JP2013540026A - 飲料調製のためのカプセル - Google Patents
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Abstract
本発明は、加圧流体をその内部へ注入することによって飲料を供給するためのカプセル(1)であって、中空本体、および、液体および気体を透過させず、本体に取り付けられるとともに、カプセルとは無関係の注入手段(2)により穿刺されるようになっている注入壁(4)と、抽出されるべき少なくとも1つの食品材料の層を収容するチャンバ(5)と、前記チャンバ内の内部圧力を保持するための手段(7,9,10)であり、穿孔可能な膜(7)を備える手段(7,9,10)とを備えるカプセル(1)において、前記カプセル(1)が、材料の層を前記穿孔可能な膜(7)から距離dを隔てた状態に維持するための第2の手段(12)を更に備え、前記距離dが、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmであることを特徴とするカプセル(1)に関する。
【選択図】 図2
【選択図】 図2
Description
本発明は、高圧抽出および/または溶出を伴う飲料調製マシン内での飲料の調製のためのカプセルに関する。
本発明は、飲料調製マシン内で使用するためのカプセル(完全に閉じられたカプセルであることが好ましいが、その壁のうちの1つが開放していてもよい)に関する。マシンは、前記カプセルを受け入れるための受容器と、流体、好ましくは水を加圧下で前記カプセル内へ注入するための流体注入システムとを備える。本発明にしたがったコーヒー飲料の調製のために、加圧下でカプセル内に注入される水は、高温、すなわち、70℃を上回る温度であることが好ましい。しかしながら、ある特定の場合には、水が常温であってもよい。カプセル内容物の抽出および/または溶出中のカプセルチャンバ内の圧力は、一般に、溶出生成物においては約1〜6バール、焙煎して挽いたコーヒーの抽出においては2〜12バールである。かかる調製プロセスは、特に紅茶およびコーヒーにおける、飲料調製のいわゆる“淹出”プロセスとは、淹出が流体(例えば、熱水)による原材料の長時間の煎じ出しを伴うのに対して、飲料調製プロセスが数秒内で飲料、例えばコーヒーを消費者が調製できるようにするという点において大きく異なる。
閉じられたカプセルの内容物を加圧下で抽出するおよび/または溶出する原理は知られており、一般的には、マシンの受容器内にカプセルを封入するとともに、一般的にはマシンに装着される流体注入針などの穿孔注入要素を用いてカプセルの前面を穿孔した後に、所定量の加圧水をカプセル内へ注入し、それにより、カプセル内に加圧環境を形成して、材料を抽出または溶出し、その後、抽出された材料または溶出された材料をカプセルを通じて放出することから成る。この原理の適用を可能にするカプセルは、例えば、本出願人の欧州特許出願公開第1472156号明細書および欧州特許出願公開第1784344号明細書に既に記載されている。
この原理の適用を可能にするマシンは、例えばスイス特許第605293号明細書および欧州特許第242556号明細書に既に記載されている。これらの文献によれば、マシンは、カプセル用の受容器と、1つ以上の液体注入オリフィスをその先端領域に備える中空針の形態で形成される穿孔・注入要素とを備える。針は、一方ではその針がカプセルの上端部を開放し、他方ではその針がカプセル内への水入口チャネルを形成するという点において二重機能を有する。
調製されるべき飲料がコーヒーである場合、前記コーヒーを調製するための1つの興味深い方法は、焙煎して挽いたコーヒー粉末を収容するカプセルを消費者に与えることであり、焙煎して挽いたコーヒー粉末は、カプセル内に注入される熱水を用いて抽出されるようになっている。
そのような用途においては、本出願人の欧州特許出願公開第1764344号明細書または欧州特許出願公開第2062831号明細書に記載されて特許請求の範囲に記載されるカプセルが開発されてきた。
要するに、そのようなカプセルは、一般に、
