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JP2013501715A - 殺菌・殺カビ性ジフェニル−置換ピリダジン - Google Patents

殺菌・殺カビ性ジフェニル−置換ピリダジン Download PDF

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JP2013501715A
JP2013501715A JP2012523681A JP2012523681A JP2013501715A JP 2013501715 A JP2013501715 A JP 2013501715A JP 2012523681 A JP2012523681 A JP 2012523681A JP 2012523681 A JP2012523681 A JP 2012523681A JP 2013501715 A JP2013501715 A JP 2013501715A
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methyl
dimethoxyphenyl
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ポーラ・ルイーズ・シャープ
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EI Du Pont de Nemours and Co
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    • C07D237/06Heterocyclic compounds containing 1,2-diazine or hydrogenated 1,2-diazine rings not condensed with other rings having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
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    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/48Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with two nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
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Abstract

すべての立体異性体を含む式1の化合物、そのN−オキシドおよび塩
【化1】
Figure 2013501715

(式中
、R、R、R4a、R4b、R、W、mおよびnは、本開示中に定義されているとおりである)
が開示されている。
式1の化合物を含有する組成物、および、有効量の本発明の化合物または組成物を適用する工程を含む、真菌性病原体によって引き起こされる植物病害を防除する方法もまた開示されている。

Description

本発明は特定のピリダジン、そのN−オキシド、塩および組成物、ならびに殺菌・殺カビ剤としてのそれらの使用方法に関する。
高い作物効率を達成するために、菌類・カビ類植物病原体によって引き起こされる植物病害の防除は極めて重要である。観葉植物、野菜、圃場、穀類および果実作物に及ぼす植物病害による損害は、著しい生産性の低下を引き起こす可能性があり、それによって消費者にコスト増加をもたらす可能性がある。これらの目的のための多くの製品が市販品として入手可能であるが、より有効であり、コストが低く、毒性が低く、環境的に安全であるか、または異なる作用部位を有する新規化合物に関する必要性が存続している。
特許文献1および2には、式iの特定のピリダジン誘導体
Figure 2013501715
および、殺菌・殺カビ剤としてのこれらの使用が開示されている。
特許文献3および4には、式iiの特定のピリダジン誘導体
Figure 2013501715
および、殺菌・殺カビ剤としてのこれらの使用が開示されている。
特許文献5および6には、式iiiの特定のピリダジン誘導体
Figure 2013501715
および、殺菌・殺カビ剤としてのこれらの使用が開示されている。
国際公開第2006/001175号パンフレット 国際公開第2005/121104号パンフレット 国際公開第2008/049584号パンフレット 国際公開第2008/049585号パンフレット 国際公開第2008/089934号パンフレット 独国特許出願公開第102008000872 A1号明細書
本発明は、式1の化合物(すべての立体異性体を含む)、そのN−オキシドおよび塩:
Figure 2013501715
[式中
各Wは、独立して、OまたはSであり;
およびRは、各々が独立して、H、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜Cトリアルキルシリルであり;
4aおよびR4bは、各々が独立して、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキ
ルまたはC〜Cシクロアルキルであり;
各Rは、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cハロアルキルチオであり;
mは、1、2、3、4または5であり;
nは、0、1または2であるが;
ただし:
(a)Rが、H、クロロ、シアノまたはメトキシである場合、RはRと同一ではなく;
(b)化合物は、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−6−(1−メチルエテニル)ピリダジン、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−6−(1−メチルエテニル)ピリダジンまたは4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−3−(1−メチルエテニル)ピリダジン以外である]、
これらを含有する農学的組成物、ならびに、殺菌・殺カビ剤としてのこれらの使用に関する。
より具体的には、本発明は、式1の化合物(すべての立体異性体を含む)、そのN−オキシドまたは塩に関する。
本発明はまた、(a)本発明の化合物(すなわち、殺菌・殺カビ的に有効な量で);ならびに、(b)界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む殺菌・殺カビ組成物に関する。
本発明はまた、(a)本発明の化合物;ならびに、(b)少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤(例えば、異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤)を含む殺菌・殺カビ組成物に関する。
本発明は、さらに、植物もしくはその部分、または、植物種子に、殺菌・殺カビ的に有効な量の本発明の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)を適用する工程を含む、真菌性植物病原体により引き起こされる植物病害を防除する方法に関する。
本明細書において用いられるところ、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「〜により特徴付けられる」といった用語、または、これらのいずれかの他の変形は、明示的に示されているいずれかの限定を条件として、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、要素の一覧を含む組成物、混合物、プロセスまたは方法は、必ずしもこれらの要素にのみ限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、または、このような組成物、混合物、プロセスまたは方法に固有である他の要素が包含されていてもよい。
「からなる(consisting of)」という移行句は、特定されていない任意の要素、ステップまたは処方成分を除外する。特許請求の範囲においては、このような句は、通常関連する不純物を除いて、言及されているもの以外の物質の特許請求の範囲への包含を排除するであろう。「からなる(consisting of)」という句が、プリアンブルの直後ではなく特許請求の範囲の本文の一文節中にある場合、これは、その文節中に規定されている要素のみを限定し;全体として、他の要素が特許請求の範囲から除外されることはない。
「基本的にからなる(consisting essentially of)」という移行句は、文字通り開示されているものに追加して、材料、ステップ、機構、成分、または、要素を包含する組成物もしくは方法を定義するために用いられているが、ただし、これらの追加の材料、ステップ、機構、成分、または、要素は、特許請求された発明の基本的なおよび新規な特徴に著しく影響しない。「基本的にからなる(consisting essentially of)」という用語は、「を含んでいる(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との間の中間点を構成する。
出願人らが、「を含んでいる(comprising)」などのオープンエンド形式の用語で発明またはその一部分を定義している場合、その記載は(他に明記されていない限りにおいて)、「基本的にからなる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」という用語を用いてこのような発明を記載しているとも解釈されるべきであると、直ちに理解されるべきである。
さらに、そうでないと明記されていない限りにおいて、「または」は、包括的なまたはを指し、排他的なまたはを指してはいない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか一つにより満たされる:Aが真であり(または存在し)およびBが偽である(または不在である)、Aが偽であり(または不在であり)およびBが真である(または存在する)、ならびに、AおよびBの両方が真である(または存在する)。
また、本発明の要素または成分に先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または成分の事例(すなわち、存在)の数に関して比限定的であることが意図される。従って、「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つ、を含むと読解されるべきであり、要素または成分の単数形の語形は、その数が明らかに単数形を意図していない限りにおいては複数形をも包含する。
本開示および特許請求の範囲において言及されているとおり、「植物」とは、若年の植物(例えば、苗木に成長している発芽種子)および成熟した生殖成長期(例えば、花および種子を生じさせる植物)を含むすべての成長段階での植物界の構成員、特に、種子植物(種子植物目(Spermatopsida))を含む。植物の一部は、典型的には成長培地(例えば、土壌)の表面下で成長する根、塊茎、鱗茎および球茎などの屈地性構成要素、ならびに、群葉(茎および葉を含む)、花、果実および種子などの成長培地の上に成長する構成要素を含む。
本明細書において言及されるところ、単独でまたは複合語で用いられる「苗木」という用語は、種子の胚芽から発生する幼植物を意味する。
上記において、単独または「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」のような複合語のいずれかで使用される、「アルキル」という用語としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルまたは種々のブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキルが挙げられる。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、ならびに種々のブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルケンが挙げられる。「アルケニル」としては、1,2−プロパジエニルおよび2,4−ヘキサジエニルのようなポリエンも挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ならびに種々のブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキンが挙げられる。「アルキニル」としては、2,5−ヘキサジイニルのような複数の三重結合から構成される部位も挙げることができる。「シクロアルキル」という用語は、単結合によって互いに結合された3〜6個の炭素原子から構成されている飽和炭素環を表す。「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシおよび異なるブトキシ、ペントキシ、ならびに、ヘキシルオキシ異性体が挙げられる。「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、ならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体のような分枝鎖または直鎖アルキルチオ部位が挙げられる。
「ヒドロキシアルキル」は、1個のヒドロキシ基で置換されているアルキル基を表す。「ヒドロキシアルキル」の例としては、HOCHCH、CHCH(OH)CHおよびHOCHCHCHCHが挙げられる。「シアノアルキル」は、1個のシアノ基で置換されているアルキル基を表す。「シアノアルキル」の例としては、NCCH、NCCHCHおよびCHCH(CN)CHが挙げられる。
「トリアルキルシリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルなどの、ケイ素原子に結合している、および、ケイ素原子を介して結合している3分岐および/または直鎖アルキル基が挙げられる。
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合している直鎖または分岐アルキル基を表す。「アルキルカルボニル」の例としては、CHC(=O)、CHCHCHC(=O)および(CHCHC(=O)が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CHOC(=O)、CHCHOC(=O)、CHCHCHOC(=O)、(CHCHOC(=O)および異なるペントキシ−またはヘキサオキシカルボニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノカルボニル」の例としては、CHNHC(=O)、CHCHNHC(=O)、CHCHCHNHC(=O)、(CHCHNHC(=O)および異なるペンチルアミノ−またはヘキシルアミノカルボニル異性体が挙げられる。「ジアルキルアミノカルボニル」の例としては、(CHNC(=O)、(CHCHNC(=O)、CHCH(CH)NC(=O)および(CHCH(CH)NC(=O)が挙げられる。
「ハロゲン」という用語は、単独でもしくは「ハロアルキル」などの複合語で、または、「ハロゲンで置換されたアルキル」などの記載で用いられる場合、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」などの複合語で用いられる場合、または、「ハロゲンで置換されたアルキル」などの記載において用いられる場合、前記アルキルは、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子で部分的にまたは完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」または「ハロゲンで置換されたアルキル」の例としては、FC、ClCH、CFCHおよびCFCClが挙げられる。「ハロアルコキシ」、「ハロアルケニル」および「ハロアルキルチオ」といった用語は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO、CClCHO、FCHCHCHOおよびCFCHOが挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CClS、CFS、CClCHSおよびClCHCHCHSが挙げられる。「ハロアルケニル」の例としては、(Cl)C=CHCHおよびCFCHCH=CHCHが挙げられる。
置換基中の炭素原子の総数は接頭辞「C〜C」によって示され、ここで、iおよびjは、1〜6の数字である。例えば、C〜Cアルキルカルボニルは、メチルカルボニル〜ブチルカルボニルを示し;CアルコキシはCHCHOを示し;Cアルコキシは、例えば、CHCH(CH)O、CHCHCHOまたは(CHCHO
を示し;および、Cアルコキシは、合計で4個の炭素原子を含有するアルコキシ基の種々の異性体を示し、その例としては、CHCHCHCHOおよび(CHCHCHOが挙げられる。
「非置換である」という用語は、環などの基に関連して、式1の残りに対する1つまたは複数の結合以外の置換基を全く有さない基を意味する。「任意により置換されている」という用語は、置換基の数がゼロである可能性があることを意味する。通例、任意の置換基の数(存在する場合)は、1〜3の範囲である。本明細書において用いられるところ、「任意により置換されている」という用語は、句「置換または非置換の」、または、用語「(非)置換である」と同義的に用いられる。
前記置換基の数が1を超えることが可能であることを示す下付文字を有する置換基で化合物が置換されている場合、前記置換基(1を超える場合)は、定義された置換基(例えば、mが1、2、3、4または5である(R)の群から独立して選択される。例えばnが0であり得る(Rのように、可変基が一つの位置に任意により結合していると示されている場合、可変基の定義において言及されていなくても、水素がその位置に存在していてもよい。基の1つまたは複数の位置が「置換されていない」または「非置換である」といわれる場合には、水素原子が結合して有効原子価のすべてを埋めている。
本発明の化合物は、1つまたは複数の立体異性体として存在していることが可能である。種々の立体異性体は、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体を含む。当業者は、1種の立体異性体が他の立体異性体と比して富化された場合に、または、他の立体異性体から分離された場合に、より活性であり得および/または有益な効果を発揮し得ることを認めるであろう。さらに、当業者には、前記立体異性体をどのように分離し、富化し、および/または選択的に調製するかは公知である。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、独立した立体異性体、または、光学的に活性な形態として存在していてもよい。特に注目すべきは、分離が可能であるほどに相互転換が遅くなるよう単結合に関する回転が制限されている場合に生じる分子の立体異性構造であるアトロプ異性体である。1つまたは複数の結合の制限された回転は、分子の他の部分との立体的な相互作用によるものである。本発明において、式1の化合物は、非対称的な単結合(すなわち、フェニル環上の置換基がこの結合を非対称としている)についての自由回転に対するエネルギ障壁が異性体の分離が可能となるほどに高い場合にアトロプ異性を示すことが可能である。アトロプ異性は、約20℃で、少なくとも約22.3kcal mol−1の自由エネルギ障壁である少なくとも1000秒の半減期を異性体が有する場合に存在すると定義される(Oki、Topics in Stereochemistry,第14巻,John Wiley&Sons,Inc.,1983年)。当業者は、1種のアトロプ異性体が、他のアトロプ異性体と比して富化された場合に、または、他のアトロプ異性体から分離された場合に、より活性であり得および/または有益な効果を発揮し得ることを認めるであろう。さらに、当業者には、前記アトロプ異性体をどのように分離し、富化し、および/または、選択的に調製するかが公知である。アトロプ異性体のさらなる記載を、3月,Advanced Organic Chemistry,101〜102ページ,第4版,1992年;Oki,Topics in Stereochemistry,第14巻,John Wiley&Sons,Inc.,1983年、および、Gawronskiら,Chirality,2002年,14,689〜702ページに見出すことが可能である。本発明は、化合物の他のアトロプ異性体と比して式1のアトロプ異性体が富化された化合物または組成物を含む。また、式1の化合物の実質的に純粋なアトロプ異性体が含まれる。
当業者は、窒素はオキシドへの酸化に利用可能な孤立電子対を必要とするため、窒素を含有する複素環のすべてがN−オキシドを形成することが可能であるわけではないことを認めるであろう。第三級アミンがN−オキシドを形成し得ることも当業者は認知するだろう。複素環および第三級アミンのN−オキシドの製造に関する合成法は当業者に周知であり、過酢酸およびm−クロロ過安息香酸(MCPBA)のようなペルオキシ酸、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、ならびにジメチルジオキシランのようなジオキシランによる複素環および第三級アミンの酸化を含む。これらのN−オキシドの製造方法は文献に広く記載されており、再調査されている。例えば、T.L.Gilchrist著、Comprehensive Organic Synthesis、第7巻、第748〜750頁、S.V.Ley編、Pergamon Press;M.TislerおよびB.Stanovnik著、Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第3巻、第18〜20頁、A.J.BoultonおよびA.McKillop編、Pergamon Press;M.R.GrimmettおよびB.R.T.Keene著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第43巻、第149〜161頁、A.R.Katritzky編、Academic Press;M.TislerおよびB.Stanovnik著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第9巻、第285〜291頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Press;ならびにG.W.H.CheesemanおよびE.S.G.Werstiuk著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第22巻、第390〜392頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Pressを参照のこと。
当業者は、環境中において、および、生理的条件下では、化学化合物の塩は対応する非塩形態と平衡状態にあるため、非塩形態の生物学的実用性を塩が共有することを認識している。それ故、式1の化合物の広く多様な塩が、真菌性植物病原体により引き起こされる植物病害の防除に有用である(すなわち、農学的に好適である)。式1の化合物の塩は、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機酸または有機酸との酸付加塩を含む。従って、本発明は、式1から選択される化合物、そのN−オキシドおよび農学的に好適な塩を含む。
