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JP2013233650A - ロボットシステム - Google Patents

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JP2013233650A
JP2013233650A JP2013146646A JP2013146646A JP2013233650A JP 2013233650 A JP2013233650 A JP 2013233650A JP 2013146646 A JP2013146646 A JP 2013146646A JP 2013146646 A JP2013146646 A JP 2013146646A JP 2013233650 A JP2013233650 A JP 2013233650A
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Kuniyuki Shimizu
邦行 清水
Ryuichi Morita
隆一 守田
Seigo Nishikawa
清吾 西川
Naomune Noma
直宗 野間
Kazuyoshi Oyama
和義 大山
Tomoya Saito
朋哉 斎藤
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F Tech Inc
Yaskawa Electric Corp
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Tech Kk F
F Tech Inc
Yaskawa Electric Corp
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Abstract

【課題】大サイズのワークを複数のロボットによって支持しても、所望の作業軌跡に沿った加工作業を行うことができるロボットシステムを提供する。
【解決手段】ワークを加工する加工装置と、前記加工装置を制御する加工制御装置と、前記ワークを把持するためのハンドを各々の先端に設けた複数のロボットと、ロボット制御装置と、を備えた加工を行うロボットシステムであって、基準点を設定し、複数のロボットの各々のハンド先端を原点とする複数のツール座標系における目標加工線に対応する前記基準点の移動軌跡を演算周期ごとに求め、複数のロボットの中の第1ロボットのハンド先端位置を、“第1ロボットのツール座標系における移動軌跡上の座標値”及び“第1ロボットの座標系の原点から基準点へのベクトル”から、第1ロボットの座標系における座標点として求めるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のロボットを協調動作させるロボットシステムに関し、特に複数のロボットによって把持されたワークを移動させるロボットシステムに関する。
ロボットを使ってワークに対する加工作業を行う場合、ロボット先端に溶接トーチなどのエンドエフェクタを取り付け、ロボットを動作させることにより固定されたワークに対してエンドエフェクタを移動させることが一般的である。
一方で、溶接トーチなどのエフェクタをロボット先端に取り付けずにロボットの外部に固定して、ワークをロボットに把持させてロボットの動作によって移動させる方法もある。この場合ロボット先端から見たワーク上の作業点の位置が時々刻々と変化するため、ワーク上の所望の箇所に作業を施すためにはロボットを適切に動作させる必要がある。特許文献1では、ワークをロボットに把持させ、固定された溶接トーチ(エフェクタ)に対して移動させる際のロボットの制御方法が開示されている。
図7を用いて特許文献1の概略を説明する。図において101は所定位置に固定された溶接トーチで、103、104はロボットのアームを示し、アーム先端の図示しないハンドによってワーク102が把持されている。作業開始に先立って、ワーク上の溶接開始点a1を溶接トーチ101の溶接トーチ先端P0に位置決めし(図7のWの状態)、その際の基準座標系の原点Oからアーム先端までの座標変換行列R1を求める。
溶接トーチ取付位置に設けられた座標系の基準座標系に対する座標変換行列を[U]とし、溶接トーチ先端位置の溶接トーチ取付位置に設けられた座標系に対する座標変換行列を[P]とすると、アーム先端から溶接トーチ先端P0までの座標変換行列[T1]は

[T1] = [R1]−1 [U][P] ・・・式(1)
として求めることができる。[U]、[P]は既知かつ一定であり、[R1]はロボットの各アーム長と各関節角の情報より求めることができる。その結果、溶接開始点における座標変換行列[T1]を式(1)により求めることができる。
同様に、ワーク102を図7のW´まで移動させて溶接終了点a2を溶接トーチ先端P0に位置決めし、ロボットの各アーム長と各関節角の情報より基準座標系の原点Oからアーム先端までの座標変換行列[R2]を求めれば、アーム先端から溶接トーチ先端P0までの座標変換行列[T2]は

[T2] = [R2]−1[U][P] ・・・式(2)
として求めることができる。
再生運転時にa1からa2までの間を制御周期n回で移動するものとした場合、i回目におけるアーム先端から溶接トーチ先端P0までの座標変換行列[Ti]は次の式のようにして求められる。