中空本体、および、液体および気体を透過させず、本体に取り付けられるとともに、例えばマシンの注入針により穿刺されるようになっている注入壁と、
抽出されるべき焙煎して挽いたコーヒーの層(bed)を収容するチャンバと、
カプセルの下端部に配置され、前記カプセルを閉じるとともに、チャンバ内の内圧を保持するためのアルミニウム膜であって、チャンバ内の前記内圧が特定の所定の値に達するときに前記アルミニウム膜の供給用穴を穿孔するための穿孔手段に関連付けられるアルミニウム膜と、
随意的であるが、カプセル内へ注入される流体の噴流の速度を低減して、流体を低速で材料層全体にわたって供給するために、流体の噴流を遮断するように構成される手段と、
を備える。
中空本体、および、液体および気体を透過させず、本体に取り付けられるとともに、例えばマシンの注入針により穿刺されるようになっている注入壁と、
抽出されるべき焙煎して挽いたコーヒーの層(bed)を収容するチャンバと、
カプセルの下端部に配置され、前記カプセルを閉じるとともに、チャンバ内の内圧を保持するためのアルミニウム膜であって、チャンバ内の前記内圧が特定の所定の値に達するときに前記アルミニウム膜の供給用穴を穿孔するための穿孔手段に関連付けられるアルミニウム膜と、
随意的であるが、カプセル内へ注入される流体の噴流の速度を低減して、流体を低速で材料層全体にわたって供給するために、流体の噴流を遮断するように構成される手段と、
を備える。
噴流遮断手段は、注入壁とチャンバとの間に、注入壁を通して導入されるべき加圧流体の噴流を注入針が注入できるようにする注入空間を備える。供給・噴流遮断手段は、材料層を収容するチャンバから注入空間を分離する少なくとも1つの有孔壁を更に備え、有孔壁は、材料層を無水和状態に圧縮して維持するように配置される。
かかるコーヒーカプセルでは、流体がカプセル内に注入されるときに、保管中に製品の鮮度を保証するための優れたシステムであるカプセルの底部に存在する自動開放システムがカプセル内の圧力を上げるという事実により、カプセルチャンバ内の圧力が抽出/溶出中に注入流体によって増大することが分かった。これはアルミニウム膜の機械的な抵抗に起因し、このアルミニウム膜は、カプセル内の何らかの圧力が前記アルミニウム膜を穿孔手段に押し付けた後でのみ穿孔手段によって穿孔される。膜を開放するために必要な圧力は、より低い抵抗を有する材料(例えば、より薄いアルミニウム)を選択することによって変化され得る。しかしながら、膜厚は、その膜厚のガス特性および光特性を備えないように特定のレベル未満に減少させることができない。
カプセルが自動開放する前のカプセル内の圧力増大のこの効果は、焙煎して挽いたコーヒー粉末集合体中に存在する最小のコーヒー粒子(いわゆる“微粉”)がカプセルチャンバ内での抽出流体の流通中に下方へ移動し、膜の底部に存在するアルミニウム膜の供給用穴を詰まらせるという事実により高められることが分かった。その場合、液体流通が減速され、また、マシンのポンプがカプセルチャンバ内に流体を注入し続けるため、カプセル内の流体圧が更に一層増大する。
本発明の目的は、前述した問題を未然に防ぎ、前述したような自動開放鮮度システムを備えるカプセルにおいて、泡を伴わずに(または、泡が少なくとも非常に僅かな)淹出状(すなわち、低圧コーヒー、つまり、1〜3バールのコーヒー)飲料の調製を可能にするカプセルを提供することである。
前述した目的は本発明により、すなわち、加圧流体をその内部へ注入することによって飲料を供給するためのカプセルであって、
中空本体、および、液体および気体を透過せず、本体に取り付けられるとともに、カプセルとは無関係の注入手段により穿刺されるようになっている注入壁と、
抽出されるべき少なくとも1つの食品材料の層を収容するチャンバと、
前記チャンバ内の内部圧力を保持するための手段であり、穿孔可能な膜を備える手段と、
を備えるカプセルにおいて、
前記カプセルが、材料の層を前記穿孔可能な膜から距離dを隔てた状態に維持するための第2の手段を更に備え、前記距離dが、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmであり、