式1から選択される化合物、その立体異性体、N−オキシドおよび塩は、典型的には、2つ以上の形態で存在し、それ故、式1は、式1が表す化合物のすべての結晶形態および非結晶形態を含む。非結晶性形態は、ワックスおよびガムなどの固形分である実施形態、ならびに、溶液および溶融物などの液体である実施形態を含む。結晶性形態は、実質的に単結晶タイプを表す実施形態および異形体の混合物(すなわち異なる結晶性タイプ)を表す実施形態を含む。「異形体」という用語は異なる結晶性形態で結晶化することが可能である化学化合物の特定の結晶性形態を指し、これらの形態は、結晶格子中に分子の異なる配列および/または配置を有する。異形体は同一の化学組成を有することが可能であるが、これらはまた、格子中に弱くまたは強固に結合していることが可能である共結晶水または他の分子の存在または不在により、組成が異なっていることが可能である。異形体は、結晶形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸垂性、溶解率および生物学的利用可能性に伴って、このような化学的、物理的および生物学的特性で異なっていることが可能である。当業者は、式1で表わされる化合物の異形体は、同一の式1で表わされる化合物の他の異形体または異形体の混合物に比して、有益な効果(例えば、有用な配合物の調製に関する好適性、向上した生物学的性能)を発揮することが可能であることを理解するであろう。式1で表わされる化合物の特定の異形体の調製および単離は、例えば、選択された溶剤および温度を用いる結晶化を含む当業者に公知である方法によって達成されることが可能である。
「発明の概要」に記載のとおり本発明の実施形態は以下に記載のものを含む。以下の実施形態において、式1はそのN−オキシドおよび塩を含み、ならびに、「式1の化合物」への言及は、実施形態においてさらに定義されていない限りにおいて、「発明の概要」において特定されている置換基の定義を含む。
実施形態1.各WがOである、式1の化合物。
実施形態2.RおよびRが、各々独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜CヒドロキシアルキルまたはC〜Cシアノアルキルである、式1または実施形態1の化合物。
実施形態2a.RおよびRが、各々独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cヒドロキシアルキルである、実施形態2の化合物。
実施形態3.RおよびRが、各々独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、Cアルケニル、C〜Cアルコキシ、CアルキルカルボニルまたはC〜Cヒドロキシアルキルである、実施形態2aの化合物。
実施形態4.RおよびRが、各々独立して、H、Br、Cl、F、メチル、Cアルケニルまたはメトキシである、実施形態3の化合物。
実施形態4a.RおよびRが、各々独立して、H、Br、Cl、メチル、Cアルケニルまたはメトキシである、実施形態4の化合物。
実施形態4b.RおよびRが、各々独立して、H、Clまたはメチルである、実施形態4aの化合物。
実施形態5.RおよびRが、各々独立して、Cl、Fまたはメチルである、実施形態4の化合物。
実施形態7.RおよびRが、各々独立して、Clまたはメチルである、実施形態5の化合物。
実施形態7.RおよびRが、各々、メチルである、実施形態6の化合物。
実施形態8.RおよびRが、各々独立して、Clまたはメチルである場合、RおよびRの一方がClであり、RおよびRの他方がメチルである、式1または実施形態1〜7のいずれか1つの化合物。
実施形態9.各Rが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオである、式1または実施形態1〜8のいずれか1つの化合物。
実施形態10.各Rが、独立して、Cl、F、シアノ、メチル、メトキシまたはメチルチオである、実施形態9の化合物。
実施形態11.各Rが、独立して、Cl、F、メチルまたはメトキシである、実施形態10の化合物。
実施形態12.各Rが、独立して、Fまたはメトキシである、実施形態11の化合物。
実施形態13.各RがFである、実施形態12の化合物。
実施形態14.mが2または3である、式1または実施形態1〜13のいずれか1つの化合物。
実施形態15.mが3である、実施形態14の化合物。
実施形態16.mが2である、実施形態14の化合物。
実施形態17.少なくとも1個のR置換基がオルト位で結合している、式1または実施形態1〜16のいずれか1つの化合物。
実施形態18.2個のR置換基がオルト位で結合している、実施形態17の化合物。
実施形態19.1個のR置換基がオルト位で結合しており、および、1個のR置換基がパラ位で結合している、式1または実施形態1〜16のいずれか1つの化合物。
実施形態20.2個のR置換基がオルト位で結合しており、および、1個のR置換基がメタ位またはパラ位で結合している、式1または実施形態1〜15のいずれか1つの化合物。
実施形態20a.2個のR置換基がオルト位で結合しており、および、1個のR置換基がパラ位で結合している、実施形態20の化合物。
実施形態21.2個のR置換基がオルト位で結合しており、および、1個のR置換基がメタ位で結合している、実施形態20の化合物。
実施形態22.R4aおよびR4bが、各々独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルである、式1または実施形態1〜21のいずれか1つの化合物。
実施形態23.R4aおよびR4bが、各々、メチルである、実施形態22の化合物。
実施形態24.各Rが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルキルである、式1または実施形態1〜23のいずれか1つの化合物。
実施形態25.各Rが、独立して、Cl、F、メチルまたはメトキシである、実施形態24の化合物。
実施形態26.各RがClである、実施形態25の化合物。
実施形態27.nが0または1である、式1または実施形態1〜26のいずれか1つの化合物。
実施形態28.nが0である、実施形態27の化合物。
上記実施形態1〜28、ならびに、本明細書に記載のいずれかの他の実施形態を含む本発明の実施形態は、いずれかの様式で組み合わされることが可能であり、これらの実施形態における可変要素の記載は、式1の化合物だけではなく、式1の化合物を調製するために有用な出発化合物および中間体化合物にも関連する。加えて、上記実施形態1〜28、ならびに、本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのこれらの組み合わせを含む本発明の実施形態は、本発明の組成物および方法に関連する。
実施形態1〜28の組み合わせが以下に例示されている。
実施形態A1.
各WがOであり;
およびRが、各々独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜CヒドロキシアルキルまたはC〜Cシアノアルキルであり;
各Rが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオであり;
4aおよびR4bが各々メチルであり;
各Rが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルキルであり;
mが2または3であり;
nが0または1である、
式1の化合物。
実施形態A2.
およびRが、各々独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、Cアルケニル、C〜Cアルコキシ、CアルキルカルボニルまたはC〜Cヒドロキシアルキルであり;
各Rが、独立して、Cl、F、シアノ、メチル、メトキシまたはメチルチオであり;および
各Rが、独立して、Cl、F、メチルまたはメトキシである、
実施形態A1の化合物。
実施形態A3.
およびRが、各々独立して、H、Br、Cl、メチル、Cアルケニルまたはメトキシであり;
各Rが、独立して、Cl、F、メチルまたはメトキシであり;および
nが0である、
実施形態A2の化合物。
実施形態A4.
およびRが、各々独立して、Clまたはメチルであり;
少なくとも1個のR置換基がオルト位で結合している、
実施形態A3の化合物。
実施形態A5.
2個のR置換基がオルト位で結合していると共に、1個のR置換基がメタ位またはパラ位で結合しており;
mが3である、
実施形態A4の化合物。
特定の実施形態は:
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3,6−ジメチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチルピリダジン;
4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3,6−ジメチルピリダジン;
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3,6−ジメチル−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;および
3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン
からなる群から選択される式1の化合物を含む。
注目すべきは、幾何異性体および立体異性体を含む式1の化合物、そのN−オキシドおよび塩(特にこれらに限定されないが、上記の実施形態1〜28およびA1〜A5を含む)であって、ここで、RおよびRは、各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルである。
本発明は、式1の化合物(そのすべての立体異性体、N−オキシド、ならびに、塩を含む)、および、少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤を含む殺菌・殺カビ組成物を提供する。このような組成物の実施形態は、上述の化合物の実施形態のいずれかに対応する化合物を含む組成物であることに注意されたい。
本発明は、式1の化合物(全ての立体異性体、そのN−オキシドおよび塩を含む)(すなわち、殺菌・殺カビ的に有効な量で)と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加成分とを含む殺菌・殺カビ性組成物を提供する。かかる組成物の実施形態として注目すべきは、上述の化合物の実施形態のいずれかに相当する化合物を含む組成物である。
本発明は、菌類・カビ類植物病原体によって引き起こされる植物病害の防除方法であって、植物もしくはその一部に、または植物種子に、式1の化合物(全ての立体異性体、そのN−オキシドおよび塩を含む)の殺菌・殺カビ的に有効な量を適用する工程を含む方法を提供する。かかる方法の実施形態として注目すべきは、上記された化合物の実施形態のいずれかに相当する化合物の殺菌・殺カビ的に有効な量を適用する工程を含む方法である。特に注目すべきは、化合物が本発明の組成物として適用される実施形態である。
スキーム1〜8に記載されている以下の方法および変形の1つまたは複数を用いて、式1の化合物を調製することが可能である。以下の式1〜14の化合物中のR、R、R
、R4a、R4b、R、W、mおよびnの定義は、特に記載のない限り、「発明の概要」において上記に定義されているとおりである。式1aおよび式1Bの化合物は、式1の種々のサブセットであり、式1aおよび式1Bに対するすべての置換基は、特に記載のない限り、式1について上記に定義されているとおりである。
がハロゲンである式1の化合物は、スキーム1に示されているとおり、式2の対応するピリダジノンから、ハロゲン化剤との処理により調製することが可能である。この方法のための好適なハロゲン化剤としては、オキシハロゲン化リン、三ハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、フェニルホスホン酸ジクロリド、ホスゲンおよび硫黄四フッ化炭素が挙げられる。オキシハロゲン化リンが特に有用である。この反応のための好適な溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロブタン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられる。多くの事例において、反応は、式2の化合物およびハロゲン化剤以外の溶剤を伴わずに実施することが可能である。任意により、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等などの有機塩基を添加することが可能である。N,N−ジメチルホルムアミドなどの触媒の添加もまた任意である。典型的な反応温度は、およそ室温(例えば、20℃)〜200℃の範囲である。代表的な手法については、Czarnockiら,Synthesis,2006年,17,2855〜2864ページ;Branaら,Journal of Medicinal Chemistry,2005年,48,6843〜6854ページ;Liuら,Journal of Medicinal Chemistry,2007年,50,3086〜3100ページ、および、Chanら,Journal of Medicinal Chemistry,2005年,48,4420〜4431ページを参照のこと。スキーム1の方法はまた、実施例1、ステップFおよび実施例3、ステップEにも例示されている。
Figure 2013501715
がハロゲン(例えば、Br、ClまたはI)である式1の化合物を、種々の求核性反応およびメタレーション反応に供して、置換基を追加するか、または、既存の置換基を変性し、これにより、式1の他の官能基化化合物をもたらすことが可能である。例えば、スキーム2の方法Aに示されているとおり、Rがハロゲン(例えば、Cl、BrまたはI)である式1の化合物を、好適なパラジウム、銅またはニッケル触媒の存在下に、式R−Mの化合物と接触させて、Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル等である式1の化合物をもたらすことが可能である。この方法において、式R−Mの化合物は、オルガノボロン酸(例えば、MはB(OH)である)、オルガノホウ酸エステル(例
えば、MはB(−OC(CHC(CHO−)である)、オルガノトリフルオロボレート(例えば、MはBFKである)、オルガノ錫試薬(例えば、MはSn(n−Bu)、Sn(Me)である)、グリニャール試薬(例えば、MはMgXである)、または、オルガノ亜鉛試薬(例えば、MはZnXである)であり、ここで、Xは、BrまたはClである。好適な金属触媒としては、これらに限定されないが:酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)、ビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロ[1,1’−ビス−(ジフェニル−ホスフィノ)−フェロセン]−パラジウム−(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)−ジ−クロロ−ニッケル(II)、および、銅(I)塩(例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(I)、シアン化銅(I)またはトリフルオロメタンスルホン酸銅(I))が挙げられる。各反応についての至適条件は、当業者に理解されるとおり、用いられる触媒およびカップリング剤に結合している対イオン(すなわちM)に応じることとなる。いくつかの場合においては、置換ホスフィンまたは置換ビスホスフィノアルカンなどのリガンドの添加が反応性を促進させる。また、炭酸アルカリ、第三級アミン、または、アルカリフッ化物などの塩基の存在が、式R−Mのオルガノボロン試薬が関与する反応に典型的に必要とされる。この種の反応の概要については:E.Negishi,Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Inc.,New York,2002年;N.Miyaura,Cross−Coupling Reactions:A Practical Guide,Springer,New York,2002年;H.C.Brownら,Organic Synthesis via Boranes,第3巻,Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI,2002年;Suzukiら,Chemical Review,1995年,95,2457〜2483ページ、および、Molanderら,Accounts of Chemical Research,2007年,40,275〜286ページを参照のこと。また、実施例2に、Rがクロロである対応する化合物からの、Rがメチルである式1の化合物の合成が例示されている。
スキーム2の方法Bに示されているとおり、Rがアルキニルである式1の化合物を、薗頭反応条件を用いる式1の対応するハロゲン化物と末端アルキンとの反応により調製することが可能である。この反応では、典型的には、ゼロ価のパラジウム錯体(または、インサイツでPd(0)に還元されることが可能であるもの)と、銅(I)のハロゲン化物塩との2種の触媒が用いられる。この種の変換に有用な触媒としては、テトラキス−(トリフェニル−ホスフィン)−パラジウム(0)、ビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)クロリドおよびジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)−パラジウムが挙げられる。好適な溶剤としては、アミン(例えば、トリエチルアミンまたはジエチルアミン)が挙げられ、または、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムを含む大過剰量の塩基との組み合わせで用いられる、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルおよびN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤が挙げられる。先行する文献については、例えば、Campbell,Organocopper Reagents,1994年,217〜235ページ;Sonogashiraら,Tetrahedron Letters,1975年,50,4467〜4470ページ、および、Chinchillaら,Chemical Review,2007年,107,874〜922ページを参照のこと。
スキーム2の方法Cに示されているとおり、Rがハロゲンである式1の化合物を求核性置換反応に供してRがアルコキシ、アルキルチオ等である式1の化合物をもたらすことが可能である(例えば、アルコキシドおよびチオレートとの置換)。典型的には、これらの反応は、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、炭酸カリウムまたはトリエチルアミン)、パラジウム、ニッケルまたは銅触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム、酢酸パラジウム(II)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルまたはヨウ化銅(I))、および、任意によりリガンド(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン、2,2’−ビス−(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン、1,1’−ビ−ナフタレン−2,2’−ジオールまたは1,1,1−トリス−(ヒドロキシメチル)−エタン)の存在下で、メタノール、アセトニトリルまたはN,N−ジメチル−ホルムアミドなどの溶剤中に、およそ室温〜溶剤の還流温度の範囲の温度で行われる。ハロゲンの求核性置換を実施するための基本手順は技術分野において公知であると共に、本発明の化合物を調製するために容易に適応させることが可能である。関連する参照文献については、例えば、Chenら,Organic Letters,2006年,8,5609〜5612ページ;Hartwig,Angew.Chem.Int.Ed.,1998年,37(15),2046〜2067ページ、および、Buchwaldら,Accounts of Chemical Research,1998年,31(12),805〜818ページを参照のこと。
スキーム2の方法Dに示されているとおり、Rがハロゲンである式1の化合物と、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムまたはヘキサシアノ鉄(II)ナトリウムなどのシアン化剤との反応は、Rがニトリルである式1の化合物をもたらす。式1のハロゲン化物を対応するニトリル化合物に転化させるために用いられることが可能である多様な条件が化学文献において発表されており、好適な銅の供給源(例えば、ヨウ化銅(I))、アミンリガンド(例えば、N,N’−ジメチルエチレンジアミネ)、および、ヨウ化物塩(例えば、ヨウ化銅(I)、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムまたはヨウ化亜鉛)を用いる銅触媒条件が挙げられる。この反応は、典型的には、キシレン、トルエンまたはアセトニトリルなどの好適な有機溶剤中に実施される。反応条件については、Buchwaldら,J.Am.Chem.Soc.,2003年,125,289〜2891ページ;Schareinaら,Synlett,2007年,4,555〜558ページ、および、Schareinaら,Chem.Eur.J.,2007年,13,6249〜6254ページを参照のこと。
Figure 2013501715
がハロゲンである式1の化合物を、スキーム3に概要が記されている2ステップ合成により調製することが可能である。第1のステップにおいて、式1aの化合物(スキーム1の方法により調製されたRがHである式1)を、クロロホルムまたはジクロロメタンなどの適切な溶剤中での、約0〜20℃の範囲の温度でのm−クロロ過安息香酸(MCPBA)などの酸化剤との処理により、式1Bの対応するN−オキシドに転化させる。反応条件に応じて、1−および2−N−オキシドの異性体混合物がもたらされる可能性がある。実施例4に、スキーム3の酸化法が例示されている。
式1bの化合物のハロゲン化剤を伴うその後の処理で、オキシド基の損失が伴う水素のハロゲンでの置換が達成されて、Rがハロゲンである式1の化合物がもたらされる。スキーム1の方法について記載したハロゲン化剤および条件をスキーム3の方法に用いることが可能である。いくつかの場合において、式1bの化合物に存在していてもよい他の官能基が反応結果に影響を及ぼす可能性がある。例えば、Rがアルキルである場合、ハロゲン化は式1bに結合しているR置換基で生じることが可能であるが、これにより、Rがハロアルキルであると共にRがHである式1の化合物が形成される。実施例5に、スキーム3のハロゲン化法が例示されている。
Figure 2013501715
がハロゲンである式1の化合物を、スキーム2について上述したものと同様の種々の求核性反応およびメタレーション反応に供して、式1の他の官能基化化合物をもたらすことが可能である。例えば、スキーム4に概要が記してあるとおり、Rがハロゲンである式1の化合物は、Rがメチルカルボニルまたはヒドロキシアルキルである対応する類似体の調製に有用である。示されているとおり、Rがハロゲンである式1の化合物を、Pd触媒の存在下に、トリメチル(1−エトキシエテニル)スタナンまたはトリブチル(1−エトキシエテニル)−スタナンなどのオルガノ錫試薬と接触させて、式3の1−メトキシまたは1−エトキシエテニル化合物をもたらすことが可能である。式3のその後の加水分解で、式1のメチルカルボニル類似体がもたらされる。式1のメチルカルボニル類似体を、テトラヒドロフラン、エーテルまたはトルエンなどの好適な溶剤中でアルキルグリニャール試薬で処理して、Rがヒドロキシアルキルである式1の化合物を得ることが可能である。この種の反応は文献中に見出すことが可能である;例えば、Cooke,Journal of Organic Chemistry,1986年,51(6),951〜953ページを参照のこと。本実施例8および9に、スキーム4の方法が例示されている。
Figure 2013501715
