JP2013535621A - 高圧力コネクタ - Google Patents

Abstract

本発明は気体および/または液体の媒体を移送するための、特に車両に水素を補給するための高圧力コネクタの単純で安全な構造に関する。本発明によれば、高圧力コネクタ（１）は媒体通路（Ｐ）とシーリングピストン（３）とを有するハウジング（２）を具え、シーリングピストン（３）の先端部は環状シールに対して密封する態様で配列する。環状シール（４）は挿入シール（４ｂ）が挿入されるシール担持体（４ａ）を有し、シール担持体（４ａ）は堅いプラスチックからなり、挿入シール（４ｂ）は柔らかいプラスチックからなる。
【選択図】 図１

Description

本発明は気体および/または液体の媒体を移送するための高圧力コネクタに関し、特に、車両に水素を補給するための高圧力コネクタであって、請求項１の前提部分の構成要素を具える高圧力コネクタに関する。

このような高圧力コネクタは、充填装置、例えば圧力源から流体を確実に移送するために提供される。重要なことは、特に７００バール以上の高圧力での周囲環境への排出を避けるための漏出防止の構造である。

特に重要なことは、このような高圧力コネクタにおいて、逆止め弁の漏出のない密封である。しかしながら、圧力値が７００バール以上に上昇するにしたがって、これらのポートは益々漏出が起こり易くなり、極低温水素ガスの排出が予想されるようになる。これは事故の原因となり、特に加圧ラインにおける漏出は深刻な損傷をもたらす。その理由の一つは、通常使用されるPTFE(ポリ四フッ化エチレン)による密封は、寒冷に対しては耐性があるが、恒常的な加圧下では変形するというマイナス影響がある（いわゆる「低温フロー」、the Elring-companyのホームページ参照）。このため、強化耐圧PTFE化合物を、例えばフィルタとして炭素繊維あるいはガラス繊維とともに使用することが提案されている。しかしながら、１０％より少ない変形を達成することは困難である。さらにボール弁における複合材料のシールが知られており、これはグラファイト層を有する。しかしながら、これらのシールは主に高温用に設計されている。

したがって、本発明は、高圧力コネクタの安全性を簡単な構造で向上させ、破損の危険を防ぐことを目的とする。

上記目的は、請求項１に記載の構成要素を具える高圧力コネクタにより達成される。本発明の好ましい実施例は請求項１に従属する請求項に記載される発明である。

本発明に係る高圧力コネクタは、格別に高い安全性と簡単な構成に特徴があり、シール担持体と挿入シールからなる２部分構成は高い圧力における要件に最適に適応することができる。シール担持体は堅いプラスチック、特にPEEKで作られ、挿入シールは柔らかいプラスチック、特にPTFEで作られる。用語「堅い-柔らかい」は、弾性係数（Eあるいはヤング率）により正確に規定できる。ポリエステル（PE）あるいはポリプロピレン（PP）等の標準のプラスチックの弾性係数は約１乃至２ｋN/ｍｍ^２である。好ましい材料であるPEEK（ポリエーテルケトン）は約４ｋN/ｍｍ^２であり、PTFEは約０．６ｋN/ｍｍ^２である。この結果、２重すなわち２段階密封となる。特に環状シールが２個のシーリング端部を具え、特にこの２個のうち一方のシーリング端部が「柔らかい」挿入シールにあり、もう一方のシーリング端部が「堅い」シール担持体にある場合は２段階密封となる。このようにして、PTFEは、逆止め弁のピストンによる密封を「抱き締め」、また（露出時間、圧力値および温度に応じて）増大する「低温フロー」により、この密封はPEEKのシール担持体のシーリング端部によりさらに強化される。この結果、７００バール以上の高圧力においても非常に良好な密封となる。すなわち、一方では低圧力領域において「柔らかい」挿入シールに対して、他方では高圧力領域において圧倒的に過酷にシール担持体に対して、逆止め弁のシーリングピストンに向けての２重の密封となる。このようにして、環状シールの破壊を防ぐことができ、本発明に係る高圧力コネクタは長い期間確実に気体あるいは液体の流失を防ぐことができる。このことは、事故防止のためにも、また周囲環境のためにも極めて重要である。

本発明に係る高圧力コネクタは継手に適しており、特に車両におけるっ燃料補給のための接続のみでなく、工業プラントにも適していることは注目すべきことである。この高圧力コネクタは如何なる場所にも、また逆止め弁以外の弁にもコンパクトな態様で設置することが可能である。