圧力保持手段が、
穿孔可能な膜と、
前記膜を開放して、穿刺部を形成し、液体抽出物が穿刺部を通過できるようにする隆起要素と、
を備え、
膜の穿刺部が、カプセルのチャンバ内の圧力の上昇作用下で得られることを特徴とするカプセルを用いることにより、達成される。
中空本体、および、液体および気体を透過せず、本体に取り付けられるとともに、カプセルとは無関係の注入手段により穿刺されるようになっている注入壁と、
抽出されるべき少なくとも1つの食品材料の層を収容するチャンバと、
前記チャンバ内の内部圧力を保持するための手段であり、穿孔可能な膜を備える手段と、
を備えるカプセルにおいて、
前記カプセルが、材料の層を前記穿孔可能な膜から距離dを隔てた状態に維持するための第2の手段を更に備え、前記距離dが、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmであり、
圧力保持手段が、
穿孔可能な膜と、
前記膜を開放して、穿刺部を形成し、液体抽出物が穿刺部を通過できるようにする隆起要素と、
を備え、
膜の穿刺部が、カプセルのチャンバ内の圧力の上昇作用下で得られることを特徴とするカプセルを用いることにより、達成される。
本発明は、高圧マシンを使用してカップ一杯を調製しつつ、フィルタコーヒーの風味および見栄えを有する生成物を調製するための解決策を提供する。本発明によれば、本発明の新規なカプセルは、コーヒーの混合/剪断を最小にしつつ、カプセルチャンバ内の圧力を減少させることができる。そのため、この発明では、コーヒーがアルミニウム膜から分離される。このようにして生成されるコーヒーは、泡(“クレマ”とも呼ばれる)が非常に僅かであるか、または、泡を全く有さない。
本発明の1つの好ましい実施形態において、カプセルは、カプセル内へ注入される流体の噴流の速度を低減して、流体を低速で材料の層全体にわたって供給するために、流体の噴流を遮断するように構成される手段を更に備え、カプセルは、注入壁とチャンバとの間に、注入壁を通して導入されるべき加圧流体の少なくとも1つの噴流を注入手段が注入できるようにする注入空間を備え、供給・噴流遮断手段は、材料の層を収容するチャンバから注入空間を分離する少なくとも1つの有孔壁を備え、有孔壁は、材料の層を無水和状態に圧縮して維持するように配置される。無水和とは、抽出流体がコーヒーの集合体(mass)を湿潤させる前のコーヒー粉末の状態を意味する。
好適には、壁は、前記壁を注入壁から後方に引き込んで位置させるように中空本体の内面に対して溶着される溶着縁部を備えることができる。
壁は、変形可能な柔軟フィルムであることが好ましい。
また、有孔壁の開口は、流体の流れを材料の層全体にわたって略均一に供給するように壁全体にわたって略均一に分布されるのが好ましい。
この場合、隆起要素は、飲料が流通できる開口、通路、またはスロットに通じるダクトを備えるプレート全体にわたって分布されるのが好ましい。
いずれの場合でも、第2の手段は、穴を有するプラスチックまたはファイバ壁、穴を有するフィルム、格子、織材料または不織材料の層、多孔質層、または、これらの組み合わせから選択される有孔壁を備えることができるのが有益である。
1つの想定し得る実施形態において、第2の手段と穿孔可能な膜との間の空間は、飲料調製中に第2の手段の変形を制限するために、別個の要素の層または集合体、例えば粒状不活性材料の層を備える。別個の要素のそのような層または集合体は、カプセル内がどのような圧力状態であっても、また、たとえ流体が前記カプセル内で循環しても、第2の手段を穿孔可能な膜から距離を隔てた状態に維持でき、また同時に、前記層または集合体は、別個の要素間の空間に起因して、抽出/溶出流体を完全に循環させることができる。
本発明の特に好ましい実施形態において、抽出されるおよび/または溶解されるべき材料の層を収容するカプセルチャンバは、少なくとも1つの分割壁によって少なくとも2つの対応する区画室に分けられ、各区画室は、抽出されるおよび/または溶解されるべき1つのタイプの材料を少なくとも部分的に連続する態様で収容する。