[Ti] = [T1]+(i/n)([T2]-[T1]) ・・・式(3)
一方、その間のアーム先端位置は

[Ri] = [U][P][Ti]−1 ・・・式(4)
として求めることができるので、この演算によって[Ti]に対応する座標変換行列[Ri]を求め、さらにロボットの各関節角を求めることができる。
こうして求めた関節角に沿ってロボットを動作させることにより、ワーク102上に溶接開始点a1から溶接終了点a2までの作業軌跡を実現することができる。
特開平1−37603号公報
しかしながら特許文献1の発明では、1台のロボットによってワークをハンドリングする場合についてしか考慮されていない。
ロボット先端にエンドエフェクタを取り付け、ロボットを動作させて固定されたワークに対してエンドエフェクタを移動させて作業を行う場合であれば、ワークのサイズや質量について特に考慮する必要はない。
これに対し、エフェクタをロボットの外部に固定して、ワークの方をロボットに把持させてロボットの動作によって移動させる場合は、加工可能なワークのサイズ・質量はロボットのハンドリング能力によることとなるので、より大きなワークに対しても加工作業を行えるようにするための対処としては、より大型のロボットを用いるか、複数のロボットでワークを把持させて各ロボットの動作を適切に処理する必要がある。様々なサイズ・質量のワークに対応することを考えると後者の方法が有利である。すなわち、ワークのサイズ・質量がロボット1台で足りる場合は各ロボットを個別に用いて並列してハンドリングを行い、ワークのサイズ・質量が大きい場合に複数のロボットでワークを把持させることにより多種のワークに対応可能となる。
本発明はこうした状況を踏まえて、複数のロボットによってサイズ・質量が大きいワークをハンドリングする場合においても、ワークに対して意図した作業軌跡に沿った作業を行うことができるロボットシステムを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1記載のロボットシステムの発明は、ワークに対して加工を行う工具を備え、前記工具がワークに対して相対的に移動することによって前記ワークを加工する加工装置と、前記加工装置を制御する加工制御装置と、前記ワークを把持するためのハンドを各々の先端に設けた複数のロボットと、前記加工制御装置および前記複数のロボットを制御するロボット制御装置と、を備え、前記ハンドで把持された状態にある前記ワークを前記複数のロボットによって移動させ、前記工具により前記ワーク上の目標加工線に沿って加工を行うロボットシステムであって、前記ロボット制御装置は、加工作業中に位置ずれを生じることがない点を基準点として設定し、 前記複数のロボットの各々の前記ハンド先端を原点とする複数のツール座標系における前記目標加工線に対応する前記基準点の移動軌跡を演算周期ごとに求め、前記移動軌跡を実現するための前記複数のロボットの中の第1ロボットの前記ハンド先端位置を、“前記第1ロボットのツール座標系における移動軌跡上の座標値”及び“前記第1ロボットの座標系の原点から前記基準点へのベクトル”から、前記第1ロボットの座標系における座標値として求め、前記第1ロボットの前記ハンド先端位置をその位置へと移動させるとともに、第2ロボットの前記ハンド先端位置を、前記第1ロボットの座標系における移動軌跡上の座標値と、前記第1ロボットのツール座標系から前記第2ロボットのツール座標系への変換行列と、前記第1ロボットの座標系から前記第2ロボットの座標系への変換行列とから、前記第2ロボットの座標系における座標値として求め、前記第2ロボットの前記ハンド先端位置が前記第1ロボットの前記ハンド先端位置と相対的な位置関係を一定に保ったままで前記工具の軌跡が前記目標加工線と一致するように前記ワークを前記工具に対して移動させて前記ワークの加工を行ない、前記工具が前記ワークに加工を施す際の前記工具先端の位置を前記基準点として加工作業中の前記複数のロボットの前記ハンドの位置を制御することを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のロボットシステムにおいて、前記ロボット制御装置が、前記工具が前記ワークに加工を施す際の前記工具先端の位置を前記基準点として加工作業中の前記複数のロボットのハンドの位置を制御することを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のロボットシステムにおいて、前記複数のロボットが、垂直多関節型ロボットであることを特徴としている。
請求項1記載の発明によると、複数のロボットによってワークを把持し、ハンド間の相対的な位置関係を一定に保ってハンドリングすることにより、サイズや質量が大きいワークについても安定して目標加工線の通りに加工を行うことができ加工品質向上に寄与する。また加工作業による位置ずれが発生しない基準点を設け、その基準点に基づいて複数のロボットの各ハンドの位置を制御するため、目標加工線の通りに加工を行うことができる。
また、加工作業による位置ずれが発生しない基準点として、工具がワークに対して加工を施す際の工具先端の位置を設定したので、その基準点に基づいて複数のロボットの各ハンドの位置制御が簡単となり、目標加工線の通りに加工を行うことが簡単にできるようになる。