スキーム5に示されているとおり、式2の中間体(スキーム1に示されている)を、式4のフラノンのヒドラジン水和物での縮合により合成することが可能である。反応は、典型的には、メタノール、エタノールまたはn−ブタノールなどの低級アルカノール溶剤中で、およそ室温〜溶剤の還流温度の範囲の温度で行われる。この反応の条件および変形については、以下の参考文献を参照のこと:国際公開第07/044796号パンフレットおよび国際公開第98/41511号パンフレット、欧州特許出願公開第1916240−A号明細書、ならびに、Piatakら,Journal of Medicinal Chemistry,1964年,7(5),590〜592ページ。また、実施例1、ステップEおよび実施例3、ステップDに、式2の化合物の調製が例示されている。
Figure 2013501715
式4の化合物を、スキーム6に示されているとおり、式5のフラノンの酸化により合成することが可能である。酸化反応は、例えば酸素または空気などの酸素含有ガスを式5の化合物を含む反応混合物に通気させることにより、空気または酸素を式5の化合物に接触させることにより実施することが可能である。反応は、アセトニトリル、酢酸エチルまたはテトラヒドロフランなどの好適な溶剤中に、および、任意により、パラジウム、銅あるいは鉄を含むものなどの遷移金属または活性炭などの触媒の存在下で実施される。酸素含有ガスを用いる酸化を実施するための基本手順は技術分野において公知である;例えば、国際公開第08/049585号パンフレットおよび国際公開第96/36623号パンフレット;ならびに、Nicoll−Griffithら,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2000年,10,2683〜2686ページを参照のこと。また、実施例3、ステップCに、空気および活性炭を用いるスキーム6の酸化方法が例示されている。クロロホルムなどの溶剤中の3−クロロ過安息香酸(MCPBA)などのより強力な酸化剤を用いる式5の酸化もまた用いることが可能である。
あるいは、式5の化合物を、N−クロロスクシンイミド(NCS)またはN−ブロモスクシンイミド(NBS)との処理により塩素化または臭素化して、式6の中間体を得ることが可能である。その後、Liら,Bioorganic Medicinal Chemistry Letters,1976年,21,1839〜1842ページによる手法、および、国際公開第98/41511号パンフレットに開示されている手法に従って、テトラヒドロフランおよび水などの溶剤系において酢酸などの酸を触媒量で用いて、式6の中間体を加水分解して式4の化合物をもたらすことが可能である。操作の簡単さ、反応体の価格の低さ、および、所望される生成物の単離の容易さの観点から、上記の段落に記載の酸素含有ガスを用いる接触酸化法が最も有利である。
Figure 2013501715
スキーム7に示されているとおり、式5の化合物の調製は、式7のα−ハロケトンと式8のフェニル酢酸とを、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなどの第三級アミン塩基、または、水酸化ナトリウムもしくは炭酸カリウムなどの無機塩基)の存在下に反応させて対応するエステルを得ることが可能であり、これが、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の存在下で分子内環化して式5の化合物をもたらす。
所望の場合には、式5を単離することなく、式4の化合物を式7の化合物から直接的に調製するよう、スキーム7の環化方法およびスキーム6の酸化方法を1つの反応容器中で組み合わせることが可能である。典型的な反応条件は、式7、式8の化合物と、メタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤中の塩基とを、約5〜25℃の温度で接触させる工程を含む。好ましくは、反応は、式7および8の化合物と比して過剰量、通常は約1.5〜約3モル当量の範囲内の塩基を用いて行われる。エステル形成の後(約8〜24時間)、反応混合物をDBUで処理して環化を促し、次いで、空気流または酸素流を反応混合物に通し、これにより、式4の化合物がもたらされる。この方法は、以下の参考文献:欧州特許出願公開第1916240−A号明細書;Blackら,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2003年,13,1195〜1198ページ、および、Padakantiら,Tetrahedron Letters,2002年,43,8715〜8719ページ中にさらに記載されている。本実施例1、ステップDに、式7の化合物からの式4の化合物の直接的な調製が例示されている。
Figure 2013501715
スキーム7の方法には式7のα−ハロケトンと式8のフェニル酢酸との反応が例示されているが、当業者は、出発材料の利用可能性、および/または、式7および8の化合物に存在し得る他の官能基が反応の結果にどのように影響を及ぼす可能性があるかに応じて、本実施例6、ステップBに例示されているとおり、フェニル環がWR4a、WR4bおよび(Rで置換されている式8に類似するフェニル酢酸と、(Rにより置換されているフェニル環を含有する式7に類似するα−ハロケトンとを反応させ、RおよびRが相互に入れ替わった式5、4、2および1に類似している化合物をもたらすことにより、スキーム1、5、6および7に類似する方法を実施することがより有利であり得ることを認識するであろう。
式7の化合物は、市販されており、および、技術分野において公知である標準的なハロゲン化法により対応するケトンから調製することも可能である。式7の化合物の調製に特に有用なハロゲン化剤としては、元素ハロゲン(Cl、Br)、N−ハロスクシンイミド(NBS、NCS)、銅(II)ハロゲン化物(例えば、CuBr、CuCl)、および、ピリジニウムブロミドペルブロミドが挙げられる。実施例1、ステップC、実施例3、ステップA、および、実施例6、ステップAにα−ブロモケトンの調製が例示されている。
スキーム5に対する代替的な方法において、Rがハロゲン以外である式2の中間体は、スキーム8において概要が記されている周知のスズキカップリング反応を用いて調製することが可能である。第1のステップにおいて、式9の化合物におけるN−H窒素原子は、カップリング反応の前に保護される。窒素−保護基、および、これらの保護基で窒素原子を保護する方法は、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,第2版;Wiley:New York,1991年に記載されている。次いで、金属−触媒スズキカップリング反応を実施して、2つのフェニル環をピリダジン環に導入することが可能である。式10の化合物のヨードを優先的に置換するために、X基はカップリング条件下でヨードよりも反応性が低いべきであり、これにより、2つの反応中心間の差別化が可能となる。XがBrまたはClである式10の化合物の使用が、度々、差異的な選択性をもたらす。典型的なスズキ反応条件については、例えば、Suzukiら,Chemical Review,1995年,95,2457〜2483ページを参照のこと。この種変換については広く多様な触媒が有用である;テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)が触媒として特に有用である。テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジエチルエーテルまたはジオキサンなどの溶剤が好適である。式14における保護基を標準的な脱保護条件により除去して、式2の化合物を得ることが可能である。
Figure 2013501715
当業者は、ピリダジン環の対称性のために、R基、R基の導入の順番、ならびに、WR4a、WR4bおよび(Rで置換されたフェニル環のピリダジン環への導入の順番は、度々、スキーム1〜8に記載のものと同様の方法を用いることで逆になる可能性があることを認識している。例えば、スキーム8と同様の方法においては、式9の化合物中のR置換基をRで置換し、次いで、保護した中間体を先ず式13の化合物と反応させ、次いで、式11の化合物と反応させて、脱保護の後に、フェニル環が相互に交換されていると共にR置換基がRによって置き換えられていることを除いて式2に類似する化合物を得ることが可能である。次いで、式2の化合物をスキーム1の方法と同様のハロゲン化に供して、Rがハロゲンである式1の化合物をもたらすことが可能である。
しかも、当業者は、いくつかの式1の化合物については、置換基(Rおよび/または(Rは、より都合のいいことに、中央のピリダジン環を形成した後に、フェニル環に結合している場合があることを認識する。例えば、式1の化合物をスキーム1〜8と同様の方法を用いて調製し、次いで、ハロゲン化剤と反応させてRおよび/またはRを導入することが可能である。本実施例7に、WR4aおよびWR4bで置換されたフェニル環に2−クロロであるR置換基を付加する、式1の化合物のクロロ化が例示されている。
式1の化合物を調製するための上記のいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する特定の官能基には適合しないであろうことが認識される。これらの例において、合成系中に保護/脱保護配列または官能性の相互転換を組み入れることにより、所望の生成物を得ることが助けられるだろう。保護基の使用および選択は化学合成の当業者に明白であろう(例えば、Greene,T.W.;P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991を参照のこと)。場合によっては、いずれかの個々のスキームに記述されたように与えられた試薬の導入後、式1の化合物の合成を完了するために、詳細に記載されていない追加の慣例合成工程を実行する必要があることを当業者は認識するだろう。式1の化合物を調製するために提案された特定の順序により示されるもの以外の順番で、上記スキームに図示された工程の組み合わせを実行する必要があることも当業者は認識するだろう。
置換基を加えるため、または存在する置換基を変性するために、本明細書に記載の式1の化合物および中間体に、様々な求電子、求核、基、有機金属、酸化および還元反応を受けさせることができることも当業者は認識するだろう。
さらなる詳細がなくても、前記を使用する当業者は、本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。従って以下の実施例は単なる実例として解釈され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。以下の実施例の工程は全体的な合成変換における各工程の手順を説明し、そして各工程の出発材料が、他の実施例または工程に手順が記載される特定の製造実施によって必ずしも製造される必要はない。クロマトグラフィー溶媒混合物を除いて、または特記されない限り、パーセントは重量によるものである。特記されない限り、クロマトグラフィー溶媒混合物に関する部およびパーセントは体積によるものである。クロマトグラフィー溶媒混合物に対する部およびパーセントは、他に示されていない限りにおいて体積基準である。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの低磁場側にppmで報告されており;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「m」は多重項を意味し、および、「br s」は幅広の一重項を意味する。
実施例1
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物8)の調製
ステップA:3,5−ジメトキシ−N,N−ジメチルベンズアミドの調製
N,N−ジメチルアミン(テトラヒドロフラン中に2M、31mL、62mmol)のジクロロメタン(90mL)中の混合物に、−10℃で、トリエチルアミン(17.4mL、125mmol)を添加し、続いて、反応混合物の温度を10℃未満に維持しながら、ジクロロメタン(40mL)中の塩化3,5−ジメトキシベンゾイル(10g、50mmol)を滴下した。反応混合物を室温に温め、15分間撹拌し、次いで、塩酸(1N)およびジクロロメタンで希釈し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して、表題の化合物を油(8.41g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.5(s,2H),6.48(s,1H),3.79(s,6H),3.09(br s,3H),2.97(br s,3H)。
ステップB:1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−プロパノンの調製
3,5−ジメトキシ−N,N−ジメチルベンズアミド(すなわち、ステップAの生成物)(8.41g、40.19mmol)のテトラヒドロフラン(130mL)中の混合物に、0℃で、エチルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン中に2M、60mL、121mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、4時間攪拌し、次いで、塩酸(1N、160mL)および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、濃縮した。得られた油を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の30%酢酸エチル)により精製して、表題の化合物を油(5.69g)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.1(s,2H),6.6(s,1H),3.84(s,6H),2.9(q,2H),1.2(t,3H)。
ステップC:2−ブロモ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−プロパノンの調製
1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−プロパノン(すなわち、ステップBの生成物)(5.69g、29.14mmol)のクロロホルム(33mL)およびアセトニトリル(33mL)中の混合物に、臭化銅(II)(13.08g、58.6mmol)を添加した。反応混合物を還流で6時間加熱し、室温に冷却し、一晩攪拌した。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルで希釈し、次いで、焼結ガラスフリット漏斗中のCelite(登録商標)床(珪藻土ろ過助剤)を通してろ過した。層を分離し、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して、表題の化合物を油(8g)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.15(s,2H),6.6(s,1H),5.2(q,1H),3.84(s,6H),1.89(d,3H)。
ステップD:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノンの調製
2−ブロモ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−プロパノン(すなわち、ステップCの生成物)(4.16g、15.2mmol)および2,4,6−トリフルオロベンゼン酢酸(2.89g、15.20mmol)のアセトニトリル(38mL)中の混合物に、トリエチルアミン(3.61mL、25.9mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、次いで、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(5.05mL、33.5mmol)を添加した。1時間後、空気を反応混合物の表面下に3時間通気させた。反応混合物を塩酸(1N)および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液としてヘキサン中の20〜30%勾配の酢酸エチル)により精製して、表題の化合物を油(2.7g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.8(m,1H),6.7〜6.6(m,3H),6.5(s,1H),3.68(s,6H),1.81(s,3H)。
ステップE:5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3(2H)−ピリダジノンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップDの生成物)(2.7g、7.1mmol)のn−ブタノール(17mL)中の混合物に、ヒドラジン一水和物(0.92g、18.5mmol)を添加した。反応混合物を還流で6時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈し、および、再度濃縮して、表題の化合物を油(1.97g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.57(m,2H),6.38(m,1H),6.2(s,2H),3.71(s,6H),2.15(s,3H)。
ステップF:3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジンの調製
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−3(2H)−ピリダジノン(すなわち、ステップEの生成物)(1.97g、5.24mmol)およびオキシ塩化リン(30mL)の混合物を還流で90分間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈し、および、再度濃縮した。得られた材料を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の10%酢酸エチル)により精製して油を得た。油をヘキサンで倍散し、および、ろ過して、本発明の化合物である表題の化合物を固体(348mg)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.63(t,2H),6.38(s,1H),6.19(s,2H),3.71(s,6H),2.57(s,3H)。
実施例2
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3,6−ジメチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物9)の調製
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(すなわち、実施例1の生成物)(100mg、0.25mmol)のp−ジオキサン(1.3mL)中の混合物に、ジクロロ−[1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1:1)(21mg、0.025mmol)、炭酸セシウム(248mg、0.76mmol)、2,4,6−トリメチルボロキシン(36μL、0.25mmol)および水(0.12mL)を添加した。反応混合物を還流で3時間加熱し、次いで、室温で一晩静置させた。反応混合物を酢酸エチルと水との間に分割し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和N,N’−1,2−エタンジイルビス[N−(カルボキシ−メチル)−グリシン(EDTA)水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の30%酢酸エチル)により精製して油を得た。油をヘキサンで倍散し、および、ろ過して、本発明の化合物である表題の化合物を固体(22mg)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.6(t,2H),6.3(s,1H),6.18(s,2H),3.71(s,6H),2.54(s,3H),2.49(s,3H)。
実施例3
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物5)の調製
ステップA:2−ブロモ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノンの調製
1−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノン(10g、55mmol)のジクロロメタン(140mL)中の混合物に、ピリジニウムブロミドペルブロミド(19.75g、55.49mmol)を添加した。一晩攪拌した後、反応混合物を水で希釈し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和重亜硫酸塩水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた油をジエチルエーテル/ヘキサンで希釈し、および、ろ過して、表題の化合物を黄色の固体(5.97g)として得た。ジエチルエーテル/ヘキサン濾液を濃縮して、さらなる表題の化合物を油(9.47g)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.1(s,2H),6.6(s,1H),4.42(s,2H),3.84(s,6H)。
ステップB:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノンの調製
2−ブロモ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エタノン(すなわち、ステップAの生成物)(14.37g、55.46mmol)および2,4,6−トリフルオロベンゼン酢酸(10.54g、55.46mmol)のアセトニトリル(140mL)中の混合物にトリエチルアミン(13.14mL、94.28mmol)を添加した。一晩攪拌した後、反応混合物を−10℃に冷却し、次いで、混合物の温度を0℃未満に維持しながら、DBU(18.39mL、122.0mmol)を添加した。95分間攪拌した後、反応混合物を塩酸(1N)および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液としてヘキサン中の5〜40%勾配の酢酸エチル)により精製して、表題の化合物を黄色の固体(7.17g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.7(t,2H),6.5(s,1H),6.4(s,2H),5.28(s,2H),3.68(s,6H)。
ステップC:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップBの生成物)(7.17g、20.5mmol)およびDarco(登録商標)G−60(活性炭粉末、−100メッシュ粒径)の酢酸エチル(150mL)中の混合物を空気下で一晩攪拌した。反応混合物を、焼結ガラスフリット漏斗上のCelite(登録商標)床(珪藻土ろ過助剤)を通してろ過し、Celite(登録商標)を熱酢酸エチルですすぎ、および、濾液を減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液としてヘキサン中の5〜40%勾配の酢酸エチル)により精製して、表題の化合物を黄色の固体(3.98g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.7(m,2H),6.58(s,2H),6.5(s,1H),3.68(s,6H)。
