の内周面側に設けられている。燃料収容部60は、燃料電池に燃料を供給する際に吸熱することが好ましい。ここでは、燃料収容部60として、水素を吸蔵可能な水素吸蔵合金(たとえば、希土類系のMm(ミッシュメタル)Ni4.32Mn0.18Al0.1Fe0.1Co0.3)が貯蔵された水素吸蔵合金タンクを用いる場合を示す。なお、水素吸蔵合金は、希土類系に限られず、たとえばTi−Mn系、Ti−Fe系、Ti−Zr系、Mg−Ni系、Zr−Mn系等であってもよい。
ガスシール部材40と燃料収容部60との間に形成された空間54には、それぞれリブ形状に形成された第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52とが設けられている。第1の伝熱手段50は、膜電極接合体12と燃料収容部60とを熱的に接続する。第2の伝熱手段52は、膜電極接合体12と熱的に接続され、第1の伝熱手段50よりも燃料収容部60に対する熱伝導性が低い。第2の伝熱手段52は、燃料収容部60とは断熱されていることが好ましい。つまり、第2の伝熱手段52は、一方の端部において膜電極接合体12にのみ熱的に接続され、燃料収容部60には物理的な接触により直接熱が供給されないように、空間54の内部に他方の端部が形成されている。なお、本明細書中で「他方の端部」とは、第2の伝熱手段52が膜電極接合体12に対して物理的に接続された場合に、接続されていない側に形成された端部をいうものとする。第2の伝熱手段52の他方の端部を燃料収容部60に物理的に接触させた上でさらに間に断熱構造を設けることにより、第2の伝熱手段52と燃料収容部60とを断熱してもよい。
具体的には、第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52は、アノード触媒層34とは反対側のガスシール部材40の主表面に設けられている。また、第1の伝熱手段50は、アノード触媒層34側の燃料収容部60の外周面にも接している。ガスシール部材40の主表面およびアノード触媒層34側の燃料収容部60の外周面は、いずれも鉛直方向に平行に配置されている。図1(B)および図2(A)に示すように、第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52はそれぞれリブ形状に形成され、鉛直方向を長さ方向として配置されている。つまり、第1の伝熱手段50によってガスシール部材40の一方の面の一部のみと燃料収容部60の一方の面の一部のみとが熱的に接続されている。また、第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52は、それぞれ略等間隔で配置されている。第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52は、第1の伝熱手段50および第2の伝熱手段52は、熱伝導性が高い材料、たとえば銅、ステンレス、アルミニウムなどの金属により形成されている。
アノード側固定部材84と燃料収容部60との間には、水素供給経路70、レギュレータ71、燃料制御部100が設けられている。燃料収容部60の内部と燃料ガス室112とは、供給する水素の圧力調節機能を有する水素供給経路70を介して連通している。具体的には、水素供給経路70は、燃料電池システム筐体20のアノード側の内周側面に沿って設けられており、燃料収容部60の側面において、レギュレータ71を介して水素供給経路70と燃料収容部60の内部とが連通している。レギュレータ71により、水素吸蔵合金から水素が放出される際に、燃料ガス室112に供給される水素の圧力が低減され、アノード触媒層34が保護される。また、燃料ガス室112の側面において、水素供給経路70と燃料ガス室112とを連通する水素供給口72が設けられている。
燃料制御部100は、レギュレータ71の開度を制御することにより、燃料収容部60から燃料ガス室112に供給される水素の量を調節して燃料電池の出力を制御する。
冷却手段90は、ファン92と、ファン制御部94と、ファン筺体96とを有する。ファン筺体96は、ファン92とファン制御部94とを収容する。また、ファン筺体96は、膜電極接合体12や燃料収容部60の鉛直方向下側に配置された場合には、燃料電池システム筐体20の内部においてこれらを支持する。ファン92は、燃料電池の稼働時に、第1の伝熱手段50および第2の伝熱手段52のうち少なくとも一方を冷却する。ファン92は、膜電極接合体12の鉛直方向下側に配置されることにより、膜電極接合体12を鉛直方向上向きに冷却することが好ましい。ファン制御部94は、燃料電池システム10の稼動状態に応じてファン92の回転を制御する。具体的には、たとえば第1の伝熱手段50または第2の伝熱手段52に設けられた温度センサの測定値に応じて、ファン制御部94がファン92の回転数を調節する。
次に、本実施の形態の燃料電池システム10の温度制御を説明する。燃料電池システム10の起動後、膜電極接合体12が発電を開始すると、熱が発生する。この熱により膜電極接合体12自体が加熱される。また、残りの熱が第1の伝熱手段50を通じて燃料収容部60に供給される。燃料収容部60が加熱されることにより、燃料収容部60から膜電極接合体12への水素の供給効率が上昇する。また、膜電極接合体12には第2の伝熱手段52が熱的に接続されている。膜電極接合体12から必要以上の熱が発生した場合、第2の伝熱手段52を介して放出される。また、膜電極接合体12の温度が必要以上に上昇した場合、不要な熱は冷却手段90を用いて燃料電池システム筐体20の外部に排出される。
以上、本実施の形態によると、燃料電池システム10の起動時に膜電極接合体12をそれ自体が発生する熱により加熱しつつ、一部の熱を燃料収容部60にも伝達して燃料収容部60を加熱することにより、燃料電池システム10を素早く起動させることができる。また、燃料電池システム10の運転中には、膜電極接合体12と燃料収容部60の温度を、必要以上に上昇させることなく、適切な範囲に保つことができる。したがって、膜電極接合体12と燃料収容部60の間で適切な熱バランスをとることができる。これにより、膜電極接合体12におけるドライアウトを防止することができる。