請求項2記載の発明によると、ロボットによるワークのハンドリング動作に合わせて工具を動作させるタイミングを制御できるため、加工品質を向上させることができる。
請求項3載の発明によると、目標加工線の形状に合わせて工具に対するワークの姿勢を最適な状態に保つことができるため、加工品質を向上させることができる。
本発明のロボットシステムの構成を示す図 第1ロボットおよび第2ロボットによってワークを把持した状態を示す正面図 本発明のロボットシステムによる接合の様子を示す斜視図 本発明の加工作業時のツール先端位置演算を説明する図 本発明の第1ロボットのツール座標系TF1から見た基準点Aの移動の様子を示す図 第1ロボットおよび第2ロボットによってワークを重ねて把持した状態を示す正面図 従来のロボット制御方法を示す図
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明のロボットシステムの構成を示す図である。
本発明では、ロボットが把持するワークの大きさ・質量が大きい場合でも目標軌跡線に沿ってワークを移動させるという目的を達成するため、複数のロボットによってワークをハンドリングして作業中のワークの位置を調整するという構成とした。図1では2台のロボットを用いた構成としている。
図において、1は第1ロボット、2は第2ロボットであり、それぞれ複数の関節軸を備えた多関節ロボットである。2台のロボットはロボット制御装置5に接続され、ロボット制御装置5によってその動作を制御される。また、第1ロボット1、第2ロボット2はそれぞれ先端にハンド3、4を備えており、これらハンドは開閉してワークを把持する。
ワークの位置や姿勢の自由度を確保するためには、各ロボットは垂直多関節型であることが望ましい。
6は加工装置であって、ワークに対して加工を行う。加工装置6は第1ロボット1および第2ロボット2のハンドの到達可能領域内に設置される。また、9は加工装置6の制御を行う加工制御装置である。
本実施例では、加工作業としてアーク溶接を例に挙げて説明する。
アーク溶接の場合、溶接トーチが加工装置に相当し、溶接トーチ先端部のノズルやワイヤが工具に相当する。また、溶接トーチに溶接電流を供給する溶接電源や同じく溶接トーチにワイヤを供給するワイヤ送給装置などが加工制御装置に相当するが、図1ではこれらを加工制御装置9として簡略化して描いている。
加工制御装置9は加工装置6と接続され、さらに加工制御装置9はロボット制御装置5と接続されており、加工制御装置9はロボット制御装置5から入信する信号に従って、溶接トーチへワイヤ送給を行ったり溶接電流の供給を行ったりする。
図1では加工装置6と加工制御装置9は別体となっているが両者は一体に構成されていてもよい。
以下、本発明のロボットシステムによって実際にワークをハンドリングして加工装置による溶接加工を行う際の処理の流れを説明する。
(1)まず、ロボット制御装置5からの指令に従って、第1ロボット1と第2ロボット2がワークの載置台(図示せず)に載置されたワークの両端をそれぞれのハンドで把持する。図2はこのように第1ロボット1および第2ロボット2のハンドによってワークを把持した様子を示している。載置台は加工装置6と同様、第1ロボット1および第2ロボット2のハンドの到達可能領域内に設置されている。
(2)その後、第1ロボット1および第2ロボット2はワークWを把持した状態を維持したまま協調して、すなわち互いのハンド3、4の相対位置関係を一定に保ったままでワークWを加工装置6の工具7すなわち溶接トーチ先端部の直下まで搬送する。ワークWを把持して加工装置6まで搬送する一連の協調動作は、予め教示されロボット制御装置5に記憶されている。また、協調動作を行うため、第1ロボット1と第2ロボット2との位置関係は既知である。
(3)ロボットによるワークWの搬送が完了すると、ロボット制御装置5(図1)は加工制御装置9(図1)に第1のトリガを送信する。
(4)加工制御装置9はこの第1のトリガを受信すると溶接トーチへのワイヤ送給、溶接電流の供給など所定の作業を開始する。なお、ワークWと溶接電源のアース線とは予め接続されているものとする。
(5)ワークWへの作業開始が加工制御装置9にて確認された時点で、加工制御装置9はロボット制御装置5へ信号を出力する。具体的には溶接電源によるアーク発生の感知などを作業開始とする。
(6)この信号を入信したロボット制御装置5は、工具7の移動軌跡がワークW上の目標加工線と一致するよう、第1ロボット1および第2ロボット2の先端のハンド3、4の移動を開始する。
(7)ハンドの移動に伴って把持されたワークWも工具に対して相対的に移動するので、目標加工線に沿ってワークWの溶接が行われる。この様子を示したのが図3である。ハンド3、4によってワークWを白抜き矢印の方向へ移動させることで、目標加工線に沿ってワークの溶接が行われる。
この溶接加工の際も第1ロボット1および第2ロボット2は協調して動作する。この間の動作についても予め教示され、ロボット制御装置5に記憶されている。
なお、図3では目標加工線は直線であるが、第1ロボット1、第2ロボット2にしかるべき教示を行うことにより目標加工線を任意の曲線とすることも可能であることは言うまでもない。