ステップD:5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−3(2H)−ピリダゾンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップCの生成物)(3.4g、9.4mmol)のn−ブタノール(23mL)中の混合物に、ヒドラジン一水和物(1.18mL、24.4mmol)を添加した。反応混合物を還流で3時間加熱し、次いで、室温に冷却し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料をジクロロメタン中に溶解させ、再度濃縮して、表題の化合物を油(3.7g)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.9(s,1H),6.6(t,2H),6.4(
s,1H),6.3(s,2H),3.6(s,6H)。
ステップE:3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジンの調製
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3(2H)−ピリダゾン(すなわち、ステップDの生成物)(3.4g、9.4mmol)およびオキシ塩化リン(40mL)の混合物を還流で3.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈し、および、再度濃縮した。得られた材料を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液としてヘキサン中の5〜30%勾配の酢酸エチル)により精製して、本発明の化合物である表題の化合物を固体(0.62g)として得た。
H NMR(CDCl):δ9.2(s,1H),6.7(t,2H),6.4(s,1H),6.29(s,2H),3.7(s,6H)。
実施例4
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン1−オキシドおよび5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン2−オキシド(化合物22、1−および2−N−オキシド混合物)の調製
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジンから、実施例2の手法と同様に調製した)(0.29g、0.81mmol)のジクロロメタン(5mL)中の混合物に、3−クロロ過安息香酸(MCPBA)(77%、234mg、1.04mmol)を添加した。一晩攪拌した後、反応混合物を、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液およびジクロロメタンで希釈し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して、本発明の化合物である表題の化合物を固体(0.44g)として得た。
H NMR(CDCl):δ8.4(s,1H),8.1(s,1H),6.7(m,4H),6.42(s,1H),6.40(s,1H),6.22(d,2H)6.20(d,2H),3.69(s,6H),3.69(s,6H)2.37(s,3H),2.37(s,3H)。
実施例5
3−(クロロメチル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン(化合物7)および3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物12)の調製
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン1−オキシドおよび5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン2−オキシド(すなわち、実施例4の生成物)(302mg、0.804mmol)の混合物に、オキシ塩化リン(6mL)を添加した。反応混合物を還流で2時間加熱し、減圧下で濃縮し、トルエンで希釈し、および、再度濃縮した。得られた材料を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の20%酢酸エチル)により精製して、本発明の化合物である3−(クロロメチル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジンを油(0.2g)として得、および、本発明の化合物である3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジンを固体(0.2g)として得た。
H NMR(CDCl)(化合物7):δ9.25(s,1H),6.7(t,2H),6.42(s,1H),6.29(s,2H),4.78(s,2H),3.71(s,6H)。
H NMR(CDCl)(化合物12):δ6.6(t,2H),6.39(s,1H),6.24(s,2H),3.71(s,6H),2.52(s,3H)。
実施例6
3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリダジン(化合物4)の調製
ステップA:2−ブロモ−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−プロパノンの調製
1−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−プロパノン(10g、59mmol)のジクロロメタン(150mL)中の混合物に、ピリジニウムブロミドペルブロミド(20.88g、58.76mmol)を添加した。一晩攪拌した後、反応混合物を水で希釈し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を、飽和重亜硫酸塩水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して、表題の化合物を油(14.68g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.9(t,2H),6.4(m,1H),5.0(q,1H),1.9(d,3H)。
ステップB:4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノンの調製
2−ブロモ−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−プロパノン(すなわち、ステップAの生成物)(14.6g、58.74mmol)および3,5−ジメトキシベンゼン酢酸(11.52g、58.7mmol)のアセトニトリル(420mL)中の混合物に、トリエチルアミン(13.92mL、99.9mmol)を添加した。一晩攪拌した後、DBU(19.48mL、129.2mmol)を反応混合物に添加した。1時間後、空気を反応混合物の表面下に3時間通気させた。反応混合物を塩酸(1N)および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液としてヘキサン中の5〜40%勾配の酢酸エチル)により精製して、表題の化合物を油(7.98g)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.39(m,1H),6.9(t,2H),6.6(s,2H),6.4(s,2H),3.78(s,6H),2.0(s,2H)。
ステップC:5−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−3(2H)−ピリダジノンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップBの生成物)(7.98g、22.0mmol)のn−ブタノール(55mL)中の混合物に、ヒドラジン一水和物(2.78mL、57.3mmol)を添加した。反応混合物を還流で3時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈し、および、再度濃縮して表題の化合物を油(6.6g)として得た。
ステップD:3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,6−ジフルオロフェニル)ピリダジンの調製
5−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−3(2H)−ピリダジノン(すなわち、ステップCの生成物)(6.62g、18.47mmol)およびオキシ塩化リン(55mL)の混合物を還流で2時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈し、および、再度濃縮した。得られた材料を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(流出液としてヘキサン中の5〜40%勾配の酢酸エチル)により精製して、本発明の化合物である表題の化合物を油(0.41g)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.3(m,1H),6.8(m,2H),6.3(s,1H),6.2(s,2H),3.69(s,6H),2.5(s,3H)。
実施例7
3−クロロ−5−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン(化合物23)の調製
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(すなわち、実施例1の生成物)(100mg、0.25mmol)の四塩化炭素(3mL)中の混合物に、N−クロロスクシンイミド(40mg、0.30mmol)および2,2’−(1,2−ジアゼンジイル)ビス[2−メチル−プロパンニトリル(AIBN)(触媒量)を添加した。反応混合物を60℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を水および酢酸エチルで希釈し、ならびに、層を分離した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲル(5g)、Varian Bond Elute SI(登録商標)カラムでのフラッシュクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の10%酢酸エチル)により精製して白色の固体を得た。得られた白色の固体をジエチルエーテル/ヘキサンで希釈し、および、ろ過して、本発明の化合物である表題の化合物を白色の固体(59g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.6(m,2H),6.46(d,1H),6.20(s,1H),3.85(s,3H),3.72(s,3H),2.52(s,3H)。
実施例8
1−[4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3−ピリダジニル]エタノン(化合物20)の調製
ステップA:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(1−エトキシエテニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジンの調製
3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(すなわち、実施例5の生成物、化合物12)(0.39g、1.06mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)中の混合物に、トリブチル(1−エトキシエテニル)スタナン(0.5g、1.4mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(50mg、0.07mmol)を添加した。反応混合物を80℃で一晩加熱し、次いで、室温に冷却し、および、フッ化カリウム(4g)の水溶液および酢酸エチルを添加した。1時間攪拌した後、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を、水(3回)、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して表題の化合物を油(0.5g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.6(t,2H),6.3(s,1H),6.2(d,2H),4.8(d,1H),4.4(d,1H),3.67(s,6H),3.5(q,2H),2.54(s,3H),1.2(t,3H)。
ステップB:1−[4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3−ピリダジニル]エタノンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(1−エトキシエテニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(すなわち、ステップAの生成物)(0.45g、1.04mmol)のアセトン(5mL)中の混合物に塩酸(1N、1.5mL)を添加した。一晩攪拌した後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で希釈し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた油を、シリカゲル(5g)、Varian Bond Elute SI(登録商標)カラムでのフラッシュクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の30%酢酸エチル)により精製した。得られた白色の固体をジエチルエーテル/ヘキサンで希釈し、および、ろ過して、本発明の化合物である表題の化合物を黄色の固体(0.34g)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.6(t,2H),6.3(m,1H),6.14(d,6H),6.2(s,2H),3.68(s,6H),2.74(s,3H),2.60(s,3H)。
実施例9
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−α,α,6−トリメチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3−ピリダジンメタノール(化合物21)の調製
1−[4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3−ピリダジニル]エタノン(すなわち、実施例8の生成物)(0.20g、0.49mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)中の混合物に、−78℃で、メチル塩化マグネシウム(テトラヒドロフラン中に3M、0.5mL、1.5mmol)を添加した。添加が完了した後、攪拌を−70℃で1時間継続し、次いで、反応混合物を室温に温めた。次いで、反応混合物を塩酸(1N、15mL)および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して油(0.25g)を得た。得られた油を、シリカゲル(5g)、Varian Bond Elute SI(登録商標)カラムでのフラッシュクロマトグラフィ(流出液としてヘキサン中の10〜30%勾配の酢酸エチル)により精製して油を得た。得られた油をジエチルエーテル/ヘキサンで希釈し、および、ろ過して、本発明の化合物である表題の化合物を黄色の固体(55mg)として得た。
H NMR(CDCl):δ6.6(t,2H),6.3(m,1H),6.2(d,2H),5.79(br s,1H),3.69(s,6H),2.51(s,3H),1.42(s,6H)。
実施例10
3−クロロ−6−(クロロメチル)−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン(化合物26)の調製
オキシ塩化リン(14mL)に、3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−1−オキシド(3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−ピリダジンから、実施例4の手法と同様に調製した)(0.72g、1.85mmol)を添加した。反応混合物を還流で2時間加熱し、減圧下で濃縮し、トルエンで希釈し、および、再度濃縮した。得られた材料を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲル(10g)、Varian Bond Elute SI(登録商標)カラムでのフラッシュクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の20%酢酸エチル)により精製した。得られた固体をヘキサンで希釈し、および、ろ過して本発明の化合物である表題の化合物を固体(0.27g)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.3(m,1H),6.8(t,2H),6.4(s,1H),6.3(s,2H),4.7(s,2H),3.7(s,6H)。
実施例11
6−クロロ−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−ピリダジン−アセトニトリル(化合物27)の調製
3−クロロ−6−(クロロメチル)−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン(すなわち、実施例10の生成物)(100g、0.24mmol)のメタノール(2mL)中の混合物にシアン化ナトリウム(12mg、0.24mmol)を添加した。反応混合物を60℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、次いで、反応混合物を水およびジクロロメタンで希釈し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して油(0.15g)を得た。得られた油を、シリカゲル(5g)、Varian Bond Elute SI(登録商標)カラムでのフラッシュクロマトグラフィ(流出液として、ヘキサン中の20%酢酸エチル)により精製して、本発明の化合物である表題の化合物を固体(60mg)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.3(m,1H),6.8(t,2H),6.4(s,1H),6.26(s,2H),3.95(s,2H),3.71(s,6H)。
実施例12
4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−フルオロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチルピリダジン(化合物33)の調製
3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−ピリダジン(5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−6−メチル−4−(2,6−トリフルオロ−フェニル)−3(2H)−ピリダジノンから実施例1と同様の手法で調製した)(1.2g、3.19mmol)のジメチルスルホキシド(10mL)中の混合物に、18−クラウン−6(0.92mg、3.51mmol)およびフッ化カリウム(0.55mg、9.57mmol)を添加した。反応混合物を密閉容器中で140℃で36時間加熱した。室温に冷却した後、次いで、反応混合物を水で希釈し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した(3回)。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、シリカゲルクロマトグラフィにより精製して、本発明の化合物である表題の化合物を白色の固体(500mg)として得た。
H NMR(CDCl):δ7.3(m,1H),6.8(t,2H),6.4(s,1H),6.26(s,2H),3.95(s,2H),3.71(s,6H)。
技術分野において公知である方法を伴って、本明細書に記載の手法により、表1〜3の以下の化合物を調製することが可能である。以下の略語が以下の表中で用いられている:sは第2級を意味し、nはノルマルを意味し、iはイソを意味し、cはシクロを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、i−Prはイソプロピルを意味し、Buはブチルを意味し、MeOはメトキシを意味し、EtOは、エトキシを意味し、MeSはメチルチオを意味し、CNはシアノを意味し、および、NOはニトロを意味する。
Figure 2013501715
本開示はまた、その各々が、表1中の行見出し(すなわち、「RはMeであり;(Rは2,4,6−トリ−Fであり;および、nは0である」)が以下に示すそれぞれの行見出しで置き換えられていることを除いて、上記表1と同じく構成されている表1A〜73Aを含む。例えば、表1Aにおいて、行見出しは、「RはMeであり;(Rは2,3,4−トリ−Fであり;および、nは0である」であり、および、Rは上記表1において定義されているとおりである。それ故、表1A中の最初の項は、5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピリダジンを特定的に開示している。表2A〜73Aも同様に構成されている。
Figure 2013501715
Figure 2013501715
Figure 2013501715
Figure 2013501715
本開示はまた、その各々が、表2中の行見出し(すなわち、「RはClであり;(Rは2,4,6−トリ−Fであり;および、nは0である」)が以下に示すそれぞれの行見出しで置き換えられていることを除いて、上記表2と同じく構成されている表2B〜70Bを含む。例えば、表2Bにおいて、行見出しは、「RはClであり;(Rは2,3,4−トリ−Fであり;および、nは0である」であり、および、Rは上記表2において定義されているとおりである。それ故、表2B中の最初の項は、5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−クロロ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピリダジンを特定的に開示している。表3B〜70Bも同様に構成されている。
Figure 2013501715
Figure 2013501715
Figure 2013501715
Figure 2013501715
製剤/効用
本発明の式1の化合物(そのN−オキシドおよび塩を含む)は一般的に、担体として機能する界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加成分と一緒に組成物、すなわち、製剤中の殺菌・殺カビ性活性成分として使用されるであろう。製剤または組成物成分は、活性成分の物性、適用形態ならびに土壌タイプ、湿度および温度のような環境要因と調和するように選択される。
有用な製剤には液体および個体組成物の両方が含まれる。液体組成物には、場合によりゲルへと濃厚化されることが可能な、溶液(乳化可能な濃縮物を含む)、懸濁液、乳液(ミクロエマルジョンおよび/またはサスポエマルジョンを含む)等のような液体が含まれる。水性液体組成物の一般的種類は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、ミクロエマルジョンおよびサスポエマルジョンである。非水性液体組成物の一般的種類は、乳化可能な濃縮物、ミクロエマルジョン化可能な濃縮物、懸濁可能な濃縮物および油懸濁液である。