また、第1の伝熱手段50によって膜電極接合体12(燃料電池)の一部のみと燃料収容部60の一部のみとを熱的に接続することにより、燃料電池システム10の起動時に膜電極接合体12から燃料収容部60に熱を伝達させすぎないようにすることができる。これにより、起動に必要な熱が膜電極接合体12に残るため、起動時において膜電極接合体12の温度上昇がしやすくなり、膜電極接合体12におけるフラッディングを防止することができる。
また、第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52をそれぞれ略等間隔に配置することによって、膜電極接合体12から熱をまんべんなく放出し、膜電極接合体12の温度を部位によらず均一にすることができる。なお、図2(A)では第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52が交互に配置された場合を示したが、第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52のそれぞれが略等間隔に配置されればよく、必ずしも第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52とが交互に配置される必要はない。
また、冷却手段90を用いて燃料電池の稼働時に第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52とのうちの少なくとも一方を冷却することによって、膜電極接合体12および燃料収容部60の温度を簡易に適切な範囲に調節することができる。この場合、ファン92が膜電極接合体12を鉛直方向上向きに冷却することにより、膜電極接合体12から生じた温度の上昇した比重の小さい気体を、放熱口24を通じて効率的に燃料電池システム10の外部に放出することができる。
なお、本実施の形態では、第2の伝熱手段52の断面がI字状の場合を示したが、これには限られず、第2の伝熱手段52の表面積をより大きくした構造であってもよい。第2の伝熱手段52の断面は、たとえば他方の端部がひさし状となるような略T字状であってもよい。この場合、一方の端部であるT字の下部で第2の伝熱手段52を膜電極接合体12に固定し、他方の端部であるT字の上部を燃料収容部60に対して断熱させる。これにより、第2の伝熱手段52の表面積をより大きくして第2の伝熱手段52の放熱性を高めることができる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る燃料電池システムを示す断面図である。図3(A)は、図1(A)のX−X線に沿った断面図のうち図2(A)と異なる部分を示す図である。図3(B)は、燃料電池システムの内部構造を図3(A)の矢印Z方向から見た正面図である。なお、ここでは燃料電池システム筐体20およびカソード側固定部材88は図示を省略する。
図3は、実施の形態2に係る燃料電池システムを示す断面図である。図3(A)は、図1(A)のX−X線に沿った断面図のうち図2(A)と異なる部分を示す図である。図3(B)は、燃料電池システムの内部構造を図3(A)の矢印Z方向から見た正面図である。なお、ここでは燃料電池システム筐体20およびカソード側固定部材88は図示を省略する。
本実施の形態では、集電部36を介して複数の膜電極接合体12が互いに接続されている点、および第1の伝熱手段50が集電部36の近傍に設けられている点が実施の形態1とは異なる。また、複数の膜電極接合体12には、隣接する膜電極接合体12間でショートが発生することを防止するために、カソード触媒層32またはアノード触媒層34と集電部36との間に、それぞれ絶縁部37が間隙として形成されている。
また、燃料ガス室112は直方体状の中空空間として形成されている。本実施の形態のガスシール部材40は、水素の流出を遮断でき、かつ膜電極接合体12からの熱を第1の伝熱手段50および第2の伝熱手段52に伝えることができることに加えて、絶縁性を有する。このようなガスシール部材40の材料として、たとえばシリコーンゴム、エポキシ、ポリイミドなどの樹脂を使用することができる。ガスシール部材40には、集電部36側の面にリブ状の凸部42が設けられている。この凸部42が集電部36と第1の伝熱手段50との間に設けられて両者と接続されることにより、両者を絶縁している。加えて、ガスシール部材40は集電部36と第1の伝熱手段50とを熱的に接続している。
運転時には、カソード触媒層32、電解質膜30、アノード触媒層34が積層する部分(発電部)から電流が生成される。集電部36は、膜電極接合体12で生成された電流を集電する。また、第1の伝熱手段50が集電部36の近傍に設けられているため、発電部で生成された熱も集電部36を介してガスシール部材40、第1の伝熱手段50、燃料収容部60へと伝わる。しかし、集電部36は発電部の端部に設けられているため、特に発熱量の少ない起動時には、熱の大部分が発電部に留まる。
本実施の形態によると、発電部の端部に集電部36が設けられるため、起動時において膜電極接合体12における発電部の温度を早く上昇させることができる。これにより、燃料電池システム10をより素早く起動させることができ、膜電極接合体12におけるフラッディングをさらに効率的に防止することができる。加えて、集電部36の近傍に第1の伝熱手段50が設けられるため、発電部で余った熱を燃料収容部60に効率的に供給することもできる。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3に係る燃料電池システムの図1(A)のY−Y線に沿った断面図である。本実施の形態は、第1の伝熱手段50に冷却抑制部58を設けた点が実施の形態1と異なる。