ここで、ロボット制御装置5は、加工作業の間、単に教示された動作を再現するのではなく工具7の軌跡が目標加工線と一致するよう第1ロボット1および第2ロボット2を制御する。
加工作業中のロボット制御装置5による第1ロボット1および第2ロボット2の制御の詳細については後述する。
(8)第1ロボット1および第2ロボット2によるワーク加工のための移動動作が完了すると、ロボット制御装置5は、加工制御装置9に対して第2のトリガを出力する。
(9)加工制御装置9は、第2のトリガ入信によって溶接トーチに対する溶接電流の供給や溶接ワイヤの送給を停止する。
(10)アークの停止を感知すると、加工制御装置9はロボット制御装置5へ加工終了の信号を出力する。
(11) 加工終了の信号を入信したロボット制御装置5は第1ロボット1と第2ロボット2を協調して動作させてワークWを加工装置6から離脱させ、載置台まで搬送した後、ハンド3、4を開いてワークWを離す。
以上が本発明のロボットシステムによる一連の加工手順である。
以下では、溶接作業中のロボット制御装置5による第1ロボット1および第2ロボット2の制御について図4、図5を用いて説明する。
(1)まず、予め第1ロボット1に基づく座標系RB1、第2ロボット2に基づく座標系RB2を設定しておく。
(2)次に、ワークに加工を行う工具の先端位置を基準点Aとする。本実施例では溶接トーチの先端が基準点Aとなる。基準点Aの位置は加工作業中にも変動することはない。
(3)さらに、座標系RB1の原点から基準点Aまでのベクトルを求めておき、RB1T1とする。
(4)また、座標系RB1と座標系RB2との位置関係、すなわち第1ロボット1と第2ロボット2との位置関係を求めておき、座標系RB1から座標系RB2への変換行列をRB1Mとする。
ベクトルRB1T1および変換行列RB1Mは、一旦第1ロボット1、第2ロボット2、加工装置6を設置すれば一意に決定され、加工作業中にも変動することはない。
(5)ここで第1ロボット1が予め教示された加工作業のある教示点にあるとき、座標系RB1における第1ロボット1のツール先端位置の座標値をRB1B1、座標値RB1B1と基準点Aとを結ぶベクトルをRB1P1とする。
ツール先端位置は、ハンド先端の把持部に設定されている。本発明でのツール先端位置の例を図1、図2に黒点K1として示す。
(6)まず、第1ロボット1の制御について説明する。
座標値RB1B1は、教示の際に記録された第1ロボット1の各軸の関節角度に加え、ロボットの各軸のリンクパラメータ、ロボット先端を基準としたツール先端位置の位置関係を利用してキネマティクスによってロボット制御装置5にて求めることができる。ロボットのリンクパラメータやロボット先端を基準としたツール先端位置の位置関係についても予めロボット制御装置5に記憶されている。
(7)また、第1ロボット1が座標値RB1B1から次の教示点へ移動した時の、座標系RB1における第1ロボット1のツール先端の座標値をRB1B2、座標値RB1B2と基準点Aとを結ぶベクトルをRB1P2とする。
(8)続いて、第1ロボット1のツール先端位置を原点とするツール座標系TF1(図5)を設ける。
(9)第1ロボット1のツール先端が座標値RB1B1から座標値RB1B2へ移動する間に、ツール座標系TF1から見た基準点Aの位置の変化は図5のようになる。すなわち、実際には第1ロボット1の動作に伴いツール座標系TF1が基準点Aに対して移動しているのだが、ツール座標系TF1から見ると基準点Aの方が移動しているように見える。
図4および図5に基づき、第1ロボット1の制御方法について以下に説明する。
前述のように、図4における第1ロボット1のツール先端位置の座標値RB1B1から座標値RB1B2への移動を第1ロボット1のツール座標系TF1から見ると、図5に示すように基準点Aの座標値がTF1P1からTF1P2へ変化することに相当する。
座標値RB1B1から座標値RB1B2への移動は直線補間として教示されているとしてこの間の第1ロボット1の動作の補間を考える。
通常は教示点である座標値RB1B1、座標値RB1B2を結ぶ直線に沿ってツール先端位置が移動するための演算周期ごとの変位量を演算し、逆キネマティクスによって第1ロボット1各軸への指令を求めて動作させる。
ここで、座標値RB1B1から座標値RB1B2への実際の移動軌跡が意図した通りの直線となるように本発明では作業中に位置ずれを生じることがない基準点Aを設定し、ツール座標系TF1における目標加工線に対応する基準点Aの移動軌跡(TF1P1→TF1P2)を演算周期ごとに求める。そしてその移動軌跡を実現するための第1ロボット1のツール先端位置(ハンド先端位置)を演算して、第1ロボット1のツール先端位置をその位置へと移動させる。
座標値RB1B1から座標値RB1B2への移動が直線補間の場合は、ツール座標系TF1における座標値TF1P1から座標値TF1P2への移動軌跡も直線となる。教示された移動速度をVp[cm/sec]、座標値TF1P1から座標値TF1P2を結ぶ線分の長さをL[cm]とし、ロボット制御装置の演算周期をm[sec]とおくと、座標値TF1P1から座標値TF1P2へ移動する間の演算周期の回数Nは、式(5)となる。