後者の実施形態において、区画室は、液状のコーヒー溶液を生成するために溶解されるべき粉末状の可溶性コーヒーを収容する上側区画室と、前記液状のコーヒー溶液によって加圧下で抽出されるべき焙煎して挽いたコーヒー集合体を収容する下側区画室とを備えることが好ましい。
また、区画室のうちの少なくとも1つは、少なくとも加圧流体が材料を通じて循環するときに前記材料が圧縮状態となるように、抽出されるおよび/または溶解されるべき材料の層を取り囲むことが有益である。
本発明の更なる特徴および利点は、図面に関連して以下で述べられる現在好ましい実施形態の説明に記載され、また、この説明から明らかになる。
以下の詳細な説明において、実施形態は、本発明に係るカプセルが焙煎して挽いたおよび/または可溶性の粉末形態でコーヒーを備えると見なす。しかしながら、以下で説明するカプセルには、請求項前文に記載される飲料調製マシン内において加圧下で流体により抽出されるおよび/または溶解されるのに適する任意の他の食品原料ないし食品材料(総称して「食品原材料」ともいう)を充填することができる。そのような原材料は、ゲル、濃縮物、粉末、または粒子の可溶性の形態を成すことができ、また、茶、乾燥スープ、粉ミルク、特殊調製粉乳、フルーツジュース濃縮物、生クリーム、甘味原材料、天然または人工の原材料、ココアベースの原材料、スパイス、肉、魚、野菜原材料、および、これらの混合物を含むが、これらに限定されない。
図1には、加圧流体をその内部へ注入することにより飲料を供給するためのカプセル1が示されている。注入は、カプセルをマシン(図示せず)内へ配置することによって行なわれ、マシンは針2を備え、この針を通じて抽出流体が加圧下で圧送されて(破線矢印により示される)カプセル内に注入される。
カプセル1は、中空本体3と、カプセル本体3に溶着される柔軟な膜である上端注入壁4とを備える。前記膜4は液体および気体を透過させない。上端膜4は針2によって穿刺されるようになっている。
カプセル1は、抽出されるべき少なくとも1つの食品材料6の層を収容するチャンバ5を更に備える。
カプセルのチャンバ5は、前記チャンバ内の内部圧力を保持するための手段によってその底側が閉じられる。この圧力保持手段は、
カプセルの下部の縁部8に対してシールされる穿孔可能なアルミニウム膜7と、
膜7を貫通する穿刺部を形成して、カプセル内で生成される液体抽出物が前記穿刺部を通過できるようにする隆起要素9と、
を備え、隆起要素は、プレート10上全体にわたって分布されるピラミッド形状のピン9である。プレート10は、カプセルの供給用開口11に通じるダクト(図示せず)を備え、調製された液体飲料が供給用開口11を通じて流れることができる。
カプセルの下部の縁部8に対してシールされる穿孔可能なアルミニウム膜7と、
膜7を貫通する穿刺部を形成して、カプセル内で生成される液体抽出物が前記穿刺部を通過できるようにする隆起要素9と、
を備え、隆起要素は、プレート10上全体にわたって分布されるピラミッド形状のピン9である。プレート10は、カプセルの供給用開口11に通じるダクト(図示せず)を備え、調製された液体飲料が供給用開口11を通じて流れることができる。
膜7の穿刺部は、カプセルのチャンバ内の圧力の上昇作用下で得られ、圧力の上昇作用が前記膜7をプレート10のピン9に押し付け、それにより、ピンが膜を穿孔する。膜は、アルミニウムで形成され、5〜50μm、好ましくは10〜45μmの厚さ、最も好ましくは25〜40μmの厚さを有する。膜が厚くなればなるほど、膜の穿孔を可能にするためのカプセル内の圧力が高くなり、そのため、カプセルチャンバ内の溶出/抽出圧力が高くなる。特に、底部アルミニウム膜が薄くなればなるほど、圧力が低くなることが分かった。特定の穿孔プレートが、カプセル内に高圧を形成する必要なくアルミニウムに容易に穴を形成できるはずである。