固体組成物の一般的種類は、水分散性(「水和」)または水溶性であり得る、ダスト、粉末、顆粒、ペレット、プリル、パスタイル、タブレット、充填フィルム(シードコーティングを含む)等である。フィルム形成溶液または流動可能懸濁液から形成されたフィルムおよびコーティングは、シード処理に特に有用である。活性成分を(マイクロ)カプセル化することができ、さらに懸濁液または固体製剤へと形成することができ、あるいは活性成分の全製剤をカプセル化(または「オーバーコート」)することができる。カプセル化により、活性成分放出を制御することができるか、または遅らせることができる。乳化可能な顆粒は乳化可能な濃縮物製剤と乾燥顆粒製剤の両方の利点を組み合わせたものである。さらなる製剤の中間体として、最初に高強度組成物を使用可能である。
噴霧可能な製剤を典型的に噴霧前に適切な培地に施すことができる。かかる液体および固体製剤は、噴霧媒体(通常水)中に容易に希釈されるように配合される。噴霧容積は1ヘクタールにつき約1〜数千リットルの範囲であるが、より典型的には1ヘクタールにつき約十〜数百リットルの範囲である。噴霧可能な配合物は、空中または土への適用による葉面処理のため、あるいは植物の成長媒体への適用のため、水または適切なもう1種の媒体とタンク混合が可能である。液体および乾燥製剤を、直接的に細流潅漑システムに計量することができ、また植え付けの間に溝に計量することができる。根および他の地下にある植物部分および/または葉の浸透移行性取り込みの発達を保護するために、植え付けの前にシード処理として液体および固体製剤を、作物および他の所望の野菜の種上に適用することができる。
製剤は典型的に、以下の100重量%まで加算される適切な範囲内で、有効量の活性成分、希釈剤および界面活性剤を含有する。
Figure 2013501715
固体希釈剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、カオリン、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、澱粉、デキストリン、砂糖(例えば、乳糖、ショ糖)、シリカ、タルク、マイカ、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウム、ならびに硫酸ナトリウムのような粘土が含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkinsら、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers第2版、Dorland Books、Caldwell、New Jerseyに記載されている。
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N−ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリジノン)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、通常のパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセリントリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニルのような酢酸エステル、アルキル化乳酸エステル、二塩基性エステルおよびγ−ブチロラクトンのような他のエステル、ならびにメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコールおよびベンジルアルコールのような直鎖、分枝鎖、飽和または不飽和であり得るアルコールが挙げられる。液体希釈剤としては、植物種および果物油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、胡麻油、コーン油(トウモロコシ油)、落花生油、ヒマワリ油、グレープシード油、サフラワー油、綿実油、大豆油、菜種油、ヤシ油およびパーム核油)動物由来脂肪(例えば、牛肉獣脂、豚肉獣脂、ラード、タラ肝油、魚油)ならびにそれらの混合物のような飽和および不飽和脂肪酸(典型的にC〜C22)のグリセリンエステルも挙げられる。液体希釈剤としては、脂肪酸が植物および動物供給源からのグリセリンエステルの加水分解によって得られ、そして蒸留によって精製可能なアルキル化脂肪酸(メチル化、エチル化、ブチル化)も挙げられる。典型的な液体希釈剤は、Marsden、Solvents Guide第2版、Interscience、New
York、1950に記載されている。
本発明の固体および液体組成物は、しばしば1種以上の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(「表面活性剤」としても知られている)は、一般に、液体の表面張力を変性(ほとんどの場合低減)させる。界面活性剤分子における親水性基および親油性基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤または消泡剤として有用であることが可能である。
界面活性剤を、非イオン性、アニオン性またはカチオン性に分類することができる。本組成物のために有用な非イオン性界面活性剤としては、限定されないが、天然および合成アルコール(分枝鎖であっても直鎖であってもよい)をベースとし、アルコールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造されるアルコールアルコキシレートのようなアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミドおよびエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油および菜種油のようなアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレートおよびドデシルフェノールエトキシレート(フェノールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物からの製造される)のようなアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから製造されるブロックポリマーおよび末端ブロックがプロピレンオキシドから製造される逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステルおよび油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から調製されるものを含む);脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ラノリンベース誘導体、ポリエトキシレートエステル、例えば、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシル化グリセリン脂肪酸エステル;ソルビタンエステルのような他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドペグ(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトまたはコームポリマーおよびスターポリマーのようなポリマー界面活性剤;ポリエチレングリコール(ペグ);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベース界面活性剤;ならびにショ糖エステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキルポリサッカリドのような砂糖誘導体も挙げられる。
有用なアニオン性界面活性剤としては、限定されないが、アルキルアリールスルホン酸およびそれらの塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニンおよびリグノスルホネートのようなリグニン誘導体;マレイン酸またはコハク酸またはそれらの無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステルおよびスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルのようなホスフェートエステル;タンパク質ベース界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油および脂肪酸のスルフェートおよびスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェートおよびスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N−アルキルタルレートのようなアミンおよびアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびにドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホネート;濃縮ナフタレンのスルホネート;ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホネート;分留された石油のスルホネート;スルホスクシネート;ならびにジアルキルスルホスクシネート塩のようなスルホスクシネートおよびそれらの誘導体が挙げられる。
有用なカチオン性界面活性剤としては、限定されないが、アミドおよびエトキシル化アミド;N−アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラアミン、ならびにエトキシル化アミン、エトキシル化ジアミンおよびプロポキシル化アミン(アミンおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造される)のようなアミン;アミンアセテートおよびジアミン塩のようなアミン塩;四級塩、エトキシル化四級塩およびジ四級塩のような四級アンモニウム塩;ならびにアルキルジメチルアミンオキシドおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシドが挙げられる。
また非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物または非イオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との混合物も本組成物のために有用である。非イオン性、アニオン性およびカチオン性界面活性剤ならびにそれらの推薦される使用については、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって発行されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;SiselyおよびWood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.,Inc.、New York、1964;ならびにA.S.DavidsonおよびB.Milwidsky、Synthetic Detergents、第7版、John Wiley and Sons、New York、1987を含む様々な公表された文献に開示される。
本発明の組成物はまた、配合補助剤として当業者に公知である配合助剤および添加剤を含有し得る。(これらのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤または界面活性剤としても機能するとみなされ得る)。かかる製剤補助材料および添加剤は、pH(緩衝液)、加工間の発泡(ポリオルガノシロキサンのような消泡剤)、活性成分の沈殿(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物の成長(抗微生物剤)、製品の冷凍(不凍液)、着色剤(染料/顔料分散剤)、ウォッシュオフ(フィルムフォーマーまたはステッカー)、蒸発(蒸発抑制剤)ならびに他の製剤特性を制御し得る。フィルムフォーマーとしては、例えば、ポリビニルアセテート、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。製剤補助材料および添加剤の例は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって発行されたMcCutcheon’s第2巻:Functional Materials,annual International and North American editions;ならびに国際公開第03/024222号パンフレットに列挙されるものが挙げられる。
式1の化合物およびいずれかの他の有効処方成分が、典型的には、有効処方成分を溶剤中に溶解させることにより、または、液体または乾燥希釈剤中で粉砕することにより、本組成物中に組み込まれる。成分を単純に混合することにより、乳化可能濃縮物を含む溶液を製造することができる。乳化可能な濃縮物としての使用が意図される液体組成物の溶媒が水非混合性である場合、乳化剤は、典型的に水での希釈時に活性含有溶媒を乳化するために添加される。2,000μmまでの粒径を有する活性成分スラリーはメディアミルを使用して湿式粉砕が可能であり、3μm未満の平均径を有する粒子が得られる。水性スラリーを仕上げられた懸濁液濃縮物へと製造することができ(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照のこと)、または噴霧乾燥によって水分散性顆粒へとさらに加工することができる。乾燥性座位は、通常、乾燥粉砕工程を必要とする。それによって2〜10μm範囲の平均粒径がもたらされる。ブレンドおよび(ハンマーミルまたは流体エネルギーミルなどで)通常は粉砕することにより、ダストおよび粉末を製造することができる。予備形成された顆粒担体上に活性材料を噴霧することにより、または凝集技術により、顆粒およびペレットを製造することができる。Browning、「Agglomeration」、Chemical Engineering、1967年12月4日、第147〜48頁、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、第4版、McGraw−Hill、New York、1963、第8〜57頁以下および国際公開第91/13546号パンフレットを参照のこと。米国特許第4,172,714号明細書に記載されるようにペレットを製造することができる。米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書および独国特許第3,246,493号明細書に教示されるように水分散性および水溶性顆粒を製造することができる。米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示されるようにタブレットを製造することができる。英国特許第2,095,558号明細書および米国特許第3,299,566号明細書に教示されるようにフィルムを製造することができる。
製剤の分野に関するさらなる情報に関しては、T.S.Woods、Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food−Environment Challengeにおける「The Formulator’s Toolbox −Product Forms for Modern Agriculture」、T.BrooksおよびT.R.Roberts編、Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry、The Royal Society of Chemistry、Cambridge、1999、第120〜133を参照のこと。米国特許第3,235,361号明細書、第6欄、第16行〜第7欄、第19行および実施例10〜41;米国特許第3,309,192号明細書、第5欄、第43行〜第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138〜140、162〜164、166、167および169〜182;米国特許第2,891,855号明細書、第3欄、第66行〜第5欄、第17行および実施例1〜4;Klingman、Weed Control as a Science、John Wiley and Sons,Inc、New York、1961、第81〜96頁;Hanceら、Weed Control Handbook、第8版、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1989;ならびにDevelopments in formulation technology、PJB Publications、Richmond、UK、2000も参照のこと。
以下の実施例において、全てのパーセントは重量によるものであり、全ての製剤は従来法で製造される。化合物番号は、索引表Aにおける化合物を指す。さらなる詳細を伴わずに、前記記載を使用する当業者は、本発明を最大限に利用することが可能であると考えられている。以下の実施例は、従って、単なる例示であって、本開示を如何様にも限定するものではないと解釈されるべきである。別段の記載がない限り、パーセントは重量基準である。
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水溶性および水分散性配合物は、典型的には、適用前に水で希釈されて水性組成物が形成される。植物またはその部分に直接適用される水性組成物(例えば、噴霧タンク組成物)は、本発明の組成物が典型的には、少なくとも約1ppm以上(例えば、1ppm〜100ppm)である。
本発明の化合物は植物病害防除剤として有用である。従って、本発明は、保護されるべき植物もしくはその一部または保護されるべき植物種子に、有効量の本発明の化合物または前記化合物を含む殺菌・殺カビ性組成物を適用する工程を含む菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除する方法をさらに含む。本発明の化合物および/または組成物は、担子菌(Basidiomycete)、子嚢菌(Ascomycete)、卵菌(Oomycete)および不完全菌(Deuteromycete)類の広範囲の菌類・カビ類植物病原体によって引き起こされる病害の防除をもたらす。それらは広範囲の植物病害、特に観葉植物、芝、野菜、圃場、穀類および果実作物の葉面病原体を防除する際に有効である。これらの病原体としては以下が挙げられる:フィトフトラ インフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラ メガスペルマ(Phytophthora megasperma)、フィトフトラ パラシティカ(Phytophthora parasitica)、フィトフトラ シンナモニ(Phytophthora cinnamoni)、およびフィトフトラ カプシシ(Phytophthora capsici)のようなフィトフトラ(Phytophthora)病害;ピシウム アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)のようなピシウム(Pythium)病害;ならびにプラズモパラ ビチコーラ(Plasmopara viticola)、ペロノスポラ(Peronospora)属(ペロノスポラ タバシナ(Peronospora tabacina)およびペロノスポラ パラシティカ(Peronospora parasitica)を含む)、プソイドペロノスポラ(Pseudoperonospora)属(プソイドペロノスポラ クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)を含む)およびブレミナ ラクツカエ(Bremia lactucae)のようなツユカビ(Peronosporaceae)科の病害を含む卵菌;アルタナリア ソラニ(Alternaria solani)およびアルタラニア ブラッシカエ(Alternaria brassicae)のようなアルタナリア(Alternaria)病害;ガイグナルディア ビドウェル(Guignardia bidwell)のようなガイグナルディア(Guignardia)病害;ベンツリア イナエクアリス(Venturia inaequalis)のようなベンツリア(Venturia)病害;セプトリア ノドルム(Septoria nodorum)およびセプトリア トリティシ(Septoria tritici)のようなセプトリア(Septoria)病害;エリシフェ(Erysiphe)属(エリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis)およびエリシフェ ポリゴニ(Erysiphe polygoni)を含む)、ウンシヌラ ネカツル(Uncinula necatur)、スファエロテカ フリゲナ(Sphaerotheca fuligena)およびポドスファエラ ルコトリチャ(Podosphaera leucotricha)のようなウドンコ病(powdery mildew)病害;プソイドセルコスポレラ ヘルポトリコイド(Pseudocercosporella herpotrichoides);ボトリティス シネレア(Botytis cinerea)のようなボトリティス(Botrytis)病害;モニリニア フルクティコーラ(Monilinia fructicola);スクレロティニア スクレロティロルム(Sclerotinia sclerotiorum)のようなスクレロティニア(Sclerotinia)病害;マグナポルテ グリセア(Magnaporthe grisea);ホモプシス ビティコーラ(Phomopsis viticola);ヘルミンソスポリウム トリティシ レペンティス(Helminthosporium tritici repentis)のようなヘルミンソスポリウム(Helminthosporium)病害;ピレノホラ テレス(Pyrenophora teres);グロメレラ(Glomerella)またはコレトトリチュム(Colletotrichum)属(例えばコレトトリチュム グラミニコーラ(Colletotrichum graminicola)およびコレトトリチュム オルビクラレ(Colletotrichum orbiculare))のような炭疽病(anthracnose)病害;ならびにゲーウマノミセス グラミニス(Gaeumannomyces graminis)を含む子嚢菌;プッシニア(Puccinia)属(例えば、プッシニア レコンディタ(Puccinia recondita)、プッシニア ストリイフォルミス(Puccinia striiformis)、プッシニア ホルデイ(Puccinia hordei)、プッシニア グラミニス(Puccinia graminis)およびプッシニア アラキディス(Puccinia arachidis))によって引き起こされるさび(rust)病害;ヘミレイア バスタトリクス(Hemileia vastatrix);ならびにファコプソラ パチリジ(Phakopsora pachyrhizi);リゾコトニア(Rhizoctonia)属(例えば、リゾコトニア ソラニ(Rhizoctonia solani));フザリウム ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム グラミネアルム(Fusarium graminearum)、およびフザリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum)のようなフザリウム(Fusarium)病害;ベルティシリウム ダーリエア(Verticillium dahliae);スクレロティウム ロルフィシ(Sclerotium rolfsii);リンコスポリウム セカリス(Rynchosporium secalis);セルコスポリジウム ペルソナツム(Cercosporidium personatum)、セルコスポラ アラキディコーラ(Cercospora arachidicola)およびセルコスポラ ベティコーラ(Cercospora beticola)を含む他の病原体;ならびにこれらの病原体に密接に関連する他の属および種。それらの殺菌・殺カビ活性に加えて、組成物または組み合わせは、エルウィニア アミロボラ(Erwinia amylovora)、キサントモナス カムペストリス(Xanthomonas campestris)、プソイドモナス シリンガエ(Pseudomonas syringae)、および他の関連種のようなバクテリアに対しても活性を有する。