N = L/(Vp・m) ・・・ 式(5)
ここでNは自然数とし、式(1)の右辺の小数点以下の端数は切り捨てるものとする。
よって、i回目(iは自然数、N≧i)の演算周期でのTF1に基づく基準点Aの位置TF1P(i)は、式(6)で表させる。
TF1P(i)= TF1P1+(( TF1P2 − TF1P1 )/N)*i 式(6)
この位置TF1P(i)に対応する、座標系RB1を基準とするツール先端の座標値RB1B(i)は、RB1T1を用いると式(7)として求めることができる。

RB1B(i)= RB1T1・(TF1P(i))−1 ・・・ 式(7)
このようにして演算周期ごとにツール先端の座標値RB1B(i)を求めれば、第1ロボット1のツール先端があるべき位置を求めることができる。逆キネマティクスによりツール先端の座標値RB1B(i)から第1ロボット1の各軸への指令を求めて第1ロボット1を動作させる。
次に、第2ロボット2の制御方法を説明する。
第1ロボット1のツール先端位置が座標値RB1B1の時、これに対応する第2ロボット2のツール先端位置の座標系RB2における座標値をRB2C1とする。図1および図2に黒点K1として示すように、第2ロボット2についてもツール先端位置はハンド先端の把持部に設定されている。
また、第1ロボット1のツール先端位置が座標値RB1B2の時、これに対応する第2ロボット2のツール先端位置の座標系RB2における座標値をRB2C2とする。
さらに、第2ロボット2のツール先端位置を原点とするツール座標系TF2を設け、ツール座標系TF1からツール座標系TF2への変換行列をTF1T2とする。
第1ロボット1のハンドと第2ロボット2のハンドは協調動作をするので、ハンド間の相対的な位置関係は予め指定されており、加工作業の間も一定である。すなわち変換行列TF1T2は既知で加工作業の間も変化することがない。
そうすると、第1ロボット1のツール先端位置が座標値RB1B1の時、座標値RB2C1を第1ロボット1の座標系RB1から見ると、式(8)となる。

RB1C1=RB1B1・TF1T2 ・・・ 式(8)
また、第1ロボット1のツール先端位置が座標値RB1B2に移動するのに伴って第2ロボット2のツール先端位置が座標値RB2C2に移動した場合に、座標値RB2C2を第1ロボット1の座標系RB1から見ると、式(9)となる。

RB1C2=RB1B2・TF1T2 ・・・ 式(9)
ここで、第1ロボット1の座標系RB1から第2ロボットの座標系RB2への変換行列RB1Mを利用すると座標値RB2C1および座標値RB2C2は、それぞれ式(10)および式(11)のように表すことができる。