図1に関連して説明される例において、アルミニウム膜7の厚さは、前記膜がピン9によって開放される前のカプセルチャンバ5内の抽出圧が0.1〜3バール(相対圧力)、好ましくは1〜3バール(相対圧力)となるように選択される。
本発明によれば、カプセル1は、材料6の層を前記圧力保持手段8,9,10から距離dを隔てた状態に維持するための第2の手段12を備える。この例において、前記距離dは3mmである。
図1に示されるように、第2の手段12は、500μm以下の直径を有する穴を伴う膜である有孔壁を備える。特に、焙煎して挽いた(R&G)コーヒー微粉がアルミニウム膜に達することができないことが重要であることが分かった。これは、このコーヒー微粉が、前述したように、前記アルミニウム膜を貫通して穿孔される供給用穴を少なくとも部分的に詰まらせることにより、カプセル内の内圧を増大させるからである。この場合、R&G平均サイズは150〜1000μmであり、平均粒径は500μmである。より正確には、膜12は、ティーバッグを製造するために使用されるタイプのフィルターペーパーから形成される。あるいは、膜を不織材料から形成することができる。
フィルタ膜12の作用は、カプセルから流出する最終生成物中の泡を除去することである。泡が2つの効果の結合によって除去されることが分かった。すなわち、第1に、膜12の濾過効果が液体中の気泡を壊し、この効果は、アルミニウム底膜7とフィルタ膜12との間の範囲に自由空間が形成されるという事実によって強化される。フィルタ膜は織った高分子から形成することができる。
第2の効果は、最小のコーヒー粒子(“微粉”)がカプセルチャンバ内で生成される液状コーヒーと共に流れてアルミニウム膜7がピラミッドピン9により穿孔されるときに前記微粉がアルミニウム膜7を詰まらせるのをフィルタ膜12が防止するという事実である。既知のカプセルでは、微粉が、焙煎して挽いたコーヒー中の液体流通と共に移動されて、アルミニウム膜が開放される際に該アルミニウム膜の穴を詰まらせることが分かった。この結果、液体がカプセルから正確に流出することが妨げられるという事実に起因して、カプセル内の圧力が増大する。そのような圧力増大がコーヒー泡(“クレマ”)を生成する。このクレマは、エスプレッソのようなコーヒーの特徴であるが、淹出状のコーヒー生成が求められる場合には望ましくない。本発明により、閉じられたカプセルから淹出状のコーヒーカップ一杯(すなわち、低圧で泡を伴わずに形成されるロングカップ一杯)を生成できるようになった。
図1および図2に示されるカプセル1は液体透過壁13を更に備え、この液体透過壁13は、針によってカプセル内へ注入される流体の噴流を遮断してその速度を低減するとともに、前記流体を材料6の層全体にわたって均一な態様で分配するように構成される。噴流遮断壁13は、注入壁4と抽出されるおよび/または溶解されるべき1または複数の原材料6を収容するチャンバ5との間に注入空間14を形成するようにカプセル内に配置される。
この場合、針は、加圧流体を注入壁を通してヘッドスペース14内へ注入し、また、供給・噴流遮断壁13は、前記注入空間14を、材料6の層を収容するチャンバ5から分離する。
重要なことは、材料6の層が、上側の噴流遮断壁13と下側のフィルタ膜12との間で、該材料の無水和状態を成して圧縮状態で保持されることである。壁13および膜12は、液体および気体のみを透過でき、固体を(非常に微細な粒子であっても)透過できない材料から形成される。
噴流遮断液体透過壁13は、カプセルの中空本体3の内面に対して溶着される溶着縁部を備える。
有孔壁13の液体透過開口は、流体の流れを材料6の層全体にわたって略均一に供給するように壁全体にわたって略均一に分布される。
図1は、フィルタコーヒー用の提案された新規なカプセル構造を示している。コーヒーは、多くの小さい穴を備える2つのプラスチック膜間に配置され、前記穴は、液体を流通させることができるが、小さい焙煎して挽いたコーヒーまたは可溶性のコーヒー粒子のような小さい微細な粒子であっても固体粒子の通過を防止するように十分に小さい。