本発明の実施例は、添付図面に基づき以下に記載される。

線形の高圧力コネクタの縦断面図である。 図１の環状シールの拡大図である。

図１は、２個の部分からなるハウジング２を有する高圧力コネクタの実施例を示し、ここではねじ山２’でねじ込まれて右側に通路Ｐの入り口を形成している。媒体、特に気体、は矢印Fにしたがって左方向に流れ、図示しない圧力タンクに向け進行する。ハウジング２の内部には、従来のO-環状シール６に加え、逆止め弁３’が設けられ、逆止め弁３’はそのシーリングピストン３が、すなわちその先端部が、環状シール４に当接して、流れ方向Fに逆らって堅固に密封する。シーリングピストン３は、ばね３ａにより付勢され、図１において右方向に押圧される。

この新規な環状シール４は、２個の部分、すなわち、シール担持体４ａとそこに挿入される挿入シール４ｂとで構成される。シール担持体４ａは堅いプラスチックからなり、挿入シール４ｂは柔らかいプラスチックからなる。好ましくは、シール担持体４ａはPEEKで形成され、挿入シール４ｂはPTFEで作られる。好適な実施例においては、シール担持体４ａは段４ｃを有する階段状の環形状であり（図２参照）、挿入シール４ｂは段４ｃ上に、特にねじ込みにより、搭載される。この構造により、間隙は確実に密封され、周囲環境にたいしても確実に密封される。

図２において、挿入シール４ｂはシール担持体４ａの通路径ｄ（ここでは通路Ｐの断面に対応する）より大きい内径Ｄを有し、挿入シール４ｂは好ましくはシーリングピストン３に向かって拡径する円錐形の内面形状を有する。このようにして簡素化され効率化された媒体の移送が達成され、またシーリングピストン３の先端部（図１に示すように角を丸めてもよい）の確実な密封係合が達成される。また、環状シール４は、２個の「縦列する」シーリング端部５および５’を、特に一方は挿入シール４ｂに、もう一方はシール担持体４ａに、有する。

ハウジング２は移送する流体に適合する構成にしてもよい。特に、所望の供給角や通路の断面等に関しては、例えばクランク状に曲げることも、あるいは角度を持たせて設計することもできる。好ましくは、挿入シール４ｂ、従ってその環状のシーリング端部５も、PTFEで作り、一方シール担持体４ａおよびそのシーリング端部５’を耐久性のある材料であって極度の低温度および/または高圧力下においても高い耐化学性と不浸透性を提供するPEEK（ポリエーテルエーテルケトン）で製造する。

Claims (7)

1. 気体および/または液体の媒体を移送するための、特に車両に水素を補給するための高圧力コネクタあって、媒体通路とシーリングピストンとを有するハウジングを具え、該シーリングピストンの先端部は環状シールに対して密封する態様で配列する高圧力コネクタにおいて、前記環状シール（４）はシール担持体（４ａ）を有し、挿入シール（４ｂ）は該シール担持体（４ａ）に挿入され、該シール担持体（４ａ）は堅いプラスチックからなり、該挿入シール（４ｂ）は柔らかいプラスチックからなる高圧力コネクタ。
2. 前記シール担持体（４ａ）はPEEKで作られることを特徴とする請求項１に記載の高圧力コネクタ。
3. 前記挿入シール（４ｂ）はPTFEで作られることを特徴とする請求項１あるいは請求項２に記載の高圧力コネクタ。
4. 前記シール担持体（４ａ）は段（４ｃ）を有する階段状の環形状であり、前記挿入シール（４ｂ）は該段（４ｃ）上に、特にねじ込みにより、搭載されることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の高圧力コネクタ。
5. 前記挿入シール（４ｂ）は前記シール担持体（４ａ）の通路径（ｄ）より大きい内径（Ｄ）を有することを特徴とする請求項1乃至４のいずれか１項に記載の高圧力コネクタ。
6. 前記挿入シール（４ｂ）はシーリングピストン（３）に向かって拡径する円錐形の内面形状を有することを特徴とする請求項1乃至５のいずれか１項に記載の高圧力コネクタ。
7. 前記環状シール（４）は２個のシーリング端部（５および５’）を有し、特に一方は前記挿入シール（４ｂ）に、もう一方は前記シール担持体（４ａ）に有するすることを特徴とする請求項1乃至６のいずれか１項に記載の高圧力コネクタ。

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