RB2C1=(RB1M)−1RB1B1・TF1T2 ・・・ 式(10)
RB2C2=(RB1M)−1RB1B2・TF1T2 ・・・ 式(11)
座標値RB1B1から座標値RB1B2までの移動が演算周期N回分の時間で行われるのと同様に座標値RB2C1から座標値RB2C2までの移動も演算周期N回分の時間で行われるので、i回目の演算周期での座標系RB2を基準とするツール先端の座標値RB2C(i)は、座標値RB1B(i)を用いると、式(12)のように表すことができる。
RB2C(i)=(RB1M)−1RB1B(i)・TF1T2 ・・・ 式(12)
前述のように、変換行列RB1Mおよび変換行列TF1T2は既知で一定であるので、式(7)によって座標値RB1B(i)が決まれば式(12)によって対応する座標値RB2C(i)が一意に決定される。
このようにして、第1ロボット1のツール先端の座標値RB1B(i)を求めた後、i回目の演算周期での座標系RB2を基準とするツール先端の座標値RB2C(i)を求めることで、第2ロボット2についてもそのツール先端があるべき位置を求めることができる。
そして逆キネマティクスによりRB2C(i)から第2ロボット2の各軸への指令を求めて第2ロボットを動作させる。
図3の例ではワークWは水平を保ったままハンドリングされるが、ワークWを把持するロボットが垂直多関節型であれば、ワークWを様々な姿勢にして加工を行うことができる。また、加工作業の途中でワークWの姿勢を変えることも可能となり、目標加工線が複雑な形状の場合にも対応可能となる。
以上、本発明は、ワークWに対する加工としてアーク溶接を例にとり説明したが、本発明はワークに対する加工としてシーム溶接やシーリング、切削、切断などを行う場合にも適用可能である。例えばシーム溶接の場合には、図6のようにワークWは複数の金属板W1、W2を重ねたものとなり、重ねた状態でハンド3、4により把持して第1ロボット1および第2ロボット2のハンドの到達可能領域内に設置されたシーム溶接機(図示せず)に対してハンドリングを行う。
また、以上の説明ではロボットを2台としたが、加工装置6と各ロボットの互いの位置関係が既知であれば、3台以上のロボットを用いる場合にも本発明を適用して協調動作を行えることは言うまでもない。3台以上のロボットを用いれば、より重いワークをハンドリングしたりワークを堅固に把持したりすることが可能となる。
1 第1ロボット
2 第2ロボット
3、4 ハンド
5 ロボット制御装置
6 加工装置
7 工具
9 加工制御装置
101 溶接トーチ
102 ワーク
103、104 アーム

Claims (3)

  1. ワークに対して加工を行う工具を備え、前記工具が前記ワークに対して相対的に移動することによって前記ワークを加工する加工装置と、
    前記加工装置を制御する加工制御装置と、
    前記ワークを把持するためのハンドを各々の先端に設けた複数のロボットと、
    前記加工制御装置および前記複数のロボットを制御するロボット制御装置と、を備え、
    前記ハンドで把持された状態にある前記ワークを前記複数のロボットによって移動させ、前記工具により前記ワーク上の目標加工線に沿って加工を行うロボットシステムであって、
    前記ロボット制御装置は、加工作業中に位置ずれを生じることがない点を基準点として設定し、
    前記複数のロボットの各々のハンド先端を原点とする複数のツール座標系における前記目標加工線に対応する前記基準点の移動軌跡を演算周期ごとに求め、
    前記移動軌跡を実現するための前記複数のロボットの中の第1ロボットの前記ハンド先端位置を、“前記第1ロボットのツール座標系における移動軌跡上の座標値”及び“前記第1ロボットの座標系の原点から前記基準点へのベクトル”から、前記第1ロボットの座標系における座標値として求め、
    前記第1ロボットの前記ハンド先端位置をその位置へと移動させるとともに、
    第2ロボットの前記ハンド先端位置を、前記第1ロボットの座標系における移動軌跡上の座標値と、
    前記第1ロボットのツール座標系から前記第2ロボットのツール座標系への変換行列と、
    前記第1ロボットの座標系から前記第2ロボットの座標系への変換行列とから、
    前記第2ロボットの座標系における座標値として求め、
    前記第2ロボットの前記ハンド先端位置が前記第1ロボットの前記ハンド先端位置と相対的な位置関係を一定に保ったままで前記工具の軌跡が前記目標加工線と一致するように前記ワークを前記工具に対して移動させて前記ワークの加工を行ない、
    前記工具が前記ワークに加工を施す際の前記工具先端の位置を前記基準点として加工作業中の前記複数のロボットの前記ハンドの位置を制御することを特徴とするロボットシステム。
  2. 前記ロボット制御装置は、前記加工制御装置に指令を出力し前記工具の動作を制御することを特徴とする請求項1記載のロボットシステム。
  3. 前記複数のロボットは、垂直多関節型ロボットであることを特徴とする請求項1記載のロボットシステム。
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