本発明の本質的な要件によれば、カプセルチャンバ内に収容されるコーヒーは、アルミニウム底膜と直接に接触せず、可溶性もしくは焙煎して挽いたコーヒーまたはその混合物である。コーヒーよりも上側の部分は、水を均一に供給するようになっている。しかしながら、コーヒー粒径が十分に大きく、コーヒーが遊離している場合には、この部分を有する必要はない。
図2には、図1に関連して既に前述したカプセルにその構成が非常に近いカプセル1が示されている。しかしながら、この特定の実施形態において、カプセルは、抽出される/溶解されるべき原材料を収容するチャンバを1つの上側の区画室16と1つの下側の区画室17とに分ける分割壁15を備え、両方の区画室は重ね合される。分割壁は、微細な粒子であっても固体が一方の区画室を通じて他方の区画室へ通過できないように形成されるが、壁15は液体を透過できる。
この場合、抽出流体が針2を通じてヘッドスペース14内へ注入されると、抽出流体は、その後、噴流遮断液体透過壁13を通過し、上側区画室16内に至る。この区画室16内において、流体は、粉末状の可溶性コーヒーと相互に作用するとともに、粉末状の可溶性コーヒーを溶かして液状のコーヒー溶液を生成し、その後、液状のコーヒー溶液は、有孔液体透過分割壁15を通じて下側区画室17へ向けて流通する。下側区画室17は、上側区画室内で調製された液状のコーヒー溶液によって抽出される焙煎して挽いたコーヒーの集合体(coffee mass)を収容する。焙煎して挽いたコーヒーの固形物は、約1〜3バール(相対圧力)の圧力で液状コーヒーによって抽出される。そのような圧力は、焙煎して挽いたコーヒー粉末粒子からのコーヒー固形物の良好な抽出を可能にし、また、官能検査により、このようにして得られる最終生成物が香味プロファイルおよび味覚ボディに関して特に富んでいることが分かった。図2に示されるような複数区画室のカプセルを用いると、20グラム未満のコーヒー材料、特に15グラム未満の焙煎して挽いたコーヒーを収容するカプセルを使用して、ロングカップのコーヒー一杯(少なくとも25cl、好ましくは33cl〜50cl)を生成することができる。したがって、そのような構成は、カプセルサイズが小さいままである一方で、消費者が非常に好ましい風味とボディプロファイルとを有するロングカップのコーヒーを生成できるようにするため、特に興味深い。結果的に得られるカップ内の生成物は、いわゆる“淹出状”コーヒー、すなわち、泡を伴わないコーヒーである。
いかなる場合でも、特に先に詳しく説明した例においては、この構造と共に大粒径のコーヒーを使用して、フィルタ膜12の穴を詰まらせる小粒子(いわゆる“微粉”)を回避することが好ましい。挽いた後の全てのコーヒー微粉を回避することは難しいため、不織タイプのプラスチックフィルタまたは小さい穴を伴うフィルタを、前記構造に加えることができ、または、図1に示されるような穴を伴うプラスチック部品と置き換えることができる。出願人により検査されたカプセルのうちの1つでは、フィルタ材料の孔径が100ミクロンであった。
言うまでもなく、本明細書中に記載される現在好ましい実施形態に対する様々な変更および改良は当業者に明らかである。そのような変更および改良は、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、また、本発明に付随する利点を損なうことなく行なうことができる。したがって、そのような変更および改良は添付の特許請求の範囲によって網羅されるものである。
Claims (11)
- 加圧流体をその内部へ注入することによって飲料を供給するためのカプセル(1)であって、
中空本体、および、液体および気体を透過しない注入壁(4)であり、前記本体に取り付けられるとともに、当該カプセルとは無関係の注入手段(2)により穿刺されるようになっている注入壁(4)と、
抽出されるべき少なくとも1つの食品材料の層を収容するチャンバ(5)と、
前記チャンバ内の内部圧力を保持するための圧力保持手段(7,9,10)であり、穿孔可能な膜(7)を備える圧力保持手段(7,9,10)と、
を備えるカプセル(1)において、