図4は、実施の形態3に係る燃料電池システムの図1(A)のY−Y線に沿った断面図である。本実施の形態は、第1の伝熱手段50に冷却抑制部58を設けた点が実施の形態1と異なる。
冷却抑制部58は、リブ形状に形成された第1の伝熱手段50のうち冷却手段90の送風方向の上流側、つまり冷却手段90に近い側を覆っている。冷却抑制部58の材質としては、ガラスクロスや樹脂などが好ましい。
本実施の形態によると、第1の伝熱手段50に冷却抑制部58を設けることによって、第1の伝熱手段50のうち冷却抑制部58に近い側から熱が奪われすぎるのを防止することができる。これにより、膜電極接合体12から均一に熱が奪われるため、膜電極接合体12の温度分布を均一に近づけることによって、燃料電池の稼働をさらに安定させることができる。
なお、本実施の形態では第1の伝熱手段50に冷却抑制部58を設ける場合を説明したが、第2の伝熱手段52に冷却抑制部58が設けられてもよく、第1の伝熱手段50と第2の伝熱手段52の両方に冷却抑制部58が設けられてもよい。
また、本実施の形態では第1の伝熱手段50に冷却抑制部58を設けたが、ファン92からの距離に応じて第1の伝熱手段50または第2の伝熱手段50の少なくとも一方の形状や材料を変えることによって、これと同じ効果を得てもよい。つまり、冷却手段90の送風方向の上流側では第1の伝熱手段50または第2の伝熱手段50の表面積(または断面の周長)を小さくし、送風方向の下流側ではこれを大きくしてもよい。あるいは、第1の伝熱手段50または第2の伝熱手段50の少なくとも一方に対して送風方向の上流側では相対的に比熱の大きな材料を使用し、送風方向の下流側では相対的に比熱の小さな材料を使用してもよい。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の各実施の形態の燃料電池システム10では、一組の膜電極接合体12が例示されており、燃料電池は単セルとなっているが、膜電極接合体12が平面状に複数配設され、インターコネクタ、集電体、配線などの電気接続部材により複数の膜電極接合体12が直列に接続された構成も取り得る。また、本発明が適用される燃料電池は、膜電極接合体12が積層されたスタック構造を有してもよい。
10 燃料電池システム、12 膜電極接合体、20 燃料電池システム筐体、22 空気取入口、24 放熱口、30 電解質膜、32 カソード触媒層、34 アノード触媒層、40 ガスシール部材、50 第1の放熱部材、52 第2の放熱部材、60 燃料収容部、70 水素供給経路、72 水素供給口、74 レギュレータ、80,82 ガスケット、90 冷却手段、92 ファン、94 ファン制御部、100 制御部、110 空気室、112 燃料ガス室
Claims (7)
- 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に設けられたカソードと、前記電解質膜の他方の面に設けられたアノードとを含む燃料電池と、
前記燃料電池に供給される燃料を収容する燃料収容部と、
前記燃料電池と前記燃料収容部とを熱的に接続する第1の伝熱手段と、
前記燃料電池と熱的に接続され、前記第1の伝熱手段よりも前記燃料収容部に対する熱伝導性が低い第2の伝熱手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料収容部が前記燃料電池に燃料を供給する際に吸熱することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記第1の伝熱手段および前記第2の伝熱手段は、それぞれリブ形状に形成され、
前記第1の伝熱手段によって、前記燃料電池の一部と前記燃料収容部の一部とが熱的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。 - 前記第1の伝熱手段および前記第2の伝熱手段のうちの少なくとも一方を冷却するための冷却手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
- リブ形状に形成された前記第1の伝熱手段および前記第2の伝熱手段のうちの少なくとも一方において、前記冷却手段の送風方向の上流側に、冷却を抑制するための冷却抑制部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池の一方の面および前記燃料収容部の外周面は、各面が鉛直方向と平行になるように配置され、
前記第1の伝熱手段および前記第2の伝熱手段は、長さ方向が鉛直方向となるようにそれぞれ前記燃料電池に配置され、
前記冷却手段は、前記燃料電池の鉛直方向下側に設けられたことを特徴とする請求項4または5に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池で生成された電流を集電するための集電部をさらに備え、
前記第1の伝熱手段は、前記集電部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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JP2012192447A JP2014049345A (ja) | 2012-08-31 | 2012-08-31 | 燃料電池システム |
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Cited By (1)
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EP4082912A1 (en) | 2021-04-26 | 2022-11-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Flight vehicle |
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