植物病害防除は通常、感染の前または後のいずれかに、根、茎、葉、果実、種子、塊茎または球根のような保護されるべき植物の一部に、あるいは保護されるべき植物が成長している培地(土壌または砂)に、有効量の本発明の化合物を適用することによって達成される。化合物を種子に適用して種子および種子から発芽する実生を保護することもできる。また植物の治療のため、化合物を灌漑水を通して適用することもできる。
これらの化合物の適用量(すなわち、殺菌・殺カビ的に有効な量)は、防除されるべき植物病害、保護されるべき植物種、周囲の湿度および温度などの要因によって影響される可能性があり、実際の使用条件下で判定されるべきである。当業者は、所望される植物病害防除レベルに必要とされる殺菌・殺カビ的に有効な量を、単純な実験を通して容易に判定することが可能である。活性成分約1g/ha未満から約5,000g/haの率で処理する場合、通常、葉面を保護することができる。種子1キログラムに対して約0.1gから約10gの率で処理する場合、通常、種子および実生を保護することができる。
本発明の化合物はまた、殺菌・殺カビ剤、殺虫剤、抗線虫薬、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤毒性緩和剤、昆虫脱皮阻害剤および発根刺激剤などの成長調節剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物資、植物栄養分、他の生物学的に有効な化合物、または、昆虫病原性バクテリア、ウイルスあるいは真菌を含む1種または複数種の他の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤と混合されて、さらに幅広い範囲の農学的保護をもたらす多成分殺虫剤を形成することが可能である。それ故、本発明はまた、式1の化合物(殺菌・殺カビ的に有効な量で)と、少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤(生物学的に有効な量で)とを含む組成物に関し、さらに、界面活性剤、固体希釈剤、または、液体希釈剤の少なくとも1種を含んでいることが可能である。他の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤を、界面活性剤、固体または液体希釈剤の少なくとも1種を含む組成物中に配合することが可能である。本発明の混合物に関して、1種または複数種の他の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤は、式1の化合物と一緒に配合されて予混合物を形成していることが可能であり、または、1種または複数種の他の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤は、式1の化合物とは個別に配合されて、配合物は適用前に一緒に組み合わされるか(例えば、噴霧タンク中で)、もしくは、代わりに、連続して適用されることが可能である。
注目すべきは、式1の化合物に追加して、クラス(1)メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌・殺カビ剤;(2)ジカルボキシイミド殺菌・殺カビ剤;(3)脱メチル化抑制(DMI)殺菌・殺カビ剤;(4)フェニルアミド殺菌・殺カビ剤;(5)アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤;(6)リン脂質生合成抑制殺菌・殺カビ剤;(7)カルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(8)ヒドロキシ(2−アミノ−)ピリミジン殺菌・殺カビ剤;(9)アニリノピリミジン殺菌・殺カビ剤;(10)N−フェニルカルバメート殺菌・殺カビ剤;(11)キノン外部抑制(QoI)殺菌・殺カビ剤;(12)フェニルピロール殺菌・殺カビ剤;(13)キノリン殺菌・殺カビ剤;(14)脂質過酸化抑制殺菌・殺カビ剤;(15)メラニン生合成抑制−レダクターゼ(MBI−R)殺菌・殺カビ剤;(16)メラニン生合成抑制−デヒドラターゼ(MBI−D)殺菌・殺カビ剤;(17)ヒドロキシアニリド殺菌・殺カビ剤;(18)スクアレン−エポキシダーゼ抑制殺菌・殺カビ剤;(19)ポリオキシン殺菌・殺カビ剤;(20)フェニル尿素殺菌・殺カビ剤;(21)キノン内部抑制(QiI)殺菌・殺カビ剤;(22)ベンズアミド殺菌・殺カビ剤;(23)エノピラヌロン酸抗生物質系殺菌・殺カビ剤;(24)ヘキソピラノシル抗生物質系殺菌・殺カビ剤;(25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌・殺カビ剤;(26)グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌・殺カビ剤;(27)シアノアセタミドオキシム殺菌・殺カビ剤;(28)カルバメート殺菌・殺カビ剤;(29)酸化性リン酸化脱共役殺菌・殺カビ剤;(30)有機錫殺菌・殺カビ剤;(31)カルボン酸殺菌・殺カビ剤;(32)芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤;(33)ホスホネート殺菌・殺カビ剤;(34)フタルアミド酸殺菌・殺カビ剤;(35)ベンゾトリアジン殺菌・殺カビ剤;(36)ベンゼン−スルホンアミド殺菌・殺カビ剤;(37)ピリダジノン殺菌・殺カビ剤;(38)チオフェン−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(39)ピリミジンアミド殺菌・殺カビ剤;(40)カルボン酸アミド(CAA)殺菌・殺カビ剤;(41)テトラサイクリン抗生物質系殺菌・殺カビ剤;(42)チオカルバメート殺菌・殺カビ剤;(43)ベンズアミド殺菌・殺カビ剤;(44)宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤;(45)多部位接触作用殺菌・殺カビ剤;(46)クラス(1)〜(45)以外の殺菌・殺カビ剤;ならびに、クラス(1)〜(46)の化合物の塩からなる群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ化合物を含む組成物である。
これらのクラスの殺菌・殺カビ化合物のさらなる説明が以下に記載されている。
(1)「メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード1)は、微小管会合の最中にβ−チューブリンに結合することにより有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送、および、細胞構造を撹乱することが可能である。メチルベンズイミダゾールカルバメート殺菌・殺カビ剤としては、ベンズイミダゾールおよびチオファネート殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ベンズイミダゾールとしては、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾールおよびチアベンダゾールが挙げられる。チオファネートとしては、チオファネートおよびチオファネート−メチルが挙げられる。
(2)「ジカルボキシイミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード2)は、NADHチトクロムcレダクターゼへの干渉を介して真菌における脂質過酸化を阻害すると提案されている。例としては、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドンおよびビンクロゾリンが挙げられる。
(3)「脱メチル化抑制(DMI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード3)は、ステロール産生に関与するC14−デメチラーゼを阻害する。エルゴステロールなどのステロールがメンブラン構造および機能に必要とされており、これらは、機能性細胞壁の発達のために必須とされている。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的な死滅をもたらす。DMI殺菌・殺カビ剤は、数々の化学的クラスに分類される:アゾール(トリアゾールおよびイミダゾールを含む)、ピリミジン、ピペラジンおよびピリジン。トリアゾールとしては、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール−Mを含む)、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾールおよびユニコナゾールが挙げられる。イミダゾールとしては、クロトリマゾール、イマザリル、オキシポコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエートおよびトリフルミゾールが挙げられる。ピリミジンとしては、フェナリモルおよびヌアリモルが挙げられる。ピペラジンとしてはトリホリンが挙げられる。ピリジンとしてはピリフェノックスが挙げられる。K.H.Kuckら,Modern Selective Fungicides−Properties,Applications and Mechanisms of Action,H.Lyr(編),Gustav Fischer Verlag:New York,1995年,205〜258ページに記載されているとおり、生化学的研究が、上述の殺菌・殺カビ剤のすべてがDMI殺菌・殺カビ剤であることを示している。
(4)「フェニルアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード4)は、卵菌真菌中のRNAポリメラーゼの特定の抑制剤である。これらの殺菌・殺カビ剤に露出された感受性の真菌は、ウリジンをrRNAに組み込む能力の低下を示す。感受性の真菌における成長および発達は、このクラスの殺菌・殺カビ剤への露出によって妨げられる。フェニルアミド殺菌・殺カビ剤としては、アシルアラニン、オキサゾリジノンおよびブチロラクトン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。アシルアラニンとしては、ベナラキシル、ベナラキシル−M、フララキシル、メタラキシルおよびメタラキシル−M/メフェノキサムが挙げられる。オキサゾリジノンとしてはオキサジキシルが挙げられる。ブチロラクトンとしてはオフレースが挙げられる。
(5)「アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード5)は、ステロール生合成経路Δ→ΔイソメラーゼおよびΔ14レダクターゼにおける2つの標的部位を阻害する。エルゴステロールなどのステロールがメンブラン構造および機能に必要とされており、これらは、機能性細胞壁の発達のために必須とされている。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的な死滅をもたらす。アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤(非DMIステロール生合成抑制剤としても知られている)としては、モルホリン、ピペリジンおよびスピロケタール−アミン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。モルホリンとしては、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフおよびトリモルファミドが挙げられる。ピペリジンとしては、フェンプロピジンおよびピペラリンが挙げられる。スピロケタール−アミンとしてはスピロキサミンが挙げられる。
(6)「リン脂質生合成抑制殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード6)は、リン脂質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。リン脂質生合成殺菌・殺カビ剤としては、ホスホロチオレートおよびジチオラン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ホスホロチオレートとしては、エジフェンホス、イプロベンホスおよびピラゾホスが挙げられる。ジチオランとしてはイソプロチオランが挙げられる。
(7)「カルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード7)は、クレブス回路(TCA回路)における重要な酵素、すなわち、コハク酸塩脱水素酵素を撹乱することにより、複合体II(コハク酸塩脱水素酵素)真菌の呼吸を阻害する。呼吸を阻害することで真菌類のATP形成が妨げられ、それ故、成長および繁殖が阻害される。カルボキサミド殺菌・殺カビ剤としては、ベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾールカルボキサミドおよびピリジンカルボキサミドが挙げられる。ベンズアミドとしては、ベノダニル、フルトラニルおよびメプロニルが挙げられる。フランカルボキサミドとしてはフェンフラムが挙げられる。オキサチインカルボキサミドとしては、カルボキシンおよびオキシカルボキシンが挙げられる。チアゾールカルボキサミドとしてはチフルズアミドが挙げられる。ピラゾールカルボキサミドとしては、フラメトピル、ペンチオピラド、ビキサフェン、イソピラザム、N−[2−(1S,2R)−[1,1’−ビシクロプロピル]−2−イルフェニル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドおよびペンフルフェン(N−[2−(1,3−ジメチル−ブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド)が挙げられる。ピリジンカルボキサミドとしてはボスカリドが挙げられる。
(8)「ヒドロキシ(2−アミノ−)ピリミジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード8)は、アデノシンデアミナーゼに干渉することにより核酸合成を阻害する。例としては、ブピリメート、ジメチリモールおよびエチリモルが挙げられる。
(9)「アニリノピリミジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード9)は、アミノ酸メチオニンの生合成を阻害すると共に、感染の最中に植物細胞を溶解する加水分解酵素の分泌を撹乱すると提案されている。例としては、シプロジニル、メパニピリムおよびピリメタニルが挙げられる。
(10)「N−フェニルカルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード10)は、β−チューブリンに結合し、および、微小管会合を撹乱することにより有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送、および、細胞構造を撹乱することが可能である。例としてはジエトフェンカルブが挙げられる。
(11)「キノン外部抑制(QoI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード11)は、ユビキノールオキシダーゼに作用することにより真菌における複合体IIIミトコンドリアの呼吸を阻害する。ユビキノールの酸化は、真菌の内部ミトコンドリア膜内に位置されているチトクロムbc複合体の「キノン外部」(Q)部位でブロックされる。ミトコンドリアの呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発達を妨げる。キノン外部抑制殺菌・殺カビ剤(ストロビルリン殺菌・殺カビ剤としても知られている)としては、メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、オキシミノアセテート、オキシミノアセタミド、オキサゾリジンジオン、ジヒドロジオキサジン、イミダゾリノンおよびベンジルカルバメート殺菌・殺カビ剤が挙げられる。メトキシアクリレートとしては、アゾキシストロビン、エネストロビン(SYP−Z071)、ピコキシストロビンおよびピラオキシストロビン(SYP−3343)が挙げられる。メトキシカルバメートとしては、ピラクロストロビンおよびピラメトストロビン(SYP−4155)が挙げられる。オキシミノ酢酸としては、クレソキシム−メチルおよびトリフロキシストロビンが挙げられる。オキシミノアセタミドとしては、ジモキシストロビン、メトミノストロビン、オリザストロビン、α−[メトキシイミノ]−N−メチル−2−[[[1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]−イミノ]−メチル]−ベンゼンアセトアミドおよび2−[[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチル−2−プロペン−1−イリデン]−アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチルベンゼンアセタミドが挙げられる。オキサゾ−リ−ジン−ジオンとしてはファモキサドンが挙げられる。ジヒドロジオキサジンとしてはフルオキサストロビンが挙げられる。イミダゾリノンとしてはフェナミドンが挙げられる。ベンジルカルバメートとしてはピリベンカルブが挙げられる。
(12)「フェニルピロール殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード12)は、真菌における浸透圧シグナル伝達系に関連するMAPタンパク質キナーゼを阻害する。フェンピクロニルおよびフルジオキソニルがこの殺菌・殺カビ剤クラスの例である。
(13)「キノリン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード13)は、初期細胞シグナリングにおけるG−タンパク質に作用することによりシグナル伝達を阻害すると提案されている。これらは、ウドンコ病の原因となる真菌における発芽および/または付着器形成に干渉するとみられている。キノキシフェンおよびテブフロキンがこのクラスの殺菌・殺カビ剤の例である。
(14)「脂質過酸化抑制殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード14)は、脂質過酸化を阻害して、真菌におけるメンブラン合成に作用すると提案されている。エトリジアゾールなどのこのクラスの構成要素もまた、呼吸およびメラニン生合成などの他の生物学的プロセスに作用し得る。脂質過酸化殺菌・殺カビ剤としては、芳香族炭素および1,2,4−チアジアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。芳香族炭素殺菌・殺カビ剤としては、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼンおよびトルクロホス−メチルが挙げられる。1,2,4−チアジアゾール殺菌・殺カビ剤としてはエトリジアゾールが挙げられる。
(15)「メラニン生合成抑制−レダクターゼ(MBI−R)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード16.1)は、メラニン生合成におけるナフタレン還元ステップを阻害する。メラニンは、ある種の真菌によって宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成抑制−レダクターゼ殺菌・殺カビ剤としては、イソベンゾフラノン、ピロロキノリノンおよびトリアゾロベンゾチアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。イソベンゾフラノンとしてはフサライドが挙げられる。ピロロキノリノンとしてはピロキロンが挙げられる。トリアゾロベンゾチアゾールとしてはトリシクラゾールが挙げられる。
(16)「メラニン生合成抑制−デヒドラターゼ(MBI−D)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード16.2)は、メラニン生合成におけるシタロンデヒドラターゼを阻害する。メラニンは、ある種の真菌によって宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成抑制−デヒドラターゼ殺菌・殺カビ剤としては、シクロプロパンカルボキサミド、カルボキサミドおよびプロピオンアミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。シクロプロパンカルボキサミドとしてはカルプロパミドが挙げられる。カルボキサミドとしてはジクロシメトが挙げられる。プロピオンアミドとしてはフェノキサニルが挙げられる。
(17)「ヒドロキシアニリド殺菌・殺カビ剤(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード17)は、ステロール産生に関与するC4−デメチラーゼを阻害する。例としてはフェンヘキサミドが挙げられる。
(18)「スクアレン−エポキシダーゼ抑制殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード18)は、エルゴステロール生合成経路におけるスクアレン−エポキシダーゼを阻害する。エルゴステロールなどのステロールは、膜構造および機能のために必要であり、これらは、機能性細胞壁の発達のために必須とされている。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的な死滅をもたらす。スクアレン−エポキシダーゼ抑制殺菌・殺カビ剤としては、チオカルバメートおよびアリルアミン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。チオカルバメートとしてはピリブチカルブが挙げられる。アリルアミンとしては、ナフチフィンおよびテルビナフィンが挙げられる。
(19)「ポリオキシン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード19)は、キチンシンターゼを阻害する。例としてはポリオキシンが挙げられる。
(20)「フェニル尿素殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード20)は細胞分裂に作用すると提案されている。例としてはペンシクロンが挙げられる。
(21)「キノン内部抑制(QiI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード21)は、ユビキノールレダクターゼに作用することにより真菌における複合体IIIミトコンドリアの呼吸を阻害する。ユビキノールの還元は、真菌の内部ミトコンドリア膜内に位置されているチトクロムbc複合体の「キノン内部」(Q)部位でブロックされる。ミトコンドリアの呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発達を妨げる。キノン内部抑制殺菌・殺カビ剤としては、シアノイミダゾールおよびスルファモイルトリアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。シアノイミダゾールとしてはシアゾファミドが挙げられる。スルファモイルトリアゾールとしてはアミスルブロムが挙げられる。
(22)「ベンズアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード22)は、β−チューブリンに結合し、および、微小管会合を撹乱することにより有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送および細胞構造を撹乱することが可能である。例としてはゾキサミドが挙げられる。