当該カプセル(1)が、前記材料の層を前記穿孔可能な膜(7)から距離dを隔てた状態に維持するための第2の手段(12)を更に備え、前記距離dが、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmであり、
前記圧力保持手段が、
前記穿孔可能な膜(7)と、
前記膜(7)を開放して、穿刺部を形成し、液体抽出物が前記穿刺部を通過できるようにする隆起要素(9)と、
を備え、
前記膜(7)の前記穿刺部が、当該カプセル(1)の前記チャンバ(5)内の圧力の上昇作用下で得られることを特徴とする、カプセル(1)。 - 当該カプセル内へ注入される流体の噴流の速度を低減して、前記流体を低速で前記材料の層全体にわたって供給するために、前記流体の噴流を遮断するように構成される手段(13)を更に備え、
当該カプセルの前記注入壁(4)と前記材料(6)の層を収容する前記チャンバ(5)との間に注入空間(14)を備えて、前記注入壁(4)を通して導入されるべき加圧流体の少なくとも1つの噴流を前記注入手段(2)が注入できるようにし、
前記供給・噴流遮断手段が、前記材料(6)の層を収容する前記チャンバ(5)から前記注入ヘッドスペース(14)を分離する少なくとも1つの有孔壁(13)を備え、
前記有孔壁(13)が、前記材料(6)の層を無水和状態に圧縮して維持するように配置される、請求項1に記載のカプセル(1)。 - 前記壁(13)が、前記壁を前記注入壁(4)から後方に引き込んで位置させるように前記カプセルの前記中空本体の内面に対して溶着される溶着縁部を備える、請求項2に記載のカプセル(1)。
- 前記壁(13)が変形可能な柔軟フィルムである、請求項2または3に記載のカプセル(1)。
- 前記有孔壁(13)の開口が、前記流体の流れを前記材料の層全体にわたって略均一に供給するように前記壁全体にわたって略均一に分布される、請求項2〜4のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
- 前記隆起要素(9)が、飲料が流通できる開口(11)、通路、またはスロットに通じるダクトを備えるプレート(10)全体にわたって分布され、る請求項1に記載のカプセル(1)。
- 前記第2の手段が、穴を有するプラスチック壁、穴を有するフィルム、格子、織材料または不織材料の層、多孔質層、または、これらの組み合わせから選択される有孔壁(12)を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
- 前記第2の手段(12)と前記穿孔可能な膜(7)との間の空間が、飲料調製中に前記第2の手段の変形を制限するために粒状不活性材料の層などの別個の要素の層または集合体を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
- 抽出されるおよび/または溶解されるべき前記材料(6)の層を収容する前記チャンバ(5)が、少なくとも1つの分割壁(15)によって少なくとも2つの対応する区画室(16,17)に分けられ、前記各区画室が、抽出されるおよび/または溶解されるべき1つのタイプの材料を少なくとも部分的に連続する態様で収容する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
- 前記区画室が、液状のコーヒー溶液を生成するために溶解されるべき粉末状の可溶性コーヒーを収容する上側区画室(16)と、前記液状のコーヒー溶液によって加圧下で抽出されるべき焙煎して挽いたコーヒーの集合体を収容する下側区画室(17)とを備える、請求項9に記載のカプセル(1)。
- 前記区画室(16,17)のうちの少なくとも1つが、少なくとも加圧流体が前記材料を通じて流通するときに前記材料が圧縮状態となるように、抽出されるおよび/または溶解されるべき材料の層を取り囲む、請求項9または10のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
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