(23)「エノピラヌロン酸抗生物質系殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード23)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としてはブラストサイジン−Sが挙げられる。
(24)「ヘキソピラノシル抗生物質系殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード24)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としてはカスガマイシンが挙げられる。
(25)「グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード25)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としてはストレプトマイシンが挙げられる。
(26)「グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード26)は、イノシトール生合成経路におけるトレハラーゼを阻害する。例としてはバリダマイシンが挙げられる。
(27)「シアノアセタミドオキシム殺菌・殺カビ剤(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード27)としては、シモキサニルが挙げられる。
(28)「カルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード28)真菌の成長に対する多部位抑制剤であるとみなされる。これらは、細胞膜における脂肪酸の合成に干渉し、次いで、細胞膜浸透性を撹乱すると提案されている。プロパマカルブ、塩酸プロパマカルブ、ヨードカルブ、およびプロチオカルブがこの殺菌・殺カビ剤クラスの例である。
(29)「酸化性リン酸化脱共役殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード29)は、脱共役酸化性リン酸化により真菌の呼吸を阻害する。呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発達を妨げる。このクラスは、フルアジナムなどの2,6−ジニトロアニリン、フェリムゾンなどのピリミドンヒドラダゾン、ならびに、ジノカップ、メプチルジノカップおよびビナパクリルなどのクロトン酸ジニトロフェニルを含む。
(30)「有機錫殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード30)は、酸化性リン酸化経路におけるアデノシン三リン酸(ATP)シンターゼを阻害する。例としては、フェンチンアセテート、塩化トリフェニルスズおよびフェンチンヒドロキシドが挙げられる。
(31)「カルボン酸殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance
Action Committee(FRAC)コード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)トポイソメラーゼタイプII(ギラーゼ)に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、オキソリン酸が挙げられる。
(32)「芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード32)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に作用すると提案されている。芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤としては、イソオキサゾールおよびイソチアゾロン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。イソキサゾールとしてはヒメキサゾールが挙げられ、および、イソチアゾロンとしてはオクチリノンが挙げられる。
(33)「ホスホネート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード33)としては、亜リン酸、および、ホセチル−アルミニウムを含むその種々の塩が挙げられる。
(34)「フタルアミド酸殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード34)としては、テクロフタラムが挙げられる。
(35)「ベンゾトリアジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード35)としては、トリアゾキシドが挙げられる。
(36)「ベンゼン−スルホンアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード36)としては、フルスルファミドが挙げられる。
(37)「ピリダジノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード37)としては、ジクロメジンが挙げられる。
(38)「チオフェン−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード38)は、ATP産生に作用すると提案されている。例としては、シルチオファムが挙げられる。
(39)「ピリミジンアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード39)は、リン脂質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害すると共に、ジフルメトリムを含む。
(40)「カルボン酸アミド(CAA)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード40)は、リン脂質生合成および細胞壁沈着を阻害すると提案されている。これらのプロセスの阻害は、成長を妨げて、目標真菌類に死をもたらす。カルボン酸アミド殺菌・殺カビ剤としては、桂皮酸アミド、バリンアミドカルバメートおよびマンデル酸アミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。桂皮酸アミドとしては、ジメトモルフおよびフルモルフが挙げられる。バリンアミドカルバメートとしては、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、イプロバリカルブ、バリフェナレートおよびバリフェナルが挙げられる。マンデル酸アミドとしては、マンジプロパミド、N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドおよびN−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドが挙げられる。
(41)「テトラサイクリン抗生物質系殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード41)は、複合体1ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)オキシドレダクターゼに作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、オキシテトラサイクリンが挙げられる。
(42)「チオカルバメート殺菌・殺カビ剤(b42)」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード42)としては、メタスルホカルブが挙げられる。
(43)「ベンズアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード43)は、スペクトリン様タンパク質の非局在化により真菌の成長を阻害する。例としては、フルオピコリドおよびフルオピラム(fluopyram)などのアシルピコリド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。
(44)「宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードP)は、宿主植物防御メカニズムを誘起する。宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤としては、ベンゾ−チアジアゾール、ベンズイソチアゾールおよびチアジアゾール−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ベンゾ−チアジアゾールとしてはアシベンゾラー−S−メチルが挙げられる。ベンゾイソチアゾールとしてはプロベナゾールが挙げられる。チアジアゾール−カルボキサミドとしてはチアジニルおよびイソチアニルが挙げられる。
(45)「多部位接触殺菌・殺カビ剤」は、多数の作用部位を介して真菌の成長を阻害すると共に、接触/予防活性を有する。このクラスの殺菌・殺カビ剤としては:(45.1)「銅殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM1)」、(45.2)「硫黄殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM2)、(45.3)「ジチオカルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM3)、(45.4)「フタルイミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM4)、(45.5)「クロロニトリル殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM5)、(45.6)「スルファミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM6)、(45.7)「グアニジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM7)、(45.8)「トリアジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM8)および(45.9)「キノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM9)が挙げられる。「銅殺菌・殺カビ剤」は、典型的には銅(II)酸化状態にある銅を含有する無機化合物であり;例としては、オキシ塩化銅、硫酸銅、および、水酸化銅が挙げられ、ボルドー液(三塩基性硫酸銅)などの組成物を含む。「硫黄殺菌・殺カビ剤」は、硫黄原子の環または鎖を含有する無機化学物質であり;例としては、元素硫黄が挙げられる。「ジチオカルバメート殺菌・殺カビ剤」は、ジチオカルバメート分子部分を含有しており;例としては、マンコゼブ、メチラム、プロピネブ、フェルバム、マネブ、チラム、ジネブおよびジラムが挙げられる。「フタルイミド殺菌・殺カビ剤」は、フタルイミド分子部分を含有しており;例としては、ホルペット、カプタンおよびカプタホールが挙げられる。「クロロニトリル殺菌・殺カビ剤」は、クロロおよびシアノで置換された芳香族環を含有しており;例としてはクロロタロニルが挙げられる。「スルファミド殺菌・殺カビ剤」としては、ジクロフルアニドおよびトリフルアニドが挙げられる。「グアニジン殺菌・殺カビ剤」としては、ドジン、グアザチン、イミノクタジンアルベシレートおよびイミノクタジン三酢酸塩が挙げられる。「トリアジン殺菌・殺カビ剤」としてはアニラジンが挙げられる。「キノン殺菌・殺カビ剤」としてはジチアノンが挙げられる。
(46)「クラス(1)〜(45)の殺菌・殺カビ剤以外の殺菌・殺カビ剤」は、その作用機構が未知であり得る特定の殺菌・殺カビ剤を含む。これらとしては:(46.1)「チアゾールカルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU5)、(46.2)「フェニル−アセトアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU6)、(46.3)「キナゾリノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU7)、(46.4)「ベンゾフェノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU8)および(46.5)「トリアゾロピリミジン殺菌・殺カビ剤」が挙げられる。チアゾールカルボキサミドとしては、エタボキサムが挙げられる。フェニル−アセトアミドとしては、シフルフェナミドおよびN−[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]−メチレン]ベンゼンアセトアミドが挙げられる。キナゾリノンとしては、プロキンアジドおよび2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−4H−1−ベンゾピラン−4−オンが挙げられる。ベンゾフェノンとしてはメトラフェノンが挙げられる。(b46)クラスとしてはまた、ベトキサジン、ネオアソジン(メタンアルソン酸第二鉄)、ピロールニトリン、キノメチオネート、N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシ−フェニル]−エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N−[2−[4−[[3−(4−クロロ−フェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(エチル−スルホニル)−アミノ]−ブタンアミド、2−[[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−2−[3−(2−メトキシフェニル)−2−チアゾ−リジニル−イデン]アセトニトリル、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチル−3−イソキサゾリジニル]ピリジン、4−フルオロ−フェニルN−[1−[[[1−(4−シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−[[(シクロプロピル−メトキシ)−アミノ]−[6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、N’−[4−[4−クロロ−3−(トリフルオロ−メチル)フェノキシ]−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチル−メタンイミド−アミドおよび1−[(2−プロペニルチオ)カルボニル]−2−(1−メチルエチル)−4−(2−メチルフェニル)−5−アミノ−1H−ピラゾール−3−オンが挙げられる。トリアゾロピリミジンとしてはアメトクトラジンが挙げられる。
従って、注目すべきは、式1の化合物と、前述のクラス(1)〜(46)からなる群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ化合物とを含む混合物(すなわち、組成物)である。また、注目すべきは、前記混合物を(殺菌・殺カビ的に有効な量で)含み、界面活性剤、固体希釈剤、および、液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分をさらに含む組成物である。特に注目すべきは、式1の化合物と、クラス(1)〜(46)に関連して上記に列挙した特定の化合物の群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ化合物とを含む混合物(すなわち、組成物)である。また、特に注目すべきは、前記混合物(殺菌・殺カビ的に有効な量で)を含み、界面活性剤、固体希釈剤、および、液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の界面活性剤をさらに含む組成物である。
本発明の化合物に配合することが可能である他の生物学的に有効な化合物もしくは薬剤の例は以下のとおりである:アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アミドフルメト(S−1955)、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス−メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、ブプロフェジン、カルボフラン、カルタプ、クロルアントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロマフェノジド、クロチアニジン、シアントラニリプロール(3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)、シフルメトフェン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、λーシハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、τーフルバリネート、フルフェネリム(UR−50701)、フルフェノクスロン、ホノホス、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、ミルベマイシンオキシム、モノクロトホス、メトキシフェノジド、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン(XDE−007)、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピノジクロフェン、スピロメシフェン(BSN2060)、スピロテトラマト、スルプロオス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタプ−ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザマト、トリクロルホンおよびトリフルムロンなどの殺虫剤;ならびに、バチルス チューリンゲンシスsubsp.アイザワイ(Bacillus thuringiensis subsp.aizawai)、バチルス チューリンゲンシスsubsp.クルスターキ(Bacillus thuringiensis subsp.kurstaki)、および、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の被包性デルタエンドトキシン(例えば、Cellcap、MPV、MPVII)などの昆虫病原性バクテリアを含む生物剤;グリーンムスカリン菌などの昆虫病原性菌;ならびに、バキュロウイルス、HzNPV、AfNPVなどの核多核体ウイルス(NPV)を含む昆虫病原性ウイルス;ならびに、CpGVなどのグラニュローシスウイルス(GV)。
本発明の化合物およびその組成物を、有害無脊椎生物に対するタンパク質毒性(バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシンなど)を発現するように遺伝的に形質転換された植物に適用することができる。外因的に適用された本発明の殺菌・殺カビ性化合物の効果は、発現された毒素タンパク質と相乗的であり得る。
農学的保護剤(すなわち殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、除草剤および生物学的薬剤)に関する一般的な文献としては、The Pesticide Manual、第13版、C.D.S.Tomlin編、British Crop Protection Council(Farnham,Surrey、U.K.)、2003年およびThe BioPesticide Manual、第2版、L.G.Copping編、British Crop Protection Council(Farnham,Surrey、U.K.)、2001年が挙げられる。
これらの種々の混合パートナーの1種以上が用いられる実施形態については、これらの種々の混合パートナー(合計)対式1の化合物の重量比は、典型的には約1:3000〜約3000:1である。注目すべきは約1:300〜約300:1の重量比である(例えば、約1:30〜約30:1の比)。当業者は、所望の範囲の生物学的活性に必要とされる有効処方成分の生物学的に有効な量を単純な実験を通して容易に判定することが可能である。これらの追加の成分を含むことで、式1の化合物単独により防除される範囲を超えて、防除される病害の範囲を拡大し得ることが明らかであろう。
一定の事例において、本発明の化合物と、他の生物学的に有効な(特に殺菌・殺カビ性)化合物もしくは薬剤(すなわち、有効処方成分)との組み合わせは、相加的を超える(すなわち、相乗的)効果をもたらすことが可能である。効果的な有害生物の防除を確保しつつ環境中に放出される有効処方成分の量を低減することが常に望ましい。殺菌・殺カビ性有効処方成分の相乗作用が農業経済学的に十分なレベルの真菌の防除をもたらす施用量で生じる場合、このような組み合わせは、作物の生産費用の削減および環境的負荷の低減に有利であることが可能である。
注目すべきは、式1の化合物と少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ性有効処方成分との組み合わせである。特に注目すべきは、他の殺菌・殺カビ性有効処方成分が式1の化合物とは異なる作用部位を有するような組み合わせである。一定の事例において、同様の防除範囲を有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ性有効処方成分との組み合わせが、耐性管理に関して特に有利であろう。それ故、本発明の組成物は、同様の防除範囲を有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の追加の殺菌・殺カビ性有効処方成分を、生物学的に有効な量でさらに含んでいることが可能である。
特に注目すべきは、式1の化合物に追加して、(1)アルキレンビス(ジチオカルバメート)殺菌・殺カビ剤;(2)シモキサニル;(3)フェニルアミド殺菌・殺カビ剤;(4)ピリミジノン殺菌・殺カビ剤;(5)クロロタロニル;(6)真菌性ミトコンドリア呼吸系電子移動部位の複合体IIで作用するカルボキサミド;(7)キノキシフェン;(8)メトラフェノン;(9)シフルフェナミド;(10)シプロジニル;(11)銅化合物;(12)フタルイミド殺菌・殺カビ剤;(13)ホセチル−アルミニウム;(14)ベンズイミダゾール殺菌・殺カビ剤;(15)シアゾファミド;(16)フルアジナム;(17)イプロバリカルブ;(18)プロパモカルブ;(19)バリドマイシン(validomycin);(20)ジクロロフェニルジカルボキシイミド殺菌・殺カビ剤;(21)ゾキサミド;(22)フルオピコリド;(23)マンジプロパミド;(24)リン脂質生合成および細胞壁沈着に作用するカルボン酸アミド;(25)ジメトモルフ;(26)非DMIステロール生合成抑制剤;(27)ステロール生合成におけるデメチラーゼの抑制剤;(28)bc複合体殺菌・殺カビ剤;ならびに、(1)〜(28)の化合物の塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物である。
殺菌・殺カビ化合物のクラスのさらなる説明が以下に記載されている。
ピリミジノン殺菌・殺カビ剤(群(4))としては、式A1の化合物
Figure 2013501715
が挙げられ、式中、Mは、縮合フェニル、チオフェンまたはピリジン環を形成し;R11はC〜Cアルキルであり;R12は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;R13はハロゲンであり;および、R14は水素またはハロゲンである。
ピリミジノン殺菌・殺カビ剤は、国際公開第94/26722号パンフレット、ならびに、米国特許第6,066,638号明細書、同第6,245,770号明細書、同第6,262,058号明細書、および、同第6,277,858号明細書に記載されている。注目すべきは、群:6−ブロモ−3−プロピル−2−プロピルオキシ−4(3H)−キナゾリノン、6,8−ジヨード−3−プロピル−2−プロピルオキシ−4(3H)−キナゾリノン、6−ヨード−3−プロピル−2−プロピルオキシ−4(3H)−キナゾリノン(プロキンアジド)、6−クロロ−2−プロポキシ−3−プロピル−チエノ−[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−ブロモ−2−プロポキシ−3−プロピルチエノ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、7−ブロモ−2−プロポキシ−3−プロピルチエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−ブロモ−2−プロポキシ−3−プロピルピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6,7−ジブロモ−2−プロポキシ−3−プロピル−チエノ−[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン、および3−(シクロプロピルメチル)−6−ヨード−2−(プロピル−チオ)−ピリド−[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンから選択されるピリミジノン殺菌・殺カビ剤である。
ステロール生合成抑制剤(群(27))は、ステロール生合成経路において酵素を阻害することにより真菌を防除する。デメチラーゼ−阻害殺菌・殺カビ剤は、真菌におけるステロールへの前駆体であるラノステロールまたは24−メチレンジヒドロラノステロールの14位での脱メチル化の阻害が関与する、共通の作用部位を真菌性ステロール生合成経路において有する。この部位で作用する化合物は、度々、デメチラーゼ抑制剤、DMI殺菌・殺カビ剤、または、DMIと称される。デメチラーゼ酵素は、時々、生化学文献においては、チトクロムP−450(14DM)を含む他の名称で称される。デメチラーゼ酵素は、例えば、J.Biol.Chem.,1992年,267,13175〜79ページ、および、その中で引用されている文献中に記載されている。DMI殺菌・殺カビ剤は、数々の化学的クラスに分類される:アゾール(トリアゾールおよびイミダゾールを含む)、ピリミジン、ピペラジンおよびピリジン。トリアゾールとしては、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール−Mを含む)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾールおよびユニコナゾールが挙げられる。イミダゾールとしては、クロトリマゾール、エコナゾール、イマザリル、イソコナゾール、ミコナゾール、オキシポコナゾール、プロクロラズ、およびトリフルミゾールが挙げられる。ピリミジンとしては、フェナリモル、ヌアリモルおよびトリアリモールが挙げられる。ピペラジンとしてはトリホリンが挙げられる。ピリジンとしては、ブチオベートおよびピリフェノックスが挙げられる。生化学的研究が、K.H.Kuckらによって、Modern Selective Fungicides − Properties, Applications and Mechanisms of Action、H.Lyr(編)、Gustav Fischer Verlag:New York、1995年、205〜258ページに記載されているとおり、上述の殺菌・殺カビ剤のすべてはDMI殺菌・殺カビ剤であることが示されている。
bc複合体殺菌・殺カビ剤(群28)は、ミトコンドリア呼吸鎖におけるbc複合体を阻害する殺菌・殺カビ性作用機構を有する。このbc複合体は、度々、生化学文献においては、電子移動鎖の複合体III、およびユビヒドロキノン:チトクロムcオキシドレダクターゼを含む他の名称によって称される。この複合体は、酵素番号(Enzyme Commission number)EC1.10.2.2によって固有に識別される。bc複合体は、例えば、J.Biol.Chem.,1989年,264,14543〜48ページ;Methods Enzymol.,1986年,126,253〜71ページ;ならびに、これらの中で引用されている文献に記載されている。アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロビン(SYP−Z071)、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリザストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビンおよびトリフロキシストロビンなどのストロビルリン殺菌・殺カビ剤が、この作用機構を有することで知られている(H.Sauterら、Angew.Chem.Int.Ed.,1999年,38,1328〜1349ページ)。ミトコンドリア呼吸鎖におけるbc複合体を阻害する他の殺菌・殺カビ化合物としては、ファモキサドンおよびフェナミドンが挙げられる。
アルキレンビス(ジチオカルバメート)(群(1))としては、マンコゼブ、マネブ、プロピネブおよびジネブなどの化合物が挙げられる。フェニルアミド(群(3))としては、メタラキシル、ベナラキシル、フララキシルおよびオキサジキシルなどの化合物が挙げられる。カルボキサミド(群(6))としては、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、チフルズアミド、ペンチオピラドおよびN−[2−(1,3−ジメチル−ブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドなどの化合物が挙げられ(国際公開第2003/010149号パンフレット)、ならびに、これらは、呼吸系電子移動鎖における複合体II(コハク酸塩脱水素酵素)を撹乱させることによりミトコンドリアの機能を阻害することで知られている。銅化合物(群(11))としては、オキシ塩化銅、硫酸銅および水酸化銅などの化合物が挙げられ、ボルドー液(三塩基性硫酸銅)などの組成物を含む。フタルイミド(群(12))としては、ホルペットおよびカプタンなどの化合物が挙げられる。ベンズイミダゾール殺菌・殺カビ剤(群(14))としては、ベノミルおよびカルベンダジムが挙げられる。ジクロロフェニルジカルボキシイミド殺菌・殺カビ剤(群(20))としては、クロゾリネート、ジクロゾリン、イプロジオン、イソバレジオン、ミクロゾリン、プロシミドンおよびビンクロゾリンが挙げられる。
非DMIステロール生合成抑制剤(群(26))としては、モルホリンおよびピペリジン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。モルホリンおよびピペリジンは、DMIステロール生合成(群(27))によって達成される阻害より後の時点でステロール生合成経路におけるステップを阻害すると示されているステロール生合成抑制剤である。モルホリンとしては、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフおよびトリモルファミドが挙げられる。ピペリジンとしてはフェンプロピジンが挙げられる。
さらに注目すべきは、式1の化合物と、アゾキシストロビン、クレソキシム−メチル、トリフロキシストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、ジモキシストロビン、メトミノストロビン/フェノミニストロビン、カルベンダジム、クロロタロニル、キノキシフェン、メトラフェノン、シフルフェナミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロキンアジド、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリチコナゾール、ファモキサドン、プロクロラズ、ペンチオピラドおよびボスカリド(ニコビフェン)との組み合わせである。
本発明の化合物と、群:アゾキシストロビン、クレソキシム−メチル、トリフロキシストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、ジモキシストロビン、メトミノストロビン/フェノミニストロビン、キノキシフェン、メトラフェノン、シフルフェナミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロキンアジド、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリチコナゾール、ファモキサドンおよびペンチオピラドから選択される殺菌・殺カビ剤との混合物が、真菌性植物病原体により引き起こされる植物病害のより良好な防除(例えば、より低い使用量または防除される植物病原体のより幅広い範囲)または耐性管理に好ましい。特に好ましい混合物(化合物番号は索引表A中の化合物を参照している)は、以下の群から選択される:化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とアゾキシストロビンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とクレソキシム−メチルとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とトリフロキシストロビンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とピコキシストロビンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とメトミノストロビン/フェノミニストロビンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とキノキシフェンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とメトラフェノンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とフェンプロピジンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とフェンプロピモルフとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とシプロコナゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とエポキシコナゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とフルシラゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とメトコナゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とプロピコナゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とプロキンアジドとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とプロチオコナゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とテブコナゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とトリチコナゾールとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とファモキサドンとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とペンチオピラドとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17と3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−(3’,4’,5’−トリフルオロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドとの組み合わせ、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17と5−エチル−6−オクチル−[1,2,4]トリアゾール[1,5−a]ピリミジン−7−アミンとの組み合わせ、および、化合物8、化合物9、化合物10、化合物11、化合物12、化合物15、化合物17とInitium(登録商標)との組み合わせ。
本発明の生物学的実施例である表Aにおいて以下に示されているテストは、本発明の化合物の特定の病原体に対する防除効力を実証する。しかしながら、これらの化合物によって達成される病原体防除保護はこれらの種に限定されない。化合物の説明については索引表Aを参照のこと。以下の略語が索引表Aにおいて用いられている:Meはメチルであり、i−Prはイソプロピルであり、MeOはメトキシであり、および、CNはシアノである。略記「Ex.」は「実施例」を指し、その化合物がどの実施例において調製されたかを示す数字が続く。索引表Aのカラム「(R」中のダッシュ(「−」)は、mが0であり、水素が利用可能な位置のすべてに水素が存在していることを示す。
Figure 2013501715
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本発明の生物学的実施例
テストA〜F用のテスト懸濁液を調製する一般的な手法:テスト化合物を、先ず、最終体積の3%に等しい量のアセトン中に溶解させ、次いで、所望の濃度(ppm)で、250ppmの界面活性剤Trem(登録商標)014(多価アルコールエステル)を含有するアセトンおよび精製水(50/50混合比)中に懸濁させた。次いで、得られたテスト懸濁液をテストA〜Fにおいて用いた。テスト植物への200ppmテスト懸濁液の流出点までの吹付けは、500g/haの量に等しかった。評価値に続くアスタリスク「*」は、40ppmテスト懸濁液を示す。
テストA
テスト懸濁液をトマト苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木にボトリティス
シネレア(Botrytis cinerea)(トマトボトリティス(Botrytis)の病因)の胞子懸濁液を播種し、および、飽和雰囲気中に20℃で48時間インキュベートし、次いで、24℃のグロースチャンバに3日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストB
テスト懸濁液をトマト苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木にアルテルナリア ソラニ(Alternaria solani)(トマト夏疫病の病因)の胞子懸濁液を播種し、および、飽和雰囲気中に27℃で48時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバに5日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストC
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木にセプトリア ノドルム(Septoria nodorum)(コムギふ枯病の病因)の胞子懸濁液を播種し、および、飽和雰囲気中に24℃で48時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバに6日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストD
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木にセプトリア トリティシ(Septoria tritici)(コムギ葉枯病の病因)の胞子懸濁液を播種し、および、飽和雰囲気中に24℃で48時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバに19日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストE1
コムギ苗木に、プッシニア レコンディタ f.sp.トリティシ(Puccinia
recondita f.sp.tritici)(コムギ葉さび病の病因)の胞子懸濁液を播種し、および、飽和雰囲気中に20℃で24時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバに2日間移した。この期間の終了後、テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧し、次いで、苗木を20℃のグロースチャンバに6日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストE2
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、プッシニア レコンディタ f.sp.トリティシ(Puccinia recondita f.sp.tritici)(コムギ葉さび病の病因)の胞子懸濁液を播種し、飽和大気中に20℃で24時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバに7日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストF
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、苗木に、エリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis)(コムギウドンコ病の病因)の胞子粉剤を播種し、および、20℃のグロースチャンバで8日間インキュベートし、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストA〜Fについての結果が表Aに示されている。表中、100の病害評価は100%病害防除を示すと共に、0の病害評価は病害防除がなかったことを示す(防除と比して)。長点(−)はテスト結果がないことを示す。40ppmを示す「*」が続いている場合を除き、すべての結果は200ppmについてである。
Figure 2013501715
Figure 2013501715
Figure 2013501715

Claims (10)

  1. 式1から選択される化合物、そのN−オキシドおよび塩
    Figure 2013501715
    [式中
    各Wは、独立して、OまたはSであり;
    およびRは、各々が独立して、H、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
    各Rは、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜Cトリアルキルシリルであり;
    4aおよびR4bは、各々が独立して、C〜Cアルキル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであり;
    各Rは、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cハロアルキルチオであり;
    mは、1、2、3、4または5であり;
    nは、0、1または2であるが;
    ただし:
    (a)Rが、H、クロロ、シアノまたはメトキシである場合、RはRと同一ではなく;
    (b)前記化合物は、4−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−6−(1−メチルエテニル)ピリダジン、4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−6−(1−メチルエテニル)ピリダジンまたは4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−3−(1−メチルエテニル)ピリダジン以外である]。
  2. 各WがOであり;
    およびRが、各々独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜CヒドロキシアルキルまたはC〜Cシアノアルキルであり;
    各Rが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキ
    ル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオであり;
    4aおよびR4bが、各々メチルであり;
    各Rが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルキルであり;
    mが2または3であり;
    nが0または1である、
    請求項1に記載の化合物。
  3. およびRが、各々独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、Cアルケニル、C〜Cアルコキシ、CアルキルカルボニルまたはC〜Cヒドロキシアルキルであり;
    各Rが、独立して、Cl、F、シアノ、メチル、メトキシまたはメチルチオであり;
    各Rが、独立して、Cl、F、メチルまたはメトキシである
    請求項2に記載の化合物。
  4. およびRが、各々独立して、H、Br、Cl、メチル、Cアルケニルまたはメトキシであり;
    各Rが、独立して、Cl、F、メチルまたはメトキシであり;
    nが0である、
    請求項3に記載の化合物。
  5. およびRが、各々独立して、Clまたはメチルであり;
    少なくとも1個のR置換基がオルト位で結合している、
    請求項4に記載の化合物。
  6. 2個のR置換基が前記オルト位で結合していると共に、1個のR置換基がメタ位または前記パラ位で結合しており;
    mが3である、
    請求項5に記載の化合物。
  7. 3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3,6−ジメチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    3−クロロ−4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチルピリダジン;
    4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3,6−ジメチルピリダジン;
    3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−4−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3,6−ジメチル−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;および
    3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. (a)請求項1に記載の化合物;および(b)少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤を含む殺菌・殺カビ組成物。
  9. (a)請求項1に記載の化合物;ならびに(b)界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分を含む殺菌・殺カビ組成物。
  10. 真菌性植物病原体により引き起こされる植物病害を防除する方法であって、前記植物またはその部分、または、前記植物の種子に、殺菌・殺カビ的に有効な量の請求項1に記載の化合物を適用する工程を含む方法。
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